JP3860578B2 - ガスセンサ、排気ガス分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は原動機の排気ガスを分析する技術にかかり、特に、車両(四輪自動車、二輪自動車の他、原動機付き自転車を含む。)に搭載された原動機の排気ガスを分析する技術に関する。
自動二輪車用排気ガス分析装置の試作品を図15の符号220に示す。
このガス分析装置220は、管状の分析管221と、分析管221の途中に設けられたガスセンサ222と、ガスセンサ222に接続された表示装置223とを有している。
図中、符号210は、自動二輪車のマフラーである。このような自動二輪車の排気ガスを分析する場合は、そのマフラー210の排気口211に分析管221の先端を挿入し、マフラー210内に排出される排気ガスを分析管221中に取り込んでおり、排気ガスは分析管221の内部を流れる途中で、分析管221に設けられたガスセンサ222によって検出されるように構成されている。
そして、検出結果は表示装置223によって表示される。分析対象がCOガスの場合、排気ガスに含まれるCOガスの濃度が表示される。ガスセンサ222には、赤外線の吸収率変化からCOガス濃度を求める赤外線分析装置や、COガスの電気化学反応を利用してCOガス濃度を求める電気化学式の分析装置を用いることができる。
しかし、上記のようにマフラー210に分析管221を挿入する方式では、分析結果の誤差が大きい。
そこで分析管221の先端をマフラー210の先端211よりも大きく形成し、マフラー210の先端211を分析管221内に挿入し、マフラー210から排出される排気ガスを全部分析管内に取り込む方式が考えられる。
しかしながら、マフラー210の先端211を分析管221内に挿入した場合、特に電気化学式の分析装置は原動機の脈動の影響を受け、測定値が安定しないという問題がある。
特開平11−230933号公報 特開2000−009681号公報
本発明は、脈動の影響が無く、低価格で精度のよいガスセンサ及びそのガスセンサを用いた排気ガス分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、一端の導入口から検出対象ガスが導入されるガス通路と、前記ガス通路の導入口とは反対側の端部であるガス接触口に配置され、ガス接触口側の面が前記ガス通路内に導入された気体と接触し、反対側の面に作用電極が形成され、該作用電極が電解液と接触する第1の気体透過膜と、片面が空気と接触し、反対側の面に対電極が形成され、前記対電極が前記電解液と接触する第2の気体透過膜と、を有し、前記第1の気体透過膜は前記気体に含有される分析対象ガス成分が膜厚方向拡散して前記作用電極に到達できるように構成され、前記第2の気体透過膜は空気中に含有される酸素ガスが膜厚方向拡散して前記対電極に到達できるように構成され、前記電解液に接触された比較電極と前記作用電極との間に基準電圧が印加され、前記作用電極で前記分析対象ガス成分が電気化学的に反応し、前記対電極で前記酸素ガスが電気化学的に反応し、前記対電極に流れる電流を測定するにより、前記分析対象ガス成分の量に応じた電気信号を出力するように構成されたガスセンサであって、前記導入口には通気性を有する多孔質膜が配置され、前記多孔質膜上には前記導入口を覆い、通気性を有する押圧フィルタが配置され、前記ガス通路が形成された細孔側板を有し、前記多孔質膜は前記導入口よりも大きく形成され、前記細孔側板上に配置されたガスセンサである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のガスセンサであって、前記多孔質膜の周囲は前記細孔側板に密着されたガスセンサである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のガスセンサであって、前記細孔側板には、前記多孔質膜の周囲を押さえる保護部材が設けられたガスセンサである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のガスセンサであって、前記押圧フィルタは、前記保護部材上に配置されたガスセンサである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のガスセンサであって、前記ガス通路内には、断面積が前記ガス通路の断面積よりも小さいオリフィスを有する細孔部材が配置されたガスセンサである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のガスセンサであって、前記押圧フィルタの通気抵抗は前記多孔質膜の通気抵抗よりも低いガスセンサである。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のガスセンサと、管状の分析管とを有し、前記ガスセンサは前記分析管の側面に配置され、前記分析管の一端の採取部から導入され、他端の排気部から排出される排気ガスが、前記分析管内部を流れる際に前記ガスセンサと接触するように構成された排気ガス分析装置である。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の排気ガス分析装置であって、前記分析管の前記採取部と前記排気部の間の部分は、少なくとも一部が可撓性を有し、前記分析管が曲げられるように構成された排気ガス分析装置である。。
請求項9記載の発明は、請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の排気ガス分析装置であって、前記ガスセンサには、分析結果を表示する表示部が接続された排気ガス分析装置である。
本発明は上記のように構成されており、ガス通路の一端であるガス導入口は分析対象ガス雰囲気中に開放されており、他端は、気体透過膜で塞がれている。ガス導入口には多孔質膜が配置されており、分析対象ガスが多孔質膜の微細孔中を拡散し、ガス通路内に進入するようになっている。この多孔質膜により、原動機等の脈動に起因して分析対象ガス雰囲気の圧力が脈動した場合でも、圧力変動が緩和され、ガス通路内の圧力は一定になる。
本発明は多孔質膜上に押圧フィルタが配置されており、多孔質膜は押圧フィルタによって押圧されている。多孔質膜の片側には分析対象ガス雰囲気の脈動する圧力が加わるが、押圧フィルタによって多孔質膜が振動せず、安定な分析が可能になっている。
特に、押圧フィルタをその厚み方向に圧縮し、圧縮の復元力によって多孔質膜を細孔側板上に押さえつけると、多孔質膜全体が細孔側板に密着され、多孔質膜の振動が防止される。押圧フィルタの通気抵抗は多孔質膜の通気抵抗よりも低くしておけば、分析感度にも影響がない。
そして、上記のガスセンサを分析管の途中に配置して排気ガス分析装置を構成させ、分析管の一端に、自動二輪車のマフラー等の排気管を挿入し、分析管内に排気ガスを流し、ガスセンサの導入口からガス通路内に排気ガスが供給されるようにすると、排気ガス中のCOガス等の特定物質の濃度が分析できるようになる。
分析管に排気ガスを導入する導入口よりも排気ガスを放出する排気口を低くしておくと、分析管内に生じた水滴は排気口から排出することができる。
そして本発明の分析管が可撓性や屈曲性を有すれば、分析管を曲げ、分析管内へのマフラーの挿入を維持したまま、排気口を地面に近づけることができる。
脈動の影響の少ないガスセンサと、そのガスセンサを用いた排気ガス分析装置が得られる。
図1の符号2は本発明の排気ガス分析装置の一例であり、分析管5と、表示部60とを有している。図2は分析管5の分解図であり、分析管5はそれぞれ断面が円形筒状の採取部10と、接続部30と、排気部40とを有している。
採取部10はシリコン製、接続部30は軟質ビニール製、排気部40は硬質樹脂製であり、接続部30が有する可撓性、屈曲性、又は柔軟性によって、分析管5を曲げられるようになっている。
採取部10と接続部30は、略同じ大きさの内径であり、内挿チューブ20を採取部10と接続部30の内部に両方に亘って挿入することで、採取部10と接続部30とが互いに接続されるように構成されている。
排気部40は、一端部の連結部41と、連結部41に接続されたセンサ保持部43と、センサ保持部43に接続された防風部45とを有している。
連結部42の先端は徐々に窄まっており、接続部30の端部に挿入されるように構成されている。
センサ保持部43と防風部45は円筒形であり、センサ保持部43の内径Pは、連結部42の内径よりも大きく、防風部45の内径Qは、センサ保持部43の内径Pよりも大きく形成されている。
図中、符号42、44は、内径及び外径が異なる連結部42とセンサ保持部43と防風部45を連続的に接続する部分である。
センサ保持部43はその一部が枝分かれし、枝分かれした部分によって、センサ保持部43の外周側面から突出した分岐部46が形成されている。分岐部46の内部はセンサ保持部43の内部と接続されている。
本発明のガスセンサ50は、分岐部46の内部に配置されている。なお、センサ保持部43の外周側面の分岐部46が位置する側とは反対側の位置には、脚部47が複数個突き出されており、後述するように、分析管5の地面に対する向きを、脚部47が地面に接触するようにしたときに、分岐部46が上方を向き、ガスセンサ50が上側に位置するように構成されている。
図3の符号80は、自動二輪車を示している。図4に示すように、この自動二輪車80のマフラー81の排気口83は、マフラー81の突起82の先端に設けられており、排気口83から大気中に排気ガスを放出するようになっている。
分析管5の採取部10の先端の内径は、突起82の外径よりも僅かに大きくなっており、脚部47と分岐部46を、それぞれ地面側と上側に向け、採取部10の先端に突起82が挿入されるように採取部10を突起82に被せ、採取部10の先端部分に配置された締結ベルト11を締め付けると、分析管5はマフラー81に固定される。
接続部30は柔軟性を有しているから、採取部10がマフラー81に固定された状態では分析管5は自重で撓み、脚部47が地面に接触する。この状態では、分析管5は地面とマフラー81によって支持される。
また、締結ベルト11を締め付けた状態では、分析管5の採取部10は突起82の外周に密着しており、自動二輪車80の原動機を始動すると、排気ガスはマフラー81から分析管5内に排気され、分析管5の内部に導入される。
そして、排気ガスは分析管5の内部を通過する際に、大部分が排気部40の先端48から大気中に放出されるが、一部がガスセンサ50に導かれ、後述するように、ガスセンサ50のガス通路内に進入する。
図5は、ガスセンサ50の内部構造を示す断面図である。
このガスセンサ50は全体形状が円柱状であり、円筒形状の容器115を有している。容器115の両端には、パッキン114、116が配置されており、該パッキン114、116に密着して、第1、第2の気体透過膜113、117が配置されている。
また、第1、第2の気体透過膜113、117上には、パッキン112、118が配置されており、このパッキン112、118と密着して、第1、第2の細孔側板111、119が配置されている。
各パッキン112、114、116、118は液密であり、容器115の内部空間は第1、第2の気体透過膜113、117で塞がれ、その内部空間によって蓄液部130が形成されている。蓄液部130の内部には、電解液110が蓄えられている。
図7は、ガスセンサ50の分解斜視図である。
第1の細孔側板111とそれに密着するパッキン112と、第2の細孔側板119とそれに密着するパッキン118とには、各細孔側板111、119とパッキン112、118を厚み方向に貫通する細長いガス通路126と空気通路129とがそれぞれ設けられている。このガス通路126と空気通路129の両端のうち、蓄液部130側の端部であるガス接触口136と空気接触口137は第1、第2の気体透過膜113、117で塞がれており、従って、ガス接触口136内と空気接触口137内には、それぞれ第1、第2の気体透過膜113、117表面が露出されている。
空気通路129の空気接触口137と反対側の端部は大気に開放されており、ガス通路126のガス接触口136とは反対側の端部は、ガス導入口138として分析管5の内部の排気ガスが通る通路に向けられ、ガス導入口138からガス通路126内に排気ガスが進入できるように構成されている。
ガス通路126や空気通路129の断面形状は円形であり、その内径は、直径は1mm程度である。
ガス通路126内部のガス導入口138の付近にはガス通路126の内径と同じ外径の円筒状の細孔部材122が配置されている。この細孔部材122の中心軸線の位置には、細孔部材122の厚み方向を貫通するオリフィス(細孔)127が形成されており、オリフィス127を通ったガスだけがガス通路126内に進入できるように構成されている。なお、オリフィス127の断面は円形であり、その直径はガス通路126の直径よりも小さい。
ガス通路126のガス導入口138上の位置には多孔質膜141が配置されている。この多孔質膜141は、直径1μm以下の微細な孔が多数形成された樹脂膜(例えば四フッ化エチレン樹脂膜)である。多孔質膜141の大きさは第1の細孔側板111よりも小さく、且つ、ガス通路126よりも大きく形成され、従って、ガス通路126のガス導入口138側、即ち細孔部材122の表面は、多孔質膜141で覆われている。
この多孔質膜141と第1の細孔側板111や細孔部材122とを接着剤で接着すると、接着剤がオリフィス127を塞ぐ恐れがある。
そこで本発明では、多孔質膜141の上に多孔質膜141よりも大きいシート状の保護部材142を配置し、該保護部材142の多孔質膜141の縁よりも外側の部分を第1の細孔側板111の表面に接着し、保護部材142によって多孔質膜141を第1の細孔側板111や細孔部材122に密着させた。
この保護部材142には、その多孔質膜141上の位置であって、ガス通路126の延長線上の位置に、保護部材142の厚み方向を貫通する開口128が設けられている。この開口128の大きさは多孔質膜141よりも小さくなっており、多孔質膜141の開口128よりも外側の部分が保護部材142によって第1の細孔側板111に密着されている。
保護部材142上には押圧フィルタ143が配置されており、該押圧フィルタ143上には押さえ板144が配置されている。
上述した容器115等の部材は円筒状の熱収縮チューブ145に挿入されており、該熱収縮チューブ145が加熱され、熱収縮したときに、熱収縮チューブ145のガスセンサ50の底面の外周付近に位置する部分が押さえ板144の表面と第2の細孔側板119の表面に密着し、熱収縮チューブ145の長さが短くなることでガスセンサ50に圧縮力が加わる。
その圧縮力により、押さえ板は第1の細孔側板111方向に押圧され、押圧フィルタ143を保護部材142に対して押さえつける。
保護部材142の中央には多孔質膜141が位置しており、保護部材142の中央部分は多孔質膜141の厚み分だけ盛り上がっている。図8は盛り上がった部分とその付近の拡大図である。
押圧フィルタ143は、厚み方向に容易に圧縮変形するのに対し、保護部材142や多孔質膜141は厚み方向には圧縮変形しないので、熱収縮チューブ145の圧縮力が加わると、保護部材142の盛り上がった部分に位置する押圧フィルタ143は部分的に圧縮される。
この状態では、保護部材142は保護部材142と密着しており、押圧フィルタ143には、元の状態に戻ろうとする復元力が生じている。そして、熱収縮チューブ145が冷却され、押圧フィルタ143が部分的に圧縮された状態で熱収縮力が消滅すると、押圧フィルタ143の復元力によって多孔質膜141は保護部材142と共に第1の細孔側板111や細孔部材122の表面に押圧された状態が維持される。
押圧フィルタ143は、布や不織布等の繊維質の部材が薄板又は膜状に成形されて構成されており、繊維と繊維の間には気体が通過する隙間が多数形成されている。押圧フィルタ143が圧縮された状態でも、それらの隙間は多孔質膜141の微細な孔よりも大きいため、圧縮された状態でも押圧フィルタ143の通気抵抗は保護シール142の通気抵抗よりも低い。
押え板144の少なくとも中央位置には厚み方向を貫通する開口129が配置されている。この開口129と、保護部材142の開口128と、細孔部材122のオリフィス127とは一直線に列んでおり、分析管5内を流れる排気ガスの一部は、押さえ板144の開口129と押圧フィルタ143と保護部材142の開口128を通り、多孔質膜141の表面に到達するようになっている。
多孔質膜142表面に到達した排気ガスは、多孔質膜142の微細な孔を通り、細孔部材122のオリフィス127内に進入する。
このオリフィス127の通気抵抗は大きいため、ガス通路126に進入する排気ガスの量は、後述するようにオリフィス127の大きさによって制限される。
オリフィス127を通過し、ガス通路126に進入した排気ガスは、濃度差によってガス通路126内を拡散し、第1の気体透過膜113の表面に到達する。
第1、第2の気体透過膜113、117の表面のうち、第1の気体透過膜113の電解液110と接する側の面には作用電極131が設けられており、第2の気体透過膜117の電解液110と接する側の面には、互いに離間した位置に、対電極132と比較電極133とが設けられている。
第1の気体透過膜113の表面に到達した排気ガスは第1の気体透過膜113を膜厚方向に浸透し、第1の電極131と第1の気体透過膜113の界面に到達する。
他方、電解液110は第1の電極131を膜厚方向に浸透し、第1の電極131と第1の気体透過膜113の界面に到達する。
そして、排気ガス中の一酸化炭素ガスと電解液110中の水は、第1の気体透過膜113と第1の電極膜131との界面に近い第1の電極131の内部で下記のように反応する。
CO + H2O → CO2 + 2H+ + 2e- ……(1)
他方、空気通路129は、分析管5の周囲の雰囲気に含まれる気体が充満しており、ここでは、空気が充満している。この空気は第2の気体透過膜117を膜厚方向に浸透し、対電極132と第2の気体透過膜117の界面に到達する。
他方、電解液110は対電極132を膜厚方向に浸透し、対電極132と第2の気体透過膜117の界面に到達する。
そして、第2の気体透過膜117と対電極132の界面近傍の対電極132の内部で下記のような化学反応が生じる。
2/2 + 2H+ + 2e- → H2O ……(2)
上記のように排気ガス中の一酸化炭素は電極131の内部で消費されるので、第1の気体透過膜113付近の濃度が低くなり、濃度差によって、オリフィス127からガス通路126に排気ガスが供給される。
分析管5内の排気ガスの圧力は原動機の動作に伴って周期的に変動するが、多孔質膜141が第1の細孔側板111と押圧フィルタ143の間に挟まれており、多孔質膜141は振動しないようになっている。このように静止した多孔質膜141によって分析管5内の圧力変動は除去され、ガス通路126内の排気ガス圧力に周期的な変動が生じないようになっている。
各電極131〜133にはリード線群120が接続されており、各電極131〜133は、リード線群120によって測定回路に接続される。
図6は測定回路の一例であり、オペアンプ151と基準電圧源152と出力抵抗153とを有している。作用電極131は接地電位に接続され、対電極132は測定回路の第1の出力端子155に接続されている。
オペアンプ151の反転入力端子には比較電極133が接続されており、非反転入力端子には、基準電圧源152が接続されている。オペアンプ151の出力端子は、第2の出力端子156に接続されている。第1、第2の出力端子155、156は、出力抵抗153によって接続されている。
この構成では、上記(1)、(2)式で生じた電荷に応じた大きさの電流が出力抵抗153に流れ、出力抵抗153に電圧が生じる。
第1、第2の出力端子155、156は、配線69によって表示部60に接続されており、表示部60の内部に設けられた演算装置により測定値が演算され、画面61に表示される。これにより、分析対象ガス中の特定のガス(ここではCO)の濃度が分かる。
表示部60の電源のオン/オフや表示内容の切替は、操作ボタン62によって操作することができる。
排気ガスは、分析管5を通過する際に分析管5の壁面によって冷却され、分析管5の壁面に結露が生じる。
分析管5は、排気部40の方が採取部10よりも低い位置にあるので、水滴は分析管5の内部を、採取部10側から排気部40側に向けて流れ、排気口48から地面の上に流出する。
分岐部46は上方を向いており、ガスセンサ50は分析管5の天井側に位置するため、水滴は、分岐部46が設けられている側の面とは反対側の面を通って流れ、水滴がガスセンサ50内に流入しないようになっている。
次に、本発明のガスセンサ50のCOガス測定結果について説明する。
自動二輪車の排気ガス中のCOガスの最大濃度は10Vol%程度であると考えられる。図10は、分析管5内にその最大濃度(10vol%)のCOガスを導入したときの、オリフィス127の断面積とガスセンサ50の出力電流の関係を示すグラフである。オリフィス127の断面積と出力電流の大きさは比例していることが分かる。
細孔径が大きいと出力電流が大きすぎ、測定回路のオペアンプ151の負担が大きくなる。他方、細孔径が小さいと目詰まりを起こす恐れがある。
この測定例ではオリフィス127は直径0.16、0.18、0.20mmのものを用いたが、0.16mm以上0.18mm以下の範囲が適している。
本発明のガスセンサ50では、細孔部材122を用いてオリフィス127を形成したが、図9に示すように、加工した第1の細孔側板111によってオリフィス127'を形成してもよい。また、オリフィス127と、それよりも断面積が大きいガス通路126の間の直径が連続的に変化する場合や、ガス通路の断面積がオリフィスの断面積と同じ大きさであり、ガス通路がオリフィスを兼ねているような場合も含まれる。
次に、図11は、分析管5内に3.52vol%のCOガスを導入したときの、分析管5内の圧力と、第1、第2の出力端子155、156間に現れる出力電圧との関係を示すグラフである。
多孔質膜141を用いない場合、通気口126内の圧力が分析管5内の圧力の影響を受けるため、分析管5内の圧力上昇に伴って出力電圧も上昇してしまうが、多孔質膜141を用いた場合は、分析管5内の圧力が変化しても出力電圧は一定である。
なお、分析管5内のCOガス流量を変化させた場合についても測定したが多孔質膜141の有無に拘わらず、出力電圧は一定であった。
次に、分析管5内が静止圧力雰囲気にある場合と、圧力変動がある場合のガスセンサ50の出力電圧の相違を測定した。
先ず静止圧力状態で測定し、次に、分析管5内の圧力を図14に示すように脈動させて測定した。
図12は、多孔質膜141上に押圧フィルタ143を配置した場合であり、図13は、多孔質膜141上に押圧フィルタ143を配置しない場合である。図12、13を比較すると、押圧フィルタ143の必要性が明確に分かる。
なお、上記押圧フィルタ143は繊維質のフィルタであったが、金属細線を編んだものも含まれる。要するに、多孔質膜141の上に重ね合わせ、多孔質膜141全体を押圧できるものであればよい。
また、上記は自動二輪車の原動機の排気ガスを測定する場合について説明したが、本発明は自動車、耕耘機等の車両一般の排気ガスの他、発動機一般の排気ガスの測定に用いることができる。
本発明の排気ガス分析装置の一例を説明するための図 その分解図 本発明の排気ガス分析装置を自動二輪車のマフラーに接続した状態を説明するための図 マフラーとの接続部分を説明するための図 本発明のガスセンサの内部構造を説明するための図 そのガスセンサに用いられる測定回路の一例 本発明のガスセンサの分解斜視図 細孔部材及び多孔質膜付近の拡大図 細孔部材を用いない場合の多孔質膜付近の拡大図 細孔断面積と出力電流の関係を示すグラフ 分析管内の圧力と出力電圧の関係を示すグラフ 多孔質膜上に押圧フィルタを配置した場合の静止圧力と圧力振動があった場合の出力電圧の相違を示すグラフ 多孔質膜上に押圧フィルタを配置しない場合の静止圧力と圧力振動があった場合の出力電圧の相違を示すグラフ その圧力振動のグラフ 試作品の測定方法を説明するための図
符号の説明
2……排気ガス分析装置
5……分析管
10……採取部
30……接続部
40……排気部
50……ガスセンサ
60……表示部
80……自動二輪車
111……(第1の)細孔側板
113……(第1の)気体透過膜
122……細孔部材
126……ガス通路
127、127'……オリフィス
141……多孔質膜
142……保護部材
143……押圧フィルタ

Claims (9)

  1. 一端の導入口から検出対象ガスが導入されるガス通路と、
    前記ガス通路の導入口とは反対側の端部であるガス接触口に配置され、ガス接触口側の面が前記ガス通路内に導入された気体と接触し、反対側の面に作用電極が形成され、該作用電極が電解液と接触する第1の気体透過膜と、
    片面が空気と接触し、反対側の面に対電極が形成され、前記対電極が前記電解液と接触する第2の気体透過膜と、を有し、
    前記第1の気体透過膜は前記気体に含有される分析対象ガス成分が膜厚方向拡散して前記作用電極に到達できるように構成され、
    前記第2の気体透過膜は空気中に含有される酸素ガスが膜厚方向拡散して前記対電極に到達できるように構成され、
    前記電解液に接触された比較電極と前記作用電極との間に基準電圧が印加され、前記作用電極で前記分析対象ガス成分が電気化学的に反応し、前記対電極で前記酸素ガスが電気化学的に反応し、前記対電極に流れる電流を測定するにより、前記分析対象ガス成分の量に応じた電気信号を出力するように構成されたガスセンサであって、
    前記導入口には通気性を有する多孔質膜が配置され、
    前記多孔質膜上には前記導入口を覆い、通気性を有する押圧フィルタが配置され、
    前記ガス通路が形成された細孔側板を有し、前記多孔質膜は前記導入口よりも大きく形成され、前記細孔側板上に配置されたガスセンサ。
  2. 前記多孔質膜の周囲は前記細孔側板に密着された請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記細孔側板には、前記多孔質膜の周囲を押さえる保護部材が設けられた請求項2記載のガスセンサ。
  4. 前記押圧フィルタは、前記保護部材上に配置された請求項3記載のガスセンサ。
  5. 前記ガス通路内には、断面積が前記ガス通路の断面積よりも小さいオリフィスを有する細孔部材が配置された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のガスセンサ。
  6. 前記押圧フィルタの通気抵抗は前記多孔質膜の通気抵抗よりも低い請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のガスセンサ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のガスセンサと、
    管状の分析管とを有し、
    前記ガスセンサは前記分析管の側面に配置され、
    前記分析管の一端の採取部から導入され、他端の排気部から排出される排気ガスが、前記分析管内部を流れる際に前記ガスセンサと接触するように構成された排気ガス分析装置。
  8. 前記分析管の前記採取部と前記排気部の間の部分は、少なくとも一部が可撓性を有し、前記分析管が曲げられるように構成された請求項7記載の排気ガス分析装置。
  9. 前記ガスセンサには、分析結果を表示する表示部が接続された請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の排気ガス分析装置。
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