JP3860868B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IABP(大動脈内バルーンパンピング)に用いられるバルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、IABP(大動脈内バルーンパンピング)は、心筋梗塞等による左心機能の低下や心臓手術後の心不全、低拍出量症候群等に対する簡易的な補助循環法として広く使用されている。このIABPとは、バルーンカテーテルを大動脈内に挿入し、その遠位端部に位置するバルーンを心臓の拍動に合わせて拡張および収縮(パンピング)させることによって血圧補助を行う方法であり、心臓の拡張期にバルーンが拡張すると、バルーンの容量が増大した分だけ大動脈内の血圧が上昇し、冠動脈や動脈末梢側へ流れる血流量が増大して、人体各部により多くの酸素が供給されることになり、一方、心臓の収縮期にバルーンが収縮すると、大動脈内の血圧が低下し、陰圧効果によって左心室から大動脈への血液の送出抵抗が低下し、左心室の仕事が軽減されることになり、これらの相乗効果によって心機能の回復が図られる。
【0003】
また、このIABP用のバルーンカテーテルとして、既に特開平6−30998号公報において、大動脈と腎動脈の分岐部を挟んで配置される2つのバルーンを備えたバルーンカテーテル(以下、ダブルバルーンカテーテルという)を開示している。このダブルバルーンカテーテルによれば、冠動脈への血流量の増大、左心室にかかる負荷の軽減といった従来品同様の効果はもちろんのこと、上記分岐部よりも血流方向上流側に配置される第1バルーンを拡張させる際に、同分岐部よりも血流方向下流側に配置される第2バルーンが同時に拡張するため、特に、能動的に腎動脈の血流量の増大させて、腎機能の回復を図ることができるという効果があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ダブルバルーンカテーテルには、未だ改良の余地が残されていた。
すなわち、上記ダブルバルーンカテーテルは、2つのバルーンを単に連通させた構造とされていたため、カテーテルシャフトを介してガスを給排した際に、2つのバルーンが略同時に拡張および収縮するようになっていた。そのため、先端側の第1バルーンが拡張を始めた時点では、まだ第2バルーンが十分に拡張しておらず、第1バルーンの拡張に伴って血圧が上昇すると、血液は腎動脈へと送り出される他に、第2バルーンより血流方向下流側へも送り出されてしまい、このことは、腎動脈の血流量の増大を図るという点では不利であった。
【0005】
また、先端側の第1バルーンが収縮を始めた時点で、第2バルーンも収縮を始め、第2バルーンを挟んだ血流方向上流側と下流側が連通することになるため、第1バルーンの収縮に伴って血圧が低下しても、血液は左心室から大動脈へと送り出される他に、第2バルーンより血流方向下流側からも流入する状態となり、左心室からの血液送出を促す効果が相応に低減することになっていた。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来のダブルバルーンカテーテルよりも、更に効率良く血圧補助を行うことができるバルーンカテーテルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
流体の供給路となる内腔を有するカテーテルシャフトと、該カテーテルシャフトの遠位端側に設けられ、該カテーテルシャフトの近位端側から供給される流体を内部に導入し、該流体の圧力によって拡張および収縮する第1バルーンと、前記カテーテルシャフトの外周で前記第1バルーンから所定間隔を隔てた位置に設けられ、前記カテーテルシャフトの近位端側から供給される流体を内部に導入し、該流体の圧力によって拡張および収縮する第2バルーンとを備えたバルーンカテーテルにおいて、
前記カテーテルシャフトに1つの内腔を設け、その内腔を前記第1、第2バルーンの双方に連通させると共に、前記第1、第2バルーンのそれぞれで、前記内腔と各バルーンの内部との連通箇所の開口面積を変えることにより、一方のバルーンが拡張および収縮する際に、僅かに遅れて他方のバルーンが拡張および収縮する構造とした
こと特徴とする。
【0008】
上記構成において、カテーテルシャフトの内腔とバルーンの内部との連通箇所の開口面積は、小さいほど流体が通過する際の抵抗が大きくなるため、この開口面積を調整することにより、一方のバルーンが拡張および収縮する際に、僅かに遅れて他方のバルーンが拡張および収縮するようにすることができる。
したがって、このバルーンカテーテルによれば、第1、第2バルーンが互いに異なるタイミングで拡張および/または収縮可能なので、バルーンの拡張時に、まず第2バルーンを拡張させて、その後で第1バルーンを拡張させることができれば、第2バルーンよりも血流方向上流側における血圧を効率良く上昇させ、腎動脈側へ送出される血流量の更なる増大を図ることができる。また、バルーンの収縮時に、まず第1バルーンを収縮させて、その後で第2バルーンを収縮させることができれば、第1バルーンの収縮に伴って発生する陰圧が左心室側へ効率良く作用し、左心室から大動脈へ血液の送出を促す効果が増大する。
【0010】
以上のようなバルーンカテーテルにおいて、上記流体としては、気体又は液体を考えることができるが、応答性に優れている点では流動抵抗の小さい気体が望ましい。IABPでは、一般にヘリウムガスを用いることが多いが、本バルーンカテーテルにおいてもヘリウムガスを用いれば良く、心臓の拍動に合わせてヘリウムガスを給排可能な駆動機も、従来よりIABPで使われているものをそのまま使用することができる。
【0011】
また、各バルーンおよびカテーテルシャフトを作製するための材料は、従来のバルーンカテーテルと同様の樹脂材料を用いることができ、もちろん、挿入性や抗血栓性を高めるためのコーティング等を適宜施してもよい
【0022】
また、本発明のバルーンカテーテルでは、2つのバルーンを駆動することにより、心機能および腎機能の回復を図っているが、例えばある程度腎機能が回復した場合には、第1バルーンのみを駆動して、過剰な圧補助を停止することができるとより便利である。それには、請求項2記載のバルーンカテーテルのように
前記第2バルーンを外周から押さえて当該第2バルーンの拡張を規制する規制位置、または該第2バルーンから離れて当該第2バルーンの拡張を許容する許容位置のいずれかへ移動可能な拡張規制部材
を備えるとよい。
【0023】
ここで、拡張規制部材としては、例えば第2バルーンの外周に嵌まる円筒体もしくはそれに類するもの(例えば、円筒体の一部を切り欠いたものや、金属線からなる網を円筒状に編んだものなど)を、第2バルーンの外周に出没可能に配置するとともに、その移動操作をカテーテルシャフトの近位端側から実行できるようにしたものであればよい。移動操作をカテーテルシャフトの近位端側から実行できるようにするには、上記円筒体をカテーテルシャフトの近位端側まで延びるチューブとし、そのチューブ全体を摺動可能とする、あるいは、上記円筒体に一端が連結されたワイヤを、カテーテルシャフト沿いに配置して、ワイヤの他端側で円筒体を操作可能とすればよい。
【0024】
このようなバルーンカテーテルであれば、拡張規制部材を規制位置または許容位置のいずれへ移動させるかに応じて、任意に第2バルーンの動作を停止させることができるので、請求項記載のような構造のバルーンカテーテルにおいても、第2バルーンの動作を強制的に停止させることができる
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明するバルーンカテーテルは、本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明の実施形態は下記の例に限られるものではない。また、以下の説明においては、本発明の実施形態の他に、参考例についても併せて説明する。
【0026】
[参考例1]
図1に示すように、バルーンカテーテル1は、同軸に配置された第1チューブ10a、第2チューブ10b、および第3チューブ10cからなるカテーテルシャフト10と、第1チューブ10aの遠位端側外周に設けられ、その内部が第2チューブ10bの内腔に連通する第1バルーン11と、第2チューブ10bの外周で第1バルーン11から所定間隔(本例の場合約100mm)を隔てた位置に設けられ、その内部が第3チューブ10cの内腔に連通する第2バルーン12と、カテーテルシャフト10の近位端側に固着され、内部には第1〜第3チューブ10a〜10cの各内腔に連通する3つの通路13a〜13cが形成されたコネクタ13と、第1チューブ10aの遠位端に固着された先端チップ14と、X線透視下において第1バルーン11および第2バルーン12の位置を確認するためのマーカー15a〜15dとを備えている。
【0027】
第1チューブ10aは、その内腔によってガイドワイヤ挿通用の通路を形成し、一方、第2チューブ10bおよび第3チューブ10cは、それぞれ第1バルーン11、第2バルーン12へヘリウムガスを供給するための通路を形成している。これら各チューブは、公知のIABP用バルーンカテーテルと同様、血管内において折れ曲がらない程度の適度な弾性を有する柔軟なものであれば、その材料について特に限定されるものではないが、第1チューブ10aについては、ガイドワイヤに対する滑りが良好なものほどよく、例えばポリアミド樹脂、フッ素樹脂などが好適である。また、第2チューブ10bおよび第3チューブ10cについては、外周面が血流中に晒されるので、抗血栓性の高いものが望ましく、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等を用いるとよい。
【0028】
また、第1バルーン11および第2バルーン12は、いずれもポリウレタン樹脂製のフィルムを紡錘形の袋状に成形したもので、内部に給排されるヘリウムガスの圧力によって拡張および収縮する。図1においては、断面構造を明示する都合上、各部の寸法比が実際のものとは異なるが、第1バルーン11および第2バルーン12の寸法と両者の相対位置関係は、バルーンカテーテル1の使用時に、第1バルーン11が大動脈と腎動脈の分岐部よりも血流方向上流側に配置され、かつ第2バルーン12が大動脈と腎動脈の分岐部よりも血流方向下流側で大動脈と下腸間動脈の分岐部よりも上流側に配置されるように設定されている。具体的には、第1バルーン11は、長さが170〜280mm、拡張時の直径が15〜16mm、容量が20〜40cc、第2バルーン12は、長さが30〜70mm、拡張時の直径が13〜14mm、第1バルーン11と第2バルーン12の間隔が100mm程度とされる。ちなみに、バルーンカテーテル1の全長は700mm程度である。但し、これらの寸法および容量等は、患者の体格等によっても異なるため、必要な機能を損なわない範囲内であれば、上記数値範囲外のものとされる場合もあり得る。
【0029】
以上のように構成されたバルーンカテーテル1は、例えば大腿動脈から血管内に挿入され、大動脈と腎動脈の分岐部が第1バルーン11と第2バルーン12の間に挟まれる位置まで押し進められる。血管内への導入に当たっては、従来のIABP用バルーンカテーテルと同様、血管内にあらかじめガイドワイヤを挿入・留置しておき、そのガイドワイヤを第1チューブ10aの内腔に通すようにして血管内へと押し進めればよく、第1バルーン11および第2バルーン12の到達位置については、X線透視下でマーカー15a〜15dによって確認することができる。
【0030】
そして、バルーンカテーテル1が所期の位置に留置されたら、コネクタ13に接続された駆動機(図示略)を作動させることにより、第1バルーン11および第2バルーン12を拡張および収縮させる。その際、各バルーンは、まず第2バルーン12が拡張し、僅かに遅れて第1バルーン11が拡張し、続いて第1バルーン11が収縮し、僅かに遅れて第2バルーン12が収縮し、その後は、第2バルーン12の拡張に戻って一連の動作を繰り返すように駆動される。
【0031】
ここで、第1バルーン11の拡張に伴って血圧が上昇すると、従来のIABP用バルーンカテーテルと同様、冠動脈への血流量が増大し、心筋により多くの酸素が供給される。また、第1バルーン11の拡張に先だって、第2バルーン12が拡張しているため、第2バルーン12がない場合はもちろんのこと、第2バルーン12が第1バルーン11と同時に拡張する場合と比較しても、第2バルーン12によって大動脈側へ流れる血流量が低減され、その分、血流が腎動脈側へ押し流されることになり、腎動脈側の血流量が増大する。また更に、第1バルーン11が収縮すると第1バルーン11近傍で血圧が低下するが、この時はまだ第2バルーン12が拡張した状態にあるため、左心室側に及ぶ陰圧効果が大きくなり、従来品以上に左心室の仕事量が軽減される。したがって、これらの相乗的な効果により、心機能の回復が図られ、更に腎機能の回復も図られることになる。
【0032】
また特に、このバルーンカテーテル1の場合、第1バルーン11と第2バルーン12は互いに連通しておらず、それぞれが独立した駆動系となっているので、患者の腎機能が回復して来れば、第2バルーン12を収縮させた状態に保持し、第1バルーン11のみによる圧補助を行うこともできる。したがって、長期にわたってバルーンカテーテルを使用する場合であっても、第2バルーン12を収縮させておくだけで下肢血行障害等を防止することができ、例えば腎機能の回復後にシングルバルーンのバルーンカテーテルに入れ替えるといった手間はかからず、手技的にもコスト的にも有利である。
【0033】
[参考例2]
図2に示すように、バルーンカテーテル2は、同軸に配置された第1チューブ20a、および第2チューブ20bからなるインナーシャフト20と、第1チューブ20aの遠位端側外周に設けられ、その内部が第2チューブ20bの内腔に連通する第1バルーン21と、インナーシャフト20の近位端側に固着され、内部には第1チューブ20a、第2チューブ20bの各内腔に連通する2つの通路23a、23bが形成された第1コネクタ23と、同軸に配置された第3チューブ24a、および第4チューブ24bからなり、第3チューブ24aの内腔にインナーシャフト20が摺動可能に挿通されたアウターシャフト24と、第3チューブ24aの遠位端側外周に設けられ、その内部が第4チューブ24bの内腔に連通する第2バルーン25と、アウターシャフト24の近位端側に固着され、内部には第3チューブ24a、第4チューブ24bの各内腔に連通する2つの通路26a、26bが形成された第2コネクタ26と、第1チューブ20aの遠位端に固着された先端チップ27と、X線透視下において第1バルーン21および第2バルーン25の位置を確認するためのマーカー28a〜28dとを備えている。
【0034】
バルーンカテーテル2の各部を構成する材料については、参考例1で説明したものと同等のものを用いることができ、また、各部の寸法についても、参考例1と同様にすればよい。
また、このバルーンカテーテル2の最も特徴的な部分は、アウターシャフト24を構成する第3チューブ24aの内腔に、インナーシャフト20が摺動可能に挿通された構造を採用している点にある。これにより、アウターシャフト24を摺動させて、インナーシャフト20に対して相対的に前進/後退させることができ、第1バルーン21と第2バルーン25とを接近/離間させて、両者の間隔を任意に変更することができる。
【0035】
したがって、バルーンカテーテル2を血管内に留置する際には、大動脈と腎動脈の分岐部が第1バルーン21と第2バルーン25の間に挟まれる位置まで、バルーンカテーテル2を押し進めるとともに、第1バルーン21と第2バルーン25の間隔を微調整して、両バルーンの留置位置を最適な位置に調整することができるので、例えば患者の体格等の違っていても同じバルーンカテーテル2を使うことができるようになる。
【0036】
具体的には、患者の体格に比べて2つのバルーン間の間隔が過剰に大きい場合、先端の第1バルーンを最適位置に留置すると第2バルーンが最適な位置に到達せず、一方、第2バルーンを最適位置に留置すると第1バルーンが最適位置を超える位置に到達してしまうという問題があり、逆に、患者の体格に比べて2つのバルーン間の間隔が過剰に小さい場合、先端の第1バルーンを最適位置に留置すると第2バルーンが最適位置を超える位置に到達してしまい、一方、第2バルーンを最適位置に留置しても第1バルーンが最適な位置に到達しないという問題が生じるが、上記バルーンカテーテル2では、こうした問題が解消されることになるため、最適寸法のバルーンカテーテルを厳密に選択しなくても常に最良の留置位置にバルーンを留置することができるようになる。
【0037】
なお、良好に心機能および腎機能の回復を図ることができ、また、第2バルーン25のみ駆動を停止できるといった点は、本バルーンカテーテル2においても上記参考例1のものと全く同様である。
実施形態1
図3に示すように、バルーンカテーテル3は、同軸に配置された第1チューブ30a、および第2チューブ30bからなるカテーテルシャフト30と、第1チューブ30aの遠位端側外周に設けられ、その内部が第2チューブ30bの内腔に連通する第1バルーン31と、第2チューブ30bの外周で第1バルーン31から所定間隔を隔てた位置に設けられ、その内部が開口32を介して第2チューブ30bの内腔に連通する第2バルーン33と、カテーテルシャフト30の近位端側に固着され、内部には第1チューブ30a、第2チューブ30bの各内腔に連通する2つの通路34a、34bが形成されたコネクタ34と、第1チューブ30aの遠位端に固着された先端チップ35と、X線透視下において第1バルーン31および第2バルーン33の位置を確認するためのマーカー36a〜36dとを備えている。
【0038】
バルーンカテーテル3の各部を構成する材料については、参考例1で説明したものと同等のものを用いることができ、また、各部の寸法についても、参考例1と同様にすればよい。
また、このバルーンカテーテル3の最も特徴的な部分は、開口32の開口面積を絞ることにより、第2バルーン33へガスが流入しにくい状態としてある点にある。このように構成すると、コネクタ34側からヘリウムガスを供給した際には、第2バルーン33よりも第1バルーン31の方が先に拡張し、また、コネクタ34側からヘリウムガスを排出した際には、第2バルーン33よりも第1バルーン31の方が先に収縮するようになる。両バルーンの拡張および収縮の位相差は、ガスの供給圧と開口32の総面積を調整することにより、任意に変更することができる。したがって、第1バルーン31および第2バルーン33へのガスの供給路が共通化されているにもかかわらず、両バルーンの拡張期および収縮期に位相差を付与することができ、このバルーンカテーテル3の場合であれば、第2バルーン33が収縮する前に第1バルーン31が収縮するので、左心室側に及ぶ陰圧効果が大きくなり、従来品以上に左心室の仕事量が軽減される。
【0039】
また、参考例1として示したバルーンカテーテル1に比べると、カテーテルシャフト30の外径寸法を小さくすることができるので、より血管径の細い患者への適用も可能となり、また、下肢血行障害等を招きにくくなるという利点もある。
【0040】
なお、本バルーンカテーテル3の場合、参考例1で示したバルーンカテーテル1、あるいは同時に2つのバルーンが拡張するバルーンカテーテルに比べると、腎動脈の血流量の増大を図る効果は小さくなるが、それでも、バルーンを1つしか備えていないバルーンカテーテルに比べれば、腎動脈の血流量は相応に増大する。
【0041】
ちなみに、左心室の仕事量の軽減よりも、腎動脈の血流量の増大を図ることの方が優先される場合には、第1バルーン31へのガス流入口の開口面積を絞ることにより、第1バルーン31へガスが流入しにくい状態とすればよい。こうすると、第1バルーン31の方が遅れて拡張および収縮することになるので、第2バルーン33を拡張した上で、第1バルーン31を拡張し、冠動脈および腎動脈への血流量を多くすることができる。
【0042】
実施形態2
図4に示すように、バルーンカテーテル4は、同軸に配置された第1チューブ40a、および第2チューブ40bからなるカテーテルシャフト40と、第1チューブ40aの遠位端側外周に設けられ、その内部が第2チューブ40bの内腔に連通する第1バルーン41と、第2チューブ40bの外周で第1バルーン41から所定間隔を隔てた位置に設けられ、その内部が開口42を介して第2チューブ40bの内腔に連通する第2バルーン43と、カテーテルシャフト40の近位端側に固着され、内部には第1チューブ40a、第2チューブ40bの各内腔に連通する2つの通路44a、44bが形成されたコネクタ44と、第1チューブ40aの遠位端に固着された先端チップ45と、X線透視下において第1バルーン41および第2バルーン43の位置を確認するためのマーカー46a〜46dとを備えている。これらは、上記実施形態1で示した構造とほぼ同様のものである。
【0043】
また、第2チューブ40bの外周には、第2チューブ40bを軸に摺動可能で、遠位端側へ移動させると第2バルーン43の拡張を規制する一方、近位端側へ移動すると第2バルーン43の拡張を許容する拡張規制部材47を備えている。拡張規制部材47は、第2バルーン43の外周に嵌まる寸法の円筒体47aと、第2チューブ40bを軸に摺動可能で、円筒体47aが先端に固着されたチューブ47bと、チューブ47bの後端に固着された操作部材47cとで構成され、操作部材47cを摘んで第2チューブ40bを軸にスライド操作することにより、円筒体47aを第2バルーン43の外周に嵌めたり、第2バルーン43の外周から取り外したりすることができる。これにより、円筒体47aを第2バルーン43の外周に嵌めた状態では、第2バルーン43の拡張が強制的に規制されることになる。
【0044】
したがって、患者の腎機能が回復して来れば、第2バルーン43を強制的に収縮させた状態で保持し、第1バルーン41のみによる圧補助を行うことができ、長期にわたってバルーンカテーテルを使用する場合であっても、第2バルーン43を収縮させておくだけで下肢血行障害等を防止することができ、例えば腎機能の回復後にシングルバルーンのバルーンカテーテルに入れ替えるといった手間はかからず、手技的にもコスト的にも有利である。
【0045】
なお、このような拡張規制部材47は、上記参考例1、2のバルーンカテーテル1、2においても採用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成手段については上記実施形態以外にも種々考えられる。
【0046】
例えば、上記参考例1、2および実施形態1、2では、いずれもガイドワイヤ挿通用の通路を形成するために、バルーンカテーテル1〜4をほぼ全長にわたって貫通する第1チューブ10a、20a、30a、40aが設けられていたが、この第1チューブの代わりに1本の可撓性を有する金属線を設けてもよい。このような構造にすると、ガイドワイヤを先行させて留置しての挿入はできなくなるが、カテーテルシャフトの外径寸法をより一層小さくすることができるので、より血管径の細い患者に対する適用が可能となる。
【0047】
また、上記実施形態では、チューブを同軸配置してカテーテルシャフトを構成することにより、カテーテルシャフト内に複数の独立した内腔を形成していたが、あらかじめ複数の内腔が平行に形成されたカテーテルシャフトを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1のバルーンカテーテルを示す縦断面図である。
【図2】 参考例2のバルーンカテーテルを示す縦断面図である。
【図3】 実施形態1のバルーンカテーテルを示す縦断面図である。
【図4】 実施形態2のバルーンカテーテルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,4・・・バルーンカテーテル、10,30,40・・・カテーテルシャフト、10a,20a,30a,40a・・・第1チューブ、10b,20b,30b,40b・・・第2チューブ、10c,24a・・・第3チューブ、11,21,31,41・・・第1バルーン、12,25,33,43・・・第2バルーン、13,34,44・・・コネクタ、14,27,35,45・・・先端チップ、15a〜15d,28a〜28d,36a〜36d,46a〜46d・・・マーカー、20・・・インナーシャフト、23・・・第1コネクタ、24・・・アウターシャフト、24b・・・第4チューブ、26・・・第2コネクタ、32,42・・・開口、47・・・拡張規制部材、47a・・・円筒体、47b・・・チューブ、47c・・・操作部材。

Claims (2)

  1. 流体の供給路となる内腔を有するカテーテルシャフトと、該カテーテルシャフトの遠位端側に設けられ、該カテーテルシャフトの近位端側から供給される流体を内部に導入し、該流体の圧力によって拡張および収縮する第1バルーンと、前記カテーテルシャフトの外周で前記第1バルーンから所定間隔を隔てた位置に設けられ、前記カテーテルシャフトの近位端側から供給される流体を内部に導入し、該流体の圧力によって拡張および収縮する第2バルーンとを備えたバルーンカテーテルにおいて、
    前記カテーテルシャフトに1つの内腔を設け、その内腔を前記第1、第2バルーンの双方に連通させると共に、前記第1、第2バルーンのそれぞれで、前記内腔と各バルーンの内部との連通箇所の開口面積を変えることにより、一方のバルーンが拡張および収縮する際に、僅かに遅れて他方のバルーンが拡張および収縮する構造とした
    こと特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 請求項1記載のバルーンカテーテルにおいて、
    前記第2バルーンを外周から押さえて当該第2バルーンの拡張を規制する規制位置、または該第2バルーンから離れて当該第2バルーンの拡張を許容する許容位置のいずれかへ移動可能な拡張規制部材
    を備えたことを特徴とするバルーンカテーテル。
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