JP3854940B2 - ドレン接続管 - Google Patents

ドレン接続管 Download PDF

Info

Publication number
JP3854940B2
JP3854940B2 JP2003115851A JP2003115851A JP3854940B2 JP 3854940 B2 JP3854940 B2 JP 3854940B2 JP 2003115851 A JP2003115851 A JP 2003115851A JP 2003115851 A JP2003115851 A JP 2003115851A JP 3854940 B2 JP3854940 B2 JP 3854940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforced plastic
plastic material
cylindrical portion
glass fiber
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003115851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004324045A (ja
Inventor
光陽 坂部
Original Assignee
株式会社美建
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社美建 filed Critical 株式会社美建
Priority to JP2003115851A priority Critical patent/JP3854940B2/ja
Publication of JP2004324045A publication Critical patent/JP2004324045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3854940B2 publication Critical patent/JP3854940B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドレン接続管に関する。
ドレン接続管は、バルコニーやベランダ等の床材に形成された排水口、あるいは、タンクやバスタブの排水口と、排水パイプとの間に接続して、床面上に溜まる雨水や湯水等のドレンを排水パイプに排水させるものである。本発明はかかるドレン接続管に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来のドレン接続管101 の施工説明図である。同図において、符号3はバルコニーやベランダ等の床材であり、この床材3には排水口4が形成されている。排水口4の下方には、塩化ビニル製の排水パイプ2が設けられており、排水パイプ2と排水口4との間は、ドレン接続管101 で接続されている。
このドレン接続管101 は、筒部110 の上端に、この筒部110 の外周より外側に張り出した鍔部150 が形成されたものである。このドレン接続管101 の筒部110 は排水口4に挿入されており、筒部110 の上部周面と排水口4の内壁との間、並びに、鍔部150 の裏面と床材3の上面との間は、接着剤によりそれぞれ接着されている。筒部110 の下端は、排水パイプ2に接続されている。
そして、床材3の床面および鍔部150 の上面は、繊維強化プラスチック等で製作された槽やパン等のシーリング材5で覆われている。シーリング材5は、繊維強化プラスチック製であるから、非常に硬くて割れにくく防水性に優れている。
【0003】
上記従来のドレン接続管101 には、例えばステンレス、銅、塩化ビニル、ABS樹脂、ポリカーボネート等で製作されたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−8659号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来のドレン接続管101 は、筒部110 と鍔部150 がいずれも同じ素材で製作されている。他方、筒部110 が接続される排水パイプ2の素材と、鍔部150 の上面に接着されるシーリング材5の素材は、異なる素材であることがほとんどである。つまり、排水パイプ2は塩化ビニル製のものが多く、シーリング材5は繊維強化プラスチック製のものが多い。
このため、ドレン接続管101 を塩化ビニルで製作した場合には、鍔部150 も塩化ビニルで形成されるから、衝撃に弱く、割れたりヒビが入ったりして漏水することがある。
しかも、塩化ビニル製の鍔部150 は、繊維強化プラスチック製のシーリング材5との間の接着性が悪く、防水性が低い。
かといって、ドレン接続管101 を繊維強化プラスチックで製作した場合は、筒部110 が繊維強化プラスチックで形成されるから、硬すぎて使いずらく、塩化ビニル製の排水パイプ2との接着性が悪いため、最悪の場合には、外れてしまい漏水の原因になることがあるという問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑み、鍔部が衝撃に強く、割れたりヒビが入ったりせず、繊維強化プラスチック製のシーリング材との間を確実に接着でき、排水パイプとの間を確実に接着でき、使いやすく、優れた防水構造により漏水を防止できるドレン接続管を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1のドレン接続管は、筒部と、該筒部の一端に取り付けられた鍔部とからなるドレン接続管であって、前記筒部の一端面に接着された第1繊維強化プラスチック材と、第2繊維強化プラスチック材とからなり、該第2繊維強化プラスチック材が、前記第1繊維強化プラスチック材の裏面部分に接着される張出し部分と、前記筒部の一端部周面に接着されるスリーブ部分とからなる前記鍔部が、繊維強化プラスチック製の部材であって前記筒部が、塩化ビニル製のパイプを用いた部材であることを特徴とする
求項のドレン接続管は、請求項記載の発明において、前記第1繊維強化プラスチック材が、前記筒部の一端面に重ね合わされた第1ガラス繊維マットと、該第1ガラス繊維マットに含浸された熱硬化性樹脂とからなり、前記第2繊維強化プラスチック材が、前記第1ガラス繊維マットの裏面部分から前記筒部の一端部周面にかけて重ね合わされた、第2ガラス繊維マットと、該第2ガラス繊維マットに含浸された熱硬化性樹脂とからなることを特徴とする。
請求項のドレン接続管は、請求項記載の発明において、前記筒部と前記第2繊維強化プラスチック材のスリーブ部分との間に接着層が設けられており、該接着層の主成分がビニルエステル樹脂であることを特徴とすることを特徴とする
0008
0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のドレン接続管1の縦断面図である。図2は本実施形態のドレン接続管1の説明図であって、(A)は平面図、(B)は側面図である。図1および図2に示すように、本実施形態の本実施形態のドレン接続管1は、バルコニーやベランダ等の床材3に形成された排水口4と排水パイプ2との間に接続して、床面上に溜まる雨水等のドレンを、排水パイプ2に排水させるためのものである。
なお、用途は、バルコニーやベランダ等の排水口に限らず、タンクやバスタブ等の排水口など、種々の用途に使用できる。
【0010】
このドレン接続管1は、塩化ビニル製などの筒部10の一端に、繊維強化プラスチック製の鍔部50が取り付けられたものであるが、このような異なる素材の部材同士は接着しにくいものである。しかし、本発明によると、塩化ビニル製などの筒部10に、繊維強化プラスチック製の鍔部50を良好な状態で接着されたドレン接続管1を製造することができるものである。
【0011】
そこでまず、本発明のドレン接続管製造方法に基づいて説明する。
図4は本発明のドレン接続管の製造方法を示すフローチャートである。図5において、S11 図は研磨ステップS11 の説明図、S12 図は塗布ステップS12 の説明図である。
図4および図5において、筒部10は、塩化ビニル製のパイプを用いた部材であり、長さは任意であるが、ドレン接続管の機能を果たすのに必要な長さがあればよい。
なお、筒部10の素材は、塩化ビニルだけでなく、耐熱用塩化ビニルや鉄、ステンレス、アルミニウムなど、塩化ビニル製の排水パイプ2に接着したときに接着性が良好であればよく、種々の素材を採択しうる。
【0012】
筒部10の内側には、リング状の突起14が形成されている。このため、筒部10の内側に、後述する排水パイプ2を挿入したときに、突起14はストッパとして機能するので位置決めが簡単である。
なお、筒部10は、これに突起14が必ずしも形成されていなくてもよい。この場合、筒部10の外周部分に排水パイプ2を外挿して、接続するようにすればよい。
【0013】
図4および図5(S11 )に示すように、まず、筒部10の一端部周面を、表面研磨する(S11 )。研磨には、サンディングペーパーや研磨機を使用することができる。
研磨された部分は、繊維強化プラスチック製の鍔部50を接着すべき接着予定部分であり、符号12で示す。符号11は、研磨されていない部分を示している。
筒部10の表面を研磨することにより、表面積を多くして鍔部50を接着したときの接着性を高めることができる。
なお、表面研磨ステップS11 は、任意のステップであり、必ずしも行う必要はない。
【0014】
つぎに、図4および図5(S12 )に示すように、前記接着予定部分12に、接着剤aを塗布して、接着層13を形成する(S12 )。接着剤aは、主成分であるビニルエステル樹脂にナフテン酸コバルト等を助剤として加えて攪拌し、これにメチルエチルケトンパーオキサイト等を硬化剤として加えてもう一度攪拌したものが好ましい。助剤および硬化剤を加えたのは、ビニルエステル樹脂を硬化させるためである。
ビニルエステル樹脂は、これが硬化すると、塩化ビニル製品と繊維強化プラスチック製品との間を高い強度で接着することができる。このため、主成分がビニルエステル樹脂の接着層13によって、塩化ビニル製の筒部10に、後述する繊維強化プラスチック製の鍔部50を高い強度で接着することができる。
なお、助剤および硬化剤は、ビニルエステル樹脂を硬化させるものであれば、種々のものを使用できる。
【0015】
図6において、S21 図は第1塗布ステップS21 の説明図、S22 図は第2塗布ステップS22 の説明図、S23 図は重ね合わせステップS23 の説明図、S24 図は第3塗布ステップS24 の説明図である。
図4および図6(S21 )に示すように、他方、板ガラスや金属板等の型材21の上面に、例えば自動車用ワックスや床用ワックス等の水溶性ワックス等の剥離材bを塗布して、剥離層22を形成する(S21 )。
なお、剥離材bは、塗布した後に乾いたときに被膜が形成され、後述する熱硬化性樹脂層23を剥離できれるものであれば、種々のものを使用できる。
【0016】
つぎに、図4および図6(S22 )に示すように、前記剥離層22の上面に、ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂cを塗布して、熱硬化性樹脂層23を形成する(S22 )。
【0017】
つぎに、図4および図6(S23 )に示すように、熱硬化性樹脂層23の熱硬化性樹脂cが硬化しないうちに、熱硬化性樹脂層23の上面に、第1ガラス繊維マット30を重ね合わせる(S23 )。
第1ガラス繊維マット30は、ガラス繊維が絡み合ってマット状に形成されたものである。熱硬化性樹脂cが硬化しないうちに、第1ガラス繊維マット30を重ね合わせるので、熱硬化性樹脂cが第1ガラス繊維マット30の隙間に浸み込む。このため、第1ガラス繊維マット30は熱硬化性樹脂層23の上面に接着されやすくなる。
【0018】
第1ガラス繊維マット30の形状は、円形であるが、必ずしも円形に限らず四角形等であってもよく、特に限定はない。
また、第1ガラス繊維マット30は、その中央部分に、円形の孔が形成されている。孔が形成されているのは、これに含浸された熱硬化性樹脂が硬化して繊維強化プラスチック材となったときに、後述する仕上げステップにおいて、繊維強化プラスチック材のバリを削除しやすくするためである。
なお、第1ガラス繊維マット30の孔の形状には、特に限定はない。
【0019】
図4および図6(S24 )に示すように、第1ガラス繊維マット30の上面に、ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂dを塗布する(S24 )。
熱硬化性樹脂dは、硬化するまでは液体であるから、第1ガラス繊維マット30に含浸される。熱硬化性樹脂dは、これが硬化すると、前記第1ガラス繊維マット30と合体して、繊維強化プラスチックとなる。
なお、熱硬化性樹脂dは、前記熱硬化性樹脂cと同じ樹脂が好適である。
【0020】
図7は筒部配置ステップS25 の説明図である。図4および図7に示すように、第1ガラス繊維マット30に含浸された熱硬化性樹脂dが硬化しないうちに、第1ガラス繊維マット30の上面に、前記筒部10を立てた状態で、接着層13を下向きにして置く(S25 )。
熱硬化性樹脂dが硬化しないうちに、第1ガラス繊維マット30の上面に、前記筒部10を置くので、第1ガラス繊維マット30の上面に筒部10の下端面が接着されやすくなる。
【0021】
つぎに、第2ガラス繊維マット40の重ね合わせステップS26 を説明する。
第2ガラス繊維マット40は、ガラス繊維が絡み合ってマット状に形成されたものである。このため、挿入孔43の周囲のガラス繊維を解して挿入孔43を押し広げながら、容易に変形させることができる。
第2ガラス繊維マット40の中央部分には、前記筒部10の外径よりも小さい径の挿入孔43が形成されている。この挿入孔43は、第2ガラス繊維マット40を前記筒部10に挿入するための孔である。
【0022】
図8は第2ガラス繊維マットの重ね合わせステップS26 の説明図である。図4および図8に示すように、第1ガラス繊維マット30の熱硬化性樹脂dおよび接着層13が硬化しないうちに、第2ガラス繊維マット40の挿入孔43に筒部10を挿入して、挿入孔43の周囲のガラス繊維を解して挿入孔43を押し広げながら、この第2ガラス繊維マット40を筒部10の下端まで押し下げていく。
【0023】
この結果、第2ガラス繊維マット40は、その内側部分が筒状に変形する。説明のため、筒状に変形した内側部分をスリーブ部分41といい、変形していない外側部分を張出し部分42という。
そして、張出し部分42を前記第1ガラス繊維マット30に重ね合わせ、スリーブ部分41を筒部10の接着層13に重ね合わせる(S26 )。
熱硬化性樹脂dが硬化しないうちに、熱硬化性樹脂dに第2ガラス繊維マット40を重ね合わせることにより、熱硬化性樹脂dは第2ガラス繊維マット40に浸み込む。このため、第2ガラス繊維マット40を、熱硬化性樹脂dが含浸された第1ガラス繊維マット30に接着させやすくできる。
【0024】
図9においてS27 図は第4塗布ステップS27 の説明図、S28 図は剥離ステップS28 の説明図である。図4および図9に示すように、第2ガラス繊維マット40の表面に、ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂eを塗布する(S27 )。熱硬化性樹脂eは硬化するまでは液体であるから、第2ガラス繊維マット40の内部に含浸される。この熱硬化性樹脂eは、これが硬化すると第2ガラス繊維マット40と合体して、繊維強化プラスチックとなる。
なお、熱硬化性樹脂eは、前記熱硬化性樹脂cと同じ樹脂が好適である。
【0025】
熱硬化性樹脂eが硬化しないうちに、熱硬化性樹脂dと熱硬化性樹脂eとの間の気泡から空気を脱泡する(S28 )。例えば、ローラの周面部分に多数のピン(例えば豚毛)が、先端を外側に張り出すように植え付けられたピン付きローラを熱硬化性樹脂eの表面で押し付けながら転がすことにより、ピンを熱硬化性樹脂eに突き刺して、熱硬化性樹脂d,e間の気泡と外気との間に抜け孔を形成することができるので、気泡中の空気を外部に追い出すことができる。
なお、脱泡手段は、ピン付きローラだけでなく、熱硬化性樹脂d,e間の気泡を抜くことができるものであれば、任意である。
【0026】
そして、前記熱硬化性樹脂c〜eおよび接着剤aが硬化するまで、放置する(S29 )。これにより、以下の効果が生じる。
図3および図4に示すように、前記熱硬化性樹脂cが硬化することにより、筒部10の一端に、板状の熱硬化性樹脂層23が形成される。
【0027】
前記熱硬化性樹脂dが硬化することにより、熱硬化性樹脂dと第1ガラス繊維マット30が一体となって繊維強化プラスチック材が形成される。この繊維強化プラスチック材を、第1繊維強化プラスチック材60という。この第1繊維強化プラスチック材60は、繊維強化プラスチック製であるから、非常に硬くて割れにくく防水性に優れている。
【0028】
また、熱硬化性樹脂eが硬化することにより、熱硬化性樹脂eと第2ガラス繊維マット40が一体となって繊維強化プラスチック材となる。この繊維強化プラスチック材を、第2繊維強化プラスチック材70という。この第2繊維強化プラスチック材70は、繊維強化プラスチック製であるから、非常に硬くて割れにくく防水性に優れている。
しかも、熱硬化性樹脂d,eが硬化するときに、両者の熱硬化性樹脂d,eによって、前記2枚の繊維強化プラスチック材60,70が一体化するのである。この接着は一次接着であるから、硬化後の部材同士の間に接着剤を塗布して接着する二次接着に比べて、非常に強い力で一体化させることができる。
【0029】
この第2繊維強化プラスチック材70は、円筒状のスリーブ部分71と、このスリーブ部分71の一端部から張り出した張出し部分72とを備えている。張出し部分72は第1繊維強化プラスチック部材60の裏面部分に接着されており、スリーブ部分71は、筒部10の一端部周面に接着されている。
【0030】
筒部10より外側に張り出した部分において、張出し部分72と繊維強化プラスチック材60が2枚合わせで重ね合わされており、厚くなっているので、非常に硬くて割れにくい。
【0031】
さらに、接着剤aが硬化すると、スリーブ部分71の内側と筒部10の上部周面部分との間には、接着層13が形成される。
【0032】
この接着層13は、主成分であるビニルエステル樹脂に助剤および硬化剤が添加された接着剤を、層状に形成したものである。接着層13の主成分は、ビニルエステル樹脂であるから、塩化ビニル製品と繊維強化プラスチック製品との間を良好な状態で接着することができる。このため、塩化ビニル製の筒部10に、繊維強化プラスチック製のスリーブ部分71を確実に接着することができる。
なお、接着層13の素材は、ビニルエステル樹脂だけでなく、繊維強化プラスチック製のスリーブ部分71を良好な接着状態で、筒部10に接着できる素材であれば、種々の素材の接着材を使用することができる。
【0033】
つぎに、図9(S30 )に示すように、熱硬化性樹脂層23より型材21を剥離させる(S30 )。型材21と熱硬化性樹脂層23との間には、剥離層22が形成されているので、型材21を簡単に剥離させることができる。
【0034】
図10は仕上げステップS31 の説明図である。同図に示すように、最後に、繊維強化プラスチック材のバリ等を削除して、所望の鍔形状に仕上げることにより、筒部10の一端に、繊維強化プラスチック製の鍔部50が取り付けられたドレン接続管1を製造することができる。
【0035】
上記のドレン接続管の製造方法によれば、以下の(1)〜(4)に示す効果を奏する。
(1)熱硬化性樹脂dが含浸された第1ガラス繊維マット30の表面に、立てた状態の筒部10を置くので、熱硬化性樹脂dが硬化することにより、筒部10の一端面に、第1繊維強化プラスチック材60を形成することができる。この第1繊維強化プラスチック材60は、熱硬化性樹脂dの硬化するときに筒部10に固着したものであるから、第1繊維強化プラスチック材60を鍔形状に形成することにより、筒部10の一端面に繊維強化プラスチック製の鍔部50が強固に接着されたドレン接続管1を製造することができる。
【0036】
(2)第1ガラス繊維マット30に含浸された熱硬化性樹脂dが硬化する前に、ガラス繊維マット30の表面に、第2ガラス繊維マット40を重ね合わせることにより、第2ガラス繊維マット40に、前記熱硬化性樹脂dを染み込ませることができる。そして、第2ガラス繊維マット40に熱硬化性樹脂eを含浸させているので、この熱硬化性樹脂eが硬化することにより、繊維強化プラスチック材60の表面に第2繊維強化プラスチック材70を形成することができる。第2繊維強化プラスチック材70は、熱硬化性樹脂eが硬化するときに、熱硬化性樹脂eにより繊維強化プラスチック材60に固着したものであるから、第1繊維強化プラスチック材60に第2繊維強化プラスチック材70を一体化させることができる。このため、鍔部50が2枚合わせの繊維強化プラスチック材60,70の強固なドレン接続管1を製造することができる。
【0037】
(3)第2繊維強化プラスチック材70は、繊維強化プラスチック材60の表面から筒部10の上端周面にかけて、接着されているので、筒部10に鍔部50が強固に取り付けられたドレン接続管1を製造することができる。
【0038】
(4)筒部10の一端部周面に形成されたビニルエステル樹脂の接着層13に、第2ガラス繊維マット40を重ね合わせることができる。この第2ガラス繊維マット40に、熱硬化性樹脂を含浸してこれが硬化すると、第2繊維強化プラスチック材60形成されるので、筒部10が塩化ビニル製の場合には、ビニルエステル樹脂の接着層13によって、筒部10に第2繊維強化プラスチック材70を強固に接着させることができる。
【0039】
つぎに、ドレン接続管1の作用効果を説明する。
図1および図2に示すように、ドレン接続管1は以下の(A)〜(G)の作用効果を奏する。
(A)ドレン接続管1は、筒部10の上端部に、この筒部10の上端部から外側に張り出した鍔部50が取り付けられたものである。このため、筒部10を床材3の排水口4に挿入したときに、鍔部50によって排水口4と筒部10との間の隙間を塞ぐことができるので、この隙間に、雨水等のドレンが浸入して漏水するのを防止することができる。
【0040】
(B)前記鍔部50は、繊維強化プラスチック製の部材であるから、非常に硬くて割れにくいので、鍔部50を床材3の上面に設置したときに、漏水の恐れがなく、防水性に優れている。
【0041】
(C)しかも、繊維強化プラスチック製のシーリング材5を床材3の上面に敷設する場合には、鍔部50の素材をシーリング材5と同じ素材にすることができる。このため、鍔部50とシーリング材5との間に、例えばポリエステル樹脂等の接着材を塗布して、例えばFRP防水等の防水加工することにより、鍔部50の上面に繊維強化プラスチック製のシーリング材5を確実に接着することができ、優れた防水構造にすることができる。
【0042】
(D)ドレン接続管1の筒部10は、塩化ビニルで製作されているため、排水パイプ2が塩化ビニル製の場合には、排水パイプ2と筒部10との間の接着性を良好にすることができ、筒部10を排水パイプ2に確実に接着でき漏水を防止することができる。
【0043】
(E)鍔部50における筒部10より外側に張り出した部分において、2枚の繊維強化プラスチック材60,70が重ね合わされており、厚くなっているので、非常に硬くて割れにくい。しかも、スリーブ部分71を筒部10の上部周面に接着させることにより、鍔部50を筒部10に広い面積で接着させることができ、筒部10に鍔部50を強固に取り付けることができる。
【0044】
(F)第2繊維強化プラスチック材70において、第2ガラス繊維マット40に含浸された熱硬化性樹脂eが硬化すると、第1繊維強化プラスチック材60の裏面部分に重ね合わされた部分では、熱硬化樹脂eが硬化するときに、この熱硬化性樹脂eにより第1繊維強化プラスチック材60の裏面部分に結合する。このため、第2繊維強化プラスチック材70を第1繊維強化プラスチック材60に一体化させることができる。
【0045】
(G)ビニルエステル樹脂を主成分とした接着層13によって、塩化ビニル製の筒部10に第2繊維強化プラスチック材70のスリーブ部分71を確実に接着することができる。
【0046】
上記のごとく、本実施形態のドレン接続管1によれば、鍔部50が衝撃に強く、割れたりヒビが入ったりせず、繊維強化プラスチック製のシーリング材5との間を確実に接着でき、排水パイプ2との間を確実に接着でき、使いやすく、優れた防水構造により漏水を防止できるという効果を奏する。
【0047】
つぎに、他の実施形態を説明する。
図11は第2実施形態のドレン接続管1Bの縦断面図である。同図に示すように、筒部10より外側に張り出した鍔の形状は、円形だけでなく、鍔部50B のごとき形状であってもよい。
つまり、鍔部50B は、筒部10の左右両側で非対称であり、一方の鍔部分において筒部10の一端から水平に延びた水平部分が形成され、反対側の鍔部分において垂直に延びた背面部分が形成されたものである。
このため、ドレン接続管1Bによれば、床材3の端部において側壁の近傍に垂直に排水口4が設けられている場合に、ドレン接続管1Bの筒部を排水口4に挿入し、一方の鍔部分を側壁に沿って接着し、他方の鍔部分を床材に沿って接着することにより、側壁に近い排水口4であっても施工することができる。
【0048】
図12は第2実施形態のドレン接続管1Bの施工説明図である。同図に示すように、側壁7には、床材3の下部に排水口8が水平に形成されている。このドレン接続管1Bによれば、ドレン接続管1Bを横倒させて筒部を排水口8に挿入し、一方の鍔部分を床材3に沿って接着し、他方の鍔部分を側壁7に沿って接着することにより、水平な排水口8にも施工することができる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明の効果は、つぎのとおりである。
a)鍔部は繊維強化プラスチック製であるから、非常に硬くて割れにくいので、鍔部を床材の上面に設置したときに、漏水の恐れがなく、防水性に優れている。しかも、繊維強化プラスチック製のシーリング材を床材の上面に敷設する場合には、鍔部の部材をシーリング材と同じ素材にすることができる。このため、鍔部とシーリング材との間に、接着材を塗布して防水加工することにより、鍔部の上面に繊維強化プラスチック製のシーリング材を確実に接着することができ、優れた防水構造にすることができる。
b)筒部を塩化ビニル製のパイプにすることにより、塩化ビニル製の排水パイプに接続する場合には、筒部の素材を排水パイプと同じ素材にすることができるから、筒部と排水パイプとの間の接続部分における接着性を良好にすることができる。したがって、筒部を塩化ビニル製の排水パイプに確実に接着することができ、優れた防水構造にすることができる。
c)筒部より外側に張り出した部分において、2枚の繊維強化プラスチック材が重ね合わされており、厚くなっているので、非常に硬くて割れにくい。しかも、スリーブ部分を筒部の上部周面に接着させることにより、鍔部を筒部に広い面積で接着させることができ、筒部に鍔部を強固に取り付けることができる。
請求項の発明によれば、第1ガラス繊維マットに含浸された熱硬化性樹脂が硬化すると第1繊維強化プラスチック材が形成され、第2ガラス繊維マットに含浸された熱硬化性樹脂が硬化すると、第2繊維強化プラスチック材が形成されるしかも、両者の熱硬化性樹脂が硬化するときに、2枚の繊維強化プラスチック材が一体化するのである。この接着は一次接着であるから、硬化後の部材同士の間に接着剤を塗布して接着する二次接着に比べて、非常に強い力で一体化させることができる。
請求項の発明によれば、ビニルエステル樹脂を主成分とした接着層によって、塩化ビニル製の筒部に第2繊維強化プラスチック材のスリーブ部分を確実に接着することができる
図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のドレン接続管1の縦断面図である。
【図2】 本実施形態のドレン接続管1の説明図であって(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図3】 鍔部50の拡大断面図である。
【図4】 本発明のドレン接続管の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】 S11 図は研磨ステップS11 の説明図、S12 図は塗布ステップS12 の説明図である。
【図6】 S12 図は第1塗布ステップS21 の説明図、S22 図は第2塗布ステップS22 の説明図、S23 図は重ね合わせステップS23 の説明図、S24 図は第3塗布ステップS24 の説明図である。
【図7】 筒部配置ステップS25 の説明図である。
【図8】 第2ガラス繊維マットの重ね合わせステップS26 の説明図である。
【図9】 S27 図は第4塗布ステップS27 の説明図、S28 図は剥離ステップS28 の説明図である。
【図10】 仕上げステップS29 の説明図である。
【図11】 第2実施形態のドレン接続管1Bの縦断面図である。
【図12】 第2実施形態のドレン接続管1Bの施工説明図である。
【図13】 従来のドレン接続管101 の施工説明図である。
【符号の説明】
1 ドレン接続管
2 排水パイプ
3 床材
4 排水口
5 シーリング材
10 筒部
13 接着層
50 鍔部
60 第1繊維強化プラスチック材
70 第2繊維強化プラスチック材
71 スリーブ部分
72 張出し部分

Claims (3)

  1. 筒部と、該筒部の一端に取り付けられた鍔部とからなるドレン接続管であって、
    前記筒部の一端面に接着された第1繊維強化プラスチック材と、
    第2繊維強化プラスチック材とからなり、
    該第2繊維強化プラスチック材が、
    前記第1繊維強化プラスチック材の裏面部分に接着される張出し部分と、
    前記筒部の一端部周面に接着されるスリーブ部分とからなる
    前記鍔部が、繊維強化プラスチック製の部材であって
    前記筒部が、塩化ビニル製のパイプを用いた部材である
    ことを特徴とするドレン接続管
  2. 前記第1繊維強化プラスチック材が、
    前記筒部の一端面に重ね合わされた第1ガラス繊維マットと、
    該第1ガラス繊維マットに含浸された熱硬化性樹脂とからなり、
    前記第2繊維強化プラスチック材が、
    前記第1ガラス繊維マットの裏面部分から前記筒部の一端部周面にかけて重ね合わされた、第2ガラス繊維マットと、
    該第2ガラス繊維マットに含浸された熱硬化性樹脂とからなる
    ことを特徴とする請求項記載のドレン接続管。
  3. 前記筒部と前記第2繊維強化プラスチック材のスリーブ部分との間に接着層が設けられており、
    該接着層の主成分がビニルエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項記載のドレン接続管
JP2003115851A 2003-04-21 2003-04-21 ドレン接続管 Expired - Fee Related JP3854940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003115851A JP3854940B2 (ja) 2003-04-21 2003-04-21 ドレン接続管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003115851A JP3854940B2 (ja) 2003-04-21 2003-04-21 ドレン接続管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004324045A JP2004324045A (ja) 2004-11-18
JP3854940B2 true JP3854940B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=33496281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003115851A Expired - Fee Related JP3854940B2 (ja) 2003-04-21 2003-04-21 ドレン接続管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3854940B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274717A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Yamaso:Kk バルコニー及び/又はベランダ用熱可塑性樹脂製横型ドレン
US8192111B2 (en) 2009-05-20 2012-06-05 Gse Lining Technology, Inc. Boot for geosynthetic layer
JP5315208B2 (ja) * 2009-10-23 2013-10-16 株式会社シマブン 排水容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004324045A (ja) 2004-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100636887B1 (ko) 메쉬형 유리섬유시트와 이를 이용한 복합 방수 공법
JP2004027718A5 (ja)
CN105840215A (zh) 一种隧道防水板粘结铺设工艺
KR100659476B1 (ko) 매트형 방수시트 및 이의 제조방법과 시공방법
JP3854940B2 (ja) ドレン接続管
KR200405387Y1 (ko) 메쉬형 유리섬유시트
TWM560552U (zh) 排水管防水套件
KR20090022496A (ko) 터널용 방수시트 및 이를 이용한 방수 공법
JP5756662B2 (ja) 改修用二重ドレン及びそれを用いたルーフドレンの改修方法
KR101627556B1 (ko) 방수층의 안정성을 높인 복합방수구조 및 이를 이용한 복합방수공법
JP4589344B2 (ja) シート防水構造及び防水工法
KR20080004755U (ko) 슬리브 누수방지용 패킹
KR100617507B1 (ko) 수밀형 맨홀
KR100935417B1 (ko) 방수공법
KR100942375B1 (ko) 콘크리트 수로의 이음용 복합 방수 시트 및 그 복합 방수시트를 이용한 콘크리트 수로 이음 공법
CA2741768C (en) Method for creating a seal between pipe liners
KR100617522B1 (ko) 수밀형 맨홀의 접속관 결합구조 및 시공방법
JP5652754B2 (ja) 防水面構造、及びその施工方法
JP2011089347A (ja) 排水容器及び排水容器の施工方法、排水容器を用いた床排水構造
JP2002001819A (ja) 管ライニング工法並びに管ライニング材及びその製造方法
JP2007253339A (ja) 取付管用更生材料
JPH0621507B2 (ja) 複合防水工法
JP2001227121A (ja) シート防水構造物の開口周辺構造及び開口部材
JP4436743B2 (ja) ルーフドレイン
JP4502744B2 (ja) 排水立て管の更生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150915

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees