JP3856718B2 - Gas barrier resin composition and gas barrier film molded therefrom - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスバリア性の樹脂組成物及びこれを用いたガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品の包装分野において、内容物の品質劣化を防ぐ目的で、酸素ガスバリア性等のガスバリア性に優れている包装材料が使用されている。このようなガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルム、ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルム等が知られている。特に、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、食品包装用として幅広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ポリ塩化ビニリデンを積層したフィルムは、近年のダイオキシンをはじめとする環境問題から、使用が控えられる傾向にある。
【0004】
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いたフィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂が水酸基を含有するため、高湿度下でのガスバリア性が低下する問題点を有する。これに対し、例えば特開平10−237180号公報には、ポリアルコール系樹脂とポリアクリル酸又はポリメタクリル酸の部分中和物とをエステル架橋及びイオン架橋した樹脂をコートしたフィルムが開示されている。このフィルムは、高湿度下でのガスバリア性が向上するものの、エステル化反応を行うために高温・長時間の反応が必要となり、また、生産性が問題となる。さらに、得られるコート層が着色するという問題点を有する。
【0005】
また、特開2001−310425号公報には、ポリアクリル酸と架橋剤成分とからなるガスバリア性フィルムが開示されているが、得られるフィルムのガスバリア性は、必ずしも十分とはいい難い場合がある。
【0006】
そこで、この発明は、高湿度下でもガスバリア性を保持し、生産性の優れた着色の生じにくいガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポリカルボン酸系ポリマーと、(1)カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物、及び(2)2価以上の金属イオンとを反応させることによって、上記ポリカルボン酸系ポリマーに、上記有機金属化合物による架橋部位及び上記2価以上の金属イオンによる架橋部位を形成させ、上記のポリカルボン酸系ポリマーと有機金属化合物との重量比を99.9/0.1〜50/50とすることにより、上記の課題を解決したのである。
【0008】
カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物をポリカルボン酸系ポリマーと反応させて架橋部位を形成するので、得られる樹脂組成物の耐熱水性を向上させることができる。
また、2価以上の金属イオンによってポリカルボン酸系ポリマーに架橋部位を設けるので、得られる樹脂組成物の耐熱水性をより向上させることができると共に、高湿度下でのガスバリア性を向上させることができる。
【0009】
さらに、カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物の使用量を所定範囲とするので、最終的に得られる樹脂組成物の外観を損なうことなく高湿度下でのガスバリア性を高めることができる。さらにまた、カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物を用いることで反応条件をエステル化反応に比べて温和な条件で行うことができ、生産性を向上させることができる。また、カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物と2価以上の金属イオンによって架橋させるので、生産性の向上と共に、耐熱水性とガスバリア性をさらに向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物は、ポリカルボン酸系ポリマーと、(1)カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物(以下、「特定有機金属化合物」と称する。)、及び(2)2価以上の金属イオンとを反応させることによって、上記ポリカルボン酸系ポリマーに、上記特定有機金属化合物による架橋部位及び上記2価以上の金属イオンによる架橋部位を形成させた組成物である。
【0011】
上記ポリカルボン酸系ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー等のカルボキシル基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体をいう。また、上記のポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー等のカルボキシル基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体の部分中和物等があげられる。この中でも、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの部分中和物が好適である。
【0012】
上記のカルボキシル基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体を部分中和するためのアルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化金属塩、アンモニア等があげられる。上記の部分中和物は、ポリカルボン酸系ポリマー水溶液へ上記水酸化金属塩を添加し、反応させることにより得られる。
【0013】
上記部分中和物の中和度は、特に限定されないが、カルボキシル基に対するモル比で2〜30%が好ましく、5〜20%がより好ましい。2%より少ないと、上記特定有機金属化合物との反応性が低下し、生産性が低下する傾向がある。一方、30%より多いと、上記特定有機金属化合物との反応点自体が少なくなり、最終的な樹脂組成物のガスバリア性が低下する傾向がある。
【0014】
上記ポリカルボン酸系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、2000〜500,000が好ましく、20,000〜400,000がより好ましい。2000より小さいと、最終的に得られる樹脂組成物のガスバリア性が悪くなる傾向がある。一方、500,000より大きいと、水溶液とした場合の粘度が高くなりすぎるため好ましくない。
【0015】
上記の特定有機金属化合物とは、上記カルボン酸系ポリマーに架橋部位を形成させることのできる有機金属化合物をいう。このような特定有機金属化合物としては、下記一般式(1)で表されるような金属アルコキシド、金属キレート、及びこれらの部分加水分解物等であれば、特に限定されない。
【0016】
R1 mM(OR2)n (1)
上記式(1)中において、Mはチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素からなる群から選択される金属元素である。
また、mは0又は正の整数、nは1以上の整数を表し、m+nは金属元素Mの原子価と一致する。
さらに、R1は水素原子、酸素原子、水酸基、アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基、アミノ基、アルキルアミノ基等を表し、mが2以上の場合、それぞれのR1は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
さらにまた、R2は水素原子、アルキル基、アシル基、カルボキシアシル基、アリール基、不飽和脂肪族残基等を表し、nが2以上の場合、それぞれのR2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0017】
上記の特定有機金属化合物を用いることにより、炭酸ジルコニウムアンモニウム等の無機金属錯体等に比べて、より良好なガスバリア性樹脂組成物を得ることができる。これは、上記無機金属錯体は、水溶液中ではたやすく分解するため、添加直後にポリカルボン酸系ポリマーのゲル化がおこり、得られるガスバリア性樹脂組成物の成形が困難となる場合があるのに対し、上記特定有機金属化合物は、水溶液中での安定性が上記無機金属錯体より高いため、添加して架橋がおこり始めるまでに成形する余裕があるからである。
【0018】
上記特定有機金属化合物の具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクタンジオレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等の有機チタン化合物、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムトリブトキシステアレート等の有機ジルコニウム化合物、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリブチレート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム有機酸キレート等の有機アルミニウム化合物、
テトライソプロピルシリケート、テトラノルマルブチルシリケート、ブチルシリケートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラメチルシリケート、ケイ素アセチルアセトネート、ケイ素テトラアセチルアセトネート、ポリケイ素アセチルアセトネート、ケイ素エチルアセトアセテート、ケイ素オクタンジオレート、ケイ素ラクテート、ケイ素トリエタノールアミネート、ポリヒドロキシケイ素ステアレート、ケイ素ノルマルプロピレート、ケイ素モノアセチルアセトネート、ケイ素ビスアセチルアセトネート、ケイ素モノエチルアセトアセテート、ケイ素ビスエチルアセトネート、ケイ素アセテート、ケイ素トリブトキシステアレート等の有機ケイ素化合物等があげられる。
【0019】
上記のポリカルボン酸系ポリマーと特定有機金属化合物との重量比は、ポリカルボン酸系ポリマー/特定有機金属化合物=99.9/0.1〜50/50がよく、99/1〜80/20が好ましい。特定有機金属化合物が0.1重量%より少ないと、樹脂組成物の耐水性が低くなる。一方、50重量%より高いと、塗工液の粘度が高くなる傾向にあり、塗工できない場合がある。
【0020】
上記の2価以上の金属イオンとは、上記ポリカルボン酸系ポリマーのカルボキシル基とイオン結合を形成し、2価以上の正イオンを有するものである。この金属イオンは、2価以上の正イオンを有するので、2つ以上のカルボキシル基とイオン結合を形成することができ、上記カルボン酸系ポリマーに架橋部位を形成させることができる。
【0021】
上記2価以上の金属イオンとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等があげられる。この中でも、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオンが好適に用いられる。これらは、少なくとも1種が使用され、1種のみの使用であっても、2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記2価の金属イオンは、アルカリ性水溶液の状態で使用されるのがよい。この状態で使用すると、金属イオンとカルボキシル基の対イオンとの交換反応が進み、イオン架橋部位が形成され、組成物が安定する。
このアルカリ水溶液としては、金属塩の水酸化物等の水溶液があげられ、アルコール等を含むアルコール性水溶液を用いてもよい。具体的には、水酸化マグネシウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化バリウム水溶液等が好適に用いられる。
【0023】
上記のガスバリア性樹脂組成物は、ポリカルボン酸系ポリマーに上記特定有機金属化合物を反応させ、次いで、2価以上の金属イオンのアルカリ性水溶液を反応させることにより製造することができる。上記の特定有機金属化合物との反応における反応条件は、上記特定有機金属化合物の種類にもよるが、100〜230℃で、1秒〜60分間が好ましい。
【0024】
また、上記の2価以上の金属イオンとの反応は、ポリカルボン酸系ポリマーと上記特定有機金属化合物との架橋反応物に上記の2価以上の金属イオンの水溶液を塗布したり、上記架橋物を上記の2価以上の金属イオンの水溶液に浸漬することによって行われる。このときの反応条件は、10〜120℃で、1秒〜60分間が好ましい。
【0025】
上記のガスバリア性樹脂組成物の成形は、ポリカルボン酸系ポリマーに特定有機金属化合物を混合した段階までで行うのがよい。加熱してポリカルボン酸系ポリマーと特定有機金属化合物との架橋反応を行って架橋部位を形成させると、成形が困難となる場合が多いからである。
【0026】
上記ポリカルボン酸系ポリマーと上記特定有機金属化合物との混合液の調製は、各成分を水に溶解させる方法、各成分の水溶液を混合する方法等が適用できる。また、水以外にアルコール等の溶剤、水/アルコール等の混合溶媒を用いてもよい。
【0027】
成形方法としては、上記混合液を、Tダイ等から押し出して加熱することにより、膜状に成形してフィルムとする方法、上記混合液をガラス板やプラスチックフィルム等へ流延して膜状に成形する方法、上記混合液を基材の少なくとも片面に塗工して加熱することにより、フィルムを基材に積層した積層体を製造する方法、上記混合液を基材の原料樹脂と共押出しながら加熱することにより、フィルムを基材に積層した積層体を製造する方法、上記のTダイ等から押し出し、加熱して得られたフィルムを基材に接合することにより、フィルムを基材に積層した積層体を製造する方法等があげられる。
【0028】
得られたフィルム又は積層体の上記混合液塗布層側に、2価以上の金属イオンの水溶液を塗布したり、上記フィルム又は積層体を上記の2価以上の金属イオンの水溶液に浸漬して反応させることにより、2価以上の金属イオンによる架橋部位を形成させ、ガスバリア性を有するフィルム又は積層体が得られる。
【0029】
上記基材としては、上記ガスバリア性樹脂組成物を積層することにより積層体全体にガスバリア性が付与されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の合成樹脂や、セロハン、紙等のセルロース材料等があげられる。また、上記基材の形状としては、フィルム状、シート状、各種容器等の成形体等、任意の形状を採用することができる。
【0030】
この発明においては、上記のポリカルボン酸系ポリマーと特定有機金属化合物とを含む溶液中に、水膨潤性のバーミキュライトやモンモリロナイト等の無機平板状粒子を添加することができる。これを成形することによって、最終的なガスバリア性組成物の性能をさらに高めることができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明する。まず、使用した物質、評価方法、及びポリアクリル酸の部分中和物の調製法について示す。
(ポリカルボン酸系ポリマー)
・ポリアクリル酸:和光純薬工業(株)製、試薬一級、重量平均分子量約25万
(架橋剤)
・チタンラクテート:チタンラクテート−イソプロピルアルコール溶液(松本製薬工業(株)製 TC−310)
・酢酸ジルコニウム:酢酸ジルコニウム水溶液(松本製薬工業(株)製 ZB−115)
・ポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製;ポリビニルアルコール1000、完全ケン化型)(以下、「PVA」と略する。)
・デンプン:溶性デンプン(キシダ化学(株)製;試薬)
・炭酸ジルコニウムアンモニウム:炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液(キシダ化学(株)製;試薬)
【0032】
[酸素透過度]
酸素透過試験器(Modern Contorol社製;OX−TRAN2/20)により、対象のフィルムの23℃、相対湿度80%の雰囲気下における酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度は、フィルムの厚みやガスバリア性樹脂組成物層の厚み等によって変化するので、下記の式にしたがって、ガスバリア性樹脂組成物層1μmあたりの酸素透過度を算出した。
1/Ptotal=1/Psample+1/Pbase
上記式において、Ptotalは測定結果を、Psampleはガスバリア性樹脂組成物層の酸素透過度を、Pbaseは基材フィルムの酸素透過度を示す。
【0033】
[耐熱水性]
80℃の温水中に、対象のフィルムを30分間浸漬し、ガスバリア性樹脂組成物層の重量減少を測定した。その結果を、下記の基準で評価した。
○:重量の残存率が100%
△:重量の残存率が50%以上100%未満
×:重量の残存率が50%未満
【0034】
[外観]
対象のフィルムの外観を下記の基準で評価した。
○:基材フィルムのみと比較して差なし
×:着色する
××:ガスバリア性樹脂組成物層が剥離・膨潤する
【0035】
[ポリアクリル酸の部分中和物の調製]
ポリアクリル酸をイオン交換水に固形分5重量%となるように溶解した。ポリアクリル酸のカルボキシル基に対して、10モル%の水酸化ナトリウムを添加し、中和度10%のポリアクリル酸部分中和物(以下、「PAA−Na」と略する。)を調製した。
【0036】
(実施例1〜7)
上記のPAA−Naの固形分に対して表1に示す配合比となるようにPAA−Na水溶液に表1に記載の架橋剤を混合した。これらの混合水溶液を延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:E5100、厚さ:12μm)のコロナ処理面に乾燥後の塗膜厚みが1μmとなるように、メイヤーバーで塗工した。80℃で2分間乾燥後、表1に記載の熱処理温度で5分間、熱風乾燥機中で熱処理を行った。
次いで、表1に示す金属イオン水酸化物(和光純薬工業(株)製;試薬)の0.2重量%水溶液に30分間浸漬処理を行い、イオン架橋を行った。その後、水洗して100℃で2分間乾燥を行い、積層体フィルムを得た。
得られた積層体フィルムを用いて、上記の方法にしたがって、酸素透過度、耐熱水性、及び外観について評価した。
【0037】
(比較例1〜5)
上記のPAA−Naの固形分に対して表1に示す配合比となるようにPAA−Na水溶液に表1に記載の架橋剤を混合した。これらの混合水溶液を用いて実施例1と同様にして、熱処理、イオン架橋及び乾燥を行って積層体フィルムを得た。得られた積層体フィルムを用いて、上記の方法にしたがって、酸素透過度、耐熱水性、及び外観について評価した。
【0038】
(比較例6)
イオン架橋及びその後の操作をしなかった以外は、実施例1と同様にして積層体フィルムを得た。得られた積層体フィルムを用いて、上記の方法にしたがって、酸素透過度、耐熱水性、及び外観について評価した。
【0039】
(比較例7)
第1段目の架橋剤を添加せず、熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして積層体フィルムを得た。得られた積層体フィルムを用いて、上記の方法にしたがって、酸素透過度、耐熱水性、及び外観について評価した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
この発明にかかるガスバリア性樹脂組成物及びこれから得られるフィルム又は積層体は、特定有機金属化合物によってポリカルボン酸系ポリマーに架橋部位を設けるので、得られる架橋されたポリカルボン酸系ポリマーの耐熱水性を向上させることができる。
【0042】
また、2価以上の金属イオンによってポリカルボン酸系ポリマーに架橋部位を設けるので、耐熱水性をより向上させることができると共に、高湿度下でのガスバリア性を向上させることができる。
【0043】
さらに、特定有機金属化合物の使用量を所定範囲とするので、最終的に得られる樹脂組成物の外観を損なうことなく高湿度下でのガスバリア性を高めることができる。
【0044】
さらにまた、特定有機金属化合物を用いることで反応条件をエステル化反応に比べて温和な条件で行うことができ、生産性を向上させることができる。また、特定有機金属化合物と2価以上の金属イオンによって架橋させるので、生産性の向上と共に、耐熱水性とガスバリア性をさらに向上させることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas barrier resin composition and a gas barrier film using the same.
[0002]
[Prior art]
In the field of food and medicine packaging, packaging materials having excellent gas barrier properties such as oxygen gas barrier properties are used for the purpose of preventing quality deterioration of contents. As such a gas barrier film, a film in which polyvinylidene chloride is laminated, a film using a polyvinyl alcohol resin, and the like are known. In particular, a film in which the above-mentioned polyvinylidene chloride is laminated is widely used for food packaging.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the film in which the polyvinylidene chloride is laminated tends to be refrained from use due to environmental problems such as dioxin in recent years.
[0004]
Moreover, since the film using the said polyvinyl alcohol-type resin contains a hydroxyl group, it has the problem that the gas barrier property under high humidity falls. On the other hand, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-237180 discloses a film coated with a resin obtained by ester crosslinking and ion crosslinking of a polyalcohol-based resin and a partially neutralized product of polyacrylic acid or polymethacrylic acid. . Although this film has improved gas barrier properties under high humidity, it requires a reaction at a high temperature for a long time in order to carry out the esterification reaction, and the productivity becomes a problem. Furthermore, there is a problem that the resulting coating layer is colored.
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-310425 discloses a gas barrier film composed of polyacrylic acid and a crosslinking agent component. However, the gas barrier property of the obtained film may not always be sufficient.
[0006]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a gas barrier film that retains gas barrier properties even under high humidity and is highly productive and hardly causes coloring.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides the polycarboxylic acid polymer by reacting a polycarboxylic acid polymer with (1) an organometallic compound capable of crosslinking with a carboxyl group and (2) a metal ion having a valence of 2 or more. A cross-linked site by the organometallic compound and a cross-linked site by the divalent or higher metal ion are formed, and the weight ratio of the polycarboxylic acid polymer to the organometallic compound is 99.9 / 0.1 to 50/50. By doing so, the above-mentioned problems have been solved.
[0008]
Since the organometallic compound capable of undergoing a crosslinking reaction with a carboxyl group is reacted with a polycarboxylic acid polymer to form a crosslinked site, the hot water resistance of the resulting resin composition can be improved.
In addition, since a cross-linked site is provided in the polycarboxylic acid polymer by a metal ion having a valence of 2 or more, the hot water resistance of the resulting resin composition can be further improved, and the gas barrier property under high humidity can be improved. it can.
[0009]
Furthermore, since the usage-amount of the organometallic compound which can carry out a crosslinking reaction with a carboxyl group is made into a predetermined range, the gas barrier property under high humidity can be improved without impairing the external appearance of the resin composition finally obtained. Furthermore, by using an organometallic compound that can undergo a crosslinking reaction with a carboxyl group, the reaction conditions can be performed under milder conditions than the esterification reaction, and productivity can be improved. Moreover, since it crosslinks with the organometallic compound which can carry out a crosslinking reaction with a carboxyl group, and a metal ion more than bivalence, it can improve a hot water resistance and gas barrier property further with improvement in productivity.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
The gas barrier resin composition according to the present invention comprises a polycarboxylic acid polymer, (1) an organometallic compound capable of undergoing a crosslinking reaction with a carboxyl group (hereinafter referred to as “specific organometallic compound”), and (2) 2. It is a composition in which a cross-linked site by the specific organometallic compound and a cross-linked site by the divalent or higher metal ion are formed on the polycarboxylic acid polymer by reacting with a metal ion having a valence higher than that.
[0011]
The polycarboxylic acid-based polymer refers to a homopolymer or copolymer of a monomer having a carboxyl group, such as polyacrylic acid, polymethacrylic acid, polymaleic acid, polyitaconic acid, and acrylic acid-methacrylic acid copolymer. Moreover, the homopolymer of the monomer which has carboxyl groups, such as said polyacrylic acid, polymethacrylic acid, an acrylic acid-methacrylic acid copolymer, or the partially neutralized product of a copolymer is mention | raise | lifted. Among these, polyacrylic acid, polymethacrylic acid and partially neutralized products thereof are preferable.
[0012]
Examples of the alkaline substance for partially neutralizing the homopolymer or copolymer of the monomer having a carboxyl group include metal hydroxide salts such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and lithium hydroxide, ammonia and the like. . The partially neutralized product can be obtained by adding the metal hydroxide salt to a polycarboxylic acid-based polymer aqueous solution and allowing it to react.
[0013]
Although the neutralization degree of the said partially neutralized material is not specifically limited, 2-30% is preferable by molar ratio with respect to a carboxyl group, and 5-20% is more preferable. When it is less than 2%, the reactivity with the specific organometallic compound is lowered, and the productivity tends to be lowered. On the other hand, when the content is more than 30%, the number of reaction points with the specific organometallic compound decreases, and the gas barrier property of the final resin composition tends to be lowered.
[0014]
Although the weight average molecular weight of the said polycarboxylic acid-type polymer is not specifically limited, 2000-500,000 are preferable and 20,000-400,000 are more preferable. If it is less than 2000, the gas barrier property of the finally obtained resin composition tends to deteriorate. On the other hand, when it is larger than 500,000, the viscosity in the case of an aqueous solution becomes too high, which is not preferable.
[0015]
The specific organometallic compound refers to an organometallic compound capable of forming a crosslinked site in the carboxylic acid polymer. Such a specific organometallic compound is not particularly limited as long as it is a metal alkoxide represented by the following general formula (1), a metal chelate, and a partial hydrolyzate thereof.
[0016]
R 1 m M (OR 2 ) n (1)
In the above formula (1), M is a metal element selected from the group consisting of titanium, zirconium, aluminum, and silicon.
M represents 0 or a positive integer, n represents an integer of 1 or more, and m + n corresponds to the valence of the metal element M.
R 1 represents a hydrogen atom, an oxygen atom, a hydroxyl group, an alkyl group, an aryl group, an unsaturated aliphatic residue, an amino group, an alkylamino group, or the like. When m is 2 or more, each R 1 is the same. May be different.
Furthermore, R 2 represents a hydrogen atom, an alkyl group, an acyl group, a carboxyacyl group, an aryl group, an unsaturated aliphatic residue, or the like. When n is 2 or more, each R 2 may be the same. Well, it can be different.
[0017]
By using the above specific organometallic compound, a better gas barrier resin composition can be obtained as compared with inorganic metal complexes such as zirconium zirconium carbonate. This is because the inorganic metal complex is easily decomposed in an aqueous solution, and the gelation of the polycarboxylic acid polymer occurs immediately after the addition, which may make it difficult to mold the resulting gas barrier resin composition. On the other hand, the specific organometallic compound has higher stability in an aqueous solution than the inorganic metal complex, and therefore has room to be molded before it is added and crosslinking starts.
[0018]
Specific examples of the specific organometallic compound include tetraisopropyl titanate, tetranormal butyl titanate, butyl titanate dimer, tetra (2-ethylhexyl) titanate, tetramethyl titanate, titanium acetylacetonate, titanium tetraacetylacetonate, and polytitanium acetyl. Organic titanium compounds such as acetonate, titanium ethyl acetoacetate, titanium octanediolate, titanium lactate, titanium triethanolamate, polyhydroxytitanium stearate, zirconium normal propyrate, zirconium normal butyrate, zirconium tetraacetylacetonate, zirconium Monoacetylacetonate, zirconium bisacetylacetonate, zirconium monoethylacetoacetate Organic zirconium compounds such as zirconium acetylacetonate bisethylacetoacetonate, zirconium acetate, zirconium tributoxy systemate, aluminum triethoxide, aluminum triisopropylate, aluminum tributyrate, aluminum acetylacetonate, aluminum organic acid chelate, etc. Organoaluminum compounds,
Tetraisopropyl silicate, tetranormal butyl silicate, butyl silicate dimer, tetra (2-ethylhexyl) silicate, tetramethyl silicate, silicon acetylacetonate, silicon tetraacetylacetonate, polysilicon acetylacetonate, silicon ethyl acetoacetate, silicon octanedio Rate, silicon lactate, silicon triethanolamate, polyhydroxysilicon stearate, silicon normal propyrate, silicon monoacetylacetonate, silicon bisacetylacetonate, silicon monoethylacetoacetate, silicon bisethylacetonate, silicon acetate, silicon Examples thereof include organosilicon compounds such as tributoxy systemate.
[0019]
The weight ratio of the polycarboxylic acid polymer to the specific organometallic compound is preferably polycarboxylic acid polymer / specific organometallic compound = 99.9 / 0.1 to 50/50, and 99/1 to 80/20. Is preferred. When the specific organometallic compound is less than 0.1% by weight, the water resistance of the resin composition is lowered. On the other hand, if it is higher than 50% by weight, the viscosity of the coating liquid tends to increase, and coating may not be possible.
[0020]
The divalent or higher metal ion is an ion that forms an ionic bond with the carboxyl group of the polycarboxylic acid polymer and has a positive ion of divalent or higher. Since this metal ion has a divalent or higher valent positive ion, it can form an ionic bond with two or more carboxyl groups, and can form a crosslinking site in the carboxylic acid polymer.
[0021]
Examples of the divalent or higher metal ions include magnesium ions, calcium ions, barium ions, zinc ions, copper ions, cobalt ions, nickel ions, aluminum ions, iron ions and the like. Among these, magnesium ion, calcium ion, and barium ion are preferably used. At least 1 type is used for these, and even 1 type may be used or 2 or more types may be used together.
[0022]
The divalent metal ion is preferably used in the state of an alkaline aqueous solution. When used in this state, the exchange reaction between the metal ion and the counter ion of the carboxyl group proceeds, an ionic cross-linking site is formed, and the composition is stabilized.
Examples of the alkaline aqueous solution include aqueous solutions of metal salt hydroxides, and an alcoholic aqueous solution containing alcohol or the like may be used. Specifically, a magnesium hydroxide aqueous solution, a calcium hydroxide aqueous solution, a barium hydroxide aqueous solution, or the like is preferably used.
[0023]
The gas barrier resin composition can be produced by reacting the specific organometallic compound with a polycarboxylic acid polymer and then reacting an alkaline aqueous solution of a divalent or higher metal ion. The reaction conditions in the reaction with the above specific organometallic compound depend on the type of the above specific organometallic compound, but are preferably 100 to 230 ° C. and 1 second to 60 minutes.
[0024]
The reaction with the divalent or higher metal ion may be performed by applying an aqueous solution of the divalent or higher metal ion to the cross-linked reaction product of the polycarboxylic acid polymer and the specific organometallic compound, or Is immersed in an aqueous solution of a metal ion having a valence of 2 or more. The reaction conditions at this time are preferably 10 to 120 ° C. and 1 second to 60 minutes.
[0025]
The gas barrier resin composition may be molded up to a stage where a specific organometallic compound is mixed with a polycarboxylic acid polymer. This is because when the polycarboxylic acid polymer and the specific organometallic compound are heated to carry out a cross-linking reaction to form a cross-linked site, molding is often difficult.
[0026]
For preparing the mixed liquid of the polycarboxylic acid polymer and the specific organometallic compound, a method of dissolving each component in water, a method of mixing an aqueous solution of each component, or the like can be applied. In addition to water, a solvent such as alcohol or a mixed solvent such as water / alcohol may be used.
[0027]
As a molding method, the mixed solution is extruded from a T die or the like and heated to form a film to form a film, and the mixed solution is cast onto a glass plate or a plastic film to form a film. A method for forming, a method for producing a laminate in which a film is laminated on a base material by coating and heating the mixed liquid on at least one side of the base material, while coextruding the mixed liquid with a raw material resin of the base material A method of producing a laminate in which a film is laminated on a substrate by heating, the film was laminated on the substrate by extruding from the above-mentioned T-die, etc., and joining the film obtained by heating to the substrate Examples include a method for producing a laminate.
[0028]
Reaction of the obtained film or laminate on the mixed solution coating layer side with an aqueous solution of divalent or higher metal ions or immersion of the film or laminate in the aqueous solution of divalent or higher metal ions. By doing so, a cross-linked site by divalent or higher metal ions is formed, and a film or laminate having gas barrier properties is obtained.
[0029]
The substrate is not particularly limited as long as the gas barrier property is imparted to the entire laminate by laminating the gas barrier resin composition, and examples thereof include polyester resins, polyamide resins, and polyolefins. Examples thereof include synthetic resins such as resin and cellulose materials such as cellophane and paper. Moreover, as a shape of the said base material, arbitrary shapes, such as molded objects, such as a film form, a sheet form, and various containers, are employable.
[0030]
In the present invention, inorganic tabular grains such as water-swellable vermiculite and montmorillonite can be added to a solution containing the polycarboxylic acid polymer and the specific organometallic compound. By molding this, the performance of the final gas barrier composition can be further enhanced.
[0031]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples and comparative examples. First, it shows about the used substance, the evaluation method, and the preparation method of the partially neutralized product of polyacrylic acid.
(Polycarboxylic acid polymer)
・ Polyacrylic acid: Wako Pure Chemical Industries, Ltd., first grade reagent, weight average molecular weight of about 250,000 (crosslinking agent)
Titanium lactate: Titanium lactate-isopropyl alcohol solution (TC-310 manufactured by Matsumoto Pharmaceutical Co., Ltd.)
・ Zirconium acetate: Zirconium acetate aqueous solution (ZB-115, Matsumoto Pharmaceutical Co., Ltd.)
Polyvinyl alcohol (Wako Pure Chemical Industries, Ltd .; polyvinyl alcohol 1000, fully saponified type) (hereinafter abbreviated as “PVA”)
・ Starch: soluble starch (manufactured by Kishida Chemical Co., Ltd .; reagent)
-Zirconium ammonium carbonate: Zirconium ammonium carbonate solution (manufactured by Kishida Chemical Co., Ltd .; reagent)
[0032]
[Oxygen permeability]
The oxygen transmission rate in an atmosphere of 23 ° C. and 80% relative humidity of the target film was measured with an oxygen transmission tester (manufactured by Modern Control; OX-TRAN 2/20). In addition, since oxygen permeability changes with the thickness of a film, the thickness of a gas barrier resin composition layer, etc., the oxygen permeability per 1 micrometer of gas barrier resin composition layers was computed according to the following formula.
1 / P total = 1 / P sample + 1 / P base
In the above formula, P total represents the measurement result, P sample represents the oxygen permeability of the gas barrier resin composition layer, and P base represents the oxygen permeability of the base film.
[0033]
[Heat resistant water]
The target film was immersed in warm water at 80 ° C. for 30 minutes, and the weight loss of the gas barrier resin composition layer was measured. The results were evaluated according to the following criteria.
○: Residual rate of weight is 100%
Δ: Weight remaining ratio is 50% or more and less than 100% ×: Weight remaining ratio is less than 50%
[appearance]
The appearance of the target film was evaluated according to the following criteria.
○: No difference compared to the base film alone ×: Colored XX: Gas barrier resin composition layer peels and swells [0035]
[Preparation of partially neutralized polyacrylic acid]
Polyacrylic acid was dissolved in ion-exchanged water so as to have a solid content of 5% by weight. 10 mol% of sodium hydroxide was added to the carboxyl group of the polyacrylic acid to prepare a partially neutralized polyacrylic acid (hereinafter abbreviated as “PAA-Na”) having a neutralization degree of 10%. .
[0036]
(Examples 1-7)
The cross-linking agents listed in Table 1 were mixed with the PAA-Na aqueous solution so as to achieve the blending ratio shown in Table 1 with respect to the solid content of the above PAA-Na. These mixed aqueous solutions were applied to a corona-treated surface of a stretched polyester film (manufactured by Toyobo Co., Ltd .: E5100, thickness: 12 μm) with a Mayer bar so that the coating thickness after drying was 1 μm. After drying at 80 ° C. for 2 minutes, heat treatment was performed in a hot air dryer at the heat treatment temperature shown in Table 1 for 5 minutes.
Next, immersion treatment was performed for 30 minutes in a 0.2% by weight aqueous solution of metal ion hydroxide (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd .; reagent) shown in Table 1 to perform ionic crosslinking. Then, it washed with water and dried at 100 degreeC for 2 minutes, and obtained the laminated body film.
Using the obtained laminate film, oxygen permeability, hot water resistance, and appearance were evaluated according to the above-described methods.
[0037]
(Comparative Examples 1-5)
The cross-linking agents listed in Table 1 were mixed with the PAA-Na aqueous solution so as to achieve the blending ratio shown in Table 1 with respect to the solid content of the above PAA-Na. Using these mixed aqueous solutions, heat treatment, ionic crosslinking and drying were performed in the same manner as in Example 1 to obtain a laminate film. Using the obtained laminate film, oxygen permeability, hot water resistance, and appearance were evaluated according to the above methods.
[0038]
(Comparative Example 6)
A laminate film was obtained in the same manner as in Example 1 except that ionic crosslinking and the subsequent operation were not performed. Using the obtained laminate film, oxygen permeability, hot water resistance, and appearance were evaluated according to the above-described methods.
[0039]
(Comparative Example 7)
A laminate film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the first-stage crosslinking agent was not added and heat treatment was not performed. Using the obtained laminate film, oxygen permeability, hot water resistance, and appearance were evaluated according to the above methods.
[0040]
[Table 1]
[0041]
【The invention's effect】
Since the gas barrier resin composition according to the present invention and the film or laminate obtained therefrom are provided with a crosslinking site in the polycarboxylic acid polymer by the specific organometallic compound, the hot water resistance of the resulting crosslinked polycarboxylic acid polymer is improved. Can be improved.
[0042]
In addition, since the polycarboxylic acid-based polymer is provided with a cross-linked site by a divalent or higher metal ion, the hot water resistance can be further improved and the gas barrier property under high humidity can be improved.
[0043]
Furthermore, since the usage-amount of a specific organometallic compound is made into a predetermined range, the gas barrier property under high humidity can be improved, without impairing the external appearance of the resin composition finally obtained.
[0044]
Furthermore, by using a specific organometallic compound, the reaction conditions can be performed under milder conditions than the esterification reaction, and productivity can be improved. Moreover, since it bridge | crosslinks with a specific organometallic compound and bivalent or more metal ions, it can improve a hot water resistance and gas-barrier property with improvement of productivity.
Claims (10)
[1]下記式(1)で示される有機金属化合物であって、有機チタンキレート、有機ジルコニウムキレート、有機ケイ素アルコキシド、及び有機ケイ素アルコキシドの加水分解物から選ばれる、カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物、
R 1 m M(OR 2 ) n (1)
(式(1)中において、Mはチタン、ジルコニウム、ケイ素からなる群から選択される金属元素である。また、mは0又は正の整数、nは1以上の整数を表し、m+nは金属元素Mの原子価と一致する。さらに、R 1 は水素原子、酸素原子、水酸基、アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基、アミノ基、又はアルキルアミノ基を表し、mが2以上の場合、それぞれのR 1 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。さらにまた、R 2 は水素原子、アルキル基、アシル基、カルボキシアシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族残基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR 2 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
及び、[2]2価以上の金属イオン
とを反応させることによって、上記ポリカルボン酸系ポリマーに、上記有機金属化合物による架橋部位及び上記2価以上の金属イオンによる架橋部位を形成させ、上記のポリカルボン酸系ポリマーと有機金属化合物との重量比を99.9/0.1〜50/50としたガスバリア性樹脂組成物。A polycarboxylic acid polymer;
[ 1 ] An organic metal compound represented by the following formula (1), which is an organic metal capable of undergoing a crosslinking reaction with a carboxyl group selected from organic titanium chelates, organic zirconium chelates, organic silicon alkoxides, and hydrolysates of organic silicon alkoxides. Metal compounds,
R 1 m M (OR 2 ) n (1)
(In the formula (1), M is a metal element selected from the group consisting of titanium, zirconium and silicon, m is 0 or a positive integer, n is an integer of 1 or more, and m + n is a metal element. It corresponds to the valence of M. Further, R 1 represents a hydrogen atom, an oxygen atom, a hydroxyl group, an alkyl group, an aryl group, an unsaturated aliphatic residue, an amino group, or an alkylamino group, and m is 2 or more. Each R 1 may be the same or different, and R 2 represents a hydrogen atom, an alkyl group, an acyl group, a carboxyacyl group, an aryl group, or an unsaturated aliphatic residue. And when n is 2 or more, each R 2 may be the same or different.)
[ 2 ] By reacting with a divalent or higher metal ion, the polycarboxylic acid polymer is allowed to form a cross-linked site with the organometallic compound and a cross-linked site with the divalent or higher metal ion. A gas barrier resin composition in which the weight ratio of the polycarboxylic acid polymer to the organometallic compound is 99.9 / 0.1 to 50/50.
[1]下記式(1)で示される有機金属化合物であって、有機チタンキレート、有機ジルコニウムキレート、有機ケイ素アルコキシド、及び有機ケイ素アルコキシドの加水分解物から選ばれる、カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物。
R 1 m M(OR 2 ) n (1)
(式(1)中において、Mはチタン、ジルコニウム、ケイ素からなる群から選択される金属元素である。また、mは0又は正の整数、nは1以上の整数を表し、m+nは金属元素Mの原子価と一致する。さらに、R 1 は水素原子、酸素原子、水酸基、アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基、アミノ基、又はアルキルアミノ基を表し、mが2以上の場合、それぞれのR 1 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。さらにまた、R 2 は水素原子、アルキル基、アシル基、カルボキシアシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族残基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR 2 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。) A method for producing a gas barrier resin composition, comprising reacting a polycarboxylic acid polymer with an organometallic compound represented by the following [1] capable of crosslinking with a carboxyl group, and then reacting an alkaline aqueous solution of a divalent or higher metal ion.
[1] An organometallic compound represented by the following formula (1), which is an organic compound capable of undergoing a crosslinking reaction with a carboxyl group selected from an organotitanium chelate, an organozirconium chelate, an organosilicon alkoxide, and a hydrolyzate of an organosilicon alkoxide. Metal compound.
R 1 m M (OR 2 ) n (1)
(In the formula (1), M is a metal element selected from the group consisting of titanium, zirconium and silicon, m is 0 or a positive integer, n is an integer of 1 or more, and m + n is a metal element. It corresponds to the valence of M. Further, R 1 represents a hydrogen atom, an oxygen atom, a hydroxyl group, an alkyl group, an aryl group, an unsaturated aliphatic residue, an amino group, or an alkylamino group, and m is 2 or more. Each R 1 may be the same or different, and R 2 represents a hydrogen atom, an alkyl group, an acyl group, a carboxyacyl group, an aryl group, or an unsaturated aliphatic residue. And when n is 2 or more, each R 2 may be the same or different.)
[1]下記式(1)で示される有機金属化合物であって、有機チタンキレート、有機ジルコニウムキレート、有機ケイ素アルコキシド、及び有機ケイ素アルコキシドの加水分解物から選ばれる、カルボキシル基と架橋反応し得る有機金属化合物。
R 1 m M(OR 2 ) n (1)
(式(1)中において、Mはチタン、ジルコニウム、ケイ素からなる群から選択される金属元素である。また、mは0又は正の整数、nは1以上の整数を表し、m+nは金属元素Mの原子価と一致する。さらに、R 1 は水素原子、酸素原子、水酸基、アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基、アミノ基、又はアルキルアミノ基を表し、mが2以上の場合、それぞれのR 1 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。さらにまた、R 2 は水素原子、アルキル基、アシル基、カルボキシアシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族残基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR 2 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。) Gas barrier properties in which an organometallic compound represented by the following [1] capable of crosslinking reaction with a carboxyl group is reacted with a polycarboxylic acid polymer, formed into a film, and then reacted with an alkaline aqueous solution of a divalent or higher metal ion A method for producing a film.
[1] An organometallic compound represented by the following formula (1), which is an organic compound capable of undergoing a crosslinking reaction with a carboxyl group selected from an organotitanium chelate, an organozirconium chelate, an organosilicon alkoxide, and a hydrolyzate of an organosilicon alkoxide. Metal compound.
R 1 m M (OR 2 ) n (1)
(In the formula (1), M is a metal element selected from the group consisting of titanium, zirconium and silicon, m is 0 or a positive integer, n is an integer of 1 or more, and m + n is a metal element. It corresponds to the valence of M. Further, R 1 represents a hydrogen atom, an oxygen atom, a hydroxyl group, an alkyl group, an aryl group, an unsaturated aliphatic residue, an amino group, or an alkylamino group, and m is 2 or more. Each R 1 may be the same or different, and R 2 represents a hydrogen atom, an alkyl group, an acyl group, a carboxyacyl group, an aryl group, or an unsaturated aliphatic residue. And when n is 2 or more, each R 2 may be the same or different.)
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