JP3854310B6 - 遠心ロータおよびスライド - Google Patents
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Description
中心軸周りを回転可能なロータ本体を有する遠心分離機は、ロータ本体と同軸に配置されロータの回転中にそれに対して軸方向に移動可能な少なくとも1個の環状スライドを有することが多い。比較的薄くしかも半径方向および軸方向に大きな力が加わる時に変形しないように剛性を有する、この種のスライドは、一般にロータ本体内のある通路、例えば分離室からの出口通路やいわゆる作動液の流路を開閉するようになっている。一般にスライドは水圧もしくは空気圧により軸方向に移動可能であるが、その代りにさまざまな機械的スプリングが用いられたり、付加的に用いられたりすることもある。
軸方向に運転中のスライドの半径方向の案内は、一般に僅かな遊びのあるスライドの半径方向内縁部がロータ本体の中央円筒部を取り囲み、それにより案内されることにより行われる。スライドによりロータが回転中に不釣り合いとなるのを回避するために、スライドとロータ本体の前記した部分間の遊びをできるだけ小さくする努力が懸命になされている。
この点に関して問題となるのは、ロータ内で軸方向に回転する間にスライドにはロータ本体の中心軸に対して傾斜するような力が加わることである。そのためスライドとロータ本体の前記中央部とが接触して、摩擦力が生じる。摩擦力は非常に大きいため、スライドおよび/もしくはロータ本体を破損させてしまう。
遠心ロータの分離室の周辺出口を開閉するようにされた環状スライドに関して、この問題のさまざまな解決策がUS−A−4,505,698号に提示されている。
US−A−4,505,698号(図1および図2)に提示されている第1の設計では、環状スライドは、中央部および周辺部を有する一体構造として形成しなければならない。中央部は、一端が遠心ロータに対して軸方向および半径方向に固定され他端でスライドの前記周辺部を支持する、軸方向に伸縮可能なスリーブ状としなければならない。スリーブ形状の中央部は、遠心ロータの動作中にスライドの周辺部に影響を及ぼすことがある半径方向の力を吸収するの十分な剛性を持っていなければならないため、スライドの周辺部やスリーブ形状の中央部の前記他端を半径方向に別々に案内する必要がないとされている。
US−A−4,505,698号(図3および第4図)に提示されている第2の設計では、環状スライドは、同時にスライドの軸方向作動スプリングを構成する独立部材により中心合わせをしなければならない。
US−A−4,505,698号(図5)に提示されている第3の設計では、環状スライドは、その半径方向内縁部により、軸方向スプリング定数が小さく半径方向スプリング定数の大きい、環状ゴムスリーブを介してロータ本体に接続させなければならない。したがって、スライドには所要の軸方向移動性および非常に制限された半径方向動性が与えられる。
スライドの周辺部の軸方向移動を可能とするためにスライドのスリーブ形状の中央部を弱くすることは、動作中のロータの不釣り合いにより生じる半径方向の力によって半径方向にも望ましくない動きが生ずることなしに達成することが困難であるため、前記に提示された第1の設計を実現するのは困難である。通常不釣り合い力は非常に大きい。遠心ロータの不釣り合いに関する同じ問題は、前記第2の設計提示と同時に、スライドの中心合わせに独立した部材を使用する前記第3の設計提示に関しても予知できる。
本発明の目的は、低廉に作製することができ、かつ前記第1の設計提示(US−A−4,505,698号の図1)に従ったスライドと同様に、一体構造として形成され、中央部とそれに対して軸方向に移動可能な周辺部とを有するスライドであって、遠心ロータの動作中に周辺部を中央部に対して半径方向に実質的に移動させようとする力に抵抗できるように形成されている、遠心分離機のロータ用スライドを提供することである。
この目的は、本発明に従って中央部およびそれを取り囲み中央部と同じ材料で一体構造として形成された周辺部とからなるスライドであって、その前記周辺部をロータの回転軸と一致する中心軸周りに延在させて遠心分離機のロータ内に一緒に回転するよるに搭載され、スライドの前記周辺部の少なくとも環状部は前記軸と同心の環状領域内でスライドが弾性変形する時に前記中央部の少なくとも一部に対して第1の位置から第2の位置へ軸方向へ移動できるスライドにおいて、その前記弾性変形時に、スライドの前記中心軸から異なる距離に位置する部分間に−スライドの軸線を含む断面から見て−角変化が生じるような半径方向延長部を前記環状領域が有することを特徴としているスライドにより達成できる。
このように形成されるスライドは比較的薄く、かつスライドの前記軸線を含む断面で見て、その半径方向延長部の相当な部分に沿って撓むように作ることができる。これはスライドが、軸方向から見て、ロータ内に最小限のスペースしか必要とせず、かつ比較的軽量にできることを意味する。本発明に従って形成されるスライドでは、スライドの同心部間に困難の原因を生じることなく、かつ遠心ロータ内で使用する時に、スライドに影響を及ぼすことがある不釣り合い力により、これらの部分間に半径方向の動きの危険性を生じることなく、所望の軸方向移動性を達成することができる。
本発明に従ったスライドは、完全なディスクもしくは環状、すなわちスライドの半径方向内縁部に囲まれた中央孔を有する形状、に形成することができる。
本発明はまた、その周りを回転可能な中心軸を有するロータ本体、およびその周辺部を前記中心軸周りに延在させてロータ本体と共に回転するように搭載された前記のようなスライドを具備する遠心ロータにも関連する。
この種の遠心ロータでは、スライドはそれが環状であれば、ロータ本体の中央部へさまざまな方法で接続することができる。スライドの半径方向内縁部は、ロータ本体に対して軸方向には単に固定してその中心軸に対してはさまざまな角度を形成できるようにするか、もしくは同じ縁部をロータ本体内でその半径方向延在部に沿って固定的に締着して、中心軸に対して傾斜できないようにすることができる。スライドをロータ本体に接続するためのさまざまな代替策により、前記環状領域内のスライドの変形に対するさまざまな前提条件が与えられる。
以下、添付図を参照して本発明の説明を行うが、ここに図1は本発明による遠心ロータの半分の模式的軸線方向断面を示し、図2は図1の遠心ロータの一部である本発明に従ったスライドの、荷重のない状態(図2a)および荷重のかかった状態(図2b)における、軸線方向断面を示し、図3は別の方法で形成された本発明によるスライドの荷重のない状態(図3a)および荷重のかかった状態(図3b)におけるスライドを示す。
図1に下部1および上部2からなるロータ本体を有する遠心ロータを示す。下部ロータ本体部1は中央駆動軸3に堅固に接続されており、上部ロータ本体部2は固定リング4により取り外し可能に下部ロータ本体部1に接続されている。駆動手段(不図示)により駆動軸3およびロータ本体1,2は中心軸線5周りに回転することができる。
ロータ本体内で環状スライド6は、その半径方向内縁が下部ロータ本体部1に接続されている。スライド6とロータ本体部1との間の接続は、任意適切な種類とすることができる。ここではロータ本体部1の中央部に堅固に接続された平坦な環状ディスク7と、非円形断面を有するリング8とからなる締着手段が使用されている。リング8は、ディスク7およびスライド6の最内縁部間の軸方向空間内へはめ込まれ、前記縁部をロータ本体部1の内側の肩部へ押圧している。
スライド6はロータ本体内で一方側の分離室9と、他方側の、いわゆる開閉室10との間の仕切りを形成している。
スライド6の半径方向外縁部11は、それ自体と上部ロータ本体部2との間に狭いスロット12を画定し、このスロットはロータの中心軸線5周り全体を延在している。ロータ本体部1は半径方向外側にスロット12と対向して中心軸線5の周りに分散されたいくつかの貫通流路すなわちポート13を有している。
スライド6の前記縁部11は環状ガスケット14を介して下部ロータ本体部1の半径方向外側円筒部15の内側に封止状態で当接する。所望により、縁部11はロータの動作中にロータ本体部1に対して封止されながらロータ本体部1および2に対して軸方向へ移動され、前記スロット12の形状の連絡路を、分離室9と前記ポート13間で間欠的に開放できるようになっている。
下部ロータ本体部1は、さらに開閉室10の半径方向内部からロータ本体部1の外部まで軸方向に延在するいくつかの貫通流路16を有している。流路16はロータ本体部1の一部により形成され、半径方向内向きに開放される環状溝17内へ開口されている。
さらに、下部ロータ本体部1は中心軸線5周りに分散され開閉室10の半径方向外部からロータ本体部1外側の開口まで軸方向に延在するいくつかの貫通流路19を有している。各流路開口領域内には軸方向に間欠的に移動してロータ本体部1の外側と封止状態で当接する弁部材20が配置され、開閉部10は流路19を介してロータの周囲と間欠的に連通できるようになっている。弁部材20やその動作に必要な装置は当業者には周知であり、それらについてはこれ以上詳細な図解や説明は行わない。それらの形状は本発明によって重要ではない。
図1には遠心分離すべき混合液をロータ内へ供給する固定入口配管21も図示されている。円錐状仕切板23により囲まれ、中心軸線5の周りに配置された貫通流路24を介して分離室9に連通される中央受入室22内へ、入口配管21は開口している。受入室22を分離室9から分離する円錐状仕切板23は、図示せぬ方法で下部ロータ本体部1に接続されている。仕切板23の下部環状部25は、積層状態の円錐台状分離ディスク26を分離室9内で支持する。
受入室22、分離室9および環状溝17内に遠心ロータの動作中に形成される自由液面は、図1に点線および三角形により図示されている。
上部ロータ本体部2の半径方向最内部は、オーバフロー出口27の形状で分離室9からの出口を形成する。
図1の遠心ロータは下記のように作動する。
ロータ本体1,2が中心軸線5周りに回転され、弁部材20が流路19を閉じる位置へ軸方向に移動されていると、いわゆる作動水が溝17内へ導入される。作動水は溝17および開閉室10が充填される量だけ供給される。
それにより開閉室10内の液圧が上昇してスライド6の下側に作用するため、スライドの半径方向外縁部11は、軸方向に移動して上部ロータ本体部2に当接し、スロット12が消える。これが可能なのは、スライド6の中央部の寸法が、スライドのこの部分で弾性変形が生じるようになっているためである。これについては図2および図3を参照して後記する。
スライド6が前記したように上部ロータ本体部2に当接されていると、入口配管21、受入室22および通路24を介して分離室9内へ遠心分離すべき混合液が導入される。分離室において混合液の重い成分がその軽い成分から分離される。分離された重い成分、例えば固体、は分離室の半径方向最外部に集められ分離された軽い成分、すなわち粒子から遊離された液体、はオーバフロー出口27を通って分離室から出ていく。
分離室9を充填する混合液はスライド6の上側へ液圧を加え、この圧力によりスライド縁部11と上部ロータ本体部2間にスロット12を再び作るように作動する。しかしながら、開閉室10が作動水で充填されている限り、これは可能ではない。これはスライド6の液圧が加わる面は、その上側よりも下側の方が大きいという事実による。したがって、スライド6の開閉室10に対向する面は、図1から見て、分離室9に対向するスライド6の表面よりも長く半径方向外部へ延在する。(分離室9内の混合液と開閉室10内の作動水間の密度の差は大きすぎることはなく、かつ混合液と作動水の液面は、それぞれ、実質的に同じ半径方向レベルに位置するものと仮定する)。
ある時間遠心分離を行った後で、混合液のある量の分離された重い成分が分離室9内に蓄積されている場合には、少なくともその一部は除去されなければならない。これは開閉室10へ供給されている作動水の大部分もしくは小部分がそこから放出されるようにして行われる。したがって、弁部材20は、短時間流路19の開口を開くように働き、所定量の作動水が放出され、残りの作動水の自由液面は溝17内を半径方向外向きに移動し、さらに半径方向外向きに流路16を流れて開閉室10内へ入る。
開閉室10内の自由液面のある位置において、開閉室内に残る作動水によりスライド6の下側に加わる圧力は、スライド6の半径方向外縁部11が上部ロータ本体部2から軸方向へ離れるほど減少している。前記したように、これはスライド6の中央部が弾性変形するために生じる。次にスロット12が形成され、混合液の分離された重い成分が分離室9から出て行く。
これが起こると、受入室22および分離室9内の自由液面が急速に半径方向外向きに動いて、スライド6の上面に対する液圧が減少する。液面がある程度移動した後では、スライド6の上面に対する液圧は、流路19が閉じた後に開閉室10内に保持されている作動水量によりスライド6の下側に作用する液圧よりも小さくなるほど減少している。
この段階において、スライドの縁部11は再び移動して上部ロータ本体部2に接触し、スロット12およびポート13を介した流出が中止される。
一方、溝17、したがって開閉室10にはさらに作動水が供給されており、分離室9にさらに混合液が供給される時にも、スライドの縁部11はその閉鎖位置に安全に維持される。
流路19を通って流出することができる作動水の量に応じて、分離室の内容物の大部分、さらにはその全体、をスロット12およびポート13を介して放出することができる。
スライドの可変形性についての後の説明を簡単にするために、図2および図3においてスライドは中央部6aおよび周辺部6bに分けられている。中央部はスライドの半径方向内縁部6cおよび中間部6dからなっている。周辺部6bは前記したスライドの半径方向外縁部11からなっている。さらに、その部分でスライドが変形可能である、スライド6の環状領域が6eに示されている。この領域は中間部6d全体と縁部6cおよび周辺部6bの一部を、それぞれ、含んでいることを理解できるであろう。
図2aにおいてスライド6は、図1の場合と同様に、負荷のない状態で示されている。図2bではスライドは、その半径方向外縁部11が軸方向において上部ロータ本体部2に当接する場合について図1を参照して説明した状態に対応する、負荷のかかった状態で示されている。
図1のスライド6が、その下側に開閉室10を充填している作動水から圧力が加えられると、スライドは半径方向内縁部6cと中間部6との間に角度αが形成されるように変形される(図2b)。スライドの負荷のない状態ではこの角度は存在しない、すなわちゼロであった。領域6e内に生じるもう1つの角度変化は、周辺部6bと中間部6d間に形成される角度に関連している。スライド6に前記したように負荷がかかっている場合には、この角度は大きくなることを理解できるであろう。
ここに記載するスライド6の変形は実際上極めて小さく、明確にするために、図2bでは誇張されている。したがって、変形は弾性変形であり、そのため負荷がなくなると、スライド6は(図2aに示す)元の形状に自動的に保持される。
図1に示すような遠心ロータの実際の動作において、スライド6の変形は、分離室9および開閉室10においてさまざまな時間に生成される液圧により完全に支配される。したがって、少なくともスライド12を介した分離室9の内容物の部分放出においては、スライド6が変形して下部ロータ本体部1と接触する程、スライドの縁部11が図1においての下向きの運動において終端部に達することはない。しかしながら、支持部材をこのような接触に対する適切な場所へ配置して、スライドが誤って、もしくはスライド12を介した分離室9の内容物が完全に放出されることよって、領域6e内で塑性変形して永久変形してしまうことのないようにするのが適切である。
図1に示す本発明に従った遠心分離機の実施例では、スライド6は負荷のない状態である時に、スライド12が得られるように搭載されている。しかしながら、スライド6はその縁部11が液圧力に影響されずに、大きいもしくは小さい力により、上部ロータ本体部2に当接するように搭載することもできる。所望によりスライドは、所定の予張力でロータ本体部2に当接するように搭載することができる。予張力は、弾性変形状態でロータ本体部2に当接するスライド、もしくはスライドに作用する独立したスプリング部材により達成することができる。したがって、分離室9の周辺出口を閉じたままとするのに必要な開閉室10内の作動液からの圧力は減少され、このような場合、スライドの縁部11が上部ロータ本体部2に当接する領域での半径方向レベルの外側の半径方向の延長部を、スライド6および開閉室10は共に、減少させることができる。したがって、ロータ本体1,2の半径を幾分減少することができる。
図2aおよび図2bに示すスライド6は内縁部6cの半径方向延長部全体に沿ってロータ本体にきつく固定されている。したがって、この縁部6cにおいてスライドを変形させることは不可能であった。
図3aおよび図3bに示すスライド6も内縁部6cの領域内でロータ本体に対して軸方向に固定されるが、この場合には縁部6cは幾分撓むことができ、したがって、縁部6cの半径方向最内部はロータ本体に対して軸方向にある程度移動できるように固定されている。
このような状況により、環状領域におけるスライド6は、図2aおよび図2bに従った方法でロータ本体に固定されるスライドとは異なる方法で変形される。図3bから判るように、ここでは角変化は、とりわけ中心軸線5から異なる距離に位置するスライドの中間部6dのさまざまな部分間で生じる。
図2および図3に示すいずれの場合においても、スライドの周辺部6bは、半径方向外縁部11が半径方向内縁部6cに対して軸方向に移動される時に、変形されないような寸法となっている。したがって、ガスケット14(図1)により達成される封止について困難な問題は生じない。
さらに、スライドのさまざまな遠心部が互いに軸方向に移動できるにも拘わらず、領域6e内のスライド6は半径方向に非常に強い。それは、スライド内にその寸法設計により形成された実際の変形ゾーンは、比較的大きい半径方向延長部に設計されており、実質的にスライドの半径方向に延在する部分に局限されているという事実によるものである。
本発明に従ったスライドは1つの同じ材料、例えば適切な品質の鋼材、により一体として形成される。この点について1つの同じ材料とは、ガラスもしくは炭素繊維補強プラスチツク等の、さまざまな種類の補強材を含む材料をも意味する。たとえ補強材がスライド全体に均一に分布されていなくとも、この方法により構成されるスライドは本発明に含まれるものとする。
したがって、スライドの中心軸からさまざまな距離に位置する部分と遠心ロータとの間で角変化が生じなければならないという本発明の特徴については、必ずしもスライドの隣接部分を意味するものではない。したがって、図3の実施例ではスライドはその比較的大きい半径方向延長部に沿って、スライドの軸線を含む断面から見て、徐々に撓むようになっている。この場合にはスライドの隣接部間の角変化は実質的にゼロであるが、互いにある半径方向で離れた距離に位置する部分では互いにより明白な角変化を受ける。
本発明に従ったスライドの変形は、この点に関して、通常非常に小さいことを理解できるであろう。したがって、形成されたステップ12の輻は環状スライドについては僅か1mmに制限することができ、その内縁部および外縁部の直径は、それぞれ、100mmおよび600mm程度である。しかしながら、スロットのサイズはスライドのサイズに無関係に、所望により、1mmよりも大きくしたり小さくしたりすることができる。
遠心ロータ内の分離室からの周辺出口を開閉するように形成されたスライドについて、本発明を説明してきた。遠心ロータにおいてスライドは、例えば作動水の通路を開閉する等の、他の目的にも使用される。この種のスライドは、非常に単純で非常に模式的に略図された図1に示す遠心ロータには含まれていない。しかしながら、このようなスライドは他種の遠心分離機については広く行きわたっており、本発明はこのようなスライドについても使用できる。
軸方向に運転中のスライドの半径方向の案内は、一般に僅かな遊びのあるスライドの半径方向内縁部がロータ本体の中央円筒部を取り囲み、それにより案内されることにより行われる。スライドによりロータが回転中に不釣り合いとなるのを回避するために、スライドとロータ本体の前記した部分間の遊びをできるだけ小さくする努力が懸命になされている。
この点に関して問題となるのは、ロータ内で軸方向に回転する間にスライドにはロータ本体の中心軸に対して傾斜するような力が加わることである。そのためスライドとロータ本体の前記中央部とが接触して、摩擦力が生じる。摩擦力は非常に大きいため、スライドおよび/もしくはロータ本体を破損させてしまう。
遠心ロータの分離室の周辺出口を開閉するようにされた環状スライドに関して、この問題のさまざまな解決策がUS−A−4,505,698号に提示されている。
US−A−4,505,698号(図1および図2)に提示されている第1の設計では、環状スライドは、中央部および周辺部を有する一体構造として形成しなければならない。中央部は、一端が遠心ロータに対して軸方向および半径方向に固定され他端でスライドの前記周辺部を支持する、軸方向に伸縮可能なスリーブ状としなければならない。スリーブ形状の中央部は、遠心ロータの動作中にスライドの周辺部に影響を及ぼすことがある半径方向の力を吸収するの十分な剛性を持っていなければならないため、スライドの周辺部やスリーブ形状の中央部の前記他端を半径方向に別々に案内する必要がないとされている。
US−A−4,505,698号(図3および第4図)に提示されている第2の設計では、環状スライドは、同時にスライドの軸方向作動スプリングを構成する独立部材により中心合わせをしなければならない。
US−A−4,505,698号(図5)に提示されている第3の設計では、環状スライドは、その半径方向内縁部により、軸方向スプリング定数が小さく半径方向スプリング定数の大きい、環状ゴムスリーブを介してロータ本体に接続させなければならない。したがって、スライドには所要の軸方向移動性および非常に制限された半径方向動性が与えられる。
スライドの周辺部の軸方向移動を可能とするためにスライドのスリーブ形状の中央部を弱くすることは、動作中のロータの不釣り合いにより生じる半径方向の力によって半径方向にも望ましくない動きが生ずることなしに達成することが困難であるため、前記に提示された第1の設計を実現するのは困難である。通常不釣り合い力は非常に大きい。遠心ロータの不釣り合いに関する同じ問題は、前記第2の設計提示と同時に、スライドの中心合わせに独立した部材を使用する前記第3の設計提示に関しても予知できる。
本発明の目的は、低廉に作製することができ、かつ前記第1の設計提示(US−A−4,505,698号の図1)に従ったスライドと同様に、一体構造として形成され、中央部とそれに対して軸方向に移動可能な周辺部とを有するスライドであって、遠心ロータの動作中に周辺部を中央部に対して半径方向に実質的に移動させようとする力に抵抗できるように形成されている、遠心分離機のロータ用スライドを提供することである。
この目的は、本発明に従って中央部およびそれを取り囲み中央部と同じ材料で一体構造として形成された周辺部とからなるスライドであって、その前記周辺部をロータの回転軸と一致する中心軸周りに延在させて遠心分離機のロータ内に一緒に回転するよるに搭載され、スライドの前記周辺部の少なくとも環状部は前記軸と同心の環状領域内でスライドが弾性変形する時に前記中央部の少なくとも一部に対して第1の位置から第2の位置へ軸方向へ移動できるスライドにおいて、その前記弾性変形時に、スライドの前記中心軸から異なる距離に位置する部分間に−スライドの軸線を含む断面から見て−角変化が生じるような半径方向延長部を前記環状領域が有することを特徴としているスライドにより達成できる。
このように形成されるスライドは比較的薄く、かつスライドの前記軸線を含む断面で見て、その半径方向延長部の相当な部分に沿って撓むように作ることができる。これはスライドが、軸方向から見て、ロータ内に最小限のスペースしか必要とせず、かつ比較的軽量にできることを意味する。本発明に従って形成されるスライドでは、スライドの同心部間に困難の原因を生じることなく、かつ遠心ロータ内で使用する時に、スライドに影響を及ぼすことがある不釣り合い力により、これらの部分間に半径方向の動きの危険性を生じることなく、所望の軸方向移動性を達成することができる。
本発明に従ったスライドは、完全なディスクもしくは環状、すなわちスライドの半径方向内縁部に囲まれた中央孔を有する形状、に形成することができる。
本発明はまた、その周りを回転可能な中心軸を有するロータ本体、およびその周辺部を前記中心軸周りに延在させてロータ本体と共に回転するように搭載された前記のようなスライドを具備する遠心ロータにも関連する。
この種の遠心ロータでは、スライドはそれが環状であれば、ロータ本体の中央部へさまざまな方法で接続することができる。スライドの半径方向内縁部は、ロータ本体に対して軸方向には単に固定してその中心軸に対してはさまざまな角度を形成できるようにするか、もしくは同じ縁部をロータ本体内でその半径方向延在部に沿って固定的に締着して、中心軸に対して傾斜できないようにすることができる。スライドをロータ本体に接続するためのさまざまな代替策により、前記環状領域内のスライドの変形に対するさまざまな前提条件が与えられる。
以下、添付図を参照して本発明の説明を行うが、ここに図1は本発明による遠心ロータの半分の模式的軸線方向断面を示し、図2は図1の遠心ロータの一部である本発明に従ったスライドの、荷重のない状態(図2a)および荷重のかかった状態(図2b)における、軸線方向断面を示し、図3は別の方法で形成された本発明によるスライドの荷重のない状態(図3a)および荷重のかかった状態(図3b)におけるスライドを示す。
図1に下部1および上部2からなるロータ本体を有する遠心ロータを示す。下部ロータ本体部1は中央駆動軸3に堅固に接続されており、上部ロータ本体部2は固定リング4により取り外し可能に下部ロータ本体部1に接続されている。駆動手段(不図示)により駆動軸3およびロータ本体1,2は中心軸線5周りに回転することができる。
ロータ本体内で環状スライド6は、その半径方向内縁が下部ロータ本体部1に接続されている。スライド6とロータ本体部1との間の接続は、任意適切な種類とすることができる。ここではロータ本体部1の中央部に堅固に接続された平坦な環状ディスク7と、非円形断面を有するリング8とからなる締着手段が使用されている。リング8は、ディスク7およびスライド6の最内縁部間の軸方向空間内へはめ込まれ、前記縁部をロータ本体部1の内側の肩部へ押圧している。
スライド6はロータ本体内で一方側の分離室9と、他方側の、いわゆる開閉室10との間の仕切りを形成している。
スライド6の半径方向外縁部11は、それ自体と上部ロータ本体部2との間に狭いスロット12を画定し、このスロットはロータの中心軸線5周り全体を延在している。ロータ本体部1は半径方向外側にスロット12と対向して中心軸線5の周りに分散されたいくつかの貫通流路すなわちポート13を有している。
スライド6の前記縁部11は環状ガスケット14を介して下部ロータ本体部1の半径方向外側円筒部15の内側に封止状態で当接する。所望により、縁部11はロータの動作中にロータ本体部1に対して封止されながらロータ本体部1および2に対して軸方向へ移動され、前記スロット12の形状の連絡路を、分離室9と前記ポート13間で間欠的に開放できるようになっている。
下部ロータ本体部1は、さらに開閉室10の半径方向内部からロータ本体部1の外部まで軸方向に延在するいくつかの貫通流路16を有している。流路16はロータ本体部1の一部により形成され、半径方向内向きに開放される環状溝17内へ開口されている。
さらに、下部ロータ本体部1は中心軸線5周りに分散され開閉室10の半径方向外部からロータ本体部1外側の開口まで軸方向に延在するいくつかの貫通流路19を有している。各流路開口領域内には軸方向に間欠的に移動してロータ本体部1の外側と封止状態で当接する弁部材20が配置され、開閉部10は流路19を介してロータの周囲と間欠的に連通できるようになっている。弁部材20やその動作に必要な装置は当業者には周知であり、それらについてはこれ以上詳細な図解や説明は行わない。それらの形状は本発明によって重要ではない。
図1には遠心分離すべき混合液をロータ内へ供給する固定入口配管21も図示されている。円錐状仕切板23により囲まれ、中心軸線5の周りに配置された貫通流路24を介して分離室9に連通される中央受入室22内へ、入口配管21は開口している。受入室22を分離室9から分離する円錐状仕切板23は、図示せぬ方法で下部ロータ本体部1に接続されている。仕切板23の下部環状部25は、積層状態の円錐台状分離ディスク26を分離室9内で支持する。
受入室22、分離室9および環状溝17内に遠心ロータの動作中に形成される自由液面は、図1に点線および三角形により図示されている。
上部ロータ本体部2の半径方向最内部は、オーバフロー出口27の形状で分離室9からの出口を形成する。
図1の遠心ロータは下記のように作動する。
ロータ本体1,2が中心軸線5周りに回転され、弁部材20が流路19を閉じる位置へ軸方向に移動されていると、いわゆる作動水が溝17内へ導入される。作動水は溝17および開閉室10が充填される量だけ供給される。
それにより開閉室10内の液圧が上昇してスライド6の下側に作用するため、スライドの半径方向外縁部11は、軸方向に移動して上部ロータ本体部2に当接し、スロット12が消える。これが可能なのは、スライド6の中央部の寸法が、スライドのこの部分で弾性変形が生じるようになっているためである。これについては図2および図3を参照して後記する。
スライド6が前記したように上部ロータ本体部2に当接されていると、入口配管21、受入室22および通路24を介して分離室9内へ遠心分離すべき混合液が導入される。分離室において混合液の重い成分がその軽い成分から分離される。分離された重い成分、例えば固体、は分離室の半径方向最外部に集められ分離された軽い成分、すなわち粒子から遊離された液体、はオーバフロー出口27を通って分離室から出ていく。
分離室9を充填する混合液はスライド6の上側へ液圧を加え、この圧力によりスライド縁部11と上部ロータ本体部2間にスロット12を再び作るように作動する。しかしながら、開閉室10が作動水で充填されている限り、これは可能ではない。これはスライド6の液圧が加わる面は、その上側よりも下側の方が大きいという事実による。したがって、スライド6の開閉室10に対向する面は、図1から見て、分離室9に対向するスライド6の表面よりも長く半径方向外部へ延在する。(分離室9内の混合液と開閉室10内の作動水間の密度の差は大きすぎることはなく、かつ混合液と作動水の液面は、それぞれ、実質的に同じ半径方向レベルに位置するものと仮定する)。
ある時間遠心分離を行った後で、混合液のある量の分離された重い成分が分離室9内に蓄積されている場合には、少なくともその一部は除去されなければならない。これは開閉室10へ供給されている作動水の大部分もしくは小部分がそこから放出されるようにして行われる。したがって、弁部材20は、短時間流路19の開口を開くように働き、所定量の作動水が放出され、残りの作動水の自由液面は溝17内を半径方向外向きに移動し、さらに半径方向外向きに流路16を流れて開閉室10内へ入る。
開閉室10内の自由液面のある位置において、開閉室内に残る作動水によりスライド6の下側に加わる圧力は、スライド6の半径方向外縁部11が上部ロータ本体部2から軸方向へ離れるほど減少している。前記したように、これはスライド6の中央部が弾性変形するために生じる。次にスロット12が形成され、混合液の分離された重い成分が分離室9から出て行く。
これが起こると、受入室22および分離室9内の自由液面が急速に半径方向外向きに動いて、スライド6の上面に対する液圧が減少する。液面がある程度移動した後では、スライド6の上面に対する液圧は、流路19が閉じた後に開閉室10内に保持されている作動水量によりスライド6の下側に作用する液圧よりも小さくなるほど減少している。
この段階において、スライドの縁部11は再び移動して上部ロータ本体部2に接触し、スロット12およびポート13を介した流出が中止される。
一方、溝17、したがって開閉室10にはさらに作動水が供給されており、分離室9にさらに混合液が供給される時にも、スライドの縁部11はその閉鎖位置に安全に維持される。
流路19を通って流出することができる作動水の量に応じて、分離室の内容物の大部分、さらにはその全体、をスロット12およびポート13を介して放出することができる。
スライドの可変形性についての後の説明を簡単にするために、図2および図3においてスライドは中央部6aおよび周辺部6bに分けられている。中央部はスライドの半径方向内縁部6cおよび中間部6dからなっている。周辺部6bは前記したスライドの半径方向外縁部11からなっている。さらに、その部分でスライドが変形可能である、スライド6の環状領域が6eに示されている。この領域は中間部6d全体と縁部6cおよび周辺部6bの一部を、それぞれ、含んでいることを理解できるであろう。
図2aにおいてスライド6は、図1の場合と同様に、負荷のない状態で示されている。図2bではスライドは、その半径方向外縁部11が軸方向において上部ロータ本体部2に当接する場合について図1を参照して説明した状態に対応する、負荷のかかった状態で示されている。
図1のスライド6が、その下側に開閉室10を充填している作動水から圧力が加えられると、スライドは半径方向内縁部6cと中間部6との間に角度αが形成されるように変形される(図2b)。スライドの負荷のない状態ではこの角度は存在しない、すなわちゼロであった。領域6e内に生じるもう1つの角度変化は、周辺部6bと中間部6d間に形成される角度に関連している。スライド6に前記したように負荷がかかっている場合には、この角度は大きくなることを理解できるであろう。
ここに記載するスライド6の変形は実際上極めて小さく、明確にするために、図2bでは誇張されている。したがって、変形は弾性変形であり、そのため負荷がなくなると、スライド6は(図2aに示す)元の形状に自動的に保持される。
図1に示すような遠心ロータの実際の動作において、スライド6の変形は、分離室9および開閉室10においてさまざまな時間に生成される液圧により完全に支配される。したがって、少なくともスライド12を介した分離室9の内容物の部分放出においては、スライド6が変形して下部ロータ本体部1と接触する程、スライドの縁部11が図1においての下向きの運動において終端部に達することはない。しかしながら、支持部材をこのような接触に対する適切な場所へ配置して、スライドが誤って、もしくはスライド12を介した分離室9の内容物が完全に放出されることよって、領域6e内で塑性変形して永久変形してしまうことのないようにするのが適切である。
図1に示す本発明に従った遠心分離機の実施例では、スライド6は負荷のない状態である時に、スライド12が得られるように搭載されている。しかしながら、スライド6はその縁部11が液圧力に影響されずに、大きいもしくは小さい力により、上部ロータ本体部2に当接するように搭載することもできる。所望によりスライドは、所定の予張力でロータ本体部2に当接するように搭載することができる。予張力は、弾性変形状態でロータ本体部2に当接するスライド、もしくはスライドに作用する独立したスプリング部材により達成することができる。したがって、分離室9の周辺出口を閉じたままとするのに必要な開閉室10内の作動液からの圧力は減少され、このような場合、スライドの縁部11が上部ロータ本体部2に当接する領域での半径方向レベルの外側の半径方向の延長部を、スライド6および開閉室10は共に、減少させることができる。したがって、ロータ本体1,2の半径を幾分減少することができる。
図2aおよび図2bに示すスライド6は内縁部6cの半径方向延長部全体に沿ってロータ本体にきつく固定されている。したがって、この縁部6cにおいてスライドを変形させることは不可能であった。
図3aおよび図3bに示すスライド6も内縁部6cの領域内でロータ本体に対して軸方向に固定されるが、この場合には縁部6cは幾分撓むことができ、したがって、縁部6cの半径方向最内部はロータ本体に対して軸方向にある程度移動できるように固定されている。
このような状況により、環状領域におけるスライド6は、図2aおよび図2bに従った方法でロータ本体に固定されるスライドとは異なる方法で変形される。図3bから判るように、ここでは角変化は、とりわけ中心軸線5から異なる距離に位置するスライドの中間部6dのさまざまな部分間で生じる。
図2および図3に示すいずれの場合においても、スライドの周辺部6bは、半径方向外縁部11が半径方向内縁部6cに対して軸方向に移動される時に、変形されないような寸法となっている。したがって、ガスケット14(図1)により達成される封止について困難な問題は生じない。
さらに、スライドのさまざまな遠心部が互いに軸方向に移動できるにも拘わらず、領域6e内のスライド6は半径方向に非常に強い。それは、スライド内にその寸法設計により形成された実際の変形ゾーンは、比較的大きい半径方向延長部に設計されており、実質的にスライドの半径方向に延在する部分に局限されているという事実によるものである。
本発明に従ったスライドは1つの同じ材料、例えば適切な品質の鋼材、により一体として形成される。この点について1つの同じ材料とは、ガラスもしくは炭素繊維補強プラスチツク等の、さまざまな種類の補強材を含む材料をも意味する。たとえ補強材がスライド全体に均一に分布されていなくとも、この方法により構成されるスライドは本発明に含まれるものとする。
したがって、スライドの中心軸からさまざまな距離に位置する部分と遠心ロータとの間で角変化が生じなければならないという本発明の特徴については、必ずしもスライドの隣接部分を意味するものではない。したがって、図3の実施例ではスライドはその比較的大きい半径方向延長部に沿って、スライドの軸線を含む断面から見て、徐々に撓むようになっている。この場合にはスライドの隣接部間の角変化は実質的にゼロであるが、互いにある半径方向で離れた距離に位置する部分では互いにより明白な角変化を受ける。
本発明に従ったスライドの変形は、この点に関して、通常非常に小さいことを理解できるであろう。したがって、形成されたステップ12の輻は環状スライドについては僅か1mmに制限することができ、その内縁部および外縁部の直径は、それぞれ、100mmおよび600mm程度である。しかしながら、スロットのサイズはスライドのサイズに無関係に、所望により、1mmよりも大きくしたり小さくしたりすることができる。
遠心ロータ内の分離室からの周辺出口を開閉するように形成されたスライドについて、本発明を説明してきた。遠心ロータにおいてスライドは、例えば作動水の通路を開閉する等の、他の目的にも使用される。この種のスライドは、非常に単純で非常に模式的に略図された図1に示す遠心ロータには含まれていない。しかしながら、このようなスライドは他種の遠心分離機については広く行きわたっており、本発明はこのようなスライドについても使用できる。
Claims (9)
- 中央部(6a)と、該中央部を取り囲み、前記中央部と同じ材料で前記中央部と一体に形成されている周囲部(6b)とを有し、遠心分離機のロータ内に該ロータと共に回転するように取り付けられるとともに、前記ロータの回転軸と一致している中心軸(5)の周囲に延びている自身の前記周囲部(6b)を有するように形成されており、前記周囲部(6b)の少なくとも環状部(11)は、スライドが前記中心軸(5)と同心の環状領域(6e)内で弾性変形すると、前記中央部(6a)の少なくとも一部(6c)に対して第1の位置から第2の位置へ軸方向に移動可能であるスライドにおいて、
前記環状領域(6e)が、前記スライドの前記弾性変形時に、前記スライドを通る軸方向の断面から見て、角度変化(α)が前記中心軸(5)から異なる距離をおいて位置する前記スライドの部分(6c,6d)の間に生じるような半径方向の延長部を有していることを特徴とするスライド。 - 前記環状領域(6e)は実質的に半径方向の延長部を有しており、前記スライドは、前記軸方向の断面から見て、前記半径方向の延長部に沿って徐々に湾曲するようになっている、請求項1に記載のスライド。
- 環状である、請求項1または2に記載のスライド。
- 中心線(5)を有し、その中心線を回転中心線として回転可能なロータ本体(1,2)と、該ロータ本体(1,2)と一体に回転するように構成され、かつ、中心を通って前記中心軸(5)が延びている中央部(6a)と、該中央部を取り囲み、前記中央部と同じ材料で前記中央部と一体に形成されている周囲部(6b)とを有するスライド(6)を有しており、前記周囲部(6b)の少なくとも環状部(11)は、遠心ロータの回転中、前記中心軸(5)と同軸の環状領域(6e)内で前記スライドが弾性変形すると、前記中央部(6a)の少なくとも一部(6c)に対して第1の位置から第2の位置へ軸方向に移動可能である遠心ロータにおいて、
前記環状領域(6e)が、前記スライドの前記弾性変形時に、前記スライドを通る軸方向の断面から見て、角度変化が、前記中心軸(5)から異なる距離をおいて位置する前記スライドの部分(6c,6d)の間に生じるような半径方向の延長部を有していることを特徴とする遠心ロータ。 - 前記環状領域(6e)は実質的に半径方向の延長部を有しており、前記スライドは、前記軸方向の断面から見て、前記半径方向の延長部に沿って徐々に湾曲するようになっている、請求項4に記載の遠心ロータ。
- 前記スライドは環状である、請求項4または5に記載の遠心ロータ。
- 前記スライドの中央部(6a)が前記ロータ本体(1,2)に対して軸方向に固定されているのに対し、前記スライドの半径方向外側の縁部(11)が前記ロータ本体(1,2)に対して軸方向に移動可能である、請求項4から6のいずれか1項に記載の遠心ロータ。
- 前記スライドは、自身の半径方向外側の縁部(11)によって、前記ロータ本体と協働して、分離室(9)から1つまたは2つ以上の周囲出口開口(12,13)を間欠的に開くようになっている、請求項7に記載の遠心ロータ。
- 前記スライドは、ロータ本体内の、分離室(9)と、作動液用の入口(16〜18)および出口(19,20)を有する作動液室(10)との間に仕切りを形成している、請求項8に記載の遠心ロータ。
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SE9502098-8 | 1995-06-08 | ||
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Publications (3)
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JPH10504244A JPH10504244A (ja) | 1998-04-28 |
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