JP3862701B2 - 鮎釣り用植物プランクトン餌料 - Google Patents

鮎釣り用植物プランクトン餌料 Download PDF

Info

Publication number
JP3862701B2
JP3862701B2 JP2004028807A JP2004028807A JP3862701B2 JP 3862701 B2 JP3862701 B2 JP 3862701B2 JP 2004028807 A JP2004028807 A JP 2004028807A JP 2004028807 A JP2004028807 A JP 2004028807A JP 3862701 B2 JP3862701 B2 JP 3862701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phytoplankton
fishing
bait
carp
hook
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004028807A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005218344A (ja
Inventor
正明 佐藤
Original Assignee
正明 佐藤
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 正明 佐藤 filed Critical 正明 佐藤
Priority to JP2004028807A priority Critical patent/JP3862701B2/ja
Publication of JP2005218344A publication Critical patent/JP2005218344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3862701B2 publication Critical patent/JP3862701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

本発明は、新規な鮎釣り用プランクトン餌料に関する。
温水性の鮎は、16℃〜22℃の水温を好み、年魚と呼ばれ、その一生は約1年で終る。 秋に川で孵化した稚魚は、川を下り汽水で動物プランクトンを餌とし体長3cm程度の大きさになる。そして、春に遡上を始める。これは、登り鮎と呼ばれ、動物プランクトンの他に甲殻類・川虫・昆虫などを餌とする。体長6−7cmに成長すると、川に定着し始め川底の岩石に繁殖する植物プランクトンを主な餌として産卵期に向け盛んに食欲を見せる。秋になると下流へ下り産卵し約一週間で孵化する。この生活循環を繰り返す鮎を海産鮎と呼び成魚になると20cm以上になる。
これとは別に、琵琶湖などの湖に陸封されたために、海に下り、遡上を繰り返すことなく一生を過ごす生態を持つ鮎を湖産鮎と呼び、海産鮎ほどの大きさには成長しない。
鮎の体長は、5月から6月に12cmから15cmになり、餌となる植物プランクトンが豊富に繁茂する7月から8月になると20cm以上に成長する。
中流・上流で植物プランクトンを餌とする頃には、鮎は大きく分けて、川の瀬と淵の二つの生息域に分かれて活動する。餌である新鮮な植物プランクトンが繁殖している瀬に生息する鮎は、その生息域を独占的に確保するために単独で定住し、縄張り鮎と呼ばれる。
一方、植物プランクトンが盛んに繁殖する最良の餌場である瀬から追い出された鮎は、植物プランクトンの少ない餌場である淵において、瀬に生息する単独鮎のようにその生息域を独占せずに群れを形成し、植物プランクトンの他に川虫、昆虫類も食餌するあぶれ鮎と呼ばれる。
釣りの対象とする鮎は、現在、天然鮎・放流の海産鮎・放流の湖産鮎・養殖鮎の4種類に分けられる。
天然鮎は、冒頭に記述した生活循環を自然に行う海産鮎でその数は少ない。
放流の海産鮎は、遡上する鮎を河口で捕獲し、養殖池に一旦移し、より上流に放流するもので、闘争心が弱くあぶれ鮎となり、湖産鮎が釣れ尽くした後、瀬に移動し縄張りを作り友釣りで釣れる。
放流の湖産鮎は、琵琶湖産が多く占め、捕獲後放流されると動物食性から植物プランクトン食性へと順応し、闘争心が強く海産鮎よりも早く縄張りを持ち、解禁されると友釣りで良く釣れるが、その数は次第に少なくなっている。
養殖鮎は、完全に人工的に孵化、養殖されたもので、圧倒的な数が放流されている。人工餌を食べさせられる養殖鮎は、体長6〜7cmになると放流され、人工餌から植物プランクトンにその食性を変えるが、友釣りでは非常に釣れにくく、天然鮎の持つ味も香もない。しかし、9月頃には体長が20cm以上に達するものが生息し、植物プランクトンを食した鮎独特の香気がする。この頃には、鮎の密度が低くなり、友釣りでは釣果が少ない。
これらの鮎の生態から従来の鮎釣り法である友釣り・ドブ釣り・かけ釣り(コロガシ釣り・シャクリ釣り・ちょうちん釣り)・餌釣りが開発されている。
友釣りは、瀬で生息域を独占しようとする縄張り鮎が、その生息域への侵入者を撃退する習性を利用したものである。釣り人は、囮とする生きた鮎の鼻孔に鼻環、体に素掛け針を装着し、釣りの対象となる縄張り鮎の生息域に囮鮎を竿で操作移動し、目標とする鮎の魚体に素掛け針を引っかけて釣上げる釣法である。現在の鮎釣りの8割以上は、この釣法である。元気な囮を鮎船とよばれる魚篭(びく)から選択する、囮鮎に仕掛けをすばやく付け元気なまま泳がせる、仕掛けの鼻環掛け、逆さ針の取り付けを囮の大きさなどの要因で変えるというような複雑な仕掛けで技術的に熟練を要し、根掛かりで素掛け針等が外れたり、高価な囮鮎を逃がすと釣りを中断しなければならない。鮎船や長く重い竿を持ち、長時間急流に体を入れて釣りをするのは、体力を必要とし、老人、子供、女には、不向きな釣りである。
友釣りを可能にしているのは、瀬に棲む単独鮎の生息域が狭く密集するために引っかけやすいのと、淵に生息しながらより良い餌場を探索するあぶれ鮎が、単独鮎が釣れて空いた生息域に新しい単独鮎として住み着き、鮎の生息密度を維持するためである。釣り期前半に友釣りによる釣果が高く、後期には著しく低下する理由は、鮎の密度が低くなるためである。友釣りの道具は高価で、当然生きた囮の鮎を確保しなければ、釣りにはならない。
ドブ釣りは、淵に棲息する鮎を虫に似せた返しのない極小の毛ばりを水中で上下させて釣る方法である。2千以上あるといわれる毛針の中から、その日の気象条件、川相にあわせた毛針の選択は容易ではなく、釣れるのはその生息域のため小型が多く、海から遡上する天然鮎の数が稀になり、毛針に興味を示さない養殖鮎が釣りの殆どの対象となる現在では、釣果が少ない。
かけ釣りは、錘と針のついた仕掛けで川を引き鮎の体に引っかけて釣る方法である。ひっかけ針が川底に残り危険なため、関東、中部東海、東北などの大多数の河川で禁止になっている。
餌釣りは、淵に棲息するあぶれ鮎を対象とし、動物性の餌であるシラス、イカ、オキアミ、アジを返しのない小さい針につけ、餌と同じ物をコマセにして鮎を寄せ、釣る方法である。天然鮎の多い川で効果を発揮するがほとんど実施されていない。
従来の鮎釣り法は、天然及び放流鮎の種類とその生態を熟知し、それぞれの活動・気象条件・気温・水質・水量・流速・植物プランクトンの繁殖状態を見極める熟練を必要とする。しかし、これらの釣法は、対象となる鮎の殆どが天然鮎の時期に開発され、海産鮎、湖産鮎の放流にあわせて改良したものであり、生態が変化しつつある養殖鮎が圧倒的な数の現在にはあわないものになってきているため、釣果が上がらなくなっている。また、その道具は、かなり高価なものが多い。
本発明は、鮎の生態中、本来の就餌の対象となる川底に繁殖する植物プランクトンを餌とする鮎の餌釣りするための植物プランクトン餌料である。本発明となる鮎本来の食餌である植物プランクトンを餌とする独創的釣法は、従来の鮎釣りである友釣り、かけ釣りという獲物とする鮎の体に針を引っかける釣法、毛ばり釣り、動物性餌を使用する餌釣り法とは全く異なる。植物プランクトンを餌とする斬新な釣り法は、天然鮎、放流の海産、放流の湖産鮎、養殖鮎を対象とし、鮎の生息場所に応じて釣り方を変える必要がなく、鮎の漁期期間中、変わらず効果を発揮する釣法である。
鮎一尾が、一日に摂取する藻類の量は、20g程度、一方石に生える藻類は、1平方メートル内に、少なくとも80g以上であり、鮎の食べる量は、40g以下ではなかろうかということである。従って、藻類は、鮎に食べられながらも一日におよそ現存量の三分の一程度増加すると推定される(非特許文献1)。
これらから鮎は、一日平均湿潤藻類量、20g〜80gを食べるほど、産卵期に向けて活発に栄養である植物プランクトンを摂取する。本発明の餌料を用いる釣り法によると、鮎の食性が主に植物プランクトンに変化した時期から、産卵前までの間、植物プランクトンを餌として就餌活動を行う間釣上げる事が出来る。
特に鮎の生息密度が低くなり、領域に入って来た他の鮎を激しく追い払う習性が見られず、友釣りが効果を発揮しなくなる後期にその効力を発揮する。なぜなら、その時期の鮎は、餌である植物プランクトンを豊富に就餌するためである。そして、この頃の鮎の魚体は、その貪欲な食欲のために魚体も大きく成長し、脂も乗り、食べるのには最適の時期を迎え、特に落ち鮎時期(成熟した鮎が産卵のため下流に移動する時期)の前の市場価値は、解禁時期の鮎の4−5倍に達する事がある。
また、日照不足や渇水により植物プランクトンの生育が悪化した場合、この釣り法は効果を発揮する。
鮎は、漁獲後その腹を食すので餌にその食性である植物プランクトン以外のものを使用することは、その価値を下げることになるため、植物プランクトンを餌として釣ることが最善である。
また、鮎は水中の岩石に繁殖した植物プランクトンを食べる時に、口を大きく開く習性があるため、この釣り法においては従来の餌釣りよりも針掛かりが良いことが予想される。そのため、従来の餌釣りに用いる針に返しをつけることも可能であり、これにより植物プランクトン餌がはずれにくくなる。
昭和38年12月25日 恒星社厚生閣発行、殖田三郎著「水産植物学」 333頁〜334頁参照
本発明は、このような観点からなされたものであって、鮎の生息場所に応じて釣り方を変えることなく、鮎の漁期期間中、変わらずに釣果を発揮することができる、植物プランクトンよりなる鮎釣り用餌料を提供することを課題とする。さらに、本発明は、鮎の漁獲後その腹を食した場合に餌による商品価値の影響を受けることが少ない鮎釣り用餌料を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、次のとおりの鮎釣
り用植物プランクトン餌料に関する。
(1)釣り針を通すための貫通した穴を有するかまたは釣り針掛けが可能である、立体的な核となる物質を、鮎の餌となる植物プランクトン培養液に浸漬して植物プランクトンを培養し、該物質の表面に植物プランクトンを繁殖させ、付着せしめてなることを特徴とする、植物プランクトンが表面に付着し、釣り針を通すための貫通した穴を有するかまたは釣り針掛けが可能である、立体的な核となる物質よりなる鮎釣り用植物プランクトン餌料。
(2)鮎の餌となる植物プランクトンが珪藻および/または藍藻である前記(1)記載の餌料
(3)立体的な、核となる物質が釣り針を通すための貫通した穴を有するビーズである前記(1)記載の餌料。
本発明における植物プランクトンとしては、珪藻および/または藍藻が用いられる。
珪藻、藍藻としては、淡水性の付着あるいは群生する藻類が好適である。珪藻として例えば次の珪藻が用いられる。Melosira属、特にMelosira varians、Synedra属 特にSynedra ulna、Synedra ulna var oxyrhynchus、Nitzschia属 特にNitzschia amphibia、Gomphonema属 特にGomphonema sphaerophorum、Gomphonema olivaceum、Cocconeis属 特にCocconeis placentula、Cymbella属 特にCymbella ventricosa 、Amphora属 特に Amphora ovalis、Achnanthes属 Achnanthes minutissima、Achnanthes brevipes、Fragilaria属、特にFragilaria intermedia、Navicula属、 特にNavicula cryptocephala、Navicula cryptocephala var. intermedia、Tabellaria属、Meridion属、Diatoma属、Rhoicosphenia属、Bacillaria属、Epithemia属、Rhopalodia属、Eunotia属である。
また、藍藻としては、特にOscillatoria属の藍藻が用いられる。
本発明は、これらの植物プランクトンを1種あるいは数種培養する。
植物プランクトンの立体的な核となる物質への付着は、植物プランクトン培養液に立体
的な核となる物質を浸漬して該物質表面に植物プランクトンを繁殖させて行うとよい。
植物プランクトンの培養液は、基礎栄養塩液に、珪酸ソーダ、エチレンジアミン4酢酸
(EDTA)、土壌抽出液、ビタミンB12等を加えた物である。
基礎栄養塩液は、リン、チッソ、カリ、マグネシウム、カルシウム等に微量元素を加え
たものである。
また、釣針を通すことが可能であって、立体的な核となる物質には、穴の貫通したプラ
スチック製ビーズ、穴の貫通した陶器のビーズ、穴の貫通したゴム顆粒などを例示するこ
とができる。また釣り掛けが可能であり、立体的な核となる物質には、ゴムあるいはソフ
トプラスチックから形成された板体あるいは顆粒を例示することができ、釣り針がつきさ
さるものであれば使用することが可能である。
しかし、板のような平面的なものより、ビーズのような立体的なものの方が植物プラン
クトンが付着する表面積が増え、培養時間が短縮するので望ましい。
これら核となる物質の形状としては球形ばかりではなく、直方体、立方体、帯状物、丸
状物等種々の形状があるが、植物プランクトンを付着させるために、その表面積が大きく
、かつ鮎の口に入るものが望ましい。
特に好ましい核となる物質は、釣針を通すため穴のあいているビーズ状のものであって
、糸により穴に連結され、培養液中に吊るされることが好ましい。
このような、植物プランクトンをその周りに付着した核となる物質が、鮎釣りの餌とし
て用いられる。
このように植物プランクトンを鮎釣りの餌とする場合には、植物プランクトンを繁殖させる核となる物質が必要である。鮎の食餌となる植物プランクトンは、川中、川底にある岩や石に繁殖している珪藻、藍藻という藻類である。それらをまとめて餌にし、釣り針につけることも実験したが、鮎は流れの速い河川に多く生息するため、餌はすぐに流され、餌としての効果を持たない。釣り針自体に珪藻を付着培養することも試みたが、水中での培養では、釣り針の酸化が起きるため、釣り針としての働きを果たさないばかりでなく、魚を寄せ付けないことになる。また、酸化防止剤等を用い釣り針の酸化を防ぎ珪藻の付着を可能にしても、釣り針の交換に時間が掛かり、安易な餌釣りとしての効果がない。
しかし、植物プランクトンを核となる物質に付着させ培養することで鮎の食い付きを誘因することが可能である。
核となる物質は植物プランクトン自体が付着可能な物質であることを考慮すべきである。鮎の口による食い付き、川の流れなどの物理的力により容易に外れることのない物質あるいは形状が望ましい。培養容器中の植物プランクトンは容器の底面、壁面に付着する。これは植物プランクトンが繁殖するために付着物が必要であるからであり、核となる物質である立体物を水中に入れることにより、付着可能な物質の表面積が増え、繁殖を早める事が出来る。本発明では核となる物質として中央に穴の貫通したプラスチック製ビーズを例示して説明するが、植物プランクトンが付着可能な物質で釣り針掛けが出来るゴムなども使用可能である。なお、本発明の立体的な核となる物質にはゲル状のものを含む。
本発明の鮎の餌釣りに用いられる釣り針は、特殊な釣り針でなく、鮎の餌釣り、毛ばり釣りに使用されている軸長が約6ミリほどの針や、その大きさから少し大き目の一般に市販されている釣り針を使用する事が出来る。これは、従来の餌釣り、毛ばり釣りが小型のあぶれ鮎を対象としていたのに対し、植物プランクトンの餌釣りは、大型の縄張り鮎をもその対象としているからである。理想的には、返しをつけた針が望ましい。
餌の植物プランクトンの繁殖する核としてビーズを使用する場合、針への餌の取り付け易さと共に、餌の針はずれを少なくすることが重要である。図1に本発明が使用する鮎釣り用針を示す。また図2に本発明で使用するビーズを示す。Aはビーズの穴の口径を、Bは針の折り返しの巾を、Cは針の曲がりの曲線を、Dはビーズの高さ(長さ)をそれぞれ示す。また、図3〜5に植物プランクトンの付着した立体的な核となる物質を釣り針に貫通あるいはつきさした本発明の実施態様を示す。図3は、穴あきビーズの穴に釣り針を貫通させたものを、図4は、ゴムの板状のものに釣り針を突き刺したものを、図5は、ゴム状の顆粒に釣り針をつきさしたものを示す。なお、図中(1)は、釣り針を、(2)は、本発明の餌料を、(3)は、釣り針を貫通させる貫通孔を、(4)は釣り針をつきさした箇所を示す。
ここで図1及び2よりAの巾とBの巾の関係は、A>Bであり、その差は、極小に近づけば、近づくほど良い。
また、C部分の曲線が、餌が釣り針から外れることを防ぐが、Cを通る長さの物質でなければならない。外れにくくするためには、ビーズの長さDが極限まで長い物が望まれる。
針の大きさに応じ、ビーズの長さと穴の大きさを調整する必要がある。
鮎は、囮鮎の肛門を攻撃することが多く、毛ばり釣りでも金色の玉に良く反応を見せるのでビーズの色は金色が望ましい。プラスチック製ビーズそのものにも植物プランクトンは付着するが、川で良質な植物プランクトンの繁茂する頭大以上で表面がつるつるした天然にある丸石の水成岩の摩擦係数以上に表面を加工したものが望ましい。このように、ビーズは、摩擦係数の大きいものを用いる方が外れにくくなるので好ましい。
植物プランクトンを培養し核となる物質に付着させる時、上記植物プランクトンを培養液で単種培養したものを、あるいは複種培養したものを使用する。培養液を作り、ビーズ状の核となる物質の穴に糸を通しあるいは核となる物質を糸に引っかけて培養液上から吊るし、培養液中に浸す。核となる物質であるプラスチック製ビーズを培養液中に入れるのは、当然に核の表面に鮎の餌となる植物プランクトンを付着させるためであるが、植物プランクトンの付着可能な立体物で付着表面積を大きくし、植物プランクトンの繁殖を早めるためである。この糸に吊るしたビーズの培養液に対する総重量比は、20-30%が適量である。またビーズを糸に通し繋ぐのは、釣り場に運ぶのに便利で針掛けが安易なためである。
川での植物プランクトンの繁殖は、流速2.5m/分以上では殆どなく、繁茂が見られる毎分1.0m〜1.3mが最適流速として、これと同じ程度の酸素を供給する通気が必要である。8-10L/分の通気攪拌が適当である。照度は、1,000〜10,000LUXを与えるが、3,000〜4,000LUX(蛍光燈)で16時間照射するのが好ましい。水温は、12℃〜25℃であるが、15℃〜22℃が適温である。この培養方法により、約15〜30日で植物プランクトンがビーズに付着し、鮎の釣り餌を作る事が出来る。
植物プランクトンの大量培養は、植え継ぎで行われ、少量の培養液中で増殖させた細胞をより多量の培養液中に接種する拡大培養法式を用い大量生産を可能とする。
小規模培養では、10L未満の培養器を用いた恒温室内で単種あるいは複種培養する。大規模では、10L以上、500L未満の培養器を用い、フィルター濾過後(5μm→1μm→0.5μm目のフィルターで濾過)、出来れば紫外線とオゾンで滅菌した淡水を使用し培養液を作る。0.5%のCO2を添加した空気を供給し、光合成を助長しpHの上昇を防ぐのが望ましい。
小、大規模の培養は、最適繁殖水温に調整した恒温室内で行うことにより計画的に培養できる。
長期にわたり培養株を保存するには、温度と受光量の低い場所に置き静置し通気はしないほうがよく、培養液中で過密になったら、植え継ぎを繰り返して行うことが必要である。
本発明は、一般に普及している釣り具(竿、糸、針、浮き、重り)で、鮎を釣るために開発された餌釣りの餌である。養殖され人工餌を食べ慣れている植物プランクトン食性に変化した鮎は養殖期間中学習した習性のため、植物プランクトンの付着した岩石から直接食んで摂取する必要のないこの餌に飛び付くのである。養殖により攻撃性の弱い鮎が多い中、あぶれ鮎だけではなく、植物プランクトンを餌とするために領域を持つ縄張り鮎にも効果を発揮する。つまり、本発明の植物プランクトンの餌は、本能として植物プランクトンを食餌とする習性を持つ鮎に、生息場所に関係なく、仕掛けを変えることなく効果を発揮する餌である。
[実施例1]
(1) 培養液の調製
水を煮沸する温度にまで加熱し、放置して室温になるまで冷却する。これは水中の微小生物を殺すためである。この水10Lに次の基礎栄養塩を加える。
1) 水500mlにNaNO3 15g、Ca(NO3)2 1g及びMgSO41.25gを加えて溶解した溶液100ml
2) 水200mlにK2HPO4 400mgを加えて溶解した溶液50ml
3) 水100mlにFeSO4 300mg、クエン酸300mg、 H3BO4 150mg及びMnCl2 100mgを加えて溶解した溶液10ml
4) 水100mlにZnSO4 22mg、Cu SO4 79mg、(NH4)6Mo7O24 15mg、(NH4)VO3 27mg、EDTA 250mg、及びCoCl2 12mgを加えて溶解した溶液1ml
なお、これらの水は培養液に用いる水と同様の水を煮沸する温度にまで加熱し、放置して室温になるまで冷却して使用する。前記1)〜4)は一度基礎栄養塩を加えた後一度煮沸しない程度に加熱する。
次にこの溶液に次の基礎栄養塩を添加して溶解し、培養液を調製する。
5) 珪酸ソーダ 500mg
6) EDTA 50〜100mg
7) 土壌抽出液(土壌浸出培養基:畑土、庭土(乾量200g)を蒸留水1Lに入れ、一時間煮沸、静置し、上澄み液を濾過したもの) 200ml
8) ビタミンB12 7μg
なお、このうち、特に珪酸ソーダは、培養する珪藻の密度が高くなると不足してくるために必要である。
(2) 次にこの培養液に、珪藻Melosira属の種菌、密度2万〜3万 cells/mlを接種し、穴の貫通したプラスチック製ビーズの穴に糸を通し、これを10本吊し、8L/分で通気攪拌しながら水温15〜22℃、照度3000〜4000Luxで約15〜30日間培養する。このようにすると、前記植物プランクトンがビーズに付着し鮎釣り餌を作ることができる。
(3) 上記鮎の釣り餌を図1の釣り針の所定の箇所に餌料の孔を貫通させて図3のようにし、鮎を釣ることができた。
本発明の鮎の餌料は、鮎の餌料となる植物プランクトンが付着しているので鮎を誘うことができ、鮎の生息場所、漁期にかかわらず何人にも容易に鮎を釣ることができ、また鮎の本来の食餌である植物プランクトンを釣り餌として利用するため、商品価値に影響を与えることが少なく、鮎の釣り餌として有用なものである。
本発明で使用する釣り針の側面図を示す。 本発明で使用するビーズの斜視図を示す。 本発明の餌料を釣り針に通した側面図を示す。 本発明の餌料を釣り針につきさした側面図を示す。 本発明の餌料を釣り針につきさした側面図を示す。
符号の説明
(1) 釣り針
(2) 餌料
(3) 貫通穴
(4) つきさした箇所

Claims (3)

  1. 釣り針を通すための貫通した穴を有するかまたは釣り針掛けが可能である、立体的な核となる物質を、鮎の餌となる植物プランクトン培養液に浸漬して植物プランクトンを培養し、該物質の表面に植物プランクトンを繁殖させ、付着せしめてなることを特徴とする、植物プランクトンが表面に付着し、釣り針を通すための貫通した穴を有するかまたは釣り針掛けが可能である、立体的な核となる物質よりなる鮎釣り用植物プランクトン餌料。
  2. 鮎の餌となる植物プランクトンが珪藻および/または藍藻である請求項1記載の餌料。
  3. 立体的な、核となる物質が釣り針を通すための貫通した穴を有するビーズである請求項1記載の餌料。
JP2004028807A 2004-02-05 2004-02-05 鮎釣り用植物プランクトン餌料 Expired - Fee Related JP3862701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004028807A JP3862701B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 鮎釣り用植物プランクトン餌料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004028807A JP3862701B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 鮎釣り用植物プランクトン餌料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005218344A JP2005218344A (ja) 2005-08-18
JP3862701B2 true JP3862701B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=34994484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004028807A Expired - Fee Related JP3862701B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 鮎釣り用植物プランクトン餌料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3862701B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101968878B1 (ko) * 2018-12-11 2019-04-15 어업회사법인 주식회사 제이앤씨 제주도 용암해수 유래 미세부착규조를 이용한 넙치의 면역력 증강용 기능성 사료첨가제 및 제조방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8087200B1 (en) * 2010-06-17 2012-01-03 Ferriss Jimmy A Fishing lure weight
JP2017000119A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 マルキユー株式会社 魚釣り用成型餌
CN106172281A (zh) * 2016-10-11 2016-12-07 文栋 一种接入式饵钩

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101968878B1 (ko) * 2018-12-11 2019-04-15 어업회사법인 주식회사 제이앤씨 제주도 용암해수 유래 미세부착규조를 이용한 넙치의 면역력 증강용 기능성 사료첨가제 및 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005218344A (ja) 2005-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103404462B (zh) 一种刀鲚土池育苗的方法
CN103782932A (zh) 一种草鱼的养殖的方法
CN102100190B (zh) 七带石斑鱼苗种培育方法
CN104604759A (zh) 一种草鱼的养殖方法
CN104396809A (zh) 一种草鱼的养殖方法
CN103190369A (zh) 海洋牧场鲷科鱼类驯化方法
CN105325329A (zh) 草鱼的高产养殖方法
CN104221977A (zh) 一种河蟹池和草鱼池一体化养殖方法
Parisi et al. Molluscs and echinoderms aquaculture: biological aspects, current status, technical progress and future perspectives for the most promising species in Italy
CN103314900A (zh) 一种曼氏无针乌贼池塘高效养殖方法
CN112616739A (zh) 一种盐田虾养殖有效防治桃拉综合征方法
JP3862701B2 (ja) 鮎釣り用植物プランクトン餌料
Toledo et al. Studies on the use of copepods in the semi‐intensive seed production of grouper Epinephelus coioides
CN113455428B (zh) 一种马夫鱼的人工育苗方法
Morris et al. Centrarchid aquaculture
CN108770742A (zh) 一种罗氏沼虾高成活率的育苗方法
CN111066695B (zh) 一种暗纹东方鲀、南美白对虾、空心菜立体种养的方法
Anil et al. Hatchery and farming technologies for molluscs
CN105981684B (zh) 一种优选野长鳖的生产培育方法
Nabhitabhata et al. Performance of simple large-scale cephalopod culture system in Thailand
JP2525609B2 (ja) イセエビ類幼生の飼育方法
KR101317143B1 (ko) 능성어류의 초기 먹이생물 및 그 배양방법
CN102273419B (zh) 一种马鲛鱼的养成方法
Jayakumar et al. Culture of Silver Pompano Trachinotus blochii in coastal aquaculture ponds
CN107691297A (zh) 一种河川沙塘鳢大规格苗种人工培育的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees