JP3853413B2 - 加圧浮上分離装置 - Google Patents

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JP3853413B2 JP32739495A JP32739495A JP3853413B2 JP 3853413 B2 JP3853413 B2 JP 3853413B2 JP 32739495 A JP32739495 A JP 32739495A JP 32739495 A JP32739495 A JP 32739495A JP 3853413 B2 JP3853413 B2 JP 3853413B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は加圧浮上分離装置に関し、特に、処理すべき廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物を濃縮する程度を高くすることができるとともに、設備費および運転費用を安価にすることができる加圧浮上分離装置に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
従来、し尿等の廃水を浄化する方法として活性汚泥法が知られている。この浄化法は、廃水と活性汚泥(好気的な条件で、廃水中の有機物を基質として利用し、増殖する微生物の集合体)とを混合攪拌し、エアレーション(空気を吹き込むことによって酸素を供給する)することによって、廃水を生物学的に処理するものであって、非常に高い浄化能力を有するものである。
【0003】
この場合、生物学的処理した廃水中には増殖した活性汚泥が懸濁しているため、これを沈降分離装置又は加圧浮上分離装置を用いて液体から分離(濃縮)する必要がある。沈降分離装置は、重力の作用によって固形物を液体から分離するようにしたものであるが、ここでは、本願発明に関係のある加圧浮上分離装置についてのみ説明する。
【0004】
加圧浮上分離装置は、生物学的処理した廃水に加圧状態で空気を溶解させ、常圧(大気圧)に戻すことにより、廃水中に懸濁している活性汚泥の表面に気泡を析出させ、活性汚泥を浮上させて廃水の水面上で濃縮(分離)するようにしたものである。
【0005】
そして、濃縮(分離)した活性汚泥は、一部が生物学的処理の工程に戻され(返送汚泥)、それを除いて残った分は脱水、乾燥等の処理を経て処分される(余剰汚泥)。
【0006】
この場合、返送汚泥の濃縮の程度が高いほど、設備を小型化することができることになる。すなわち、例えば、生物学的処理に必要な活性汚泥を5000ppm(0.5%)とし、返送汚泥の濃度を1%とすると、生物学的処理する原廃水と同量の返送汚泥が必要となり、原廃水の2倍の量を処理しなければならず、設備が大型化する。一方、返送汚泥の濃度を4%とすると、返送汚泥の量が少なくて済み、原廃水の1.15倍の量を処理すればよいことになり、前述したものよりも設備を小型化することができる。したがって、返送汚泥の濃縮の性能が設備の大きさに大きく影響し、濃縮の程度を高くするほど設備を小型化することができることになる。
【0007】
このようなことを考慮して、既に公知となっている従来の二例の加圧浮上分離装置について検討する。
【0008】
図5には、従来の一例の角型の分離槽を用いた水平流式加圧浮上分離装置が示してある。この装置において、生物学的処理した廃水は、分離槽51の下方から気泡を発しながら導入部52に流入し、導入部52と分離部53との境界に設けられている堰54を越えて水平方向から分離部53に流入する。
【0009】
分離部53は、活性汚泥の分離(濃縮)に必要な水面積を有しており、水面付近で活性汚泥が液体から分離(濃縮)される。濃縮された活性汚泥は、上部集泥部材55で掻き寄せられて汚泥排出室56に集められる。清澄液は、分離部53の底部に設けられた集水パイプ57で集められ、溢流堰58を越えて分離槽51外に排出される。分離部53の底部に沈殿したスラッジは、下部集泥部材59でスラッジピット60に集められ、分離槽51外に排出される。
【0010】
上記のような角型の分離槽51を用いた水平流式加圧浮上分離装置にあっては、廃水は、導入部52から分離部53に水平方向から流入するため、活性汚泥が水面上の一部分に偏って濃縮するようなことはなく、全水面を有効に用いて活性汚泥の濃縮を行うことができる。したがって、活性汚泥の濃縮の性能は高いものである。
【0011】
しかし、活性汚泥を掻き集める上部集泥部材55およびスラッジ等を掻き集める下部集泥部材59の構造が複雑で、高価で、所用動力も大きく、部品の消耗等によるトラブルも発生しやすいため、設備費用および運転費用が非常に高くなる。
【0012】
図6には、従来の他の例の上向流式加圧浮上分離装置が示してある。この装置は、円形型の分離槽61の中央に筒状の流入部62を設け、この流入部62によって分離槽61内に流入する廃水の速度エネルギーを減衰し、均一な上向流を形成するようにしたものであって、分離槽61の中心部には回転軸63が設けられ、流入部62、上部集泥部材64および下部集泥部材65が一体となって回転するようになっている。
【0013】
上記のような円形型の分離槽61を用いた上向流加圧浮上分離装置にあっては、前述した角型の分離槽51を用いた水平流式加圧浮上分離装置と比較すると、上部集泥部材64および下部集泥部材65の構造が簡単であるため、設備費用および運転費用を安価にすることができる。しかし、廃水が上向流で分離槽61内に流入するため、廃水の水面付近を静止状態とすることができず、また、廃水を十分に水平方向に分散させることができないため、水面上の一部分に偏って活性汚泥の濃縮が行われ、全水面を有効に用いて活性汚泥の濃縮を行うことができない。したがって、活性汚泥の濃縮の程度を高くすることができず、所望の濃縮の程度を得ようとするには設備を大型化しなければならない。
【0014】
この発明は前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、設備を大型化することなく、返送汚泥の濃縮の程度を十分に高くすることができ、設備費および運転費用を安価にすることができる加圧浮上分離装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【問題点を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために本発明は、底面中心部が最深となるテーパ面に形成された底部1bを有する断面円形状の浮上分離槽1の中央部に縦方向の回転軸11を設け、該回転軸11には、非処理廃水から分離して浮上した固形物を排出する上部掻取部材17と、前記分離槽底部1bに沈殿した固形物を排出する下部掻取部材25とを併設し、前記分離槽1内の被処理液の液深さのほぼ半分の高さに、被処理廃水を前記分離槽1の内壁面方向に噴出するノズル37を配置しており、前記軸11の下端に設けた本体部35を介して前記底部1bの中央より立ち上げられた被処理廃水導入管39と接続され、前記本体部35の周面に複数本のノズル37が水平方向かつ放射状に突設されており、被処理廃水に高圧空気を供給して混合状態で前記導入管39に供給し、前記ノズル37より前記被処理廃水を噴出しながら前記分離槽1内の被処理液を上下に二分するように旋回しながら気泡を発生させるように構成したことを特徴とする。また、被処理廃水の吐出速度と、浮上分離槽の半径の比が0.3〜0.5(1/秒)の範囲であることを特徴とする
【0016】
【作用】
この発明は前記のような手段を採用したことにより、処理すべき廃水は吐出ノズルを介して浮上分離槽内に導かれる。吐出ノズルは浮上分離槽の軸線近傍で液深の半部の高さの位置に設けられ、しかも、吐出ノズルからの廃水の流出方向は水平方向となっているので、廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物が浮上しても廃水の水面付近の静止状態を保つことができ、活性汚泥等の固形物を全水面に均一に分散させて濃縮することができることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、この発明による加圧浮上分離装置の一実施の形態が示されていて、図1は平面図、図2は縦断面図、図3は図1に示すものの部分拡大断面図、図4は図1に示すものの系統図である。
【0018】
すなわち、この実施の形態に示す加圧浮上分離装置は、生物学的処理をした廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物を浮上させる浮上分離槽1と、浮上分離槽1内に生物学的処理をした廃水を導く吐出ノズル34と、廃水の水面上に浮上した活性汚泥等の固形物を掻き寄せて浮上分離槽1外に排出する上部掻取部材17と、廃水から沈殿して浮上分離槽1の底部に溜まったスラッジ等を掻き寄せて浮上分離槽1外に排出する下部掻取部材25とを具えている。
【0019】
浮上分離槽1は断面が円形状をなすものであって、上端開口部は蓋2で閉塞されるようになっている。浮上分離槽1には廃水から活性汚泥等の固形物を除去して清澄した分離水を回収するための分離水槽3が連設されている。分離水槽3と浮上分離槽1との間は連通孔4を介して相互に連通するようになっている。連通孔4の一端は浮上分離槽1の底面側に開口し、他端は分離水槽3の底面側に開口するようになっている。
【0020】
浮上分離槽1の内周面上部には径方向内方に環状に突出する段部1aが一体に形成されている。段部1aの内周面に対応する部分が廃水の基準水面となるとともに、段部1aの上面側には後述する上部掻取部材17の各アーム19を支持するためのローラ21が回動可能に位置するようになっている。
【0021】
浮上分離槽1の底面は中心部が最深となるテーパ面1bに形成され、このテーパ面1bによって浮上分離槽1の底部に沈殿したスラッジ等が中心部に集められるとともに、活性汚泥、スラッジ等の固形物を取り除いて精澄した分離水がテーパ面1bの中心部に開口している連通孔4内に流入し、その内部を流れて分離水槽3内に回収されるようになっている。
【0022】
蓋2の中心部には蓋2を上下方向に貫通する孔2aが穿設されている。蓋2の上面側中央部には駆動部材5(例えば減速機付モータ等)用の架台6が立設されている。架台6は、下端部が蓋2の孔2aの周縁部にアンカーボルト9によって固定される筒状の下半部7と、下半部7の上端部に下端部が嵌合される筒状の上半部8とからなるものであって、上半部8の上部に駆動部材5が取り付けられるようになっている。
【0023】
上半部8と下半部7とは調整ボルト10によって一体に連結されるとともに、調整ボルト10の調整によって上半部8の下半部7に対する取付け位置を変更できるようになっている。
【0024】
浮上分離槽1の中心部には回転軸11が回転可能に装着されている。回転軸11の上端は蓋2の中心部の孔2aおよび架台6の中心部を挿通し、カップリング15を介して駆動部材5の駆動軸(図示せず)に連結されるとともに、回転軸11の下端には後述する吐出ノズル34が連結されるようになっている。
【0025】
回転軸11は、駆動部材5側に連結される上部軸12と、吐出ノズル34側に連結される下部軸13と、両軸12、13間に位置して両軸12、13を一体に連結する中部軸14とからなるものであって、上部軸12は架台6に装着されている軸受16によって回転可能に支持され、下部軸13は後述する軸受台30に装着されている軸受メタル32に後述する吐出ノズル34を介して回転可能に支持されるようになっている。
【0026】
上部軸12には上部掻取部材17が取り付けられている。上部掻取部材17は、上部軸12に装着されている筒状のボス18の周面に複数本(この実施の形態では6本)のパイプ状のアーム19を放射状に連結するとともに、各アーム19に廃水から分離した活性汚泥等の固形物を掻き寄せるための板状のスクレーパ20をそれぞれ取り付けたものであって、各アーム19は浮上分離槽1内に貯溜される廃水の水面と平行、かつ、各スクレーパ20の下端部が廃水の基準水面上に位置するように、ボス18側に取り付けられるようになっている。各アーム19の先端部にはそれぞれローラ21が取り付けられ、このローラ21は浮上分離槽1の内周面に設けた段部1aの上面側を回動するようになっており、このローラ21によって各アーム19が回転中に撓むのを防止できるようになっている。
【0027】
浮上分離槽1の段部1aの内周側には、上面が廃水の基準水面と一致するように掻落し樋22が設けられている。掻落し樋22の内部は浮上分離槽1の外壁1cに向かって順次下方に傾斜していて、その先端部に浮上分離槽1の側壁1cを貫通している排出管23の一端が連結するようになっている。したがって、廃水から分離した活性汚泥等の固形物は、上部掻取部材17で掻き寄せられて掻落し樋22内に回収されるとともに、掻落し樋22から排出管23を通じて浮上分離槽1外に排出され、排出管23に連結する汚泥受槽24内に回収されるものである。
【0028】
下部軸13には下部掻取部材25が取り付けられている。下部掻取部材25は、下部軸13の下端部に上端部が連結される2本のパイプ状の支持部材26と、各支持部材26の下端部に一端が連結されるとともに、浮上分離槽1の底面との間に所定の間隙を形成するように位置する2本のパイプ状のアーム27と、各アーム27に連結されるとともに、先端部が浮上分離槽1の底面に接触し得る複数枚の板状のスクレーパ28とからなるものであって、各アーム27のスクレーパ28によって浮上分離槽1の底部に沈殿したスラッジ等の固形物が掻き寄せられ、浮上分離槽1の底面中央部に集められるようになっている。
【0029】
各支持部材26の上端部と各アーム27の先端部との間にはそれぞれ吊り金具29が取り付けられ、この吊り金具29によって各アーム27が回転中に撓むのを防止するようになっている。
【0030】
浮上分離槽1の底面中央部には、上端が閉塞された筒状をなす軸受台30が立設されている。軸受台30の閉塞されている上端部には、そこを貫通するように筒状をなす軸受ボックス31が一体に取り付けられている。
【0031】
軸受ボックス31の内周側には、筒状をなす軸受メタル32が嵌合されるとともに、この軸受メタル32の上下端には環状をなすオイルシール33、33がそれぞれ嵌合されるようになっている。
【0032】
軸受ボックス31には、上方から下部軸13の下端部に連結される吐出ノズル34の下端部が挿着されるとともに、下方から後述する廃水導入管39の先端部が挿着されるようになっている。
【0033】
吐出ノズル34は、浮上分離槽1の軸線上でかつ液深のほぼ半分の高さの位置に設けられる断面T字形状をなす本体部35と、この本体部35の上部に装着される筒状をなすノズル37とからなるものであって、本体部35の下端部を軸受ボックス31の軸受メタル32、オイルシール33、33の内周側に挿着することで水平方向に回転可能に支持されるものである。
【0034】
本体部35の中心部にはそこを軸線方向に貫通する孔36が穿設されるとともに、本体部35の上部にはそこを水平方向に貫通して前記孔36に連通する4本の孔36、……が穿設され、それら複数の孔36、……によって本体部35の内部に図中下方から流入して水平方向八方向に流出する流体通路38が形成され、流体通路38の各開口部に前記ノズル37がそれぞれ装着されるようになっている。なお、本体部35の上部を水平方向に貫通する孔36は4本に限らず、4本以下又は4本以上であってもよいものである。
【0035】
本体部35の上部には下部軸13の下端部が一体に連結され、この下部軸13によって本体部35の中心部の孔36の上端開口部が閉塞されるようになっている。そして、このように下部軸13を本体部35に連結することで、駆動部材5の駆動時に吐出ノズル34が回転軸11と一体に回転可能となるものである。なお、吐出ノズル34を回転軸11に連結せずに非回転としてもよいものである。
【0036】
浮上分離槽1の外壁1cの外側には廃水導入管39が敷設されている。廃水導入管39の一端は空気溶解装置40に連結され、他端は浮上分離槽1の外壁1cを貫通して浮上分離槽1の底面中央部から軸受台30の中心部に突出し、その先端は軸受ボックス31の下端部に下方から嵌合するようになっている。したがって、空気溶解装置40内の廃水を、廃水導入管39および軸受ボックス31を介して吐出ノズル34に導くことができるようになっている。
【0037】
次に、前記に示すものの作用について説明する。
まず、生物学処理したし尿等の廃水を循環ポンプ41で空気溶解装置40に導き、空気溶解装置40において加圧状態で廃水中に空気を溶解させるとともに、この状態の廃水を廃水導入管39、減圧弁42、廃水導入管39および吐出ノズル34を介して浮上分離槽1内に導き、常圧(大気圧)下において浮上分離槽1内に廃水を基準水位まで充填する。この場合、浮上分離槽1の駆動部材5を予め駆動させておき、回転軸11と一体に上部掻取部材17、下部掻取部材25および吐出ノズル34を回転させておく。
【0038】
廃水の浮上分離槽1内は常圧となっているので、廃水中に溶解していた空気が廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物の表面に気泡となって析出し、この気泡によって活性汚泥等の固形物が浮上し、廃水の水面上で濃縮(分離)される。また、吐出ノズル34からの廃水の吐出方向は水平方向となっているので、廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物は全水面に均一に行き渡るように分散するとともに、水面から離れた位置で浮上分離槽1内に流入するので、水面の静止状態を維持することができることになる。
【0039】
そして、廃水の水面上で濃縮された活性汚泥等の固形物は、回転軸11と一体に回転している上部掻取部材17の各アーム19のスクレーパ20によって掻き寄せられて掻落し樋22内に回収され、掻落し樋22から排出管23を通じて汚泥受槽24内に回収される。汚泥受槽24内に回収された活性汚泥等の固形物は、一部が生物学的処理の工程に戻され、それを除いて残った分は脱水、乾燥等の処理を経て処分される。
【0040】
また、廃水から沈殿して浮上分離槽1の底部に溜まったスラッジ等の固形物は、回転軸11と一体に回転している下部掻取部材25の各アーム27のスクレーパ28によって掻き寄せられ、浮上分離槽1の底部中央部に集められて、排出管(図示せず)を介して浮上分離槽1外に排出される。
【0041】
そして、活性汚泥等の固形物およびスラッジ等の固形物を除去して清澄することにより得られる分離水は、浮上分離槽1の底面に開口している連通孔4内に流れ込み、そこを流れて浮上分離槽1に連設している分離水槽3内に回収されることになる。
【0042】
上記のように構成したこの実施の形態による加圧浮上分離装置にあっては、生物学的処理した廃水を浮上分離槽1内に導く吐出ノズル34を液深の半分の高さの位置に設けるとともに、その位置から廃水を水平方向に吐出させるようにしたので、廃水が浮上分離槽1内に流入する位置を廃水の水面から遠ざけることができることになる。したがって、廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物が浮上する速度を遅くすることができるとともに、浮上分離槽1内に流入する廃水を素早く水平方向に分散させことができることになる。この結果、活性汚泥等の固形物の濃縮が進行する廃水の水面付近を静止状態に保つことができ、活性汚泥等の固形物が水面の一部分に偏ることはなく、全水面に均一に行き渡ることになり、活性汚泥の濃縮の程度を著しく高めることができることになる。
【0043】
また、吐出ノズル34は浮上分離槽1の底部から離れた位置に位置しているので、活性汚泥等の固形物、スラッジ等の固形物を取り除いて清澄した分離水を回収する際に、分離水中に吐出ノズル34から吐出される廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物が混入することはほとんどなく、分離水の清澄の程度を大幅に高めることができることになる。
【0044】
なお、吐出ノズル34から流出する廃水の流速は、小さ過ぎると水平方向への活性汚泥等の固形物の分散状態が悪くなり、大き過ぎると浮上分離槽1内に無駄な対流が起きて水面付近の静止状態を乱したり、分離水中に活性汚泥等の固形物が多量に含まれることになるが、この実施の形態においては、流速と浮上分離槽1の半径との比率を0.3〜0.5(1/秒)とすることによって好ましい結果が得られた。
【0045】
以下に本実施の形態による加圧浮上分離装置の性能試験の結果を示す。
【0046】
<性能試験結果>
原水供給量 ………… 2.0(m3 /hr)
原水汚泥濃度 ………… 20000(mg/リットル)
循環水量 ………… 18.0(m3 /hr)
気固比 ………… 0.029
空気溶解機圧力………… 4.5(kg/cm2
濃縮汚泥濃度 ………… 35000〜45000(mg/リットル)
分離水汚泥濃度………… 100〜450(mg/リットル)
【0047】
上記の結果から、この実施の形態による加圧浮上分離装置は、活性汚泥等の固形物の濃縮の程度が高く、分離水の清澄の程度も高いことがよく分かる。
【0048】
なお、前記の説明においては、活性汚泥の分離についてのみ説明したが、この実施の形態による加圧浮上分離装置を固液分離や油水分離等に用いても良いのは勿論のことである。また、この実施の形態においては、浮上分離槽をコンクリ−ト製としたが、鋼製、合成樹脂製等としてもよいのは勿論のことであり、廃水の種類等に応じて材質を決定すればよいものである。
【0049】
【発明の効果】
この発明は前記のように構成して、処理すべき廃水を浮上分離槽内に導く吐出ノズルを液深の半分の高さの位置に設けるとともに、その位置から廃水を水平方向に吐出させるようにしたので、廃水が浮上分離槽内に流入する位置を廃水の水面から遠ざけることができることになる。したがって、廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物が浮上する速度を遅くすることができるとともに、浮上分離槽内に流入する廃水を素早く水平方向に分散させことができることになる。この結果、活性汚泥等の固形物の濃縮が進行する廃水の水面付近を静止状態に保つことができるので、活性汚泥等の固形物が水面の一部分に偏ることがなく、全水面に均一に行き渡らせることができることになり、活性汚泥の濃縮の程度を著しく高めることができることになる。
【0050】
また、吐出ノズルは浮上分離槽の底部から離れた位置に位置しているので、活性汚泥等の固形物、スラッジ等の固形物を取り除いて清澄した分離水を回収する際に、分離水中に吐出ノズルから吐出される廃水中に含まれる活性汚泥等の固形物が混入することはほとんどなく、分離水の清澄の程度を高めることができることになる。
【0051】
さらに、浮上分離槽を断面が円形状をなすように形成したことにより、廃水の水面で濃縮した活性汚泥等の固形物を回収する装置および廃水から沈殿したスラッジ等の固形物を回収する装置の構造を簡素化することができる。したがって、設備費および運転費用を安価にすることができ、経済的に有利なものを提供することができることになる。
【0052】
そして、吐出ノズルから浮上分離装置内に流入する廃水の流速と浮上分離槽の半径との比を0.3〜0.5(1/秒)の範囲内としたことにより、活性汚泥等の固形物を水平方向に良好に分散させることができるとともに、浮上分離槽内に無駄な対流を起こすことがなくなるので、水面付近の静止状態を保つことができ、分離水中に活性汚泥等の固形物が混入するのを防止することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による加圧浮上分離装置の一実施の形態を示した平面図である。
【図2】図1に示すものの縦断面図である。
【図3】図1に示すものの部分拡大断面図である。
【図4】図1に示すものの系統図である。
【図5】従来の加圧浮上分離装置の一例を示した断面図である。
【図6】従来の加圧浮上分離装置の他の例を示した断面図である。
【符号の説明】
1……浮上分離槽
1a……段部
1b……テーパ面
1c……外壁
2……蓋
2a……孔
3……分離水槽
4……連通孔
5……駆動部材
6……架台
7……下半部
8……上半部
9……アンカーボルト
10……調整ボルト
11……回転軸
12……上部軸
13……下部軸
14……中部軸
15……カップリング
16……軸受
17……上部掻取部材
18……ボス
19、27……アーム
20、28……スクレーパ
21……ローラ
22……掻落し樋
23……排出管
24……汚泥受槽
25……下部掻取部材
26……支持部材
29……吊り金具
30……軸受台
31……軸受ボックス
32……軸受メタル
33……オイルシール
34……吐出ノズル
35……本体部
36……孔
37……ノズル
38……流体通路
39……廃水導入管
40……空気溶解装置
41……循環ポンプ
42……減圧弁
51、61……分離槽
52……導入部
53……分離部
54……堰
55、64……上部集泥部材
56……汚泥排出室
57……集水パイプ
58……溢流堰
59、65……下部集泥部材
60……スラッジピット
62……流入部
63……回転軸

Claims (2)

  1. 底面中心部が最深となるテーパ面に形成された底部1bを有する断面円形状の浮上分離槽1の中央部に縦方向の回転軸11を設け、
    該回転軸11には、被処理廃水から分離して浮上した固形物を排出する上部掻取部材17と、前記分離槽底部1bに沈殿した固形物を排出する下部掻取部材25とを併設し、
    前記分離槽1内の被処理液の液深さのほぼ半分の高さに、被処理廃水を前記分離槽1の内壁面方向に噴出するノズル37を配置し、
    前記軸11の下端に設けた本体部35を介して前記底部1bの中央より立上げられた被処理廃水導入管39と接続され、前記本体部35の周面に複数本のノズル37を水平方向かつ放射状に突設し、
    被処理廃水に高圧空気を供給して混合状態で前記導入管39に供給し、前記ノズル37より前記被処理廃水を噴出しながら前記分離槽1内の被処理液を上下に二分するように旋回しながら気泡を発生させるように構成したことを特徴とする、浮上分離装置。
  2. 被処理廃水の吐出速度と、浮上分離槽の半径との比が0.3〜0.5(1/秒)の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の浮上分離装置。
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