JP3863070B2 - パンチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数枚の紙に孔を穿孔するパンチに係り、パンチ屑の収容状態をパンチの正面側から把握することができるとともに、ダストケース内に溜まったパンチ屑を容易に捨てることができるパンチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、書類を綴じ込むために、その綴じ込み側縁部に沿って1穴や2穴あるいは多数穴を開けるためのパンチが知られている。このうち、いわゆる強力パンチと称されるものは、100枚以上の紙に穿孔することができるように、パンチング軸が中空にしてあり、切り取ったパンチ屑を順次中空部内に取り込むように構成され、強力パンチの一部に一体的に設けたダストケースにパンチ屑を収容できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかるパンチはダストケースを一体的に設けてあるため、ダストケース内のパンチ屑を捨てる場合には、一旦パンチ全体を持ち上げなければならず、捨てる作業が非常に面倒なものとなり不便である。このような不具合は、通常のパンチと比較して大型重量物である強力パンチの場合に顕著に現れる。そこで、ダストケースがパンチ本体の背面側から着脱できるものを採用し、ダストケース内のパンチ屑を捨てる場合には、ダストケースをパンチ本体から外すようにしたものがある。しかしながら、このようなものであれば、ダストケース内のパンチ屑の溜まり具合をパンチの正面側からは把握することができず、パンチの背面側からわざわざ確認しなければならならず、今ひとつ使い勝手に優れたものではない。
【0004】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、ダストケース内のパンチ屑の収容状態をパンチの正面側から把握することが可能であり、パンチ屑を捨てる作業も容易に行うことのできるパンチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような構成を採用したものである。
【0006】
すなわち、本発明のパンチは、基台と、この基台の上端側より一体に立ち上がる保持構体と、この保持構体内に昇降可能に収容されてパンチング軸を保持する軸ホルダーと、前記基台の後方から差し込む着脱式で半透明のパンチ屑を収容するダストケースとを具備してなるものであって、基台の2ヶ所に前記パンチング軸の刃先を受けるマットを埋設しているとともに、基台の一部をなす前記マット間の位置に、パンチ屑の収容状態を基台側から視認可能とする窓部を設け、前記ダストケースの一部を前記窓部として機能させていることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、パンチの正面側からパンチ屑の溜まり具合を視認することができるので、パンチの背面側からパンチ屑の収容状態を確認しなければならない従来品の不具合を解消し、基台に紙葉類を置く場合等にパンチ屑の溜まり具合を簡単かつ的確に把握することができる。
【0008】
また、パンチ屑を収容する半透明のダストケースの一部が前記窓部として機能するので、上記の利点を損なうことなく、パンチ屑を収容する空間を基台の一部に設けることができる。
【0009】
さらに、ダストケースが基台の後方から差し込む着脱式のものであるので、ダストケースをパンチ本体から外すことができ、ダストケース内に溜まったパンチ屑を捨てる作業を、パンチ全体を持ち上げて行う場合と比較して、容易に行うことが可能になる。
【0010】
また、ダストケースに蓋を設けているものであれば、例えばダストケースがパンチ本体から外す時等に不意に落下した場合であってもパンチ屑がダストケース外に散乱することを有効に防止し、パンチ屑の適切な収容状態を確保することができる。
【0011】
このような構成において、前記窓部がダストケースの蓋であれば、上述したパンチの正面からパンチ屑の溜まり具合の把握ができるという利点、及びパンチ屑の適切な収容状態を確保することができるという利点を、一部材である蓋によって実現することができ、部品点数の削減をも図ることができる。
【0012】
また、中空体状のパンチング軸内に取り込んだパンチ屑を軸ホルダーの後方側に開口させた排出口から順次排出するようにすると、パンチ屑が軸ホルダーの前方側に排出されないため、パンチの使用時に紙葉類を載置する載置面上にパンチ屑を散乱させることなく、好適に使用することができる。
【0013】
加えてダストケースの一部に、排出口から排出されるパンチ屑をダストケース内に導入するための開口を設けているようにすれば、パンチ屑をダストケース内に確実に収容することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
この実施形態のパンチは、図1に後述するカバーCを外した状態を示すように、基台1と、この基台1の上端側より立ち上がる保持構体2と、この保持構体2内に昇降可能に収容されてパンチング軸3を保持する軸ホルダー4と、前記保持構体2の上端側に基端側を回転可能に支持させた操作ハンドル5と、保持構体2内にあって操作ハンドル5の回転操作に軸ホルダー4の昇降動作を連動させる連動機構6(図6参照)とを具備してなる。
【0016】
基台1は、保持構体2及びその付属物である操作ハンドル5等を支持するに足る剛性を有した板状のもので、上面を紙葉類の載置面1aとしているとともに、その上端近傍部におけるパンチング軸3の対応2ヶ所に、同パンチング軸3の刃先3aを受ける樹脂製の円形マット11を上面を載置面1aと略面一にした状態で埋設している。
【0017】
保持構体2は、基台1に接地する部分に対して、軸ホルダー4の収納部分、操作ハンドル5の取付部、連動機構6の収容部を前方(すなわち載置面1a側)に持ち出しているもので、そのオーバーハングした部分の下面2aと、基台1の上面1aとの間に、紙の束の上端側を差し込むようにしている。軸ホルダー4及び連動機構6の収容部は、ともに左右に対をなすブロック体状の構体部21に前方に向けて開口させた上下方向の溝22内に設定されているもので、この溝22は構体部21の前述したオーバーハング部分の下面2a及び上面2bに開口している。図において各要素部品を取り付けるために必要なボルト等は省略してある。
【0018】
軸ホルダー4は、前記溝22の幅寸法及び奥行寸法に略対応した外形寸法を有する概略直方体形状のもので、溝22内に上下摺動可能に収容されている。この軸ホルダー4に取り付けられるパンチング軸3は、中空パイプ状のもので、下端側の刃先3aが紙の束に切り込むことによって、切り取られたパンチ屑をその中空部に取り込み、順次押し上げられたパンチ屑を後述する排出口4aから排出するようにしている。
【0019】
操作ハンドル5は、剛性のあるハンドルレバー51を操作端側が拡開するようなコ字形に折り曲げ、その操作端側に樹脂製のハンドル操作部52を取り付けたもので、ハンドルレバー51の基端側を各々対応する前記溝22の上端近傍部分に挿入して、その部位を水平軸53を介して構体部21に回転可能に取り付けている。
【0020】
連動機構6は、図6に示すように、前記ハンドルレバー51の回転中心から偏位した部位と軸ホルダー4の上端部とを連結するリンク61及び一対のリンクピン62、63を主体として構成されているもので、下側のリンクピン63は常に軸ホルダー4の軸心位置で昇降するのに対して、上側のリンクピン62は操作ハンドル5が直立位置から押し下げられるに伴って水平軸53の一定半径上を円弧を描いて降下するようになっている。
【0021】
なお、図2及び図3は、保持構体2のほぼ全域を被覆するカバーCを装着した状態のパンチを図示するものである。カバーCには、操作ハンドル5のハンドルレバー51の回転運動を許容する開口C1と、パンチング軸3の取替時に利用する爪部Tを逃げる開口C2とを所要箇所に設けている。
【0022】
このような構成において、本実施形態は、基台1の一部に基台1の後方から差し込み可能な着脱式のダストケース7を設けたものである。
【0023】
ダストケース7は、図3及び図4に示すように、例えば半透明のアクリル製のものであって、パンチ屑を収容するための空間71sを上面を開放した5面によって形成するケース本体71と、ヒンジ機構7hによってケース本体71にある程度回動可能に取り付けられる本発明の蓋たるケースカバー72とから構成されるものである。
【0024】
ケース本体71は、後壁71aの高さ寸法を前壁71bの高さ寸法より高く設定し、左右の側壁71cをこれらの高さ寸法に対応させて長手方向中間部から前端側に亘って2段階の下降段差を連続して形成したものである。
【0025】
ケースカバー72は、頂面72aと、頂面72aから連続してL字形に屈曲して一体に形成した窓部72bとからなり、頂面72aの後端側前記ヒンジ機構7hでケース本体71に付帯させている。なお、頂面72bの後端の一部には操作部72cとして機能する切り欠きを形成している。なお、本実施形態では、窓部72bを、主としてL字形を形成する起立面の下端から水平に延びる水平面を意味しているが、起立面も含めて窓部72bとするものであっても勿論かまわない。
【0026】
このような2つの部材からなるダストケース7は、ケースカバー72によってケース本体71の上方を蓋封した状態において、ダストケース7の側面の一部にパンチ屑をケース本体71内の空間71sに導入するための開口7kを形成するものである。また、上記の状態においては、ケースカバー72の後端側(頂面72aの後端側)の上面がケース本体71の後端側の上端面と略面一となり、ケースカバー72の窓部72bがケース本体71の前端側の上端面に載置される(図4参照)。そして、蓋封したダストケース7を、基台1の後方から差し込んだ場合、図5に図示するように、前記載置面1aに埋設した左右の円形マット11の間に窓部72bが表出し、窓部72bからケース本体71の空間71s内に収容されるパンチ屑の溜まり具合を視認することができる。また、窓部72bの上面を載置面1aと略面一としているため、基台1の上面に凹凸を生じさせることなく、好適に使用することができる。
【0027】
一方、前記保持構体2の内部には、図6に示すように、前記軸ホルダー4の後方側に開口させた排出口4aが設けられ、この排出口4aを介して、前記パンチング軸3の中空部内に取り込まれ順次押し上げられたパンチ屑の排出を行うようにしている。
【0028】
そして、排出口4aから排出されたパンチ屑は、保持構体2の内部に設けたものであってダストケース7の側面に形成した前記開口7kに連通する通路(図示省略)を通過して、ケース本体71の空間71s内に収容される。
【0029】
このようにしてダストケース7内に収容されたパンチ屑は、パンチの背面側からダストケース7に設けた操作部72cを利用してダストケース7を基台1の後方へ抜き取り、ケースカバー72を前記ヒンジ機構7hを利用してケース本体71の後壁71a側へ回転させることによってケース本体71の上方を開放すれば、ケース本体71の空間71s内に収容されたパンチ屑を簡単に捨てることができる。
【0030】
以上のように、本実施形態のパンチは、基台1の一部をなす位置に、パンチ屑の収容状態を基台1側から視認可能とする窓部72bを設けてあるため、パンチの正面側からパンチ屑の溜まり具合を視認することができ、パンチの背面側からパンチ屑の収容状態を確認することなく、基台1に紙葉類を置く場合等にパンチ屑の溜まり具合を簡単かつ的確に把握することができる。
【0031】
また、パンチ屑を収容する半透明のダストケース7の一部が前記窓部72bとして機能するので、上記の利点を損なうことなくパンチ屑を収容する空間71sを基台1の内部に設けることができる。
【0032】
特に、ダストケース7が基台1の後方から差し込む着脱式のものであるため、ダストケース7をパンチ本体から外すことができるので、ダストケース7内のパンチ屑を捨てる作業を、パンチ全体を持ち上げて行う場合と比較して、容易に行うことが可能になる。
【0033】
また、ダストケース7にケースカバー72を設けているので、例えばダストケース7がパンチ本体から外す時等に不意に落下した場合であってもパンチ屑がダストケース7の外部へ飛び出ることを有効に防止し、パンチ屑の適切な収容状態を確保することができる。
【0034】
このような構成において、前記窓部72bがダストケース7のケースカバー72の一部であるため、一部材であるケースカバー72によって、パンチの正面からパンチ屑の溜まり具合を把握することができるとともに、パンチ屑の適切な収容状態を確保することができ、部品点数の削減を有効に図ることができる。
【0035】
また、中空体状のパンチング軸3内に取り込んだパンチ屑を軸ホルダー4の後方側に開口させた排出口4aから順次排出するようにしているので、パンチ屑が軸ホルダー4の前方側に排出されないため、パンチの使用時に紙葉類を載置する載置面1a上にパンチ屑を散乱させることなく、好適に使用することができる。
【0036】
加えてダストケース7の側面に、排出口4aから排出されるパンチ屑をダストケース7内に導入するための開口7kを設けているため、パンチ屑をダストケース7内に確実に収容することができる。
【0037】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、ダストケースは半透明のものであればよく、アクリル素材以外の合成樹脂素材等からなるものであっても構わない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パンチの正面側からパンチ屑の溜まり具合を視認することができ、パンチの背面側からパンチ屑の収容状態を確認することなく、基台に紙葉類を置く場合等にパンチ屑の溜まり具合を簡単かつ的確に把握することができるとともに、ダストケース内に溜まったパンチ屑を容易に捨てることが可能となる。また、パンチ屑を収容する半透明のダストケースの一部が前記窓部として機能するので、上記の利点を損なうことなく、パンチ屑を収容する空間を基台の一部に設けることができる。さらに、ダストケースが基台の後方から差し込む着脱式のものであるので、ダストケースをパンチ本体から外すことができ、ダストケース内に溜まったパンチ屑を捨てる作業を、パンチ全体を持ち上げて行う場合と比較して、容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパンチをカバーを外した状態で模式的に示す斜視図。
【図2】同実施形態に係るパンチをカバーを装着した状態で示す斜視図。
【図3】同実施形態を背面側から見た模式的に示す部分拡大斜視図。
【図4】同実施形態のダストケースを示す斜視図。
【図5】同実施形態のダストケースと基台との関係を模式的に示す部分拡大側断面図。
【図6】同実施形態の軸ホルダー内を示す部分拡大側断面図。
【符号の説明】
1…基台
2…保持構体
3…パンチング軸
4…軸ホルダー
4a…排出口
7…ダストケース
7k…開口
72…ケースカバー(蓋)
72b…窓部
Claims (5)
- 基台と、この基台の上端側より一体に立ち上がる保持構体と、この保持構体内に昇降可能に収容されてパンチング軸を保持する軸ホルダーと、前記基台の後方から差し込む着脱式で半透明のパンチ屑を収容するダストケースとを具備してなるものであって、
基台の2ヶ所に前記パンチング軸の刃先を受けるマットを埋設しているとともに、
基台の一部をなす前記マット間の位置に、パンチ屑の収容状態を基台側から視認可能とする窓部を設け、前記ダストケースの一部を前記窓部として機能させていることを特徴とするパンチ。 - ダストケースに蓋を設けていることを特徴とする請求項1記載のパンチ。
- 前記窓部がダストケースの蓋の一部であることを特徴とする請求項2記載のパンチ。
- 中空体状のパンチング軸内に取り込んだパンチ屑を軸ホルダーの後方側に開口させた排出口から順次排出するようにしていることを特徴とする請求項1記載のパンチ。
- ダストケースの一部に、排出口から排出されるパンチ屑をダストケース内に導入するための開口を設けていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のパンチ。
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