JP3853359B2 - マルチビーム衛星方式メッセージング・システムに用いるチャネル割当表を有するメッセージ装置およびその動作方法 - Google Patents
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Description
本発明は、一般に衛星セルラ通信システムに関し、さらに詳しくは、マルチビーム,衛星方式,世界的規模のセルラ・メッセージング・システムに用いるメッセージ装置に関する。
本発明は、本発明と同じ譲受人に譲渡された次の発明に関する。
ページング・システム、出願番号07/845,413、1992年3月3日提出;および
分散型マルチアウトレット・ページング、出願番号80/042,435、1993年4月5日提出。
発明の背景
一方向システムまたはパッシブ・システムとしても知られる単信通信システムは、ページングとの関係で使われる。一般的に、1つないし複数の送信機がデータ通信を同報する。この通信は、特定のページャを識別するデータを含む。ページャの集団は、同報された通信を連続的に受信する。ページャの集団の1つがそれに向けられた通信を識別すると、それは着信する通信を加入者に警報し、通信によって搬送される数字または英数字のメッセージをしばしば表示する。そうしたシステムの単信特質のために、ページャがそれ自体に向けられた通信の受信にいつ失敗するかがシステムにはわからない。一方、これらの単信システムは数多くの望ましい特徴を有する。ページャには送信機と信号送信能力がないため、小型で低電力軽量の携帯が簡便で安価な装置が実現される。
従来のページング・システムには、有限範囲に関連する問題がある。ページング・システムは、システムの送信機がカバーするエリア内にページャが存在するときに限り、機能する。加入者がこのエリアの外に移動すると、加入者のページャは呼を受信できない。
関連問題は、限られたページングの能力の問題である。加入者のニーズをよりよく満たすためにカバレッジ・エリアを増大すると、ページャの集団も同様に増す。ページャの集団が増すと、データ通信の数が増す。かくして、カバレッジ・エリアが増大するにつれ、収穫逓減の地点に達する。データ通信の数がとても多いので、呼の配送で許容できない遅延が生じる。もちろん、複数のチャネルにわたってデータ通信を受信するページャを利用すれば、システムの容量は増大しえる。残念ながらこれは、ページャとページング・サービスのコストを、許容できないレベルにまで増大させる。
従来のページング・システムにともなうもう1つの問題は、多重経路,干渉,信号反射などの信号品質に関係がある。一般に、ページャはその通常の日常的活動に従事する間に、利用者が持ち運ぶ。こうした通常の活動では、利用者は自動車の中、建物の中、大きな接地構造物付近および電磁信号が通過しにくいその他の空間の中に居ることになる。その結果、通信を受信するページャの能力は大幅に変動する。カバレッジ内のあらゆる環境のなかで通信を受信するページャの能力を最大限に上げるため、ページング・システムは、低データ伝送速度のFSK変調方式を利用するように通常は設計される。低データ伝送速度のFSK変調方式では、許容できるリンク・マージンを達成するレベルにまで、送信機の電力が増強される。さらに、サイマルキャスト・ページング・システムでは、送信機の数が増加してカバレッジ全体をつうじて地理的に分散されることがある。カバレッジ全体をつうじて許容できるリンク・マージンを達成するために、送信機を追加してパワー・レベルを調整することは、通常はゆっくりとした試行錯誤のプロセスである。
ページングにおける衛星の使用は、従来のページャ・システムの有限範囲の問題に対処する。ただし衛星の使用は、それに特有の問題を提示する。たとえば、衛星は低電力送信を使用することを通常は制約される。現在、地上リピータに対して放送するために静止衛星が使われており、地上リピータは高出力信号を近くのページャに送信できる。サイマルキャスト・ページング・システムで衛星と地上送信機を統合する提案がなされた。ただし、これは静止軌道上の衛星を要する。この場合、衛星は地上から遥か上の距離に配置され、衛星の送信信号は地上の表面で極端に弱く、地表のカバレッジ・エリアは非常に大きい。
したがって、衛星方式、世界的規模のセルラ・メッセージング・システムに用いる改善されたメッセージ装置が大いに必要とされる。
マルチビーム、衛星方式、世界的規模のセルラ・メッセージング・システムにおいて、メッセージを監視するために、最適フレームを判定できるメッセージ装置も実質的に必要とされる。
衛星方式、世界的規模のセルラ・メッセージング・システムにおいて、自らのメッセージ・ブロックと非常に速やかに同期できるメッセージ装置も実質的に必要とされる。
衛星方式、世界的規模のメッセージング・システムにおいて、バッテリー資源を大幅に節約するメカニズムを含むメッセージ装置も実質的に必要とされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による衛星セルラ通信システムの概略図である。
第2図は、本発明の一解釈による、地表に通信ビームを投射する隣接衛星によって形成されるセルラ・パターンの図である。
第3図は、本発明の一実施例により作成されるページャのブロック図である。
第4図は、中央交換局または「ゲートウェイ」のブロック図である。
第5図は、本発明の通信システムの衛星のブロック図である。
第6図は、本発明の通信システムのページングのタイミング階層の概念図である。
第7図は、基本的なTDMAのフレームである。
第8図は、本発明の通信システムにおけるダウンリンク通信の、ページング周波数割り当てを含む、全体的な周波数計画の概念図である。
第9図は、本発明の通信システムで捕捉グループ(Acquisition Group)の中で発生するページング・バーストの構造である。
第10図は、本発明の通信システムで後続グループの中で発生するページング・バーストの構造である。
第11図は、本発明の通信システムのブロック・ヘッダ・メッセージの構造である。
第12図は、本発明の通信システムのページング・データ・フィールドの構造である。
第13図は、本発明の通信システムのメッセージ配送順序の構造である。
第14図は、本発明の通信システムのページングの脈絡と情報の流れである。
第15図ないし第19図は、本発明による、アドレス可能呼出受信機(addressable call receiver)の動作方法の複合流れ図である。
好適な実施例の説明
第1図は、本発明による衛星セルラ通信システムの概略図である。好適な実施例により、数台の衛星(宇宙船またはSVとも言う)1は、地球4の周囲で比較的低い軌道に配置される。仮に、たとえば、衛星1が地球4より上、約765キロメートルの軌道に配置される場合、空中の衛星1は地球4の表面上の一地点に対して約25,000キロメートル/時の速度で移動する。これは、地球4の表面上の一地点の視界の中に最高約9分のあいだ衛星1が入ることを可能にする。衛星軌道が比較的低いため、ある1つの衛星からの視線電磁波伝送は、任意の時間にて地球4の比較的に狭いエリアをカバーする。たとえば、衛星1が地球から上、約765キロメートルの軌道を占める場合、こうした伝送は直径にして約4075キロメートルのエリアをカバーする。また、このエリアをこれよりさらに小さなセルに分割する指向性アンテナを、衛星1が組み込むことに支障はない。第1図に示されるように、衛星1は好ましくは、衛星1の全体的配置から地球4全体に対し連続するカバレッジを提供するように軌道に配置される。
システム5はさらに、1つないし複数の中央交換局(「ゲートウェイ」とも言う)6を含む。局6は、地球4の表面に常駐し、RF通信リンク8をつうじて近くの衛星1のいずれかとデータ通信を行なう。衛星1はまた、データ通信リンク3をつうじて互いにデータ通信を行なう。このため局6は、衛星1の配置をつうじて、地球4の任意のサイズの地域に向けて配送される通信をコントロールできる。局6は公衆交換遠隔通信網(図示されていない)に結合し、これをつうじてシステム5の加入者に対して呼を実施するための要求が受信される。個々の局6は、それと関係する地球4の地域に位置するものと考えられる加入者に対して呼を実施するための要求を受信する。第1図は便宜上、1つの局6だけを示す。ただし当業者は、地球4の任意の数の地域と関係して任意の数の局6を運用できることを理解するだろう。こうした局6の各々は、ここに記述されるとおりに概ね動作する。
システム5はまた、任意の数の、可能性として多数の呼受信機2を含む。呼受信機2は、従来のページャとして構成でき、あるいは他の携帯型装置の中に包含できる。以下、簡潔にするため呼受信機2をページャ2と称するが、当業者は、システム5の中のページャ2が従来のページング専用装置にもっぱら包含される必要がないことを理解するだろう。ページャ2は、空中衛星1から通信を受信するように構成され、以下に述べるその他の機能を実行する。
衛星1からの通信は、通信リンク7を介してページャ2で受信される。本発明の好適な実施例において、リンク7は視線通信を実質的に提供するRF周波を利用し、リンク7は単信リンクである。つまり通信は、衛星1からページャ2にかけて1方向だけに進む。単信通信は、小型で安価の装置としてページャ2を製造し、ページャ2が最小限度の電力を消費することを可能にする。リンク3または8について単信通信の制限は包含されない。
第2図は、本発明の一解釈による、地表に通信ビームを投射する隣接衛星によって形成されるセルラ・パターンの図を示す。
衛星1,29(衛星1と同一でありえる)は、周波数スペクトル再使用技術を採用する。これらの技術は、投射ビーム幅のセルラ分割化を行う。衛星1,29は、ビーム・セット投射30,31をそれぞれ生成する。ビーム・セット投射30,31は、衛星1,29上のアンテナに対応する双方向の利得領域(セル)である。これらのアンテナは、独立した指向性アンテナか、またはコヒーレント・ビームを投射できるフェイズドアレー・アンテナでありえる。
セル10〜28は、アンテナの利得特性に応じて多数の形状をとりうる。第2図においては、分かりやすくするため、セル10〜28が六角形で示される。セル10〜28は、衛星1,29が方向9の軌道で移動すると軌道方向9に前進する。
衛星1,29が地球に対して最高25,000キロメートル/時の速度で移動すると、セル10〜28もこの速度に近い速度で地球上を移動する。この速度では、地表の任意の地点は1つのセルの中に約1分未満のあいだ存在する。
第1図を再び参照し、衛星1は多数の周波数チャネルを用いてリンク7を介してページャ装置2と交信する。このため衛星1とページャ2とは、多数の独立した通信リンクを同時に確立できるように、周波数分割多重アクセス(FDMA)方式を望ましくは利用する。これら数多くの周波数チャネルのスペクトル全体は、各セルの中で利用可能である。たとえば、第2図に示される7セル周波数再使用パターンは、隣接セル間の干渉を防ぐため、時分割多重アクセス(TDMA)技術を用いて実用化される。
つまり、各セルでスペクトル全体が使用可能である一方、隣接するセルにはスペクトルを利用できる別々のタイム・スロットが割り当てられる。好適な実施例において、7セル再使用パターンに一致するため、少なくとも7つの異なるタイム・スロットを含むようにフレームが定義される。第2図で「10」と記されたセルは、1つのタイム・スロットが割り当てられ、「11」と記されたセルは別のタイム・スロットが割り当てられ、その他も同様である。このようにして、同じスペクトルを同時に利用するセルは、互いに地理的に隔てられる。
第2図は7セル、7タイム・スロット配列を示すが、当業者はさらに大きいかまたはさらに小さい再使用パターンも使用できることを理解するだろう。当業者は、こうしたTDMA通信方式が衛星1にて確立されることを理解するだろう。さらに、衛星1が最高25,000キロメートル/時の速度で移動するとき、ページャ装置2と衛星1との間のドップラ偏移とタイム・スロット同期パラメータとは絶えず変化する。
本発明の好適な実施例において、衛星1は移動リピータとして構成される。つまり衛星1は、1つのソースからデータ通信メッセージを受信して、それらのメッセージを目的地に渡すことをおいて他に、ほとんど何も行なわない。通信リンク3,8,7のすべてが周波数またはタイミング・プロトコルのパラメータにおいて同様である必要はない。
したがって衛星1は、1つの通信リンクから受信したメッセージを渡す前に、メッセージを別のリンクと調和する形式に再パッケージ(re-package)できる。さらに衛星1は、リンク3,8,7の動作との関係で、ドップラおよびタイミング・シフト・パラメータの解決を支援する構成部品を含めることができる。衛星1は、リンク3,8,7との同期の維持を支援するため、ページャ2,中央交換局6およびその他の衛星1といった交信対象の実体に、そうしたパラメータを有利に伝達できる。
第3図は、本発明の一実施例により作成されるページャ2のブロック図を示す。ページャ2はアンテナ33を含み、アンテナ33をつうじて通信リンク7が確立される。アンテナ33は受信機33に供給し、これは衛星1によって同報されるRF信号をベースバンドに変換するのに必要とされる、無線周波(RF),ミキシングおよび中間周波数(IF)段階(図示されていない)を含む。受信機34は、ベースバンド信号をデジタル化するアナログ/デジタル(A/D)変換器35に結合し、A/D変換器30はデジタル化されたべースバンド信号からデジタル・データを抽出するデジタル復調器37に結合する。
好適な実施例において、復調器37は、リンク7からの伝送に含まれる二相偏移キーイング(BPSK)符号化データを復元する。復調器37はまた、発振器36を制御するフィードバック信号を供給する。発振器36は、受信機34がRF信号をベースバンドに変換するときに使用する発振信号を供給する。
復調器37は、そのデジタル・データ出力をプロセッサ39に供給する。プロセッサ39はメモリ40に結合する。メモリ40は、ページャ2の動作の結果として変化しない、永久的に格納されるデータを含む。そうした永久データは、以下に述べる、各種の手順を実行することをページャ2に命令するコンピュータ・プログラムを含む。そうした永久データは、以下に述べる、ページャ2の動作に使われる永久変数も含む。メモリ40も、ページャ2の動作の結果として変化する暫定データを含む。メモリ40の格納されたプログラムの制御下で、ページャ2の動作を制御するのはプロセッサ39である。
プロセッサ39は、ディスプレイ42,アラーム44,ユーザ入力インターフェイス46およびタイマ48といった種々の周辺装置に結合する。プロセッサ39は、ディスプレイ42を制御して、ページャ2のユーザにデータを視覚的に提示する。プロセッサ39は、アラーム44を制御して、ページャ2に宛てられた呼の受信を聴覚的または視覚的に指示する。プロセッサ39は、好ましくはインターフェイス46のキーまたはボタン(図示されていない)の操作をつうじて、ユーザの入力を受け付ける。プロセッサ39は、その動作をシステムのタイミングと同期させ、ひとつの実施例においては、一日の時間を追跡するために、タイマ48を利用する。当業者は、タイマ48の機能がプロセッサ39の中で代替的に実行されうることを理解するだろう。
ページャ2はバッテリ50からエネルギを供給される。バッテリ50は、電源スイッチ52をつうじて端子54と電力制御部56に結合する。電力制御部56は、プロセッサ39から受信するコマンドに従って、端子58に対する電力を切り替える。端子54は、少なくともタイマ48には電力を供給する。端子58は、ページャ2の残りの構成部品に電力を供給する。ページャ2は、スイッチ52が開放するときにエネルギが断たれ、スイッチ52が閉鎖して電力が端子58のすべてに配送されるときに完全にエネルギが供給されて動作可能になる。ページャ2はまた、エネルギが供給されてはいるが、ただし低電力のスリープ・モードでも動作できる。ページャ2は、端末58の1つないし複数に給電されていないが、ただしスイッチ52が閉鎖して端子54をつうじて少なくともタイマ48に給電されるときに、スリープ・モードで動作する。
当業者は、プロセッサ39がスリープ・モードの動作でエネルギが断たれることに支障のないことを理解するだろう。ただし、この状況において、第3図に示すように、プロセッサ39がそれ自体への電力を制御するよりも、タイマ48はプロセッサ39への電力使用を有利に制御できる。さらに当業者は、暫定データの破壊を防ぐため、スリープ・モードの最中に、少なくともメモリ40の一部に電力が連続的にかけられることを理解するだろう。
第4図は、中央交換局または「ゲートウェイ6」のブロック図を示す。ゲートウェイ6は、単一のプロセッサか、またはプロセッサのネットワークとして実用化できるプロセッサ60を含む。プロセッサ60は、変調/復調部61をつうじてアンテナ62に結合する。アンテナ62は、通信リンク8の確立に使われる。セクション61は、プロセッサ60によって作られる(または使われる)デジタル・データを、リンク8と調和する被変調RF通信に変換する(または被変調RF通信をデジタル・データに変換する)。
ゲートウェイ6は、永久データと暫定データを格納するメモリ63も含む。こうした永久データと暫定データは、コンピュータ・プログラム,ゲートウェイ6の動作をつうじて変化しないデータおよびゲートウェイ6の動作をつうじて変化するデータを含む。タイマ64もプロセッサ60に結合する。タイマ64は、局6が現在のシステム時間を維持して、以下に述べる、リアルタイムの需要に従ってゲートウェイ6から伝送が送信されるように活動することを可能にする。公衆交換遠隔通信網(PSTN)インターフェイス65をつうじて、プロセッサ60はPSTN 66に結合する。ページャ2に対する呼を実施するための要求は、PSTN 66とインターフェイス65をつうじて受け付けられる。さらに、ページャ2に対する呼を実施するための要求は、衛星1のネットワーク(第1図を参照)とリンク8をつうじて受け付けられる。
第5図は、本発明の通信システムの衛星のブロック図である。好ましくは、システム5の中の全衛星1は(第1図を参照)、第5図のブロック図によって実質的に説明される。衛星1は、クロスリンク・トランシーバ70とクロスリンク・アンテナ71とを含む。トランシーバ70とアンテナ71とは、他の近くの衛星1へのクロスリンク3(第1図)を支援する。ゲートウェイ・リンク・トランシーバ72とゲートウェイ・リンク・アンテナ73とは、ゲートウェイ6と交信するゲートウェイ・リンク8(第1図)を支援する。
さらに、加入者装置のトランシーバ74と加入者装置のリンク・アンテナ75は、ページャ加入者装置2(第1図)を支援する。好ましくは、各衛星1は最高数100以上の加入者装置2(第1図)についてリンクを同時に支援できる。もちろん当業者は、アンテナ71,73,75を単一の多重方向アンテナか、または個別のアンテナの配列のいずれかで実用化できることを理解するだろう。加入者装置のアンテナ75は、多数のセル10〜28(第2図)に同時にアクセスできるフェイズドアレー・アンテナであることが望ましい。好適な実施例においては、最高48の個別のスポット・ビームがそれと同数のセルに同時にアクセスする。
コントローラ76は、メモリ77とタイマ78の他に、トランシーバ70,72,74の各々に結合する。コントローラ76は、1つないし複数のプロセッサを使って実用化できる。コントローラ76は、タイマ78を使って現在の日付と時間を管理する。メモリ77は、コントローラ76に対する命令として働き、以下に述べる、コントローラ76によって実行されるときに衛星1に手順を実行させるデータを格納する。さらにメモリ77は、衛星1の動作のために操作される変数,表およびデータベースを含む。
加入者装置のトランシーバ74は、望ましくは、コントローラ76によって指示される特定の、選択可能な、タイム・スロットのあいだに、異なる選択可能の周波数のすべてで送信と受信を行なえる多重チャネルFDMA/TDMAトランシーバである。加入者装置のトランシーバ74は、望まれる数の送信および受信周波を提供するのに十分な数のチャネルを有する。コントローラ76は、周波数の割り当てとタイムスロット指定,リング警報メッセージの生成およびそこに含まれる情報を提供できる。加入者装置トランシーバ74は、望ましくは、任意の周波数チャネル・セット上での送信と受信を提供するので各加入者装置トランシーバ74は、すべての周波数およびタイム・スロット割り当てを処理する能力を持つことで、必要に応じて、すべての周波数チャネル・セットのスペクトル・容量全体を利用できる。
加入者装置のトランシーバは、一般的なトラフィック複信キャリアよりも高電力でページング・キャリアを伝送する。この余分の電力は、一般的なトラフィック・チャネルにわたって改善されたリンク・マージンを提供する。この余分のリンク・マージンは、ページング・キャリアが乗物や建物のような障害物を貫通する能力を強化する。さらにこれは、感度が低く、しかるに高価でない、ページャ装置の受信機をシステムとともに使用することを許容する。
ページング・システムの概要
本発明のページング・システムは、世界のどこにでもページ・メッセージを配送できる。ユーザの判断で、そのサイズが小さな地方エリアから地球全体のカバレッジにおよぶ地理的領域に、1つのメッセージを送信できる。
各ページャはタイミングと周波数の階層の中で動作間隔が割り当てられる。システム・ページング・インフラストラクチャは、目的地ページャがアクティブであるときにページが配送されることを保証する。
Lバンド・サブシステム
Lバンドは、加入者装置との衛星リンク7に使われる無線周波スペクトルの部分である。Lバンド・サブシステムは、2つの基本的タイプの加入者チャネルを提供する。複信チャネルは、双方向通信サービスを支援し、単信チャネルは一方向メッセージング・サービスを支援する。複信サービスは、携帯および移動の電話サービス,各種のベアラ・データ・サービス,複信メッセージング・サービス,移動交換装置(MXU)に対するサービスおよびマルチライン装置(MLU)に対するサービスを含む。単信サービスは、ページング・メッセージのための指向型メッセージング・サービスを支援する。
ベアラ・サービス・チャネルに加えて、Lバンド・サブシステムはシステム・オーバーヘッド機能を支援するチャネルを提供する。これらの機能は、捕捉およびアクセス制御,加入者リング警報,加入者地理位置およびアンテナ・スポット・ビームと衛星との間の加入者ハンドオフを含む。
ページング時間および周波数の制御
加入者にページングするためのシステム・アクセスは、ページング装置で具体的に捕捉されるバッテリ寿命によって制限される。ページングが商業的に実行可能であるには、安価で容易に利用できるバッテリで、適度な期間作動することがページャに要求される。これはページャの活動に重大な制約を課す。本システムは、十分なページング可用性を維持する一方で、ページャの内部活動を最小限度に抑えるため、階層的な時間および周波数戦略を使用する。
ページング通信アーキテクチャは基本的に、限られた周波数分割多重化方式(FDM)とともに時分割多重化方式(TDM)を使用する。これらの時間と周波数の資源は、任意のときに使用できる時間と周波数の資源を判定する作業階層に組織される。
各ページャは、それが製造されるときか、またはそれが再プログラムされるときに、時間および周波数階層における位置を割り当てられる。この位置は、ページャがアクティブであるときと、ページャが監視する周波数アクセスとを決定する。ネットワーク・ページング・インフラストラクチャは、各ページャの割り当て内容を追跡して、ぺージが正しい周波数アクセスで適切な時間に配送されることを保証する。
90ミリ秒のLバンド・フレーム(第7図への参照をもって説明される)はそれぞれ、単信チャネルのタイム・スロットを含む。衛星は、標準(ベースライン)動作の最中に、このタイム・スロットのあいだに最高2つの周波数アクセスでページング・バーストを送信する。複信チャネルの容量が部分的に犠牲になる場合は、2つの追加の周波数アクセスで2つの追加のバーストが送信される。それぞれ異なる単信バーストは、異なるメイン・ミッション・アンテナ・ビームで送信されるので、単信バーストは異なる地理的エリアをカバーする。4つの周波数アクセスの周波数は、世界操業を認可された単信チャネル周波数帯でページングに予約された周波数アクセスから選択される。任意のときに使われる周波数アクセスとビームとは、干渉を防ぐため、システムのすべての衛星間で調整される。
個々のページング・バーストは、システム制御情報フィールドと4つのページング・データ・フィールドに時分割多重化される。好適な実施例において、各データ・フィールドは20文字の数字(BCD)メッセージと10文字の英数字(ASCII)メッセージのいずれかを含むことができる。1ページの英数字メッセージは、最高4つのページング・データ・フィールドを占めることができる。当業者にとっては、ページング・システムに追加の柔軟性を提供するため、ページング・データ・フィールドが可変長になりうることが明白であろう。
以下に詳しく説明されるように、ページングに使われる周波数アクセスには永久優先度が割り当てられ、ページングのトラフィック需要に従ってシステム制御セグメントによって起動される。周波数アクセスは優先順位に従って起動される。つまり、一次ページング周波数アクセスは常にアクティブである。より多くのページング容量が要求される場合は、二次周波数アクセスが起動される。同じことが、三次および四次の周波数アクセスでもって行われる。
ページングのタイミング階層
第6図は、本発明の通信システムのページングのタイミング階層の概念図を示す。
スーパーフレーム
ページングのフレーム化構造は、4レベルのタイミング階層を使用する。この階層の最高レベルは194.4秒(2160個のフレーム)のスーパーフレーム80である。スーパーフレーム80は、各々が21.6秒(240個のフレーム)の9個のページング・ブロック82からなる。各ブロック82は、4.32秒(48個のフレーム)の5個のグループ84からなる。最後に、各グループ84は、48個の90ミリ秒Lバンド・フレーム86からなる。単信メッセージのタイム・スロット88は、90ミリ秒のLバンド・フレーム86の20.48ミリ秒を占める。当業者は、前記のタイミング階層が単なる見本であり、特定システムの所要条件に応じて、他の数多くの変形が可能であることを理解するだろう。
各ページャは、1つのブロック82のあいだアクティブである。そのアクティブ・ブロックの中の任意のグループの任意のフレームのあいだは、アクティブ・ページャにメッセージを送信できる。メッセージは、任意のアクティブ周波数アクセスで加入者装置のトランシーバ・アンテナ75(第5図)の1つのビームに向けてのみ送信される。各ブロック82の最初のグループは、そのブロックの捕捉グループ83である。捕捉グループ83は、特殊なブロック・ヘッダ・メッセージ114(第9図)を含む。ブロック・ヘッダ・メッセージ114は、それに続くブロックのグループにおけるフレームのうち、捕捉グループ83によってカバーされるエリアにメッセージを送信するフレームを指示する。これは、割り当てられたブロックのあいだに、ページャがページング・トラフィックの受信エリアにいない場合に、ページャがスリープ・モードに復帰することを可能にする。残りの4つのグループは、捕捉グループ・ヘッダ83を含まないメッセージ・グループであり、ブロック82のメッセージ・容量のほとんどを提供する。
チャネル多重化
Lバンド通信サブシステムは、時分割多重アクセス/周波数分割多重アクセス(TDMA/FDMA)の混成アーキテクチャである。各Lバンド・チャネルは、タイム・スロットと周波数アクセスからなる。
複信チャネルは、共通の周波数帯、時分割複信化(TDD)によって提供されるので、個々の複信サービス・ユーザには、アップリンク・チャネルとダウンリンク・チャネルが提供される。各ユーザが自分のサービスを終了させるか、または別のチャネルにユーザがハンドオフされるまでのあいだ、割り当てられたチャネルを各ユーザが独占使用できるようにするため、複信チャネル割り当てには回路交換が使われる。
TDMA/FDMAアーキテクチャは、単信チャネルと複信チャネルとのあいだに周波数の直交性と時間の直交性とを提供する。時間の直交性は、宇宙船が多くの複信トラフィック・チャネルと同時に高出力の単信信号を送信しないこと、そして宇宙船がアップリンク・チャネルの受信中にチャネルを送信しないことを保証する。周波数の直交性は、ある1つの衛星の単信タイム・スロットと他の衛星のアップリンク・タイム・スロットとが干渉することによって生成される相互変調積を最小限に抑える。この直交時間/周波数アーキテクチャでは、送受信の時間と周波数とを制限しないシステムに比べて、相互変調,アンテナ・サイドローブおよびフィルタリングの所要条件が甘く、衛星のピーク送信電力は少ない。
第7図は、基本的なTDMAのフレームを示す。これは、第6図におけるフレーム86に対応する。
単信チャネルは、複信チャネルのダウンリンク・タイム・スロット91と複信チャネルのアップリンク・タイム・スロット90とのあいだのガード・タイム・スロット88のあいだにアクティブである。本実施例において、この周波数帯は2ないし4のページング・チャネルとリング警報チャネルとを提供する。
TDMAフレーム
TDMAチャネルの基本単位はタイム・スロットである。タイム・スロットは、90ミリ秒のフレーム86に編成される。Lバンド・サブシステムのTDMAフレーム86は、第7図に示される。フレーム86は、リングおよびページング・タイム・スロット88を含み、その後ろに4つのアップリンク・タイム・スロット90と4つのダウンリンク・タイム・スロット91が続く。第7図において狭いすき間で示されるように、タイム・スロットは種々のガード・タイムによって分離される。
2400 bpsのトラフィック・チャネルは、1つのフレーム86につき1つのアップリンク・タイム・スロットと1つのダウンリンク・タイム・スロットを使用する。4800 bpsのトラフィック・チャネルは、1つのフレーム86につき2つの連続するアップリンク・タイム・スロットと2つ連続するダウンリンク・タイム・スロットを使用する。2つの連続するアップリンク・タイム・スロットは同じ周波数アクセスになければならず、2つの連続するダウンリンク・タイム・スロットは同じ周波数アクセスになければならない。ある特定のチャネルと関係するアップリンクおよびダウンリンク・タイム・スロットは、同じ周波数アクセスにある必要はない。
90ミリ秒のLバンド・フレーム86は、25 kspsのチャネル・バースト変調速度で、1フレームあたり2250個の記号を提供する。差分符号化されたBPSK変調を使用する同期チャネルのアップリンク部分と捕捉チャネルを除き、チャネルはすべて、50 kbpsのチャネル・ビット速度を有する差分符号化された直角位相偏移キー(QPSK)変調を使用する。
本実施例において、タイム・スロットとガード・タイムとは20マイクロ秒のチャネル・ビット間隔で定義され、フレーム・クロックとビット・クロックとは互いに一貫する。
4つのアップリンク90タイム・スロットと4つのダウンリンク91タイム・スロットは、複信チャネルを提供するために使われるTDD構造を形成する。リングおよびページング・タイム・スロット88は、単信チャネルを支援する。
TDMAフレーム86は、ハードウェアのセットアップを可能にし、アップリンク・チャネルに許容差を与えるため、ガード・タイムを含む。
関係するガード・タイムとともに、単信タイム・スロットによって提供されるダウンリンク・タイム・スロットとアップリンク・タイム・スロットとのあいだの分離88は、衛星対衛星の干渉と電話対電話の干渉を防ぐ。その結果、タイム・スロット88のあいだに使われる周波数は複信トラフィック・チャネルにおける用途に使用できず、これは複信トラフィック・チャネルの周波数から十分に遠く隔てて、実用フィルタによってこれが拒絶されるようにしなければならない。
ページングの周波数階層
第8図は、本発明の通信システムにおけるダウンリンク通信について、ページング周波数割り当てを含む、全体的な周波数計画の概念図を示す。
第8図において、用語「ページ」はページング・チャネルを示し、用語「リング」はリンギング・チャネルを示し、用語「GRD」はガード・チャネルを示す。
チャネルの数と各種のチャネルが周波数帯で割り当てられる順番は、単に説明のためのものであり、多数の変形が可能であるということに注意するべきである。
FDMA周波数計画
本発明のFDMA構造における周波数の基本単位は、あらかじめ定められた帯域幅を占める周波数アクセスである。各チャネルは、1つの周波数アクセスを使用する。複信チャネルに使われる周波数アクセスは、サブバンド(subband)に編成され、サブバンドの各々は8つの周波数アクセスを含む。
12周波数アクセス周波数帯は、単信(リング警報およびページング)チャネルのために確保される。これらの周波数アクセスは、ダウンリンク信号のためだけに使われ、単信タイム・スロットのあいだに送信できる唯一のLバンド周波である。衛星の受信機は、これらの信号を拒絶するように設計されるので、衛星から衛星にかけて伝播するこの周波数帯のエネルギは、複信チャネルの動作に干渉しない。
さらに加入者装置のトランシーバ・アンテナ75(第5図)は、リンギングおよびページング・キャリアが複信チャネル周波数帯で有害な干渉を生成することがないように、十分な送信機直線性でもって設計される。このため単信タイム・スロットは、単信周波数帯で有用なシステム動作を提供する一方で、複信周波数帯のダウンリンク送信を同じ周波数帯のアップリンク送信から隔離することでTDD動作を可能にする。
ページング・チャネルは、トラフィック・チャネルよりも大幅に高い電力レベルで宇宙船によって送信され、リング警報信号は、トラフィック・チャネルよりも適度に高いレベルで送信される。
本発明の本実施例においては、単信周波数アクセス101,102,105の3つだけを、トラフィックの搬送に使用できる。残りの周波数アクセスはガード・バンドである。アクティブな周波数アクセスの1つはリング警報チャネル105に割り当てられ、他の2つ(101,102)はページング搬送波として使われる。
ただし、追加のページング容量は、ページング・トラフィックを搬送するための追加の周波数アクセス(たとえば103,104)を起動するだけで提供できる。ページング容量の追加は、加入者装置のトランシーバ・アンテナの特性によっては、複信容量を減らすことがあるということが理解されよう。
周波数アクセス
ページング・サブシステムは、最高4つの周波数アクセスを使用できる。一次ページング周波数アクセスは、各ブロックの捕捉グループ83のあいだに常にアクティブである。一次周波数アクセスだけではページング・トラフィックを配送できないエリアでは、システム制御のもと、他のページング周波数アクセスがメッセージ・グループで起動される。周波数は、階層的順序で起動される。各ブロックの捕捉グループ83は、そのブロックのあいだにアクティブであるページング周波数アクセスを指示するメッセージ(つまりブロック・ヘッダ・メッセージ114)を含む。
各ページャには、ある特定のときにアクセスがアクティブである機能として、どのアクセスを監視すべきかを指示する、周波数アクセス表が割り当てられる。この割り当ては、たとえばページャが製造されるときに実施できる。これは、一次ページング・チャネル上で再プログラムすることもできる。周波数割当表の例は表1に示される。すべてのページャについて、表1の最初の項目だけが同じであることに注意せよ。
ページャ周波数アクセス割当表の例
ページング・バーストの構造
第9図は、本発明の通信システムで捕捉グループの中で発生するページング・バースト100の構造を示す。
捕捉グループ83(第6図)の中で発生するページング・バースト100は、リンギング/ページング・タイム・スロット88(第7図)のあいだに、たとえばページ・チャネル101またはページ・チャネル102(第8図)で送信される。
第9図に示されるように、ページング・バースト100は、プリアンブル部分110,固有語部分111,フレーム・ヘッダ112,ブロック・ヘッダ・メッセージ114およびM個のぺージング・データ・フィールド115からなる。好適な実施例においては、M=2である。
第10図は、本発明の通信システムで後続グループの中で発生するページング・バースト135の構造を示す。
捕捉グループ83の中で発生しないページング・バースト135は、ページング・バースト100と同じ部分からなるが、ブロック・ヘッダ・メッセージ114を持たないので、拡張されたメッセージ・ペイロード・フィールドを持つ。メッセージ・ペイロード・フィールドは、N個のページング・データ・フィールドからなる。好適な実施例においては、N=4である。ただし・ページング・データ・フィールドは可変長でありえるので、MとNも変化するということが理解されよう。
プリアンブルと固有語を除き、バースト・フィールドは、データ・ビットだけでなく、転送エラー訂正ビットも含む。ページング・バーストのプリアンブルは、2.56ミリ秒の変調されない周波数アクセスからなる。固有語は16進で「789」である。
ページング・フレーム・ヘッダの内容
各ページング・バーストに含まれるフレーム・ヘッダ・フィールド112は、ブロックID,グループID,フレームIDおよび周波数アクセスIDからなる。このフィールドは、エラー訂正コード用として追加のビット割り当てを含むことができる。
ブロック・ヘッダの内容
第11図は、本発明の通信システムのブロック・ヘッダ・メッセージ114の構造を示す。
各ブロック82において、48フレームからなる最初のグループは、捕捉グループ83である。捕捉グループの中の各フレームは、別のアクティブ周波数アクセスで送信できるが、システムの複雑性を抑えるため、捕捉グループのあいだには一次ページング周波数アクセスだけを使用できるということが理解されよう。
好適な実施例において、捕捉グループ83は最初の2つのデータ・フィールドをブロック・ヘッダ・メッセージ114として使用する。残りの2つのデータ・フィールドは、数字ページング・メッセージに使用できる。
第11図に示されるように、ブロック・ヘッダ・メッセージ114は、二次周波数アクセス・ステータス・フィールド121,三次周波数アクセス・ステータス・フィールド122,四次周波数アクセス・ステータス・フィールド123,一次周波数ビジット・フィールド124,二次周波数ビジット・フィールド125,三次周波数ビジット・フィールド126および四次周波数ビジット・フィールド127からなる。
二次,三次および四次周波数アクセス・ステータス・フィールドは、下の表2で非常に詳しく示されるように、それぞれに対応する周波数アクセスの現在と将来の(つまり次のスーパーフレーム内での)動作状態を指示する。
周波数アクセス・ステータスのコード
一次,二次,三次および四次周波数ビジット・フィールドは、アクティブな周波数アクセスの各々について、送信順序を指示する。これらのフィールドはそれぞれ、1つのグループの各フレームにつき1ビットを含み、たとえば、好適な実施例においてそれは48である。ブロック・ヘッダ・メッセージ114が受信されたところのビームが、ブロックのメッセージ・グループにおける1つないし複数のフレームにあいだに周波数アクセスによってビジットされる場合、これらのフレームに対応するビットは1に設定される。ブロックのメッセージ・グループのあいだにこのビームがビジットされないフレームに対応するビットは0に設定される。好適な実施例において、ビジット順序は各メッセージ・グループについて同じであるため、ブロックのあいだのビームに対する潜在的ビジットのすべてについて順序を定義するには、4セットの48ビットで十分である。
ブロック・ヘッダ・メッセージ114はまた、エラー訂正コード用として追加のビット割り当てを含むことができる。
4つより少ない周波数アクセスが使われる場合、周波数ビジット・フィールドの一部を使用してページング・メッセージを搬送できることが理解されよう。
ページング・データ・フィールド
第12図は、本発明の通信システムのページング・データ・フィールド115の構造を示す。各ページング・バーストは、最高N個のページング・データ・フィールド115(第10図)を含む。
ページング・データ・フィールド115は、ページャ・アドレス・フィールド131,メッセージ・タイプ・フィールド132,メッセージ・シーケンス番号フィールド133およびメッセージ・フィールド135からなる。
メッセージ・フィールド135は、たとえば、BCDコードを用いて20文字の数字メッセージを含んだり、またはASCIIコードを用いて10文字の英数字メッセージを含むことができる。ページング・データ・フィールドはまた、エラー訂正コード用として追加のビット割り当てを含むことができる。
当業者は、ページング・データ・フィールド115が多数の異なる方法で構成できることを理解するだろう。たとえば、格納メッセージや非格納メッセージのように、複数の異なるページ・タイプのうちの1つを指示するために、メッセージ・タイプ・フィールド132を拡張できる。格納メッセージは、自宅に電話すること、オフィスに電話すること、その他を加入者に告げることができるし、または加入者によって定義される固有のメッセージを伝達できる。格納メッセージの使用は、頻繁に使われるページを配置するのに要する、システム5の資源を節約する。ページング・データ・フィールドは、種々のメッセージを提供するため、可変長でありえる。
すべてのページング情報フィールドは、エラー訂正コード用として追加のビット割り当てを含むことができる。
ページング配送動作
これより、ページング・メッセージの配送について、システム5の動作が説明される。
チャネルのスケジューリングとチャネル使用の制約
システム5は、宇宙船1のすべてについて、チャネルのスケジューリングをコントロールする。このスケジューリング動作を実行するときにシステムが考慮する、チャネル使用の制約がいくつかある。
ページングは、90ミリ秒の各フレームの最初で単信チャネルのタイム・スロット88のあいだに達成される。好適な実施例においては、アクティブな各ページング周波数アクセスで、1つの加入者装置のトランシーバ・アンテナ(第5図、75)ビームに向けて1つのページング・バーストを送信できる。ある1つのフレームで1つのバーストだけが特定のビームで送信され、1つの加入者装置のトランシーバ・アンテナで2つより多いページング周波数アクセスは同時にアクティブにならない。
他のページング・チャネルとリング警報チャネルとの干渉を防ぐため、所定のフレームに使われる周波数とビームの選択にも制約がかけられる。この干渉は、空間的な隔離によって回避される。つまり、同時のページング・バーストは、それらが互いに干渉しないことを保証するのに十分なパターン隔離を有するアンテナ・ビームで送信される。
この干渉を考慮するうえで重要な考慮点は、宇宙船間の差動ドップラである。外部ビームにおけるドップラ偏移は±37.5 kHzていどになることがあるので、ドップラ偏移のために一次および二次または三次および四次の周波数アクセスが互いに干渉する可能性がある。システムには、これらのドップラ偏移が起こるときに、これらの信号を隔離するように、ページング周波数割り当てを計画することが求められる。
メッセージ配送のスケジューリング
ページング・メッセージの配送は、メッセージが宛てられるページャ2のスリープ/ウェイク・サイクルとのあいだで調整される。ページャ2は、194.4秒の各スーパーフレーム80のあいだで、240フレーム(21.6秒)からなる1ブロック82間隔のあいだに、アクティブでありメッセージを受信できる。さらに、前記のとおり、各ページャには、周波数アクセス割当表(たとえば表1)が割り当てられる。周波数アクセス割当表は、システム5によって使われるかもしれないアクティブなページング周波数アクセスのすべての組み合わせについて、ページャが使用する周波数アクセスを決める。
ページング・メッセージは、配送の信頼性を向上するため2回送信される。これらの配送は、宇宙船の位置から所定のエリアに向けて大きな角度オフセットでページが送信されることを保証するようにスケジュールされる。この角度の相違が、各種の幾何学的構造物(たとえば建物,山その他)の隠蔽と遮断が、2つの配送試行のあいだで相関しない確率を高める。角度の相違は、2つの異なる軌道面にある宇宙船から送信することで好ましくは達成されるが、大きな角度オフセットを有する同一軌道面の位置を使用することが必要になることもある。
メッセージ配送の順序
第13図は、本発明の通信システムのメッセージ配送順序の構造を示す。
宇宙船は、第13図に示されたメッセージ配送順序(MDO)形式を用いて、ゲートウェイ6よりページングの配送順序を受け取る。これらの順序は、メッセージ配送順序ヘッダ140とメッセージ配送順序ペイロード141からなる。
メッセージ順序ヘッダ140は、配送フレーム142,配送ビーム143および周波数アクセス144からなる。
メッセージ配送順序ペイロード141は、ヘッダ145と最高N個のメッセージ146〜149からなる。好適な実施例においては、N=4である。
各配送順序は、1つのメッセージ・データのフレームとともに・ページング・チャネルにとって正しい形式による適切なヘッダ情報を含む。メッセージ・ペイロードは、Lバンドの物理チャネルのためのすべてのコードを含む。
宇宙船は、MDOを受信してMDOのヘッダ部分140を読んで配送パラメータを判定する。次に宇宙船は、適切なフレームに達するまで、MDOのペイロード部分141を蓄積する。このとき宇宙船は、プリアンブル(第9図、110)と固有語(第9図、111)を追加して、ページング・バーストを送信する。
第14図は、本発明の通信システムのページングの脈絡と情報の流れを示す。以下の論議の目的のため、第14図は宇宙船群150,ネットワーク資源マネージャ151,メッセージ終了コントローラ152,ページング加入者のホーム・ゲートウェイ153,ページング加入者データベース154およびPSTN(公衆交換遠隔通信網)66を含む。
ネットワーク資源マネージャは専用のシステム制御セグメント(SCS)(図示せず)に常駐し、システム制御セグメントの機能は追跡,遠隔測定法および宇宙船の制御を含む。メッセージ終了コントローラ(MTC)152とページング加入者データベース154は、ゲートウェイ6に常駐する。
メッセージが正しいときに配送されることを保証するため、システム5はページング加入者データベース154を管理し、ページング加入者データベースは各ページャについて、アクティブ・ブロック82と周波数アクセス割当表(たとえば表1)とを含む。メッセージ終了コントローラ152はこの情報を用いて、ページング・メッセージの順序を、各SVに送信される配送順序に編成する。これらの配送順序は、1つのページング・データのフレームとともに、配送フレーム,配送ビームおよび周波数アクセス(第13図)を含む。
メッセージ配送スケジュールは、ページャの動作と併せて、使用可能なSVの資源とその他のチャネル制約を考慮する。この情報は、システム制御セグメント(SCS)でネットワーク資源マネージャ151によって生成される。SCSは、各フレームでどの周波数アクセスでどのビームがページングできるかということを判定するために、ページング需要予測,他のサービス需要の予測,各SVの動作状態とエネルギ状態に関する情報および干渉計画の規則を使用する。
これらの資源配分は、ページ配送がスケジュールされるときに、違反できない制約としてMTCに送信される。MTCは、ページング需要履歴をSCSに報告することで、将来のページング・トラフィックの予想を援助する。このメッセージの流れは第14図において示される。
SVはページング・メッセージ配送順序を受信して、スケジュールされた配送フレーム,配送ビームおよび周波数アクセスに従って、それらをページング・データ・バッファに入れる。スケジュールされたフレームで、データはバッファから読み取られ、指示された周波数アクセスに変調され、指定された配送ビームに向けて送信される。MTCは、アクティブな周波数アクセスまたは配送ビームの各々について、任意のフレームのあいだに2つ以上のページング・バーストがスケジュールされないことを保証する。
メッセージ配送順序は、それらの送信がスケジュールされたグループよりも前にグループ84のあいだに到着するように送信される。このためSVは、スケジューリング情報とともに、2つのグループのページング・データ(10キロバイト)を格納するうえで、十分に大きなバッファを含む。
ページング・チャネルの動作
これより、システム5のページング・チャネルの動作が説明される。
各ブロック82の最初の48個のフレームは捕捉グループ83を構成し、そのあいだにすべてのアクティブ周波数アクセスにより、SVのすべてのアクティブ・アンテナ・ビームに1つのバーストが送信される(つまり48個のビーム)。各フレーム86のあいだに、各アクティブ周波数アクセスによって異なるビームがビジットされる。
すべてのアクティブ・ページング周波数アクセスは、これらのフレームのあいだに捕捉グループ83を送信する。捕捉グループ83のあいだに送信されるバーストは、ブロック・ヘッダ・メッセージ(第9図、114)とともに、2つの数字ページ・データ・フィールド115を含む。これは、そのブロックのあいだに動作することがスケジュールされたすべてのページャに、捕捉データを受け取るための機会を保証する。
すべての周波数アクセスは、ビームを一度ビジットし、捕捉グループのあいだに一度だけビジットする。このため、SVでアクティブなビームが48に満たない場合、一部のフレームは全く送信されないか、またはすべての周波数アクセスでは送信されない。この戦略は、システムがすべてのSVで同時の捕捉グループを持つことを許す。
好適な実施例において、捕捉グループのあいだには一次ページング周波数アクセスだけが使われる。これは、システムの複雑性を抑えるが、ページングの容量も減ることがある。
捕捉グループの後、ブロックにおける残りのページング・バーストはそれぞれ、最高N個の数字または英数字ページを含む。捕捉間隔のあいだを除き、ページング・バーストはトラフィックがあるエリアをカバーするビームにだけ送信される。すべてのバーストは、フレーム・ヘッダ・メッセージ(第9図、112)を含み、フレーム・ヘッダ・メッセージはそのバーストについてブロックID,グループID,フレームIDおよび周波数アクセスIDを提供する。フレーム・ヘッダ112は、ページャがシステムを捕捉するときにページャを援助する。
メッセージ・グループのあいだ、アクティブ周波数アクセスは、ブロックについて固定されている送信フレーム順序の中で循環される。送信フレームの順序は、トラフィックの需要に従ってスケジュールされる。
システム制御セグメント(SCS)(図示せず)は、特定のSVによって提供されるビームのうち、スーパーフレームのあいだにページング・トラフィックの受信に使用できるビームを判定する。任意のときのビームにおけるページング容量は、以前のページング履歴に基づく需要予測に従って割り当てられる。大量のページング・トラフィックの受信が見込まれるエリアをカバーするビームは、資源と干渉の制約が許すできるだけ多くのビジットでスケジュールされる。これらの多数の送信順序は、大量のトラフィック受信が見込まれないエリアに対する送信機会を犠牲にして成立する。
ブロックのあいだ特定エリアへのビジットに用いるフレームと周波数アクセスについての指示は、捕捉グループ114のあいだにそのビームに送信されるブロック・ヘッダ・メッセージ114のすべてに含まれる。
メッセージ・グループに記述される送信スケジュールは、アクティブ周波数アクセスのそれぞれで異なることがある。たとえば、一次周波数アクセスはフレームおよびビーム1〜48での送信に使用できる。一方、二次周波数アクセスは、ビーム10〜20におけるフレーム1〜10での送信にだけ使うことができる。
各種の周波数アクセスによってこれらのグループで使われる送信シーケンス間には、一定の関係はない。ただし、特定の周波数アクセスによって使われるシーケンスは、特定ブロックのメッセージ・グループの各々で繰り返される。
捕捉グループ83のあいだ、代替(つまり、二次,三次および四次)周波数アクセスは、一次チャネルのシーケンスとのあいだで一定の時間関係を有する送信シーケンスに従う。ページャには、このタイミングがあらかじめプログラムされるので、次のブロック・ヘッダ・メッセージ114を待たなくても、代替チャネルに移って正しいシーケンスと同期できる。別のときに、代替周波数アクセスは、トラフィック要件を満たすために、一次周波数アクセスと同様の方法で、ビームをビジットする。
ページャの動作
周波数の選択
一次ページング周波数アクセスは、単信タイム・スロットとともに、一次ページング・チャネルを定義する。すべてのページャは、電源投入のときとスリープ期間から目覚めるときに、最初に一次チャネルを捕捉する。ブロック・ヘッダ・メッセージ114は、メッセージ・グループでアクティブである他のページング周波数アクセスを指定する。捕捉グループの後、あらかじめ定められたページャのグループは他のアクティブ・ページング周波数アクセスに移る。
代替チャネルに移るページャは、ブロック・ヘッダ・メッセージにおける周波数アクセス・ステータス・フィールド(第11図、121〜123)が、チャネルが操作を中断しようとすることを指示するまで、そのチャネルの監視を続ける。このメッセージは、周波数アクセスがアクティブになる最後のスーパーフレームで送信される。
これとは別に、代替チャネルで受信するページャは、ブロックをつうじてそのチャネルを監視して、その後に次のブロックの捕捉グループにおける一次周波数に復帰できる。
フェイドやその他のチャネルの損害により、ページャは、チャネルが終了することを指示するブロック・ヘッダ・メッセージの受信に失敗することがある。この状況でページャは、あらかじめ定められた連続するスーパーフレームの数よりも多く、捕捉グループ・ヘッダの捕捉に失敗するまで、チャネルを監視し続け、あらかじめ定められた連続するスーパーフレームの数よりも多く、捕捉グループ・ヘッダの捕捉に失敗すると、ページャは一次チャネルに切り替える。
タイミングと同期
ページャのバッテリ寿命は普通、実際のバッテリの制約によって大幅に制限される。ページャは、この寿命を伸ばすために、負担の低いスリープ/ウェイク・サイクルを使用できる。このサイクルは、ページャがシステムとの同期を維持するために、SVから信号を受信できない延長された長いスリープ期間を要求する。同期の問題は、ページャの中で具体的に実用化される発振器の限られた安定性によって悪化する。安価な発振器を使用すると、スリープ期間のあいだに最も基本的なタイミングのほとんどを維持できない。
低空軌道システムの大きな変動は、長い休止期間にわたって同期を維持することと両立しない。衛星は、毎時約6.5キロメートルの地上速度で移動する。このため、伝播遅延とドップラ周波数は、非常に短い時間に大きく変化する。さらに、配慮と限られたらスペクトルを共有するSVのハードウェアにより、システムはシステムの複信チャネルに使われるのとほとんど同じ位相変調を使用することを余儀なくされる。
ページング・システムのタイミング階層とそれに関連するページャの動作サイクルにより、ページャは172.3秒という長いスリープ期間を利用でき、しかもページャは覚醒しているときのブロックでメッセージを受信するためにシステム同期を達成できる。
ページャは、スリープ期間のあいだにスーパーフレームのタイミングを追跡するだけでよい。ページャは、そのウェイク・サイクルが始まるたびに、システムとの同期を必要とする。これは以下の動作順序を用いて達成される。
探索モード
ページャは、電源投入のときか、またはそのアクティブ・ブロックの開始がスケジュールされている1.5秒前に、スリープ・サイクルから抜け出て、探索モードに入る。1.5秒のガード時間により、ページャは20 ppmの長い安定性を有するタイミング基準発振器を使用することができる。
ページャは、それが受信できるすべてのバーストを処理し、フレーム・ヘッダのデータを読み取る。ページャは、受信したバーストとヘッダ情報のタイミングに従って、内部のタイミングを再整合させる。そのグループがページャのアクティブ・ブロックの捕捉グループではなく、かつまたアクティブ・ブロックに先行するブロックの第4メッセージ・グループでもないことを、フレーム・ヘッダのデータが指示する場合、ページャはフレームID,グループIDおよびブロックIDとそのアクティブ・ブロックの捕捉グループとの差に基づいて、そのスリープ・タイマ(第3図、48)をリセットする。そしてページャはスリープ・モードに戻る。
受信したバーストが適切なブロックおよびグループからのものである場合、ページャはそのアクティブ・ブロックから捕捉グループ・バーストを受信するまで、それが検知するすべての信号を監視する。ページャは、捕捉グループ・バーストを受信すると、ブロック・ヘッダ・メッセージ114を読み取る。
ブロック・ヘッダ・メッセージが、そのブロックがページャのアクティブ・ブロックであることを指示するとページャは引き続き捕捉できる全バーストの処理を続行する。
捕捉されるバーストごとにページャは、ページング・デーータ・フィールド内のページャ・アドレス116をチェックする。ページャがバースト中のアドレスを検知すると、ページャは監視するスケジュールとして、そのバースト中のスケジュールを選択し、メッセージ・データの読み取りと表示を行なう。ページャはまた、捕捉プロセスを中止して、追跡モードに入る(以下参照)。
ページャはそのアドレスを検知しない限り、それが48フレームの捕捉間隔にわたって捕捉することのできる全バーストの処理を続行する。ページャは、別々のビームから受信した3つの最高出力バーストのブロック・ヘッダ・メッセージからデータを格納する。捕捉間隔の終りでページャは、最良の信号対雑音比で受信したバーストのスケジュールを組み合わせて、監視するスケジュールを生成する。3つのビームよりも多いあるいは少ないスケジュールの組み合わせが可能であることは明白であろう。
追跡モード
ページャは、捕捉グループ83の終りに追跡モードに入り、残りの4つのグループをつうじてそのモードに留まる。追跡モードにおいてページャは、捕捉グループのあいだに選択したスケジュールでフレームを監視する。
追跡モードにおいてページャは、モニタ・スケジュールにおけるフレーム時間のあいだだけページャの受信機をオンにする。受信しないときは、ページャは低電力の休止モードに入る。混雑したエリアでは、ほとんど起こりえないことではあるが、ブロックの240の全フレームがモニタ・スケジュールに含まれるということが起こりうる。
ページャは、捕捉モードと追跡モードとをつうじて受信した信号のパラメータに基づいて、内部のタイミングを補正する。
ページャは、アクティブ・ブロックを追跡した後に、スリープ・モードに戻る。ページャは、次のスーパーフレームにおけるそのアクティブ・ブロックの捕捉グループが差し迫っていることを、その内臓タイマが指示するまで、スリープ・モードに留まる。
流れ図の説明
第15図ないし第19図は、本発明による、アドレス可能呼出受信機の動作方法の複合流れ図を構成する。
本プロセスはブロック160で始まる。
次に、ボックス161を参照し、ページング受信機はそのスリープ・サイクルまたはスリープ・モードから抜け出る。
次に、ボックス162において、受信機は送信されたフレーム・ヘッダの1つを検査する。
次に、意思決定ボックス163において、フレーム・ヘッダがこの受信機のブロックIDを含んでいるか否かのチェックが行われる。ブロックIDが含まれている場合は、本方法はボックス164に進み、そこで受信機がグループIDを読み取るが、ブロックIDが含まれていない場合は、本方法はライン165を経由してボックス192に進む。ボックス192において、受信機はこのフレームのフレーム・ヘッダIDをもとにして、スリープ・サイクルから覚醒すべきときを判定し、次にボックス194に進んで、そこで受信機はスリープ・サイクルに入る。
ボックス164から、本方法は判断ボックス166に進み、そこでフレームが捕捉グループの部分であるか否かについてチェックが行われる。フレームが捕捉グループの部分である場合は、本方法はボックス167に進むが、フレームが捕捉グループの部分でない場合は、本方法はライン165を経由してボックス192に進む。
ボックス167において、受信機は捕捉グループを監視する。次にボックス168において、受信機はブロックの各フレームでそのアドレスを監視する。判断ボックス170において、受信機がそのアドレスを検知する場合は、本方法はボックス171に進み、そこで受信機はそのメッセージの読み取りと表示を行なう。ボックス172において、受信機は、それが監視するスケジュールとして、メッセージを送信したビームからスケジュールを選択する。
意思決定ボックス170において、受信機がそのアドレスを検知しなかった場合は、それが検知するビームのうちの1つによって送信される捕捉グループの情報を受信機が監視する(ボックス175)。
意思決定ボックス177において、受信機が捕捉グループの情報の中でブロック・ヘッダを検知する場合、受信機はそれに対応するビーム・ビジット情報を読み取って格納する(ボックス178)。そうでない場合は、本方法はライン165を経由してボックス192に進む。
意思決定ボックス181に進み、捕捉グループ全体がまだ送信されていない場合は、捕捉グループ全体が送信されるまで、受信機が検知する追加のビームによって送信される捕捉グループの情報を監視し続ける(ボックス175)。
次に、ボックス184において受信機は、少なくとも1つの最適特性(たとえば、信号強度)を持つN個のビーム(好適な実施例においては3個のビーム)を選択し、選択ビームのブロック・ヘッダに含まれるビジット・スケジュールからモニタ・スケジュールを形成する。
ボックス186を参照し、受信機はスケジュールに含まれたフレームだけを監視するため、格納されたモニタ・スケジュールの情報を使って、このブロックの残りのグループのあいだに覚醒する。
ボックス188を参照し、受信機はそのブロックの捕捉グループが送信される直前まで、スリープ・モードに入る。次にページャは覚醒し、独自の捕捉グループの寸前に送信されるグループの情報と同期する。
最後に、本方法はブロック196において終了する。
まとめ
要するに、本発明は衛星方式、世界的規模のセルラ・メッセージング・システムに用いる改善されたメッセージ装置を提供する。メッセージ装置は、メッセージを監視するために最適ビームを判定できる。さらにメッセージ装置は、そのメッセージ・ブロックと非常に速やかに同期できる。さらにメッセージ装置は、そのバッテリ資源を大幅に節約するメカニズムを含む。
Claims (7)
- マルチビーム衛星方式メッセージング・システムのアドレス可能呼出受信機によって実行される方法であって、前記受信機はスリープ・サイクルとウェイク・サイクルとを有し、前記受信機には複数のメッセージが1つのフレームにグループ化され、複数のフレームが1つのグループにグループ化され、複数のグループが1つのブロックにグループ化される被送信情報が与えられ、前記フレームの各々がフレーム識別子、グループ識別子およびブロック識別子からなるフレーム・ヘッダを有し、所定フレームの各々がヘッダを含み、前記所定フレームが捕捉グループを構成し、前記受信機は前記受信機に割り当てられたブロックを識別する識別値を格納し、当該方法は:
(a)前記スリープ・サイクルから出て(161)、送信されたフレーム・ヘッダの1つを調べる(162)段階;
(b)前記フレーム・ヘッダの前記ブロック識別子が前記識別子値に一致する場合に、次の段階(c)に進み、そうでなければ段階(d)に進む段階(163);
(c)前記グループ識別子をもとに前記フレームが捕捉グループの一部であるか否かを判定する段階(166)であって:
(i)前記フレームが捕捉グループの一部である場合に、そのアドレスに関して前記捕捉グループの各フレームを監視し(167,168)、段階(d)に進む段階;
(ii)前記フレームが捕捉グループの一部でない場合に、段階(e)に進む段階;
によって構成される段階;
(d)段階(f)において、前記受信機がそのアドレスを検知する場合に(170)、フレームからメッセージを読み取り(171)、そうでない場合に、そのアドレスに関して前記ブロックで監視し続け(175,177,178,181)、受信したとき、段階(f)に進む段階;
(e)前記フレーム・ヘッダ識別子を用いて(172)、前記スリープ・サイクルからいつ出るかを判定する段階;および
(f)スリープ・サイクルに入る段階(188,194);
によって構成されることを特徴とする方法。 - 前記情報がいくつかの異なるビームによって送信され、特定のビームが前記受信機に対する情報の送信に使用されるか否か,使用される場合には前記特定のビームを用いて情報がいつ送信されるかに関するビーム・ビジット情報によって前記ブロック・ヘッダが構成される方法であって:
(g)前記受信機がそのアドレスを検知して前記メッセージを読み取る場合に、前記受信機が前記メッセージを送信したビームを、監視するビームとして選択する段階;および
(h)前記受信機が前記ブロック・ヘッダと対応する前記ビーム・ビジット情報を格納する段階;
によってさらに構成される請求項1記載の方法。 - (j)格納されたビーム・ビジット情報を用いて、そのブロックの残りのグループの間に前記受信機が覚醒し、監視されたビームが訪れる前記フレームのみを監視する段階;
によって構成される請求項2記載の方法。 - N個の異なるビームによって前記情報が送信され(Nは正の整数)、特定のビームが前記受信機に対する情報の送信に使われるか否かということ,使われる場合には前記特定ビームを用いて情報がいつ送信されるのかに関するビーム・ビジット情報によって前記ブロック・ヘッダが構成され、前記方法は:
(g)前記受信機が第1ビームによって送信される前記捕捉グループ情報を監視する段階;
(h)前記受信機が前記捕捉グループ情報内にブロック・ヘッダを検知する場合に、前記受信機が前記ビーム・ビジット情報を読み取り、格納する段階;および
(i)前記捕捉グループのすべてが送信されるまで段階(g)および(h)を繰り返す段階;
によってさらに構成される請求項1記載の方法。 - マルチビーム衛星方式メッセージング・システムのアドレス可能呼出受信機であって、複数のメッセージが1つのフレームにグループ化され、複数のフレームが1つのグループにグループ化され、複数のグループが1つのブロックにグループ化される被送信情報が当該受信機に与えられ、前記フレームの各々がフレーム識別子、グループ識別子およびブロック識別子からなるフレーム・ヘッダを有し、所定フレームの各々がブロック・ヘッダを含み、前記所定フレームが捕捉グループを構成するアドレス可能呼出受信機であって:
前記受信機が割り当てられたブロックを識別する識別値を格納するメモリ;
バッテリ;
前記バッテリに結合された受信回路であって、スリープ・サイクルとウェイク・サイクルとを有する受信回路;
タイマ;および
前記タイマおよび前記受信回路に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは前記受信機を前記ウェイク・サイクルに入らせ、前記被送信フレーム・ヘッダの1つを調べさせ、前記フレーム・ヘッダの前記ブロック識別子が前記識別子値に一致する場合に、前記プロセッサが前記受信機に前記グループ識別子をもとに前記フレームが捕捉グループの一部であるか否かを判定させ、一部である場合には前記受信機が前記捕捉グループを監視し、前記フレーム・ヘッダが前記の値を含まない場合または前記フレームが捕捉グループの一部でない場合には、前記受信機が前記フレーム識別子を用いて、前記スリープ・サイクルからいつ出るべきかを判定し、その後スリープ・サイクルに入るプロセッサ;
によって構成され、
前記メモリがまた一意的な受信機アドレスをストアし、前記フレームの一つが前記一意的な受信機アドレスを有し、前記フレームが捕捉グループの一部であるならば、前記受信機はそのアドレスに関して前記ブロックを監視し、
前記一つのフレームが更にメッセージを有し、前記受信機がそのアドレスを検出したならば、前記受信機は前記メッセージを読み出し、そうでなけば、前記受信機はそのアドレスに関し前記ブロックを関しし続ける、
ことを特徴とするマルチビーム衛星方式メッセージング・システムのアドレス可能呼出受信機。 - 前記情報が数個の異なるビームによって送信され、特定のビームが前記受信機に対する情報の送信に使用されるか否か,使用される場合には前記特定ビームを用いて情報がいつ送信されるのかに関するビーム・ビジット情報によって前記ブロック・ヘッダが構成され、前記受信機がそのアドレスを検知して前記メッセージを読み取る場合に、前記受信機が前記メッセージを送信したビームを、監視するビームとして選択し、前記受信機が前記ブロック・ヘッダに対応する前記ビーム・ビジット情報を格納する請求項5記載の受信機。
- N個の異なるビームによって前記情報が送信され、(Nは正の整数)特定のビームが前記受信機に対する情報の送信に使われるか否か,使われる場合には前記特定ビームを用いて情報がいつ送信されるのかに関するビーム・ビジット情報によって前記ブロック・ヘッダが構成され、前記受信機が第1ビームによって送信される前記捕捉グループ情報を監視して、前記受信機が前記捕捉グループ情報の中でブロック・ヘッダを検知する場合に、前記受信機が前記ビーム・ビジット情報を読み取り格納し、前記捕捉グループのすべてが送信されるまで前記受信機がこのプロセスを繰り返す請求項5記載の受信機。
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