JP3860203B1 - 煙霧発生装置および煙霧発生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】殺虫のための煙霧を発生させる際に、事前に煙霧剤と殺虫剤を混合する必要がなく、安全に煙霧を発生でき、煙霧発生時間を延長できる煙霧発生装置を提供する。
【解決手段】煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生させる煙霧発生装置1は、高温ガスを発生させる駆動源としてパルスジェットエンジン10と、煙霧剤を構成する第1の薬液を分離して貯留するタンク51および第2の薬液を貯留するタンク52と、タンク51,52とパルスジェットエンジン10とを接続する供給配管55とを備えており、供給配管は、第1の薬液51Aと第2の薬液52Aを合流させる合流部として混合弁57を備えており、この合流部を通して複数の薬液を合流させパルスジェットエンジンから発生された高温ガス中にインジェクションノズル53から供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生する装置と方法に係り、特に、殺虫剤を散布する等の用途に適した煙霧発生装置および煙霧発生方法に関する。
従来、この種の煙霧発生方法としては、特許文献1に記載の殺虫剤散布用煙霧発生方法がある。この方法は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、メトキシブタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびヘキシレングリコールの中から選択された少なくとも1つ以上の薬品と水とを混合して煙霧剤を形成し、この煙霧剤を200〜650℃の高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生できるようにしている。そして、前記の煙霧剤が容量パーセントで50%以下の水と、その他の前記薬品から形成されているものである。
特公平3−31681号公報
前記の特許文献1に記載の殺虫剤散布用煙霧発生方法は、無害かつ経済的で良質の煙霧を高能率で発生できる優れた方法であるが、殺虫剤を散布するに際して、事前に煙霧剤と殺虫剤を混合する必要があり、この作業は混合と薬剤散布機の薬剤タンクへの注入に時間を要していた。この煙霧剤と殺虫剤であるエクスミン乳剤等を混合すると乳化による気泡が生じ、従来薬剤散布機の薬剤タンクは油剤仕様のため注入口が狭く小さいため注入に時間を要し、注入量も少なくなり実質の散布時間も短くなり、無駄があった。
また、何らかの原因により急停止したとき、エンジンから供給される高圧ガス流が停止し、薬品を貯留するタンク内の残圧により混合した煙霧剤や殺虫剤が排気筒や外筒の先端から噴出する恐れがある。噴出すると、引火や薬剤が飛散する恐れがある。また、エンジンが停止した時、排気筒を通して薬剤が逆流し、エンジンに悪影響を与えると共に、再起動がしにくくなるという問題が発生する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、煙霧を発生させる際に、事前に煙霧剤を混合する必要がない煙霧発生装置および煙霧発生方法を提供することにある。また、事前に煙霧剤と殺虫剤とを混合する必要がなく、作業者が薬品に触れる機会が少なく、混合する際の気泡の発生がないため、煙霧殺虫剤の実質的なタンクへの容量を増やすことができ、煙霧発生時間を延ばすことができる煙霧発生装置および煙霧発生方法を提供することにある。さらに、高温ガス流を発生させる駆動源のエンジンを停止したとき、煙霧剤の逆流を防止できる煙霧発生装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の特徴を有する本発明を完成させるに至った。すなわち、前記目的を達成すべく、本発明に係る煙霧発生装置は、煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生させる煙霧発生装置であって、この煙霧発生装置は、高温ガスを発生させる駆動源と、煙霧剤を構成する複数の薬液を分離して貯留する複数の貯留部と、該複数の貯留部と駆動源とを接続する供給配管とを備えており、この供給配管は、前記複数の薬液を合流させる合流部を備えており、該合流部を通して前記複数の薬液を合流させ前記駆動源から発生された高温ガス中に供給することを特徴としている。前記の維持される高温ガスは200〜650℃に維持されることが好ましい。また、複数の貯留部としては、複数のタンク等の容器が好ましい。
前記のごとく構成された本発明の煙霧発生装置は、複数の薬液として、例えば2つの容器に煙霧剤を混合する前のエチレングリコール等の第1の薬液と、殺虫剤等の第2の薬液を別々に貯蔵するため、事前に2つの薬液を混合する必要がなく、容易に煙霧を発生させることができる。また、従来のように事前に煙霧剤を混合することが不要であるため、散布作業時間を短縮できる。さらに、混合時に発生する気泡を考慮する必要がなく、気泡による容器内の充満がないため薬液の混合液を容器内に充満させることができ、噴霧時間を十分に長くすることができる。
また、本発明に係る煙霧発生装置の好ましい具体的な態様としては、前記煙霧発生装置は、前記駆動源から発生される脈圧を複数の貯留部のそれぞれに印加する圧力配管を備えており、前記脈圧により前記複数の薬液を高温ガス中に供給するものであり、この圧力配管の途中に圧力調整弁を備えることを特徴としている。この構成によれば、圧力調整弁により煙霧剤を貯留する複数の貯留部のそれぞれに加わるガス圧を一定にすることができるため、安定した煙霧発生を達成でき、殺虫剤等の散布では均一な散布を可能とする。
さらに、本発明に係る煙霧発生装置の好ましい具体的な他の態様としては、前記煙霧発生装置は、圧力配管の途中に流量調整弁を備えることを特徴としている。流量調整弁としては逆止弁が好適である。この構成によれば、高温ガスを発生させる駆動源を停止させたとき、圧力配管を通して貯留部内の加圧空気が駆動源に向かって急激に逆流するのを防止することができ、圧力配管からの加圧空気の噴出を防止できると共に、つぎに駆動源を再始動するときに円滑に始動させることができる。
特に、圧力配管は、メイン管路の途中に戻し管路が形成され、途中に2分割の管路が形成され、一方の管路であるメイン管路に逆止弁等の流量調整弁を配置し、他方の管路である戻し管路に圧力調整弁を配置すると好ましい。このように構成すると、一方の管路を通して複数の薬液を貯留する貯留部のそれぞれに均一な圧力を加えることができ、高圧ガス流を発生させる駆動源を停止したとき、他方の管路を通して貯留部内の圧力を徐々に減圧することができるため、圧力配管からの加圧空気の噴出を防止できる。
また、前記煙霧発生装置において、前記供給配管は、複数の薬液を合流させる合流部に複数の薬液の混合比を調整する混合弁を備えることが好ましい。このように構成すると、例えば2つの薬液の混合比を任意に設定することができ、煙霧の濃度を任意に設定することができるため、殺虫剤の散布の場合に殺虫剤の濃度を変更でき、散布する樹木や、対象とする害虫に合わせて散布することができる。
本発明に係る煙霧発生方法は、煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生させる煙霧発生方法であって、分離して貯留された複数の薬液を供給配管に送り、該供給配管において前記複数の薬液を合流させて煙霧剤を形成し、該煙霧剤を前記供給配管を通して前記高温ガス中に供給することを特徴としている。前記の高温ガスの温度は200〜650℃に維持されると最適である。また、複数の薬液の混合比を調整して煙霧剤を形成することが好ましい。
前記のように構成された煙霧発生方法は、分離して貯留された複数の薬液を、供給配管を通して合流させて煙霧剤を形成し、この煙霧剤を駆動源から発生させた高温ガス中に供給するため、事前に複数の薬液を混合する必要がなく、全体の作業時間を短縮できると共に、実質的な散布時間を延長することができる。また、複数の薬液の混合比を調整できるため、煙霧の濃度を調整できて好適である。
本発明によれば、殺虫剤等を散布するために煙霧を発生させるとき、複数の薬液を予め混合する必要がなく、複数のタンクや容器等の貯留部にそれぞれ注入するだけですむため、作業時間を大幅に短縮することができる。また、作業者が混合時に薬品等の液体に接触する可能性が少なく、安全性を高めることができると共に、煙霧発生作業を容易とすることができ、煙霧発生時間を延ばすことができる。
以下、本発明に係る煙霧発生装置の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る煙霧発生装置の一実施形態の要部構成図である。図1において、本実施形態の煙霧発生装置1は、前記した特許文献1に記載の煙霧発生装置と基本構成が同等であり、パルスジェットエンジン10、アンテチャンバー(燃焼予備室)20、燃料噴射装置30、起動装置40と煙霧剤供給装置50とから構成されている。高温ガスを発生させる駆動源であるパルスジェットエンジン10は、200〜650℃の高温ガスを発生させる機能を有している。煙霧発生装置1は全体形状が筒状をしており、使用者がバンドを肩に掛けた携帯状態で使用することができるように、タンクに貯留された薬液を除く携帯時重量が11kgに設定されている。
パルスジェットエンジン10は、筒状の燃焼室11内にグローコイル12が固定され、燃焼室11から小径に縮径されたエンジン排気筒13が延長され、排気筒は端部が開口している。エンジン排気筒13は燃焼室11から絞り域を介して高温ガスとしての燃焼ガスを高速で排気する構成となっている。そして、エンジン排気筒13の外周には同心的に外筒14が間隙を有して配置されている。外筒14の燃焼室側の端部はエアーが導入できるように開口しており、外筒14の先端側の端部はエンジン排気筒13より長く形成されている。外筒14の外周には同心的に冷却空気吸入筒15が固定され、この吸入筒の端部は開口して空気を吸入することができるように構成されている。本実施形態では、米国、カーチス社製のパルスジェットエンジンを用いている。
アンテチャンバー20は燃料噴射装置30からの空気との霧状燃料をエンジン10の燃焼室11内に位置するグローコイル12に供給するもので、起動時にはプラグ45によって点火起動させる役割をなす。燃料噴射装置30は、アンテチャンバー20から接続された圧力配管21によって供給される圧力波(脈圧)を利用し、燃料タンク31から燃料供給管32を通して燃料(ガソリン)を吸入するとともに、アンテチャンバー20内に燃料を霧化噴出するためのものである。
起動装置40は、パルスジェットエンジン10を始動させるもので空気圧方式である。この起動装置40は、手押式のエアーポンプ41を駆動することによって加圧空気が配管42を介し燃料タンク31内の燃料を加圧するとともに、配管43を介し燃料噴射装置30を駆動しつつ燃料供給管32を介して供給された空気と燃料をアンテチャンバー20内に噴霧することができる。このように噴霧された燃料はイグニッションコイル46で昇圧された電圧によりスパークプラグ45によって点火される。
煙霧剤供給装置50は、煙霧剤を混合する前の第1の薬液51Aと第2の薬液(殺虫剤)52Aを分離して貯留する2つのタンク51,52を備えている。タンクは上部に注入口を備えており、キャップ51a,52aで密閉状態が保たれる構成となっている。そして、煙霧剤供給装置50は2つのタンクに貯蔵される2種類の薬液をパルスジェットエンジン10から発生させた高温ガス中にインジェクションノズル53を介して供給して煙霧を発生させる供給配管55と、2つのタンク51,52にパルスジェットエンジン10から脈圧を印加する圧力配管60とを備えている。
エンジン排気筒13の内径dを17mm、外筒14の内径Dを40mmとし、かつ外筒14の長さL1はインジェクションノズル53から350mm(つまり、エンジン排気筒13の先端側より90mmだけ長い)ものとして形成されている。この寸法関係によって、ガス化された煙霧剤を、外筒14を通して供給された外気で冷却して煙霧化する冷却室16を形成するとともに、煙霧の飛散性を高くできる。この場合、燃焼ガスの流速Vを540mm/secと想定している。
ここで、図2を参照して、インジェクションノズル53と、2つのタンク51,52とを接続する供給配管55について説明する。供給配管55は、圧力配管60から印加された加圧空気により2つのタンク51,52に貯留される薬液51A,52Aを送出し、合流させてパルスジェットエンジン10に供給するもので、タンク内に挿入される2つの吸込み管56a,56bと、これらの管の合流部に接続された混合弁57と、混合弁とインジェクションノズル53とを結ぶ搬送管56cとから構成され、吸込み管には開閉弁58a、58bが、搬送管には開閉弁58cが設置されている。搬送管56cの端部にはインジェクションノズル53と連結する継手56dが固定されている。
すなわち、吸込み管56aと吸込み管56bは混合弁57に接続されて合流され、搬送管56cがインジェクションノズル53に接続されている。3つの管路56a,56b,56cの開閉弁58a,58b,58cは流体の流れを遮断することができる。混合弁57は、吸込み管56aを流れる薬液51Aと、吸込み管56bを流れる薬液52Aの混合比を調整し、搬送管56cに流通させることができる機能を有している。吸込み管56aおよび吸込み管56bは、それぞれタンク51,52内に挿入され、タンクの底面近傍まで延びており、下端に異物を除去するフィルタ59,59を備えている。
つぎに、圧力配管60について、図3を参照して詳細に説明する。図3において、圧力配管60はパルスジェットエンジン10から得られる脈圧を2つのタンクに供給するメインの配管61と、この配管からユニオン継手62,62を介して分岐される戻し配管63とを備え、2分割の管路を形成してあり、メイン配管61のユニオン継手間には流量調整弁として逆止弁64が配置されている。メイン配管61の一端部はパルスジェットエンジン10のアンテチャンバー20に接続される継手61aが固定されている。メイン配管61の他端部はユニオン継手66で二股に分岐され、両端部には2つのタンク51,52に接続される継手61b,61bが固定されている。
また、戻し配管63の途中には流量を調整して圧力を調整できるニードルバルブ65が配置されている。ニードルバルブ65は調整ねじ65aを回すことで内部のオリフィスの断面積を変化させ、このバルブを通過する流体の流量を調整できる構成となっている。このように構成された圧力配管60は、メイン配管61には逆止弁64により矢印Aのように加圧空気が流通し、戻し配管63には例えばエンジン停止時に矢印Bのように逆方向に加圧空気が逆流する構成となっており、2分割の管路で流体が往復できるように構成されている。
このように、煙霧剤供給装置50は、インジェクションノズル53、供給配管55、圧力配管60からなり、正常の運転時におけるアンテチャンバー20内の脈圧によって、2つのタンク51,52内の薬液51A,52Aを圧力配管60で加圧しつつ、供給配管55の混合弁57で混合された煙霧剤をインジェクションノズル53からエンジン排気筒13内に噴射供給するものである。なお、圧力配管60の流量調整弁64と隣接して圧力調整弁67を設置することができ、この構成では2つのタンクに印加される脈圧の圧力を均一にすることができ、供給配管55への薬液の供給量を一定にすることができる。
本実施形態の煙霧発生装置1では、拡散性、能率性の高い煙霧発生を可能とするために、インジェクションノルズ53はエンジン排気筒13の先端から煙霧剤のガス化を確実ならしめるに十分な260mm(L2=260mm)のところに設けられ、流路抵抗を小さくするために最大外形を4mmL×2.5mmWとし、650℃にも耐える材質から形成され、さらに露化の好適化のためその先端側を斜角70度にカットし上流側に幅0.5mmのスリットが設けられている。
そして、本実施形態の煙霧発生装置1の特徴とする構成は、煙霧剤供給装置50が煙霧剤を分離して貯蔵する第1のタンク51と第2のタンク52とを備えており、第1のタンク51の薬液51Aと第2のタンク52の薬液(殺虫剤)52Aとが、供給配管55の混合弁57で混合されてパルスジェットエンジン10に供給されることである。そして、煙霧を発生させるとき、第1の薬液と第2の薬液(殺虫剤)とを事前に混合する必要がなく、別々のタンク51,52に注入するだけですむように構成されている。
一方のタンク51に注入される第1の薬液51Aは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、メトキシブタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびヘキシレングリコールの中から1つ以上の薬品を選択し、それらを水と混合すればよい。例えば、エチレングリコールとしてのジエチレングリコールと、プロピレングリコールと、ブタンジオールと、水とを、それぞれ容量パーセントで45%,20%,20%,15%として混合し、タンク51内に貯蔵する。
つまり、煙霧剤を構成する第1の薬液51Aは、防疫用煙霧剤としてはケロシンを主成分とする以外にあり得ないとする業界の常識的定説に対し、いずれも水溶性のジエチレングリコール等の脂肪族系有機薬品を水と混合した組成である。この第1の薬液51Aは、3%以上の水を含むので引火点に達せず、発火しないという優れた特性を有する。
また、他方のタンク52に注入される第2の薬液52Aは、エクスミン(住友化学製)等の水性殺虫剤が用いられる。本実施形態ではタンク51とタンク52の容量比は1対5程度に設定されているが、これに限られるものでない。タンク51とタンク52とは別体に構成されているが、1つのタンクの内部を仕切って2つの貯留部を形成して第1の薬液51Aと第2の薬液52Aを分離した状態で貯留するように構成してもよい。また、本実施形態の煙霧発生装置は、インジェクションノズル直前で2つの薬液を混合する構成であるため、第2の薬液として、水性乳剤の代わりに、例えばシントーファイン販売の安価な油性を含むL型乳剤を用いることができる。このL型乳剤はエクスミン等の水性乳剤と比較して散布直前に混合するため、油との分離がなく経済的に約1/5のコストダウンが得られ、殺虫効果は維持される。
前記の如く構成された本実施形態の煙霧発生装置1の動作について以下に説明する。本実施形態の煙霧発生装置1を用いて、殺虫剤を散布するときは、例えば第1のタンク51にエチレングリコール等の薬液51Aを注入し、第2のタンク52に殺虫剤52Aを注入して貯留する。そして、燃料タンク31にガソリン等の燃料を充填し、起動装置40のエアーポンプ41を加圧すれば、燃料噴射装置30は燃料供給管32を介し吸い込んだ一定量の燃料をアンテチャンバー20内に噴射するとともにアンテチャンバー20内において噴射された燃料がプラグ45によって点火され、パルスジェットエンジン10が始動される。
その後、グローコイル12が加熱され、燃料噴射装置30は圧力配管21を通した脈圧によって燃料噴射を繰り返す。このようにパルスジェット方式によってパルスジェットエンジン10は定常運転される。パルスジェットエンジン10を起動させると、燃焼室11内で燃焼された燃焼ガスは高速の排気ガスとなってエンジン排気筒13より高温のガス流が発生され噴出する。このガス流は、温度が200〜650℃程度に設定され、燃焼ガスの流速は500mm/sec以上、好ましくは540mm/sec程度に設定されている。この排気ガス流量は0.1225m/sec程度である。
また、パルスジェットエンジン10の起動により、アンテチャンバー20内の脈圧は圧力配管60を通じてタンク51,52内に供給され、タンク51,52内の圧力は大気圧に対して、プラス0.45kg/cmと加圧状態になっている。したがって、タンク51内の第1の薬液51Aおよびタンク52内の殺虫剤52Aは、供給配管55を通してインジェクションノズル53に供給され、エンジン排気筒13内に噴射される。
燃焼室11内の排気ガス温度T1は約1200℃であって、インジェクションノズル53の約5mm上流側の排ガス温度T2は約500〜615℃となっている。インジェクションノズル53から噴射された2つの薬液の混合液は、高温ガス中に供給されガス化する。インジェクションノズル53の下流側のエンジン排気筒13は、供給された薬液のガス化を十分に達成するために延長されており、完璧なガス化が可能となる。
エンジン排気筒13の出口端から5mm手前(上流)側のガス温度T3は、約120〜160℃となる。そこで、エンジン排気筒13から噴射された2つの薬液がガス化したガスは、外筒14内に形成された冷却室16内で外気によって冷却され、その結果、ガスは、1〜0.5μm以下の煙となる。外筒14内を通して供給された空気は排気筒の外側を通過することにより加熱され、温度上昇されているので煙を飛散させる補助空気としても作用する。屋内の無風状態で煙霧の到達距離は約20mであり、160m程度の範囲に均一に殺虫剤を散布することが可能であった。
この実施形態では、2つのタンク51,52に煙霧剤である第1の薬液51Aと、殺虫剤である第2の薬液52Aとを分けて貯留しているため、2つの薬液を予め混合する手間を省くことができる。また、混合作業が不要なため、タンク51内の薬液とタンク52内の薬液が泡状態で外に溢出(噴出)することがないので無駄がなく、薬品、殺虫剤等に係るランニングコストを下げられる。しかも、作業者が混合作業で薬剤に触れることがないから、安全性を担保できると共に、周囲を汚染しない。
本実施形態の煙霧発生装置1は、煙霧発生を停止させるときには、燃料の供給を停止することでパルスジェットエンジン10は停止する。エンジン10の停止により燃焼ガスの噴出が停止し、高温ガス流が停止するため2つの薬液を混合した液体の噴出は停止する。そして、パルスジェットエンジン10の停止により、圧力配管60を通して脈圧によるタンク51,52への圧力印加は停止する。
タンク内への圧力印加が停止することで、タンク内の圧力が下がり、タンク51内の加圧空気およびタンク52内の加圧空気は、圧力配管60を通してエンジン10側へ逆流する恐れがあるが、加圧空気が圧力配管60内を逆流してもメイン配管61は逆止弁64により逆流が阻止されるため、逆流した加圧空気は戻し配管63側に流入する。そして、逆流する加圧空気はニードルバルブ65により通過流量が制限されるため、圧力が調整され徐々に減圧されて加圧空気の圧力は減衰する。この結果、圧力配管60を通して加圧空気が逆流してエンジン側から噴出することが防止される。
すなわち、圧力配管60は2分割の管路が途中に形成され、一方の管路(メイン配管61)にはエンジン10からの脈圧が通過し、タンク51,52内の薬液51A,52Aに圧力をかけて薬液を供給配管55に送出する。そして、他方の管路(戻し配管63)にはエンジン停止時に、逆流した加圧空気を徐々に通過させて加圧空気の圧力を減衰させ、逆流した加圧空気の噴出を防止している。
本発明の他の実施形態を図4に基づき詳細に説明する。図4は本発明に係る煙霧発生装置の他の実施形態の断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、駆動源であるパルスジェットエンジンの代わりにレシプロエンジンを用いたことを特徴とする。すなわち、駆動源としてレシプロエンジンを使用し、複数の薬液を合流させて混合し煙霧剤を形成し、混合された煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して煙霧発生を実施する。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この実施形態では、煙霧発生装置1Aは駆動源であるレシプロエンジン10Rとして、PF500型…新ダイワ(株)製を用いた。このレシプロエンジン10Rは、排気量が20ccであり、最高回転数が10000rpmである。エンジン排気筒13にはマフラー13Aが設けられ、このマフラー13Aの上流側約5mmのところにインジェクションノズル53が設けられている。そして、最高回転数に近い高速運転において、インジェクションノズル53の近傍の排ガス温度T2は約220℃を確保できた。また、排ガス流量、すなわち高温ガス流の流量は0.0034m/secである。
ここに、インジェクションノズル53から間歇的(17cc/min)に、第1のタンク51から第1の薬液51Aと、第2のタンク52から殺虫剤52Aを注入したところ、エンジン排気筒13の後方に良好な煙霧を発生することができた。なお、エンジン回転数を落し、排ガス温度T2が200℃未満となったときには、200℃に近い温度では一部分の煙霧化が認められる場合もあったが、実質的にはほとんど煙とならなかった。したがって、この実施形態の煙霧発生装置におけるガス化温度の下限は200℃であれば、煙霧を発生できることを確認した。
また、煙霧発生装置1の駆動源として、図5に示す電気加熱器を用いることもできる。この実施形態の煙霧発生装置1Bは、駆動源である電気加熱器10Eとして、大日工業(株)製の加熱自噴射可能な電気加熱機を使用した。この電気加熱器10Eは、中空円筒形の本体70とこれを巻回するコイル71と電源装置(100V−750W)72と噴出ノズル73とから構成され、インジェクションノズル53は噴出ノズル73と反対側において本体70内の加熱室74内に臨ませて設けられている。
加熱室74内の空気温度T2は340〜380℃に保持され、インジェクションノズル53から約17cc/minの薬液の混合液を注入したところ、加熱室74内で等容量加熱され、噴出ノズル73から良好な煙霧が発生噴出(無風状態で到達距離5m)された。但し、この電気加熱機10Eの場合には、一旦、薬液の混合液が加熱室74内でガス化すると加熱室内温度が低下するので、インジェクションノズル53からの薬液の混合液の注入インターバルは、加熱室内温度上昇時間を要することから、パルスジェットエンジンの約5倍と相当長いものとなる。したがって、電気加熱機10Eを煙霧装置1として利用するのは室内の害虫駆除等に最適である。燃焼ガス等が発生せず、また容量が小さいからである。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、煙霧剤を構成する第1の薬液および第2の薬液を貯蔵する2つの容器は、別々に構成されるようにしてもよく、1つの容器を2つに区切って2つの貯蔵部に分けるように構成してもよい。このように1つの容器を2つの貯蔵部に区切ることで、作業者が煙霧発生作業を行うときの作業性を向上させることができる。
薬液を貯留する貯留部として2つのタンクを用いる例を示したが、3つ以上の複数の貯留部を備えるように構成することもできる。例えば、3つのタンクを備える構成とし、第1のタンクにエチレングリコール等の薬液を貯留し、第2のタンクに水を貯留し、第3のタンクに殺虫剤を貯留する構成としてもよい。さらに、第4のタンクを備える構成とし、4番目のタンクに例えば消泡剤を貯留しておき、複数の薬液の混合時に泡が発生するのを防止してもよい。
また、高温ガスを発生させる駆動源として、パルスジェットエンジン10、レシプロエンジン10Rあるいは電気加熱機10Eを用いた実施形態を示したが、要は所定の煙霧剤をガス化でき、かつこれを外気冷却して煙霧を発生できればよいから、他のガス発生機構等を用いても本発明は実施することができる。
本発明の活用例として、この煙霧発生方法と煙霧発生装置を用いて、殺虫剤の散布に限らず煙霧を発生させることができ、発生させた煙霧を舞台等で演出効果として使用する用途にも適用できる。
本発明に係る煙霧発生装置の一実施形態を示す要部構成図。 図1の煙霧発生装置で用いる供給配管の正面図。 図1の煙霧発生装置で用いる圧力配管の正面図。 本発明に係る煙霧発生装置の他の実施形態として、駆動源にレシプロエンジンを用いた要部構成図。 本発明に係る煙霧発生装置のさらに他の実施形態として、駆動源に電気加熱機を用いた一部を破断した要部構成図。
符号の説明
1,1A,1B:煙霧発生装置、10:パルスジェットエンジン(駆動源)、10R:レシプロエンジン、10E:電気加熱器、20:アンテチャンバー(予備燃焼室)、30:燃料噴射装置、31:燃料タンク、40:起動装置、50:煙霧剤供給装置、51:第1のタンク(貯留部)、52:第2のタンク(貯留部)、51A:第1の薬液(煙霧剤)、52A:第2の薬液(煙霧剤、殺虫剤)、53:インジェクションノズル、55:供給配管、57:混合弁、60:圧力配管、61:メイン配管(メイン管路)、63:戻し配管(戻し管路)、64:逆止弁(流量調整弁)、65:ニードルバルブ(圧力調整弁)

Claims (7)

  1. 煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生させる煙霧発生装置であって、
    該煙霧発生装置は、前記高温ガスを発生させる駆動源と、前記煙霧剤を構成する複数の薬液を分離して貯留する複数の貯留部と、該複数の貯留部と前記駆動源とを接続する供給配管とを備えており、
    前記供給配管は、前記複数の薬液を合流させる合流部を備えており、該合流部を通して前記複数の薬液を合流させ前記駆動源から発生された高温ガス中に供給することを特徴とする煙霧発生装置。
  2. 前記煙霧発生装置は、前記駆動源から発生される脈圧を前記複数の貯留部のそれぞれに印加する圧力配管を備えており、前記脈圧により前記複数の薬液を高温ガス中に供給するものであり、前記圧力配管の途中に圧力調整弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の煙霧発生装置。
  3. 前記煙霧発生装置は、前記圧力配管の途中に流量調整弁を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の煙霧発生装置。
  4. 前記圧力配管は、メイン管路の途中に戻し管路が形成され、前記メイン管路に前記流量調整弁が配置され、前記戻し管路には前記圧力調整弁が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の煙霧発生装置。
  5. 前記供給配管は、前記合流部に前記複数の薬液の混合比を調整する混合弁を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の煙霧発生装置。
  6. 煙霧剤を高温ガス中に供給してガス化させ、その後に外気との温度差を利用して冷却し煙霧を発生させる煙霧発生方法であって、
    分離して貯留された複数の薬液を供給配管に送り、該供給配管において前記複数の薬液を合流させて煙霧剤を形成し、該煙霧剤を前記供給配管を通して前記高温ガス中に供給することを特徴とする煙霧発生方法。
  7. 前記複数の薬液の混合比を調整して煙霧剤を形成することを特徴とする請求項6に記載の煙霧発生方法。
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