JP3852287B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査型プローブ顕微鏡に関し、特に複数個のプローブを有し、極微小領域における電気的計測等の操作を可能にし得る走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
プローブ顕微鏡としては、走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡等が考案されている。
最初に考案された走査型トンネル顕微鏡は、ピエゾアクチュエータに固定された金属性のプローブを試料に近づけ、プローブと試料との間に流れるトンネル電流を計測し、電気的フィードバック回路により、トンネル電流値でピエゾアクチュエータを制御することで、原子レベルの分解能で固体表面の形状観察やトンネル電流による電流電圧特性の測定を行うものである。このとき、試料は導体かもしくはバンドギャップが約1eV以下の半導体でなければならない。
【0003】
それに対し、カンチレバーの先端に取り付けたプローブを試料の表面に直接当接させて走査し、その表面形状を前記カンチレバーのたわみ量から求める走査型原子間力顕微鏡は、絶縁性の試料でも測定可能であり、前記カンチレバーの応答特性やねじれ量から、試料の粘弾性や摩擦係数分布が求められるといった特徴がある。
さらに、エバネッセント光を用いることで、光の波長以下の分解能で試料を観察できる走査型近接場光学顕微鏡がある。
【0004】
最近では、こうした走査型プローブ顕微鏡を用い、原子配列を並び替えたり、高密度のストレージメモリーを作製したりすることが可能になった。また、半導体ウエハーの表面形状の品質を管理するために用いたり、原子レベルで物質の電子構造を測定する計測手段としてもちいたり、と走査型プローブ顕微鏡の応用範囲は、基礎科学から工業的利用まで広がってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの走査型プローブ顕微鏡は、物質の単一のプローブのみで試料の形態や各種物性(電流値、抵抗値、電位、粘弾性特性、摩擦係数等)を測定する装置であった。したがって、微小な物質に複数の探針を接続し、物質の電気抵抗値、電流値、電圧値等の電気特性を測定することは困難であった。また、物質を掴んだり、押したり、引っ張ったり等することで移動する物理的な操作(本発明において、かかる操作を単に「操作」と称する場合がある。)することもできなかった。
【0006】
これまでにも、2つの独立したプローブをもつ走査型トンネル顕微鏡自体は、研究されてきた(計測と制御 第18巻、12号、p.742〜746、(1999年))が、2本のプローブが十分に細くなく、先端の曲率半径もそれに対応してあまり小さくすることができなかったことから、極めて微小な物質を測定対象とする場合、両プローブが衝突してしまうため、プローブ同士の距離を例えば1μm以下等、十分に近づけることはできていない。
【0007】
また、P.KimとC.M.Lieberは、2本の独立したナノチューブを用いて試料を操作したり、試料の電気特性を測定することに成功したが、これらは電子顕微鏡ではなく、単にナノチューブを操作や測定用の棒として用いているのみであり、また、取り扱える試料のサイズも最小500nm程度が限界である(Science Vol.286、p.2148〜2150(2000年))。
【0008】
一方、100nm以下程度の極めて微小な物質について、3本のプローブにより操作することや電気特性の測定をすることは、実現されていない。
したがって、本発明の目的は、電気的に独立した複数のプローブを有し、100nm以下程度の微小な物質の、像観察、電気特性測定、並びに、物質の操作を可能とする走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、電気的に独立した複数のプローブを有し、該プローブのうち、2本以上のプローブが対を成したナノチューブプローブであり、1本以上のプローブが像観察機能を備え、かつ、前記対を成したプローブの特性振動と位相が略180°シフトした振動で、前記対を成したプローブを加振させる加振装置を有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡である。
【0010】
本発明によれば、電気的に独立した複数のプローブを有するため、2本ないしは3本以上のプローブが自由に稼動し、また、該プローブのうち2本以上がナノチューブプローブであるため、プローブ間の干渉が低減され、1μm以下の、特に100nm以下程度の微小な物質の操作が可能となり、また、該物質の像観察や電気特性(電圧値、電流値、抵抗値、電位等)の測定が可能になる。
【0011】
すなわち本発明によれば、従来観察や電気的特性を測定することが困難であった微小な物質を、0.1nm以上100nm以下程度の空間分解能で形態を観察することが可能であるとともに、同様の空間分解能で電気的特性を測定することも可能となる。
また、細い(100nm以下程度)プローブで、特にナノチューブプローブで対を成すと、該対を成したプローブ間で、振動や揺らぎ等の特性振動が生じ、微小な物質を測定等の対象とするには、少なからず影響が生じてくる。しかし本発明によれば、前記加振装置により、前記特性振動と位相が略180°シフトした振動で前記対を成したプローブを加振させることで、前記特性振動が打ち消され、全体として前記特性振動の影響を実質的に無くすことができ、より精密かつ正確な、像観察、電気特性測定、並びに、物質の操作を実現することができる。
【0012】
前記ナノチューブプローブとしては、導電性を有することが望ましく、その直径が、5nm以上20nm以下であることが望ましい。
【0013】
前記ナノチューブプローブうち、少なくとも2本以上が電気特性を測定し得る端子の機能を備えることが望ましく、かかる態様の場合、電気特性を測定し得る端子の機能を備える2本以上のナノチューブプローブのほかに、独立して像観察機能を備えるプローブ(勿論、該プローブに他の機能を併せ持たせてもよい。)を有することもできる。独立して像観察機能を備えるプローブを有することで、電気特性を測定し得る端子の機能を備える2本以上のナノチューブプローブを測定対象としての試料に接触させ、該試料の電気特性(電圧値、電流値、抵抗値、電位等)を測定しつつ、その試料を観察することが可能となる。
【0016】
上記本発明の走査型プローブ顕微鏡は、微小領域における物質の操作や測定手段として有用であり、例えば、半導体デバイス等の電子産業において活用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面を参照しながら、好ましい実施形態を挙げて説明する。なお、以下の説明において、「直径」との表現は、ナノチューブプローブや後述するプローブ支持体の断面が円形である場合は勿論、当該円の直径を意味するが、これらは必ずしも円形であることは要求されず、同断面が円形以外の形状である場合には、同一面積の円相当形を意味するものとする。
【0018】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示す概略構成図である。本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、2つの独立したピエゾアクチュエータ16a,16bが存在し、そのそれぞれにプローブホルダー12a,12bが保持されている。プローブホルダー12a,12bには、先端にナノチューブプローブ10a,10bが接続されたプローブ支持体14a,14bが固定され、ナノチューブプローブ10a,10bは、独立した走査型トンネル顕微鏡としての像観察機能を備える。また、ピエゾアクチュエータ16a,16bは、振動防止のため弾性体18a,18bを介して架台20に固定されている。架台20には、測定対象となる物質(試料24)が載せられた基板22が載置されている。ナノチューブプローブ10a,10bは、基板22に載せられた試料24の像観察、電気特性測定および操作を可能とすべく、試料24接触するように、あるいは近傍に位置するように、走査される。
【0019】
なお、このように像観察機能を備えたプローブを2つ有する走査型プローブ顕微鏡のことを、以下、「D−STM」(「dual−probe scanning tunneling microscope」の略)と称することにする。
【0020】
微細な試料を観察・測定するに際しての、D−STMにおける最大の問題は、2つのプローブ間の干渉である。2つのプローブが接近すると、プローブ先端の曲率半径以下の領域は、プローブ同士の接触、もしくは静電力による影響で、電気特性測定、並びに、物質の操作が不可能になる。
【0021】
上記2つのプローブ間の干渉を回避するためには、細いプローブを使用することが重要である。しかしながら、従来用いられてきた走査型トンネル顕微鏡のプローブは、タングステンや白金イリジウム合金を電気化学エッチングで鋭端化したものであるが、先端径としては100nm程度が限界であり、プローブ先端の曲率半径もそれに応じて限界がある。したがって、こうしたプローブをマルチプローブの走査型トンネル顕微鏡に用いたのでは、観察分解能を100nm以下にすることは、極めて困難である。
【0022】
そこで本実施形態においては、上記2つのプローブとして、直径が5〜20nm程度のナノチューブプローブ10a,10bを用いることでプローブの先端径を小さくし、2つのプローブ間の干渉を低減させている。すなわち、本実施形態によれば、複数のプローブが同時に稼動できる測定システムが構築できる。
【0023】
ナノチューブプローブ10a,10bを構成するカーボンナノチューブとしては、直径が1〜50nmの範囲のものが好ましく、5〜20nmの範囲のものがより好ましく、7〜15nmの範囲のものがさらに好ましい。また、当該カーボンナノチューブの長さとしては、0.1〜2μmの範囲のものが好ましく、0.5〜1.0μmの範囲のものがより好ましい。
【0024】
ナノチューブプローブ10a,10bは、導電性を有することが望ましい。導電性を有するカーボンナノチューブを用いることで、物質の電気特性をより精密に測定することができる。なお、ここで言う「導電性」とは、カーボンナノチューブの全長の抵抗値が、100kΩ以下であることを意味する。
【0025】
カーボンナノチューブには、6角網目のチューブが1枚の構造のシングルウォールナノチューブ(以下、「SWNT」と略称する)と、多層(多重壁)の6角網目のチューブから構成されているマルチウォールナノチューブ(以下、「MWNT」と略称する)と、があるが、本発明においては、いずれのカーボンナノチューブを用いてもよい。ただし、MWNTを用いることが、高い弾性と靱性とを有することから好ましい。また、SWNTでは半導体特性を示すことが多く、その意味でもMWNTを用いることが好ましい。
【0026】
ナノチューブプローブ10a,10bを構成するカーボンナノチューブの製造方法としては、特に制限されるものではなく、触媒を用いる熱分解法(気相成長法と類似の方法)、アーク放電法、およびレーザー蒸発法等、従来公知のいずれの製造方法を採用しても構わない。
【0027】
プローブ支持体14a,14bは、通常の走査型プローブ顕微鏡における一般的なプローブと同様のものであり、すなわち通常の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ支持体14a,14bの先端にナノチューブプローブ10a,10bが接続されていない状態でプローブとして用いられている。
【0028】
プローブ支持体14a,14bの材質としては、タングステン、金、白金、シリコン、白金イリジウム合金、モリブデン、レニウム、ステンレス等が挙げられ、ナノチューブプローブ10a,10bとの導通を確保するためには、導電性を有することが望ましく、形状加工をしやすいことから、タングステン、白金イリジウム合金等の中から選択することが好ましい。
【0029】
プローブ支持体14a,14bの形状としては、特に限定されないが、直径として10μm〜0.5mm程度の範囲、長さとして1〜5mm程度の範囲から選択され、かつ、先端をエッチング等により(好ましくは、先端径が100nm程度になるまで)先鋭化することが望ましい。
【0030】
具体的なプローブ支持体の製造方法を、材料としてタングステンを用いた場合を例に挙げて以下に説明する。
まず、所望の直径のタングステンワイヤから所望の長さに切断して、タングステンチップを得て、さらに該タングステンチップの先端を水酸化カリウム水溶液(1規定)の中で、電気化学的にエッチングし、小径化する。電気化学エッチングは、直径3mm程度の白金ループを上下に設置したエッチング装置で行うが、そのときの条件としては、電流量がほぼ一定になるように電圧値を1〜10Vの範囲で制御する。一般に電流量は、100mA〜1A程度の範囲内である。必要に応じて、さらに先端を尖らすために、電気化学的エッチングの後、イオンビームエッチングを行う。イオンビームエッチングは、回転型試料ホルダーにタングステンチップを固定し、左右方向からからアルゴンイオンビームを照射しながらタングステンチップ先端を(例えば、曲率半径を100nm以下程度に)加工する方法である。このとき、アルゴンイオンビームの条件は、イオンビームエネルギーを3〜5keV、イオン電流値を1〜5mAとすることが適している。
【0031】
プローブ支持体14a,14bの先端に、マイクロマニュピレーター等でカーボンナノチューブを固定することでナノチューブプローブ10a,10bを得る。この際の固定には、導電性の接着剤を用いるか、もしくは、真空中で電子ビームによる固定が適している。特に、局所的に電子ビームを照射することができる電子ビームによる固定方法は、タングステンチップとナノチューブを固定するのに最適である。電子ビームの照射時における条件としては、加速エネルギーが3〜20keVの範囲、電子ビームの電流量が10〜20μAの範囲と、それぞれすることが好ましい
【0032】
プローブ支持体の材料としてタングステン(W tip)を用い、これに電子ビームの照射によりカーボンナノチューブ(Nanotube)を固定して得たナノチューブプローブの走査型電子顕微鏡(SEM)写真(拡大倍率:5000倍、ただし、写真の縮尺倍率により拡大倍率は多少変動する。以下、SEM写真において同様。)を図2に示す。
【0033】
本実施形態の如く、ナノチューブプローブのような細いプローブで対を成してD−STMに用いると、該一対のプローブ間で、振動や揺らぎ等の特性振動が生じ、微小な物質を測定等の対象とするには、少なからず影響が生じてくる。したがって、当該一対のプローブ間の特性振動を除去するために、振動防止(雑音除去)機能を有する装置を備えることが望まれる。本実施形態においては、かかる機能を有する装置として、ピエゾ素子26および弾性体18cからなる加振装置28が、プローブ支持体14a,14bを介して一対のナノチューブプローブ10a,10bにつながるプローブホルダー12a,12b間に備えられている。かかる加振装置28は、プローブ支持体14a,14b間の特定振動を感知し得る図示しない感知装置からの信号によりプローブ支持体14a,14b間の特定振動を測定し、さらに図示しない制御装置により、前記特性振動と位相が略180°シフトした振動でピエゾ素子26を振動させる。すなわち、ピエゾ素子26が前記制御装置からの信号により膨張し、かつ、弾性体18cの復元力により復元することで所望の振動(前記特性振動と位相が略180°シフトした振動)で一対のナノチューブプローブ10a,10bが加振される。
【0034】
このように本実施形態における加振装置28は、ナノチューブプローブ10a,10bの特性振動数を感知し、それをフィードバック制御することにより、前記特性振動と位相が略180°シフトした振動でナノチューブプローブ10a,10bを加振させることで、前記特性振動が打ち消され、全体として前記特性振動の影響を実質的に無くすことができ、より精密かつ正確な、像観察、電気特性測定、並びに、物質の操作を実現することができる。本実施形態のように、長さ1μm前後のナノチューブプローブを使用した場合、本発明者らの検討結果によれば、1〜3nm程度の揺らぎが生ずるが、加振装置28を稼動させると、0.5nm以下程度まで揺らぎを低減させ得ることがわかった。
【0035】
なお、加振装置28による振動の位相は、前記特性振動に対して正確に180°シフトしていることが望ましいが、正確に180°シフトさせることは精密な装置によっても容易ではなく、ある程度誤差を含んでいてもよい。具体的には、±10%程度の誤差が存在しても前記特性振動低減効果は十分に認められ、さらに±5%程度の誤差の範囲内であれば、実質的に正確なものと認められ、前記特性振動低減効果が高い次元で達せられる。
【0036】
本実施形態においては、ナノチューブプローブ10a,10bは、電気的に独立したプローブであり、かつ、両プローブとも像観察機能を備える。さらに、ナノチューブプローブ10a,10bの双方とも、電気特性を測定し得る端子の機能を備える。したがって、以上の如き本実施形態の走査型プローブ顕微鏡(D−STM)によれば、ナノチューブプローブ10a,10bを双方とも像観察機能を発揮させて、いわば2台の独立した走査型トンネル顕微鏡として稼働させ得るとともに、両プローブを2本の電気測定用のプローブとしても動作させることができる。例えば、ナノチューブプローブ10a,10bのいずれかで像観察を行いながら、他方を試料24に接触させ、さらに位置決めした上で像観察に供したプローブを所望の位置に接触させることで、試料24の電気特性を測定することができる。また、基板22として導電性のものを用いるか、あるいはゲート電極を予め基板22に設けておくことで、試料24のトランジスタとしての特性を測定することもできる。
【0037】
ナノチューブプローブ10a,10bそれぞれにより、またはナノチューブプローブ10a,10bで挟み込む等により、試料24を物理的に操作することができる。
【0038】
なお、本実施形態において、ナノチューブプローブ10a,10b、および、プローブ支持体14a,14b以外の構成要素は、特に限定されるものではなく、従来公知の材質、形状、構造の部材等が問題なく使用される。例えば、ピエゾアクチュエータ16a,16bやピエゾ素子26には、従来公知のピエゾ素子を好適に用いることができる。また、弾性体18a,18bおよび28としては、如何なる弾性体も適用し得るが、バネを用いることが精密性、安定性、経済性等の観点から好ましい。
【0039】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示す概略構成図である。本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、3つのプローブを用いており、かつ、そのうちの1つのナノチューブプローブ30aが原子間力顕微鏡(atomic force micoroscope;AFM)用のプローブとなっている。ナノチューブプローブ30aは、プローブ支持体34aのピラミッド状の形態の走査部36の先端に固定されている。また、他の2本のナノチューブプローブ30b,30cは、1つのプローブ支持体34bの先端に、「ハ」の字型にやや開いた状態で、それぞれ電気的に独立して固定されている。プローブ支持体34bは、ピエゾアクチュエータ32に接合され、3次元的に自由に動かすことができるように構成されている。なお、図3において、試料44は基板42に載せられている。
【0040】
プローブ支持体34aは、通常のAFMにおける一般的なカンチレバー型のプローブと同様のものであり、すなわち通常のAFMにおいては、プローブ支持体34aの走査部36の先端にナノチューブプローブ30aが接続されていない状態でプローブとして用いられる。
【0041】
2本のナノチューブプローブ30b,30cが固定されるプローブ支持体34bは、絶縁性の針の形状のものであり、特にその材質は制限されないが、例えば、引き延ばしたガラス細管等が挙げられる。また、プローブ支持体34bの先端径は、50〜500nm程度が望ましい。プローブ支持体34bには、ナノチューブプローブ30bに導通させるための配線38が施される。図3においては、陰に隠れて見えないが、プローブ支持体34bの裏側にも、ナノチューブプローブ30cに導通させるための配線(不図示)が施される。配線38および前記不図示の配線は、プローブ支持体34bがガラスからなるものであるならば、Cr(厚さ10〜100nm程度)/Au(厚さ50〜500nm程度)の二重薄膜が、シリコンからなるものであるならば、Ti(厚さ10〜100nm程度)/Au(厚さ50〜500nm程度)の二重薄膜が、それぞれ望ましい。かかる配線用薄膜は、真空蒸着法かスパッタリング法で形成させ、そののち、電気的に独立させるように、イオンビームエッチング法で加工する。このとき、イオンビームの加速エネルギーは、配線用薄膜の種類にもよるが、2〜10keV、イオン電流量は、1〜10mAが適当である。
【0042】
また、ナノチューブプローブ30b,30cとしては、直径が5〜20nm程度、長さが0.5〜2μm程度のカーボンナノチューブを用いることが望ましい。なお、カーボンナノチューブプローブ30b,30cの固定は、第1の実施形態において説明した方法と同様にして行うことができる。
【0043】
以上のようにして、ナノチューブプローブ30b,30cが固定された状態のSEM写真(拡大倍率:29800倍)を図4に示す。図4のSEM写真において、中央のやや左側の縦線がプローブ支持体34bの先端部であり、その先にさらに左方向に延びる2本の線がカーボンナノチューブプローブ30b,30cである。
【0044】
電気的に独立した、この2本のナノチューブプローブ30b,30cに電位をかけると、静電気力によりナノチューブプローブ30b,30cが閉じたり開いたりする。かかるプローブの機能を最初に発表したのは、Lieberらである(Science Vol.286、p.2148〜2150、(2000年))。彼らは、絶縁性の針(本実施形態におけるプローブ支持体34bに対応)の先端径が500nm程度のものを作製したが、本実施形態においては、100nm程度のものを作製した。また、Lieberらの発表においては、かかる原理そのものを見出したまでであり、操作型プローブ顕微鏡のプローブとして用いることを意図したものではない。
【0045】
プローブ支持体34aの先端に固定される、AFM用のプローブであるナノチューブプローブ30aは、直径が1〜20nm程度のナノチューブである。通常のAFMにおいて用いられるカンチレバー型のプローブは、プローブ支持体34aと基本的に同一のものであり、シリコン製、もしくは、窒化シリコンや酸化シリコンを微細加工したピラミッド状の走査部36を有しているのが一般であり、かかる状態のものが容易に市場から入手することができる。当該走査部36は、そのままでは絶縁性ないし半導電性であるため、このカンチレバー型のプローブを電気特性測定用のプローブとして用いるには、表面にAuやPt等の貴金属を蒸着しなければならない。この蒸着膜の影響で、走査部36の曲率半径が大きくなり、このようにして得られた導電性のプローブを用いた場合、原子間力顕微鏡観察時の空間分解能が大幅に低下してしまう。
【0046】
本実施形態においては、以上のようにして得られた導電性のプローブであるプローブ支持体34aの走査部36の先端にナノチューブプローブ30aを固定することで、十分な導電性を保ちつつ、プローブ先端の曲率半径を極めて小さく(例えば、10nm以下等)することができる。かかるナノチューブプローブ30aを用いれば、空間分解能を低下させずに像観察や電気特性の測定が可能になる。なお、ナノチューブプローブ30aの固定は、第1の実施形態において説明した方法と同様にして行うことができる。
【0047】
以上のようにして、ナノチューブプローブ30aが、プローブ支持体34aの走査部36の先端に固定された状態のSEM写真(拡大倍率:30000倍)を図5に示す。図5のSEM写真において、中央から右方向にナノチューブプローブ30aが延びていることがわかる。
【0048】
本実施形態においては、ナノチューブプローブ30a,30b,30cは、電気的に独立したプローブであり、かつ、ナノチューブプローブ30aが像観察機能を備える。また、ナノチューブプローブ30a,30b,30cのすべてが、電気特性を測定し得る端子の機能を備える。さらに、ナノチューブプローブ30b,30c間に電位をかけることで、試料44を挟持することができ、試料24を物理的に操作することができる。
【0049】
したがって、以上の如き本実施形態の走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)によれば、ナノチューブプローブ30aにより像観察をしながら、ナノチューブプローブ30b,30cにより試料44を物理的に操作したり、試料44の電気特性を測定したりすることができる。また、ナノチューブプローブ30aも電気特性を測定し得る端子の機能を備えることから、これも端子として用いて、例えば、試料44のトランジスタとしての特性を測定することもできる。この場合、基板42が絶縁性であっても測定が可能である。また、絶縁性の液体であるならば、該液体中においても試料の電気特性を測定することが可能になる。
【0050】
なお、本実施形態において、ナノチューブプローブ30a,30b,30c、および、プローブ支持体34a,34b以外の構成要素は、図示を省略した構成要素を含め、特に限定されるものではなく、従来公知の材質、形状、構造の部材等が問題なく使用される。また、全ての構成要素において、本実施形態で特にその好ましい態様を示したものを除き、第1の実施形態の態様が好ましく適用される。
【0051】
以上、2つの実施形態の走査型プローブ顕微鏡により、像観察、電気特性測定、並びに物理的な操作を、ナノレベルで実現することができる。勿論、本発明は、上記2つの実施形態の態様に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて、公知の知見により種々の変更を加えることができる。
【0052】
また、第1の実施形態においては2つの、第2の実施形態においては3つの、ナノチューブプローブを用いた例を挙げて説明しているが、ナノチューブプローブの数は、これら2つや3つに限定されるものではなく、4つ以上であっても問題無い。さらに、3つ以上のプローブを有する走査型プローブ顕微鏡においては、それら全てがナノチューブプローブでなければならないわけではなく、少なくとも2つがナノチューブプローブであれば、本発明の効果は奏される。例えば、第2の実施形態において、ナノチューブプローブ30aが先端に固定されていない通常のAFMにおける一般的なカンチレバー型のプローブ(すなわち、プローブ支持体34a)をプローブとして用いたものも、本発明の範疇に含まれ、この場合であっても、残りの2本のナノチューブプローブ30b,30cにより、微細な試料44の電気特性の測定が可能であり、かつ、物理的な操作も可能であるという、本発明の卓越した効果が発揮される。
【0053】
なお、3つのナノチューブプローブを用いた例である第2の実施形態においては、そのうちの2本のナノチューブプローブ30b,30cが1のプローブ支持体34bに固定された態様が示されているが、3つ以上のプローブを有する場合に、必ずしも2つのプローブが物理的に結合されていなくてもよく、相互に物理的に独立した態様であっても勿論構わない。
【0054】
上記説明した本発明の走査型プローブ顕微鏡は、あらゆる技術分野、産業分野において、微小領域における物質の操作や測定手段として適用することができ、かつ、有用であり、例えば、半導体デバイス等の電子産業において活用することができる。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、図1に示す構造の走査型プローブ顕微鏡(D−STM)を組み立てた。ピエゾアクチュエータ16a,16bとしては、3方向に走査可能な円筒形のピエゾ素子(長さ20mm、直径5mm;富士セラミックス社製)を用いた。また、プローブホルダー12a,12b間に、板状のピエゾ素子26を固定し、さらに、金属スプリングからなる弾性体18cを配し、不図示の感知装置およびと弾性緩衝材で制御装置により、前記特性振動と位相が略180°シフトした振動でピエゾ素子26を振動させる構造として、加振装置28を構成した。また、弾性体18a,18bとしてリン青銅の板バネを用いて、ナノチューブプローブ10a,10bの振動を緩和させた。
【0056】
ナノチューブプローブ10a,10bとしては、直径約12nmで長さ1.5μmのMWNTのカーボンナノチューブを用い、直径0.25mm、長さ1.0mm、先端の曲率半径100nmのタングステン細線からなるプローブ支持体14a,14bの先端に固定した。
試料24としては、単一壁カーボンナノチューブから加工したナノチューブリング(リングの直径20nm、カーボンナノチューブ自体の直径3.0nm)を用いた。
【0057】
基板22は、トンネル電流制御を行い、なおかつ、基板22からゲート電圧をかけるために、多結晶シリコン層(膜厚3.5nm)/酸化シリコン層(膜厚2nm)/(100)面単結晶シリコン基板(n−型)/Au薄膜電極(膜厚200nm)という多層の半導体基板を使用した。最表面の多結晶シリコン基板は、Asがイオン注入法により1018cm-3程度ドープされており、n型である。また、基板22の表面は、安定化のために、フッ酸水溶液(2%)にて水素末端処理が行われている。この基板22を用い、アクチュエータのトンネル電流制御は、最表面層の多結晶シリコン層とナノチューブプローブ10a,10bとの間で行い、ゲート電圧の制御は、それとは電気的に独立な単結晶シリコン層とAu電極との間で行った。
【0058】
以上の走査型トンネル顕微鏡で、第2プローブとしてのナノチューブプローブ10b(2nd probe)を用いて像観察を行った。図6は、その結果得られた走査型トンネル顕微鏡像である。すなわち、図6の写真は、試料24のナノチューブリング(NT ring)に、第1プローブであるナノチューブプローブ10a(1st probe)が接近している様子を、第2プローブで観察したものである。さらに、2本のナノチューブプローブ10a,10bを試料24のナノチューブリングに接続させる。このようにすることで、ナノチューブリングにソース電極とドレイン電極とが形成されたことになる。
【0059】
この状態で電気特性の測定を行った。電気特性の測定は、ゲート電極の電位を変化させることで、ソース電極およびドレイン電極間の電流電圧特性に変化が現れることを確認して行った。すなわち、ゲート電極の電位(VG)を0V〜5Vの間1V刻みで変化させて、ソース電極とドレイン電極との間の電流電圧特性を、KEITHLEY社製エレクトロメーター6514を用いることにより測定した。なお、測定は室温(23℃)中で行った。その結果を図7に示す。図7の電気特性評価のグラフから、試料24であるナノチューブリングが、トランジスタ動作することがわかる。
以上のように、本実施例の走査型プローブ顕微鏡が、ナノレベルの像観察が可能であり、かつ、ナノレベルの測定装置として有効であることが実証できた。
【0060】
(実施例2)
実施例2においては、実施例1と同様にして、図1に示す構造の走査型プローブ顕微鏡を組み立てた。
試料24としては、単一壁カーボンナノチューブから加工したナノチューブリング(リングの直径50nm、カーボンナノチューブ自体の直径12nm)を用いた。試料24は、基板22としてのn型Si(111)基板に固定した。基板22には、Asがイオン注入法により1018cm-3程度ドープされている。また、Si基板表面は水素原子で末端化処理されており、空気中でも比較的安定している。
【0061】
以上の走査型トンネル顕微鏡で、第2プローブとしてのナノチューブプローブ10b(2nd probe)を用いて像観察をしながら、試料24としてのナノチューブリングの一端に、第1プローブであるナノチューブプローブ10aを接触させ固定した。図8は、その状態を撮影した走査型トンネル顕微鏡像である。すなわち、図8の写真は、試料24のナノチューブリング(NT ring)に、第1プローブであるナノチューブプローブ10a(1st probe)が接触し固定されている様子を、第2プローブで観察したものである。このようにして、第1プローブであるナノチューブプローブ10aをゲート電極として機能させる。
【0062】
さらに第2プローブであるナノチューブプローブ10bを前記ナノチューブリングの中央の穴からSi基板(基板22)と直接接触させ、電圧を15V程度印加し、ナノチューブプローブ10bとSi基板とを擬似オーミック接合させ、ソース電極とする。基板22表面には、ナノチューブリング(試料24)から約100nm離れた位置にAu電極を予め形成しておき、これをドレイン電極とする。このようにして、ソース、ゲート、ドレインからなるゲート幅12nmのSiトランジスタが構成できたことになる。
【0063】
この状態で電気特性の測定を行った。電気特性の測定は、実施例1と同様にして行った。その結果を図9に示す。図9の電気特性評価のグラフから、試料24であるナノチューブリングとSi基板とで構成されるトランジスタが、トランジスタ動作することがわかる。
以上のように、本実施例の走査型プローブ顕微鏡が、ナノレベルの像観察が可能であり、かつ、ナノレベルの測定装置として有効であることが実証できた。
【0064】
(実施例3)
実施例3においては、図3に示す構造の走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)を組み立てた。
2本のナノチューブプローブ30b,30cが固定されるプローブ支持体34bとしては、先端径150nmのガラスキャピラリを用いた。
【0065】
2本のナノチューブプローブ30b,30cとしては、直径約15nm、長さ約1.1μmのカーボンナノチューブワイヤを用いた。
プローブ支持体34aとしては、通常のSi製のAFMプローブ(Degital Instruments社製)にAuを約100nm程度蒸着したものを用いた。
プローブ支持体34aの走査部36の先端に固定されるナノチューブプローブ30aとしては、太さ約12nm、長さ520nmのカーボンナノチューブを用いた。
【0066】
試料44としては、単一壁カーボンナノチューブから加工したナノチューブリング(リングの直径50nm、カーボンナノチューブ自体の直径3.0nm)を用いた。基板42としては、厚さ3nmの酸化膜を形成させた(100)面単結晶Si基板(n型)を用い、該基板42の酸化膜が形成された面に、試料44を載置した。
【0067】
以上の走査型トンネル顕微鏡で、第3プローブとしてのナノチューブプローブ30a(3rd probe)を用いて像観察しつつ、試料44としてのナノチューブリングを操作した。図10は、かかる操作の状態を、(a)から(c)へと順を追って撮影した走査型トンネル顕微鏡像である。
【0068】
図10(a)の写真は、試料44のナノチューブリング(NT ring)に、第2プローブであるナノチューブプローブ30c(2nd probe)を当接させた状態を示すものであり、ナノチューブプローブ30b,30c間には電位がかかっていないため、開いた状態となっており、第1プローブであるナノチューブプローブ30b(1st probe)は、ナノチューブリング(NT ring)から離れた所に位置している。
【0069】
この状態でナノチューブプローブ30b,30c間に電位をかけることで、図10(b)の写真に示すように、ナノチューブプローブ30b(1st probe)が矢印A方向に移動するかたちで、第1プローブ(1st probe)および第2プローブ(2nd probe)間が閉じ、ナノチューブリング(NT ring)を挟持することができる。このとき、両プローブを閉じるのに必要な電圧は、約13V程度であった。
【0070】
さらに、図10(c)の写真に示すように、第1プローブ(1st probe)および第2プローブ(2nd probe)を基板に沿って動かすことにより、ナノチューブリング(NT ring)を矢印B方向に移動することができた。
以上のように、本実施例の走査型トンネル顕微鏡像によれば、1のプローブで像観察を行いつつ、試料を物理的に操作することができた。
【0071】
さらに、ゲート電圧を基板42の背面から印加し、ナノチューブプローブ30b,30cをそれぞれソース電極、ドレイン電極として、試料44としてのナノチューブリングの電気特性の測定を行った。電気特性の測定は、実施例1と同様にして行った。その結果を図11に示す。図11の電気特性評価のグラフから、試料44としてのナノチューブリングが電界効果トランジスタとして機能し得ることがわかる。
【0072】
以上のように、本実施例の走査型プローブ顕微鏡が、ナノレベルの像観察が可能であり、ナノレベルの物質を物理的に操作することが可能であり、かつ、ナノレベルの測定装置として有効であることが実証できた。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電気的に独立した複数のプローブを有し、100nm以下程度の微小な物質の操作を可能とし、かつ電気測定を可能とする走査型プローブ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示す概略構成図である。
【図2】 図1におけるナノチューブプローブがプローブ支持体に固定された状態を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】 本発明の第2の実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示す概略構成図である。
【図4】 図3における2本のナノチューブプローブがプローブ支持体に固定された状態を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】 図3におけるナノチューブプローブがカンチレバー型のプローブ支持体に固定された状態を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】 実施例1において、走査型トンネル顕微鏡で像観察を行った、走査型トンネル顕微鏡像である。
【図7】 実施例1において、走査型トンネル顕微鏡で測定した、ナノチューブリングのソース電極およびドレイン電極間の電流電圧特性である。
【図8】 実施例2において、走査型トンネル顕微鏡で像観察を行った、走査型トンネル顕微鏡像である。
【図9】 実施例2において、走査型トンネル顕微鏡で測定した、ナノチューブリングとSi基板とで構成されるトランジスタのソース電極およびドレイン電極間の電流電圧特性である。
【図10】 実施例3において、走査型トンネル顕微鏡で像観察しつつ、試料を物理的に操作している状態を、図10(a)から図10(c)へと順を追って撮影した、走査型トンネル顕微鏡像である。
【図11】 実施例3において、走査型トンネル顕微鏡で測定した、ナノチューブリングのソース電極およびドレイン電極間の電流電圧特性である。
【符号の説明】
10a、10b、30a、30b、30c ナノチューブプローブ
12a、12b プローブホルダー
14a、14b、34a、34b プローブ支持体
16a、16b、32 ピエゾアクチュエータ
18a、18b、18c 弾性体
20 架台
22、42 基板
24、44 試料
26 ピエゾ素子
28 加振装置
36 走査部
38 配線
Claims (5)
- 電気的に独立した複数のプローブを有し、該プローブのうち、2本以上のプローブが対を成したナノチューブプローブであり、1本以上のプローブが像観察機能を備え、かつ、前記対を成したプローブの特性振動と位相が略180°シフトした振動で、前記対を成したプローブを加振させる加振装置を有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- 前記ナノチューブプローブが、導電性を有することを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記ナノチューブプローブの直径が、5nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記ナノチューブプローブのうち、少なくとも2本以上が電気特性を測定し得る端子の機能を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 少なくとも電気特性を測定し得る端子の機能を備える2本以上のナノチューブプローブと、少なくとも像観察機能を備える1本以上のプローブとを有することを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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