JP3850636B2 - 蒸留残渣の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸留残渣の処理方法に関し、詳しくは芳香族塩素化合物をフッ素化剤とハロゲン交換反応させ、得られる反応混合物を蒸留して目的とする芳香族フッ素化合物を分離する際に生じる蒸留残渣を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族塩素化合物をフッ素化剤とハロゲン交換反応させる方法としては、ベンゾニトリル中でテトラクロロフタロニトリルをフッ素化剤とハロゲン交換反応させた後、反応混合物を蒸留して目的とするテトラフルオロフタロニトリルを得ることは公知である(例えば、特公平1−49346号公報参照)。また、ベンゾニトリル中でペンタクロロベンゾニトリルをフッ素化剤とハロゲン交換反応させた後、反応混合物を蒸留して目的とするペンタフルオロベンゾニトリルを得ることも公知である(例えば、特公昭62−7185号公報参照)。さらに、ハロゲン化交換反応を、非プロトン性極性溶媒中で行う方法、無溶媒で行う方法(特公平2−16746号公報)が知られている。
【0003】
上記ハロゲン交換反応を行うに際しては、フッ素化剤を、フッ素化剤中のフッ素原子が芳香族塩素化合物中の塩素原子に対し当量以上となるような量で使用するのが普通である。このため、上記のハロゲン交換反応後の反応混合物を蒸留して目的とする芳香族フッ素化合物を分離する際に発生する蒸留残渣中には、必然的にフッ素イオンが残存する。そのほか、副生成物としてのフッ素含有有機化合物や反応生成物としての塩化物(フッ素化剤がフッ化カリウムの場合、塩化カリウム)などが含まれている。このように、蒸留残渣中には有害なフッ素が含まれているので、蒸留残渣をそのまま廃棄することは環境上問題である。しかし、上記のようなフッ素イオンなどを含有する蒸留残渣を処理することについては、未だなにも提案されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のようなフッ素イオンや有機化合物などを含む蒸留残渣を効率よく無害化する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の発明によって達成される。
【0006】
芳香族塩素化合物をフッ素化剤とハロゲン交換反応させて得られる反応混合物を蒸留する際に生じる蒸留残渣を処理する方法であって、該蒸留残渣を水性媒体の存在下に薬剤および/または吸着剤と混合することを特徴とする蒸留残渣の処理方法。
【0007】
薬剤がカルシウム化合物であり、吸着剤が活性炭であり、蒸留残渣中に残存するフッ素イオンをフッ化カルシウムとして固定化し、ハロゲン交換反応によって副生する有機化合物を活性炭で吸着させた後、固形物を分離する上記の蒸留残渣の処理方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の芳香族塩素化合物とは、芳香環に塩素元素、または塩素原子と塩素元素以外の置換基、例えばシアノ基、ニトロ基、フルオロカルボニル基などの電子吸引性置換基とを有する化合物を意味する。具体的には、例えば、下記一般式(1)および(2)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】
(式中、Clは塩素原子、Xは−CN、−NO2、−COFまたは−COCl、a=0、1または2、a+b≦6である。)
一般式(2)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、Clは塩素原子、Xは酸素原子またはNR(ここで、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)、1≦a≦4の整数である。)
上記化合物の代表例としては、トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,4,6−トリクロロベンゾニトリル、ペンタクロロベンゾニトリル、テトラクロロフタロニトリル、テトラクロロ無水フタル酸、テトラクロロフタル酸ジフルオライド、テトラクロロ無水フタル酸アミド、N−アルキルテトラクロロ無水フタル酸アミド(アルキル基:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルなど)、N−フェニルテトラクロロ無水フタル酸アミド、2,3,4−トリクロロニトロベンゼン、ペンタクロロニトロベンゼンなどを挙げることができる。なかでも、3,4,5,6−テトラクロロフタロニトリル、ペンタクロロベンゾニトリルおよび2,6−ジクロロベンゾニトリルが好適に用いられる。
【0013】
ハロゲン交換反応は、有機溶媒の存在下で行っても、あるいは不存在下に行ってもよい。有機溶媒としては、一般的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン(TMSO2)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホン(DMSO2)などの、いわゆる非プロトン性極性溶媒、あるいはベンゾニトリルが用いられるが、反応性および熱安定性の点で、ベンゾニトリルが特に好適に用いられる。また、フッ素化剤としては、芳香族塩素化合物とのハロゲン(フッ素)交換反応に使用し得るものであればいずれもよいが、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属フッ化物が好ましく、フッ化カリウムが特に好適に用いられる。
【0014】
ハロゲン交換反応方法については特に制限はなく、この種の反応に一般に用いられている方法にしたがって行うことができる。例えば、特公平2−16746号公報に記載のように、無溶媒で反応を行っても、特公昭62−7185号公報に記載のように、蒸留塔塔底から得られる未反応物を含む有機溶媒を循環しながら反応を行っても、あるいは特公平4−4309号公報に記載のように、自然発生圧下、あるいは常圧下、還流しながら反応を行ってもよいことはいうまでもない。
【0015】
また、反応混合物の蒸留については特に制限はなく、目的とする芳香族フッ素化合物を分離し得るように蒸留すればよい。例えば、2,6−ジフルオロベンゾニトリルやベンゾニトリルは比較的蒸気圧が高く、またテトラフルオロフタロニトリルなども加温することにより蒸留可能な蒸気圧を有しているため、いわゆる粗蒸留により芳香族フッ素化合物を蒸留分離することができる。具体的には、例えば、100〜250℃の温度範囲で減圧下、あるいは常圧下に蒸留を行えばよい。
【0016】
本発明の方法は、無溶媒、非プロトン性極性溶媒、あるいはベンゾニトリルなどの溶媒中で、2,6−ジクロロベンゾニトリル、テトラクロロフタロニトリルまたはペンタクロロベンゾニトリルをフッ素化剤とハロゲン交換反応させた後、反応混合物を粗蒸留して目的とする、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、テトラフルオロフタロニトリルまたはペンタフルオロベンゾニトリルを得る際に発生する蒸留残渣の処理に好適に用いられる。
【0017】
蒸留残渣とは、上記のとおり、ハロゲン交換反応によって得られる反応混合物を蒸留して目的とする芳香族フッ素化合物を蒸留分離する際に発生する残渣である。本発明において、ハロゲン交換反応を行うに際しては、通常、フッ素化剤を、フッ素化剤のフッ素原子が芳香族塩素化合物中の塩素原子に対して当量以上となるような量で使用する。従って、上記ハロゲン交換反応後の反応混合物を蒸留して、目的とする芳香族フッ素化合物を分離する際に発生する蒸留残渣中には必然的にフッ素イオンが残存する。その他、副生物としてのフッ素含有有機化合物や反応生成物としての塩化物(フッ素化剤がフッ素カリウムの場合、塩化カリウム)等が含まれている。
【0018】
薬剤としては、アルカリ性を示す化合物、例えば、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素などの酸化物、水酸化物、塩化物などが挙げられる。なかでも、アルカリ土類金属元素の酸化物、水酸化物が好ましいが、水性媒体への溶解度が低く、固形分として分離しやすいフッ素化物を形成する水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウムなどのカルシウム化合物が好適に用いられる。特に、蒸留残渣中のフッ素イオンと容易に反応する点で、水酸化カルシウムが好適に用いられる。薬剤として、カルシウム化合物を使用する場合、カルシウム化合物の粒子径は、工業的に入手可能なものであれば特に制限はないが、蒸留残渣の処理を円滑に行えるという点で、平均粒子径で1〜100μmの範囲のものが望ましい。1μm未満では、蒸留残渣処理後の固形分の分離、例えば、ろ過による分離が困難となり、100μmを超えると残渣処理の所要時間が長くなり適当でない。
【0019】
薬剤の使用量は、蒸留残渣100質量部に対して1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。薬剤の使用量が少なすぎるとフッ素イオンを十分固定化できず、また必要以上に多量に使用するのは経済的でない。
【0020】
吸着剤としては、例えば、各種活性炭を用いることができる。具体的には、おが粉などの木質系材料、褐炭、泥炭などを活性化剤としての薬品(塩化亜鉛、リン酸など)で処理したもの、あるいは木炭などを水蒸気で活性化したもの、椰子殻活性炭などを挙げることができる。なかでも、おが粉や木炭などの木質系のものを薬品で処理したもの、あるいは水蒸気で処理したものが好適に用いられる。吸着剤の使用量は、蒸留残渣100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。吸着剤の使用量が少なすぎると有機化合物を十分吸着できず、また必要以上の多量に使用するのは経済的でない。
【0021】
薬剤あるいは吸着剤は、蒸留残渣を含有する水性媒体に対し、同時に投入してもよいし、あるいはいずれか一方を投入、例えば薬剤を投入し、その後吸着剤を投入してもいずれの方法でも蒸留残渣を処理することができる。この場合、吸着剤と薬剤とを同時に使用する場合よりも、吸着剤の使用量をより少なくすることができるという経済的な理由から、吸着剤を投入した後、薬剤を投入することが望ましい。吸着剤を薬剤よりさきに投入したほうが、吸着剤と薬剤とを同時に使用した時よりも少ない吸着剤使用量で、蒸留残渣中の副生物等を吸着できる理由は、明確ではないが、水性媒体中のpHが吸着剤、例えば活性炭の吸着能に影響していると推察される。また、薬剤あるいは吸着剤は、一括して投入する方法あるいは逐次的に投入する方法のいずれで行ってもよいが、工業的には、作業性がよいという理由から一括して投入する方法が好ましい。
【0022】
水性媒体としては、水、あるいは水混和性の有機溶剤、例えば、アルコール類、有機酸類との混合物が用いられる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−またはイソプロパノール、ブタノールなどが、また有機酸類としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸などが挙げられる。工業的には、経済的な理由から、水が最も好適に用いられる。
【0023】
水性媒体の使用量は、蒸留残渣100質量部に対し、100〜1000質量部、好ましくは300〜600質量部である。水性媒体の使用量が少なすぎると蒸留残渣をスラリー状に保つのが困難であり、また多すぎるとスラリー濃度が必要以上に低下して経済的でない。
【0024】
本発明の方法を詳しく説明すると、例えば、上記蒸留残渣に水性媒体を添加するか、水性媒体に蒸留残渣を添加してスラリー状にした後、薬剤および/または吸着剤を添加し、混合する。あるいは、薬剤および/または吸着剤を水性媒体に添加してスラリー状態にした後、蒸留残渣を添加して、混合する。この際、撹拌などして緊密に混合させるのがよい。薬剤および/または吸着剤による処理温度は、特に制限はないが、通常、0〜90℃、好ましくは10〜60℃、更に好ましくは20〜40℃である。処理温度が低すぎると、十分な処理効果が得られず、また高すぎるとフッ素イオンによる装置の腐食の問題などが生じる。処理時間には特に制限はなく、適宜決定できるが、通常、1〜24時間であり、好ましくは5〜15時間である。
【0025】
上記処理により、蒸留残渣中のフッ素イオンは固定化され、また有機化合物は吸着剤によって吸着される。上記処理後、固形物をろ過などの手段により分離する。その結果、ろ液(廃水)中のフッ素イオン濃度は15ppm以下に、またCODは10〜50ppm程度に低減されて実質的に無害化され、ろ液はそのまま廃棄することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の処理方法によれば、芳香族塩素化合物をフッ素化剤とハロゲン交換反応させて得られる反応混合物を蒸留する際に発生する蒸留残渣に残存するフッ素イオンなどを効率よく除去することができる。また、この際、発生する廃水中のフッ素イオン濃度は15ppm以下、CODは10〜50程度で環境上問題とならない程度まで低減される。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
1リットル(L)のステンレス鋼製オートクレーブにベンゾニトリル300g、ペンタクロロベンゾニトリル103.5g(0.3760モル)およびスプレードライフッ化カリウム120g(2.0654モル)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に340℃で18時間反応を行った。反応終了後、反応液をブレンダーに投入し、外温度230℃、真空度20Torrの最終条件で反応液から生成塩化カリウムおよび未反応のフッ化カリウムを分離した。留出した液分には、目的物であるペンタフルオロベンゾニトリル61.6g(0.3193モル、収率85.0モル%)と有効成分である3,5−ジクロロ−2,4,6−トリフルオロベンゾニトリル8.1g(0.0358モル)が含まれていた。
【0028】
上記塩化カリウムおよび未反応のフッ化カリウムを含む蒸留残渣156.2gを1Lのステンレス鋼製ビーカーに入れ、これに水660gを投入してスラリー状にした。このスラリーを25℃で攪拌しながら活性炭(二村化学(株)製PW−50)4gと水酸化カルシウム20gとを添加して、25℃で12時間攪拌を続けた。
【0029】
攪拌終了後、ろ紙を用いてスラリーをろ過し、得られたろ液は希硫酸でpH7に中和した。ろ液中のフッ素イオン濃度は5ppmであり、COD(アルカリ性過マンガン酸カリウム法((株)共立理化学研究所製化学的酸素消費量測定テストキット);以下同じ)は10ppmであった。
実施例2〜10
実施例1において、スラリーの処理温度および時間、さらに水酸化カルシウムおよび活性炭の添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に処理を行った。廃水中のフッ素イオン濃度およびCODを表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例11
1Lステンレス鋼製オートクレーブにベンゾニトリル300g、テトラクロロフタロニトリル103.7g(0.3898モル)およびスプレードライフッ化カリウム100g(1.7212モル)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に260℃で18時間反応を行った。反応終了後、反応液をブレンダーに投入し、外温度250℃、真空度20Torrの最終条件で反応液から生成塩化カリウムおよび未反応のフッ化カリウムを分離した。留出した液分には、目的物であるテトラフルオロフタロニトリル68.6g(0.3430モル、収率88.0モル%)と有効成分である3−クロロ−4,5,6−トリフルオロフタロニトリル5.9g(0.0273モル)が含まれていた。
【0032】
上記塩化カリウムおよびフッ化カリウムを含む蒸留残渣131.8gを1Lのステンレス鋼製ビーカーに入れ、これに水660gを投入してスラリー状にした。このスラリーを25℃で攪拌しながら活性炭(二村化学(株)製SW−50)10gと水酸化カルシウム13gとを添加して、25℃で12時間攪拌を続けた。
【0033】
攪拌終了後、ろ紙を用いてスラリーをろ過し、得られたろ液は希硫酸でpH7に中和した。ろ液中のフッ素イオン濃度は5ppmであり、CODは10ppmであった。
実施例12〜20
実施例11において、スラリーの処理温度および時間、さらに水酸化カルシウムおよび活性炭の添加量を表2に示すように変更した以外は、実施例11と同様に処理を行った。廃水中のフッ素イオン濃度およびCODを表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
実施例21
1Lステンレス鋼製オートクレーブにジメチルスルホキシド300g、テトラクロロフタロニトリル125g(0.47モル)およびスプレードライフッ化カリウム120g(2.0654モル)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に230℃で10時間反応を行った。反応終了後、反応液をブレンダーに投入し、外温度230℃、真空度20Torrの最終条件で反応液から生成塩化カリウムおよび未反応のフッ化カリウムを分離した。留出した液分には、目的物であるテトラフルオロフタロニトリル78.8g(0.394モル、収率83.8モル%)が含まれていた。
【0036】
上記塩化カリウムおよびフッ化カリウムを含む蒸留残渣157.7gを1Lのステンレス鋼製ビーカーに入れ、これに水660gを投入してスラリー状にした。このスラリーを25℃で攪拌しながら活性炭(二村化学(株)製PW−50)5gと水酸化カルシウム20gとを添加して、25℃で12時間攪拌を続けた。
【0037】
攪拌終了後、ろ紙を用いてスラリーをろ過し、得られたろ液は希硫酸でpH7に中和した。ろ液中のフッ素イオン濃度は6ppmであり、CODは50ppmであった。
実施例22
1Lステンレス鋼製オートクレーブに2,6−ジクロロベンゾニトリル161.5gおよびスプレードライフッ化カリウム120g(2.0654モル)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌下に300℃で15時間反応を行った。反応終了後、反応液をブレンダーに投入し、外温度230℃、真空度20Torrの最終条件で反応液から生成塩化カリウムおよび未反応のフッ化カリウムを分離した。留出した液分には、目的物である2,6−ジフルオロベンゾニトリル120.7g(0.8683モル、収率92.5モル%)が含まれていた。
【0038】
上記塩化カリウムおよびフッ化カリウムを含む蒸留残渣143.2gを1Lのステンレス鋼製ビーカーに入れ、これに水600gを投入してスラリー状にした。このスラリーを25℃で攪拌しながら活性炭(二村化学(株)製PW−50)6gと水酸化カルシウム17gとを添加して、25℃で12時間攪拌を続けた。
【0039】
攪拌終了後、ろ紙を用いてスラリーをろ過し、得られたろ液は希硫酸でpH7に中和した。ろ液中のフッ素イオン濃度は4ppmであり、CODは45ppmであった。
実施例23
実施例1において、薬剤としての水酸化カルシウム20gの代わりに、炭酸カルシウム20gを使用した以外は、同様に残渣処理を行った。その結果、廃水中のフッ素イオン濃度は14ppm、COD20ppmであった。
【0040】
Claims (4)
- 下記一般式(1);
該蒸留残渣を水性媒体の存在下に薬剤および/または吸着剤と混合する処理方法であり、
該薬剤が水酸化カルシウムであり、蒸留残渣100質量部に対して1〜30質量部使用し、
該吸着剤が活性炭であり、蒸留残渣100質量部に対して0.1〜20質量部使用し、蒸留残渣中に残存するフッ素イオンをフッ化カルシウムとして固定化し、ハロゲン交換反応によって副生する有機化合物を活性炭で吸着させた後、固形分を分離する
ことを特徴とする蒸留残渣の処理方法。 - 前記薬剤の使用量は、蒸留残渣100質量部に対して5〜20質量部であり、前記吸着剤の使用量は、蒸留残渣100質量部に対して1〜10質量部である
ことを特徴とする請求項1記載の蒸留残渣の処理方法。 - 前記吸着剤は、木質系材料を薬品処理又は水蒸気処理した活性炭であることを特徴とする請求項1又は2記載の蒸留残渣の処理方法。
- 前記蒸留残渣の処理方法によって処理された廃水中のフッ素イオン濃度は15ppm以下、CODは5〜50ppmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蒸留残渣の処理方法。
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