JP3860454B2 - 吸気管噴射式エンジン - Google Patents

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    • F02D41/3094Controlling fuel injection the fuel injection being effected by at least two different injectors, e.g. one in the intake manifold and one in the cylinder

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気管に燃料噴射弁を備え、吸気管内に燃料を噴射する吸気管噴射式エンジンに係り、特に、吸気管内壁面に燃料噴射弁から噴射した燃料が吸気管内壁面に付着する量を低減し、未燃炭化水素(HC)を低減することのできる吸気管噴射式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、吸気管に燃料噴射弁を設け、吸気管内に燃料を噴射する方式のエンジンでは、燃料噴射弁から吸気管内に噴射された燃料が、吸気管壁面に付着し液膜を形成する。この吸気管壁面に形成された液膜は、吸気管内で気化されることなく液膜の状態のまま燃焼室に入り未燃炭化水素(HC)として排出される。このため、排気管から排出される排気ガスは、未燃炭化水素(HC)を含んだものとなって大気に放出され、排気ガス状態の悪化を招いている。
また、燃料噴射弁から吸気管内に噴射された燃料は、吸気管に付着し液膜を形成することによって、燃料噴射弁から噴射された燃料の一部が燃焼室に噴射直後に供給されず、燃焼室に入るまでに時間遅れが生じるため、応答性が悪化するという問題がある。
【0003】
そこで、従来、特開平5−240056号公報に示されるように、吸気管を縦スワールが生成される様に排気管側に傾斜させて設けるとともに、燃料噴射弁の噴射方向を燃焼室の中心部位に指向させるように吸気管内に設けて、燃料が吸気管壁面に衝突しないように吸気管と燃料噴射弁の位置と形状を調節する方法が提案されている。
また、最近では、特開平11−72067号公報に示されるように、燃料噴射弁のノズルに設けた噴孔の位置を工夫して燃料噴霧を微粒化させる方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前者の方法では、低負荷のときのように吸気管内の圧力が負圧となる運転条件において排気行程で燃料を噴射した場合には、燃焼室に燃料を供給するため、吸気弁が開いた時に、正圧の燃焼室から吸気管へ燃焼ガスが逆流する吹き返しが生じ、これによって吸気管内に燃料噴射弁から噴射された燃料が吹き飛ばされて吸気管壁面に付着し液膜を形成してしまい排気ガス状態の悪化を改善できない。
さらに、吸気行程で燃料を噴射した場合には、吸気管内に燃料噴射弁から燃料を噴射すると同時に吸気弁を開きピストンを引き下げて負圧によって吸気管内に噴射された燃料を吸入するが、その際に吸気管内に空気流動が生成され、この吸気管内に生成された空気流動によって燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が攪乱され吸気管壁面に付着し液膜を形成してしまい排気ガス状態の悪化を改善できない。
【0005】
また、従来の後者の方法では、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧を微粒化しており、この燃料噴霧を微粒化することによって噴霧燃料は気化しやすくなるが、微粒化した噴霧燃料は軽量なため、吸気管内に生成される空気流動の影響を受けやすくなり、吸気管内に生成された空気流動によって燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が攪乱され吸気管壁面への付着が増加する場合がある。
【0006】
本発明は、吸気管内に空気流動が生成されても、吸気管内壁面に燃料が付着するのを防止し、HC排出量の低減を図り、要求される空燃比の燃料供給を応答よく行うことのできる吸気管噴射式エンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、吸気管に燃料噴射弁を設け、該吸気管内に燃料を噴射する吸気管噴射式エンジンにおいて、燃料噴射弁を、噴霧角度が広く貫通力の低い主噴霧と、噴霧角度が狭く貫通力の高いリード噴霧を噴射可能な燃料噴射弁で構成することにある。
このように構成することにより、本発明によると、噴霧角度が狭く貫通力の高いリード噴霧を、噴霧角が広く貫通力の低い主噴霧に先行するように噴射することにより壁面への燃料付着を低減でき、HC低減、応答性を向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明に係る吸気管噴射式エンジンの一実施の形態が示されている。
図1は、エンジンの側面を模式的に表したもので、図1において、シリンダヘッド1と、シリンダブロック2と、ピストン3とによって燃焼室4が形成されている。このピストン3は、シリンダブロック2に挿入されており、冠面が平面状に形成されている。
【0009】
また、燃焼室4には、2つの吸気口と、2つの排気口が設けられており、この2つの吸気口には吸気管5が、2つの排気口には排気管6が、それぞれ接続されている。そして、2つの吸気口のそれぞれには、開口部を開閉する吸気弁7が、2つの排気口のそれぞれには、開口部を開閉する排気弁8が設けられている。
【0010】
吸気管5の上流には、図示していないが、燃焼室4へ吸入する空気量を調節する絞り弁(スロットルバルブ)と、燃料噴射弁9が設けられている。この燃料噴射弁9の吸気管5への取付位置は、吸気管5内で、吸気弁7に向けて燃料を噴射できるような位置となっている。さらに、燃焼室4中心上部には、燃焼室4内に供給された燃料混合気に火花点火する点火プラグ10が設けられている。
【0011】
燃料噴射弁9は、図2に示す如き構成となっている。すなわち、燃料噴射弁9の先端の枠体9Aには、多孔プレート11が取り付けられており、この多孔プレート11は、ガイド12によって燃料噴射弁9の先端の枠体9Aに固定されている。この多孔プレート11に対向した位置に弁体13が設けられており、この弁体13は、上下に移動可能なように設けられている。すなわち、この弁体13は、上下動することによってガイド12に接離するようになっている。このような構成から、燃料は、弁体13が上昇することによってガイド12の間に隙間が生じ、そこから多孔プレート11へ流入することになる。
【0012】
この多孔プレート11には、直径の異なる大小二種類の噴孔11A、11Bが設けられている。図2では、径の大きな噴孔11Aを中心に同心円上に径の小さな噴孔11Bが複数個配されている。そして、この直径の異なる大小二種類の噴孔11A、11Bは、燃料噴射弁9を吸気管5に取りつけたときに、直径の大きな噴孔11Aが吸気弁7の裾野部分を、直径の小さな噴孔11Bが吸気弁7全体を指向するように傾けて設けられている。
【0013】
図2に図示の多孔プレート11では、径の大きな噴孔11Aが1つ、径の小さな噴孔11Bが8つ設けられているが、これは本発明における噴孔の数と位置を制限するものではなく、本発明においては、径の大きな噴孔11Aと径の小さな噴孔11Bを設けて有れば構成上充分である。このように径の大きな噴孔11Aと径の小さな噴孔11Bを設けることにより、燃料噴射時には径の大きな噴孔11Aからは直径の大きな液滴が、径の小さな噴孔11Bからは直径の小さな液滴が噴射されることになる。
【0014】
このような多孔プレート11を先端の枠体9Aに取り付けた燃料噴射弁9から燃料が噴射されたとき、直径の大きな液滴は直径の小さな噴霧に比べ運動量(飛散スピード)が大きく、噴霧到達距離は長くなる。したがって、多孔プレート11を取り付けた燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧は、図3に示す如き形状となる。すなわち、燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧14は、多孔プレート11の径の大きな噴孔11Aから、先行して噴射していく噴霧到達距離の長いリード噴霧15と、多孔プレート11の径の小さな噴孔11Bから、後続にある噴霧到達距離の短い主噴霧16とによって構成されている。このリード噴霧15と主噴霧16の質量割合は、略1:3(=リード噴霧の質量:主噴霧の質量)となるように噴孔面積比が決められ、この噴孔面積比になるように各噴孔の径が決められている。
【0015】
次に、燃料噴射弁9の動作について、図4〜図9を用いて説明する。
【0016】
図4には、吸気弁7の開閉時期と、排気弁8の開閉時期と、燃料噴射の時期との関係が示されている。この図4においては、吸気弁7と排気弁8とが同時に開く運転状態は無く、排気ガス還流を行うことは考慮していない。この図4において燃料噴射時期は、排気行程噴射の場合、吸気上死点前90〜60°(クランク角)の間で噴射し、吸気行程噴射の場合、上死点後30〜60°(クランク角)の間で噴射する条件とした。
【0017】
まず、排気行程における噴射、低負荷条件での動作について説明する。
図5には、排気行程の後期、上死点前20°での側面から見た様子が示されている。また、図6には、図5を上から見た状態が示されている。
【0018】
図5、図6において、排気弁8は、まだ開いており燃焼室4の既燃焼ガスが排気管6へ押し出されている状態になっている。また、吸気弁7も開いておらず、吸気管5内には、殆ど空気流動が生じていない状態となっている。このように吸気管5内に空気流動が生じていないため、燃料噴射弁9から噴射されたリード噴霧15と主噴霧16によって構成される燃料噴霧14は、空気流動によって乱されることなく吸気管5内を吸気弁7に向かって進行していく。このとき、燃料噴霧14を構成するリード噴霧15は、液滴直径が大きいため主噴霧16に先行して吸気弁7に向かって進行していく。
【0019】
この図5、図6に図示の排気行程の後期、上死点前20°が、アイドリング等の低負荷条件においては、燃料噴射量が少なく理論混合気である理論空燃比(A/F)14.7で燃焼させるため、絞り弁を閉じて吸入空気量が少なくなるように設定されており、低負荷条件においては、吸気管5内の圧力は燃焼室4内の圧力に比べ低くなっている。
【0020】
図7には、吸気行程初期、上死点後10°での側面から見た様子が示されている。
図7は、図5、図6に図示の排気行程で吸気弁7、排気弁8が共に閉じた状態から、吸気弁7が、少し開き始めた状態を示している。
図7において、吸気弁7は、少し開き始めると、吸気弁7が開いた瞬間に吸気管5内が負圧で燃焼室4内の圧力が正圧になっているため、この吸気管5内と燃焼室4内の圧力差により燃焼室4から吸気管5へ燃焼ガスが逆流する吹き返しが生じる。この燃焼室4から吸気管5への燃焼ガスの吹き返しが生じると、吸気管5内においては、燃料噴霧14のリード噴霧15が主噴霧16に先行して吹き返しにより生じた燃焼ガスの気流と衝突する状態となる。
【0021】
このような燃料噴霧14のリード噴霧15が主噴霧16に先行して吹き返しにより生じた燃焼ガスの気流と衝突する状態に対し、燃料噴射弁9の先端に多孔プレート11を取り付けていない従来のような形状の噴霧(例えば、主噴霧だけを有するような形状の噴霧)を行う燃料噴射弁を用いた場合、図8に示す如く、燃焼室4からの吹き返しによって攪乱され、多くの燃料が吸気管5内の壁面に付着して液膜17を形成する。この液膜17は、吸気管5内がほぼ常温に近いため、気化されないで液体のまま(液膜17の状態)で燃焼室4に流入することになる。このように液膜17の状態で燃焼室4に流入すると燃焼時に燃え切ることができず、未燃炭化水素(HC)として排出される他、燃料が燃焼室4に入るまでに時間遅れが生じ、最適空燃比に対する応答性が悪化する。
【0022】
また、微粒化した燃料噴霧を用いた場合は、表面積の増加による気化速度の向上が望める一方、燃焼室4からの吹き返しの影響を受けやすくなって、吸気管5内の壁面への付着量が増加する可能性がある。また、噴霧の角度を狭くして燃料を集中させたリード噴霧15だけを有するような噴霧を用いた場合、燃料噴霧14は貫通力が高く気流の影響を殆ど受けることなく吸気弁7に衝突し、吸気弁7の表面に液膜を形成するが、この液膜から反発又は千切れて生成される液滴の粒径が大きく、これが燃焼室4に入ると燃え切ることが出来ず未燃炭化水素(HC)の原因となる。また、付着量が多くなるため応答性も悪くなる。
【0023】
これに対し、図2に図示の実施の形態では、図9に示す如く、燃料噴霧14のリード噴霧15は、燃焼室4からの吹き返しの気流と衝突し、燃焼室4からの吹き返しの気流の勢いを相殺することになる。このようにリード噴霧15と相殺された燃焼室4からの吹き返しの気流は、勢いが無くなっているため、吹き返しの気流によっては吹き飛ばされ難く、従来の主噴霧だけの燃料噴霧に比べると、吸気管5内の壁面への燃料付着を減らすことができる他、燃料噴射弁9から噴射された燃料が燃焼室4内に入るまでの時間遅れが無く、応答性も良くなる。この場合、リード噴霧15は、燃焼室4からの吹き返しの気流と相殺するも多少吸気弁7まで到達し、吸気弁7に衝突し液膜17を形成するが、リード噴霧15の燃料量は、燃料噴霧14全体からの割合としては少ないために液膜17の厚さは薄く、反発又は千切れて生成される液滴の粒径は小さいために十分気化でき問題にはならない。
【0024】
やがて、図9に示す如き状態から燃焼室4内をピストン3が下降すると、吸気管5内から吸気弁7の開口部から空気が燃焼室4内に流入され、この空気と一緒にリード噴霧15や主噴霧16は、燃焼室4内に入り混合気を形成することができる。
【0025】
次に、吸気行程における噴射で、低負荷条件における動作について説明する。吸気行程において吸気弁7が開き、ピストン3が下降すると、燃焼室4内には、吸気管5内から吸気弁7の開口部から空気が燃焼室4内に吸入され、吸気管5内には強い空気流動が生成される。このように吸気行程における噴射では、排気行程における噴射と異なり、燃料噴射時期において吸気管5内に空気流動が生成されている。この吸気行程において従来のような主噴霧だけを有するような燃料噴霧を用いた場合の噴霧の様子は、図10に示されている。この図10に示される従来の燃料噴霧を用いた場合は、シリンダヘッド1の燃焼室4に接続されている吸気管5は緩やかな曲率を有しているため、燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧は、吸気管5内に生成された空気流動によって流され吸気管5内の壁面に付着して液膜17を形成し、HC増加、応答性悪化の要因となる。
【0026】
図11には、図2に図示の燃料噴射弁9による噴霧の様子が示されている。
図11において、燃料噴射弁9から燃料噴霧14が噴射されると、吸気弁7に指向された貫通力の高いリード噴霧15が動くことにより周囲の空気を巻き込み、吸気管5内に初期に生成された空気流動とは別に吸気弁7に向かう噴流18を生成する。一方、燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧14の主噴霧16は、リード噴霧15に比べ貫通力が弱いために空気流動に流されやすいが、リード噴霧15によって生成された噴流18に誘導されて吸気弁7に向かって進行し、吸気管5壁面へ付着することなく燃焼室4内に流入できる。また、燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧14のリード噴霧15は、吸気弁7に衝突するが、リード噴霧15の全体から占める燃料量は少ないため、吸気弁7に衝突して形成される液膜は問題にはならない。
【0027】
図2に図示の実施の形態においては、1つのシリンダに対し吸気管5が2つ設けられているものを例に採っているが、1つのシリンダに対し吸気管5が1つのもの、または1つのシリンダに対し吸気管5が3つ以上でも同様な効果を得ることができる。例えば、1つのシリンダに対し吸気管5が1つの場合には、図12に示す如き多孔プレート20を設ける。また、1つのシリンダに対し吸気管5が3つの場合には、図13に示す如き多孔プレート30を設ける。この図13に示す如き多孔プレート30を複数の吸気管5に適用する場合、各噴孔はそれぞれの対応した吸気弁7に指向するように設ける。作用については、図2に図示の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0028】
次に、本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第2の実施の形態について説明する。吸気管噴射式エンジンの構成は、図2に図示の実施の形態と同様である。
図14には、本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第2の実施の形態が示されている。
図14において、燃料噴射弁9の先端の枠体9Aには、多孔プレート40が取り付けられており、この多孔プレート40は、ガイド12によって燃料噴射弁9の先端の枠体9Aに固定されている。この多孔プレート40に対向した位置に弁体13が設けられており、この弁体13は、上下に移動可能なように設けられいる。すなわち、この弁体13は、上下動することによってガイド12に接離するようになっている。このような構成から、燃料は、弁体13が上昇することによってガイド12の間に隙間が生じ、そこから多孔プレート40へ流入することになる。
【0029】
この多孔プレート40には、直径の異なる大小二種類の噴孔40A、40Bが設けられている。図14では、噴孔の間隔を短くして噴孔が集中するように配置した径の大きな噴孔40Aを中心に同心円上に径の小さな噴孔40Bが複数個配されている。
【0030】
この多孔プレート40には、直径の異なる大小二種類の噴孔40A、40Bが設けられている。図14では、径の大きな噴孔40Aを中心に同心円上に噴孔の間隔を長くして噴孔が分散するように配置した径の小さな噴孔40Bを有することを特徴としている。そして、この直径の異なる大小二種類の噴孔40A、40Bは、燃料噴射弁9を吸気管5に取りつけたときに、集中させて設けた直径の大きな噴孔40Aが吸気弁7の裾野の部分を指向させ、分散させて設けた直径の小さな噴孔40Bが吸気弁7全体を指向するように傾けて設けられている。
【0031】
このような多孔プレート40を先端の枠体9Aに取り付けた燃料噴射弁9から燃料が噴射されたとき、集中させて設けた噴孔40Aから噴射された直径の大きな液滴は、分散させて設けた噴孔40Bから噴射された直径の小さな噴霧に比べ運動量(飛散スピード)が大きく、噴霧到達距離は長くなる。したがって、多孔プレート40を取り付けた燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧は、図15に示す如き形状となる。すなわち、燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧14は、多孔プレート40の径の大きな噴孔40Aから、先行して噴射していく噴霧到達距離の長いリード噴霧15と、多孔プレート40の径の小さな噴孔40Bから、後続にある噴霧到達距離の短い主噴霧16とによって構成されている。このリード噴霧15と主噴霧16の質量割合は、略1:3(=リード噴霧の質量:主噴霧の質量)となるように噴孔面積比が決められ、この噴孔面積比になるように各噴孔の径が決められている。
【0032】
次に、燃料噴射弁9の動作について、図16〜図18を用いて説明する。
図16には、排気行程の後期、上死点前20°での側面から見た様子が示されている。
【0033】
図16において、排気弁8は、まだ開いており燃焼室4の既燃焼ガスが排気管6へ押し出されている状態になっている。また、吸気弁7も開いておらず、吸気管5内には、殆ど空気流動が生じていない状態となっている。このように吸気管5内に空気流動が生じていないため、燃料噴射弁9から噴射されたリード噴霧15と主噴霧16によって構成される燃料噴霧14は、空気流動によって乱されることなく吸気管5内を吸気弁7に向かって進行していく。このとき、燃料噴霧14を構成するリード噴霧15は、液滴直径が大きいため主噴霧16に先行して吸気弁7に向かって進行していく。
【0034】
この図16に図示の排気行程の後期、上死点前20°が、アイドリング等の低負荷条件においては、全体の燃料噴射量が少なく理論混合気である理論空燃比(A/F)14.7で燃焼させるため、絞り弁を閉じて吸入空気量が少なくなるように設定されており、低負荷条件においては、吸気管5内の圧力は燃焼室4内の圧力に比べ低くなっている。
【0035】
図17には、吸気行程初期、上死点後10°での側面から見た様子が示されている。
図17は、図16に図示の排気行程で吸気弁7、排気弁8が共に閉じた状態から、吸気弁7が、少し開き始めた状態を示している。
図17において、吸気弁7は、少し開き始めると、吸気弁7が開いた瞬間に吸気管5内が負圧で燃焼室4内の圧力が正圧になっているため、この吸気管5内と燃焼室4内の圧力差により燃焼室4から吸気管5へ燃焼ガスが逆流する吹き返しが生じる。この燃焼室4から吸気管5への燃焼ガスの吹き返しが生じると、吸気管5内においては、燃料噴霧14のリード噴霧15が主噴霧16に先行して吹き返しにより生じた燃焼ガスの気流と衝突する状態となる。
【0036】
このような燃料噴霧14のリード噴霧15が主噴霧16に先行して吹き返しにより生じた燃焼ガスの気流と衝突する状態に対し、燃料噴射弁9の先端に多孔プレート40を取り付けていない従来のような形状の噴霧(例えば、主噴霧だけを有するような形状の噴霧)を行う燃料噴射弁を用いた場合、図8に示如く、燃焼室4からの吹き返しによって攪乱され、多くの燃料が吸気管5内の壁面に付着して液膜17を形成する。この液膜17は、吸気管5内がほぼ常温に近いため、気化されないで液体のまま(液膜17の状態)で燃焼室4に流入することになる。このように液膜17の状態で燃焼室4に流入すると燃焼時に燃え切ることができず、未燃炭化水素(HC)として排出される他、燃料が燃焼室4に入るまでに時間遅れが生じ、最適空燃比に対する応答性が悪化する。
【0037】
また、微粒化した燃料噴霧を用いた場合は、表面積の増加による気化速度の向上が望める一方、燃焼室4からの吹き返しの影響を受けやすくなって、吸気管5内の壁面への付着量が増加する可能性がある。また、噴霧の角度を狭くして燃料を集中させたリード噴霧15だけを有するような噴霧を用いた場合、燃料噴霧14は貫通力が高く気流の影響を殆ど受けることなく吸気弁7に衝突し、吸気弁7の表面に液膜を形成するが、この液膜から反発又は千切れて生成される液滴の粒径が大きく、これが燃焼室4に入ると燃え切ることが出来ず未燃炭化水素(HC)の原因となる。また、付着量が多くなるため応答性も悪くなる。
【0038】
これに対し、図14に図示の実施の形態では、図18に示す如く、燃料噴霧14のリード噴霧15は、燃焼室4からの吹き返しの気流と衝突し、燃焼室4からの吹き返しの気流の勢いを相殺することになる。このようにリード噴霧15と相殺された燃焼室4からの吹き返しの気流は、勢いが無くなっているため、吹き返しの気流によっては吹き飛ばされ難く、従来の主噴霧だけの燃料噴霧に比べると、吸気管5内の壁面への燃料付着を減らすことができる他、燃料噴射弁9から噴射された燃料が燃焼室4内に入るまでの時間遅れが無く、応答性も良くなる。この場合、リード噴霧15は、燃焼室4からの吹き返しの気流と相殺するも多少吸気弁7まで到達し、吸気弁7に衝突し液膜17を形成するが、リード噴霧15の燃料量は、燃料噴霧14全体からの割合としては少ないために液膜17の厚さは薄く、反発又は千切れて生成される液滴の粒径は小さいために十分気化でき問題にはならない。
【0039】
やがて、図18に示す如き状態から燃焼室4内をピストン3が下降すると、吸気管5内から吸気弁7の開口部から空気が燃焼室4内に流入され、この空気と一緒にリード噴霧15や主噴霧16は、燃焼室4内に入り混合気を形成することができる。
【0040】
次に、吸気行程における噴射で、低負荷条件における動作について説明する。
吸気行程において吸気弁7が開き、ピストン3が下降すると、燃焼室4内には、吸気管5内から吸気弁7の開口部から空気が燃焼室4内に吸入され、吸気管5内には強い空気流動が生成される。このように吸気行程における噴射では、排気行程における噴射と異なり、燃料噴射時期において吸気管5内に空気流動が生成されている。
【0041】
このように燃料噴射弁9から燃料噴霧14が噴射されると、図11に示す如く、吸気弁7に指向された貫通力の高いリード噴霧15が動くことにより周囲の空気を巻き込み、吸気管5内に初期に生成された空気流動とは別に吸気弁7に向かう噴流18を生成する。一方、燃料噴射弁9から噴射された燃料噴霧14の主噴霧16は、リード噴霧15に比べ貫通力が弱いために空気流動に流されやすいが、リード噴霧15によって生成された噴流18に誘導されて吸気弁7に向かって進行し、吸気管5壁面へ付着することなく燃焼室4内に流入できる。
【0042】
次に、本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第3の実施の形態について説明する。
図19には、本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第3の実施の形態が示されている。
図19は、エンジンの側面を模式的に表したもので、図1に図示の吸気管噴射式エンジンと異なる点は、吸気弁7に向けて燃料が噴射可能な位置に90、95の二本の燃料噴射弁を設けている点で、他は、図1に図示の吸気管噴射式エンジンと異なる点はない。
【0043】
燃料噴射弁90の先端の枠体には、図20に示される多孔プレート60が取り付けられており、燃料噴射弁95の先端の枠体には、図21に示される多孔プレート70が取り付けられている。この多孔プレート60は噴射された燃料が集中して噴霧角度の狭い噴霧が生成されるように噴孔の間隔が狭く設けられている。また、吸気管5に取りつけられたときに噴孔が吸気弁7の裾野の部分を指向するように設けられている。多孔プレート70は噴射された燃料が干渉せず噴霧角度の広い噴霧が生成されるように噴孔の間隔が広く設けられている。また、吸気管5に取りつけられたときに噴孔が吸気弁7全体を指向するように設けられている。
【0044】
このような多孔プレート60を先端の枠体に取り付けた燃料噴射弁90から噴射された燃料噴霧は、集中させて設けた噴孔から噴射された直径の大きな液滴となり、運動量(飛散スピード)が大きく、噴霧到達距離は長くなる。一方、多孔プレート70を先端の枠体に取り付けた燃料噴射弁95から噴射された燃料噴霧は、分散させて設けた噴孔から噴射された直径の小さな液滴となり、運動量が分散しているため減衰しやすく噴霧到達距離は短くなる。したがって、燃料噴射弁90、95を同時に噴射すると、燃料噴射弁90からは、噴霧到達距離の長いリード噴霧15が噴射され、燃料噴射弁95からは、噴霧到達距離の短い主噴霧16が噴射され、このリード噴霧15と主噴霧16とによって燃料噴霧14が形成されて吸気管5内を進行する。このリード噴霧15と主噴霧16の質量割合は、略1:3(=リード噴霧の質量:主噴霧の質量)となるように多孔プレート60の噴孔と多孔プレート70の噴孔との噴孔面積比が決められ、この噴孔面積比になるように多孔プレート60の噴孔と多孔プレート70の噴孔の各噴孔の径が決められている。
【0045】
次に、燃料噴射弁90、95の動作について、図22〜図25を用いて説明する。
この燃料噴射弁90、95の動作において、吸気弁7の開閉、排気弁8の開閉及び燃料噴射の時期は、図2に図示の実施の形態と同様であるが、燃料噴射弁90、95の噴射時期は、同時でなくても良く、例えば、先に燃料噴射弁90によってリード噴霧15を噴射し、若干の時間をおいて燃料噴射弁95によって主噴霧15を噴射する方法もある。
【0046】
図22には、排気行程の後期、上死点前20°での側面から見た様子が示されている。
【0047】
図22において、排気弁8は、まだ開いており燃焼室4の既燃焼ガスが排気管6へ押し出されている状態になっている。また、吸気弁7も開いておらず、吸気管5内には、殆ど空気流動が生じていない状態となっている。このように吸気管5内に空気流動が生じていないため、燃料噴射弁90から噴射されたリード噴霧15と燃料噴射弁95から噴射された主噴霧16によって構成される燃料噴霧14は、空気流動によって乱されることなく吸気管5内を吸気弁7に向かって進行していく。このとき、燃料噴霧14を構成するリード噴霧15と主噴霧16は途中で交差するが、リード噴霧15は、液滴直径が大きいため主噴霧16に先行して吸気弁7に向かって進行していく。
【0048】
この図22に図示の排気行程の後期、上死点前20°が、アイドリング等の低負荷条件においては、全体の燃料噴射量が少なく理論混合気である理論空燃比(A/F)14.7で燃焼させるため、絞り弁を閉じて吸入空気量が少なくなるように設定されており、低負荷条件においては、吸気管5内の圧力は燃焼室4内の圧力に比べ低くなっている。
【0049】
図23には、吸気行程初期、上死点後10°での側面から見た様子が示されている。
図23は、図22に図示の排気行程で吸気弁7、排気弁8が共に閉じた状態から、吸気弁7が、少し開き始めた状態を示している。
図23において、吸気弁7は、少し開き始めると、吸気弁7が開いた瞬間に吸気管5内が負圧で燃焼室4内の圧力が正圧になっているため、この吸気管5内と燃焼室4内の圧力差により燃焼室4から吸気管5へ燃焼ガスが逆流する吹き返しが生じる。この燃焼室4から吸気管5への燃焼ガスの吹き返しが生じると、吸気管5内においては、燃料噴霧14のリード噴霧15が主噴霧16に先行して吹き返しにより生じた燃焼ガスの気流と衝突する状態となる。
【0050】
このような燃料噴霧14のリード噴霧15が主噴霧16に先行して吹き返しにより生じた燃焼ガスの気流と衝突する状態に対し、燃料噴射弁90の先端に多孔プレート60を、燃料噴射弁95の先端に多孔プレート70をそれぞれ取り付けていない従来のような形状の噴霧(例えば、主噴霧だけを有するような形状の噴霧)を行う燃料噴射弁を2本用いた場合、図8に示す如く、燃焼室4からの吹き返しによって攪乱され、多くの燃料が吸気管5内の壁面に付着して液膜17を形成する。この液膜17は、吸気管5内がほぼ常温に近いため、気化されないで液体のまま(液膜17の状態)で燃焼室4に流入することになる。このように液膜17の状態で燃焼室4に流入すると燃焼時に燃え切ることができず、未燃炭化水素(HC)として排出される他、燃料が燃焼室4に入るまでに時間遅れが生じ、最適空燃比に対する応答性が悪化する。
【0051】
また、微粒化した燃料噴霧を用いた場合は、表面積の増加による気化速度の向上が望める一方、燃焼室4からの吹き返しの影響を受けやすくなって、吸気管5内の壁面への付着量が増加する可能性がある。また、噴霧の角度を狭くして燃料を集中させたリード噴霧15だけを有するような噴霧を用いた場合、燃料噴霧14は貫通力が高く気流の影響を殆ど受けることなく吸気弁7に衝突し、吸気弁7の表面に液膜を形成するが、この液膜から反発又は千切れて生成される液滴の粒径が大きく、これが燃焼室4に入ると燃え切ることが出来ず未燃炭化水素(HC)の原因となる。また、付着量が多くなるため応答性も悪くなる。
【0052】
これに対し、図19に図示の実施の形態では、図24に示す如く、燃料噴霧14のリード噴霧15は、燃焼室4からの吹き返しの気流と衝突し、燃焼室4からの吹き返しの気流の勢いを相殺することになる。このようにリード噴霧15と相殺された燃焼室4からの吹き返しの気流は、勢いが無くなっているため、吹き返しの気流によっては吹き飛ばされ難く、従来の主噴霧だけの燃料噴霧に比べると、吸気管5内の壁面への燃料付着を減らすことができる他、燃料噴射弁90、95から噴射された燃料が燃焼室4内に入るまでの時間遅れが無く、応答性も良くなる。この場合、リード噴霧15は、燃焼室4からの吹き返しの気流と相殺するも多少吸気弁7まで到達し、吸気弁7に衝突し液膜17を形成するが、リード噴霧15の燃料量は、燃料噴霧14全体からの割合としては少ないために液膜17の厚さは薄く、反発又は千切れて生成される液滴の粒径は小さいために十分気化でき問題にはならない。
【0053】
やがて、図24に示す如き状態から燃焼室4内をピストン3が下降すると、吸気管5内から吸気弁7の開口部から空気が燃焼室4内に流入され、この空気と一緒にリード噴霧15や主噴霧16は、燃焼室4内に入り混合気を形成することができる。
【0054】
次に、吸気行程における噴射で、低負荷条件における動作について説明する。
吸気行程において吸気弁7が開き、ピストン3が下降すると、燃焼室4内には、吸気管5内から吸気弁7の開口部から空気が燃焼室4内に吸入され、吸気管5内には強い空気流動が生成される。このように吸気行程における噴射では、排気行程における噴射と異なり、燃料噴射時期において吸気管5内に空気流動が生成されている。
【0055】
このように燃料噴射弁90から噴射されたリード噴霧15と燃料噴射弁95から噴射された主噴霧16によって構成される燃料噴霧14が吸気管5内に噴射されると、図25に示す如く、吸気弁7に指向された貫通力の高いリード噴霧15が動くことにより周囲の空気を巻き込み、吸気管5内に初期に生成された空気流動とは別に吸気弁7に向かう噴流18を生成する。一方、燃料噴射弁95から噴射された燃料噴霧14の主噴霧16は、燃料噴射弁90から噴射されたリード噴霧15に比べ貫通力が弱いために空気流動に流されやすいが、燃料噴射弁90から噴射されたリード噴霧15によって生成された噴流18に誘導されて吸気弁7に向かって進行し、吸気管5壁面へ付着することなく燃焼室4内に流入できる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、噴霧角度が狭く貫通力の高いリード噴霧を、噴霧角が広く貫通力の低い主噴霧に先行するように噴射することにより壁面への燃料付着を低減でき、HC低減、応答性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第1の実施の形態を示すエンジンの構成図である。
【図2】図1に図示の燃料噴射弁に取り付ける多孔プレートの燃料噴射弁への取付状態を示す図である。
【図3】図1に図示の燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧の状態を示す図である。
【図4】図1に図示の実施の形態における燃料噴射弁の動作で、吸気弁の開閉時期と排気弁の開閉時期と燃料噴射の時期との関係を示す図である。
【図5】排気行程における噴射、低負荷条件での動作における排気行程の後期、上死点前20°でのエンジンを側面から見たときの噴射状態を示す図である。
【図6】図5に図示の噴射状態を上から見た状態を示す図である。
【図7】吸気行程初期、上死点後10°でのエンジンを側面から見たときの噴射状態を示す図である。
【図8】燃焼室からの吹き返しによって燃料噴射が攪乱され、燃料が吸気管内の壁面に付着して液膜を形成した状態を示す図である。
【図9】燃料噴霧のリード噴霧が燃焼室からの吹き返しの気流と相殺されている状態を示す図である。
【図10】吸気行程において主噴霧だけを有するような燃料噴霧を用いた場合の噴霧の様子を示す図である。
【図11】図2に図示の燃料噴射弁による噴霧の状態を示す図である。
【図12】図1に図示の燃料噴射弁に取り付ける別な噴孔の配置の多孔プレートを示す図である。
【図13】図1に図示の燃料噴射弁に取り付けるさらに別な噴孔の配置の多孔プレートを示す図である。
【図14】本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第2の実施の形態の多孔プレートを示す図である。
【図15】図14に図示の多孔プレートを取り付けた燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧の噴霧形状を示す図である。
【図16】排気行程における噴射、低負荷条件での動作における排気行程の後期、上死点前20°でのエンジンを側面から見たときの噴射状態を示す図である。
【図17】吸気行程初期、上死点後10°でのエンジンを側面から見たときの噴射状態を示す図である。
【図18】燃焼室からの吹き返しによって燃料噴射が攪乱され、燃料が吸気管内の壁面に付着して液膜を形成した状態を示す図である。
【図19】本発明に係る吸気管噴射式エンジンの第3の実施の形態を示すエンジンの構成図である。
【図20】図19に図示の一方の燃料噴射弁の先端に取り付ける多孔プレートを示す図である。
【図21】図19に図示の他方の燃料噴射弁の先端に取り付ける多孔プレートを示す図である。
【図22】排気行程における噴射、低負荷条件での動作における排気行程の後期、上死点前20°でのエンジンを側面から見たときの噴射状態を示す図である。
【図23】吸気行程初期、上死点後10°でのエンジンを側面から見たときの噴射状態を示す図である。
【図24】燃料噴霧のリード噴霧が燃焼室からの吹き返しの気流と相殺されている状態を示す図である。
【図25】図19に図示の燃料噴射弁による噴霧の状態を示す図である。
【符号の説明】
4……………燃焼室
5……………吸気管
7……………吸気弁
8……………排気弁
9……………燃料噴射弁
11…………多孔プレート
14…………燃料噴霧
15…………リード噴霧
16…………主噴霧
17…………液膜
18…………噴流
30…………多孔プレート
60…………多孔プレート
70…………多孔プレート

Claims (2)

  1. 吸気管に燃料噴射弁を設け、該吸気管内に燃料を噴射する吸気管噴射式エンジンにおいて,
    前記燃料噴射弁の先端に形成される枠体の対向する位置に、直径の異なる大小二種類の噴孔からなり、直径の大きな噴孔を中心に同心円上に前記直径の小さな噴孔を複数個配置して構成する噴射孔を複数形成してなる多孔プレートを設け,
    前記燃料噴射弁を前記吸気管に取り付けたときに、前記多孔プレートの直径の大きな噴孔は前記吸気管噴射式エンジンの吸気弁の裾野部分を指向するように傾けて形成され、前記多孔プレートの直径の小さな噴孔は、前記吸気管噴射式エンジンの吸気弁全体を指向するように傾けて形成され,
    前記直径の大きな噴孔からは噴霧角度が狭く貫通力の高いリード噴霧を、前記直径の小さな噴孔からは噴霧角度が広く貫通力の低い主噴霧を噴射可能な燃料噴射弁で構成したことを特徴とする吸気管噴射式エンジン。
  2. 前記燃料噴射弁は、前記吸気管に、該燃料噴射弁の噴孔が前記吸気管噴射式エンジンの吸気弁に指向するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の吸気管噴射式エンジン。
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