JP3859140B2 - 無線lanシステムおよび無線通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線アクセスポイント装置と複数の無線端末装置とを備えた無線LANシステムに関し、特に、無線アクセスポイント装置から複数の無線端末装置に対して空間分割多重アクセスにより同時に信号を送ることができる無線LANシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話など移動通信システムの発展は著しく、音声情報の他に「インターネット」などによった電子メールも転送できるようになり、移動通信のマルチメディア化に伴って今後ますます周波数資源が逼迫してくるものと予想されている。そのようなことから、周波数資源を有効利用できる空間分割多重アクセス方式(SDMA;Space Division Multiple Access)が注目されている。
このSDMA方式では、情報伝送空間を分割し、分割した空間ごとに同時刻・同一周波数帯域において異なった情報伝送を行うが、FDMA,TDMA,CDMAなど他の多重化方式と組み合わせると、伝送容量を飛躍的に増大させることが可能となる。なお、そのようなSDMA機能を実現する方法としては、多数の指向性アンテナをエリアを固定して用いるセクターアンテナのような初歩的な方法から、近年盛んに研究されているアダプティブアレイアンテナを用い、端末局や伝播環境に応じて指向性などの制御をディジタル信号処理により行うソフトウェアアンテナ(スマートアンテナ)を用いる方法まで様々な方法が提案され、実用化されている。ソフトウェアアンテナについてはトリケップス社(http://www.catnet.ne.jp/triceps/)の技術図書No.WS189「広帯域ワイヤレス通信のソフトウェアアンテナ技術」に詳しく記載されている。
また、特開2000−91844公報に示された「多重無線通信装置」では、同一周波数帯域の電波を用いて複数の情報の双方向通信を同時刻に行なう空間分割多重アクセス方式において、端末局間干渉低減のためのアルゴリズムを提案している。この従来技術では、上りと下りのデータ転送(図1参照)に別の周波数を用い、基地局と端末局との間の多重化にはキャリアセンス多重アクセス(CSMA)方式を用いて伝送容量の向上を図っている。
【0003】
この従来技術の無線通信装置の構成を図5に示す。送信の場合、mチャネル分の各送信データak+jbkに対して、送信信号生成用演算回路11により特定の重みや遅延を付加し、TX1〜TXNとして生成し、これをN個の送受信モジュール12へ送り、周波数変換を行い、N素子のアレイアンテナ13から、前記した重みと遅延に応じた指向性で対応する端末局に向けて放射する。一方、受信の場合は、複数の端末局からの信号の合成信号をN個のアンテナ素子13で受信し、これを周波数変換してN個のベースバンド信号RX1〜RXNに変換後、これを受信信号再生用演算回路14により処理することで各端末局毎の受信データck+jdkを再生する。また、これ以外に、送受信時のアンテナの指向性を決めるデータ送受信用の演算回路の各種パラメータを決定するために受信信号から各端末局毎の到来方向と遅延時間を求める演算回路15と、その演算結果を元に送信用と受信用の重みと遅延を求める演算回路16を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SDMAの無線LANへの適用を考える場合、前記した特開2000−91844公報に示された従来技術をそのまま適用するには問題がある。端末装置すべてにSDMAの機能を持たせるのはコスト的に困難であるので、アクセスポイント装置のみSDMAに対応させるのは現実的であるが、単にアクセスポイント装置のみをSDMAに対応させただけでは端末装置間では互いにかなりの干渉信号が発生するので、無線LANで通常用いられているキャリアセンス多重アクセス(CSMA)方式では、端末装置からアクセスポイント装置への上り回線のSDMAによる同時通信を開始した途端に衝突が検出されてしまい、うまく動作しないという問題があるのである。
本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決することにあり、具体的には、無線LANシステムにおいて、下り回線では空間分割多重アクセスにより多重化するとともに、上り回線においても端末間干渉による送信停止を回避可能にすることにより複数の端末装置による同時データ転送を行えるようにして、回線の伝送能力を大幅に向上させることができる無線LANシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、無線アクセスポイント装置と複数の無線端末装置とを備えた無線LANシステムにおいて、無線アクセスポイント装置内に空間分割多重アクセス手段を備えるとともに、無線端末装置内には前記無線アクセスポイント装置から送られてきた信号の受信を終了した時点からの所定期間におけるキャリア検出を無効にするキャリア検出無効化手段を備え、前記無線アクセスポイント装置から空間分割多重アクセスにより各無線端末装置に対応した複数の異なる信号を同時に送信し、その信号を受信した前記各無線端末装置からその無線端末装置毎に異なる信号を前記無線アクセスポイント装置に対して送信する際、前記キャリア検出無効化手段により前記キャリア検出を無効化することにより前記各無線端末装置から同時に送信することを可能にする構成にした。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、キャリア検出を無効にする所定期間として、無線端末装置毎に送信すべきパケットがなくなるまでの期間、予め指定した最大の無効期間、または両者の短い方とする構成にした。
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、各無線端末装置内にタイマを備え、無線アクセスポイント装置からのパケットを受信し終わったときに前記タイマを起動し、タイマ動作中は他の無線端末装置が信号を出しているかどうかに係わらず、送信すべきパケットがあれば送信を行い、すべての送信すべきパケットを送信し終わるか、前記所定時間が経過し且つそのとき送信中のパケットを送信し終わった時点でタイマを停止する構成にした。
【0006】
また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、キャリア検出無効化手段として、IEEE802.11標準における物理層とデータリンク層との間のPHY-SAPサービスプリミティブを用い、受信開始を示すPHY-RXSTART.indicationプリミティブから受信パケットの送信元アドレスを取得し、受信終了を示すPHY-RXEND.indicationプリミティブから受信完了トリガ信号を生成し、送信開始を示すPHY-TXSTART.requestプリミティブから送信パケットの存在を示す送信パケット存在信号を生成し、PHY-TXEND.requestプリミティブからパケット送信完了を示す送信完了トリガ信号を生成し、前記送信元アドレス、受信完了トリガ信号、送信パケット存在信号、および送信完了トリガ信号に従ってタイマの動作状態を制御する構成にした。
また、請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、タイマの動作状態によって通信チャネルの使用状態を示すPHY-CCA.indicationプリミティブの値を変更して、タイマ動作中はPHY-CCA.indicationの値を未使用に固定してデータリンク層に伝える構成にした。
また、請求項6記載の発明では、無線LANシステムにおける無線アクセスポイント装置と複数の無線端末装置との間の無線通信方法において、前記無線アクセスポイント装置から空間分割多重アクセスにより各無線端末装置に対応した複数の異なる信号を同時に送信し、その信号を受信した前記各無線端末装置から前記無線アクセスポイント装置に対してその無線端末装置毎に異なる信号を送信する際、前記無線アクセスポイント装置から送られてきた信号の受信を終了した時点からの所定期間におけるキャリア検出を無効化することにより前記各無線端末装置から同時に送信することを可能にする構成にした。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、有線ネットワーク網に接続されたSDMA機能を備えた無線アクセスポイント装置と複数の無線端末装置とから構成される無線LANシステム(図1参照)における無線アクセス方式の改良に関するものである。なお、アクセスポイント装置に内蔵する空間分割多重アクセス(SDMA)機能の実現方法に関してはそれだけで多種多様な方式が考えられるが、本発明はこれら何れの方式のSDMAに対しても適用可能なアクセス方式である。
このような無線アクセス方式で、本発明の無線LANシステムでは、下り回線だけでなく上り回線でも複数の無線端末装置による同時データ転送を行えるように、端末間干渉による送信停止を回避する手段を提供する。以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施例を示す無線LANシステムのシステム構成図である。図示したように、この実施例の無線LANシステムは、無線アクセスポイント装置1と複数の無線端末装置2とから構成され、無線アクセスポイント装置1には図5に示した従来例のように空間分割多重アクセス(Space Division Multiple Access、略してSDMA)手段を付加する一方、無線端末装置2に、無線アクセスポイント装置1からの信号を受信した後の所定期間、キャリア検出を無効にするキャリア検出無効化手段を付加している。
このような構成で、この無線LANシステムでは通常、無線アクセスポイント装置1と無線端末装置2との間の上り(無線端末装置2から無線アクセスポイント装置1へのデータ転送)と下り(上りと逆方向のデータ転送)の双方向通信を交互に行なう。下りの通信時は、無線アクセスポイント装置1からSDMAにより各無線端末装置2に対応した複数の異なる信号を各指向空間毎に同時に同一期間送信することにより、互いに干渉することなく同時通信を行なう。逆に、上りの通信時は、無線アクセスポイント装置1は黙っているので各無線端末装置2は自由に送信可能であり、しかも、無線アクセスポイント装置1からのパケット受信後はキャリア検出が無効になる機能を各無線端末装置2が持っているので、たとえ他に送信している端末装置があったとしても、他に送信端末装置はないと判断し、複数の無線端末装置2による同時送信が可能となる(CSMA方式では、一般にはキャリアを検出すると他の端末装置がデータ転送を行っていると判断し、衝突回避のために送信を行わない)。こうして、同時に送信された複数の信号は無線アクセスポイント装置1のSDMAによる受信機能で無線端末装置毎の信号に分離再生され、上り回線の多重化が正常に行なわれる。なお、複数の無線端末装置2が時分割多重(TDM)により同時送信を行ってもよく、この場合、無線端末装置毎の信号を分離再生するSDMA受信機能を無線アクセスポイント装置側に備える必要がなくなる。
【0009】
前記において、キャリア検出を無効にする所定期間であるが、この実施例では、当該無線端末装置毎に送信すべきパケットがなくなるまでの期間、予め指定した最大の無効期間、または両者の短い方をキャリア検出無効の期間としている。パケットがなくなるまでの期間とする場合、図2に示したように各無線端末装置毎のキャリア検出無効の期間は異なってくるが、そのうち最も長い期間の無線端末装置2が最後まで送信を続け、その後再び無線アクセスポイント装置1が複数の無線端末装置2に対して同時に送信を開始する。これにより、時間を固定する場合に比べて短い時間で上りの送信を終了でき、伝送効率が増す。一方、パケットがなくなるまでの期間があまりに長くなると、特定の無線端末装置1の上り信号だけが空間を伝わるという逆に非効率な時間が増えるので、これを避けるためにキャリア検出の無効期間に最大値を設けている。
このようなキャリア検出の無効化を実現するために、この実施例では、各無線端末装置2にキャリア検出無効化のためのタイマを追加している。そして、無線アクセスポイント装置1からのパケットを受信し終わったときにそのタイマを起動し、タイマ動作中は他の無線端末装置2が信号を出しているかどうかに拘わらずキャリア検出なしとして送信すべきパケットがあれば送信を行い、すべての送信すべきパケットを送信し終わるか、制限時間が経過し且つそのとき送信中のパケットを送信し終わった時点でタイマを停止し、これによりキャリア検出を再度有効にする。
【0010】
図3に、キャリア検出無効化の動作フローを示す。以下、図3に従ってこの動作フローを説明する。
まず、タイマOFFの状態にしてスタートし(S1)、無線アクセスポイント装置1から受信パケットが到来するのを待ち(S2でNO→S2)、その受信パケットがあれば(S2でYES)、その受信が完了するのを待つ(S3でNO→S3)。そして、その受信が完了すると(S3でYES)、タイマをONにして(動作状態にして)カウント(計時)を開始する(S4)。
こうして、無線アクセスポイント装置1からの受信完了後はキャリア検出が無効となるので、送信可能状態となる。そこで、送信パケットがあるか否かを判断し(S5)、なければ(S5でNO)スタートに戻ってタイマをOFFにする(S1)。それに対して、送信パケットがある場合は(S5でYES)そのパケットの送信完了まで待ち(S6でNO→S6)、そのパケットの送信が完了すると(S6でYES)、タイマのカウンタ値が指定値を越えたかどうかを判定し(S7)、越えていなければ(S7でNO)ステップS5へ戻って次のパケット送信処理に移り、越えていれば(S7でYES)スタートに戻ってタイマをOFFにする(S1)。
こうして、この実施例によればキャリア検出無効化処理を簡単に行うことができる。
【0011】
図4に、キャリア検出無効化機能を実現する無線端末装置2の回路構成を示す。IEEE802.11標準規格における物理層とデータリンク層間のPHY-SAPサービスプリミティブに対してキャリア検出無効化機能を付加する改造を行った構成になっている。つまり、この実施例では、PHY-SAPサービスプリミティブに準拠して、図示したように、受信開始を示すPHY-RXSTART.indicationプリミティブ、受信終了を示すPHY-RXEND.indicationプリミティブ、送信開始を示すPHY-TXSTART.requestプリミティブ、送信終了を示すPHY-TXEND.requestプリミティブ、チャネルの使用状態(使用中/未使用)を示すPHY-CCA.indicationプリミティブなどを、物理層4とデータリンク層との間の内部インターフェースとして備えているわけである。
そして、この実施例では、無線端末装置2のデータリンク層及びその上位層5が、受信パケットの送信元アドレスを含むPHY-RXSTART.indicationプリミティブからその送信元アドレスを取得し、さらに、受信終了を示すPHY-RXEND.indicationプリミティブから受信完了トリガ信号を生成する。そして、データリンク層及びその上位層5は、取得した送信元アドレスを予め設定した無線アクセスポイント装置1のアドレスと比較し、一致するかどうかを示す信号を生成し、タイマのステート処理部(ステートマシン)6に入力する。さらに、受信完了トリガ信号をステート処理部6に入力する。また、データリンク層及びその上位層5は送信開始を示すPHY-TXSTART.requestプリミティブから送信パケットの存在を示す送信パケット存在信号を生成し、PHY-TXEND.requestプリミティブからパケット送信完了を示すトリガ信号を生成し、これらもステート処理部6に入力する。
こうして、ステート処理部6は、以上の4つの信号を用い、図3に示した動作フローに沿ってタイマの動作状態(ON/OFF状態)を制御し、その動作状態によってチャネルの使用状態(使用中/未使用)を示すPHY-CCA.indicationプリミティブの値を変更する。つまり、タイマONの間はPHY-CCA.indicationの値を未使用に固定し、これをデータリンク層に伝えることにより、タイマがONの間はデータリンク層にキャリア検出なしの信号を入力する。その結果、他の無線端末装置2が送信中であっても送信を開始することが可能になるのである。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、請求項1および請求項6記載の発明では、無線アクセスポイント装置から空間分割多重アクセスにより各無線端末装置に対応した複数の異なる信号が同時に送信され、その信号を受信した各無線端末装置からその無線端末装置毎に異なる信号を無線アクセスポイント装置に対して送信する際、キャリア検出を無効化することにより各無線端末装置から同時に送信することができるので、回線の伝送能力を大幅に向上させることができる。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、キャリア検出を無効にする期間が、無線端末装置毎に送信すべきパケットがなくなるまでの期間、予め指定した最大の無効期間、または両者の短い方であるので、期間を固定する場合に比べて短い時間で上りの送信を終了でき、伝送効率が増す一方、特定の無線端末装置の上り信号だけが長時間空間を伝わるという状態も避けられ、したがって、システム全体の伝送効率が増す。
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、無線アクセスポイント装置からのパケットが受信し終わったときにタイマが起動され、タイマ動作中は他の無線端末装置が信号を出しているかどうかに拘わらず、送信すべきパケットがあれば送信が行われ、すべての送信すべきパケットが送信し終わるか、所定時間が経過し且つそのとき送信中のパケットが送信し終わった時点でタイマが停止するので、キャリア検出の無効化機能を容易に、且つ低コストで実現することができる。
また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、IEEE802.11標準における物理層とデータリンク層との間のPHY-SAPサービスプリミティブを用い、受信開始を示すPHY-RXSTART.indicationプリミティブから受信パケットの送信元アドレスが取得され、受信終了を示すPHY-RXEND.indicationプリミティブから受信完了トリガ信号が生成され、送信開始を示すPHY-TXSTART.requestプリミティブから送信パケットの存在を示す送信パケット存在信号が生成され、PHY-TXEND.requestプリミティブからパケット送信完了を示す送信完了トリガ信号が生成され、その送信元アドレス、受信完了トリガ信号、送信パケット存在信号、および送信完了トリガ信号に従ってタイマの動作状態が制御されるので、IEEE802.11標準に準拠した無線端末装置でキャリア検出の無効化機能を容易に且つ低コストで実現することができる。
また、請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、タイマの動作状態によって通信チャネルの使用状態を示すPHY-CCA.indicationプリミティブの値を変更して、タイマ動作中はPHY-CCA.indicationの値が未使用に固定され、データリンク層に伝えられるので、IEEE802.11標準に準拠した無線端末装置でキャリア検出の無効化機能をさらに容易に且つ低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す無線LANシステムのシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す無線LANシステム要部のタイミング図である。
【図3】本発明の一実施例を示す無線LANシステム要部の動作フロー図である。
【図4】本発明の一実施例を示す無線LANシステム要部の構成ブロック図である。
【図5】従来技術の一例を示す無線通信装置の構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 無線アクセスポイント装置、2 無線端末装置、4 物理層、5 データリンク層及びその上位層、6 ステート処理部
Claims (6)
- 無線アクセスポイント装置と複数の無線端末装置とを備えた無線LANシステムにおいて、
前記無線アクセスポイント装置内に空間分割多重アクセス手段を備えるとともに、前記無線端末装置内には前記無線アクセスポイント装置から送られてきた信号の受信を終了した時点からの所定期間までのキャリア検出を無効にするキャリア検出無効化手段を備え、
前記無線アクセスポイント装置から空間分割多重アクセスにより各無線端末装置に対応した複数の異なる信号を同時に送信し、該信号を受信した前記各無線端末装置からその無線端末装置毎に異なる信号を前記無線アクセスポイント装置に対して送信する際、前記キャリア検出無効化手段により前記キャリア検出を無効化することにより前記各無線端末装置から同時に送信することを可能にする構成にしたことを特徴とする無線LANシステム。 - 請求項1記載の無線LANシステムにおいて、キャリア検出を無効にする所定期間として、無線端末装置毎に送信すべきパケットがなくなるまでの期間、予め指定した最大の無効期間、または両者の短い方とする構成にしたことを特徴とする無線LANシステム。
- 請求項1または請求項2記載の無線LANシステムにおいて、各無線端末装置内にタイマを備え、無線アクセスポイント装置からのパケットを受信し終わったときに前記タイマを起動し、前記タイマ動作中は他の無線端末装置が信号を出しているかどうかに拘わらず、送信すべきパケットがあれば送信を行い、すべての送信すべきパケットを送信し終わるか、前記所定時間が経過し且つそのとき送信中のパケットを送信し終わった時点でタイマを停止する構成にしたことを特徴とする無線LANシステム。
- 請求項3記載の無線LANシステムにおいて、前記キャリア検出無効化手段として、IEEE802.11標準における物理層とデータリンク層との間のPHY-SAPサービスプリミティブを用い、受信開始を示すPHY-RXSTART.indicationプリミティブから受信パケットの送信元アドレスを取得し、受信終了を示すPHY-RXEND.indicationプリミティブから受信完了トリガ信号を生成し、送信開始を示すPHY-TXSTART.requestプリミティブから送信パケットの存在を示す送信パケット存在信号を生成し、PHY-TXEND.requestプリミティブからパケット送信完了を示す送信完了トリガ信号を生成し、前記送信元アドレス、受信完了トリガ信号、送信パケット存在信号、および送信完了トリガ信号に従ってタイマの動作状態を制御する構成にしたことを特徴とする無線LANシステム。
- 請求項4記載の無線LANシステムにおいて、タイマの動作状態によって通信チャネルの使用状態を示すPHY-CCA.indicationプリミティブの値を変更し、タイマ動作中は前記PHY-CCA.indicationの値を未使用に固定してデータリンク層に伝える構成にしたことを特徴とする無線LANシステム。
- 無線LANシステムにおける無線アクセスポイント装置と複数の無線端末装置との間の無線通信方法において、
前記無線アクセスポイント装置から空間分割多重アクセスにより各無線端末装置に対応した複数の異なる信号を同時に送信し、その信号を受信した前記各無線端末装置から前記無線アクセスポイント装置に対してその無線端末装置毎に異なる信号を送信する際、前記無線アクセスポイント装置から送られてきた信号の受信を終了した時点からの所定期間までのキャリア検出を無効化することにより前記各無線端末装置から同時に送信することを可能にしたことを特徴とする無線通信方法。
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