JP3851551B2 - 送信装置及び受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は送信装置及び受信装置に関し、特に送信信号を多値数の異なる複数の変調方式によりディジタル変調して送信する通信システムに用いられる送信装置及び受信装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信方式において複数の変調方式が共存するシステムとして、例えば、電子情報通信学会信学技報RCS94−66(1994−09)に記載されている技術が知られている。これは一般に適応変調方式と呼ばれ、伝搬路の状態などに応じてデータシンボルの変調方式を例えばQPSK変調、16QAM、64QAM又は256QAMで切り換える方式である。
【0003】
この種の無線通信システムでは、送受信装置が相手側から受信した信号のSIR(Signal to Interference Ratio)等に基づいて現在の伝搬路状態を判断し、その状態に応じて変調方式を切り換える。
【0004】
実際上、伝搬路状態が良い場合には、情報シンボルに対して例えば256QAMや64QAMのように1シンボル当たりの情報伝達量の多い多値変調方式を用いてディジタル変調する。これに対して伝搬路の状態が悪い場合には、情報シンボルに対して例えば16QAMやQPSK変調方式のように1シンボル当たりの情報伝達量の少ない変調方式を用いてディジタル変調する。
【0005】
図7に具体的な送信フレーム構成例を示す。図7のフレーム構成は、先頭から順次、プリアンブル、データシンボル、パイロットシンボル、データシンボル、パイロットシンボル、ユニークワード、データシンボル、パイロットシンボル、データシンボルが配置され、このうちプリアンブル、パイロットシンボル、ユニークワードは受信装置においてデータシンボルを検波する際に用いられる。データシンボルとしては、上述したように伝搬路状態に応じてQPSK変調、16QAM、64QAM、256QAMのいずれかの変調方式により変調されたシンボルが送信されることになる。
【0006】
また無線通信では、使用可能な周波数帯域幅が規定されており、この規定帯域幅内に各チャネルの信号を収めて送信することが義務づけられている。このため送信装置では、帯域制限フィルタを設け、変調後の信号を所定帯域幅内に収めてから送信するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した適応変調方式を適用した場合、伝搬路の状態が良く64QAM方式や256QAM方式を用いることができるときには1シンボル当たりの情報量が大きいので実質的なデータ伝送速度を高くすることができるが、伝搬路の状態が悪くQPSK変調方式や16QAM方式を使わざるを得ないときには1シンボル当たりの情報量が小さいので実質的なデータ伝送速度は低くなってしまう。
【0008】
これを解決する一つの方法として、QPSK変調方式や16QAM方式のように変調多値数の少ない変調方式により変調されたシンボルのシンボル伝送速度を、256QAM方式や64QAM方式のように変調多値数の多い変調方式により変調されたシンボル伝送速度よりも早くすることにより、変調多値数の少ない変調方式により変調された信号の実質的なデータ伝送速度を上げることが考えられる。
【0009】
しかしながら、上述したように無線通信では各信号の周波数占有帯域幅が規定されているので、無闇に変調シンボルのシンボルレートを上げてしまうと、送信信号が規定された周波数占有帯域幅に収まらなくなる不都合がある。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、送信データを変調多値数の異なる複数の変調方式を用いて変調して送信する場合に、簡易な構成により、変調信号を規定の周波数占有帯域幅内に収めた状態で、シンボル伝送速度を向上させることができる送信装置及び受信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明の送信装置は、送信データをそれぞれ変調多値数の異なる複数の変調方式により変調する複数の変調手段と、各変調手段に対応して設けられていると共に各変調方式に対応して選定されたロールオフ係数を有し、各変調手段により変調された変調信号を所定の周波数帯域幅内に収める複数のナイキストフィルタと、フィルタ処理後の信号を送信する送信手段とを具備する構成を採る。
【0012】
この構成によれば、ロールオフ係数を変えれば、それに応じて変調シンボルのシンボル時間を変えることができるので、変調シンボルを規定の周波数帯域幅に収めた状態で、変調シンボルのシンボル伝送速度を変えることができる。この結果、ロールオフ係数を変えるだけで、容易に各変調シンボルの伝送速度を所望の値に選定することができる。
【0013】
また本発明の送信装置は、ナイキストフィルタは、変調多値数の小さい変調手段に対応するフィルタほどロールオフ係数が小さい値に選定されている構成を採る。
【0014】
この構成によれば、ロールオフ係数が小さいほどシンボル伝送速度を速くできることを考慮して、QPSK変調方式や16QAM方式のように変調後の1シンボルの情報伝達量が少ない変調方式に対応するナイキストフィルタのロールオフ係数ほど小さい値に選定しているので、QPSK変調方式や16QAM方式の実質的なシンボル伝送速度を64QAM方式や256QAM方式のシンボル伝送速度より速くすることができる。またこのとき変調多値数の小さい変調信号はロールオフ係数を小さくしても同期ずれが存在する環境において搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率の増加は小さいので、シンボル伝送速度の高速化とビット誤り率の抑制を両立させることができる。
【0015】
また本発明の送信装置は、ロールオフ係数を伝搬路環境に応じて補正するようにした構成を採る。
【0016】
この構成によれば、シンボル伝送速度の高速化と同期ずれが存在する環境におけるビット誤り率の増加の抑制とを両立させることができる。
【0017】
また本発明の送信装置は、通信相手との間の伝搬路の状態を検出する伝搬状態検出手段を、さらに具備し、この伝搬状態検出手段により検出された伝搬路状態が良いほど変調多値数の多い変調手段により得た変調信号を送信する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、伝搬路状態が良いときには例えば256QAM方式や64QAM方式のように変調多値数の多い変調方式により変調された変調信号が送信されるので高速データ伝送が可能となる。また伝搬路状態が悪いときには例えばQPSK変調方式や16QAM方式のように変調多値数の少ない変調方式により変調された変調信号が送信されるが、このときロールオフ係数を適宜選択することにより1シンボル時間を短くし、シンボル伝送速度を上げることができるので、実質的なデータ伝送速度を上げることができる。この結果、伝搬路状態が悪い場合同期ずれが存在する環境において伝送ビット誤りを増加させずに、実質的なデータ伝送速度を向上させることができるので、装置全体として、データの品質維持と伝送速度の高速化を両立させることができる送信装置を実現できる。
【0019】
また本発明の受信装置は、送信データをそれぞれ変調多値数の異なる複数の変調方式により変調する複数の変調手段と、各変調手段に対応して設けられていると共に各変調方式に対応して選定されたロールオフ係数を有し、各変調手段により変調された変調信号を所定の周波数帯域幅内に収める複数のナイキストフィルタと、フィルタ処理後の信号を送信する送信手段とを有する送信装置により送信された信号を受信して復調する受信装置であって、送信信号を受信する受信手段と、送信装置に設けられた複数のナイキストフィルタと同様のフィルタ特性を有する複数のナイキストフィルタと、この複数のナイキストフィルタによるフィルタ処理後の信号に対してそれぞれ送信装置に設けられた複数の変調手段に対応する復調処理を施す複数の復調手段とを具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、ナイキストフィルタが送信装置のナイキストフィルタと同様のフィルタ処理を施すので、各復調手段に対応した周波数帯域の変調信号のみがナイキストフィルタを通過して対応する復調手段に入力されるので、復調手段では、目的とする変調信号のみを良好に復元することができるようになる。
【0021】
さらに本発明の送信方法は、送信データをそれぞれ変調多値数の異なる複数の変調方式により変調し、変調後の信号の周波数帯域を変調多値数に応じたロールオフ係数を有するナイキストフィルタにより所定幅内に制限し、帯域制限後の変調信号を送信する。
【0022】
この方法によれば、ロールオフ係数を変えれば、それに応じて変調シンボルのシンボル時間を変えることができるので、変調シンボルを規定の周波数帯域幅に収めた状態で、変調シンボルのシンボル伝送速度を変えることができる。この結果、ロールオフ係数を変えるだけで、容易に各変調シンボルの伝送速度を所望の値に選定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、ナイキストフィルタのロールオフ係数を適宜選定することにより、変調処理後のシンボルの周波数帯域幅を変えずにシンボル伝送速度を所望の値に選定したことである。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1において、100は全体として本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は送信データD1をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式マッピング部101、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式マッピング部102及び64QAM方式マッピング部103に入力する。
【0026】
QPSK変調方式マッピング部101は送信データD1に対してQPSK変調処理を施し、これにより得たQPSK変調方式直交ベースバンド信号の同相成分及び直交成分をQPSK変調方式用ルートナイキストフィルタ104に送出する。16QAM方式マッピング102部は送信データD1に対して16QAM処理を施し、これにより得た16QAM方式直交ベースバンド信号の同相成分及び直交成分を16QAM方式用ルートナイキストフィルタ105に送出する。64QAM方式マッピング部103は送信データD1に対して64QAM処理を施し、これにより得た64QAM方式直交ベースバンド信号の同相成分及び直交成分を16QAM方式用ルートナイキストフィルタ106に送出する。
【0027】
またQPSK変調方式用ルートナイキストフィルタ104、16QAM方式用ルートナイキストフィルタ105及び64QAM方式用ルートナイキストフィルタ106には、各ルートナイキストフィルタ104〜106のロールオフ係数を決めるための制御信号S1が入力される。
【0028】
この実施の形態の場合、各変調方式により変調した信号に対して、図2に示すような異なる周波数帯域を割り当てるものとする。すなわち図2は、実施の形態のチャネル配置を示しており、横軸が周波数、縦軸がパワーである。このとき周波数チャネル間隔(周波数帯域幅)はfw以内であると決められているものとする。
【0029】
そしてチャネルAとしてQPSK変調方式で変調した信号を割り当て、チャネルBとして16QAM方式で変調した信号を割り当て、チャネルCとして64QAM方式で変調した信号を割り当てる。
【0030】
ここで実施の形態における周波数占有帯域、シンボル伝送速度及びルートナイキストフィルタのロールオフ係数について説明する。ルートナイキストフィルタは、角周波数をω、ロールオフ係数をα、ナイキスト角周波数をω0、ルートナイキストフィルタの振幅特性をH(ω)としたとき、次式で表されるフィルタである。
【0031】
【数1】
Figure 0003851551
【0032】
チャネルA、B、Cのシンボル間隔をそれぞれTa、Tb、Tcとすると、チャネルA、B、Cのシンボル伝送速度はそれぞれ1/Ta、1/Tb、1/Tcとなる。ここでチャネルAはロールオフ係数αaであるルートナイキストフィルタ(すなわちQPSK変調方式用ルートナイキストフィルタ104)、チャネルBはロールオフ係数αbであるルートナイキストフィルタ(すなわち16QAM方式用ルートナイキストフィルタ105)、チャネルCはロールオフ係数αcであるルートナイキストフィルタ(すなわち64QAM方式用ルートナイキストフィルタ106)で帯域制限する。
【0033】
この結果、チャネルAの周波数周波数占有帯域幅faは、fa=(1.0+αa)/Ta、チャネルBの周波数周波数占有帯域幅fbは、fb=(1.0+αb)/Tb、チャネルCの周波数周波数占有帯域幅fcは、fc=(1.0+αc)/Tcとなる。
【0034】
ここで従来の無線通信システムでは、例えば変調方式がQPSK変調方式、16QAM方式、64QAM方式いずれにおいても、シンボルレートをTxと一定とし、ロールオフ係数を0.5としたときには、周波数占有帯域幅fxは、fx=(1.0+0.5)/Txとなり、fxを周波数チャネル間隔fw以内に収めるようになっている。
【0035】
これに対して実施の形態では、各チャネルの信号を周波数占有帯域幅fxに収めつつも、各チャネルでのシンボル伝送速度を変えることを考える。このため実施の形態では、ルートナイキストフィルタ104〜106のロールオフ係数を適宜選定する。
【0036】
具体的には、チャネルCのシンボル伝送速度TcをTc=Txとすると共にロールオフ係数αc=0.5とする。このときチャネルCの周波数占有帯域幅はfc=fxとなる。そして、チャネルBのロールオフ係数αb=0.4のとき、チャネルBの周波数占有帯域幅fb=fxとすると、チャネルBのシンボル伝送速度1/Tb>1/Txとなる。またチャネルAのロールオフ係数αa=0.2のとき、チャネルAの周波数占有帯域幅fa=fxとすると、チャネルAのシンボル伝送速度1/Ta>1/Tb>1/Tc=Txとなる。
【0037】
このように実施の形態のルートナイキストフィルタ104〜106のロールオフ係数は、変調多値数の小さい変調方式に対応するルートナイキストフィルタほど小さな値のロールオフ係数を選定することにより、1シンボル当たりの伝送情報量の小さい変調方式のシンボル伝送速度を上げるようになされている。
【0038】
この結果、従来のようにQPSK変調方式、16QAM方式、64QAM方式いずれにおいても、シンボルレートをTxと一定とし、ロールオフ係数を例えば0.5で一定とし、周波数占有帯域幅fxを周波数チャネル間隔fw以内に収めた無線通信システムと比較し、周波数占有帯域幅fxを周波数チャネル間隔fw以内の条件で、変調方式によりロールオフ係数を変えることで、QPSK変調方式、16QAM方式のシンボル伝送速度を高速にすることができる。
【0039】
実際上、各ルートナイキストフィルタ104〜106には、伝搬路の状態を表す制御信号S1が入力され、ロールオフ係数を制御信号S1に応じてある程度補正するようになっている。これによりロールオフ係数を変調方式に応じて変えた場合でも、信号劣化を抑制できるようになっている。
【0040】
例えば伝搬路状態が悪くQPSK変調方式により変調された変調信号が送信信号として選択された場合、伝搬路状態が程々に悪いときには問題ないが、非常に悪いときにはロールオフ係数があまりに低いとQPSK変調信号にシンボル間干渉が生じてしまい信号が劣化するおそれがある。これを考慮して、この実施の形態では、予め変調方式毎に設定されたロールオフ係数を伝搬路の状態に応じてある程度補正するようになっている。
【0041】
各ルートナイキストフィルタ104〜106から出力された同相成分信号及び直交成分信号は、それぞれ同相成分切り換え部107及び直交成分切り換え部108に送出される。また同相成分切り換え部107及び直交成分切り換え部108には、伝搬路状態を表す制御信号S1が入力される。同相成分切り換え部107及び直交成分切り換え部108は制御信号S1に応じた信号を選択して出力する。
【0042】
具体的には、伝搬路状態が良いことを示す制御信号S1が入力された場合には、64QAM方式用ナイキストフィルタ106から入力された信号を選択出力し、これに対して伝搬路状態が悪いことを示す制御信号S1が入力された場合には、QPSK変調方式用ナイキストフィルタ104から入力された信号を選択出力する。
【0043】
無線部109は同相成分切り換え部107及び直交成分切り換え部108により選択された変調信号の同相成分及び直交成分を入力すると共に制御信号S1を入力する。これにより無線部109は制御信号S1に応じた中心周波数fα、fβ又はfγの搬送波を生成し、生成した搬送波に入力された変調信号を重畳するようになっている。
【0044】
すなわちこの実施の形態では、図2に示すように、チャネル毎に異なる中心周波数数fα、fβ又はfγの搬送波にそれぞれ対応した変調信号を重畳するようになされているため、制御信号S1により選択された変調信号に対応した搬送波を無線部109で生成し、その搬送波に選択された変調信号を重畳するようになっている。無線処理後の送信信号は増幅器110により増幅された後アンテナ111を介して送信される。
【0045】
図3に、送信装置100により送信された信号を受信復調する受信装置200の構成を示す。受信装置200はアンテナ201で受信した信号を無線部202を介してQPSK変調方式用ルートナイキストフィルタ203、16QAM方式用ルートナイキストフィルタ204及び64QAM方式用ルートナイキストフィルタ205に送出する。
【0046】
各ルートナイキストフィルタ203〜205は、送信装置100に設けられた各ルートナイキストフィルタ104〜106と同様の構成でなる。これにより、例えば受信信号が図2に示すチャネルAの周波数帯域内に収められたQPSK変調信号であった場合には、QPSK変調方式用ルートナイキストフィルタ203からのみ出力が得られる。また受信信号が図2に示すチャネルBの周波数帯域内に収められた16QAM信号であった場合には、16QAM方式用ルートナイキストフィルタ204からのみ出力が得られる。さらに受信信号が図2に示すチャネルCの周波数帯域内に収められた64QAM信号であった場合には、64QAM方式用ルートナイキストフィルタ205からのみ出力が得られる。
【0047】
各ルートナイキストフィルタ203〜205の出力は対応する検波部206〜208に送出され、当該検波部206〜208によりユニークワードを用いた検波処理が施されることにより、最終的な受信信号が得られる。
【0048】
ここで変調方式及びロールオフ係数の関係について説明する。図4に、横軸時間、縦軸振幅で、16QAMの直交ベースバンド信号の同相成分又は直交成分をシンボル間隔t1周期ごとに切り出したときの波形(アイパターン)を示す。
【0049】
図4(A)はロールオフ係数0.2のときのアイパターン、図4(B)はロールオフ係数0.5のときのアイパターンを示している。例えば図3の受信装置200の16QAM方式検波部207においてシンボル同期が理想的に行われている場合には、データシンボルは、図4の時点t2、t3のようにシンボル同期がとれているときの打ち抜きポイントで検波される。
【0050】
しかし、実際には、時点t4、t5のようにシンボル同期に時間的オフセットが生じた状態で打ち抜かれ検波されることになる。このとき、図4からわかるように、ロールオフ係数が小さいほど、シンボル同期の時間的オフセットによる打ち抜き誤差が大きい。この結果、受信装置200の搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率特性の劣化をまねくことになる。
【0051】
一方、シンボル同期の時間的オフセットに起因する打ち抜き誤差による受信装置200の搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率特性の劣化への影響は、変調方式の変調多値数が大きくなるほど大きい。
【0052】
以上の2点を考慮すると、変調多値数が小さいときは、ロールオフ係数を小さくしても、シンボル同期の時間的オフセットによる打ち抜き誤差による受信装置200の搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率特性の劣化への影響が小さいといえる。従って、QPSK変調方式のように変調多値数の少ない変調方式により変調した信号に対してはロールオフ係数を小さくすることが可能である。これにより、信号を劣化させずにシンボル伝送速度を高速化することができる。
【0053】
そして、変調多値数が大きいときは、シンボル同期の時間的オフセットに起因する打ち抜き誤差による受信装置の搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率特性の劣化への影響が大きいため、ロールオフ係数を大きくしなければならず、シンボル伝送速度は変調多値数が小さいときと比較し低速となる。
【0054】
このようにこの実施の形態では、変調方式の多値数が大きいほど、ロールオフ係数を大きくすることにより、受信装置200の搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率特性を向上させるようになされている。またロールオフ係数により、シンボル伝送速度を変えることで、シンボル伝送効率の向上が可能である。
【0055】
かくして、変調方式の多値数が小さいほど、ロールオフ係数を小さくすることにより、シンボル伝送効率の向上と、受信装置200の搬送波電力対雑音電力比におけるビット誤り率特性の向上を両立する送信装置100を得ることができる。
【0056】
以上の構成によれば、各変調方式に対応して選定されたロールオフ係数を有し、変調信号を所定の周波数帯域幅内に収める複数のナイキストフィルタ104〜106を設けたことにより、ロールオフ係数を変えれば、それに応じて変調シンボルのシンボル時間を変えることができるので、変調シンボルを規定の周波数帯域幅に収めた状態で、変調シンボルのシンボル伝送速度を変えることができる。この結果、ロールオフ係数を変えるだけで、容易に各変調シンボルの伝送速度を所望の値に選定することができる。
【0057】
また変調多値数の小さい変調信号に対応するナイキストフィルタほどロールオフ係数を小さくしたことにより、シンボル伝送速度の高速化とビット誤り率の抑制を両立させることができる。
【0058】
さらに伝搬路環境に応じてロールオフ係数を補正するようにしたことにより、変調方式に応じてロールオフ係数を変えてシンボル伝送速度を高速化したときのビット誤り率の低下を一段と抑制できる。
【0059】
(実施の形態2)
この実施の形態では、図5に示すように、複数の変調信号を伝搬路環境に応じて適応的に切り換えて、中心周波数がfδの同一周波数帯域のキャリアで送信された信号を受信する受信装置について説明する。具体的には、図5(A)はQPSK変調信号が重畳された送信信号を表し、図5(B)は16QAM変調信号が重畳された送信信号を表し、図5(C)は64QAM変調信号が重畳された送信信号を表す。そいて図からも明らかなように、各送信信号は、中心周波数fδを中心としたチャネル間隔(周波数帯域幅)fwをもっている。
【0060】
これらの送信信号は、実施の形態1について上述した送信装置100(図1)における無線部109により生成する搬送波が異なることを除いて、送信装置100とほぼ同様の構成でなる送信装置(図示せず)から送信されたものである。
【0061】
図6に、この実施の形態の受信装置300の構成を示す。図3との対応部分に同一符号を付して示す図6において、受信装置300は無線部202から出力された受信直交ベースバンド信号を、各ナイキストフィルタ303〜305に送出すると共に、変調方式識別・電波伝搬環境推定部301に送出する。
【0062】
変調方式識別・電波伝搬環境推定部301は、例えば受信直交ベースバンド信号のシンボルレートに基づいて受信信号の変調方式を識別すると共に、受信直交ベースバンド信号に含まれるパイロットシンボルに基づいて電波伝搬環境を推定する。そして変調方式識別信号S2をディジタル信号選択部302に送出する。また電波伝搬環境推定信号S3を図示しない送信部を介して通信相手に送信する。例えば図1の送信装置100はこの電波伝搬環境推定信号S3を図示しない受信部により受信し、制御信号S1として用いる。
【0063】
受信装置300の各ルートナイキストフィルタ303〜305からはそれぞれ受信信号がどの変調方式により変調された信号であるかに拘わらず出力信号が得られる。これは図5について説明したように、どの変調方式により得られた信号も同一の周波数帯域のサブキャリアに重畳されて送信されるためであり、かつ各ルートナイキストフィルタ303〜305の通過周波数帯域がどれも同じに選定されているからである。各ルートナイキストフィルタ303〜305からの出力信号は対応する検波部206〜208に送出される。
【0064】
検波部206〜208は各ルートナイキストフィルタ303〜305の出力信号をユニークワードを用いて検波することにより検波後の受信信号を得、これをディジタル信号選択部302に送出する。ディジタル信号選択部302は、変調方式識別信号S2に対応する検波部206、207又は208から入力された検波後の信号を選択して出力する。
【0065】
このようにこの実施の形態の受信装置300では、同一周波数帯域で送られてくる複数変調方式の受信信号から、実際に送られてきた変調信号の変調方式に対応したルートナイキストフィルタ処理及び検波処理を施した信号のみを的確に選択することができる。
【0066】
(他の実施の形態)
なお上述の実施の形態では、チャネルA、チャネルB、チャネルCのそれぞれの周波数占有帯域幅fa、fb、fcが、fa=fb=fc=fx≦fw(周波数チャネル間隔)の条件のもとで説明したが、本発明はこれに限らず、ロールオフ係数αa≠αb≠αcとすることで、シンボル伝送速度Ta≠Tb≠Tcとし、fa≠fb≠fc≦fwの条件が成立すればよい。要は、ナイキストフィルタのロールオフ係数を変調方式に応じて適宜選定することで、変調後のシンボルのシンボル伝送速度を規定された周波数帯域幅内で変えるようにすればよい。
【0067】
また上述の実施の形態では、変調方式をQPSK変調方式、16QAM方式、64QAM方式の3方式を例に挙げて説明したが、本発明が適用し得る変調方式はこれに限らない。また送信装置100及び受信装置200、300の構成も、図1、図3及び図6に限ったものではなく、適宜変更できる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ナイキストフィルタのロールオフ係数を適宜選定することで変調処理後のシンボルの周波数帯域幅を変えずにシンボル伝送速度を所望の値に選定したことにより、送信データを変調多値数の異なる複数の変調方式を用いて変調して送信する場合に、簡易な構成により、変調信号を規定の周波数占有帯域幅内に収めた状態で、シンボル伝送速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1の各変調信号のチャネル割り当て及び周波数帯域(チャネル間隔)を示す図
【図3】実施の形態1の受信装置の構成を示すブロック図
【図4】ロールオフ係数が0.2の場合及び0.5の場合のアイパターン
【図5】実施の形態2による送信信号の周波数帯域を示す図
【図6】実施の形態2の受信装置の構成を示すブロック図
【図7】送信データのフレーム構成を示す図
【符号の説明】
100 送信装置
101 QPSK変調方式マッピング部
102 16QAM方式マッピング部
103 64QAM方式マッピング部
104、203、303 QPSK変調方式用ルートナイキストフィルタ
105、204、304 16QAM方式用ルートナイキストフィルタ
106、205、305 64QAM方式用ルートナイキストフィルタ
107 同相成分切り換え部
108 直交成分切り換え部
200、300 受信装置
301 変調方式識別・電波伝搬環境推定部
302 ディジタル信号選択部
D1 送信データ
S1 制御信号
S2 変調方式識別信号
S3 電波伝搬環境推定信号

Claims (4)

  1. 送信データをそれぞれ変調多値数の異なる複数の変調方式により変調する複数の変調手段と、
    各変調手段に対応して設けられていると共に各変調方式に対応して選定されたロールオフ係数を有し、各変調手段により変調された変調信号を所定の周波数帯域幅内に収める複数のナイキストフィルタと、
    フィルタ処理後の信号を送信する送信手段と
    を具備し、前記ナイキストフィルタは、変調多値数の小さい変調手段に対応するフィルタほどロールオフ係数が小さい値に選定されている、
    送信装置。
  2. 前記ナイキストフィルタが、変調多値数の小さい変調手段に対応するフィルタほどロールオフ係数が小さい値に選定された状態で、
    前記変調多値数が小さい変調方式のシンボルほどシンボル伝送速度を大きくする
    請求項1に記載の送信装置。
  3. 受信手段と、
    それぞれ、各変調方式に対応して選定されたロールオフ係数有し、かつ変調多値数の小さい変調方式に対応したフィルタほど前記ロールオフ係数が小さい値に選定され、前記受信手段により得られた受信信号をフィルタリングする複数のナイキストフィルタと、
    前記複数のナイキストフィルタによりフィルタリングされた信号に対して、それぞれ、各変調方式に対応する復調処理を施す複数の復調手段と
    を具備する受信装置。
  4. 前記複数のナイキストフィルタは、ロールオフ係数が小さい値に選定されたナイキストフィルタほど、シンボル伝送速度の大きい変調方式の変調信号をフィルタリングする
    請求項3に記載の受信装置。
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