JP3860478B2 - アンテナスイッチ共用器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてディジタル携帯電話等に代表される、送受信を時間的に切り換えて一本のアンテナを共用する方式の無線通信機器で使用される積層型のディジタル通信用のアンテナスイッチ共用器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、アンテナスイッチ共用器は携帯電話等のディジタル化及び小型化に伴い、その実用性が注目され、小型高性能及び多機能のものが要求されている。以下、従来のアンテナスイッチ共用器の一例について図16を用いて説明する。
【0003】
図16は、従来のアンテナスイッチ共用器300を示している。図16を参照すると、PINダイオード70の陽極電極は、送信周波数ftを持つ送信機101と電気的に接続される送信端子79に結合コンデンサ74を介して電気的に接続されるとともに、インダクタ78とコンデンサ75からなる高周波チョーク回路を介して接地されている。PINダイオード70の陰極電極は、受信周波数frを持つ受信機102と電気的に接続される受信端子81にストリップライン73、83と結合コンデンサ77を介して電気的に接続されている。ここで、各ストリップライン73、83は、送信周波数ftにおける伝搬波長をλgtとした時に、λgt/4の長さを持つ。
【0004】
さらに、PINダイオード70の陰極電極は、アンテナ100と電気的に接続されるアンテナ端子80に結合コンデンサ76を通して電気的に接続されている。2つのストリップライン73と83の間の接続点はPINダイオード71の陽極と陰極電極を通ってグランドと接続されている。また、ストリップライン83と結合コンデンサ77の間の接続点はPINダイオード72の陽極と陰極電極を通ってグランドと接続されている。さらに、インダクタ78とコンデンサ75の間の接続点はバイアス端子82と電気的に接続されている。このバイアス端子82は、スイッチ装置として使用されるPINダイオード70から72へ正方向バイアス電圧を供給する電源201とスイッチ200を介して電気的に接続されている。
【0005】
以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器300について、以下その動作を説明する。
【0006】
まず、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子82に正方向バイアス電圧が印加されていない場合、PINダイオード70から72はそれぞれオフになり、各PINダイオード70から72のインピーダンスはほぼ無限大になる。そのため、アンテナ端子80から送信端子79の方向を見たインピーダンスはほぼ無限大となるために送信端子79はアンテナ端子80から電気的に切り離され、一方アンテナ端子80と受信端子81の間は電気的に接続されている。
【0007】
これに対して、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子82に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加された場合、PINダイオード70から72はそれぞれオンになり、各PINダイオード70から72のインピーダンスはほぼゼロになる。そのため、2つのストリップライン73と83の間の接続点は、PINダイオード71を介してグランドに電気的にショートされる。したがって、アンテナ端子80における位相はストリップライン73によって送信周波数ftの4分の1波長分だけシフトされ、そしてショートされている。その結果、アンテナ端子80から受信端子81の方向を見たインピーダンスはほぼ無限大となるために受信端子81はアンテナ端子80から高周波的に切り離され、一方PINダイオード70はオンになるため、送信端子79はアンテナ端子80と電気的に接続される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記のような構成では、送信端子と受信端子の間の高アイソレーション特性を実現し、また、送信特性が受信側の周波数特性に影響されないようにするためには、アンテナ端子と受信端子の間のストリップライン及びPINダイオードを多段にする必要がある。したがって、アンテナスイッチ共用器内のストリップラインが長くなり大型化してしまうので小型化が困難であるという問題点を有していた。また、受信側の挿入損失が増大してしまうので、高性能な受信特性を得るためには挿入損失の少ない高性能な受信フィルタが要求され、結果として受信フィルタが大型化してしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明の目的は、前記問題点に鑑み簡単な構造で小型高性能及び受信フィルタを内蔵するアンテナスイッチ共用器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明のアンテナスイッチ共用器は、アンテナを送信機または受信機のいずれかに選択的に接続するディジタル通信用のアンテナスイッチ共用器であって、2層以上の誘電体基板からなる積層体と、前記誘電体に設けられたアンテナ端子と、送信周波数ftの送信信号を送信する送信機に電気的に接続される送信端子と、前記送信周波数ftと異なる受信周波数frの受信信号を受信する受信機に電気的に接続される受信端子と、前記アンテナ端子と前記送信端子と前記受信端子を結ぶ接続点Pと、
前記送信端子と前記接続点Pの間に接続され、バイアス端子へのバイアス電圧の印加/非印加により、前記アンテナ端子と前記送信端子の電気的接続を切り換えるスイッチ装置と、前記受信端子と前記接続点Pの間に接続され、前記送信周波数ftと異なる受信周波数frの受信信号を通過させる受信フィルタと、前記送信端子と前記アンテナ端子の間の前記接続点Pを介した経路上に接続され、前記送信信号の不要な高次高調波を抑圧するローパスフィルタとを有し、前記受信フィルタを前記積層体の上面に配置し、前記ローパスフィルタを構成するコイル(インダクタ)およびコンデンサの電極パターンを前記積層体の内層に設けたという構成を備えたものである。
【0011】
本発明は上記した構成によって、小型高性能で簡単な構造を持ち、アンテナを送信機または受信機のいずれかに選択的に接続するアンテナスイッチ共用器を提供することとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。各実施の形態においては、送信周波数ftを持つ送信機または送信周波数ftと異なる受信周波数frを持つ受信機のいずれかとアンテナを選択的に接続するアンテナスイッチ共用器を提示している。
【0013】
(実施の形態1)
以下本発明の第1の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図1(a)は本発明の第1の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器301の基板外観上面図である。図1(a)において、図16で示されるのと同じ部品は図16と同じ参照番号で示されている。
【0014】
図1(a)において、誘電体基板13の上面には電極パターン14aから14hが形成されている。スイッチ装置として用いられるPINダイオード1の陽極電極は結合チップコンデンサ2と空心コイル5の一端に電極パターン14aを介して電気的に接続され、結合チップコンデンサ2の他端は電極パターン14eを介して送信端子9に電気的に接続されている。送信端子9には、送信周波数ftの送信信号を送信する送信機101が電気的に接続されている。
【0015】
空心コイル5の他端にはチップコンデンサ3とチップ抵抗7の一端が電極パターン14bを介して電気的に接続され、チップコンデンサ3の他端は電極パターン14cを介して電気的に接地され、チップ抵抗7の他端は電極パターン14hを介してバイアス端子12に電気的に接続されている。バイアス端子12には、電源201の正電極がスイッチ200を介して電気的に接続され、電源201の負電極は電気的に接地されている。
【0016】
さらに、PINダイオード1の陰極電極には結合チップコンデンサ4と空心コイル6の一端と、受信周波数frの受信信号を帯域通過させる平面型の誘電体受信バンドパスフィルタ8の入力端子が電極パターン14dを介して電気的に接続されている。空心コイル6の他端は電極パターン14cを介して電気的に接地されている。結合チップコンデンサ4の他端はアンテナ100と電気的に接続されるアンテナ端子10に電極パターン14fを介して電気的に接続されている。さらに、受信バンドパスフィルタ8の出力端子は、受信周波数frの受信信号を受信する受信機102が電気的に接続される受信端子11と電極パターン14gを介して電気的に接続されている。
【0017】
受信バンドパスフィルタ8においては、4つのコンデンサ121から124は入出力端子間に互いに電気的に直列に接続されている。コンデンサ121とコンデンサ122の接続点はλgr/4の長さのストリップライン111に電気的に接続されて接地され、コンデンサ122とコンデンサ123の接続点はλgr/4の長さのストリップライン112に電気的に接続されて接地され、コンデンサ123とコンデンサ124の接続点はλgr/4の長さのストリップライン113に電気的に接続されて接地される。ここで、λgrは受信周波数frにおける管内波長である。
【0018】
アンテナスイッチ共用器301において、受信バンドパスフィルタ8の入力端子から出力端子方向を見たアドミタンスYfが
【0019】
【数1】
Figure 0003860478
【0020】
と表される時、空心コイル6のインダクタンスLは送信周波数ftにおいて次式を満足するように決定される。
【0021】
【数2】
Figure 0003860478
【0022】
それゆえ、PINダイオード1と結合コンデンサ4と空心コイル6の接続点P1から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たアドミタンスYrは送信周波数ftにおいて次式で表される。
【0023】
【数3】
Figure 0003860478
【0024】
(数2)を(数3)に代入して次式が得られる。
【0025】
【数4】
Figure 0003860478
【0026】
図1(b)は本発明の第1の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器301の等価回路図を示している。以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器301について、以下図1(b)を用いてその動作を説明する。
【0027】
まず、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子12に正方向バイアス電圧が印加されていない場合、PINダイオード1はオフになり、PINダイオード1のインピーダンスはほぼ無限大になる。そのため、アンテナ端子10から送信端子9の方向を見たインピーダンスはほぼ無限大となるために送信端子9はアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方アンテナ端子10と受信端子11の間は受信周波数frにおいて電気的に接続されている。
【0028】
これに対して、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子12に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加された場合、PINダイオード1はオンになり、PINダイオード1のインピーダンスはほぼゼロになる。(数4)から明らかなように、空心コイル6が接続点P1に電気的に接続されているので、接続点P1すなわちアンテナ端子10から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たアドミタンスYrは送信周波数ftにおいてほぼゼロになる。すなわち、接続点P1から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たインピーダンスは送信周波数ftにおいてほぼ無限大となる。したがって、受信端子11は送信周波数ftにおいてアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方PINダイオード1はオンになるため、送信端子9はアンテナ端子10と電気的に接続される。
【0029】
以上のように本実施の形態によれば、アンテナ端子10から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たインピーダンスが送信周波数ftにおいてほぼ無限大になるので、受信機102の周波数特性による送信周波数特性への影響がない。また、受信バンドパスフィルタを縦続接続する必要がないので、図8で示される従来例のアンテナスイッチ共用器300と比べて、アンテナ端子10と受信端子11の間の挿入損失が小さいだけでなく、送信端子9と受信端子11の間のアイソレーション特性が改善される。さらに、図1(a)、図1(b)から明らかなように、従来例のアンテナスイッチ共用器300と比べて小型で簡単な回路構成を持つアンテナスイッチ共用器301を容易に実現する事が出来る。
【0030】
なお、第1の実施の形態において、スイッチ装置としてPINダイオードが使われているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、FET(電界効果トランジスタ)であってもよい。
【0031】
(実施の形態2)
以下本発明の第2の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図2(a)は本発明の第2の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器302の基板外観上面図、図2(b)は本発明の第2の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器302の基板外観下面図である。図2(a)、図2(b)において、図1(a)、図1(b)、図16で示されるのと同じ部品は図1(a)、図1(b)、図16と同じ参照番号で示されている。
【0032】
図2(a)において、誘電体基板15の上面には電極パターン16aから16cと17aから17gが形成されている。また、誘電体基板15の下面には電極パターン18が形成されている。部品1、2、3、5、7は、第1の実施の形態と同様の方法で、電極パターン17aから17gを介して、端子9、10、12に電気的に接続されている。
【0033】
図3は図2(a)、図2(b)で示されるアンテナスイッチ共用器302の等価回路図である。図1(b)で示される第1の実施の形態と図3で示される第2の実施の形態の比較から明らかなように、第2の実施の形態には、(a)空心コイル21と、(b)誘電体受信バンドパスフィルタ23が付け加えられている。これについては後ほど詳しく説明する。
【0034】
図2(a)において、空心コイル21の一端は電極パターン17dを介して結合コンデンサ4に電気的に接続される。また、空心コイル21の他端は電極パターン16aを介して受信バンドパスフィルタ23の入力端子に電気的に接続される。
【0035】
受信バンドパスフィルタ23は、受信周波数frの受信信号を通過させるために空心コイル21と受信端子11の間にあり、互いに直列に接続された3つのコンデンサ122から124と長さがλgr/4の3つの誘電体同軸共振器111a、112a、113aで構成されている。ここで、λgrは受信周波数frにおける管内波長である。
【0036】
電極パターン16aと16bの間に形成される誘電体基板15上の隙間はコンデンサ122を構成し、電極パターン16bと16cの間に形成される誘電体基板15上の隙間はコンデンサ123を構成する。さらに、電極パターン16cと18の間の誘電体基板15はコンデンサ124を構成する。したがって、受信バンドパスフィルタ23の入出力端子間に3つのコンデンサ122から124が電気的に接続されていることになる。
【0037】
受信バンドパスフィルタ23の入力端子の電極パターン16aは誘電体同軸共振器111aを介して電気的に接地され、2つのコンデンサ122と123の接続点の電極パターン16bは誘電体同軸共振器111bを介して電気的に接地され、2つのコンデンサ123と124の接続点の電極パターン16cは誘電体同軸共振器111cを介して電気的に接地される。
【0038】
アンテナスイッチ共用器302において、受信バンドパスフィルタ23の入力端子から出力端子方向を見たインピーダンスZfが
【0039】
【数5】
Figure 0003860478
【0040】
と表される時、空心コイル21のインダクタンスLは送信周波数ftにおいて次式を満足するように決定される。
【0041】
【数6】
Figure 0003860478
【0042】
それゆえ、PINダイオード1と結合コンデンサ4と空心コイル21の接続点P1から受信バンドパスフィルタ23の方向を見たインピーダンスZrは送信周波数ftにおいて次式で表される。
【0043】
【数7】
Figure 0003860478
【0044】
(数6)を(数7)に代入して次式が得られる。
【0045】
【数8】
Figure 0003860478
【0046】
図3は本発明の第2の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器302の等価回路図を示している。以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器302について、以下図3を用いてその動作を説明する。
【0047】
まず、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子12に正方向バイアス電圧が印加されていない場合、PINダイオード1はオフになり、PINダイオード1のインピーダンスはほぼ無限大になる。そのため、アンテナ端子10から送信端子9の方向を見たインピーダンスはほぼ無限大となるために送信端子9はアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方アンテナ端子10と受信端子11の間は受信周波数frにおいて電気的に接続されている。
【0048】
これに対して、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子12に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加された場合、PINダイオード1はオンになり、PINダイオード1のインピーダンスはほぼゼロになる。(数8)から明らかなように、空心コイル21が接続点P1に入力結合素子として電気的に接続されているので、接続点P1すなわちアンテナ端子10から受信バンドパスフィルタ23の方向を見たインピーダンスZrは送信周波数ftにおいてほぼ無限大になる。したがって、受信端子11は送信周波数ftにおいてアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方PINダイオード1はオンになるため、送信端子9はアンテナ端子10と電気的に接続される。
【0049】
以上のように第2の実施の形態のアンテナスイッチ共用器302は第1の実施の形態と同様の効果を有するほかに、バイアス電流は空心コイル21から誘電体同軸共振器111aを通ってグランドに流れていくので、第1の実施の形態と比べて、受信バンドパスフィルタ8の1つのコンデンサ121が不要になる。その結果、前述のアンテナスイッチ共用器300、301と比べて小型で簡単な回路構成を持つアンテナスイッチ共用器302が容易に実現できる。
【0050】
(実施の形態3)
以下本発明の第3の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図4は本発明の第3の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器303の基板外観上面図である。図4において、図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図16で示されるのと同じ部品は図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図16と同じ参照番号で示されている。
【0051】
図4において、誘電体基板24の上面には、電極パターン25aから25iと、互いに直列接続されたマイクロストリップライン31、32として用いられる電極パターン26が形成されている。また、誘電体基板24の下面には全面に接地電極パターン(図示せず)が形成されている。部品1、2、3、5、7は、第1の実施の形態と同様の方法で、電極パターン25aから25c、25i、25fを介して、端子9、10、12に電気的に接続されている。
【0052】
図5は図4で示されるアンテナスイッチ共用器303の等価回路図である。図1(b)で示される第1の実施の形態と図5で示される第3の実施の形態の比較から明らかなように、第3の実施の形態には、(a)第1の実施の形態の空心コイル6の代わりにバイアス電流を流すための空心コイル28と、(b)長さle1のマイクロストリップライン32と、(c)マイクロストリップライン31と2つのコンデンサ27と29からなるローパスフィルタ33が付け加えられている。これについては後ほど詳しく説明する。
【0053】
図4において、互いに直列接続されているマイクロストリップライン31と32は電極パターン26で構成されている。空心コイル28の一端は、接続点P1に対応する電極パターン26の中央点を介してPINダイオード1の陰極電極とローパスフィルタ33の一端に電気的に接続されている。一方、空心コイル28の他端は電極パターン25eを介して電気的に接地されている。ローパスフィルタ33の他端は電極パターン26の一端を介してコンデンサ4の一端と電気的に接続されている。マイクロストリップライン32の他端は受信バンドパスフィルタ8の電気的に接続されている。
【0054】
ローパスフィルタ33において、マイクロストリップライン31はλga/4の長さを持つ。ここで、λgaは、送信周波数ftまたは受信周波数frのうち高い方の周波数より予め設定した余裕周波数分だけ高い、ローパスフィルタ33のカットオフ周波数fcに対応する管内波長である。
【0055】
アンテナスイッチ共用器303において、受信バンドパスフィルタ8の入力端子から出力端子方向を見たインピーダンスZfが
【0056】
【数9】
Figure 0003860478
【0057】
と表される時、マイクロストリップライン32の長さle1は、接続点P1から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たインピーダンスZrが、送信周波数ftにおける位相を接続点P1でスミスチャートの中心の周りに
【0058】
【数10】
Figure 0003860478
【0059】
だけ回転させることによって、ほぼ無限大になるように決定される。
【0060】
図5は本発明の第3の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器303の等価回路図を示している。以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器303について、以下図5を用いてその動作を説明する。
【0061】
まず、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子12に正方向バイアス電圧が印加されていない場合、PINダイオード1はオフになり、PINダイオード1のインピーダンスはほぼ無限大になる。そのため、アンテナ端子10から送信端子9の方向を見たインピーダンスはほぼ無限大となるために送信端子9はアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方アンテナ端子10と受信端子11の間は受信周波数frにおいて電気的に接続されている。
【0062】
これに対して、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子12に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加された場合、PINダイオード1はオンになり、PINダイオード1のインピーダンスはほぼゼロになる。前述のように、マイクロストリップライン32は、接続点P1と受信バンドパスフィルタ8の入力端子の間に入力結合素子として電気的に接続されているので、接続点P1から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たインピーダンスZrは送信周波数ftにおいてほぼ無限大になる。したがって、受信端子11は送信周波数ftにおいてアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方PINダイオード1はオンになるため、送信端子9はアンテナ端子10と電気的に接続される。
【0063】
以上のように第3の実施の形態のアンテナスイッチ共用器303は第1の実施の形態と同様の効果を有するほかに、結合コンデンサ4と接続点P1の間に挿入されたローパスフィルタ33のために、ローパスフィルタ33のカットオフ周波数fcより高い周波数成分を持つ不要な高次高調波が送信側、受信側とも十分に抑圧されるので、送信と受信の両方の高次高調波特性が改善されることになる。
【0064】
なお、第3の実施の形態において、マイクロストリップライン31、32が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではない。ストリップラインやコプレーナラインなどの伝送線路をマイクロストリップライン31、32の代わりに用いてもよい。
【0065】
(実施の形態4)
以下本発明の第4の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図6は本発明の第4の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器304の基板外観上面図である。図6において、図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図16で示されるのと同じ部品は図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図16と同じ参照番号で示されている。
【0066】
図6において、誘電体基板34の上面には、電極パターン35aから35fと37と、そしてそれぞれがマイクロストリップライン共振器として動作するマイクロストリップライン111、112、113として用いられる電極パターン36a、36b、36cが形成されている。また、誘電体基板34の下面には全面に接地電極パターン(図示せず)が形成されている。部品4、8、32は、第3の実施の形態と同様の方法で、端子10、11に電気的に接続されている。
【0067】
図7は図6で示されるアンテナスイッチ共用器304の等価回路図である。図5で示される第3の実施の形態と図7で示される第4の実施の形態の比較から明らかなように、第4の実施の形態には、(a)長さλgr/4のマイクロストリップライン46(ここでλgrは受信周波数frにおける管内波長)と、(b)結合コンデンサ39と、(c)スイッチ装置として用いられるNチャンネルFET38と、(d)高周波チョークとして用いられる空心コイル45と、(e)高周波チョークとして用いられるコンデンサ41が付け加えられている。これについては後ほど詳しく説明する。
【0068】
図6において、互いに直列接続されているマイクロストリップライン46と32は電極パターン37で構成されている。接続点P1に対応する電極パターン37の中央点は、マイクロストリップライン46と結合コンデンサ39を介して送信端子9に電気的に接続されている。また、電極パターン37の一端のマイクロストリップライン46とコンデンサ39の接続点はFET38のソース電極に電気的に接続されている。FET38のドレイン電極は電極パターン35aを介して電気的に接地され、ゲート電極は電極パターン35bと空心コイル45を介してバイアス端子12に電気的に接続されている。また、バイアス端子12はコンデンサ41と電極パターン35aを介して電気的に接地されている。
【0069】
図7は本発明の第4の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器304の等価回路図を示している。以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器304について、以下図7を用いてその動作を説明する。
【0070】
まず、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子12に正方向バイアス電圧が印加された場合、FET38はオンになり、FET38のソース電極とドレイン電極の間のインピーダンスはほぼゼロになる。そして、マイクロストリップライン46のコンデンサ39が接続されている一端はFET38を介してショートされて電気的に接地される。すなわち、マイクロストリップライン46の他端における位相はマイクロストリップライン46によってλgr/4だけシフトされ、そして、FET38を介して電気的に接地されている。したがって、アンテナ端子10から送信端子9の方向を見たインピーダンスZtはほぼ無限大となるために送信端子9はアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方アンテナ端子10と受信端子11の間は受信周波数frにおいて電気的に接続されている。
【0071】
これに対して、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子12に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加されない場合、FET38はオフになり、FET38のソース電極とドレイン電極の間のインピーダンスはほぼ無限大になる。さらに、前述のように、マイクロストリップライン32が入力結合素子として接続点P1に電気的に接続されているので、接続点P1すなわちアンテナ端子10から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たインピーダンスZrは送信周波数ftにおいてほぼ無限大になる。したがって、受信端子11は送信周波数ftにおいてアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方FET38はオフになるため、送信端子9はアンテナ端子10と電気的に接続される。
【0072】
以上のように第4の実施の形態のアンテナスイッチ共用器304は第3の実施の形態と同様の効果を有する。
【0073】
なお、第4の実施の形態において、マイクロストリップライン32、46が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではない。ストリップラインやコプレーナラインなどの伝送線路をマイクロストリップライン32、46の代わりに用いてもよい。
【0074】
さらに、図8は、本発明の第4の実施の形態の第1の変形におけるアンテナスイッチ共用器304aの等価回路図である。図8で示されるように、図7の第4の実施の形態と比較すると、マイクロストリップライン32と受信バンドパスフィルタ8の代わりに第2の実施の形態で用いられた空心コイル21と受信バンドパスフィルタ23がそれぞれ用いられている。
【0075】
さらに、図9は、本発明の第4の実施の形態の第2の変形におけるアンテナスイッチ共用器304bの等価回路図である。図9で示されるように、図7の第4の実施の形態と比較すると、マイクロストリップライン46の代わりにスイッチ装置としてNチャンネルFET38aが用いられている。この場合、FET38aのゲート電極は空心コイル45を介してバイアス端子12と電気的に接続されている。また、バイアス端子12はコンデンサ41を介して電気的に接地されている。第2の変形において、アンテナ端子10と送信端子9の間の電気的接続はFET38aによってスイッチされる。
【0076】
さらに、図10は、本発明の第4の実施の形態の第3の変形におけるアンテナスイッチ共用器304cの等価回路図である。図10で示されるように、前述の第2の変形におけるマイクロストリップライン32と受信バンドパスフィルタ8の代わりに、第2の実施の形態で用いられた空心コイル21と受信バンドパスフィルタ23がそれぞれ用いられている。
【0077】
(実施の形態5)
以下本発明の第5の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図11(a)は本発明の第5の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器305の基板外観上面図、図11(b)は本発明の第5の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器305の基板外観下面図である。図11(a)、図11(b)において、図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図6から図10、図16で示されるのと同じ部品は図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図6から図10、図16と同じ参照番号で示されている。
【0078】
図11(a)において、誘電体基板52の上面には、電極パターン53aから53cと54と55aから55gが形成されている。また、誘電体基板52の下面には接地電極パターン57が形成されるとともに、誘電体基板34の下面の他の部分には電極パターン56が形成されている。部品39、46、41、45、38、4、21、23は、図8で示される第4の実施の形態の第1の変形と同様の方法で、端子9から12に電気的に接続されている。
【0079】
図12は図11(a)と図11(b)で示されるアンテナスイッチ共用器305の等価回路図である。図8で示される第4の実施の形態の第1の変形と図12で示される第5の実施の形態の比較から明らかなように、第5の実施の形態には、長さλgr/4を持つ電極パターン54のマイクロストリップライン46の両端に2つのコンデンサ58と59がそれぞれ付け加えられている。ここでλgrは受信周波数frにおける管内波長である。その結果、マイクロストリップライン46と2つのコンデンサ58と59はローパスフィルタ60を構成する。ここで、ローパスフィルタ60のカットオフ周波数は送信周波数ftより予め設定した余裕周波数分だけ高い周波数に設定されている。
【0080】
図12は本発明の第5の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器305の等価回路図を示している。以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器305について、以下図12を用いてその動作を説明する。
【0081】
まず、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子12に正方向バイアス電圧が印加された場合、FET38はオンになり、FET38のソース電極とドレイン電極の間のインピーダンスはほぼゼロになる。そして、マイクロストリップライン46のコンデンサ39が接続されている一端はFET38を介してショートされて電気的に接地される。すなわち、マイクロストリップライン46の他端における位相はマイクロストリップライン46によってλgr/4だけシフトされ、そして、FET38を介して電気的に接地されている。したがって、アンテナ端子10から送信端子9の方向を見たインピーダンスZtはほぼ無限大となるために送信端子9はアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方アンテナ端子10と受信端子11の間は受信周波数frにおいて電気的に接続されている。
【0082】
これに対して、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子12に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加されない場合、FET38はオフになり、FET38のソース電極とドレイン電極の間のインピーダンスはほぼ無限大になる。さらに、前述のように、空心コイル21が入力結合素子として接続点P1に電気的に接続されているので、接続点P1すなわちアンテナ端子10から受信バンドパスフィルタ23の方向を見たインピーダンスZrは送信周波数ftにおいてほぼ無限大になる。したがって、受信端子11は送信周波数ftにおいてアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方FET38はオフになるため、送信端子9はアンテナ端子10と電気的に接続される。
【0083】
以上のように第5の実施の形態のアンテナスイッチ共用器305は第4の実施の形態と同様の効果を有するほかに、ローパスフィルタ60が接続点P1とコンデンサ39の間に挿入されているので、不要な高次高調波が十分に抑圧される。
【0084】
なお、第5の実施の形態において、マイクロストリップライン46が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではない。ストリップラインやコプレーナラインなどの伝送線路をマイクロストリップライン46の代わりに用いてもよい。
【0085】
(実施の形態6)
以下本発明の第6の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図13は本発明の第6の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器306の等価回路図である。図13において、図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図6から図10、図11(a)、図11(b)、図12、図16で示されるのと同じ部品は図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図6から図10、図11(a)、図11(b)、図12、図16と同じ参照番号で示されている。
【0086】
図1(b)と図13の比較から明らかなように、アンテナスイッチ共用器306は図1(b)で示される第1の実施の形態のアンテナスイッチ共用器301に加えてローパスフィルタ61を含むことが特徴である。ここで、ローパスフィルタ61のカットオフ周波数は送信周波数ftより予め設定した余裕周波数分だけ高い周波数に設定されている。
【0087】
アンテナスイッチ共用器306は第1の実施の形態のアンテナスイッチ共用器301と同様の動作を行うが、ローパスフィルタ61が接続点P1と送信端子9の間に挿入されているので、送信信号の不要な高次高調波が十分に抑圧される。
【0088】
以下本発明の第7の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について、図面を参照しながら説明する。図14は本発明の第7の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器307の分解斜視図、図15は本発明の第7の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器307の等価回路図である。図14と図15において、図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図6から図10、図11(a)、図11(b)、図12、図13、図16で示されるのと同じ部品は図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3、図4、図5、図6から図10、図11(a)、図11(b)、図12、図13、図16と同じ参照番号で示されている。
【0089】
図6と図7で示される第4の実施の形態と図14と図15で示される第7の実施の形態の比較から明らかなように、アンテナスイッチ共用器307は以下に示す特徴を有している。(a)マイクロストリップライン32を含まない、(b)コンデンサ4の代わりにコンデンサ40が用いられている、(c)アンテナ端子10とコンデンサ40の間にコイル70とその両端に接続された2つのコンデンサ71と72から構成されるローパスフィルタ62が存在する。ここで、ローパスフィルタ62のカットオフ周波数fcは、第3の実施の形態のローパスフィルタ33と同様に、送信周波数ftと受信周波数frの周波数のうちいずれか高い方の周波数より予め設定した余裕周波数分だけ高い周波数に設定されている。
【0090】
アンテナスイッチ共用器307はさらに次のような特徴を有している。積層された上下2つの誘電体基板63aと63bで構成されている。上側誘電体基板63bの底面には図示されていないが電極パターンが形成され、また、下側誘電体基板63aの上面には電極パターン64と65が形成されている。ここで、電極パターン64はマイクロストリップライン46を構成し、電極パターン65は2つのコンデンサ71と72として用いられる2つの電極とコイル70として用いられるマイクロストリップラインを構成する。さらに、接地電極パターン80が下側誘電体基板63aの下面全面に形成されている。すなわち、アンテナスイッチ共用器307は積層された誘電体基板63aと63bの内層に形成された電極パターン64と65で構成されているという特徴を持っている。
【0091】
(実施の形態7)
図15は本発明の第7の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器307の等価回路図を示している。以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器307について、以下図15を用いてその動作を説明する。
【0092】
まず、スイッチ200がオン、すなわち、バイアス端子12に正方向バイアス電圧が印加された場合、FET38はオンになり、FET38のソース電極とドレイン電極の間のインピーダンスはほぼゼロになる。そして、マイクロストリップライン46のコンデンサ39が接続されている一端はFET38を介してショートされて電気的に接地される。すなわち、マイクロストリップライン46の他端における位相はマイクロストリップライン46によってλgr/4だけシフトされ、そして、FET38を介して電気的に接地されている。したがって、アンテナ端子10から送信端子9の方向を見たインピーダンスZtはほぼ無限大となるために送信端子9はアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方アンテナ端子10と受信端子11の間は受信周波数frにおいて電気的に接続されている。
【0093】
これに対して、スイッチ200がオフ、すなわち、バイアス端子12に電源201からスイッチ200を介して正方向バイアス電圧が印加されない場合、FET38はオフになり、FET38のソース電極とドレイン電極の間のインピーダンスはほぼ無限大になる。さらに、前述のように、空心コイル6が接続点P1に電気的に接続されているので、接続点P1から受信バンドパスフィルタ8の方向を見たインピーダンスZrは送信周波数ftにおいてほぼ無限大になる。したがって、受信端子11は送信周波数ftにおいてアンテナ端子10から電気的に切り離され、一方FET38はオフになるため、送信端子9はアンテナ端子10と電気的に接続される。
【0094】
以上のように第7の実施の形態のアンテナスイッチ共用器307は第1の実施の形態および第4の実施の形態と同様の効果を有するほかに、結合コンデンサ40とアンテナ端子10の間に挿入されているローパスフィルタ62のために、送信信号と受信信号の両方において高次高調波特性が十分に抑圧されることになる。
【0095】
さらに、マイクロストリップライン46とローパスフィルタ62は、電極パターン65と66によって積層された誘電体基板63aと63bの内層に形成されているので、アンテナスイッチ共用器307の実装面積を小さくでき、より小型のアンテナスイッチ共用器307を提供することができる。
【0096】
以下本発明のその他の実施の形態のアンテナスイッチ共用器について説明する。
【0097】
以上説明の実施の形態において、平面型の誘電体受信バンドパスフィルタ8と誘電体同軸受信バンドパスフィルタ23が用いられたが、本発明はこれに限定されるものではない。例示すれば、例えばSAW(弾性表面波)フィルタなどのフィルタを用いることができ、(a)受信周波数frの受信信号を通過させ送信信号の通過を妨げる様々な種類のバンドパスフィルタ、(b)送信信号の通過を阻止する様々な種類のバンドストップフィルタを用いることができる。
【0098】
また、前述の第4の実施の形態とその第1の変形と第5の実施の形態と第7の実施の形態において、FET38がスイッチ装置として使われている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。FET38の代わりに、PINダイオードを用いても構わない。
【0099】
なお、本発明は、各々図面を参照しながらそれの実施の形態に関連づけて記述されているが、様々な構成の組み替えや変形が当該専門家にとっては明らかである。そのような組み替えや変形は、請求項で記述される定義からはずれない限り、本発明の範疇に含まれると理解されるべきである。
【0100】
【発明の効果】
以上のように本発明は、アンテナを送信機または受信機のいずれかに選択的に接続するディジタル通信用のアンテナスイッチ共用器であって、2層以上の誘電体基板からなる積層体と、前記誘電体に設けられたアンテナ端子と、送信周波数ftの送信信号を送信する送信機に電気的に接続される送信端子と、前記送信周波数ftと異なる受信周波数frの受信信号を受信する受信機に電気的に接続される受信端子と、前記アンテナ端子と前記送信端子と前記受信端子を結ぶ接続点Pと、前記送信端子と前記接続点Pの間に接続され、バイアス端子へのバイアス電圧の印加/非印加により、前記アンテナ端子と前記送信端子の電気的接続を切り換えるスイッチ装置と、前記受信端子と前記接続点Pの間に接続され、前記送信周波数ftと異なる受信周波数frの受信信号を通過させる受信フィルタと、前記送信端子と前記アンテナ端子の間の前記接続点Pを介した経路上に接続され、前記送信信号の不要な高次高調波を抑圧するローパスフィルタとを有し、前記受信フィルタを前記積層体の上面に配置し、前記ローパスフィルタを構成するコイル(インダクタ)およびコンデンサの電極パターンを前記積層体の内層に設けたことを特徴とする、という構成によって、小型高性能で簡単な構造を持ったアンテナスイッチ共用器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観上面図
(b)は本発明の第1の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図2】(a)は本発明の第2の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観上面図
(b)は本発明の第2の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観下面図
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図4】本発明の第3の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観上面図
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観上面図
【図7】本発明の第4の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図8】本発明の第4の実施の形態の第1の変形におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図9】本発明の第4の実施の形態の第2の変形におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図10】本発明の第4の実施の形態の第3の変形におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図11】(a)は本発明の第5の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観上面図
(b)は本発明の第5の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の基板外観下面図
【図12】本発明の第5の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図13】本発明の第6の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図14】本発明の第7の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の分解斜視図
【図15】本発明の第7の実施の形態におけるアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【図16】従来のアンテナスイッチ共用器の等価回路図
【符号の説明】
1 PINダイオード
6 空心コイル
8 受信フィルタ
9 送信端子
10 アンテナ端子
11 受信端子
12 バイアス端子
100 アンテナ
101 送信機
102 受信機

Claims (3)

  1. アンテナを送信機または受信機のいずれかに選択的に接続するディジタル通信用のアンテナスイッチ共用器であって、
    2層以上の誘電体基板からなる積層体と、
    前記誘電体に設けられたアンテナ端子と、送信周波数ftの送信信号を送信する送信機に電気的に接続される送信端子と、前記送信周波数ftと異なる受信周波数frの受信信号を受信する受信機に電気的に接続される受信端子と、
    前記アンテナ端子と前記送信端子と前記受信端子を結ぶ接続点Pと、
    前記送信端子と前記接続点Pの間に接続され、バイアス端子へのバイアス電圧の印加/非印加により、前記アンテナ端子と前記送信端子の電気的接続を切り換えるスイッチ装置と、
    前記受信端子と前記接続点Pの間に接続され、前記送信周波数ftと異なる受信周波数frの受信信号を通過させる受信フィルタと、
    前記送信端子と前記アンテナ端子の間の前記接続点Pを介した経路上に接続され、前記送信信号の不要な高次高調波を抑圧するローパスフィルタとを有し、
    前記受信フィルタを前記積層体の上面に配置し、前記ローパスフィルタを構成するコイル(インダクタ)およびコンデンサの電極パターンを前記積層体の内層に設けたことを特徴とするアンテナスイッチ共用器。
  2. 前記スイッチ装置は、バイアス端子からのバイアス電圧の印加/非印加によりオン・オフを制御されるFETであり、
    前記FETのソース電極が前記送信端子に電気的に接続され、ドレイン電極が接地され、前記ソース電極と前記接続点Pの間に4分の1波長のストリップラインが挿入され、前記バイアス端子は、前記FETのゲート端子に電気的に接続されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナスイッチ共用器。
  3. 前記スイッチ装置は、バイアス端子からのバイアス電圧の印加/非印加によりオン・オフ制御されるPINダイオードであり、
    前記PINダイオードの一端が前記送信端子と電気的に接続され、他端が前記接続点Pと電気的に接続され、前記バイアス端子は、前記PINダイオードの一端に高周波チョークを介して電気的に接続されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナスイッチ共用器。
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