JP3858114B2 - 重錘型圧力標準器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定圧力をピストン・シリンダ機構によって力に変換し、この力を重錘(分銅)に働く重力とつり合わせて測ることにより圧力値を求める重錘型圧力標準器に関するものである。
【0002】
【背景技術】
化学工業、塑性加工工業等において、近年、特に超高圧が必要とされてきており、それに対応する各種圧力計や圧力センサが用いられている。そして、このような圧力計等の校正を行う装置として、重錘型圧力標準器が知られている。
この重錘型圧力標準器は、ピストン・シリンダ機構と重錘群とを基本構成要素とし、これに圧力発生部を付帯させて構成されている。このような重錘型圧力標準器は、超高圧に限らず、中圧から高圧領域の圧力標準器として広い圧力範囲にわたって各種圧力計や圧力センサの校正に使用されている。
【0003】
ピストン・シリンダ機構に重錘群を負荷する方式は、ピストンに重錘を負荷する実加重式であり、図14(A)に示す積載方式、図14(B)に示す調心方式、図14(C)に示す懸垂方式の3つの方式が知られている。
積載方式は、シリンダ131と、ピストン132を含み構成されるピストン・シリンダ機構133の上に、重錘130を順次積み重ねるものであるが、積み重ねる重錘130の数とともに重心の位置が高くなり、不安定になる。
調心方式は、ピストン・シリンダ機構133の、シリンダ131とピストン132との嵌合作動部に近い位置に重心がくるように重錘130群が設けられている。
懸垂方式は、ピストン・シリンダ機構133の下方に順次重錘130を吊り下げる方式であり、重心の位置が低くなり静的な安定性に優れているので、大量の重錘を負荷する高圧力の高精度標準器に用いられる方式である。
【0004】
このような重錘型圧力計の一般原理を説明すると、図15に示すように、重錘型圧力計のピストン・シリンダ機構133において重錘130が積載されているピストン132が、その底面に作用する圧力によって浮揚して平衡状態にあるとき、圧力(ゲージ圧)は、
P=W/Aで求められる(3.1)。
ここで、W:「ピストン+重錘」の空気中での質量。
A:ピストンの有効面積。
この(3.1)式は、「圧力=単位面積当たりの力」という圧力の定義式に外ならない。すなわち、重錘型圧力計の原理は、シリンダ内に緊密に嵌合し、かつ、自由に滑動するピストンを「圧力ー力」変換器に用いて、この圧力の定義を具体化したものである。
「ピストン+重錘」の空気中での質量Wは、「ピストン+重錘」の質量をM、密度をρ、空気の密度をρa、その場所の重力加速度をgとして、
W=Mg(1−ρa/ρ)(3.2)、
ピストンの有効面積Aは、ピストンの断面積をAR、シリンダの孔面積をACとして、
A=1/2(AR+AC)(3.3)、
あるいは、(3.3)を変形して、
A=AR(1+h/rR)(3.4)。
ここで、rR:ピストンの半径。
h:ピストンとシリンダとの間の隙間の幅(片側)。
で与えられる。すなわち、ピストンの断面積に環状隙間面積の半分を加えたものが有効面積(「圧力ー力」変換係数)となる。このピストンの有効面積は、重錘型圧力標準器の装置定数ともいうべき重要因子である。
上記(3.2)式および(3.3)式〔または(3.4)式〕の関係を用いてWおよびAの値を求め、それらの値を(3.1)式に代入して圧力値Pを決定する構成方法が「絶対校正法」である。
この場合、「ピストン+重錘」の質量M、重力加速度をg、ピストンの有効面積Aの単位を、それぞれ、kg、m/s2、m2にとれば、圧力Pは、N/m2、すなわちPa単位の値として得られる。このPa単位の数値に係数1/98066.5を掛ければ、圧力Pはkgf/m2単位の値に換算される。
【0005】
懸垂式の重錘型圧力標準器は、ピストン・シリンダの直径をなるべく太くすることにより、加工や測定精度がよくなり、高性能を実現させることが可能となる。従って、高圧力を発生させるためには、1個50kgや100kg等の重錘を多量に必要とすることとなり、図16に示すように、チェーン構造で連続的に繋がった重錘を加除し、所定の圧力を発生させるように構成されている。
【0006】
すなわち、懸垂式重錘型圧力標準器1は架台2を備え、この架台2は、ベースプレート3と、このベースプレート3に立設される複数の柱4と、これらの柱4の上端にわたって設けられる天板5とを含み構成されている。天板5には前記ピストン・シリンダ機構6が設けられ、このピストン・シリンダ機構6には、負荷枠7を介して、多数の重錘13を含んで構成される重錘手段8の質量を伝達する質量伝達手段9が係合するようになっている。
【0007】
負荷枠7を構成する吊下げ部材10の中心には、ボルト状の鎖部材11が垂直方向に設けられ、この鎖部材11のボルトの軸部が吊下げ部材10の係合孔に係合し、頭部がストッパとなっている。鎖部材11の軸部先端には連結部材12を介して、次の重錘13が繋がれ、この重錘13には、上記と同じように、鎖部材11、連結部材12等を介してさらに次の重錘13が繋がれ、以後順次所定数の重錘13が連続的に繋がっている。
【0008】
架台2を構成するベースプレート3の上には、重錘加除手段を構成するジャッキ15が設けられている。このジャッキ15のピストン部上端は最下段の重錘13Aの下面と係合可能となっている。従って、ジャッキ15を作動し、そのピストン部を持ち上げることにより、ピストン部の移動量に応じて、最下段側から何枚かの重錘、図16では、下から3段目までの13A,13B,13Cの3枚がピストン部上端に支持されることになり、その結果、それらの重錘13A,13B,13Cは、鎖部材11により吊り下がった状態ではなくなり、つまり、負荷が掛からないようになる。
【0009】
このように、重錘型圧力標準器1では、重錘13がチェーン構造で連続的につながって懸垂されており、ジャッキ15のピストン部が上がると、下の重錘13A等はそのピストン部に押し上げられ、上の重錘13に懸垂されなくなるので懸垂される重錘は順番に加重されなくなることになる。
【0010】
質量伝達手段9により伝達される重錘手段8の質量に対して、ピストン・シリンダ機構6に、図示しない圧力発生手段から圧油が送られ、ピストンの昇降により重錘手段8と釣り合うまで圧力を発生させる。そして、両者の釣り合いの状態は、負荷枠7の上部のボックス16に設けられた位置センサ17により検知され、制御手段側の表示部に例えばデジタル表示されるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の懸垂式重錘型圧力標準器1では、次のような問題が生じている。
すなわち、多量の重錘13をチェーン機構で連続的に吊り下げて圧力を発生させているため、重錘13を懸垂させたまま(組み込んだまま)で、任意の重錘13を個別に加除することができない。その結果、任意の圧力を発生させることができず、校正できる範囲が狭まる。
【0012】
また、高い精度を確保する上から、重錘13の質量測定を定期的に実施する必要があるが、従来の懸垂式重錘型圧力標準器1では、重錘13がチェーン機構で連続的に吊り下げられているので、ある重錘13に汚れが付着した場合等、その重錘13の質量測定を行う必要が生じた際、組み込まれた重錘13を分解してから行わなければならない。また、校正が終了した後は、再度組立てなければならず、多大な労力とコストとがかかり、危険も伴い非常に困難である。
【0013】
さらに、重錘を個別に加除するためには、重錘1個に加除機構が1式必要になる。多量の重錘は縦方向に順次組み立てるため、架台の高さが高くなって、上下方向のスペースを多く必要とするとともに、不安定であり、また、コストも高くなる。
【0014】
また、多量の重錘13をチェーン機構で連続的に吊り下げる構成であるため、例えば、低圧用に使用する重錘型圧力標準器では、一つ一つの重錘の質量も小さなものとなる。従って、そのような重錘を多数吊り下げても限度があり、高圧用とするためには、別の圧力標準器が必要となり、低圧から高圧までの広範囲の圧力を発生させるためには、複数の圧力標準器が必要である。
【0015】
本発明の目的は、重錘を組み込んだままで任意の重錘を個別に加除して任意の圧力を得ることができて校正の範囲を広げることができ、かつ、低圧から高圧までの広範囲の圧力を一つの装置で容易に発生させることができる重錘型圧力標準器を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、重錘を組み込んだままで任意の重錘の校正を行うことのできる重錘型圧力標準器を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、測定圧力をピストン・シリンダ機構によって力に変換し、この力を重錘に働く重力とつり合わせて測ることにより圧力値を求める重錘型圧力標準器であって、略平板状の多数の前記重錘を懸架する架台と、前記多数の重錘を懸架した状態でそれらの重錘のうちから任意の重錘を加除する重錘加除手段と、この重錘加除手段を駆動して任意の重錘を加除し任意の圧力を発生可能とする制御手段と、を備えて構成されており、前記架台は、基台と、この基台に立設される複数の柱と、これらの柱の上端にわたって設けられる天板と、前記各柱の高さ方向途中に水平に設けられる複数段の架台フレームとを備えて構成され、前記重錘加除手段は、前記複数段の架台フレームにそれぞれ独立して駆動可能に設けられる複数のシリンダを含み構成され、前記複数段の各段の架台フレームには、それぞれ複数の前記重錘が所定間隔を置いて上下に重なる状態に配置されると共に、これら重錘のそれぞれに対して当該重錘の周縁部に係合離脱可能に複数の前記シリンダが設けられ、これらのシリンダは、それぞれの前記重錘に対応する各シリンダ同士が平面視で互いにずれた位置に配設されていることを特徴とする重錘型圧力標準器である。
【0018】
このような本発明においては、校正する圧力計や圧力センサに対応して、重錘を組み込んだままで制御手段により重錘加除手段を駆動することにより、架台に懸架された多数の重錘の中から任意の重錘が加除される。従って、任意の圧力を発生させることができ、校正の範囲を広げることができる。
そして、架台は、基台と、複数の柱と、天板と、複数段の架台フレームとを備えて構成された簡単な構造であり、また、重錘加除手段がシリンダで形成されているので、制御が容易であるとともに、一般の市販品を使用でき、安価になり、かつ、コンパクトにまとまる。
さらに、各架台フレームに複数の重錘を設け、かつ、これら複数の重錘のそれぞれに対応するシリンダの配置位置をずらして設けたので、各シリンダ同士が互いに干渉することなく、各架台フレームに複数の重錘および複数のシリンダを設けることができる。このため、各重錘およびシリンダ等毎に架台フレームを設けた場合と比べて、高さを低くすることができ、多数の重錘全体の重心も低くなる。従って、装置全体が安定するので、高精度の圧力を発生させることができる。
【0019】
本発明において、多数の重錘の数には限定されず、また、一つ一つの重錘の質量も限定されない。所望の圧力を得られるように、適宜設定することができる。また、シリンダは、油圧あるいは空圧の何れを使用してもよい。
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項1記載の重錘型圧力標準器において、多数の重錘の中心を垂直方向に貫通するコアロッドを備え、このコアロッドには、シリンダの駆動により上下動する重錘の係合部と係合離脱可能となる係合部が形成され、係合時には重錘の質量が伝達され、離脱時には重錘の質量が伝達されないことを特徴とするものである。
【0024】
このような本発明においては、重錘とコアロッドとの係合、離脱により、重錘の質量が伝達されたり、されなかったりするようになっており、構造が簡単である。
【0025】
本発明において、重錘の係合部とコアロッドの係合部の係合状態は限定されず、例えば、コアロッドに、断面そろばん玉状、四角形状等の膨出部を設け、重錘側にその膨出部と対応する係合孔を形成する等、どのような形式でもよい。
【0026】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の重錘型圧力標準器において、シリンダには、当該シリンダにより重錘を持ち上げコアロッドとの係合を離脱させた状態を維持するロック機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0027】
このような本発明においては、重錘が急激に落下することがないので、安全であり、また、重錘やコアロッド等の破損を防止することができる。
【0028】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の重錘型圧力標準器において、ピストン・シリンダ機構は、面積の異なるピストンとシリンダとのセットが複数あり、これらのピストン・シリンダ機構は、交換可能となっていることを特徴とするものである。
【0029】
このような本発明においては、適宜、ピストン・シリンダ機構を交換することにより、広範囲の圧力を発生させることができる。
【0030】
本発明において、ピストン・シリンダ機構の面積の異なるピストンとシリンダとのセットは、例えば、2cm2、1cm2、1/2cm2、1/5cm2、1/10cm2等、どのような組み合わせとしてもよい。
【0031】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の重錘型圧力標準器の前記ピストン・シリンダ機構に替えて自己校正手段を設け、この自己校正手段により多数の重錘を架台に懸架した状態で任意の重錘の質量校正を可能とすることを特徴とする重錘型圧力標準器である。
【0032】
このような本発明においては、所定の重錘に汚れ等が付着した場合等、その重錘の構成を必要とする際でも、その重錘を分解せずに組み込んだまま自己校正手段により質量校正を行えるので、質量の定期的な校正および保守、管理が容易となり、かつ、正確な測定を短時間で再開することができる。
【0033】
以上において、自己校正手段としては質量校正を行えるものであれば、例えば、高精度の電子式はかり等、どのようなものを用いてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態においては、前記従来の懸垂式重錘型圧力標準器と異なる部分のみ詳細に説明し、その他の同一部材および同一構造には、同一符号を付すとともに、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0035】
図1,2に示すように、第1実施形態に係る重錘型圧力標準器21は、本体22と制御手段27とを備えて構成され、独立懸架式の重錘型圧力標準器となっている。
本体22は、架台2と、その架台2の上部に設置されているピストン・シリンダ機構(以下、単にシリンダ機構という)66と、そのシリンダ機構66に係合するように架台2に独立に懸架された多数の重錘40,41を含む重錘手段28とを備えて構成されている。
制御手段27は、シリンダ機構66の内圧用の加圧部24と、シリンダ機構66の外圧用の加圧部25と、重錘の加除と内圧用の加圧部24および外圧用の加圧部25をコントロールする制御部26とを備えて構成されている。
【0036】
重錘手段28を構成する多数の重錘40,41は、図2〜4に示すように、独立懸架式重錘機構により架台2に吊り下げられるようになっている。
すなわち、各柱4の高さ方向途中位置には、最下段の架台フレーム33Aおよび最上段の架台フレーム33Bを含み6段の架台フレーム33が設けられている。各架台フレーム33は、例えばアルミニウムの押し出し成形品で形成された4本のフレーム部材を、柱4間に架けわたして形成され、このような各架台フレーム33は、上下方向にそれぞれ等しい間隔で設けられている。
【0037】
各段の架台フレーム33には、図3〜5に詳細を示すように、ベースプレート35を介して、重錘加除手段を構成するエアシリンダ36,37,38が4個づつ、上下方向に作用するように設けられている。各エアシリンダ36,37,38は、制御部26からの圧力制御信号により個別に作動し、重錘40,41を上下動させることができるようになっている。
【0038】
エアシリンダ36のロッド36Aの先端には、重錘40が係合可能とされ、エアシリンダ37,38のロッド37A,38Aの先端には、2つの重錘41が係合可能とされている。
重錘40は、例えば20kgに設定されており、図3に示すように、架台フレーム33に最も近い高さ位置に配置され、20kg重錘用エアシリンダ36に係合可能となっている。
【0039】
この重錘40は、所定厚さ寸法の円盤状の板材で形成された錘部材40Aと、この錘部材40Aの外周に着脱可能に設けられるとともに、外側に突出した4つのアーム部材40Bとを含み構成されており、各部材40A,40Bの合計質量が20kgとされている。アーム部材40Bの一部には、エアシリンダ36のロッド36A先端と係合する係合孔40Cがあけられている。また、錘部材40Aの中心には円錐状の係合孔40Dがあけられており、この係合孔40Dは、重錘40,41とともに重錘手段28を構成するコアロッド60と係合、離脱可能となっている。
【0040】
重錘41は、例えば100kgに設定されており、図3に示すように、重錘40の上方に順に配置され、それぞれ100kg重錘用エアシリンダ37,38に係合可能となっている。これらの重錘41は、所定厚さ寸法の円盤状の板材で形成された錘部材41Aと、この錘部材41Aの外周に着脱可能に設けられるとともに、外側に突出した4つのアーム部材41Bとを含み構成されており、各部材41A,41Bの合計質量が100kgとされている。アーム部材41Bの一部には、エアシリンダ37,38のロッド37A,38Aの先端と係合する係合孔41Cがあけられている。
【0041】
また、錘部材41Aの中心には円錐状の係合孔41Dがあけられており、この係合孔41Dは、コアロッド60と係合、離脱可能となっている。この係合孔41Dは、上部側がコアロッド60の軸部材60Aを挿通可能とする大きさの小径部、下部側がコアロッド60の膨出部60B外周と係合する大径部、中央部がコアロッド60の軸部材60Aと膨出部60Bとを結ぶ傾斜部と係合する係合部となっている。このような錘部材41Aの係合孔41Dに臨む周囲には、リング状の錘調整部材42が着脱可能に取り付けられており、100kg用重錘41の微調整を行うようになっている。
【0042】
このような100kg重錘用のエアシリンダ37,38および20kg用重錘40用のエアシリンダ36は同じ架台フレーム33に設けられており、3組の重錘40,41,41が1セットとして設けられていることになる。そのため、各エアシリンダ36〜38の配置位置は、図5(A),(B),(C)に示すように、互いに干渉しないように、図5(C)の20kg用重錘40を基準として、例えばほぼ30°づつ左右に振り分けられている。
そして、このような20kg用重錘40、2つの100kg用重錘41のセットが最下段から上方5段までの架台フレーム33に設けられている。
従って、1段で20kg+100kg×2=220kgなので、5段では合計1100kgの質量となっている。
【0043】
前記コアロッド60は、前述のように、軸部材60Aと膨出部60Bとを有する形状とされ、膨出部60Bを上方に軸部材60Aを下方に向けて配置され、膨出部60Bの内部には雌ねじが切られ、軸部材60Aの下部先端には雄ねじが切られている。このようなコアロッド60は、図3,4に示すように、2つの重錘40,41、あるいは重錘41,41にわたる長さに形成されている。最下段のコアロッド60の場合は、アーム部材40Bをエアシリンダ36のロッド36Aに係合させて設けた後に、最下段のコアロッド60の軸部材60Aを、20kg用重錘40の錘部材40Aのコア取り付け孔40Dに挿通させるとともに、その先端の雄ねじ部に、傾斜部を有する抜け止め用のナット61を螺合させて、20kg用重錘40を取り付けるようになっている。
【0044】
100kg用重錘41とコアロッド60との関係も上記と同様である。
すなわち、重錘41のアーム部材41Bをエアシリンダ37,38のロッド37A,38Aに係合させるとともに、先に設けられたコアロッド60の膨出部60Bに錘部材41Aのコア取り付け孔41Dを挿通させて設ける。そして、次のコアロッド60の先端雄ねじ部を先のコアロッド60の雌ねじ部に螺合させて順次継ぎ足して行く。
【0045】
各エアシリンダ36〜38は、圧力制御信号により個別に作動し重錘40,41を上下動させる。重錘40,41を下げた時は、図4に示すように、コアロッド60に吊り下がり、コアロッド60は、負荷枠47を構成する支持部材45に吊り下げられているのでピストンに質量が作用し圧力が発生する。重錘40,41を上げた時は、その重錘40,41はコアロッド60から解放されるので、重錘分に対応する圧力は発生しない。
【0046】
これに対して、前記最上段の架台フレーム33Bには、図6〜8に示すように、前記重錘40,41とともに、重錘手段28を構成する低圧用の重錘装置が設けられている。
すなわち、架台フレーム33Bの上方には、負荷枠47を構成する所定厚さ寸法の支持部材45が配置されており、この支持部材45の中心には、コアロッド60を挿通可能とさせるコア取り付け孔45Aが形成されている。また、支持部材45の両側には、それぞれ負荷枠47を構成するガイド部材46が取り付けられている。
【0047】
支持部材45の上面には、正方形状のプレート重錘48が固着されており、このプレート重錘48には、2本のガイド部材46およびコア取り付け孔45Aを結ぶ線Aを中心とする線対称位置に、軽い質量の重錘を装着する装着孔が複数形成されている。例えば、2.5kg重錘50用の装着孔48Bが線A寄りの中心側に4組、0.5kg重錘51用の装着孔48Cが線対称位置外側に5組あけられ、4組の装着孔48Bには2.5kg重錘50が、5組の装着孔48Cには0.5kg重錘51がそれぞれ上下方向にスライド自在に設けられている。
【0048】
従って、支持部材45には、2.5kg×2×4+0.5kg×2×5=25kgの質量がかかっており、装置全体としては、重錘40,41および重錘50,51の合計質量1125kgがかかり、それに相当する圧力計を構成することができることになる。
【0049】
ここで、プレート重錘48の装着孔48B,48Cは、上部が広くなった断面逆円錐状に形成されている。一方、各重錘50,51は、小径部と大径部とそれらを結ぶ傾斜部とを有し、傾斜部がプレート重錘48の装着孔48B,48Cの逆円錐状部と係合し、大径部がストッパとなっている。
なお、プレート重錘48の中心には、支持部材45のコア取り付け孔45Aに対応するコア取り付け孔48Aが形成されている。
【0050】
このような各重錘50,51には、それぞれに対応するエアシリンダ53,54が設けられ、各エアシリンダ53,54は、架台プレート55を介して前記架台フレーム33Bに取り付けられている。従って、例えば、2.5kg重錘50用のエアシリンダ53および0.5kg重錘51用のエアシリンダ54を駆動してそれぞれのロッド53A、54Aを伸ばせば、図7に示すように、2.5kg重錘50および0.5kg重錘51が上方に押し上げられ、2.5kg重錘50および0.5kg重錘51とプレート重錘48との係合が外れるので、荷重は支持部材45に掛からない。
【0051】
これに対して、上記状態からエアシリンダ53,54を駆動してそれぞれのロッド53A、54Aを縮めれば、図8に示すように、2.5kg重錘50および0.5kg重錘51が自重で下がり、2.5kg重錘50および0.5kg重錘51とプレート重錘48とが係合するので、荷重は支持部材45に掛かることになる。
なお、最上段のコアロッド60は、図2に示すように、コアロッド60の軸部材60Aを支持部材45およびプレート重錘48のコア取り付け孔45A、48Aから差し込み、軸部材60Aの先端雄ねじ部をコアロッド60の膨出部60Bの雌ねじ部に螺合するとともに、軸部材60Aの上端部のナット部62で、支持部材45およびプレート重錘48からの抜け落ちを防止している。
【0052】
エアシリンダ53,54は、圧力制御信号により一組の重錘50等毎に作動してその重錘50等を上下動させる。重錘50等を下げた時は、プレート重錘48上に加重され、負荷枠47を介してピストンに質量が作用して圧力が発生する。これに対して、重錘50等を上げた時は、プレート重錘48から開放されて、重錘分に対応する圧力は発生しない。
【0053】
図7〜9には、前記エアシリンダ36〜38のロック機構110が示されている。このロック機構110は、各エアシリンダ36〜38および各エアシリンダ53,54で重錘40,41,50,51を持ち上げ、コアロッド60との係合を離脱させた状態を維持するもので、空圧(エアシリンダ)入り口115から空圧を注入してピストン112を押し上げた状態では、ロックピストン114がシリンダ36等の溝36Bに差し込まれたロック状態である。
ロック状態を解除するには、解除用空圧入り口118から空圧を注入してロックピストン114をばね117の付勢に抗して押し戻して溝36Bから脱出させる。このように、機械的なロック機構を設け、長期間コアロッド60との係合の離脱状態を維持するために空圧を注入し続ける必要がないように構成されている。
【0054】
図2に示すように、ガイド部材46は、天板5を貫通して上方に延びており、その上端間には、負荷枠47を構成する上枠部材49が架けわたされ、上枠部材49の中央部には、重錘手段28の質量を伝達する質量伝達手段65が設けられている。この質量伝達手段65は、上枠部材49内に収容され、図示しない軸受けを介して図10に示すような回転自在な軸体64を備えている。
そして、以上の重錘40,41,50,51、コアロッド60、負荷枠47および質量伝達手段65を含んで前記重錘手段28が構成されている。
【0055】
質量伝達手段65からの質量は、質量伝達手段65の下方に設けられている前記ピストン・シリンダ機構66に伝達される。このピストン・シリンダ機構66は、図2に示すように、受台67に着脱可能に設けられ、この受台67は、支持柱68で支持されて天板5に固定されている。
【0056】
図10に示すように、ピストン・シリンダ機構66は、ハウジング69を備え、このハウジング69の上部外周には、軸受け70を介して回転自在なプーリ71が設けられている。ハウジング69の内部には、垂直方向に筒状のスリーブ72が嵌めこまれ、スリーブ72内にはシリンダ73が嵌入されている。
【0057】
シリンダ73の内部にはピストン74が垂直方向移動自在に設けられ、ピストン74は、シリンダ73の上面に設けられたヘッド75内に圧入されて一体化されている。ハウジング69の下部には、上面をシリンダ73の下面と当接させてプラグ76がねじ込まれており、このプラグ76に取り付けられた、例えば、高圧チューブで形成される前記内圧用配管30から、プラグ76の油孔76Aを通り、シリンダ73の下部に設けられた油室73Aに圧油が送られ、ピストン74を上下方向にスライドさせることができるようになっている。つまり、圧力を掛けることができるようになっている。
ヘッド75の上端には円錐状の窪み75Aが形成されており、この窪み75A内に鋼球80が収容されている。
【0058】
プーリ71の上面には、ピン状の係合部材81が設けられ、この係合部材81は、前記質量伝達手段65の係合部材63と係合し、この係合部材63は質量伝達手段65の軸体64と連結されている。従って、プーリ71の回転は、係合部材81,63同士の係合により質量伝達手段65の軸体64の回転となり、その回転は鋼球80に伝達される。鋼球80には、重錘手段28の質量が掛かっていることから、大きな力で押さえつけられながら回転することになり、その結果、ヘッド75と一体となったピストン74が連れ回りすることになる。
このように、ピストン74を回転させることで、ピストン74とシリンダ73との摩擦を少なくし、感度を向上させるようになっている。
【0059】
鋼球80に掛かった重錘手段28の質量に対して、内圧用配管30から送られた圧油によりピストン74が押し上げられ、その圧力と重錘手段28の質量との釣り合い状態は、質量伝達手段65の上方のボックス16に設けられた位置センサ17で検知され、その情報は、制御手段側に例えばデジタル表示されるようになっている。
【0060】
スリーブ72の外周一部には幅広の溝72Aが切られ、その溝72Aには、シリンダ73に連通する孔72Bが外周複数箇所にあけられている。また、溝72Aには、ハウジング69の外周に取り付けられた高圧パイプを含み構成された外圧用配管31から、ハウジング69内の油孔69Aを通って、圧油が送られるようになっており、シリンダ73に外圧を掛けるようになっている。そして、高圧がかかって膨らもうとするシリンダ73の膨らみを押さえ、ピストン74との間隙を調整することができるようになっている。
【0061】
このようなピストン・シリンダ機構66は、予め、圧力の異なる複数種が揃えられ、適宜、それらを交換して用いることができるようになっている。
すなわち、面積の異なるピストン・シリンダが設けられた複数のハウジングは、軸受け70および受台67に容易に着脱できるようになっている。
各種のピストン・シリンダ機構66の例としては、図示しないが、例えば、2cm2、1cm2、1/2cm2、1/5cm2、1/10cm2等の面積の異なるピストン・シリンダがハウジング69内にセットされている。
ここで、1セットの重錘を用いて、2cm2相当のピストン・シリンダ機構で、例えば、最大50MPa発生した場合に、1cm2では100MPa、1/2cm2では200MPa、1/5cm2では500MPa、1/10cm2では1GPaの圧力が発生し、ピストン・シリンダの面積に対応する圧力を発生させることができる。
【0062】
図1における制御手段27の近傍には、図11に示すような操作手段を構成する操作卓85が配置されており、この操作卓85の上には、制御部に操作信号を送ったり、稼働情報のやり取りを行うタッチパネルやピストンの回転状況を監視するカメラモニタ86が設置されている。なお、必要に応じて、計測データを処理するパーソナルコンピュータを設置してもよい。操作卓85の操作側左右には、シリンダ機構66の内圧側と外圧側の圧力を調整するハンドル87,88が図示しない微調整ポンプに接続されている。そして、ハンドル87,88を操作することで、ピストン位置を微妙に変化させ、特性の変化を試験することができるようになっている。
【0063】
図12には、制御手段27の構成が示されている。
本圧力標準器21では、通信ユニット90、アナログ入力ユニット91、接点入力ユニット92、接点出力ユニット93と、それらを制御するCPUユニット94からなる前記制御部であるプログラマブルコントローラ26により、各種機器の操作を行うようになっている。
【0064】
通信ユニット90では、タッチパネル97との操作信号・装置情報のやりとり及び、データベース用コンピュータへのデータの受けわたしを行う。
アナログ入力ユニット91では、圧力センサ98の信号の受け取り、増圧器位置センサの信号の受け取り及び、重錘手段28のピストン・シリンダの位置・回転・温度センサ99の信号の受け取りを行う。
【0065】
接点入力ユニット92では、操作手段84の押しボタンスイッチ100、制御手段27の予圧ポンプの位置検出スイッチ101から出る信号の受け取り、ブレーカ等の警報接点信号の受け取り及び、重錘手段28におけるエアシリンダの位置検出スイッチ102の信号の受け取りを行う。
【0066】
接点出力ユニット93では、操作手段84の表示灯103、制御手段27の払い・止め用電磁弁104の制御、予圧ポンプの切り換え用電磁弁104の制御、油圧ユニット用モータ104の制御、重錘手段のエアシリンダの切り換え用電磁弁105の制御及び、プーリ71の回転用モータ105の制御を行う。
CPUユニット94では、各ユニットを制御するために構築されたラダーシーケンスプログラムにより演算を行う。
【0067】
また、前記内圧用配管30および外圧用配管31に圧油を送る油圧ユニットのポンプは、それぞれ、所定の圧力が発生するように、図示しない圧力制御弁により設定されており、圧力センサと圧力計により制御と監視がされるようになっている。
【0068】
次に、このような重錘型圧力標準器21の作用を説明する。
上枠部材49に設けられた質量伝達手段65をシリンダ機構66と係合させて設けた架台2に、順次、20kg用重錘40および100kg用重錘41を、コアロッド60を順次連結させながら懸架させて取り付ける。この際、架台2を構成する5段の架台フレーム33にそれぞれエアシリンダ36〜38を取り付けるとともに、当該エアシリンダ36〜38およびコアロッド60に支持させて、20kg用重錘40および100kg用重錘41を取り付ける。
【0069】
検査したい所望の圧力計や圧力センサを内圧用配管30の途上に取り付け、その圧力計や圧力センサの校正を行う。この際、圧力計が、例えば高圧用のものであれば、その圧力値に相当する重錘を準備する。例えば、5段の架台フレーム33にすべての重錘を吊り下げたい場合、制御手段により各架台フレーム33に設けられている20kg用重錘40および100kg用重錘41用のエアシリンダ36〜38を駆動させ、それぞれのロッド36A,37A,38Aを後退させた後、コアロッド60に係合させて吊り下げる。
【0070】
重錘手段28の質量が、質量伝達手段65からシリンダ機構66に伝達された時点で、制御手段側からシリンダ73の油室73Aに圧油が送られ、ピストン74が上昇し、所定の圧力が得られる。この際、重錘手段28の質量と圧力との釣り合いは、ボックス16に設けられた位置センサ17により検出され、制御手段側に例えばデジタル表示される。
【0071】
検査したい所望の圧力計や圧力センサが、最上段の架台フレーム33Bに設けられる軽量の重錘50,51で校正できるような低圧用の場合、その圧力値に相当する重錘を準備する。
まず、5段の架台フレーム33すべての重錘を、エアシリンダ36〜38を駆動させてそれぞれのロッド36A,37A,38Aを前進させ20kg用重錘40および100kg重錘51を持ち上げ、コアロッド60との係合を離脱させた状態とする。そして、各エアシリンダ36等のロック機構110を作動させ、ロックピストン114をシリンダ36等の溝36Bに差し込み、ロッド36Aが下方向に移動することができないようにロックする。
【0072】
一方で、最上段の架台フレーム33Bに設けられている各エアシリンダ53,54を駆動してそれぞれのロッド53A,54Aを後退させ、全部の重錘50,51を重錘プレート48の係合孔48Bに係合させる。そして、それらの質量が、質量伝達手段65からシリンダ機構66に伝達された時点で、制御手段28からシリンダ機構66のシリンダ73の油室73Aに圧油が送られ、ピストン74が上昇し、所定の圧力が得られる。
【0073】
シリンダ機構66の圧力と、重錘手段28側の質量とが釣り合った状態で、校正する所定の圧力計や圧力センサを順次検査する。
【0074】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 重錘手段28を構成する重錘40,41,50,51は、それぞれが独立して架台2に懸架され、かつ、エアシリンダ36〜38、53,54により、それぞれ個別に駆動されるので、重錘を組み込んだ状態でも、必要とする圧力に応じて任意の重錘を加除することができる。従って、任意の圧力値を求めることができ、構成の範囲が広がる。
【0075】
(2) 5段の各段の架台フレーム33に、20kg用重錘40および100kg用重錘41を、それら用のエアシリンダ36〜38の配置位置をずらして設けたので、各重錘40等およびエアシリンダ36等毎に架台フレームを設けた場合と比べて、高さを低くすることができ、重錘手段28全体の重心も低くなる。従って、装置全体が安定するので、高精度の圧力を発生させることができる。
【0076】
(3) 重錘手段28は、5段の架台フレーム33に設けられた合計1100kg用の重錘、および最上段の架台フレーム33Bに設けられた合計25kg用の重錘を含んで構成され、所望の圧力に応じて、高圧用、低圧用として使い分けることができ、1台の装置で、低圧から高圧にわたる圧力を得ることができる。
【0077】
(4) ピストン・シリンダ機構66のハウジング69は、面積の異なるピストン・シリンダがセットされたものが複数種あり、それらを適宜選択して交換することができる。従って、圧力に応じた複数の重錘を維持管理する必要がなく、1セットの重錘の保守と特性の維持管理をするだけで、高精度、広範囲の圧力を発生させることができる。
【0078】
(5) 重錘加除手段を構成する架台フレーム33に設けられたエアシリンダ36〜38は、それぞれ4個で構成されているので、バランスよく重錘40等を昇降させることができ、正確な圧力を得ることができる。
【0079】
(6) コアロッド60は、2つの重錘40,41あるいは41,41間にわたる長さ寸法に形成され、ねじ結合で連結することができるので、1本の長いコアロッドを使用する場合に比べて、軽量で、取り扱いが容易となる。
(7) エアシリンダ36〜38には、ロック機構110が設けられているので、常時シリンダに圧力を掛けておく必要もなく、安心してメンテナンスもできる。 (8) 重錘40,41,50,51の制御を行うエアシリンダ36〜38、53,54は、一般的な市販のエアシリンダを使用することができるので、重錘加除手段の製作が安価にできる。
【0080】
次に、図13に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。
この実施形態で前記実施形態と同一部材および同一構造には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態の圧力標準器121は、重錘手段28の重錘40等を自己で校正することができる自己校正式重錘型圧力標準器であり、前記第1実施形態のピストン・シリンダ機構66を取り外し、それに替えて自己校正手段としての電子式はかり122を設け、この電子式はかり122により、重錘手段28の重錘40,41,50,51の校正を行うものである。電子式はかり122は、前記受台67上に載置され、その上端部には、前記質量伝達手段65の軸体64が係合されるようになっている。
【0081】
そのため、低圧用の重錘50,51および高圧用の各段の重錘40,41等から任意の重錘を選択して、その重錘の校正を行うことができる。
例えば、最下段の架台フレーム33Aに設けられた20kg用重錘40を校正する場合、この20kg用重錘40を除く他のすべての重錘40,41,50,51を、エアシリンダ36〜38、53,54の駆動により持ち上げ、負荷がかからない状態にしておいて、スイッチオンして電子式はかり122を作動させて校正を行う。
【0082】
このような本実施形態によれば、前記(5) 〜(8) の効果と同様の効果の他、次のような効果を得ることができる。
(9) 所定の重錘に汚れ等が付着した場合等、その重錘の構成を必要とする際でも、その重錘を分解せずに組み込んだまま電子式はかり122により質量校正を行えるので、質量の定期的な校正および保守、管理が容易となり、かつ、正確な測定を短時間で再開することができる。
【0083】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次に示すような変形形態でもよいものである。
例えば、前記実施形態では、高圧用として5段の架台フレーム33にそれぞれ20kg用重錘40および100kg用重錘41からなるセットを取り付けたが、これに限らない。5段以上でもよく、5段以下でもよい。
【0084】
また、各架台フレーム33に取り付ける重錘は、20kg用重錘40、100kg用重錘41の組み合わせに限らず、質量の異なる他の重錘の組み合わせでもよく、さらに、セットも3個の重錘に限らず、2個のセット、4個のセット等任意である。
【0085】
また、前記実施形態では、最上段の架台フレーム33Bに設けられる低圧用の重錘50,51は、一対で1kgの重錘が5組、一対で5kgの重錘が4組設けられているが、これに限らず、一対で1kg以上、あるいは1kg以下の重錘とし、それらを5組以上、あるいは5組以下設けてもよく、5kg以上あるいは5kg以下の重錘とし、それらを4組以上、あるいは4組以下設けるようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の重錘型圧力標準器によれば、校正する圧力計や圧力センサに対応して、重錘を組み込んだままで制御手段により重錘加除手段を駆動することにより、架台に懸架された多数の重錘の中から任意の重錘が加除される。従って、任意の圧力を発生させることができ、校正の範囲を広げることができる。
【0087】
また、本発明の他の重錘型圧力標準器によれば、所定の重錘に汚れ等が付着した場合等、その重錘の構成を必要とする際でも、その重錘を分解せずに組み込んだまま自己校正手段により質量校正を行えるので、質量の定期的な校正および保守、管理が容易となり、かつ、正確な測定を短時間で再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の重錘型圧力標準器を示す全体図である。
【図2】前記実施形態の重錘型圧力標準器の本体を示す全体図である。
【図3】前記実施形態の重錘手段の一部を示す部分断面図である。
【図4】前記実施形態の重錘手段の一部を示す部分断面図である。
【図5】前記実施形態の重錘手段と重錘加除手段との配置関連を示す平面図である。
【図6】前記実施形態の重錘手段の一部を示す平面図である。
【図7】図6におけるVII ―VII 線に沿った縦断面で負荷がかからない状態を示す図である。
【図8】図6におけるVII ―VII 線に沿った縦断面で負荷がかかった状態を示す図である。
【図9】前記実施形態の重錘加除手段のロック機構を示す縦断面図である。
【図10】前記実施形態のピストン・シリンダ機構を示す縦断面図である。
【図11】前記実施形態の操作手段を示す斜視図である。
【図12】前記実施形態の重錘型圧力標準器の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る第2実施形態の重錘型圧力標準器を示す全体図である。
【図14】本発明の従来の重錘型圧力標準器を示す縦断面図である。
【図15】本発明の重錘型圧力標準器の原理を示す図である。
【図16】本発明の従来の重錘型圧力標準器を示す一部断面の全体図である。
【符号の説明】
2 架台
21 重錘型圧力標準器
22 本体
27 制御手段
28 重錘手段
33 架台フレーム
36〜38、53,54 重錘加除手段を構成するエアシリンダ
40 重錘手段を構成する20kg用重錘
41 重錘手段を構成する100kg用重錘
47 重錘手段を構成する負荷枠
50 重錘手段を構成する2.5kg用重錘
51 重錘手段を構成する0.5kg用重錘
60 重錘手段を構成するコアロッド
65 質量伝達手段
66 ピストン・シリンダ機構
80 質量伝達手段を構成する鋼球
110 ロック機構
121 重錘型圧力標準器
122 自己校正手段を構成する電子式はかり

Claims (5)

  1. 測定圧力をピストン・シリンダ機構によって力に変換し、この力を重錘に働く重力とつり合わせて測ることにより圧力値を求める重錘型圧力標準器であって、
    略平板状の多数の前記重錘を懸架する架台と、
    前記多数の重錘を懸架した状態でそれらの重錘のうちから任意の重錘を加除する重錘加除手段と、
    この重錘加除手段を駆動して任意の重錘を加除し任意の圧力を発生可能とする制御手段と、を備えて構成されており、
    前記架台は、基台と、この基台に立設される複数の柱と、これらの柱の上端にわたって設けられる天板と、前記各柱の高さ方向途中に水平に設けられる複数段の架台フレームとを備えて構成され、
    前記重錘加除手段は、前記複数段の架台フレームにそれぞれ独立して駆動可能に設けられる複数のシリンダを含み構成され、
    前記複数段の各段の架台フレームには、それぞれ複数の前記重錘が所定間隔を置いて上下に重なる状態に配置されると共に、これら重錘のそれぞれに対して当該重錘の周縁部に係合離脱可能に複数の前記シリンダが設けられ、これらのシリンダは、それぞれの前記重錘に対応する各シリンダ同士が平面視で互いにずれた位置に配設されている
    ことを特徴とする重錘型圧力標準器。
  2. 請求項1に記載の重錘型圧力標準器において、
    前記多数の重錘の中心を垂直方向に貫通するコアロッドを備え、
    このコアロッドには、前記シリンダの駆動により上下動する前記重錘の係合部と係合離脱可能となる係合部が形成され、係合時には前記重錘の質量が伝達され、離脱時には前記重錘の質量が伝達されないことを特徴とする重錘型圧力標準器。
  3. 請求項2に記載の重錘型圧力標準器において、
    前記シリンダには、当該シリンダにより前記重錘を持ち上げ前記コアロッドとの係合を離脱させた状態を維持するロック機構が設けられていることを特徴とする重錘型圧力標準器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の重錘型圧力標準器において、
    前記ピストン・シリンダ機構は、面積の異なるピストンとシリンダとのセットが複数あり、これらのピストン・シリンダ機構は、交換可能となっていることを特徴とする重錘型圧力標準器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の重錘型圧力標準器の前記ピストン・シリンダ機構に替えて自己校正手段を設け、この自己校正手段により前記多数の重錘を前記架台に懸架した状態で任意の重錘の質量校正を可能とすることを特徴とする重錘型圧力標準器。
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