JP3851816B2 - ふるい金網及びふるい分け装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ふるい金網、ふるい分け装置、及びふるい分け装置に用いる交換用金網ユニットに関する。とくに、医薬、食品工業における粉・粒体の分級に好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来から粉粒体の分級、分離、異物除去などのために製造業をはじめとする各分野で多数のふるい金網が利用されている。これらの分野では、耐久性を向上し劣化、摩耗や腐食を避けるため、ふるいに使用するふるい金網にSUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼線を使用することが多い。しかし、他の素材に較べて安定性の高いステンレス鋼線を用いたふるい金網であっても、ふるい金網に使用する線材の径は比較的小さく、連続の繰り返し振動を受けるふるい分け装置などにおいては、ときとして破損し、その破損片が製品中に混入し種々の問題を引き起こすことがある。とくに製品が薬品や食品であるとその及ぼす影響は甚大である。
【0003】
そこで、前記した様なトラブルが発生するのを防止するため、ふるい分け装置に磁性を有するステンレス鋼線材を用いたふるい金網を取り付け、ふるい分け装置の下流工程に磁選機を設けて、万一ふるい金網が破損してもその破損片を製品から選別、除去する方法が採用されている。磁性のあるステンレス金網としてフェライト系ステンレス鋼のSUS430が多く用いられ、また、最近はオーステナイト・フェライト2相系ステンレス鋼の使用も提案されている(特開平10−130788号公報に記載)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、前記の磁性を有するステンレス鋼を用いることによって、ふるい金網に磁性を付与し破損片を除去することはできる。しかし、従来から使用している磁性ステンレス鋼線材は、伸度が小さく、製織した金網に網目のばらつきがあって高い目開き精度を得にくいこと、耐応力腐食割れ性が不十分であること、繰り返し振動に対して疲労破壊しやすく寿命の短いこと、透磁性などに何らかの問題があり、さらなる向上が望まれていた。本発明は、金網の目開き精度、耐応力腐食割れ性、耐疲労特性、透磁性、経済性などにバランスよく優れた、ふるい金網を課題に研究と実用試験を行った結果、完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決する手段として、C≦0.02重量%、19重量%≦Cr≦21重量%を含む高耐食性フェライト系ステンレス鋼線材を使用して製織したことを特徴とするふるい金網を提供する。好ましい実施態様としては、C≦0.02重量%、Si≦1重量%、Mn≦1重量%、P≦0.04重量%、S≦0.006重量%、Ni≦0.7重量%、19重量%≦Cr≦21重量%、Mo≦0.5重量%、Cu≦0.7重量%、10(C+N)重量%≦Nb≦0.8重量%、N≦0.03重量%、Fe=残量からなる高耐食性フェライト系ステンレス鋼線材を使用して製織したことを特徴とするふるい金網をあげることができる。本発明は、前記のふるい金網において、製織に使用する線材の直径が2mmを超えないふるい金網に対してとくに効果的である。
【0006】
そして本発明は、前記したいずれかのふるい金網を用いたふるい分け装置を提供する。さらに本発明は、ふるい分け装置に用いる交換用のふるい金網ユニットであって、前記したいずれかのふるい金網を切断し、周辺の所要部分を固定部材によって固定し、一定の形状に形成されていることを特徴とする、交換用金網ユニットを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の効果を評価するのに準拠した試験方法について説明する。比較用のサンプルを含めた測定サンプルにはふるい金網そのものを用いた。一般に金網は、線材に塑性変形を加えて製作されているので、金属組織などが母材の線材等とは同じでなく、化学的、機械的に特性が異なる可能性があるためである。とくに径の小さな線材では、その傾向が大きい。金網の目開き精度は、JIS Z8801「試験用ふるい」に記載の「目開き検査方法」に、耐応力腐食割れは、JIS G0576「ステンレス鋼の42%塩化マグネシウム腐食試験方法」に準拠して実施した。また、耐疲労特性は金網を90度に折曲げ、伸ばす屈曲伸展試験により行った。さらに金網をふるいに取り付けて振動試験を行った。透磁率は磁気天秤を用いて測定した。
【0008】
本発明に係るふるい金網は、実用的に可能な限り炭素含有量を制限して0.02重量%以下とし、19重量%≦Cr≦21重量%を含ませた高耐食性フェライト系ステンレス鋼線材を使用し製織して製造する。好ましくは、C≦0.02重量%、Si≦1重量%、Mn≦1重量%、P≦0.04重量%、S≦0.006重量%、Ni≦0.7重量%、19重量%≦Cr≦21重量%、Mo≦0.5重量%、Cu≦0.7重量%、10(C+N)重量%≦Nb≦0.8重量%、N≦0.03重量%、Fe=残量からなる高耐食性のフェライト系ステンレス鋼を母材として線材を製造し、得られた線材を使用して公知の手段により製織することができる。
【0009】
前記の高耐食性フェライト系ステンレス鋼は、いずれも従来からふるい金網に用いられていたSUS430やオーステナイト・フェライト2相系ステンレス鋼と較べると、含有炭素量が少なく、延性・加工性に優れているのでSUS430等からの線材製造及び製織に比較して線材の製造やその製織は容易であり、特別の困難性はない。また、前記高耐食性フェライト系ステンレス鋼は、いずれも伸びが少なくとも20%のものを好ましく用いることができる。なお、前記した成分以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で微量の不純成分が混入し、あるいは添加することがある。
【0010】
この様にして製造するふるい金網は、従来使用されていたステンレス鋼線に較べて伸びが大きい線材を使用するので製織が容易になるばかりではなく、形成された網目寸法のばらつきが小さく高い目開き精度を達成することができる。従って、本発明ふるい金網を用いたふるいは、本来の目的である分級精度が向上し製品.品質の安定および高度化に寄与する。
【0011】
また、ふるい金網は、使用される装置や条件等によって寿命に長短の差があるものの、その破損原因を長年の記録から調査したところ、主たる原因が摩耗、応力腐食割れおよび疲労破壊にあることが判った。摩耗に対してはその進行状況を外部から確認しやすいが、応力腐食や疲労破壊は予測が困難であってしかも破損時に製品に及ぼす影響が大きい。本発明のふるい金網は、耐腐食性、とくに耐応力腐食割れ性が大きく破損までの寿命が長いので、製品ロス、異物混入などの問題を大きく減少させることができる。これらの効果は、線径が小さく高メッシュ数のふるい金網において大きくなり、とくに線径が2mm以下の場合、顕著にあらわれる。
【0012】
本発明のふるい金網は、ふるい分け装置の交換用金網ユニットとして、あらかじめ、所定の形状に切断し、しかるべき固定部材により所要の周辺を囲んで固定し、一定の形状に形成しておくと、ふるい分け装置に取付け易く交換作業を迅速に、また取引を効率的に実施することができる。さらに、前記のふるい金網を取り付けたふるい分け装置は、分級精度が高いので製品の品質を向上し、ふるい分けを有利に機能させることができる。
【0013】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、本発明ふるい金網を製作して評価テストを行った。同様にして従来のふるい金網についても評価したので、その結果と比較して説明する。評価・測定の手段は前記したのと同じである。
【0014】
まず、表2に記載した組成の本発明ふるい金網に係る組成の母材から径が0.25mmの線材を製造し、この線材を用いて平織り、40メッシュのふるい金網を製作し、目開き精度、応力腐食割れ、耐疲労特性、透磁率を測定した。さらに、オーステナイト・フェライト系2相鋼、SUS430及びSUS304製のふるい金網についても同様の測定・評価を行ったのでその結果を表1に示した。また、目開き分布の測定結果を図1に示した。
【0015】
上記の結果から、本発明ふるい金網は、従来のふるい金網と較べて網目が揃い、目開き分布が狭く目開き精度の高いことが判る。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】
前記の実施例において確認されたように、本発明に係るふるい金網は、目開き精度が格段に向上し、粉粒体を極めてシャープにふるい分け、異物を分離して高品質で安定した製品を取得することができる。また、ふるい金網の耐疲労特性、耐応力腐食割れ性が改善されてふるい分け装置におけるふるい金網の交換頻度が減少して異物の混入可能性が減少し、かつ、ふるい分け装置の長期連続操業による生産効率の向上をはかることができる。そして、高磁性であって破損金網は確実に除去され安全度の高い製品を需用者に供給できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 目開き分布の測定結果
Claims (5)
- C≦0.02重量%、19重量%≦Cr≦21重量%を含む高耐食性フェライト系ステンレス鋼線材を使用して製織したことを特徴とするふるい金網。
- C≦0.02重量%、Si≦1重量%、Mn≦1重量%、P≦0.04重量%、S≦0.006重量%、Ni≦0.7重量%、19重量%≦Cr≦21重量%、Mo≦0.5重量%、Cu≦0.7重量%、10(C+N)重量%≦Nb≦0.8重量%、N≦0.03重量%、Fe=残量からなる高耐食性フェライト系ステンレス鋼線材を使用して製織したことを特徴とするふるい金網。
- 製織に使用する前記線材の直径が2mmを超えないことを特徴とする請求項1または2に記載のふるい金網。
- 請求項1、2または3に記載のふるい金網を用いたふるい分け装置。
- ふるい分け装置に用いる交換用のふるい金網ユニットであって、請求項1、2または3に記載のふるい金網を切断し、周辺の所要部分を固定部材によって固定し、一定の形状に形成されていることを特徴とする、交換用金網ユニット。
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JP2001399988A JP3851816B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | ふるい金網及びふるい分け装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2001
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