JP3856362B2 - 廃棄物溶融炉の出湯装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般廃棄物である都市ごみ、各種産業廃棄物等の廃棄物をシャフト炉式熱分解廃棄物溶融炉で熱分解溶融処埋し、溶融物を水砕水槽へ導入する出湯装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
廃棄物には、一般廃棄物である都市ごみ、各種産業廃棄物又はそれらを乾燥、焼却、破砕処理によって得られた中間処理物、焼却灰やそれを一度埋立て処理した後、再度掘り起こした土砂分を含む埋立ごみ、汚泥があり、これらの廃棄物の処理方法として、廃棄物をシャフト炉式熱分解廃棄物溶融炉内で、乾燥・予熱、熱分解、燃焼・溶融し、溶融物をスラグやメタルとして取り出す廃棄物溶融処理方法が知られている。
【０００３】
一般廃棄物、産業廃棄物等を熱分解溶融処埋して排出される溶融物には、スラグ分と金属分が含まれる。従来の溶融物の処理方法は、廃棄物溶融炉から排出される溶融物を水砕水槽に流下させ、スラグ分と金属分を同時に水砕処理するものである（特開昭５７−６８１２６号公報参照）。廃棄物溶融炉内で熱分解され、溶融され、出湯口から排出される溶融物は、水砕樋を流れて水砕水槽内へ流下し、水砕水槽内で水砕され、水砕処理物は掻き上げて取り出される。
【０００４】
図２は従来の出湯装置の概略図である。図２において、廃棄物溶融炉１の側部に形成された出湯口２の下方には、樋状の水砕樋３が水砕水槽４に向けて傾斜して設けられている。水砕水槽４には、水砕水槽４内に水流を形成する水砕ノズル８が設置されている。
【０００５】
このような構成において、廃棄物溶融炉１の出湯口２から排出される溶融物は、水砕樋３を流れて水砕水槽４内に落下し、水砕水槽４内では、水砕ノズル８の水流により分散される。
【０００６】
なお、廃棄物溶融炉の出湯口が下部に形成されている方式では、例えば、特開平１１−２２９４８号に、幅方向が湾曲面形状で緩やかな上部流と先細りした下流部からなり、流路が曲線形状をした樋部により、溶融物を下流部の先端から一本流にして落下させることが記載されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の傾斜した水砕樋においては、廃棄物溶融炉内の溶融物の溜まり量の変動、及び炉内圧の変動により出湯口から排出される溶融物の飛距離が異なり、特に溶融物の出始めは、水砕樋を超えて遠方に飛び出し、また、溶融物が太い丸棒状になって落下するため、水砕水槽に着水した際に分散し切れずに大塊が発生する原因となってた。
【０００８】
そこで、本発明は、廃棄物溶融炉の出湯口から排出される溶融物の着水位置を一定にし、水砕水槽内の水砕ノズルの水流による分散効率をよくし、水砕物の粒度を揃えることができる出湯装置を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明の廃棄物溶融炉の出湯装置は、廃棄物溶融炉の炉底部の側面に形成された出湯口の下方に、廃棄物溶融炉から排出される溶融物を水砕する水砕水槽が配置され、出湯口には、水砕樋が水砕水槽に向けて傾斜して設けられ、水砕樋の溶融物流下口に対向して、溶融物の水砕槽への着水位置を一定にする縦樋を垂直に配置するとともに、縦樋の流路の幅を水砕樋の流路の幅より大きくしたことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の出湯装置の概略図である。図１において、廃棄物溶融炉１の炉底部の側面に形成された出湯口２の下方には、下向きに樋状の水砕樋３が水砕水槽４に向けて傾斜して設けられている。
【００１１】
水砕樋３の溶融物流下口５に対向して、垂直に縦樋６が配置される。水砕樋３と縦樋６の下部には水砕水槽４が配置される。
水砕樋３と縦樋６とは、フード７で囲われる。水砕水槽４内には、水流を形成する水砕ノズル８が設置されている。
【００１２】
縦樋６は、内面の流路が断面凹状で幅広に形成され、水砕樋３の流路の幅より大きい寸法とする。また、縦樋６の上部のレベルは、出湯口２から噴出する溶融物Ｓが縦樋６の上部を越えないレベルにし、廃棄物溶融炉１の出湯口２のレベルとほぼ同じレベルにすることが好ましく、一方、縦樋６の下部のレベルは、溶融物流下口５のレベルより下方で、水砕水槽４の水面より上部に位置するようにする。
【００１３】
上記構成において、廃棄物溶融炉１の出湯口２を開けて溶融物Ｓの出湯を開始すると、出湯口２より溶融物Ｓが噴出する。廃棄物溶融炉１内の溶融物Ｓの溜まり量の変動、及び炉内圧の変動により排出される溶融物Ｓの飛距離は異なってくるが、通常、溶融物Ｓの出始めでは、水砕樋３を超えて遠方に飛び、溶融物Ｓは縦樋６に当たる。縦樋６に衝突した溶融物Ｓは、幅広の流路により横へ広がるため、丸棒状から薄板状になって、縦樋６の下端から水砕水槽４の水面へ落下する。
【００１４】
溶融物Ｓの飛距離が小さくなれば、溶融物Ｓは水砕樋３に流下し、縦樋６に衝突することによって薄板状となり、縦樋の下端から水砕水槽４の水面へ落下する。
【００１５】
溶融物Ｓは、縦樋６の下端から水砕水槽４の水面へ落下するため、縦樋６の延長線上の定位置に着水させることができる。
【００１６】
水砕水槽４へ落下した溶融物Ｓは、水砕ノズル８の水流によって分散し水砕される。この際、単位当たりのスラグ落下量と水砕水量とが均一となるため、径の揃った水砕物が得られる。
【００１７】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融物を縦樋に衝突させ飛距離を規制することにより、水砕水槽への着水位置を一定にすることができるため、水砕物の粒度を揃えることができる。さらに、溶融物の着水時の形状を薄く広くなった薄板状とすることにより、水砕ノズルからの水による分散効率をよくし、粒度を一定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の出湯装置の概略図である。
【図２】 従来の出湯装置の概略図である。
【符号の説明】
１： 廃棄物溶融炉
２： 出湯口
３： 水砕樋
４： 水砕水槽
５： 溶融物流下口
６： 縦樋
７： フード
８： 水砕ノズル
Ｓ： 溶融物

Claims (1)

1. 廃棄物溶融炉の炉底部の側面に形成された出湯口の下方に、廃棄物溶融炉から排出される溶融物を水砕する水砕水槽が配置され、出湯口には、水砕樋が水砕水槽に向けて傾斜して設けられ、水砕樋の溶融物流下口に対向して、溶融物の水砕槽への着水位置を一定にする縦樋を垂直に配置するとともに、縦樋の流路の幅を水砕樋の流路の幅より大きくしたことを特徴とする廃棄物溶融炉の出湯装置。

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