JP3855601B2 - チタン材の連続酸洗方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン材の連続酸洗方法、特に硝酸を含有する酸洗液を用いて行うチタン材の連続酸洗方法に関する。本発明の対象としているチタン材とは、いわゆる工業用純チタンおよびチタン合金の板、棒、線、管等であり、本明細書においてはそれらを総称してチタン材という。
【0002】
【従来の技術】
従来より、これらのチタン材を製造する過程において、表面の酸化スケールや汚れを除去するために、しばしば酸洗が行われる。
【0003】
チタン材の酸洗方法としては、硝酸とふっ化水素酸の混酸 (硝ふっ酸) に浸漬する方法が従来より最も一般的に行われている。通常、硝酸の濃度は80〜200g/dm3程度、ふっ化水素酸の濃度は5〜50g/dm3 程度である。
【0004】
表面に酸化スケールのあるチタン材を酸洗する場合には、あらかじめ大部分の酸化スケールを機械的方法 (例えば、ショットブラスト法) または化学的方法 (例えば、溶融アルカリ塩浸漬法) で除去した後に酸洗が行われることが多い。
【0005】
チタン材を硝ふっ酸酸洗液を用いて酸洗する場合の問題点は有害な窒素酸化物のガス (いわゆるNOx ガス) が発生することである。これは、硝ふっ酸中の硝酸が酸洗反応によって一部分解し、窒素酸化物 (NOまたはNO2)になるものと考えられている。このため、酸洗槽上の空気に含まれるNOx ガスを除去した後に大気へ放出する処理が必要であり、多大の費用を要している。
【0006】
そこで、硝酸を含む酸洗液からNOx ガスを発生させないようにする研究が従来より行われており、例えば、特公昭54−7191号公報には、モリブデン線材を硝酸と硫酸の混酸で溶解する際に、酸化剤として過硫酸アンモニウムを添加することによりNOx ガスの発生を防止する方法が開示されている。
【0007】
特開昭54−123529号公報には、硝ふっ酸によるステンレス鋼の酸洗において、酸洗液に尿素を添加することによってNOx ガスの発生を防止する方法が開示されている。
【0008】
特開昭51−37039 号公報には、硝酸を含有する酸洗液で金属を溶解する際に、酸洗液に過酸化水素を添加し、その濃度を少なくとも約1g/dm3(通常、5〜20g/dm3)に維持することによってNOx ガスの発生を防止する方法が開示されている。しかし、この公報には過酸化水素の作用効果について、「酸化−還元反応によって生じたNOx 成分を再酸化する作用があるか、または硝酸の酸化作用を助けて金属の溶解中にNOx 化合物が生じないように働くのであろう」としているに過ぎない。チタン、ジルコニウム材についての酸洗例もあるが、そのとき「過酸化水素を・・・添加した(10g/l)」とあるだけである。
【0009】
しかも、上記公報では過酸化水素の濃度の「維持」ということにもかかわらず、過酸化水素の濃度をこのような濃度に維持するための手段、つまり制御方法については何も開示されておらず、単に過酸化水素の濃度を分析によって監視できることが記述されているのみなので、工業的に実施する場合には過酸化水素の過剰添加による浪費や添加不足によるNOx ガス発生事故が起きる危険性が高い。
【0010】
特公平2−55509 号公報には、硝酸を含有する酸洗液に過酸化水素を添加してNOx ガスの発生を防止する方法において、過酸化水素の添加量を酸洗液の酸化還元電位に応じて制御する方法が開示されている。本公報にはステンレス鋼を酸洗する際のNOx 発生防止例は開示されているが、チタン材の酸洗については何も述べられていない。
【0011】
また、「Stainless Steels '87」の講演予稿集の531 〜534 ページには、ステンレス鋼を硝ふっ酸で酸洗する際に、過酸化水素を添加することによってNOx ガスの発生が防止できること、および下記の化学反応式が開示されている。
【0012】
すなわち、ステンレス鋼中の鉄が溶解する反応として、
4Fe+10HNO3+8HF → 4FeF2 ++4NO3 -+6HNO2+6H2O ・・・(1)
次に、(1) 式で生成した亜硝酸(HNO2)がNOx ガス(NO+NO2)になる反応として、
2HNO2→N2O3+H2O ・・・(2)
N2O3 →NO+NO2 ・・・(3)
また、過酸化水素の添加により、亜硝酸が硝酸(HNO3)に変わる反応として、
HNO2 +H2O2→HNO3 +H2O ・・・(4)
そして、過剰の過酸化水素が自己分解して酸素ガス(O2)と水(H2O) になる反応として、
H2O2 →1/202 +H2O ・・・(5)
がそれぞれ開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ここに、本発明の課題は、チタン材を硝酸を含む酸洗液を用いて連続的に酸洗する際に、
(1) 必要最小限の過酸化水素を添加することにより、NOx ガスの発生を効率的に削減すること、および
(2) 酸洗液に添加する過酸化水素の量を自動制御することにより、過酸化水素添加量の過不足をなくし、省力化に寄与することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
硝酸を含む酸洗液からNOx ガスが発生するのを防止する技術として、前述のように、過硫酸アンモニウム、尿素あるいは過酸化水素を添加する方法等が知られている。このうち、過硫酸アンモニウムまたは尿素を添加する方法は酸洗液中にアンモニウム塩が蓄積するので、その酸洗液が劣化した後、中和処理して廃棄することにより排水中の窒素含有率が高まるという不具合がある。一方、過酸化水素の場合には、前述のように、酸洗液中の亜硝酸と反応して硝酸と無害な水を生成するか、自己分解によって無害な水と酸素ガスを発生するのみなので、環境への悪影響が全くない。
【0015】
そこで、本発明者らは、過酸化水素を添加することによってNOx ガスの発生を防止する方法に着目した。しかし、過酸化水素は比較的高価な薬品なので、酸洗コストを低く抑えるためにはその使用量をなるべく少なくすることが望ましい。そこで、チタン材の硝ふっ酸酸洗において、NOx ガスの発生を防止するために必要な過酸化水素の添加条件を詳細に調べるために、工業規模の酸洗槽を用いて実験を行った結果、以下の条件が特に重要であることが判明した。
【0016】
その第1は過酸化水素を酸洗液中に過剰に存在させ、その濃度が0.5 〜5.0g/dm3の範囲に保たれるように過酸化水素の添加量を制御することである。
硝酸を含む鉱酸水溶液中で金属を溶解する際に、その酸溶液に過酸化水素を添加し、その濃度を少なくとも約1g/dm3(通常、5〜20g/dm3)に維持することは前記の特開昭51−37039 号公報に開示されてはいるが、この方法は主として銅または銅合金を対象としたもののようであり、チタン、ジルコニウムおよびそれらの合金の酸洗に適用した実施例においては、硝ふっ酸酸洗液に過酸化水素を10g/dm3 添加することによってNOx ガスの発生を防止できたという簡単な実験の記述があるのみで、酸洗液中の過酸化水素の濃度は明確ではない。また、過酸化水素の自己分解反応の意義については何ら開示されることはない。
【0017】
本発明者らが詳細に調べたところによれば、チタン材の硝ふっ酸酸洗において、NOx ガスの発生を防止するために必要な過酸化水素の液中濃度は0.5 〜5.0 g/dm3 、望ましくは1.0 〜3.0g/dm3の範囲であればよく、それ以上の過酸化水素を添加しても前記(5) 式の自己分解反応が激しくなるのみで、無駄に消費される過酸化水素が増えることが判明した。
【0018】
また、あまりに過酸化水素の濃度が高くなると、チタンの酸洗速度が低下することもある。
このときの過酸化水素の適正濃度は酸洗される (または、溶解される) 金属の種類によって大きく異なり、例えばステンレス鋼の場合には過酸化水素が亜硝酸に対してむしろわずかに不足の状態 (すなわち、過酸化水素の濃度がゼロで、亜硝酸の濃度が0.1 〜0.2g/dm3程度) で十分にNOx ガスの発生が防止できることが別途行った本発明者らの研究によって明らかになっている。
【0019】
このように、過酸化水素の適正濃度が異なる理由は現在のところ十分には解明されていないが、酸洗される金属がチタンまたはチタン合金の場合には、酸洗液中の硝酸が金属表面で反応して直接NOx ガスとなる比率が高く、これを防止するためには過剰の過酸化水素を酸洗液中に存在させておく必要があるのに対して、ステンレス鋼の場合には、金属表面で反応した硝酸が一旦、亜硝酸となって酸洗中に溶解し、これがある程度濃縮した段階で分解してNOx ガスになるので、必ずしも過酸化水素は過剰に存在させる必要はないものと推測される。
【0020】
ここに、本発明においては、酸洗液中に存在させる過剰の過酸化水素の量を制御することで、必要最小限の過酸化水素の量でNOxガス発生の効率的抑制を図るのである。
【0021】
次に、チタン材の硝ふっ酸酸洗において、NOx ガスの発生を防止するために必要な過酸化水素の添加条件の第2の条件は過酸化水素の添加を硝ふっ酸へのチタンの溶解速度に応じて行うという点であり、具体的には酸洗による単位時間当たりのチタン溶解量と単位時間当たりの過酸化水素添加量のモル比が1:0.6 〜1.0 、望ましくは1:0.7 〜0.9 (H2O2 添加モル数/Ti 溶解モル数が0.6 〜1.0 、望ましくは0.7 〜0.9)となるように過酸化水素の添加量を制御することである。この比率は何を酸洗するか、すなわち酸洗液中の金属イオンの種類によって異なり、例えばステンレス鋼を硝ふっ酸酸洗する場合には1:0.8 〜1.2 とすることが必要であることが別途行った本発明者らの研究で明らかになっている。
【0022】
このように硝ふっ酸酸洗液中の金属イオンの種類によってNOx ガスを抑制するのに必要な過酸化水素の添加量 (すなわち、消費量) が異なるのは、添加した過酸化水素の全てが液中の亜硝酸の酸化にのみ使用されるわけではなく、自己分解によって無駄に消費される過酸化水素もかなり多いことを示しているものと推測される。
【0023】
したがって、上記の過酸化水素の添加量 (消費量) がステンレス鋼の場合よりチタンの場合が少ないということは、チタンの酸洗における過酸化水素の自己分解がステンレス鋼の酸洗におけるそれに比べて少ないためではないかと推測される。
【0024】
ところで、工業規模の酸洗においては、一つの酸洗槽を数種類の金属の酸洗に用いることはしばしば行われている。この場合、同じ酸洗液で異なる金属を酸洗することは比較的少なく、通常は新たに酸洗液を調製し直して酸洗が行われる。しかし、時には一部の酸洗液を捨ててから新たに酸を追加して、別の種類の金属の酸洗に用いることもある。このような場合には当然、前の酸洗で溶け込んだ金属が新たに調製した酸洗液中に残存することになる。
【0025】
そこで、本発明者らはチタン材の硝ふっ酸酸洗におけるNOx ガス抑制のために消費される過酸化水素の量と酸洗液中の種々の金属イオンの量の関係を詳細に調べた結果、M=(Fe3+) +2×(Cr3+) +5×(Cu2+) で定義される値が10g/dm3 を越えると過酸化水素の消費量の増加が顕著になることを見い出した。ただし、(Fe3+) 、(Cr3+) および(Cu2+) はそれぞれ酸洗液中ののFe3+、Cr3+およびCu2+イオンの濃度 (単位はg/dm3)である。これは、これらの金属イオンが過酸化水素の自己分解を促進し、その消費量を増加させるためと推測される。したがって、チタン材の硝ふっ酸酸洗においてNOx 抑制のために添加する過酸化水素の消費量を少なくするためには、上記のMの値を10g/dm3 以下にすることが有効である。
【0026】
一方、本発明者らは、チタン材の硝ふっ酸酸洗におけるNOx ガス抑制のために消費される過酸化水素の量と酸洗液の温度との関係についても詳細に調べた結果、液温が60℃を越えると過酸化水素の消費量の増加が顕著となることを見い出した。これは、酸洗液の温度が60℃を越えると液中の過酸化水素の自己分解が急激に進むためと考えられる。したがって、チタン材の硝ふっ酸酸洗においてNOx 抑制のために添加する過酸化水素の消費量を少なくするためには、酸洗液の温度を60℃以下に維持することが有効である。
【0027】
次に、本発明者らは、自動制御により必要最小限の過酸化水素を添加する方法について研究した結果、従来より公知となっている酸化還元電位に応じて過酸化水素の添加を制御する方法よりもはるかに正確かつ簡便に制御できる方法を見い出した。
【0028】
その方法は過酸化水素の添加量を酸洗液に浸漬した一対の電極に流れる電解電流値に応じて制御するものであり、具体的には、電解電流値が特定の値を下回った時に過酸化水素を添加し、特定の値を上回った時に過酸化水素の添加をやめる方法で過酸化水素の添加量を制御する方法が推奨される。このような電解電流値による制御が可能となる理由は現在のところ明確ではないが、電解によって下記の(6) 式の電解反応が起き、その反応速度 (あるいは、電解電流値) が過酸化水素の濃度が高いほど大きくなるためと推測している。
【0029】
H2O2+2H++2e- → 2H2O ・・・(6)
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は、いわゆる工業用純チタンおよびチタン合金の板、棒、線、管等を対象としているが、特に帯状の板を連続的に硝ふっ酸酸洗する場合に最も有用なNOx 抑制方法を提供する。
【0031】
例えば、熱間圧延によって製造されたチタンの帯板の場合には、最初にトンネル型の加熱炉に通過させながら連続的に焼きなまし (焼鈍) し、その後にショットブラスト設備を通過させながら大部分の酸化スケールを機械的に剥離させる。その後、酸洗槽中の硝ふっ酸に帯板を連続的に浸漬し、残存するスケールを溶解・除去する。このとき、酸洗によってスケールだけでなくチタンの地金も溶解するので、もし酸洗液に過酸化水素が添加されない場合には、激しい溶解反応に伴って多量のNOx ガスが発生する。酸洗液への過酸化水素の添加は、適当な濃度の過酸化水素の水溶液をポンプで注入する方法が推奨される。
【0032】
過酸化水素の濃度は特に厳密には限定する必要はないが、濃度が薄いほど過酸化水素の添加によって酸洗液の濃度が薄まるので、この点からはなるべく濃い過酸化水素水を用いることが望ましい。具体的には、35mass% の濃度のものが工業薬品として容易に入手できることから推奨される。過酸化水素水を注入するポンプの能力は少なくともNOx ガスの発生を防止するために消費される過酸化水素を供給できるものでなければならない。
【0033】
自動制御により必要最小限の過酸化水素を添加する方法は、前述のように、該酸洗液に浸漬した一対の電極に流れる電解電流値に応じて制御するものであり、具体的には、前述のように電解電流値が特定の値を下回った時に過酸化水素を添加し、特定の値を上回った時に過酸化水素の添加をやめる方法で過酸化水素の添加量を制御する方法が推奨される。
【0034】
その特定の電解電流値としては、電解電圧が0.5 Vの場合に2〜15A/dm2 、望ましくは4〜10A/dm2 の範囲の値が推奨される。また、電極の材質としては、硝ふっ酸に侵されにくいものが望ましく、具体的には白金やロジウム等の貴金属が推奨される。そして、これらの板材や線材を用いて一対の電極を作製し、適当な樹脂製ホルダーに固定して酸洗液中に浸漬すればよい。電極の大きさは特に厳密に限定する必要はないが、面積が2〜10cm2 程度になるような板材または線材で作製すればよい。
【0035】
酸洗液の量が10〜20m3のような工業規模の酸洗槽で本発明を実施する場合には添加した過酸化水素を該酸洗液と十分に混合する必要があり、このためには酸洗槽内の酸洗液を適当な導管とポンプを用いて吸い込み、酸洗槽内の別の位置に吐出する方法 (すなわち、液循環方式) が効果的である。この場合、酸洗液の循環量が少ない場合には部分的に過酸化水素が不足してNOx ガスが発生する危険性が高まるが、通常、1時間当たり酸洗液量の約2倍以上、望ましくは約3倍以上の流量であれば、NOx ガスの発生を十分に防止できる。
【0036】
過酸化水素を注入する位置は、酸洗液の吐出口の近傍とするのが最も効果的であり、望ましくは、帯板の上側と下側の数ヵ所に吐出口および過酸化水素注入用口を設けるのがよい。
【0037】
過酸化水素と酸洗液の混合は必ずしも液循環方式でなくてもよく、酸洗液量が5m3以下のような場合には機械的な攪拌によっても十分目的を達成できる。
本発明を適用する酸洗液としては硝ふっ酸が最も好適であるが、硝ふっ酸の他の酸類 (例えば、硫酸、塩酸、酢酸等) が少量含まれるものも適している。ただし、前述のように、酸洗液中にFe3+、Cr3+またはCu2+イオンがある程度以上の濃度で含まれると、これらの金属イオンが過酸化水素の自己分解を促進し、その消費量を増加させるので、M=(Fe3+) +2×(Cr3+) +5×(Cu2+) で定義される値が10g/dm3 以下になるようにFe3+、Cr3+またはCu2+イオンの濃度を低減させることが必要である。このためには、ステンレス鋼や銅合金を酸洗した酸洗液はそのまま使用せず、一部または大部分の酸洗液を廃棄して新たに酸および水を補給する等の方法により、M値が10g/dm3 以下になるようにするのがよい。
【0038】
【実施例】
【0039】
【実施例1】
表1および表2に材質およびサイズを示す60本の工業用純チタン(c.p.Ti)およびチタン合金の帯板 (帯板No.1〜60) を連続酸洗設備を用い、12本の帯板毎に酸洗条件を変えて順次、連続的に酸洗した。
【0040】
12本の帯板に対して、67%硝酸、45%ふっ化水素酸および水によって新たに調製した約17m3の硝ふっ酸酸洗液を用い、連続酸洗に伴う酸洗液中の遊離酸濃度、硝酸イオン濃度、亜硝酸イオン濃度、過酸化水素濃度、チタン濃度および液温の変化を調べた。
【0041】
図1は、酸洗液の循環経路、電極設置位置およびNOx ガス濃度測定位置を示す模式図である。図中、チタン材帯板1は、酸洗液2に浸漬しながら酸洗槽10内を通過する間に、酸洗され、そのとき酸洗液2は、吸い込み口5から酸洗液循環用の耐食ポンプ3によって導管4を経てそれぞれ下側および上側吐出口6、7から吐出され、槽内を循環する。このとき電極設置位置8およびNOxガス濃度測定位置9において反応状態の監視が行われる。
【0042】
本例においても、このように酸洗液は、図1に模式的に示すように、3台の液循環用耐食ポンプ3 (流量:毎時20m3) を用いて酸洗槽内の3ヵ所から汲み出し、酸洗槽外に設けた硬質塩化ビニル製導管4を通って、酸洗槽内の6ヵ所 (帯板の上側と下側、各3ヵ所) から酸洗槽に戻るように循環させた。導管4から酸洗槽10へ戻る酸洗液の上側、下側吐出口6、7の近傍には35mass% 過酸化水素水の注入用配管の注入口を設置し( 図示せず) 、同じく図示しない3台の小型ポンプ (流量:2dm3/min)を用いて必要量を注入できるようにした。
【0043】
酸洗槽内の3ヵ所には白金線材を用いて作製した電極対 (表面積約5cm2/本) を設置し、電極間に0.5 Vの直流電圧を加えて電解すると同時に電解電流を測定、記録した。そして、この電解電流値が種々の設定値を下回る時に過酸化水素水注入用小型ポンプを作動するようにした。
【0044】
なお、3対の電極の設置位置は、図1に示すように、液循環によって生じる槽内の酸洗液の流れに対して、過酸化水素水注入口の下流側約2mの位置とし、それぞれの電極の電解電流値に応じてそれらの上流側の過酸化水素水注入口に導管で接続された小型ポンプが作動または停止するようにした。
【0045】
酸洗槽から発生するNOx ガスの濃度を測定するため、株式会社ガステック製の検知管(No.11HAおよびNo.11S) 、気体採取器および延長採取棒を用いた。なお、NOx ガス濃度の測定位置は、図1に示すように、電極設置位置の上方で、酸洗液面から約20cm上の3ヵ所とした。
【0046】
60本のチタン材の帯板のうち、1〜12本目の帯板については酸洗液中の過酸化水素濃度が約6g/dm3 になるように過酸化水素の添加量を制御し (このときの電解電流値は約10mA) 、以下同様に、13〜24本目の帯板は約3.2g/dm3(5.5mA) 、25〜36本目の帯板は約1.2g/dm3 (約2.3mA)、37〜48本目の帯板は約0.2g/dm3 (約0.5mA)となるように過酸化水素の添加量を制御した。
【0047】
49〜60本目の帯板については過酸化水素を全く添加せずに酸洗した。酸洗液中の遊離酸濃度、硝酸イオン濃度、亜硝酸イオン濃度、過酸化水素濃度およびチタン濃度を調べるための分析試料は酸洗前および2本の帯板が酸洗される毎に採取し、液温は酸洗前および1本の帯板が酸洗される毎に測定した。
【0048】
NOx ガス濃度はそれぞれの帯板の酸洗中に測定した。
遊離酸濃度はアルカリ中和滴定法、硝酸イオン濃度およびチタン濃度はイオンクロマトグラフ法によって分析し、過酸化水素濃度は過マンガン酸カリウム溶液による酸化還元滴定法によって分析した。
【0049】
亜硝酸イオン濃度は濃度既知の過酸化水素を過剰に加えた後、過剰の過酸化水素を過マンガン酸カリウム溶液によって滴定する方法で分析した。
表1および表2に示した試験データから分かるように、過酸化水素をかなり過剰に添加して酸洗した1〜12本目の帯板については、NOx ガスの発生は十分に抑制されたものの、2本の帯板当たりの過酸化水素の添加量は1.122 〜1.843g/dm3と最も多く、Ti溶解量に対する過酸化水素添加量のモル比も1.098 〜1.115 と最も大きかった。これは、過酸化水素の添加が過剰で、液中濃度が高すぎるために、自己分解して無駄に消費される過酸化水素が多いためと推測される。
【0050】
一方、帯板No.37 〜48については、酸洗液中の過酸化水素の濃度が約0.2g/dm3と低くすぎるため、NOx 濃度が650 〜1200ppm となり、NOx 抑制効果が不十分であった。
【0051】
帯板No.49 〜60については、過酸化水素を全く添加しなかったため、多量のNOx ガスが発生した。これに対して、帯板No.13 〜24および帯板No.25 〜36については、酸洗液中の過酸化水素の濃度がそれぞれ3.1 〜3.3g/dm3および1.2 〜1.3g/dm3と適当な範囲になるように制御したため、NOx ガスは十分に抑制されると同時にTi溶解量に対する過酸化水素添加量のモル比も0.895 〜0.909 および0.798 〜0.810 と比較的少なかった。
【0052】
図2は、帯板No.25 〜60について、酸洗液中の硝酸イオン濃度を比較して示したものであるが、過酸化水素の添加が不十分か全く添加されなかった帯板No.37 〜60に比べて、過酸化水素の添加が十分でNOx ガスの抑制も十分に行われた帯板No.25 〜36の場合の硝酸イオン濃度の低下が明らかに少ないことがわかる。これは、帯板No.37 〜60の場合には酸洗液中の多くの硝酸がNOx ガスとなって揮散したのに対して、帯板No.25 〜36の場合には硝酸がNOx ガスとなるのが効果的に防止されたためと推測される。
【0053】
【実施例2】
表3ないし表5にサイズを示す60本の工業用純チタンの帯板 (帯板No.61 〜120)を連続酸洗設備を用い、12本の帯板毎に酸洗条件を変えて順次、連続的に酸洗した。
【0054】
帯板No.61 〜84に対しては、工業用硝酸、ふっ化水素酸、硫酸または酢酸および水によって新たに調製した約17m3の硝ふっ酸酸洗液 (少量の硫酸または酢酸を含有) を用い、帯板No.85 〜120 に対しては、ステンレス鋼または銅ニッケル合金の酸洗に用いた硝ふっ酸酸洗液を一部または大部分廃棄した後、新たに工業用硝酸、ふっ化水素酸および水を追加して建浴した酸洗液を用いた。
【0055】
連続酸洗に伴う酸洗液中の遊離酸濃度、硝酸イオン濃度、亜硝酸イオン濃度、硫酸イオン濃度、酢酸イオン濃度、過酸化水素濃度、チタン濃度、鉄濃度、クロム濃度、銅濃度および液温の変化を調べた。
【0056】
酸洗液の循環、過酸化水素水の添加および添加量の制御、NOx ガス濃度の測定については実施例1と全く同じ方法、装置および器具を用いて行った。酸洗液の分析も実施例1と同じ方法で行ったが、硫酸イオン濃度、酢酸イオン濃度、鉄濃度、クロム濃度および銅濃度はイオンクロマトグラフによって分析した。
【0057】
表3ないし表5に示した試験データからから分かるように、硫酸および酢酸を少量含有する硝ふっ酸を用いて酸洗した61〜84本目の帯板については、酸洗液中の過酸化水素濃度が2.1 〜4.2g/dm3、Ti溶解量に対する過酸化水素添加量のモル比が0.818 〜0.913 となるように過酸化水素添加量を制御することにより、NOx ガス濃度は20〜50ppm に抑制された。
【0058】
なお、表中への記載は省略したが、硝酸イオン、硫酸イオンおよび酢酸イオンの濃度はいずれも12本の帯板が酸洗される間に徐々に低下し、初浴に比べて最終浴では約6〜8%低い値となった。これは、一部の酸洗液が帯板に付着して酸洗槽外へ持ち出されると同時に、過酸化水素水の添加によって酸洗液が希釈されるためと推測される。
【0059】
帯板No.85 〜96については、ステンレス鋼の酸洗に用いた硝ふっ酸を大部分廃棄した後、新しい酸と水を追加して建浴した酸洗液を使用したが、酸洗液中の鉄、クロムおよび銅の濃度から計算されるM値が10g/dm3 以下(4.90)であったので、添加した過酸化水素の自己分解はあまり起こらず、Ti溶解量に対する過酸化水素添加量のモル比は0.745 〜0.751 と、十分低い値となった。
【0060】
これに対して、帯板No.97 〜120 については、ステンレス鋼や銅ニッケル合金の酸洗に用いた硝ふっ酸をかなり残したまま新たに酸と水を追加して建浴した酸洗液 (M値がそれぞれ、12.23 および16.59)を使用したため、酸洗液中の過酸化水素の濃度を2.6 〜3.8g/dm3に制御したにもかかわらず、添加した過酸化水素の自己分解率が高まり、Ti溶解量に対する過酸化水素添加量のモル比は1.153 〜1.315 と、非常に大きな値となった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【発明の効果】
本発明により、チタン材を硝ふっ酸などの硝酸を含む酸洗液を用いて酸洗する際に発生するNOx ガスを効率的に削減でき、そのために必要な過酸化水素の添加量を必要最小限に自動制御することが可能となるなど、工業的効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸洗液の循環経路、電極設置位置およびNOx ガス濃度測定位置を示す模式図である。
【図2】チタンの酸洗に伴う硝酸イオン濃度の変化示すグラフである。
【符号の説明】
1:チタン材帯板、 2:酸洗液
3:酸洗液循環用耐食ポンプ、 4:導管
5:吸い込み口、 6:下側吐出口
7:上側吐出口、 8:電極設置位置
9:NOx ガス濃度測定位置、 10:酸洗槽
Claims (9)
- 硝酸を含有する酸洗液を用いてチタン材を連続酸洗する際に、該酸洗液に過酸化水素を添加することによってNOxガスの発生量を削減する方法において、該酸洗液中の過酸化水素濃度を0.5〜5.0g/dm3の範囲に保つと同時に、酸洗による単位時間当たりのチタン溶解量と単位時間当たりの過酸化水素添加量のモル比が1:0.6〜1.0となるように過酸化水素の添加量を制御するとともに、硝酸を含有する酸洗液中のFe3+イオン、Cr3+イオンおよびCu2+イオンの濃度から次式によって計算されるM値が10g/dm3以下にすることを特徴とするチタン材の連続酸洗方法。
M=(Fe3+)+2×(Cr3+)+5×(Cu2+)
ただし、(Fe3+)、(Cr3+)および(Cu2+)はそれぞれ酸洗液中のFe3+、Cr3+およびCu2+イオンの濃度(単位はg/dm3) - 過酸化水素の添加量を、該酸洗液に浸漬した電極に流れる電解電流値に応じて制御することを特徴とする請求項1記載のチタン材の連続酸洗方法。
- 電解電流値が特定の値を下回った時に過酸化水素を添加し、特定の値を上回った時に過酸化水素の添加をやめる方法で過酸化水素の添加量を制御することを特徴とする請求項2記載のチタン材の連続酸洗方法。
- 過酸化水素と酸洗液を混合するために、酸洗液中に設置した液循環の吐出口より酸洗液を吐出すると共に、該吐出口の近傍に過酸化水素を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタン材の連続酸洗方法。
- 硝酸を含有する酸洗液が硝酸とふっ化水素酸の混合水溶液である請求項1〜4のいずれかに記載のチタン材の連続酸洗方法。
- 硝酸を含有する酸洗液にチタン材を連続的に浸漬して酸洗する際に、該酸洗液に過酸化水素を添加することによってNOxガスの発生量を削減する方法において、該酸洗液中の過酸化水素濃度を0.5〜5.0g/dm3の範囲に保つと同時に、酸洗による単位時間当たりのチタン溶解量と単位時間当たりの過酸化水素添加量のモル比が1:0.6〜1.0となるように過酸化水素の添加量を制御するとともに、該酸洗液に浸漬した電極に流れる電解電流値が特定の値を下回った時に過酸化水素を添加し、特定の値を上回った時に過酸化水素の添加をやめる方法で過酸化水素の添加量を制御することを特徴とするチタン材の連続酸洗方法。
- 過酸化水素と酸洗液を混合するために、酸洗液中に設置した液循環の吐出口より酸洗液を吐出すると共に、該吐出口の近傍に過酸化水素を添加することを特徴とする請求項6に記載のチタン材の連続酸洗方法。
- 硝酸を含有する酸洗液が硝酸とふっ化水素酸の混合水溶液である請求項6または7に記載のチタン材の連続酸洗方法。
- 硝酸を含有する酸洗液中のFe3+イオン、Cr3+イオンおよびCu2+イオンの濃度から次式によって計算されるM値が10g/dm3以下に制御する請求項6〜8のいずれかに記載のチタン材の連続酸洗方法。
M=(Fe3+)+2×(Cr3+)+5×(Cu2+)
ただし、(Fe3+)、(Cr3+)および(Cu2+)はそれぞれ酸洗液中のFe3+、Cr3+およびCu2+イオンの濃度(単位はg/dm3)
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