JP3852061B2 - 火災用ノズル及び火災用ノズルの着脱式デフレクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、火災用ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火災用ノズルとして、可変噴霧ノズルが開発されている。
このノズルは、油液を圧入することにより出没自在に駆動してなる外筒と、前記外筒内に嵌挿するとともに、先端部の内壁に近接して円板状のデフレクタを配置し、前記外筒との嵌挿部の外部に油液流出入口を取り付け、該油液流出入口の作動により油液から循環する油液流通路を内壁に設けてなる内筒と、を備えている。
【0003】
このノズルでは、油圧を利用して外筒を摺動させ、外筒の先端部と内筒の内壁に近接して設けたデフレクタとの距離を遠ざからせることにより、火点が遠距離の場合に適した直射状態の放水パターンを形成し、又、逆に外筒の先端部とデフレクタとの距離を近づけることにより火点が近距離の場合に適した拡散状態の放水パターンを形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、次の様な問題がある。
(1)ノズルから放出される消火液は、テーパ状に形成された外筒の先端部内面に案内されながら円錐台状の消火液噴流となる。そのため、該内面のテーパ角度より大きな角度の範囲の散水域を得ることができないので、ノズル先端部近傍側、即ち、手前側の消火域に十分散水できない。
(2)消火液として、消火液に泡原液を混合した泡水溶液を用いると、放射パターンが棒状から中間噴霧放射までは泡水溶液が空中で泡になるが、90゜噴霧放射で空中発泡する前に着地してしまうため、泡にならない。
従って、直近の油火災などでは強い消火液放射で油面を叩くことになるため、油を飛散させて消火活動がかえって危険になることがある。
(3)既製品又は既設のノズルの散水域を通常より広げたい時にノズル全体を取り替えるという無駄がある。又、散水域を広狭任意に選びたい場合に2種類のノズルが必要になる。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑み、広角度で良好に噴霧化や発泡する火災用ノズルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、次の通りの発明特定事項を備えることにより前記課題を解決するものである。
【0007】
中空円錐状の泡水溶液液噴流を放出するノズル本体(2)と、該ノズル本体(2)の先端部の内側に同心状に配設した円板状のデフレクタ(3)と、該ノズル本体(2)に摺動自在に嵌着され、前記泡水溶液噴流の流方向を変える第1外筒 ( 10 ) であって、その先端部の内面は出口方向に広がる円錐台状面 ( 10T ) であり、その内面には溝山部(12)と溝谷部 ( 13 ) とが円周方向に順次形成されている第1外筒(10)と、該第1外筒 ( 10 ) と第2外筒 ( 20 ) との間に該ノズル本体(2)の先端部に開口する空気通路 ( 21 ) を形成するように該第1外筒(10)に嵌着固定された第2外筒(20)と、該第2外筒(20)の先端に突設された棒状デフレクタ(40)と、該第2外筒 ( 20 ) の先端部の円周方向に設けられ、前記第1外筒の流路(45)に連通する分散流路(30)と、を備え、
遠距離放射、該遠距離放射より放射距離の短い中距離放射、又は、該中距離放射より放射距離の短い近距離放射、が可能な可変噴霧泡ノズルであって;
該棒状デフレクタ(40)が、円環状の消火液噴流断面(X)に対応する円環形状に形成され、前記近距離放射の際に、前記泡水溶液噴流(AW2)は、前記第1外筒 ( 10 ) の円錐台状面 ( 10T ) に案内されながら前記流路 ( 45 ) を通って前記円環状の棒状デフレクタ(40 ) の側面(40N)に衝突してその側面(40N)側及び内面(40S)側に分散し、前記側面 (40 N ) 側に分散した噴流(AW22)が前記分散流路(30)より外方へ出る際、前記空気通路 ( 21 ) から吸引された空気流(AR1)を抱き込んで発砲し、前記内面 (40 S ) 側に分散した泡水溶液噴流(A21)は該内面(40S)に沿って前方に方向を変えられて水平方向の噴流(AW 21 )となり、前記泡水溶液(AW)が溝山部(12)に沿って前方に分流した強い噴流(AW12)と衝突して発砲することを特徴とする。
【0008】
この発明の分散流路は、次の様に構成されている。
【0009】
この発明の分散流路が、円周方向に複数設けられていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
消火液噴流を放出するノズル本体の先端にデフレクタが突設されている。このデフレクタは、消火液噴流断面に合わせた形状の棒状デフレクタであり、該噴流断面位置に配設されている。
【0011】
この消火液噴流断面は、ノズルから所定のパターンで放出された消火液噴流をその流線方向に対し直交或いは傾斜した方向に切断した時の断面であり、その断面形状として直線形、円形、方形、V字形、円弧形等がある。
棒状デフレクタは、消火液噴流断面の形状に対応する形状、例えば、直線状、円環状、角環状、V字状、円弧状等に形成される。
【0012】
この棒状デフレクタの配設される位置は前述の様に該断面位置であるが、この位置は消火液噴流の通路と対向する位置でもある。この棒状デフレクタはノズルに着脱可能に設ける。又、摺動可能に設けてもよい。
【0013】
この消火用ノズルとして、扇形ノズル、更には、消火液噴流の拡散角度を調整できる可変ノズル、などが用いられる。可変ノズルを用いる場合には、ノズル本体に外筒を摺動自在に嵌着し、該外筒の先端に棒状デフレクタを突設する。
【0014】
この消火用ノズルを泡消火用ノズルとして使用する場合には、ノズル本体に第1外筒を摺動自在に嵌着し、該第1外筒に空気通路を介して第2外筒を嵌着固定し、該第2外筒の先端に棒状デフレクタを突設する。
【0015】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1〜図10により説明する。火災用ノズル1は、ノズル本体2と、該ノズル本体2に摺動自在に嵌合された第1外筒10と、該第1外筒10に嵌着固定された第2外筒20と、を備えている。
【0016】
ノズル本体2の先端部2aの内側には、円板状のデフレクタ3が同心状に配設されている。この先端部2aの内面は出口方向が広がった円錐台状に形成されている。
【0017】
第1外筒10は、第2外筒20を固定するためのナット穴11を備えている。このナット穴11の径、数、位置等は必要に応じて適宜選択され、例えば、軸対称の位置に2個のナット穴11が形成される。
【0018】
この第1外筒10の先端部10aの内面は、出口方向が広がった円錐台状面10Tであり、その面10Tには溝山部12と溝谷部13とが円周方向に順次形成され、カサバ歯車状となっている。
【0019】
この溝山部12と溝谷部13のテーパ角度θ1、θ2、溝幅w、溝数等は必要に応じて適宜選択されるが、例えば、溝山部12のテーパ角度θ1=22度、溝谷部13のテーパ角度θ2=52度、溝幅w=6mm、溝数24が選ばれる。
【0020】
第2外筒20は、空気通路21を介して第1外筒10に固定されている。
この第2外筒20の先端部20aには、分散流路30を介して円環状の棒状デフレクタ40が形成されている。この分散流路30は円周方向に複数個、例えば、4個形成されているが、その数や大きさ等は必要に応じて適宜選択される。
【0021】
棒状デフレクタ40は、第1外筒10により案内される消火液噴流断面に合わせた形状に形成され、該噴流断面位置に配設されている。
即ち、該デフレクタ40は図10の一点鎖線で示す様な円環状の消火液噴流断面Xに対応する円環形状に形成され、又、第1外筒10の先端から間隔Lだけ突出することにより、該デフレクタ40を前記噴流断面Xに位置させる。
この位置は第1外筒10の流路45に対向する位置でもある。
【0022】
第2外筒20のボルト穴41にボルト50を挿入し、第1外筒10のナット穴11に螺着し、両外筒10、20を固定する。
この時、第2外筒20の支持柱部31は、第1外筒10の溝山部12外方に一致させる。これは該支持柱部31が溝谷部13外方に位置すると、放水パターンにむらができるので、これを防止するためである。
【0023】
次に本実施例の作動につき説明する。
遠距離放射する場合。
第1外筒10をノズル本体2の先端部2a側に摺動させ、図1に示す様に、第1外筒10の先端をノズル本体2の先端から遠距離M1離す。
【0024】
この状態において、消火用水に泡原泡を混入した泡水溶液AWを該ノズル1に圧送すると、該液AWはノズル本体の先端部2aに内蔵されているデフレクタ3に衝突して流れ方向を変えられ、ノズル本体2の先端部2a内面に案内されて第1外筒10の内面の直筒部10Sに衝突する。
【0025】
その後、この液AWは前記直筒部10Sに沿って直進し、中空円筒状の噴流となって放出されるとともに、途中で空気を抱き込んで発泡する。
【0026】
中距離放射する場合。
第1外筒10をノズル本体2の先端部2a側に摺動させ、図7に示す様に、第1外筒10の先端をノズル本体2の先端から中距離M2離す。
【0027】
この状態において、消火用水に泡原液を混入した泡水溶液AWを該ノズル1に圧送すると、該液AWはノズル本体の先端部2aに内蔵されているデフレクタ3に衝突して流れ方向を変えられ、ノズル本体2の先端部2a内面に案内されて第1外筒10の内面の直筒部10Sに衝突する。
【0028】
その後、該液AWは、前記直筒部10Sに沿って直進して、溝山部12に案内されながら円錐状の噴流になって放出されるとともに、地上に到着する前に空気を抱き込んで発泡する。
【0029】
近距離放射する場合。
第1外筒10をノズル本体2の先端部2a側に摺動させ、図8に示す様に、第1外筒10の先端をノズル本体2の先端から近距離M3離す。
【0030】
この状態において、消火用水に泡原液を混入した泡水溶液AWを該ノズル1に圧送すると、該液AWは、ノズル本体の先端部2aに内蔵されているデフレクタ3に衝突して、流れ方向を変えられ、ノズル本体2の先端部2aの内面に案内されて第1外筒10の円錐台状面10Tに衝突し、その流れ方向を変える。
【0031】
そして、該液AWは円錐台状面10Tの溝山部12及び溝谷部13に案内されながら、流路45を通り円環状の棒状デフレクタ40に衝突しその側面40N側及び内面40S側に分散されるとともに、その一部は、空気通路21からの空気ARにより発泡し、分散流路30を通って放出される。
この時、該液AWは流路45の内側及び外側に飛散するので、該外筒20の円錐台状面10Tの角度より大きい角度にわたって拡散される。
【0032】
図8における火災用ノズル1の発泡のメカニズムを図9により更に詳細に説明する。空気通路21から放出される空気流AR1は流路45を通る泡水溶液AWの噴流AW2の吸引作用により発生する。この噴流AW2が円環状の棒状デフレクタ40の側面40Nに衝突し、その噴流AW22が分散通路30より外方へ出る際、吸引された空気流AR1を抱き込み、第1発泡部F1にてAW22の一部が発泡する。
【0033】
ノズルの外側の空気流AR2は、噴流AW22の流れに引かれて生ずる。
噴流AW22は、噴流AW12等の強い前方向への流れにより多少前方へすぼまり放射拡散角(円錐の頂角)は小さくなる。
【0034】
噴流AW22は、該デフレクタ40の側面40Nで衝突した後なので、噴流AW2よりも放射水膜厚(散水厚)は厚くなっており、空気を抱き込み易くなり、地上に着く前に第2発泡域F2にて発泡する。
尚、散水膜が厚くなる理由は、噴流AW2が該デフレクタ40に衝突する際、該デフレクタ40の背後に生ずる負圧P2によって、噴流AW22の背面が少し引かれるためである。
【0035】
噴流AW2が前記内面40Sに衝突した後、該内面40Sに沿って前方へ方向を変えられ、水平方向の噴流AW21となる。この噴流AW21は、該液AWが溝山部12に沿って前方へ分流した噴流AW1の強い噴流AW12に衝突して第3発泡域F3にて発泡する。
【0036】
噴流AW12は第3発泡部F3にて衝突があったため、多少分散し発泡しやすい状態となり、第4発泡部F4にて空気を抱き込み発泡する。
【0037】
噴流AW11は、噴流AW1のうちの内側の弱い流れでデフレクタ3の背後に生じる負圧P1に引かれ散水中央部の第5発泡部F5あたりで噴流が希薄なため、空気をとらえて発泡、又は、地上等に落ちた際二次発泡する。
以上、第1実施例では、消火液噴流が中空円錐状の場合の棒状デフレクタを示したが、中空多角錐状の消火液噴流であってもよい。
その場合の棒状デフレクタは、その噴流断面に合わせた形状、たとえば中空四角錐状であれば、その噴流断面の外形に合わせた角環状の棒状デフレクタを用いればよい。
また、同実施例では、消火液噴流が中空円錐状など、噴流が中空の場合の棒状デフレクタを示したが、中央部も散水する(つまり中空ではなく全域散水する)中実円錐状など噴流が中実であってもよい。
この場合は、例えば中実円錐状の消火液噴流ならば、その噴流断面に合わせた形状、すなわち噴流断面の外形(円形)に合わせた形状つまり円環状の棒状デフレクタを用いればよい。
【0038】
この発明の第2実施例を図11から図15により説明する。
この実施例は、放水パターンが180゜の板状扇状に広がる消火用ノズル又は冷却用ノズルである。この扇形ノズル61は、水平路66を有するノズル本体70と、該ノズル本体70の後端部に形成された喉部62aと、該ノズル本体の先端部65に形成されたノズル口63と、該ノズル本体70に装着されたデフレクタ体62と、を備えている。
【0039】
ノズル口63は半円形状であり、水平路66に対し直交方向に開いている。デフレクタ体62は、長孔状の取付孔76を有する取付体73と、該取付体73と支持部74を介して連続する棒状デフレクタ75と、から構成されている。
この棒状デフレクタ75は、図15の一点鎖線で示す消火液噴流断面X1に合わせた形状、即ち、半円環状に形成され、その断面は、例えば、台形状に形成される。
【0040】
このデフレクタ体62は、ノズル本体70に装着された後、棒状デフレクタ75とノズル口63との位置合わせをし、取付孔76にビス77を挿入して固定する。この時、棒状デフレクタ75は、前記噴流断面X1に位置し、ノズル口63と対向している。なお、取付孔76は長孔なので位置調整が容易である。
【0041】
次に本実施例の作動につき説明する。火災用ノズル61に消火用水Wを供給すると、該水Wは、水平路66を通り頭部64に衝突して該水平路66に直交する方向に流れ方向を変えながらノズル口63を通り、180゜の扇形噴流W2になりながら放出される。
【0042】
その後、この噴流W1は、棒状デフレクタ75に衝突して該棒状デフレクタ75の両外側75aに分散されて噴霧流W2となり、ノズル61側にも散水される。
従って、このデフレクタ体62を用いると、それを用いない場合に比べ広角度で噴霧化することができる。
【0043】
この発明の第3実施例を図16〜図17により説明する。この実施例と第2実施例との主たる相違点は、放射パターンの拡散角度であり、この実施例ではその角度は30゜であり、輻射熱遮断のための水膜用ノズルなどに用いられる。
【0044】
扇形ノズル80は、末広がり状となっており、そのノズル口82は、中空四角錐台状に形成されている。このノズル80の先端部83にはデフレクタ体84が突設されている。
【0045】
このデフレクタ体84は、取付体85と、棒状デフレクタ86と、両者85、86を連結する末広がり状の支持部87と、から構成されている。このデフレクタ体84は、取付体85をノズル80の先端に嵌着し、ビス88止めされる。
【0046】
この棒状デフレクタ86は、ノズル口82に対向して設けられるが、該棒状デフレクタ86は消火液噴流断面X2に合わせた形状、即ち、図17に示す様に直線状に形成される。
この直線状のデフレクタ86の幅p1は消火液噴流断面X2の幅p2より狭く、又、その長さd1が該断面Xの長さd2より長く形成されているが、この形状は該断面X2とほぼ合同に形成しても良い。
【0047】
消火用水Wが扇形ノズル80に供給されると、該消火用水Wは、扇状噴流W1となって放出され、棒状デフレクタ86に衝突し該棒状デフレクタ86の両外側86aに分散されて噴霧流W2となり、ノズル80側にも散水される。従って、このデフレクタ体84を用いると、それを用いない場合に比べ広角度で噴霧化することができる。
【0048】
この発明の第4実施例を図18により説明するが、この実施例は、消火液噴流断面X3がV字状の場合であり、この場合には該断面X3に合った形状として、該断面X3と相似状のV字状の棒状デフレクタ90を形成する。このデフレクタ90の形状は該断面X3とほぼ合同でもよい。
【0049】
この発明の第5実施例を図19により説明するが、この実施例は消火液噴流断面X4が円弧状の場合であり、この場合には該断面X4に合った形状として、該断面X4と相似状の円弧状の棒状デフレクタ95を形成する。このデフレクタ95の形状は、該断面X4とほぼ合同でもよい。
【0050】
次に、着脱式デフレクタについての構成を上記実施例により説明する。
第1実施例において、着脱式デフレクタは、火災用ノズル1のノズル本体2と第1外筒10とで構成される本体の外側面へ、ボルト50によって着脱可能に取り付られている。
【0051】
取付体としての前記第2外筒20を前記第1外筒10にボルト50で固定した際に、前記棒状デフレクタ40が前記ノズル本体2のノズル口に対向し、かつ図10に示すように円環状の前記棒状デフレクタ40の全部が、前記ノズル口から放出される消火液の噴流断面X内に位置するようにする。
【0052】
しかし、前記棒状デフレクタ40の全部が噴流断面X内に位置するようにしないで、一部を噴流断面X内に位置するようにしてもよい。
すなわち前記取付体20を前記本体に着脱可能に取り付け固定した際に、前記棒状デフレクタ40が前記ノズル本体のノズル口に対向しかつ、円環状の前記棒状デフレクタ40の一部である主要部が前記ノズル口から放出される消火液の噴流断面X内に位置するようにしてもよい。
【0053】
この時、円環状の前記棒状デフレクタ40の前記主要部というのは、円環状の前記棒状デフレクタ40の例えば内側の大部分または外側の大部分のことをさす。
この構成により消火液の噴流は、前記棒状デフレクタ40によって流路45の内側及び外側の両側に飛散させられ、前記棒状デフレクタ40を用いない場合に比べ広角度で噴霧化や発泡ができるようになる。
【0054】
上記第2実施例では、着脱式デフレクタはデフレクタ体62として、扇形ノズル61のノズル本体70の外側面へ、ビス77により着脱可能に取り付けられている。前記取付体73を前記ノズル本体70にビス77で固定した際に、前記棒状デフレクタ75が前記ノズル本体70のノズル口63に対向し、かつ図15に示すように半円環状の前記棒状デフレクタ75の主要部が、前記ノズル口63から放出される消火液の噴流断面X1内に位置するようにする。
ここで、前記棒状デフレクタ75の前記主要部というのは、前記棒状デフレクタ75の両端を除いた部分で、消火液の噴流がかかる大部分のところをいう。
【0055】
上記第3実施例では、着脱式デフレクタはデフレクタ体84として、扇形ノズル80のノズル本体の外側面へ、ビス88により着脱可能に取り付けられている。
前記取付体85を前記ノズル本体にビス88で固定した際に、前記棒状デフレクタ86が前記ノズル本体のノズル口82に対向し、かつ図17に示すように直線状の前記棒状デフレクタ86の主要部が、前記ノズル口82から放出される消火液の噴流断面X2内に位置するようにする。
ここで、前記棒状デフレクタ86の前記主要部というのは、前記棒状デフレクタ86の両端を除いた部分で、消火液の噴流がかかる大部分のところをいう。
【0056】
以上のように、棒状デフレクタを着脱可能にしたので、例えば既存の火災用ノズルの消火液の散水域を通常より広げたい場合に、本体側へのビス加工などで簡単に広げることができる。
【0057】
以上棒状デフレクタの実施例では、その棒状の断面が四角形であったが、多角形や円形、半円形、扁平形等他のいかなる形でもよい。
また、棒状デフレクタの長さ方向に一様な断面形としていたが、長さ方向に凸凹や爪状のものがあったりいかなる形に形成されてもよい。
また棒状デフレクタは長さ方向に連続的であったが、不連続であってもよい。また、棒状デフレクタは単数の例しか示していなかったが、一つのノズルに複数の棒状デフレクタを取り付けるようにしてもよい。
【0058】
以上の棒状デフレクタの実施例では、ノズル本体への取り付け固定手段がねじ式であったが、弾性嵌め込み式やキーによるロック方式、接着剤等それらの組み合わせ等他のいかなる手段でもよい。
【0059】
以上の着脱式デフレクタの実施例では、第2実施例において着脱式デフレクタの消火液噴流断面X1との相対的な位置調整のために取付孔76を長孔としていたが、この相対的な位置調整のため、例えばノズルの本体の円柱状胴部の外周面におねじを、リング状取付体の内周面にめねじを形成し、本体に取付体を嵌め合わせ進退自在に螺合させて軸方向の位置調整をするようにしてもよい。
なお、この場合棒状デフレクタは、例えば円環状である。
【0060】
【発明の効果】
この発明は以上の様に構成したので、ノズルから放出された消火液噴流は、棒状デフレクタに衝突して分散される。そのため、広角度で良好に噴霧化することができる。又、可変ノズルの環状の棒状デフレクタを所定位置に設定し、該ノズルに泡水溶液を供給すると、90゜噴霧でも発泡させることができるので、効果的な消火を行うことができる。又、必要に応じて散水域を現場で変更できるので、複数のノズルを用意する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図2のI−I線断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の正面図である。
【図3】図4のIII−III線断面図である。
【図4】第1外筒の正面図である。
【図5】第2外筒の一部断面平面図である。
【図6】第2外筒の一部断面正面図である。
【図7】中距離噴射状態を示す縦断面図である。
【図8】近距離噴射状態を示す縦断面図である。
【図9】発泡メカニズムを示す説明図である。
【図10】消火液噴流断面と円環状の棒状デフレクタとの関係を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図12】棒状デフレクタを示す正面図である。
【図13】組み立てた状態を示す斜視図である。
【図14】使用状態を示す一部断面正面図である。
【図15】消火液噴流断面と半円環状の棒状デフレクタとの関係を示す図である。
【図16】本発明の第3実施例を示す斜視図である。
【図17】消火液噴流断面と直線状の棒状デフレクタとの関係を示す図である。
【図18】本発明の第4実施例を示す図で、消火液噴流断面とV字状の棒状デフレクタとの関係を示す図である。
【図19】本発明の第5実施例を示す図で、消火液噴流断面と円弧状の棒状デフレクタとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 火災用ノズル
10 第1外筒
20 第2外筒
21 空気通路
30 分散流路
40 円環状の棒状デフレクタ
61 扇形ノズル
75 棒状デフレクタ
80 扇形ノズル
86 棒状デフレクタ
90 棒状デフレクタ
95 棒状デフレクタ
Claims (2)
- 中空円錐状の泡水溶液液噴流を放出するノズル本体(2)と、該ノズル本体(2)の先端部の内側に同心状に配設した円板状のデフレクタ(3)と、該ノズル本体(2)に摺動自在に嵌着され、前記泡水溶液噴流の流方向を変える第1外筒 ( 10 ) であって、その先端部の内面は出口方向に広がる円錐台状面 ( 10T ) であり、その内面には溝山部(12)と溝谷部 ( 13 ) とが円周方向に順次形成されている第1外筒(10)と、該第1外筒 ( 10 ) と第2外筒 ( 20 ) との間に該ノズル本体(2)の先端部に開口する空気通路 ( 21 ) を形成するように該第1外筒(10)に嵌着固定された第2外筒(20)と、該第2外筒(20)の先端に突設された棒状デフレクタ(40)と、該第2外筒 ( 20 ) の先端部の円周方向に設けられ、前記第1外筒の流路(45)に連通する分散流路(30)と、を備え、
遠距離放射、該遠距離放射より放射距離の短い中距離放射、又は、該中距離放射より放射距離の短い近距離放射、が可能な可変噴霧泡ノズルであって;
該棒状デフレクタ(40)が、円環状の消火液噴流断面(X)に対応する円環形状に形成され、
前記近距離放射の際に、前記泡水溶液噴流(AW2)は、前記第1外筒 ( 10 ) の円錐台状面 ( 10T ) に案内されながら前記流路 ( 45 ) を通って前記円環状の棒状デフレクタ840 ) の側面(40N)に衝突してその側面(40N)側及び内面(40S)側に分散し、
前記側面 (40 N ) 側に分散した噴流(AW22)が前記分散流路(30)より外方へ出る際、前記空気通路 ( 21 ) から吸引された空気流(AR1)を抱き込んで発砲し、
前記内面 (40 S ) 側に分散した泡水溶液噴流(A21)は該内面(40S)に沿って前方に方向を変えられて水平方向の噴流(AW 21 )となり、前記泡水溶液(AW)が溝山部(12)に沿って前方に分流した強い噴流(AW12)と衝突して発砲することを特徴とする可変噴霧泡ノズル。 - 前記分散流路が、円周方向に複数個設けられていることを特徴とする請求項1記載の可変噴霧泡ノズル。
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