JP3861696B2 - Sheet-like dielectric material and method for manufacturing plasma display panel using the same - Google Patents

Sheet-like dielectric material and method for manufacturing plasma display panel using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状誘電体材料およびそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、双方向情報端末として大画面、壁掛けテレビへの期待が高まっている。そのための表示デバイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の数多くのものがあり、そのうちの一部は市販され、一部は開発中である。これらの表示デバイス中でもプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易である等の理由から、PDPを用いたディスプレイは、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されており、高精細化および大画面化が進められている。
【0003】
このPDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主流を占めるようになってきている。
【0004】
図3にPDPのパネル構造の一例を示しており、この図3に示すようにPDPは、前面パネル1と背面パネル2とから構成されている。
【0005】
前面パネル1は、フロート法による硼珪素ナトリウム系ガラス等からなるガラス基板などの透明な前面側の基板3上に、ストライプ状の表示電極4を複数対配列して形成し、そしてその表示電極4群を覆うように誘電体層5を形成し、その誘電体層5上にMgOからなる保護膜6を形成することにより構成されている。なお、表示電極4は、透明電極4aおよびこの透明電極4aに電気的に接続されたCr/Cu/CrまたはAg等からなるバス電極4bとから構成されている。また、図示していないが、前記表示電極4間には、遮光膜としてのブラックストライプが表示電極4と平行に複数列形成されている。
【0006】
また、背面パネル2は、前記前面側の基板3に対向配置される背面側の基板7上に、表示電極4と直交する方向にCr/Cu/CrまたはAg等からなるアドレス電極8を形成するとともに、そのアドレス電極8を覆うように誘電体層9を形成し、そしてアドレス電極8間の誘電体層9上にアドレス電極8と平行にストライプ状の複数の隔壁10を形成するとともに、この隔壁10間の側面および誘電体層9の表面に蛍光体層11を形成することにより構成されている。なお、カラー表示のために前記蛍光体層11は、通常、赤、緑、青の3色が順に配置されている。
【0007】
そして、これらの前面パネル1と背面パネル2とは、表示電極4とアドレス電極8とが直交するように、微小な放電空間を挟んで基板3、7を対向配置するとともに、周囲を封着部材により封止し、そして前記放電空間にネオンおよびキセノンなどを混合してなる放電ガスを66500Pa(500Torr)程度の圧力で封入することによりパネルが構成されている。
【0008】
このパネルの放電空間は、隔壁10によって複数の区画に仕切られており、そしてこの隔壁10間に発光画素領域となる複数の放電セルが形成されるように表示電極4が設けられるとともに、表示電極4とアドレス電極8とが直交して配置されている。そして、このPDPでは、表示電極4、アドレス電極8に印加される周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層に照射して可視光に変換させることにより、画像表示が行われる。
【0009】
このようなPDPにおいては、アドレス電極8、および表示電極4のバス電極4bには、AgやCr−Cu−Cr等が用いられ、このうちAgによる電極の製造方法としては、スクリーン印刷法のようにAg、樹脂、溶剤などを含有するAgペーストを用いる方法や、ラミネート法のように、Ag、樹脂などを含有するフィルムを用いる方法などがある。いずれの場合においても、樹脂を除去する目的、あるいはAg同士を融着して導電率を上昇させる目的で、500℃以上での加熱、焼成処理を行う必要がある。
【0010】
さらに、これらの電極を被覆する誘電体層は、プラズマを発生させるために必須の材料であり、放電効率をより高く、かつ背面板の蛍光体からの発光光をよく通すといった機能が必要とされる重要な構成要素である。
【0011】
また、誘電体層は、従来低融点鉛ガラスなどの粉末と結着樹脂(膜形成材料層を構成する有機物質)などを含むガラスペースト組成物をスクリーン印刷、ダイコート塗布等の方法によって塗工し、500℃以上で加熱、焼成することで形成されていた。
【0012】
ガラス基板上に形成する膜形成材料層の厚さは、焼成工程における有機物質の除去に伴う膜厚の目減量を考慮して、形成すべき誘電体層の膜厚の1.3〜2倍程度とすることが必要であり、例えば誘電体層の膜厚を5〜40μmとするためには、7〜80μm程度の厚さの膜形成材料層を形成する必要がある。
【0013】
しかしながら、上記ガラスペースト組成物をスクリーン印刷法によって塗布する場合において、1回の塗布処理によって形成される塗膜の厚さは5〜25μm程度である。スクリーン印刷法で形成する場合には、複数回に亘り、多重印刷が必要となり、工程の煩雑さによる作業効率の低下、膜厚分布の低下、平滑性の低下、欠陥の発生確率の増大等がさけられない。また、ダイコート塗布法の場合においても、コートの開始・終了部分の膜厚分布が悪く、誘電特性のばらつきの原因となり、駆動電圧のマージンを低下させる原因となっている。
【0014】
これらの課題に対して、例えば特開平10−291834号公報に開示されているように、ガラスペースト組成物を支持フィルム上に形成したシート状誘電体材料を用いて、ラミネート法などの方法によって貼り付けた後、500℃以上で加熱、焼成することで誘電体層を形成する方法が提案されている。
【0015】
図4を用いてこのシート状誘電体材料の説明をすると、図4(a)はロール状に巻回されたシート状誘電体材料12を示す概略構成図であり、図4(b)は図4(a)のX部のシート状誘電体材料12の層構成を示す断面図である。この図4に示すシート状誘電体材料12は、支持フィルム13と、この支持フィルム13の表面に剥離可能に形成された膜形成材料層14と、この膜形成材料層14の表面に剥離容易に形成されたカバーフィルム15とにより構成されている。
【0016】
この予め膜形成材料が作製されたシート状誘電体材料12を用いることにより、膜厚の大きな誘電体層、例えば5〜40μmの誘電体層であっても効率的に形成することができ、誘電体層の形成工程における工程改善が図れ、PDPの製造効率を向上させることが可能となる。しかも、膜厚の均一性および表面の平滑性に優れ、ピンホールやクラックなどの欠陥のない誘電体層を形成することができる。
【0017】
一方、PDPの高精細化、高輝度化の要求に伴って、例えば特開平8−250029号公報に開示されているように、放電を制御し遮蔽される部分での放電を極力抑制するために、前記誘電体層を立体的に構成するという新しい構造を持つ誘電体層が提案されている。
【0018】
立体構造の誘電体層を作製するためには、シート状誘電体材料をパターニングする必要があるが、その技術としては、例えば特開平11−231525号公報に開示されている。その内容を図5(a)〜(i)に示している。
【0019】
図5(a)〜(c)に示すように、ガラス基板16上に、支持フィルム13に無機粉体分散ペーストによる膜形成材料層14が形成されたシート状誘電体材料12を転写し、その上に図5(d)に示すようにレジスト層17を形成し、その後図5(e)、(f)に示すように、露光用マスク18を合わせてレジスト層17を所定のパターンに露光、現像することにより所定のパターンのレジスト層17を形成し、その所定のパターンのレジスト層17をマスクとして、図5(g)、(h)に示すように無機粉体分散ペーストの膜形成材料層14を所定のパターン形状にエッチングした後、レジスト層17を除去し、その後図5(i)に示すように所定の温度で焼成することで無機パターン19を作製する方法である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシート状誘電体材料とパターニングプロセスを用いて、PDPの誘電体層の立体構造を作製する方法においては、以下に示す問題点がある。
【0021】
すなわち、PDPの誘電体層の立体構造では、例えば図6(a)、(b)に示すように、前面パネル1の誘電体層5に発光画素領域単位で凹部20を設ける場合、誘電体層5に所定のパターンで厚みの厚い部分5aと薄い部分5bをばらつきなく作製することが要求される。なお、図6(b)は図6(a)のA−A線で切断した際の断面を示す図である。
【0022】
上記従来のパターニング方法では、例えば図5(g)の途中でエッチングを止めて誘電体層5に薄い部分5bを残す必要があるが、このように途中でエッチングを止めると、PDPのように大面積のパネルの場合、パネル全体のエッチングばらつきがそのまま形状および深さの寸法ばらつきとなってしまい、全体に亘って精度よく誘電体層の立体構造を得ることができない。
【0023】
そこで、薄い部分での厚みに相当するシート状誘電体材料により先に第一の誘電体層を焼成し形成した後に、厚い部分での厚みに合わせるシート状誘電体材料を用いて上述した従来のパターニング方法により第二の誘電体層を形成することで、立体構造を得ることが考えられるが、この場合はシート状誘電体材料を2回精度良く基板に転写する必要があり、工程が煩雑となる。また、PDPにおける放電開始電圧の観点からすると、下層の第一の誘電体層においても膜厚に分布を持たせ、最も膜厚の低下させた部分を種火放電として利用すれば、さらに放電電圧を下げることができるが、上述のような下層を焼成により形成した後、その上部に誘電体を塗布し、パターニングする方法では、下層の形状を変形させることができなかった。
【0024】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、立体構造を持つ誘電体層を安定に精度良く、しかも作業効率よく形成することができるようにすることを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は、ガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体形成材料層とこの感光性誘電体形成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成材料層とを備えたシート状誘電体材料を用い、基板上に誘電体形成材料層が基板側となるように重ね合わせて誘電体形成材料層および感光性誘電体形成材料層を基板に転写した後、感光性誘電体形成材料層を所定のパターンを有するマスクを用いて露光し、現像することにより、所定のパターン形状の誘電体層を形成するものである。
【0026】
このような構成により、誘電体層の立体構造を作製する際に、1種類のシート状誘電体材料を用いて、厚みの厚い部分と薄い部分を有する誘電体層をばらつきなく作業効率よく作製することが可能となり、大面積のパネル内で形状および深さの寸法ばらつきを抑えることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、支持フィルム上に形成されかつガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体形成材料層と、この感光性誘電体形成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成材料層とを備え、かつ前記感光性誘電体形成材料層に含有される結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、前記誘電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴とするシート状誘電体材料である。
【0028】
また、請求項2に記載の発明では、感光性誘電体形成材料層および誘電体形成材料層は溶剤を含有するものであることを特徴としている。また、請求項3に記載の発明では、感光性誘電体形成材料層に含有される溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴としている。
【0029】
さらに、本発明の請求項4に記載の発明では、ガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体形成材料層とこの感光性誘電体形成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成材料層とを備えたシート状誘電体材料を基板上に誘電体形成材料層が基板側となるように重ね合わせて誘電体形成材料層および感光性誘電体形成材料層を基板に転写する転写工程と、転写した感光性誘電体形成材料層を所定のパターンを有するマスクを用いて露光し、現像するパターン形成工程と、その後感光性誘電体形成材料層および誘電体形成材料層を焼成して誘電体層を形成する焼成工程とを有し、かつ前記シート状誘電体材料の感光性誘電体形成材料層に含有される結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、前記誘電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0030】
そして、請求項5に記載の発明では、パターン形成工程で感光性誘電体形成材料層を露光、現像することにより、プラズマディスプレイパネルの発光画素領域毎に誘電体層に少なくとも一つの凹部を形成し、その凹部の底面の誘電体層の膜厚を小さくしたことを特徴としている。
【0031】
また、請求項6に記載の発明では、プラズマディスプレイパネルの製造方法において、感光性誘電体形成材料層および誘電体形成材料層は溶剤を含有するものであることを特徴とし、さらに請求項7に記載の発明では、感光性誘電体形成材料層に含有される溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴としている。
【0032】
以下、本発明の一実施の形態について、図1、図2の図面を参照しながら説明する。
【0033】
まず、図1を用いて本発明の一実施の形態によるシート状誘電体材料の説明をすると、図1(a)はロール状に巻回されたシート状誘電体材料21を示す概略構成図であり、図1(b)は図1(a)のX部のシート状誘電体材料21の層構成を示す断面図である。図1に示すように、シート状誘電体材料21は、支持フィルム22と、この支持フィルム22上に形成した感光性誘電体形成材料層23と、この感光性誘電体形成材料層23上に形成した誘電体形成材料層24と、この誘電体形成材料層24上に配置したカバーフィルム25とが積層された構成である。
【0034】
ここで、誘電体形成材料層24および感光性誘電体形成材料層23は、ガラス粉末および結着樹脂が必須成分として含有され、かつ感光性誘電体形成材料層23は感光性樹脂が含有されている。
【0035】
シート状誘電体材料を構成する支持フィルム22は、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルム22が可撓性を有することにより、ロールコータなどによって膜厚の均一な膜形成材料層を形成することができるとともに、当該膜形成材料層をロール状に巻回した状態で保存することができる。支持フィルム22を形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
【0036】
シート状誘電体材料を構成する感光性誘電体形成材料層23および誘電体形成材料層24は、焼成されることによってガラス焼結体(誘電体層)となるものであり、誘電体形成材料層24に含有されるガラス粉末としては、例えばZnO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2系の混合物、PbO−B23−SiO2−Al23系の混合物、PbO−ZnO−B23−SiO2系の混合物などを挙げることができる。
【0037】
感光性誘電体形成材料層23に含有される感光性樹脂としては、少なくともアルカリ現像型結着樹脂、反応性モノマーおよび光重合開始剤が含まれ、また添加剤として、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、安定剤、消泡剤等を必要に応じて含有することができる。
【0038】
本発明の結着樹脂としてはアクリル系とセルロース系を代表的に挙げることができる。この場合に感光性誘電体形成材料層と誘電体形成材料層に用いる樹脂としては、例えばブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートおよび2−エトキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができるが、これに限るものではない。
【0039】
また、上記誘電体形成材料層24に含有される結着樹脂としては、感光性誘電体形成材料層23の結着樹脂が誘電体形成材料層24の結着樹脂の分解または燃焼または揮発温度よりも低いことを特徴とする。最も好ましくは、アクリル系樹脂を感光性誘電体形成材料に使用し、セルロース系樹脂を誘電体形成材料層に用いることが望ましい。
【0040】
これにより、異なる機能をもつ2層を同時に形成することができ、工程数を大幅に削減することができる。また、2層を2種類の別々のシートを用いて作製する場合にはそれぞれに2枚の支持フィルムを必要とするが、本発明によれば廃棄物として非常に膨大になる支持フィルムを半減することができ、環境に対する負荷を低下させることができる。
【0041】
また、PDPを作製する上で、前記シート状誘電体材料をガラス基板上に転写し、誘電体形成材料層24の乾燥または焼成時にガラス基板に対して上層に形成される層から段階的に結着樹脂を揮発または燃焼または分解させることができ、下層の結着樹脂は上層の結着樹脂が全て除去された後、ガス化するため、上層を容易に通過することができる。このため、2層を同時に焼成することができ、工程数を削減することができる。また、焼成回数の低下により、消費エネルギーを低減でき、環境に対する負荷を低下させることができる。これらについては、後述するPDPの製造方法で詳細を述べる。
【0042】
さらに、誘電体形成材料層24および感光性誘電体形成材料層23は、ガラス粉末および結着樹脂が必須成分として含有され、かつ感光性誘電体形成材料層23は感光性樹脂が含有され、かつ溶剤が前記2層共に含有されていても良い。
【0043】
この場合に感光性誘電体形成材料層23と誘電体形成材料層24に用いる溶剤としては、当該誘電体形成材料層24および感光性誘電体形成材料層23に適度な粘性(例えば500〜10,000cp)を付与することができ、乾燥されることによって容易に蒸発除去できるものであることが好ましく、例えばメチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ベンジルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル、ブチルセロソルブアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ブチルセロソルブなどを挙げることができる。
【0044】
また、上記溶剤としては、誘電体形成材料層24と感光性誘電体形成材料層23の分解または燃焼または揮発温度が異なることを特徴とする。好ましくは、支持フィルム22上に形成される感光性誘電体形成材料層23の溶剤が誘電体形成材料層24の溶剤よりも分解または燃焼または揮発温度が低いことを特徴とする。
【0045】
ここで、例えば上記溶剤の組み合わせとして、感光性誘電体形成材料層23に少なくとも誘電体形成材料層24よりも分解または燃焼または揮発温度が低いものを選出する。好ましくは、前記感光性誘電体形成材料層23にテレビン油(沸点155〜165℃)、前記誘電体形成材料層24にテルピネオール(沸点約180℃)を選出する。これにより、前記結着樹脂で述べた効果と同様の効果を発現することができる。
【0046】
ここで用いられるシート状誘電体材料21の製造方法としては、支持フィルム22上に前記感光性誘電体形成材料層23を形成し、さらにその上に誘電体形成材料層24を形成し、その上にカバーフィルム25を圧着により設けることにより製造することができる。誘電体形成材料層24の形成方法としては、少なくともガラス粉末、結着樹脂を含有し、好ましくは溶剤を含有するガラスペースト組成物からなる誘電体形成材料層24を塗布した後、その塗膜を乾燥して前記溶剤の一部または全部を除去する方法を挙げることができる。ガラスペースト組成物からなる誘電体形成材料層24を塗布する方法としては、ローラーコーターによる塗布方法、ドクターブレードなどのブレードコーターによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法などを挙げることができる。
【0047】
次に、本発明によるPDPの製造方法において、前面パネルの製造工程を図2を用いて説明する。
【0048】
図2(a)に示す第1の工程は、前面パネルの前面側基板としてのガラス基板31上に、ITOやSnO2等からなる透明電極材料膜32をスパッタ法により一様に成膜する工程である。このとき透明電極材料膜32の膜厚は約100nmである。
【0049】
図2(b)に示す第2の工程は、フォトリソグラフィー法を用いて透明電極材料膜32を所望の形状にパターニングし透明電極33を形成する工程である。ノボラック樹脂を主成分とするポジ型レジストを1.5〜2μmの膜厚で塗布し、所望のパターンの露光乾板を介して紫外線を露光し、レジストを硬化させる。このときの紫外線の光源は超高圧水銀ランプであり、光量は300mJ/cm2である。次にアルカリ水溶液で現像を行い、レジストパターンを形成する。その後、塩酸を主成分とする溶液に基板を浸漬させてエッチングを行い、不要部分の除去を行い、最後にレジストを剥離して透明電極33を形成する。
【0050】
図2(c)に示す第3の工程は、黒色電極材料膜34を塗工する工程である。黒色電極材料膜34は、RuO2等からなる黒色顔料、ガラスフリット(PbO−B23−SiO2系やBi23−B23−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を成分として含有するネガ型感光性ペーストをスクリーン印刷法を用いてガラス基板31に一様に塗布することで形成される。その後赤外線乾燥炉を用いた90℃、10分間の乾燥工程によりペーストに含まれる溶剤は塗膜から除去される。
【0051】
図2(d)に示す第4の工程は、金属電極材料膜35を黒色電極材料膜34上に形成する工程である。この工程は用いられる材料がAg等の導電性材料、ガラスフリット(PbO−B23−SiO2系やBi23−B23−SiO2系等)、重合開始剤、光硬化性モノマー、有機溶剤を成分として含有するネガ型感光性ペーストであることを除いて、第3の工程と同様である。
【0052】
図2(e)に示す第5の工程は、バス電極36を形成する工程である。金属電極材料膜35と黒色電極材料膜34とからなる電極材料膜に、所望のパターンの露光乾板を介して紫外線を照射し露光部を硬化させる。このときの紫外線の光源は超高圧水銀ランプであり、光量は300mJ/cm2である。その後、アルカリ性現像液(0.3wt%の炭酸ナトリウム水溶液)を用いて現像してパターンを形成し、その後空気中でガラス材料の軟化点以上の温度で焼成を行い、電極を基板に固着させる。
【0053】
このように透明電極33上にバス電極36を形成することにより、前面パネルの表示電極を形成することができる。
【0054】
図2(f)に示す第6の工程は、上述したシート状誘電体材料21を用いて誘電体形成材料層37と感光性誘電体形成材料層38との2層からなる誘電体材料層を形成する工程である。誘電体材料層はシート状誘電体材料21のカバーフィルム25を剥離した後、誘電体材料層の表面がガラス基板31に接するようにシート状誘電体材料21を重ね合わせながら、支持フィルム22側から加熱ローラーで圧着してガラス基板31に固着する。その後、ガラス基板31上に固着された誘電体材料層から支持フィルム22を剥離除去する。このとき、圧着に使用する手段としては、加熱ローラー以外に加熱しない単なるローラーでもよい。
【0055】
図2(g)に示す第7の工程は、感光性誘電体形成材料層38を露光する工程である。所望のパターンの開口部を有する露光マスク39を介して誘電体材料層の感光性誘電体形成材料層38に紫外線を照射して露光部を硬化する。このときの紫外線の光源は超高圧水銀ランプであり、光量は600mJ/cm2である。
【0056】
図2(h)に示す第8の工程は、発光画素領域に凹部を形成することにより厚みの厚い部分と薄い部分を有する立体構造の誘電体層を形成する工程である。アルカリ性現像液(0.3wt%の炭酸ナトリウム水溶液)を用いて誘電体材料層の感光性誘電体形成材料層38を現像し、感光性誘電体形成材料層38の非露光部を除去する。
【0057】
このとき、誘電体形成材料層37を構成する結着樹脂は現像液に対して溶解性を有さないため除去されないか、あるいはエッチング速度が感光性誘電体形成材料層38のエッチング速度よりも小さいため、第一層の誘電体形成材料層37との界面近傍のわずかな領域のみが除去される。そのため、所望の立体構造を有する誘電体材料層が形成される。なお、このときの非露光部と露光部の誘電体材料層の膜厚はそれぞれ30μmと20μmであることが望ましい。
【0058】
その後、空気中でガラス材料の軟化点以上の温度で焼成を行ってガラス成分を固着させることにより、立体構造を有する誘電体層が形成される。
【0059】
ここで、本発明においては、上述したように感光性誘電体形成材料層38の溶剤が誘電体形成材料層37の溶剤よりも分解または燃焼または揮発温度が低いことを特徴としている。そのため、焼成時にはガラス基板31をベースとして上層側の前記感光性誘電体形成材料層38の溶剤が先に分解または燃焼または揮発し、その後下層の誘電体形成材料層37の溶剤が遅れて分解または燃焼または揮発するため、容易に上層をすり抜けることができ、2層の同時焼成が可能となる。
【0060】
同様に、感光性誘電体形成材料層38の結着樹脂が誘電体形成材料層37の結着樹脂よりも分解または燃焼または揮発温度が低いことを特徴としているため、焼成時には上層側の前記感光性誘電体形成材料層38の結着樹脂が先に分解または燃焼または揮発し、その後下層の誘電体形成材料層37の結着樹脂が遅れて分解または燃焼または揮発するため、容易に上層をすり抜けることができ、2層の同時焼成が可能となる。よって、従来は2層を別々に焼成していたものが2層を同時に焼成することができ、工程数の削減による低コスト化を実現することができる。また、焼成回数の低減により、使用電力を削減できるため、環境に対してもやさしい工程となる。
【0061】
さらに、本発明の重要な機能として、前記2層を同時に焼成することによって、自発的にパターニングで取り除かれた凹部の底面となる下層が上層誘電体の収縮時の応力により引かれることで、下層の底面の膜厚をなだらかに変化させることができ、誘電体膜厚が小さくなるように湾曲させることができ、下層を効果的に加工することができる。
【0062】
図2(i)に示す第9の工程は、保護膜40の成膜工程である。保護膜40はMgOからなり電子ビーム蒸着法により誘電体層に一様に成膜される。このときの保護膜40の膜厚は約600nmである。
【0063】
以上の工程で、所望の立体構造の誘電体を有するPDPの前面パネルが得られる。
【0064】
次に、本発明によるPDPの製造方法において、背面パネルの製造方法について説明すると、まずフロート法により製造された背面パネルの背面側基板としてのガラス基板に対し、前面パネルと同様にしてアドレス電極を形成する。その上に前面パネルと同様にして誘電体層を形成し、その上に隔壁を形成する。
【0065】
この誘電体層および隔壁の形成に利用する材料としては、ガラス粉末、結着樹脂および溶剤を含有するペースト状のガラス粉末含有組成物(ガラスペースト組成物)を調製し、このガラスペースト組成物を支持フィルム上に塗布した後、塗膜を乾燥して膜形成材料層を形成したもので、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、アドレス電極が形成されたガラス基板の表面に上記前面パネルと同様の手法で転写により固着し、この転写で固着された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成することができる。
【0066】
その後、隔壁を形成する方法としては、フォトリソグラフィー法やサンドブラスト法を用いて形成することができる。
【0067】
次に、R、G、Bに対応する蛍光体を塗布し焼成を行って隔壁間に蛍光体層を形成することにより、背面パネルを得ることができる。
【0068】
そして、このようにして作製した前面パネルと背面パネルとを、それぞれの表示電極とアドレス電極がほぼ直角に交差するように位置合わせをして対向配置し、その周辺部をシール材によって封着して貼り合わせ、その後隔壁で仕切られた空間のガスの排気を行い、次にNe、Xe等の放電ガスを封入してガス空間を封止することにより、図3に示すような構成のPDPを完成させることができる。
【0069】
ところで、以上のようにして作製される本発明によるPDPにおいては、誘電体層は、ガラス基板などの前面側の基板上に形成される下層誘電体と、発光画素領域毎に少なくとも一つの凹部が形成されるように所定の形状にパターニングされた上層誘電体とからなる2層構造であることを特徴とする。すなわち、前面側基板に形成される各行の表示電極は、マトリクス表示の各ラインにおいて、放電ギャップを挟んで隣接するように配列されており、隔壁と一対の表示電極で囲まれた領域が発光画素領域となり、この各発光画素領域の誘電体層に少なくとも一つの凹部が形成された形状となる。
【0070】
PDPの高効率化を達成するためには、各発光画素領域において放電を制御することが不可欠である。特に、図3において、表示電極4に垂直な放電の広がりにおいては、バス電極4bが蛍光体からの発光光を遮るため、遮蔽される部分まで放電が広がることを抑制する必要がある。また、この方向には隔壁10が存在しないため、そこから漏れる紫外線や蛍光体からの発光は全てブラックストライプに遮蔽されることとなる。さらに、表示電極4と平行な方向の放電の広がりは、隔壁10付近での電子温度の低下により効率の低下を招く。
【0071】
本発明の製造方法によれば、図6(a)に示されるように前面側基板3の誘電体層5にバス電極4bおよび隔壁10よりも内側になるように、例えば深さ20μmの凹部20を形成することで、膜厚の薄くなった凹部20の底面は誘電体膜厚の低下により容量が大きくなるため、その部分に形成される壁電荷は他の部分よりも多くなり、さらに膜厚の低下により放電開始電圧が低下するため、放電は凹部20の底面を主として発生することとなる。
【0072】
このような構成により、表示電極4に水平および垂直に広がる放電を抑えることができ、効率の向上が図れる。なお、凹部20の形態は多角形、円柱、円錐、直方体、台形なども考えられるが、これに限るものではない。
【0073】
また、図6(b)に示されるように、凹部20の側面はなだらかに膜厚が変化してもよく、この場合は底面の放電で発生したVUVの広がりを有効に利用できる。さらに、凹部20の底面を誘電体膜厚が小さくなるように湾曲させることで、最も膜厚が低下した個所の放電電圧が低下するため、種火としての効果を得ることができる。
【0074】
その他の高効率化として、蛍光体からの発光の取り出し効率を上げる、すなわち開口率を上げる方法がある。この場合は、バス電極4bを可能な限り発光画素領域から離す必要があるが、平行に走る隣のセルの表示電極4との距離が狭くなるため、電荷の移動が容易となり、発光を望まないセルが発光する、いわゆるクロストークが発生し、表示品質が著しく低下する問題がある。
【0075】
本発明の製造方法において、凹部20の形状を調整することで壁電荷の発生する位置を制御することができ、クロストークの発生も防止することができる。
【0076】
さらに、PDPの効率向上のその他の方法として、Xe分圧を増加させる報告が多数なされているが、この場合はXe分圧の上昇に伴い放電開始電圧も上昇するため、トレードオフの関係にある。そのため、Xe分圧で上昇する放電開始電圧をその他の方法で低下させる必要がある。この方法の一つとして誘電体層の薄膜化が考えられるが、誘電体層を薄くすると、異物などによる誘電体層の欠陥に起因する絶縁破壊の生じる確率が上昇し歩留りが低下する問題が生じる。特に、抵抗を下げる目的で形成されるバス電極は膜厚が4から7μmと厚いため、誘電体層を薄くするとバス電極上の実効膜厚が低下し、絶縁破壊がバス電極近傍に集中する問題がある。
【0077】
本発明の製造方法によれば、絶縁破壊が最も発生しやすいバス電極上の誘電体層の膜厚を容易に厚く形成することが可能なため、バス電極付近の絶縁破壊を防止でき、また誘電体層の膜厚の薄い部分は約0.1μmの透明電極のみが存在するため、実効膜厚はほとんど変化しなく、これによって誘電体層の凹部を形成した構造とXe分圧の上昇を合わせて用いることで、PDPの高歩留りと高効率を両立することができる。
【0078】
また、誘電体層の透過率の向上や放電電流の制限の観点から、誘電体層に形成する凹部の底面は、膜厚がなだらかに変化するような形状のものが好ましいが、本発明の製造方法により2層のシート状誘電体材料を用いると、上層誘電体の収縮時の応力により、下層が上層に引かれることで、下層の底面の膜厚をなだらかに変化させることができ、これにより底面の膜厚がなだらかに変化するような形状の凹部を有する誘電体層を容易に作製することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、PDPにおいて、放電開始電圧の低下に効果のある立体構造を持つ誘電体層を安定に精度良く、しかも作業効率の高い状態で容易に形成することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明の一実施の形態によるシート状誘電体材料を示す概略構成図および断面図
【図2】(a)〜(i)は本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す工程断面図
【図3】プラズマディスプレイパネルを示す斜視図
【図4】(a)、(b)は従来のシート状誘電体材料を示す概略構成図および断面図
【図5】(a)〜(i)は従来のプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す工程断面図
【図6】(a)、(b)はプラズマディスプレイパネルの要部構造を示す斜視図および断面図
【符号の説明】
1 前面パネル
2 背面パネル
3、7 基板
4 表示電極
5、9 誘電体層
8 アドレス電極
21 シート状誘電体材料
22 支持フィルム
23、38 感光性誘電体形成材料層
24、37 誘電体形成材料層
25 カバーフィルム
31 ガラス基板
33 透明電極
36 バス電極
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sheet-like dielectric material and a method for manufacturing a plasma display panel using the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, expectations for large screens and wall-mounted televisions as interactive information terminals have increased. There are many display devices for this purpose, such as liquid crystal display panels, field emission displays, electroluminescence displays, etc., some of which are commercially available and some are under development. Among these display devices, the plasma display panel (hereinafter referred to as PDP) is a self-luminous type capable of displaying beautiful images and is easy to enlarge. For this reason, a display using PDP has excellent visibility. It is attracting attention as a thin display device, and high definition and large screen are being promoted.
[0003]
This PDP is broadly divided into AC type and DC type in terms of driving, and there are two types of discharge types, a surface discharge type and a counter discharge type. From the viewpoint of high definition, large screen, and ease of manufacturing. At present, AC type and surface discharge type PDPs are becoming mainstream.
[0004]
FIG. 3 shows an example of the panel structure of the PDP. As shown in FIG. 3, the PDP is composed of a front panel 1 and a back panel 2.
[0005]
The front panel 1 is formed by arranging a plurality of stripe-shaped display electrodes 4 on a transparent front substrate 3 such as a glass substrate made of sodium borosilicate glass by a float method, and the display electrodes 4 A dielectric layer 5 is formed so as to cover the group, and a protective film 6 made of MgO is formed on the dielectric layer 5. The display electrode 4 is composed of a transparent electrode 4a and a bus electrode 4b made of Cr / Cu / Cr or Ag electrically connected to the transparent electrode 4a. Although not shown, a plurality of black stripes as light shielding films are formed between the display electrodes 4 in parallel with the display electrodes 4.
[0006]
Further, the rear panel 2 forms address electrodes 8 made of Cr / Cu / Cr, Ag, or the like in a direction orthogonal to the display electrodes 4 on a rear substrate 7 disposed opposite to the front substrate 3. In addition, a dielectric layer 9 is formed so as to cover the address electrodes 8, and a plurality of stripe-shaped partition walls 10 are formed in parallel with the address electrodes 8 on the dielectric layer 9 between the address electrodes 8. The phosphor layer 11 is formed on the side surfaces between 10 and the surface of the dielectric layer 9. For color display, the phosphor layer 11 is usually arranged in order of three colors of red, green and blue.
[0007]
The front panel 1 and the rear panel 2 are arranged so that the substrates 3 and 7 are opposed to each other with a minute discharge space so that the display electrodes 4 and the address electrodes 8 are orthogonal to each other, and the periphery is a sealing member. And a discharge gas obtained by mixing neon and xenon in the discharge space is sealed at a pressure of about 66500 Pa (500 Torr) to form a panel.
[0008]
The discharge space of the panel is divided into a plurality of sections by the barrier ribs 10, and a display electrode 4 is provided between the barrier ribs 10 so that a plurality of discharge cells serving as light emitting pixel regions are formed. 4 and the address electrode 8 are arranged orthogonally. In this PDP, a discharge is generated by a periodic voltage applied to the display electrode 4 and the address electrode 8, and the phosphor layer is irradiated with ultraviolet rays by the discharge to convert it into visible light, thereby displaying an image. Done.
[0009]
In such a PDP, Ag, Cr—Cu—Cr, or the like is used for the address electrode 8 and the bus electrode 4 b of the display electrode 4. Of these, a method for producing an electrode using Ag is a screen printing method. In addition, there are a method using an Ag paste containing Ag, a resin, a solvent, and the like, and a method using a film containing Ag, a resin, etc., as in a laminating method. In any case, it is necessary to perform heating and baking at 500 ° C. or higher for the purpose of removing the resin or for fusing Ag together to increase the conductivity.
[0010]
Furthermore, the dielectric layer covering these electrodes is an indispensable material for generating plasma, and has a function of higher discharge efficiency and allowing light emitted from the phosphor on the back plate to pass well. It is an important component.
[0011]
In addition, the dielectric layer has been conventionally applied by a method such as screen printing or die coating, which includes a glass paste composition containing a powder such as low melting point lead glass and a binder resin (an organic substance constituting the film forming material layer). It was formed by heating and baking at 500 ° C. or higher.
[0012]
The thickness of the film-forming material layer formed on the glass substrate is 1.3 to 2 times the film thickness of the dielectric layer to be formed in consideration of the reduction in film thickness associated with the removal of the organic substance in the baking process. For example, in order to set the thickness of the dielectric layer to 5 to 40 μm, it is necessary to form a film forming material layer having a thickness of about 7 to 80 μm.
[0013]
However, when the glass paste composition is applied by a screen printing method, the thickness of the coating film formed by one application process is about 5 to 25 μm. In the case of forming by screen printing, multiple printing is required multiple times, and there is a decrease in work efficiency due to complicated processes, a decrease in film thickness distribution, a decrease in smoothness, an increase in the probability of occurrence of defects, etc. I can't avoid it. Also in the case of the die coating method, the film thickness distribution at the start and end of the coating is poor, which causes variations in dielectric characteristics and causes a decrease in drive voltage margin.
[0014]
In response to these problems, for example, as disclosed in JP-A-10-291834, a sheet-like dielectric material in which a glass paste composition is formed on a support film is used and bonded by a method such as a laminating method. There has been proposed a method of forming a dielectric layer by heating and baking at 500 ° C. or higher after being applied.
[0015]
The sheet-shaped dielectric material will be described with reference to FIG. 4. FIG. 4 (a) is a schematic configuration diagram showing the sheet-shaped dielectric material 12 wound in a roll shape, and FIG. It is sectional drawing which shows the layer structure of the sheet-like dielectric material 12 of X part of 4 (a). The sheet-like dielectric material 12 shown in FIG. 4 includes a support film 13, a film forming material layer 14 formed on the surface of the support film 13 so as to be peelable, and can be easily peeled off on the surface of the film forming material layer 14. The cover film 15 is formed.
[0016]
By using the sheet-like dielectric material 12 on which the film forming material has been prepared in advance, even a dielectric layer having a large film thickness, for example, a dielectric layer having a thickness of 5 to 40 μm, can be efficiently formed. It is possible to improve the process in the body layer forming process and improve the manufacturing efficiency of the PDP. In addition, it is possible to form a dielectric layer that is excellent in film thickness uniformity and surface smoothness and has no defects such as pinholes and cracks.
[0017]
On the other hand, with the demand for higher definition and higher brightness of the PDP, for example, as disclosed in JP-A-8-250029, to control the discharge and suppress the discharge at the shielded portion as much as possible. A dielectric layer having a new structure in which the dielectric layer is three-dimensionally configured has been proposed.
[0018]
In order to fabricate a dielectric layer having a three-dimensional structure, it is necessary to pattern a sheet-like dielectric material. This technique is disclosed, for example, in JP-A-11-231525. The contents are shown in FIGS.
[0019]
As shown in FIGS. 5A to 5C, a sheet-like dielectric material 12 in which a film-forming material layer 14 made of an inorganic powder-dispersed paste is formed on a support film 13 is transferred onto a glass substrate 16, A resist layer 17 is formed thereon as shown in FIG. 5 (d), and then, as shown in FIGS. 5 (e) and (f), the resist layer 17 is exposed to a predetermined pattern by aligning an exposure mask 18. Development is performed to form a resist layer 17 having a predetermined pattern, and the resist layer 17 having the predetermined pattern is used as a mask to form a film forming material layer of an inorganic powder-dispersed paste as shown in FIGS. In this method, after etching 14 into a predetermined pattern shape, the resist layer 17 is removed, and then baking is performed at a predetermined temperature as shown in FIG. 5 (i).
[0020]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional method for producing a three-dimensional structure of a PDP dielectric layer using a sheet-like dielectric material and a patterning process has the following problems.
[0021]
That is, in the three-dimensional structure of the dielectric layer of the PDP, for example, as shown in FIGS. 6A and 6B, when the concave portion 20 is provided in the dielectric layer 5 of the front panel 1 for each light emitting pixel region, the dielectric layer 5 is required to produce a thick portion 5a and a thin portion 5b with a predetermined pattern without variation. In addition, FIG.6 (b) is a figure which shows the cross section at the time of cut | disconnecting by the AA line of Fig.6 (a).
[0022]
In the above conventional patterning method, for example, it is necessary to stop the etching in the middle of FIG. 5G and leave the thin portion 5b in the dielectric layer 5. However, if the etching is stopped in the middle in this way, it is as large as PDP. In the case of a panel having an area, the variation in etching of the entire panel becomes the variation in shape and depth as it is, and the three-dimensional structure of the dielectric layer cannot be obtained with high accuracy throughout.
[0023]
Therefore, after the first dielectric layer is first baked and formed with the sheet-like dielectric material corresponding to the thickness of the thin portion, the above-described conventional dielectric sheet material is used to match the thickness of the thick portion. It is conceivable to obtain a three-dimensional structure by forming the second dielectric layer by the patterning method, but in this case, it is necessary to transfer the sheet-like dielectric material to the substrate twice with high accuracy, and the process is complicated. Become. Further, from the viewpoint of the discharge starting voltage in the PDP, if the first dielectric layer as a lower layer has a distribution in the film thickness and the portion where the film thickness is reduced is used as the seed discharge, the discharge voltage can be further increased. However, in the method of forming a lower layer as described above by firing and then applying a dielectric on the upper portion and patterning it, the shape of the lower layer could not be changed.
[0024]
The present invention has been made in view of such problems, and an object of the present invention is to be able to stably and accurately form a dielectric layer having a three-dimensional structure with high work efficiency.
[0025]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve this object, the present invention provides a photosensitive dielectric forming material layer containing glass powder, a binder resin and a photosensitive resin, and the glass powder and the binder formed on the photosensitive dielectric forming material layer. A sheet-shaped dielectric material provided with a dielectric-forming material layer containing a resin is used, and the dielectric-forming material layer and the photosensitive dielectric are formed on the substrate so that the dielectric-forming material layer is on the substrate side. After the material layer is transferred to the substrate, the photosensitive dielectric forming material layer is exposed and developed using a mask having a predetermined pattern, thereby forming a dielectric layer having a predetermined pattern shape.
[0026]
With such a configuration, when a three-dimensional structure of a dielectric layer is produced, a dielectric layer having a thick part and a thin part is produced with uniform work efficiency by using one type of sheet-like dielectric material. It is possible to suppress variation in shape and depth within a large-area panel.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  That is, the invention according to claim 1 of the present invention comprises a photosensitive dielectric forming material layer formed on a support film and containing glass powder, a binder resin and a photosensitive resin, and the photosensitive dielectric forming material. A dielectric-forming material layer formed on the layer and containing glass powder and a binder resin;And the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the binder resin contained in the photosensitive dielectric forming material layer is equal to or lower than the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the binder resin of the dielectric forming material layer. is thereThis is a sheet-like dielectric material.
[0028]
  The invention according to claim 2 is characterized in that the photosensitive dielectric forming material layer and the dielectric forming material layer contain a solvent. Also,In the invention according to claim 3, the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the solvent contained in the photosensitive dielectric forming material layer is not more than the decomposition temperature, combustion temperature or volatilization temperature of the solvent of the dielectric forming material layer. It is characterized by being.
[0029]
  Furthermore, the present inventionClaim 4In the invention described in, a photosensitive dielectric forming material layer containing glass powder, a binder resin and a photosensitive resin, and a dielectric formed on the photosensitive dielectric forming material layer and containing glass powder and a binder resin. A sheet-like dielectric material having a body-forming material layer is superimposed on the substrate so that the dielectric-forming material layer is on the substrate side, and the dielectric-forming material layer and the photosensitive dielectric-forming material layer are transferred to the substrate. A transfer step, a pattern formation step in which the transferred photosensitive dielectric forming material layer is exposed and developed using a mask having a predetermined pattern, and then the photosensitive dielectric forming material layer and the dielectric forming material layer are baked. Firing process for forming the dielectric layerAnd the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the binder resin contained in the photosensitive dielectric forming material layer of the sheet-like dielectric material is the decomposition temperature of the binder resin of the dielectric forming material layer or Below combustion temperature or volatilization temperatureThis is a method for manufacturing a plasma display panel.
[0030]
  AndClaim 5In the invention described in, at least one recess is formed in the dielectric layer for each light emitting pixel region of the plasma display panel by exposing and developing the photosensitive dielectric forming material layer in the pattern forming process, and the bottom surface of the recess The thickness of the dielectric layer is reduced.
[0031]
  Also,Claim 6According to the invention described in the item 1, in the method for manufacturing a plasma display panel, the photosensitive dielectric forming material layer and the dielectric forming material layer contain a solvent, andClaim 7In the invention described in the above, the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the solvent contained in the photosensitive dielectric forming material layer is lower than the decomposition temperature, combustion temperature or volatilization temperature of the solvent of the dielectric forming material layer. It is a feature.
[0032]
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings of FIGS.
[0033]
First, a sheet-shaped dielectric material according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. 1. FIG. 1A is a schematic configuration diagram showing a sheet-shaped dielectric material 21 wound in a roll shape. FIG. 1B is a cross-sectional view showing the layer structure of the sheet-like dielectric material 21 in the X part of FIG. As shown in FIG. 1, the sheet-like dielectric material 21 is formed on a support film 22, a photosensitive dielectric forming material layer 23 formed on the support film 22, and the photosensitive dielectric forming material layer 23. The dielectric forming material layer 24 and the cover film 25 disposed on the dielectric forming material layer 24 are laminated.
[0034]
Here, the dielectric forming material layer 24 and the photosensitive dielectric forming material layer 23 contain glass powder and a binder resin as essential components, and the photosensitive dielectric forming material layer 23 contains a photosensitive resin. Yes.
[0035]
The support film 22 constituting the sheet-like dielectric material is preferably a resin film having heat resistance and solvent resistance and flexibility. Since the support film 22 has flexibility, a film forming material layer having a uniform film thickness can be formed by a roll coater or the like, and the film forming material layer is stored in a roll shape. Can do. Examples of the resin that forms the support film 22 include polyethylene terephthalate, polyester, polyethylene, polypropylene, polystyrene, polyimide, polyvinyl alcohol, polyvinyl chloride, polyfluoroethylene, and other fluorine-containing resins, nylon, and cellulose.
[0036]
The photosensitive dielectric forming material layer 23 and the dielectric forming material layer 24 constituting the sheet-like dielectric material are fired to become a glass sintered body (dielectric layer), and the dielectric forming material layer As a glass powder contained in 24, for example, ZnO-B2OThree-SiO2System mixture, PbO-B2OThree-SiO2System mixture, PbO-B2OThree-SiO2-Al2OThreeSystem mixture, PbO-ZnO-B2OThree-SiO2Mention may be made of mixtures of systems.
[0037]
The photosensitive resin contained in the photosensitive dielectric forming material layer 23 includes at least an alkali developing binder resin, a reactive monomer, and a photopolymerization initiator, and as additives, a sensitizer and a polymerization terminator. , A chain transfer agent, a leveling agent, a dispersant, a plasticizer, a stabilizer, an antifoaming agent and the like can be contained as necessary.
[0038]
Representative examples of the binder resin of the present invention include acrylic and cellulose. In this case, examples of the resin used for the photosensitive dielectric forming material layer and the dielectric forming material layer include butyl (meth) acrylate, ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, isodecyl (meth) acrylate, and 2-ethoxy. Although ethyl (meth) acrylate can be mentioned, it is not restricted to this.
[0039]
In addition, as the binder resin contained in the dielectric forming material layer 24, the binder resin of the photosensitive dielectric forming material layer 23 is decomposed or burned or volatilized by the binder resin of the dielectric forming material layer 24. Is also low. Most preferably, an acrylic resin is used for the photosensitive dielectric forming material, and a cellulose resin is used for the dielectric forming material layer.
[0040]
Thereby, two layers having different functions can be formed at the same time, and the number of steps can be greatly reduced. In addition, when two layers are produced using two different sheets, two support films are required for each. However, according to the present invention, the support film that becomes extremely large as waste is halved. Can reduce the load on the environment.
[0041]
Further, in manufacturing a PDP, the sheet-like dielectric material is transferred onto a glass substrate, and is bonded stepwise from a layer formed on the glass substrate when the dielectric forming material layer 24 is dried or baked. The adhesive resin can be volatilized, burned or decomposed, and the lower binder resin is gasified after all the upper binder resin is removed, so that it can easily pass through the upper layer. For this reason, two layers can be fired simultaneously, and the number of steps can be reduced. Moreover, energy consumption can be reduced by reducing the number of firings, and the burden on the environment can be reduced. These will be described in detail in the PDP manufacturing method described later.
[0042]
Furthermore, the dielectric forming material layer 24 and the photosensitive dielectric forming material layer 23 contain glass powder and a binder resin as essential components, and the photosensitive dielectric forming material layer 23 contains a photosensitive resin, and A solvent may be contained in both the two layers.
[0043]
In this case, as a solvent used for the photosensitive dielectric forming material layer 23 and the dielectric forming material layer 24, an appropriate viscosity (for example, 500 to 10) is applied to the dielectric forming material layer 24 and the photosensitive dielectric forming material layer 23. 000 cp), and is preferably one that can be easily removed by evaporation, for example, methyl isobutyl ketone, propylene glycol monomethyl ether, turpentine oil, ethyl cellosolve, methyl cellosolve, terpineol, butyl carbitol acetate. Butyl carbitol, benzyl alcohol, methyl lactate, ethyl lactate, butyl cellosolve acetate, ethyl-3-ethoxypropionate, butyl cellosolve and the like.
[0044]
The solvent is characterized in that the dielectric forming material layer 24 and the photosensitive dielectric forming material layer 23 have different decomposition, combustion or volatilization temperatures. Preferably, the solvent of the photosensitive dielectric forming material layer 23 formed on the support film 22 has a lower decomposition or combustion or volatilization temperature than the solvent of the dielectric forming material layer 24.
[0045]
Here, for example, as a combination of the above-mentioned solvents, a material having a decomposition or combustion or volatilization temperature lower than that of at least the dielectric forming material layer 24 is selected as the photosensitive dielectric forming material layer 23. Preferably, turpentine oil (boiling point 155 to 165 ° C.) is selected for the photosensitive dielectric forming material layer 23 and terpineol (boiling point about 180 ° C.) is selected for the dielectric forming material layer 24. Thereby, the effect similar to the effect described by the said binder resin can be expressed.
[0046]
As a manufacturing method of the sheet-like dielectric material 21 used here, the photosensitive dielectric forming material layer 23 is formed on the support film 22, and the dielectric forming material layer 24 is further formed thereon. It can manufacture by providing the cover film 25 by pressure bonding. The dielectric forming material layer 24 is formed by applying the dielectric forming material layer 24 made of a glass paste composition containing at least glass powder and a binder resin, preferably containing a solvent, and then applying the coating film. The method of drying and removing a part or all of the said solvent can be mentioned. Examples of a method for applying the dielectric forming material layer 24 made of the glass paste composition include a coating method using a roller coater, a coating method using a blade coater such as a doctor blade, and a coating method using a curtain coater.
[0047]
Next, in the method for manufacturing the PDP according to the present invention, the manufacturing process of the front panel will be described with reference to FIG.
[0048]
In the first step shown in FIG. 2A, ITO or SnO is formed on a glass substrate 31 as a front substrate of the front panel.2This is a step of uniformly forming a transparent electrode material film 32 made of or the like by sputtering. At this time, the film thickness of the transparent electrode material film 32 is about 100 nm.
[0049]
The second step shown in FIG. 2B is a step of forming the transparent electrode 33 by patterning the transparent electrode material film 32 into a desired shape using a photolithography method. A positive resist mainly composed of a novolak resin is applied in a film thickness of 1.5 to 2 μm, and ultraviolet rays are exposed through an exposure dry plate having a desired pattern to cure the resist. The ultraviolet light source at this time is an ultra-high pressure mercury lamp, and the amount of light is 300 mJ / cm.2It is. Next, development is performed with an alkaline aqueous solution to form a resist pattern. Thereafter, the substrate is immersed in a solution containing hydrochloric acid as a main component, etching is performed, unnecessary portions are removed, and finally the resist is removed to form the transparent electrode 33.
[0050]
A third step shown in FIG. 2C is a step of applying the black electrode material film 34. The black electrode material film 34 is made of RuO.2Black pigments, glass frit (PbO-B2OThree-SiO2Series and Bi2OThree-B2OThree-SiO2System), a polymerization initiator, a photocurable monomer, and an organic solvent as components, and a negative photosensitive paste is uniformly applied to the glass substrate 31 using a screen printing method. Thereafter, the solvent contained in the paste is removed from the coating film by a drying process at 90 ° C. for 10 minutes using an infrared drying oven.
[0051]
The fourth step shown in FIG. 2D is a step of forming the metal electrode material film 35 on the black electrode material film 34. In this process, the material used is a conductive material such as Ag, glass frit (PbO-B2OThree-SiO2Series and Bi2OThree-B2OThree-SiO2System, etc.), a polymerization initiator, a photocurable monomer, and a negative photosensitive paste containing an organic solvent as components.
[0052]
A fifth step shown in FIG. 2E is a step of forming the bus electrode 36. The exposed portion is cured by irradiating the electrode material film composed of the metal electrode material film 35 and the black electrode material film 34 with ultraviolet rays through an exposure dry plate having a desired pattern. The ultraviolet light source at this time is an ultra-high pressure mercury lamp, and the amount of light is 300 mJ / cm.2It is. Thereafter, development is performed using an alkaline developer (0.3 wt% sodium carbonate aqueous solution) to form a pattern, and then baking is performed in air at a temperature equal to or higher than the softening point of the glass material to fix the electrode to the substrate.
[0053]
Thus, by forming the bus electrode 36 on the transparent electrode 33, the display electrode of the front panel can be formed.
[0054]
In the sixth step shown in FIG. 2 (f), a dielectric material layer composed of two layers, a dielectric forming material layer 37 and a photosensitive dielectric forming material layer 38, is formed using the sheet-like dielectric material 21 described above. It is a process of forming. The dielectric material layer is peeled off from the cover film 25 of the sheet-like dielectric material 21, and then the sheet-like dielectric material 21 is overlapped so that the surface of the dielectric material layer is in contact with the glass substrate 31, and from the support film 22 side. The glass substrate 31 is fixed by pressure with a heating roller. Thereafter, the support film 22 is peeled off from the dielectric material layer fixed on the glass substrate 31. At this time, the means used for pressure bonding may be a simple roller that does not heat other than the heating roller.
[0055]
The seventh step shown in FIG. 2G is a step of exposing the photosensitive dielectric forming material layer 38. The exposed portion is cured by irradiating the photosensitive dielectric forming material layer 38 of the dielectric material layer with ultraviolet rays through an exposure mask 39 having openings of a desired pattern. The ultraviolet light source at this time is an ultra-high pressure mercury lamp, and the amount of light is 600 mJ / cm.2It is.
[0056]
The eighth step shown in FIG. 2H is a step of forming a three-dimensional dielectric layer having a thick portion and a thin portion by forming a recess in the light emitting pixel region. The photosensitive dielectric forming material layer 38 of the dielectric material layer is developed using an alkaline developer (0.3 wt% sodium carbonate aqueous solution), and the non-exposed portion of the photosensitive dielectric forming material layer 38 is removed.
[0057]
At this time, the binder resin constituting the dielectric forming material layer 37 is not removed because it is not soluble in the developer, or the etching rate is lower than the etching rate of the photosensitive dielectric forming material layer 38. Therefore, only a small region near the interface with the first dielectric forming material layer 37 is removed. Therefore, a dielectric material layer having a desired three-dimensional structure is formed. At this time, the film thicknesses of the dielectric material layers in the non-exposed part and the exposed part are desirably 30 μm and 20 μm, respectively.
[0058]
Thereafter, baking is performed in air at a temperature equal to or higher than the softening point of the glass material to fix the glass component, thereby forming a dielectric layer having a three-dimensional structure.
[0059]
Here, as described above, the present invention is characterized in that the solvent of the photosensitive dielectric material layer 38 has a lower decomposition, combustion or volatilization temperature than the solvent of the dielectric material layer 37. Therefore, at the time of firing, the solvent of the photosensitive dielectric forming material layer 38 on the upper layer side decomposes or burns or volatilizes first on the basis of the glass substrate 31, and then the solvent of the lower dielectric forming material layer 37 decomposes or delays later. Since it burns or volatilizes, it can easily pass through the upper layer, and two layers can be fired simultaneously.
[0060]
Similarly, the binder resin of the photosensitive dielectric forming material layer 38 is characterized by having a lower decomposition, combustion or volatilization temperature than the binder resin of the dielectric forming material layer 37. The binder resin of the conductive dielectric forming material layer 38 decomposes or burns or volatilizes first, and then the binder resin of the lower dielectric forming material layer 37 decomposes or burns or volatilizes later so that it easily slips through the upper layer. The two layers can be fired simultaneously. Therefore, in the past, two layers were fired separately, but the two layers can be fired at the same time, and the cost can be reduced by reducing the number of steps. In addition, since the power consumption can be reduced by reducing the number of firings, the process is friendly to the environment.
[0061]
Further, as an important function of the present invention, by firing the two layers simultaneously, the lower layer that becomes the bottom surface of the concave portion spontaneously removed by patterning is drawn by the stress at the time of contraction of the upper dielectric layer, The thickness of the bottom surface can be changed gently, the dielectric film thickness can be curved to be small, and the lower layer can be processed effectively.
[0062]
A ninth step shown in FIG. 2I is a step of forming the protective film 40. The protective film 40 is made of MgO and is uniformly formed on the dielectric layer by electron beam evaporation. At this time, the thickness of the protective film 40 is about 600 nm.
[0063]
Through the above steps, a PDP front panel having a desired three-dimensional dielectric is obtained.
[0064]
Next, in the manufacturing method of the PDP according to the present invention, the manufacturing method of the back panel will be described. First, the address electrodes are applied to the glass substrate as the back side substrate of the back panel manufactured by the float method in the same manner as the front panel. Form. A dielectric layer is formed thereon in the same manner as the front panel, and a partition is formed thereon.
[0065]
As a material to be used for forming the dielectric layer and the partition, a paste-like glass powder-containing composition (glass paste composition) containing glass powder, a binder resin and a solvent is prepared. After coating on the support film, the coating film is dried to form a film-forming material layer. The film-forming material layer formed on the support film is placed on the front surface of the glass substrate on which the address electrodes are formed. A dielectric layer can be formed on the surface of the glass substrate by fixing by transfer in the same manner as the panel and firing the film forming material layer fixed by this transfer.
[0066]
Thereafter, as a method for forming the partition wall, a photolithography method or a sandblast method can be used.
[0067]
Next, the rear panel can be obtained by applying phosphors corresponding to R, G, and B and firing to form a phosphor layer between the barrier ribs.
[0068]
Then, the front panel and the back panel manufactured in this way are positioned to face each other so that the display electrodes and the address electrodes intersect at a substantially right angle, and the periphery is sealed with a sealing material. After that, the gas in the space partitioned by the partition walls is exhausted, and then a discharge gas such as Ne and Xe is sealed to seal the gas space, so that the PDP having the configuration shown in FIG. Can be completed.
[0069]
By the way, in the PDP according to the present invention manufactured as described above, the dielectric layer has a lower layer dielectric formed on a front substrate such as a glass substrate, and at least one recess for each light emitting pixel region. A two-layer structure comprising an upper dielectric layer patterned into a predetermined shape so as to be formed. That is, the display electrodes in each row formed on the front substrate are arranged so as to be adjacent to each other with a discharge gap in each line of the matrix display, and a region surrounded by the partition walls and the pair of display electrodes is a light emitting pixel. A region is formed, and at least one recess is formed in the dielectric layer of each light emitting pixel region.
[0070]
In order to achieve high efficiency of the PDP, it is essential to control the discharge in each light emitting pixel region. In particular, in FIG. 3, in the spread of the discharge perpendicular to the display electrode 4, the bus electrode 4 b blocks the light emitted from the phosphor, so that it is necessary to suppress the discharge from spreading to the shielded portion. In addition, since there are no barrier ribs 10 in this direction, all the light emitted from the ultraviolet rays and phosphors leaking from the barrier ribs 10 is shielded by the black stripes. Furthermore, the spread of the discharge in the direction parallel to the display electrode 4 causes a decrease in efficiency due to a decrease in the electron temperature in the vicinity of the barrier rib 10.
[0071]
According to the manufacturing method of the present invention, as shown in FIG. 6A, the recess 20 having a depth of, for example, 20 μm is formed on the dielectric layer 5 of the front substrate 3 so as to be inside the bus electrode 4b and the partition 10. Since the capacitance of the bottom surface of the recessed portion 20 having a reduced film thickness increases due to the decrease in the dielectric film thickness, the wall charges formed in that portion are larger than those in other portions, and the film thickness is further increased. Since the discharge start voltage decreases due to the decrease, the discharge mainly occurs at the bottom surface of the recess 20.
[0072]
With such a configuration, discharge spreading horizontally and vertically on the display electrode 4 can be suppressed, and efficiency can be improved. In addition, although the shape of the recessed part 20 can consider a polygon, a cylinder, a cone, a rectangular parallelepiped, a trapezoid, etc., it is not restricted to this.
[0073]
Further, as shown in FIG. 6B, the film thickness of the side surface of the recess 20 may be gently changed. In this case, the spread of VUV generated by the discharge of the bottom surface can be used effectively. Further, by curving the bottom surface of the recess 20 so that the dielectric film thickness is small, the discharge voltage at the part where the film thickness is most reduced is lowered, so that an effect as a seed fire can be obtained.
[0074]
As another improvement in efficiency, there is a method of increasing the extraction efficiency of light emitted from the phosphor, that is, increasing the aperture ratio. In this case, the bus electrode 4b needs to be separated from the light emitting pixel region as much as possible. However, since the distance from the display electrode 4 of the adjacent cell running in parallel is narrowed, the movement of charges is facilitated and light emission is not desired. There is a problem that the cell emits light, so-called crosstalk, and display quality is remarkably deteriorated.
[0075]
In the manufacturing method of the present invention, the position where the wall charges are generated can be controlled by adjusting the shape of the recess 20, and the occurrence of crosstalk can also be prevented.
[0076]
Furthermore, as another method for improving the efficiency of PDP, many reports have been made to increase the Xe partial pressure, but in this case, the discharge start voltage also increases as the Xe partial pressure increases, and thus there is a trade-off relationship. . Therefore, it is necessary to reduce the discharge start voltage that increases with the Xe partial pressure by other methods. One possible method is to reduce the thickness of the dielectric layer. However, if the dielectric layer is made thinner, the probability of dielectric breakdown due to defects in the dielectric layer due to foreign matter or the like increases and the yield decreases. . In particular, since the bus electrode formed for the purpose of reducing the resistance is as thick as 4 to 7 μm, if the dielectric layer is made thin, the effective film thickness on the bus electrode is reduced, and the dielectric breakdown is concentrated near the bus electrode. There is.
[0077]
According to the manufacturing method of the present invention, it is possible to easily increase the thickness of the dielectric layer on the bus electrode where breakdown is most likely to occur. Since the thin part of the body layer has only a transparent electrode with a thickness of about 0.1 μm, the effective film thickness hardly changes, thereby combining the structure in which the concave part of the dielectric layer is formed and the increase in Xe partial pressure. By using these, it is possible to achieve both high yield and high efficiency of the PDP.
[0078]
In addition, from the viewpoint of improving the transmittance of the dielectric layer and limiting the discharge current, the bottom surface of the recess formed in the dielectric layer is preferably shaped so that the film thickness changes gently. When a two-layer sheet-like dielectric material is used by the method, the film thickness of the bottom surface of the lower layer can be gently changed by the lower layer being pulled by the upper layer due to the stress at the time of contraction of the upper dielectric layer. A dielectric layer having a recess having a shape in which the thickness of the bottom surface changes gently can be easily produced.
[0079]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in a PDP, it is possible to easily form a dielectric layer having a three-dimensional structure that is effective in reducing the discharge start voltage with high accuracy and stability. An effect is obtained.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A and 1B are a schematic configuration diagram and a cross-sectional view showing a sheet-like dielectric material according to an embodiment of the present invention.
2A to 2I are process cross-sectional views illustrating a method of manufacturing a plasma display panel according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a perspective view showing a plasma display panel.
4A and 4B are a schematic configuration diagram and a cross-sectional view showing a conventional sheet-shaped dielectric material.
FIGS. 5A to 5I are process cross-sectional views illustrating a conventional method for manufacturing a plasma display panel.
6A and 6B are a perspective view and a cross-sectional view showing the main structure of a plasma display panel.
[Explanation of symbols]
1 Front panel
2 Rear panel
3, 7 substrates
4 display electrodes
5, 9 Dielectric layer
8 Address electrode
21 Sheet-like dielectric material
22 Support film
23, 38 Photosensitive dielectric forming material layer
24, 37 Dielectric forming material layer
25 Cover film
31 glass substrate
33 Transparent electrode
36 bus electrodes

Claims (7)

支持フィルム上に形成されかつガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体形成材料層と、この感光性誘電体形成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成材料層とを備え、かつ前記感光性誘電体形成材料層に含有される結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、前記誘電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴とするシート状誘電体材料。A photosensitive dielectric forming material layer formed on a support film and containing glass powder, a binder resin and a photosensitive resin, and formed on the photosensitive dielectric forming material layer and containing glass powder and a binder resin A decomposition temperature or a combustion temperature or a volatilization temperature of the binder resin contained in the photosensitive dielectric formation material layer is a decomposition temperature of the binder resin of the dielectric formation material layer. Alternatively , a sheet-like dielectric material having a temperature equal to or lower than a combustion temperature or a volatilization temperature . 感光性誘電体形成材料層および誘電体形成材料層は溶剤を含有するものである請求項1に記載のシート状誘電体材料。  The sheet-like dielectric material according to claim 1, wherein the photosensitive dielectric material layer and the dielectric material layer contain a solvent. 感光性誘電体形成材料層に含有される溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴とする請求項2に記載のシート状誘電体材料。  3. The decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the solvent contained in the photosensitive dielectric forming material layer is equal to or lower than the decomposition temperature, combustion temperature or volatilization temperature of the solvent of the dielectric forming material layer. The sheet-like dielectric material described in 1. ガラス粉末、結着樹脂および感光性樹脂を含有する感光性誘電体形成材料層とこの感光性誘電体形成材料層上に形成されかつガラス粉末および結着樹脂を含有する誘電体形成材料層とを備えたシート状誘電体材料を基板上に誘電体形成材料層が基板側となるように重ね合わせて誘電体形成材料層および感光性誘電体形成材料層を基板に転写する転写工程と、転写した感光性誘電体形成材料層を所定のパターンを有するマスクを用いて露光し、現像するパターン形成工程と、その後感光性誘電体形成材料層および誘電体形成材料層を焼成して誘電体層を形成する焼成工程とを有し、かつ前記シート状誘電体材料の感光性誘電体形成材料層に含有される結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、前記誘電体形成材料層の結着樹脂の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。A photosensitive dielectric forming material layer containing glass powder, a binder resin and a photosensitive resin, and a dielectric forming material layer formed on the photosensitive dielectric forming material layer and containing glass powder and a binder resin. A transfer step of transferring the provided dielectric material layer and the photosensitive dielectric material layer onto the substrate by superimposing the provided sheet-like dielectric material on the substrate so that the dielectric material layer is on the substrate side; A pattern formation step of exposing and developing the photosensitive dielectric forming material layer using a mask having a predetermined pattern, and then firing the photosensitive dielectric forming material layer and the dielectric forming material layer to form a dielectric layer. And a decomposition temperature or a combustion temperature or a volatilization temperature of the binder resin contained in the photosensitive dielectric forming material layer of the sheet-like dielectric material is a binding temperature of the dielectric forming material layer. Resin minutes Method of manufacturing a plasma display panel, wherein the temperature or is below the combustion temperature or volatilization temperature. パターン形成工程で感光性誘電体形成材料層を露光、現像することにより、プラズマディスプレイパネルの発光画素領域毎に誘電体層に少なくとも一つの凹部を形成し、その凹部の底面の誘電体層の膜厚を小さくしたことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。By exposing and developing the photosensitive dielectric forming material layer in the pattern forming process, at least one concave portion is formed in the dielectric layer for each light emitting pixel region of the plasma display panel, and the dielectric layer film on the bottom surface of the concave portion is formed. The method of manufacturing a plasma display panel according to claim 4 , wherein the thickness is reduced. 感光性誘電体形成材料層および誘電体形成材料層は溶剤を含有するものである請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。The method for manufacturing a plasma display panel according to claim 4 , wherein the photosensitive dielectric forming material layer and the dielectric forming material layer contain a solvent. 感光性誘電体形成材料層に含有される溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度が、誘電体形成材料層の溶剤の分解温度または燃焼温度または揮発温度以下であることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 6. the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the solvent contained in the photosensitive dielectric formation material layer, characterized in that it is below the decomposition temperature or combustion temperature or volatilization temperature of the solvent of the dielectric formation material layer A method for producing a plasma display panel as described in 1. above.
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