JP3863404B2 - 半導体部材の放熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子で発生した熱を放熱シートを介して放熱部材に伝達させる半導体部材の放熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子で発生した熱を放熱部材に伝達させるために、放熱シートを媒介とした放熱装置が使用されている。
図15にその一例を示す。この半導体部材の放熱装置は、基板101上に断面L字状の放熱部材102が載置され、その一端側に放熱シート103、さらに一端側に半導体部品104が設けられている。また、放熱部材102と半導体部品104とに当接し、半導体部品104を保持する半導体部品保持具105が設けられている。
【0003】
そして、この半導体部材の放熱装置は、つぎのように組み付けられている。まず、螺子106を、半導体部品保持具105の螺子挿通穴107と、長方形の放熱シート103の螺子挿通穴108とに順次挿通する。ついで、この放熱シート103および半導体部品保持具105と一体になった螺子106を、放熱部材102の螺子穴109に螺合貫通させる。そして、このとき、放熱シート102と半導体部品保持具105との間に略直方体状の半導体部品104を挟み込む。最後に、半導体部品104の位置を微調整しながら締結を完了して基板101上に組み付けられる。
【0004】
図16にもう一つの例を示す。この半導体部材の放熱装置は、基板101上に放熱部材102の一端側に半導体部品104を内包した放熱筒110が設けられている。また、この放熱筒110を放熱部材102に付勢させて保持するための半導体部品保持具111が設けられている。
そして、この半導体部材の放熱装置は、つぎのように組み付けられている。まず、略直方体状の半導体部品104を長円筒状の放熱筒110の内側に嵌合する。ついで、半導体部品104を内包した放熱筒110を、放熱部材102の一端側に当接させる。ついで、弾性を有する断面略コ字状の半導体部品保持具111の押圧部112を放熱筒110の一端側に当接させると同時に、この半導体部品保持具111の固定部113を放熱部材102の他端側に当接させる。最後に、固定部113に設けられた突起部114を放熱部材102の嵌合穴115に嵌合させて基板101上に組み付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した図15および図16の半導体部材の放熱装置には、つぎに述べるような問題があった。
図15の半導体部材の放熱装置では、指先で放熱シート103と半導体部品104とを放熱部材102に付勢しながら、半導体部品保持具105を半導体部品104が一端側から他端側に付勢されるように螺子止めしなくてはならなかった。そのため、螺子止め時に放熱シート103や半導体部品104がずり落ちる場合が有り、作業性が悪いという問題があった。
【0006】
また、図15の半導体部品104は、放熱シート103と半導体部品保持具105とに挟持されているだけであったので、半導体部品104の基板101に対する位置決めが一定しないという問題があった。
図16の半導体部材の放熱装置では、まず、指先で放熱筒110を放熱部材102に付勢しながら、半導体部品保持具111の内側で放熱部材102と放熱筒110とが挟持されるようにしなければならなかった。それから、放熱筒110をその位置がずれないように指で保持しながら、半導体部品保持具111を所定の位置まで摺動させる必要があった。そのため、放熱筒110をその位置がずれないように指で保持するのに神経を使わなくてはならず、作業性が悪いという問題があった。
【0007】
また、図16の半導体部品104は、放熱筒110内に嵌合され、この放熱筒110は、半導体保持具111により放熱部材102に付勢されているだけであったので、半導体部品104を内包する放熱筒110と放熱部材102との位置関係が一定しなかった。従って、基板101に対して半導体部品104の位置決めが一定しないという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題を解決したもので、半導体部品の放熱部材への組み付け作業性を向上させ、基板と半導体部品との位置関係を一定にすることができる半導体部材の放熱装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る半導体部材の放熱装置は、発熱体である半導体部材と、前記半導体部材で発生した熱を放熱する放熱部材と、前記半導体部材と前記放熱部材との間に配置され、前記半導体部材で発生した熱を前記放熱部材に伝導させる放熱シートとを有する半導体部材の放熱装置であって、上記放熱シートの少なくとも半導体部材側の面または放熱部材側の面の何れか一方に突起部を設け、当該突起部に対応して半導体部材または放熱部材に嵌合穴を設けると共に、突起部の先端側に凹溝を形成し、且つ当該突起部の外周に、根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部を形成したことを特徴とする。
【0015】
(作用)
請求項1に係る発明によれば、放熱シートに設けた突起部を半導体部材または放熱部材に設けた嵌合穴に係合することで、放熱シートに半導体部材や放熱シートが当接してこれらが連結される。
そして、突起部の先端側に凹溝を形成しているため、突起部を嵌合穴に係合する際に、凹溝の幅を縮める方向に付勢することで突起部の先端側の形状が比較的軽い力で変形し、また、突起部の外周にその根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部を形成したため、嵌合穴への突起部の嵌合時に放熱シートに当接する面積が小さくなって、放熱シートに大きな力が加わることが防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1および図2は請求項1に係る発明の第1の実施形態を示し、この第1の実施形態の半導体部材の放熱装置では、基板1上に断面L字状の放熱部材3が立設されている。そして、この放熱部材3の一端側には、半導体部品7で発生した熱を放熱部材3に伝導させる略長方形のシリコン製の放熱シート5が設けられている。さらに、この放熱シート5の一端側には、略直方体状の発熱体である半導体部材としての半導体部品7(例えば、ローム社の製品名:TO220)が設けられている。また、半導体部品7の一端側の上側には、略直方体状の半導体部品保持具9が設けられている。
【0022】
放熱部材3には、正方形断面の嵌合穴3aが形成され、さらに、嵌合穴3aよりも上端側に螺子穴3bが形成されている。
放熱シート5には、図3に示すように、両面の同じ位置に半導体側突起部5aと放熱側突起部5bとが一体形成されている。そして、半導体側突起部5aは、放熱シート5の半導体部品7側に円柱状に形成され、放熱側突起部5bは、放熱シート5の放熱部材3側に形成されて嵌合穴3aに嵌合されている。
【0023】
また、放熱側突起部5bは、嵌合穴3aと対応してその横断面形状が正方形形状にされ、放熱側突起部5bの外周は、その根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部5cが形成されている。そして、放熱側突起部5bの先端側に凹溝5dが形成されている。
【0024】
半導体部品7には、その上端側に半導体側突起部5aが嵌合される嵌合穴7aが形成されている。さらに、半導体部品7の下端側には、基板1上に形成されたスルーホール1aに挿入されるピン7bが設けられている。
【0025】
半導体部品保持具9には、半導体部品7の嵌合穴7aに嵌合する突起部9aが設けられている。この突起部9aは、半導体部品保持具9の下端側に設けられており、その上側には、螺子11が挿通される螺子挿通穴9bが形成されている。
この第1の実施形態の半導体部材の放熱装置は、以下述べるようにして組み付けられる。
【0026】
まず、放熱シート5の放熱側突起部5bを放熱部材3の嵌合穴3aに嵌合する。ついで、放熱シート5の半導体側突起部5aを半導体部品7の嵌合穴7aに他端側から嵌合し、半導体部品7と放熱シート5とを当接させる。ついで、半導体部品保持具9の突起部9aを嵌合穴7aの一端側から嵌合し、半導体部品保持具9と半導体部品7とを当接させ、放熱シート5と半導体部品7と半導体部品保持具9とを一体とする。ついで、螺子11を半導体部品保持具9の螺子挿通穴9bに挿通し、さらに、この螺子11を放熱部材3の螺子穴3bに螺合貫通して組み付けて最後に半導体部品7のピン7bをスルーホール1aに挿通して基板1上に立設する。
【0027】
この第1の実施形態の半導体部材の放熱装置では、半導体側突起部5aが嵌合穴7aに嵌合され、半導体部品7と放熱シート5とが当接して連結されるので、半導体部品7の組み付け作業性を向上することができる。また、半導体部品7と放熱シート5との上下左右方向への移動が相互に拘束されるから、放熱シート5を放熱部材3に位置決めして設ければ、基板1と半導体部品7との位置関係を一定にすることが可能である。
【0028】
また、放熱側突起部5bが嵌合穴3aに嵌合され、放熱部材3と放熱シート5とが当接して連結されるので、半導体部品7の組み付け作業性を向上することができる。
また、放熱部材3と放熱シート5と半導体部品7とが連結されるので、半導体部品7の組み付け作業を容易に行うことができる。
【0029】
また、放熱側突起部5bの嵌合穴3aへの嵌合時に、その横断面形状が正方形断面形状であるので、放熱側突起部5bは嵌合穴3aに対して、複数の面が当接され、放熱部材3と放熱シート5とは相互に回転が拘束されるから、放熱部材3と放熱シート5とを相互に回り止めすることができる。
また、放熱側突起部5bの先端側には凹溝5dが形成され、凹溝5dの幅を縮める方向に放熱側突起部5bを付勢することで、放熱側突起部5bの先端の形状が比較的軽い力で変形され、比較的容易に放熱側突起部5bを嵌合穴3aに圧入することができる。
【0030】
また、放熱側突起部5bの外周には、その根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部5cが形成され、放熱側突起部5bと嵌合穴3aとの嵌合時の当接する面積が小さくされているため、嵌合時に、放熱シート5に大きな力が加わり破損してしまうことを防ぐことができる。
図4および図5は請求項1に係る発明の第2の実施形態を示す。
【0031】
なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この第2の実施形態の半導体部材の放熱装置では、基板1上に断面L字状の放熱部材3Aが立設されている。そして、この放熱部材3Aの一端側には、略長方形のシリコン製の放熱シート5Aが設けられている。さらに、この放熱シート5Aの一端側には、略直方体状の発熱体である半導体部材としての半導体部品13(例えば、ローム社の製品名:TO3P)が設けられている。また、半導体部品13の一端側の上側には、断面略クランク状の半導体部品保持具15が設けられている。
【0032】
放熱部材3Aには、正方形断面の嵌合穴3aが形成され、さらに、嵌合穴3aよりも上端側に螺子穴3bが形成されている。
放熱シート5Aには、図6に示すように、両面の同じ位置に放熱側突起部5bと半導体側突起部5eとが一体形成されている。そして、放熱側突起部5bは、放熱シート5Aの放熱部材3A側に設けられて嵌合穴3aに嵌合され、半導体側突起部5eは、放熱シート5Aの半導体部品13側に設けられている。
【0033】
この半導体側突起部5eは、その横断面形状が正方形形状にされ、半導体側突起部5eの外周は、その根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部5fが形成されている。さらに、この半導体側突起部5eの先端側には、凹溝5gが形成されている。
半導体部品13には、その上端側には、半導体側突起部5eが嵌合される嵌合穴13aが設けられている。さらに、半導体部品13の下端側には、基板1に形成されたスルーホール1aに挿入されるピン13bが設けられている。
【0034】
半導体部品保持具15には、半導体部品13の嵌合穴13aに嵌合する突起部15aが設けられている。この突起部15aは、半導体部品保持具15の下端側に設けられており、その上側には、螺子11が挿通される螺子挿通穴15bが形成されている。
この第2の実施形態の半導体部材の放熱装置は、以下述べるようにして組み付けられる。
【0035】
まず、放熱シート5Aの放熱側突起部5bを放熱部材3Aの嵌合穴3aに嵌合する。ついで、放熱シート5Aの半導体側突起部5eを半導体部品13の嵌合穴13aに他端側から嵌合し、半導体部品13と放熱シート5Aとを当接させる。ついで、半導体部品保持具15の突起部15aを嵌合穴13aの一端側から嵌合し、半導体部品保持具15と半導体部品13とを当接させ、放熱シート5Aと半導体部品13と半導体部品保持具15とを一体とする。ついで、螺子11を半導体部品保持具15の螺子挿通穴15bに挿通し、さらに、この螺子11を放熱部材3Aの螺子穴3bに螺合貫通して組み付けて最後に半導体部品13のピン13bをスルーホール1aに挿通して基板1上に立設する。
【0036】
この第2の実施形態の半導体部材の放熱装置においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
そして、この第2の実施形態では、半導体側突起部5eの先端側には凹溝5gが形成され、凹溝5gの幅を縮める方向に半導体側突起部5eを付勢することで、半導体側突起部5eの先端の形状が比較的軽い力で変形され、比較的容易に半導体側突起部5eを嵌合穴13aに圧入することができる。
【0037】
また、半導体側突起部5eの外周には、その根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部5fが形成され、半導体側突起部5eと嵌合穴13aとの嵌合時の当接する面積が小さくされているため、嵌合時に、放熱シート5Aに大きな力が加わり破損してしまうことを防ぐことができる。
図7および図8は、請求項1に係る発明の第3の実施形態を示している。
【0038】
なお、この第3の実施形態において、第1および第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この第3の実施形態の半導体部材の放熱装置では、基板1上に断面L字状の放熱部材3Aが立設されている。そして、この放熱部材3Aの一端側には、略長方形の放熱シート5Aが設けられている。さらに、この放熱シート5Aの一端側には、半導体部品13が設けられている。また、この半導体部品13の一端側には、断面略L字状の半導体部品保持具17が設けられている。また、半導体部品保持具17には、螺子11が挿通される螺子挿通穴17aが形成されている。
【0039】
この第3の実施形態の半導体部材の放熱装置は、以下述べるようにして組み付けられる。
まず、放熱シート5Aの放熱側突起部5bを放熱部材3Aの嵌合穴3aに嵌合する。ついで、放熱シート5Aの半導体側突起部5eを半導体部品13の嵌合穴13aに他端側から嵌合し、半導体部品13と放熱シート5Aとを当接させる。ついで、螺子11を半導体部品保持具17の螺子挿通穴17aに挿通し、さらに、この螺子11を放熱部材3Aの螺子穴3bに螺合貫通して組み付けて最後に半導体部品13のピン13bをスルーホール1aに挿通して基板1上に立設する。
【0040】
この第3の実施形態の半導体部材の放熱装置においても、第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図9および図10は、請求項1に係る発明の第4の実施形態を示している。
【0041】
なお、この第4の実施形態において、第1ないし第3の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この第4の実施形態の半導体部材の放熱装置では、基板1上に断面L字状の放熱部材3Bが立設されている。そして、この放熱部材3Bの一端側には、略長方形の放熱シート5Aが設けられている。さらに、この放熱シート5Aの一端側には、半導体部品13が設けられている。また、この半導体部品13の一端側には、断面略L字状の半導体部品保持具19が設けられている。
【0042】
この半導体部品保持具19には、半導体部品13の嵌合穴13aに嵌合する突起部19aが設けられている。また、半導体部品保持具19のL字の長辺側の面には、その両側に螺子11が挿通される螺子挿通穴19bが形成されている。
この第4の実施形態の半導体部材の放熱装置は、以下述べるようにして組み付けられる。
【0043】
まず、放熱シート5Aの放熱側突起部5bを放熱部材3Bの嵌合穴3aに嵌合する。ついで、放熱シート5Aの半導体側突起部5eを半導体部品13の嵌合穴13aに他端側から嵌合し、半導体部品13と放熱シート5Aとを当接させる。ついで、半導体部品保持具19の突起部19aを嵌合穴13aの一端側から嵌合し、半導体部品保持具19と半導体部品13とを当接させ、放熱シート5Aと半導体部品13と半導体部品保持具19とを一体とする。ついで、螺子11を半導体部品保持具19の螺子挿通穴19bに挿通し、さらに、この螺子11を放熱部材3Bの螺子穴3bに螺合貫通して組み付けて最後に半導体部品13のピン13bをスルーホール1aに挿通して基板上に立設する。
【0044】
この第4の実施形態の半導体部材の放熱装置においても、第1ないし第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図11および図12は、請求項1に係る発明の第5の実施形態を示している。
【0045】
なお、この第5の実施形態において、第1ないし第4の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この第5の実施形態の半導体部材の放熱装置では、基板1上に断面L字状の放熱部材3Cが立設されている。そして、この放熱部材3Cの一端側には、略長方形の放熱シート5Aが設けられている。さらに、この放熱シート5Aの一端側には、半導体部品13が設けられている。また、弾性を有する断面略コ字状の半導体部品保持具21が、放熱部材3Cおよび放熱シート5Aの一部を内包するように設けられている。
【0046】
放熱部材3Cには、嵌合穴3aが設けられ、さらに、嵌合穴3aよりも下端側に嵌合穴3cが設けられている。
半導体部品保持具21は、放熱部材3Cの他端側と当接する固定部21aを有しており、この固定部21aには、嵌合穴3cに嵌合する突起部21bが設けられている。さらに、この半導体部品保持具21は、固定部21aの上端から折曲した連結部21cと、半導体部品13の一端側に付勢される断面し字状の押圧部21dとを有している。
【0047】
この第5の実施形態の半導体部材の放熱装置は、以下述べるようにして組み付けられる。
まず、放熱シート5Aの放熱側突起部5bを嵌合穴3aに勘合する。ついで、放熱シート5Aの半導体側突起部5eを半導体部品13の嵌合穴13aに他端側から嵌合し、半導体部品13と放熱シート5Aとを当接させる。ついで、半導体部品保持具21の押圧部21dを半導体部品13の一端側に当接させると同時に、半導体部品保持具21の固定部21aを放熱部材3Cの他端側に当接させる。ついで、この半導体部品13のピン13bを基板1のスルーホール1aに挿入して基板1上に立設する。
【0048】
この第5の実施形態の半導体部材の放熱装置においても、第1ないし第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した実施形態では、放熱シート5,5Aに逆四角錐状の放熱側突起部5bを一体形成し、それに対応する放熱部材3,3A,3B,3Cの嵌合穴3aを四角形にして、放熱シート5,5Aの回り止めをした例について説明したが、図13および図14に示すように放熱シート5Bに、横断面形状が円形状である逆円錐台状の放熱側突起部5hを異なる位置に2つ設け、この放熱側突起部5hを放熱部材3Dに形成された2つの嵌合穴3dに嵌合することで回り止めの役割を果たさせても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る半導体部材の放熱装置によれば、放熱シートに設けた突起部を半導体部材または放熱部材に設けた嵌合穴に係合すれば、放熱シートに半導体部材や放熱シートが当接してこれらが連結されるので、半導体部材の組み付け作業性を向上することができる。
さらに、半導体部材と放熱シートとの上下左右方向への移動が相互に拘束されるから、例えば、放熱シートを放熱部材に位置決めして設ければ、基板と半導体部材との位置関係を一定にすることが可能である。
【0050】
而も、突起部の先端側に凹溝を形成しているため、突起部を嵌合穴に係合する際に、凹溝の幅を縮める方向に付勢することで突起部の先端側の形状が比較的軽い力で変形して比較的容易に突起部を嵌合穴に圧入することができると共に、突起部の外周にその根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部を形成して、突起部と嵌合穴との嵌合時に放熱シートに当接する面積が小さくしたため、放熱シートに大きな力が加わって破損してしまうことがなくなる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る半導体部材の放熱装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示す放熱装置の正面図である。
【図3】 図1に示す放熱装置の放熱シートを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図4】 請求項1に係る半導体部材の放熱装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】 図4に示す放熱装置の正面図である。
【図6】 図4に示す放熱装置の放熱シートを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図7】 請求項1に係る半導体部材の放熱装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【図8】 図7に示す放熱装置の正面図である。
【図9】 請求項1に係る半導体部材の放熱装置の第4の実施形態を示す断面図である。
【図10】 図9に示す放熱装置の正面図である。
【図11】 請求項1に係る半導体部材の放熱装置の第5の実施形態を示す断面図である。
【図12】 図11に示す放熱装置の正面図である。
【図13】 請求項1に係る半導体部材の放熱装置の変形例を示す断面図である。
【図14】 図13の放熱装置の放熱シ−トを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図15】 従来の半導体部材の放熱装置を示す断面図である。
【図16】 従来の半導体部材の放熱装置を示す断面図である。
【符号の説明】
3,3A,3B,3C,3D 放熱部材
3a,3d,7a,13a 嵌合穴
5,5A,5B 放熱シート
5a,5f 半導体側突起部
5b,5h 放熱側突起部
5c,5f テーパ部
5d,5g 凹溝
7,13 半導体部品
Claims (1)
- 発熱体である半導体部材と、
前記半導体部材で発生した熱を放熱する放熱部材と、
前記半導体部材と前記放熱部材との間に配置され、前記半導体部材で発生した熱を前記放熱部材に伝導させる放熱シートと、
を有する半導体部材の放熱装置であって、
上記放熱シートの少なくとも半導体部材側の面または放熱部材側の面の何れか一方に突起部を設け、
当該突起部に対応して半導体部材または放熱部材に嵌合穴を設けると共に、
突起部の先端側に凹溝を形成し、且つ当該突起部の外周に、根元側に向けて断面が縮小されるテーパ部を形成したことを特徴とする半導体部材の放熱装置。
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JP2001324959A JP3863404B2 (ja) | 2001-10-23 | 2001-10-23 | 半導体部材の放熱装置 |
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Publications (2)
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