JP3855245B2 - 湿式ピーニング方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気圧下の液体中の被処理品に加圧された処理液を前記液体中のノズルで投射して気泡の破裂による衝撃力によって前記被処理品をピーニング処理する湿式ピーニング方法およびその装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば金属素材をピーニング処理する方法の一つとして、大気圧下の液体中の金属素材に前記液体中のノズルで圧力60〜80MPaの水流を投射して気泡の破裂による衝撃力(キャビティーション)により行うようにした、いわゆる湿式ピーニング方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の湿式ピーニング方法では、圧力60〜80MPaの高圧の水流をノズルから噴出させて行うため、この高圧の水流を発生させる大型で高価な設備が必要であるなどの問題があった。
本発明は上記の問題を解消するために為されたもので、その目的は、被加圧処理液を噴出させるための動力を大幅に削減させかつ気泡の破裂による衝突力を増大させることが可能な湿式ピーニング方法およびその装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明における湿式ピーニング方法は、大気圧下の液体中の被処理品に加圧された処理液を前記液体中のノズルで投射して気泡の破裂による衝撃力によって前記被処理品をピーニング処理する湿式ピーニング方法において、前記被加圧処理液に圧縮空気を混合させ、この圧縮空気の圧力と前記被加圧処理液の圧力をそれぞれ0.03〜1.0MPaにし、さらに、前記圧縮空気と前記被加圧処理液の容積についての混合割合を所定値に維持安定させるようにしたことを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明における湿式ピーニング方法は、請求項1記載の湿式ピーニング方法において、前記圧縮空気と前記処理液の容積についての混合割合を、圧縮空気を圧縮しない状態に換算した空気量30〜100に対して処理液量1にしたことを特徴とする。
【0006】
請求項3の発明における湿式ピーニング装置は、大気圧下の液体中の被処理品に加圧された処理液を前記液体中のノズルで投射して気泡の破裂による衝撃力によって前記被処理品をピーニング処理する湿式ピーニング装置であって、被処理品を包囲する液体を貯蔵しかつ前記被処理品をセットするための貯蔵槽と、被加圧処理液を供給する被加圧処理液発生装置とこの被加圧処理液発生装置からの被加圧処理液を被処理品に向けて噴射するノズルと、このノズルから噴射される前の被加圧処理液に圧縮空気を混入させる混入機構と、この混入機構に供給される処理液の流量を制御する流量制御弁と、前記混入機構に供給される圧縮空気の流量を検出する流量センサと、この流量センサの検出結果に基づき予め測定されたデータで前記流量制御弁の目標開口度を演算してこの流量制御弁に指令を出すコントローラと、を備えて、前記圧縮空気の圧力と前記被加圧処理液の圧力、および、前記圧縮空気と前記被加圧処理液の容積についての混合割合とをそれぞれ所定のものにして、ノズルから噴射される前の前記被加圧処理液に圧縮空気を混入させながら噴射させるようにする。
【0007】
【作用】
請求項1の発明においては、被加圧処理液に圧縮空気を吹き込んだ混合物を液体中で投射して液体中の被処理品をピーニング処理するようにすると、気泡が従来の方法より多く発生して気泡の破裂による衝撃力を増大させ、ピーニング効果を高めることとなる。
【0008】
なお、圧縮空気の圧力と被加圧処理液の圧力とを0.03MPa未満にすると、衝突力が小さすぎて実用的でなく、また、1.0MPaを越えると消費動力の割には衝突力が小さい。さらになお、圧縮空気と処理液の容積についての混合割合を、処理液量1に対して圧縮空気を圧縮しない状態に換算した空気量30未満にすると、処理液の量は多いが速度が遅くなるため、衝突力が小さくなり、また、100を越えると空気の速度は速いが処理液が霧状に成り衝突力が小さくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図1および図2に基づき詳細に説明する。湿式ピーニング装置は、概略正面図である図1に示すように、被処理品を包囲する液体を貯蔵しかつ前記被処理品をセットするための貯蔵槽1と、被加圧処理液を供給する被加圧処理液発生装置2と、この被加圧処理液発生装置2からの被加圧処理液を被処理品に向けて噴射するノズル3と、このノズル3から噴射される前の被加圧処理液に圧縮空気を混入させる混入機構4と、この混入機構4に供給される処理液の流量を制御する流量制御弁5と、前記混入機構4に供給される圧縮空気の流量を検出する流量センサ6と、この流量センサ6の検出結果に基づき予め測定されたデータで前記流量制御弁5の目標開口度を演算してこの流量制御弁5に指令を出すコントローラ7と、で構成してある。
【0010】
そして、前記貯蔵槽1内には被処理品Wをセットして水平回転させる回転テーブル1aが設けてある。また、前記コントローラ7には、図2に示すような予め実験的に求めた空気と処理液との容積比である気液容積比と、圧縮空気と処理液との混合物の噴射による衝突力との相関関係が記憶してある。また、前記コントローラ7には、前記流量センサ6および前記流量制御弁5が、電気的に接続してある。なお、図2のグラフは、気液容積比に対する衝突力の傾向を表示している。
【0011】
前記被加圧処理液発生装置2は、圧縮空気源8と、圧縮空気源8に開閉弁9、T字管10および圧力制御弁11を介して接続された処理液貯蔵タンク12とで構成してあって、前記圧縮空気源8からの圧縮空気は処理液貯蔵タンク12内の処理液を所要圧力で加圧するようになっている。そして、処理液貯蔵タンク12の下端には前記流量制御弁5を介して前記混入機構4が連通接続してある。また、前記T字管10の他端には圧力制御弁13を介して前記混入機構4が連通接続してある。そして、前記混入機構4はパイプ14を介して前記ノズル3に連通接続してある。なお、前記流量センサ6は、処理液がその計器部に逆流しないようにその圧縮空気通過部に逆止弁(図示せず)を有している。また、前記処理液貯蔵タンク12の上部には、処理液供給装置15に開閉弁16および電磁式開閉弁17を介して連通接続された連通管18が臨んでいて、電磁式開閉弁17が前記処理液貯蔵タンク12の上面に装着された下限および上限を検出するレベルセンサ19と連動して処理液貯蔵タンク12に所要量の処理液を供給するようになっている。
【0012】
また前記コントローラ7には、前記流量センサ6および前記流量制御弁5の外にも、前記圧力制御弁11、13、電磁式開閉弁17およびレベルセンサ19も電気的に接続してある。なお、コントローラ7は前記処理液貯蔵タンク12の外面に装着してある。
【0013】
次に、このように構成された装置の作用について説明する。予め電磁式開閉弁17および連通管18を介して所定の処理液を所要量処理液貯蔵タンク12に供給し、さらに、コントローラ7に圧力制御弁11、13に係る必要圧力をそれぞれ入力して、混入機構4に供給される圧縮空気の圧力と、混入機構4に供給される処理液の圧力とを、それぞれ設定しておく。この状態の下にコントローラ7をもって装置を稼働させると、処理液貯蔵タンク12内の圧縮空気によって加圧されかつ流量制御弁5によって流量を制御された処理液が、混入機構4を通ってノズル3から金属製あるいは非金属製の被処理品Wに向けて噴射されるとともに、圧縮空気源8から供給された圧縮空気が、圧力制御弁13により所要の圧力に調節されるとともに、圧縮しない状態に換算された流量を流量センサ5により測定されながら、混入機構4により混入される。
【0014】
これにより、図2に示す気液容積比(気体/処理液)が30/1ないし100/1の範囲では、衝突力が最大値あるいは最大値に近づくとともに安定した状態で、処理液がノズル3から被処理品Wに向けて噴射され、消費エネルギが少ないにもかかわらず大きな衝突力を与えるようにして被処理品Wに投射されることとなる。さらに、水流と一緒に圧縮空気が吹き込まれるため、気泡が従来の方法より多く発生して気泡の破裂による衝撃力を増大させることとなる。
【0015】
なお、上記の実施例では、前記被加圧処理液発生装置2は、圧縮空気源8、圧縮空気源8に接続された処理液貯蔵タンク12等で構成してあるが、これに限定されるものではなく、例えば、ポンプ等を用いても同様の作用効果が得られる。また、前記貯蔵槽1内に低周波振動発生装置(図示せず)を設けて振動数10〜50Hzの振動を貯蔵槽1内の液体に与えることにより、気泡の破裂を安定して発生させたり、ノズル3から見て被処理品Wの裏側に気泡を均等に回り込ませて複雑な形状の被処理品Wに対応させることができる。また、被処理品Wの大きさに対応した、回転テーブル1aの回転数とノズル3の上下移動速度についての相関関係を予め前記コントローラ7に記憶させて、それらを被処理品Wの大きさに対応した条件で作動させることによりピーニング効果を向上させるようにしてもよい。また、処理液と貯蔵槽1内の液体を同質にすることにより、処理液の回収分離を省略することができる。また、前記被加圧処理液発生装置2等を中心として移動可能に構成することによりノズル3を被処理品Wに対して近づけたり、離したりするようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明は、被加圧処理液に圧縮空気を混合させ、この圧縮空気の圧力と前記被加圧処理液の圧力をそれぞれ0.03〜1.0MPaにし、さらに、前記圧縮空気と前記被加圧処理液の容積についての混合割合を所定値に維持安定させるようにしたから、被加圧処理液を噴出させるための動力を削減させかつ気泡の破裂による衝突力を増大させることが可能になるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略正面図である。
【図2】本発明に係る実験的に求めた空気と処理液との容積比である気液容積比と、圧縮空気と処理液との混合物の噴射による衝突力との相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 貯蔵槽
2 被加圧処理液発生装置
3 ノズル
4 混入機構
5 流量制御弁
6 流量センサ
7 コントローラ
Claims (3)
- 大気圧下の液体中の被処理品に加圧された処理液を前記液体中のノズルで投射して気泡の破裂による衝撃力によって前記被処理品をピーニング処理する湿式ピーニング方法において、
前記被加圧処理液に圧縮空気を混合させ、この圧縮空気の圧力と前記被加圧処理液の圧力をそれぞれ0.03〜1.0MPaにし、さらに、前記圧縮空気と前記被加圧処理液の容積についての混合割合を所定値に維持安定させるようにしたことを特徴とする湿式ピーニング方法。 - 請求項1記載の湿式ピーニング方法において、
前記圧縮空気と前記処理液の容積についての混合割合を、圧縮空気を圧縮しない状態に換算した空気量30〜100に対して処理液量1にしたことを特徴とする湿式ピーニング方法。 - 大気圧下の液体中の被処理品に加圧された処理液を前記液体中のノズルで投射して気泡の破裂による衝撃力によって前記被処理品をピーニング処理する湿式ピーニング装置であって、
低周波振動発生装置が内設され被処理品を包囲する液体を貯蔵しかつ前記被処理品をセットするための貯蔵槽1と、
被加圧処理液を供給する被加圧処理液発生装置2と、
この被加圧処理液発生装置2からの被加圧処理液を被処理品に向けて噴射するノズル3と、
このノズル3から噴射される前の被加圧処理液に圧縮空気を混入させる混入機構4と、
この混入機構4に供給される処理液の流量を制御する流量制御弁5と、
前記混入機構4に供給される圧縮空気の流量を検出する流量センサ6と、
この流量センサ6の検出結果に基づき予め測定されたデータで前記流量制御弁5の目標開口度を演算してこの流量制御弁5に指令を出すコントローラ7と、
を備え、
これにより、加圧された処理液を前記ノズル3で投射する際に、前記低周波振動発生装置によって振動数10〜50Hzの振動を前記貯蔵槽1内の液体に与えることを特徴とする湿式ピーニング装置。
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JP17319997A JP3855245B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 湿式ピーニング方法およびその装置 |
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JPH11865A JPH11865A (ja) | 1999-01-06 |
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