JP3850615B2 - 部材接合方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、部材同士(好適には異種の材料同士)を確実かつ良好に接合する部材接合方法および接合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、金属間化合物の成形部品を異種金属に接合するためには、金属間化合物の素形材の製造から接合に至る多くの工程と時間とを必要としている。
例えば、金属間化合物の素形材の製造プロセスとしては、(a)溶解−鋳造−鍛造、(b)溶解−精密鋳造、(c)粉末焼結法などが知られている。
これらのプロセスでは、膨大なエネルギーを要する外部熱源や精密な制御を要する大規模な設備(恒温鍛造装置、HIP装置など)が必要である。この問題を解決するために、テルミット反応(金属酸化物の還元反応)を組み合わせ、反応による生成熱量を制御できるように改良した燃焼合成反応を利用して金属間化合物の合成と鋳造を行う方法(特開平5−9009号公報)が提案されているが、複雑な形状を有する金属間化合物素形材を製造するための鋳造法については提案がなされていない。
また、接合プロセスについては、一部の金属間化合物に対して拡散接合や摩擦圧接などの適用を検討した研究報告例があるが、拡散接合においては材料の全体を長時間高温に保つ必要があること、また摩擦圧接においては適用材料の形状が継手のような比較的単純な形状に限られることなどの問題点がある。
【0003】
この発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、部材同士、特に異種材料同士を複雑な装置やプロセスを必要とすることなく確実かつ良好に接合することができる部材接合方法および接合装置を提供することを目的とするものであり、特に金属間化合物を異種の材料に接合するのに適した方法および装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のうち、部材接合方法に関する第1の発明は、基材と他部材とを接合する方法において、回転軸から径方向に離隔した位置に接合面を内周側に向けて前記基材を配置し、該基材の内周側に、基材の接合面がキャビティに露出し、かつ該接合面の周囲が封止されるように鋳型を配置するとともに、該鋳型の内周側端部に溶湯導入部を設け、該溶湯導入部の内周側に他部材用材料を配置し、これらを上記回転軸に従って回転させつつ前記他部材用材料を加熱溶融させ、溶融した他部材用材料を前記溶湯導入部を通して前記鋳型内に導入して鋳込むことによって前記基材と他部材とを接合することを特徴とする。
【0005】
第2の発明の部材接合方法は、第1の発明において、他部材が基材とは異種の材料からなることを特徴とする。
第3の発明の部材接合方法は、第1または第2の発明において、前記他部材が金属間化合物からなり、かつ他部材用材料は前記加熱溶融において化学反応を生じて金属間化合物を生成するものであることを特徴とする。
【0006】
第4の発明の部材接合方法は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、他部材用材料はテルミット反応剤を含むことを特徴とする。
【0007】
第5の発明の異種材料の接合方法は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、他部材用材料が原料粉末を加圧成形した圧粉体からなることを特徴とする。
【0008】
第6の発明の異種材料の接合方法は、第1〜第5の発明において、前記基材の接合面と鋳型キャビティと他部材用材料とは、これらとともに回転する気密な収容室内に収められていることを特徴とする。
【0009】
また、部材接合装置に関する第7の発明は、回転駆動装置と、該駆動装置で回転駆動される回転軸と、該回転軸の外周側に位置する基材ホルダと、前記基材ホルダに設置される基材の内周側に位置し、該基材の接合面をキャビティに露出させるとともに基材接合面の周囲を封止する接合用開口部を外周側に有し、かつキャビティに溶湯を導入する溶湯導入部を内周側に有する鋳型と、該鋳型の内周側に位置する他部材用材料ホルダと、少なくとも上記基材接合面と鋳型キャビティと他部材用材料とを内部に収める気密な収容室と、前記他部材用材料を加熱溶融させる加熱手段とを有し、これら基材ホルダ、鋳型、他部材用材料ホルダ、収容室および加熱手段は上記回転軸と連動して回転するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
第8の発明の異種材料の接合装置は、第7の発明において、他部材用材料がテルミット反応剤を含むものであり、さらに加熱手段としてテルミット反応剤着火装置を有することを特徴とする。
【0011】
第9の発明の異種材料の接合装置は、第7または第8の発明において、テルミット反応により生成された副生成物が鋳型キャビティに移動するのを阻止する副生成物移動阻止手段を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の部材接合方法および接合装置は、基材とこれに接合される他部材とが異種の材料からなる場合に好適に適用される。ただし、本発明では基材と他部材とが同一材料からなる場合を排除するものではなく、この場合においても本発明の適用は可能である。
上記基材は、他部材が溶融接合されるものであり、通常は金属材料からなるが、本発明としては特に金属材料に限定されるものではない。例えばセラミック材を基材として用いることも可能である。また、基材は単品の他に複数の部材で構成されているものであってもよい。一方、他部材は、一旦は溶融状態におくことから通常は全部または主成分を金属材料とするものである。これら基材と他部材の材質やその組み合わせは特に限定されるものではなく、本発明の方法および装置を適用できるあらゆる材料を対象とすることができる。また、基材と他部材の形状および接合面の形状も特に限定されるものではなく、接合面の位置も上記方法及び装置によって接合可能な位置であれば特に限定されるものではない。なお、本発明では、複雑な形状の基材もしくは他部材であっても良好に接合することができ、形状に関する制約が小さいという点も特徴の一つである。
【0013】
上記基材は、回転軸から径方向に離隔した位置に配置され、その内周側に鋳型、さらにその内周側に他部材を形成する他部材用材料が配置される。
なお、回転軸は、回転駆動装置で回転される実体のある回転軸体で構成されるものでもよく、また特別に実体のある回転軸体は有さず、回転駆動装置で回転駆動される、仮想的に存在する軸であってもよい。また回転駆動装置の構成は本発明としては特に限定されず、上記回転軸を所望の回転速度で回転できるものであればよい。
【0014】
基材は、上記回転軸と連動して回転させる必要があり、通常は、回転軸とともに回転する基材ホルダに保持される。この基材ホルダの構造等も特に限定されるものではなく、接合作業中、すなわち回転中に基材を確実に保持しておけるものであればよい。保持される基材は、他部材との接合面が内周側に向くように配置される。なお、内周側に向くとは、接合面が内周側に直面することまでが要求されるものではなく、少なくとも周方向よりも内周側に向いているものであれば本発明の特徴的な作用を得ることができる。
【0015】
上記基材の内周側には、前記したように鋳型が配置される。この鋳型は、基材に接合される他部材を鋳込むものであり、該他部材の所望の形状に合ったキャビティを有している。また、鋳型は、上記キャビティに基材の接合面が露出するように外周側に接合用開口部を有している。この開口部では、通常は接合に必要な基材の接合面のみを露出させる。また開口部は、基材接合面の周囲を封止するように構成される。封止は、鋳型を基材に直接密着させることによってなされてもよく、また、基材と鋳型との間に配置される封止材によってなされるものであってもよい。要は、溶湯を鋳込む際に、溶湯が鋳型の外部に漏れだすことが防止されるものであればよい。さらに鋳型の内周側には、上記キャビティに溶湯を導き入れる溶湯導入部が設けられている。この溶湯導入部の位置や大きさは、溶湯が円滑にキャビティ内に移動できるように選定されるものであればよく、本発明としては特定の位置、大きさが要求されるものではないが、通常は内周側端部に設けられる。なお、この溶湯導入部の形状、配置によって後述する副生成物移動阻止手段としての機能を得ることもできる。
なお、この鋳型も回転軸とともに回転するように構成されており、適宜の方法により回転軸体や回転する部材に連結もしくは固定される。
【0016】
上記鋳型の溶湯導入部の内周側には、他部材を形成する他部材用材料を配置する。該他部材用材料は加熱によって溶融し、前記した鋳型に移動するので、この移動が確実かつ円滑になされるように配置位置等を考慮するのが望ましい。他部材用材料は、他部材そのものの材質からなるものであってもよく、また、化学反応を考慮した材料選定をしたものであってもよい。例えば、接合時に他部材用材料の化学反応によって金属間化合物からなる他部材を得ることができる。要は、溶融、凝固によって所望の成分を有する他部材が鋳型内に鋳造されるものであればよい。
【0017】
さらに他部材用材料には、他部材を構成する成分以外のものを助剤として含むものであってもよく、例えば加熱手段としてテルミット反応剤を含むものが挙げられる。
このテルミット反応剤は、適宜の着火装置を使用することによって瞬時に反応し、高温の反応熱を生じる。したがって、外部加熱のみによる熱伝導を利用するような加熱手段に比べれば、他部材となる成分を短時間で溶融させることができる。
特に、テルミットの反応の採用は、他部材用材料が初めから他部材の成分であって燃焼合成反応熱が得られない場合や燃焼合成反応では反応熱が不十分で生成物が溶融しない又は溶融が不十分な場合に好適である。なお、本発明において、燃焼合成反応のみで生成物が十分にかつ短時間に溶融する場合は、テルミット反応を採用する必要性は小さい。
【0018】
短時間溶融が重要なのは、断続的な注湯では健全な他部材が形成できないためである。接合基材は通常は常温であるので、接合界面近傍に衝突した溶湯は急速に凝固を開始する。この場合に注湯が途切れると、いわゆる「湯境(ゆざかい)」ができてしまい、鋳造欠陥を招く。複雑な形状の鋳型部分でも同様である。したがって、高温の溶湯を一気に鋳造することが必要となる。なお、上記現象を緩和するために、基材側を加熱保持することも可能である。
また、短時間加熱は上記利点の他、気密な収容室を用いる場合に気密性を良好に保ったままで加熱することできるという点でも有利である。
【0019】
他部材用材料は固形物や粉体であってもよいが、圧粉体においては以下の利点がある。
他部材用材料が後述するようにテルミット反応剤等を含む混合物である場合、接合用材料を効率よく溶融させるためには、材料が全体に均一に分布していることが重要となり、これを達成するために接合用材料を粉末の混合物にすればよい。さらには、混合粉末が粉末のままの状態より固形物(圧粉体)の状態である方が、他部材用材料の操作(ハンドリング)が容易になる。例えば、他部材用材料が反応前に鋳型キャビティに流れ込むのを防ぐのを容易に防止することができる。
なお、上記圧粉体は、圧粉体が鋳型内に移動しないように、他部材用材料ホルダに圧粉体を把持する機能を持たせたり、圧粉体の断面積を鋳型溶湯導入部の開口断面積よりも大きくしたり、特別に圧粉体の移動を阻止する部材を設けたりする、移動阻止手段を設けることができる。移動阻止手段は、圧粉体が鋳型内に移動するのを阻止できるものであればよく、その構成が特に限定されるものではない。
【0020】
また、テルミット反応剤を他部材用材料に含む場合、反応剤の成分によっては他部材としての成分そのものとはならない副生成物が生成される。この副生成物は、接合作業において鋳型キャビティに入り込むと異物となり、他部材の特性に悪影響を与える可能性があるので、できるだけ鋳型キャビティへの侵入を避けるのが望ましい。このような必要がある場合には、必要に応じてフィルタの配置や溶湯導入部の形状、配置による副生成物移動阻止手段を設けることができる。ただし、本発明においてはこの移動阻止手段の構成が特に限定されるものではなく、要は副生成物の移動が効果的に阻止され、かつ溶湯は円滑に鋳型キャビティに移動するものであればよい。なお、生成物、副生成物の性状(粘度、密度等)によっては生成物と副生成物とが速やかに分離し、また、副生成物が、その高い濡れ性によって他部材用材料保持部等の壁面に付着・残留しやすくて副生成物が鋳型キャビティに侵入する可能性が低い場合や、鋳型に副生成物が侵入しても遠心力の効果によって短時間のうちに浮上分離する場合や、副生成物の侵入が他部材の特性に悪影響を与えない場合には、上記した副生成物移動阻止手段は不要とできる。また、テルミット反応による反応物の全てを他部材の成分として予定している場合には、上記した移動阻止手段は不要である。
【0021】
さらに、基材の接合面と鋳型キャビティと他部材用材料とは、回転軸とともに回転する気密な収容室内に収めるのが望ましい。
この収容室は、収容室壁で上記接合面等を覆うものであってもよく、また、その一部で鋳型壁や基材ホルダ、他部材用材料ホルダを利用するものであってもよい。要は、気密な空間が確保され、この空間内に上記接合面等が含まれるものであればよい。また、接合面等を収容室内に収める場合、これら接合面等が一つの収容室に収められていることが必要とされるものではなく、それぞれが複数の収容室内に収められているものであってもよい。要は、接合面等が気密な空間に存在していればよい。
【0022】
さらに、前述した鋳型の内周側に配置される他部材用材料を加熱溶融するために適宜の加熱手段が設けられる。この加熱手段は本発明としてはその種別等が特に限定されるものではなく、他部材用材料を溶融させるという目的が達成されるものであればよい、加熱手段としては例えば、火花放電、アーク、誘導加熱、電熱線による加熱等、様々な電気的加熱手段が使用でき、装置構成によってはバーナーやレーザーによる加熱方法を採用することができる。
さらに燃焼合成反応あるいはテルミット反応を起こす材料の場合は、その一端を強加熱するか、あるいはその全体を或る温度以上に昇温すると、急速に反応が起こり自らの反応熱によって一瞬のうちに溶融する。このように瞬間的に反応を開始する状態、すなわち着火を起こさせるものとして上記加熱手段を用いるものであってもよい。この場合、加熱手段は着火装置として位置付けられる。
【0023】
この発明によれば、外周側から基材、鋳型および接合用材料を径方向に沿って配置し、これらを回転させながら上記接合用材料を加熱溶融させるので、溶融した材料が基材の接合面とは離れた位置から鋳型に飛び入って該接合面に衝突する。本来、基材の接合面は酸化皮膜の形成等によって溶湯の濡れ性が悪く、単に溶湯を接触させた状態で凝固させたのみでは両者を良好に密着させることは困難であり、良好な接合は期待できない。しかし、本発明では上記のように溶湯が接合面に衝突するので、接合面に確実に密着する。さらに回転による遠心力は鋳型内に収まった溶湯を異種の基材に継続して押し付ける作用があるので、基材と他部材との良好な接合状態を得ることを可能にし、その結果、鋳型内で凝固する他部材は基材に強固に接合される。また遠心力の印加は、薄肉部を有するなどの複雑な形状の鋳型キャビティ内に溶湯を確実に流入せしめることも可能にする。
【0024】
また、他部材用材料を、化学反応によって金属間化合物を生成する複数種の材料で構成すれば、上記接合時に接合用材料を加熱することによって金属間化合物が生成され、該金属間化合物が基材に良好に接合される。又、化学反応によって発生する反応熱は、材料を短時間で溶融させる加熱源になり、前述したように組織欠陥の少ない鋳込みを可能にする。
なお、加熱に際しては、基材と他部材用材料とが隔離されているので、基材の熱的な変質や酸化などの問題が生じない。また、化学反応の生成熱が基材に奪われるために起こる燃焼合成反応の抑制や基材の過剰な溶解などの問題が生じない。さらには、これらを気密な収容室に収めておくことによって、上記変質や酸化の抑制が一層なされる。
鋳型キャビティに充填された溶湯は、次第に凝固してキャビティの形状に則した成形部材を形成し、かつ基材と強固に接合される。
【0025】
【実施形態】
(実施形態1)
以下、この発明の一実施形態の接合装置を図1〜3に基づいて説明する。
モータ等からなる回転駆動装置1に回転軸2が立設されており、該回転軸2上には、箱形の接合装置本体3が横置きにして中心位置で固定されている。該接合装置本体3内には、有底円筒形状の収容器4が上記回転軸2を中心位置として横置きにして設置固定されており、収容器4内の一半径側に円筒形状の収容室5が横置きに設置固定されている。収容室5は、径方向に沿って配置されたアルミナパイプ5bと該パイプ5bの外周側端部に固定された外側蓋部5aとパイプ5bの内周側端部に固定された内側蓋部5cとによって構成され、気密な状態に維持される。上記外側蓋部5aの内周側であってアルミナパイプ5bの外周側端部内部には、SUS304ステンレス鋼からなる円盤形状(直径20mm、高さ10mm)の基材7が軸方向を横にして内挿されており、アルミナパイプ5bの一端側が基材ホルダの役割を果たしている。
【0026】
さらに該基材7の内周側に黒鉛製で円筒形状(外径20mm、長さ20mm)の鋳型8が横置きに設置されている。該鋳型8は、内径10mm、長さ20mmの丸穴状のキャビティ9を有しており、該キャビティ9の内外周端は開口している。すなわちキャビティ9の外周端開口は接合用開口部9a、内周端開口は溶湯導入部9bに割り当てられている、なお鋳型8の外周側端面は基材7の内周側表面に密着しており、上記接合用開口部9aからは基材7の接合面7aがキャビティ9内に露出しているとともに、該接合面7aの周囲が鋳型8の壁面で封止されている。
【0027】
さらに鋳型8の内周側であってアルミナパイプ5bの内周側内部には、平均粒径5μmのNiO粉末(29質量%)、平均粒径5μmのNi粉末(53質量%)、平均粒径100μmのAl粉末(18質量%)を混合して圧縮した円柱形状(直径20mm、質量30g、相対密度約75%)の圧粉体10が他部材用材料として内挿されている。したがって、アルミナパイプ5bの一端部は他部材用材料ホルダとしての役割も果たしている。なお、前記溶湯導入部9bは、この圧粉体10よりも小径に形成されており、したがって、溶湯導入部9bの周囲の鋳型壁は、圧粉体の移動阻止手段としての機能を有している。
【0028】
なお、圧粉体10近傍であってパイプ5b内には、温度測定器11が配置されている。さらに、圧粉体10が収容されているパイプ5bの外周部には、圧粉体10が収容されている領域において該パイプ5bを囲むように、加熱手段としての着火装置である電熱線コイル12が巻回されている。該電熱線コイル12のリード線13a、13bは接合装置本体3の上方面中心位置に設けられた集電部14のスリップ中心電極14aとスリップリング電極14bとに接続されている。これら電極14a、14bには、黒鉛ブラシ15a、15bが継電可能に接触しており、該黒鉛ブラシ15a、15bは外部電源16に接続されている。
【0029】
上記接合装置の作用を以下に説明する。
上記接合装置は大気中におき、回転駆動装置1によって回転軸2を回転させ、定常回転速度(19回転/s)とする。この定常状態では、接合面7aには横向きに73〜80Gの重力加速度が付加されている。また、外部電源16から、黒鉛ブラシ15a、15b、電極14a、14b、リード線13a、13bを通して電熱線コイル12に通電し、圧粉体10を外部加熱する。この加熱により圧粉体10においてテルミット反応が生じる。この反応に際しては金属間化合物を生成する燃焼合成反応も生じる。これらの反応式を示すと以下のとおりとなる。
改良テルミット反応(「テルミット型合成反応」)(T)
3NiO+3Al→NiAl+AlO
と、
燃焼合成反応(C)
3Ni+Al→NiAl
とを任意の割合で組合せた反応{(1−X)C+XT}
3X[NiO]+3(1-X)[Ni]+(1+2X)[Al]→[NiAl]+X[AlO]
が「テルミット型燃焼合成反応」として生じている。この実施形態では、X=0.3となるように調製を行っている。
【0030】
上記反応に際しては、圧粉体10は電気的な外部加熱によって昇温(昇温速度約4K/s)し、773〜933Kまで加熱された段階で急速な反応を開始し、自己発熱により極めて短時間の内に溶融する。
この反応によって生成されるNiAlは溶融状態になるとともに、回転軸2とともに回転することによって遠心力が付加されて、上記反応によって生成されたAlと分離する。これは、Alが溶融金属間化合物NiAlよりも粘度が高く、密度が低く、さらに壁面との濡れ性が良いためAlがパイプ5bの内面に付着して両者が容易に分離されるためと推測される。
【0031】
この溶融NiAlのみが溶湯導入部9bを通して鋳型8のキャビティ9内に流入し、最初は接合面7aに衝突し、引き続き付加される遠心力によって溶融NiAlが接合面7aに押し付けられた状態になる。溶湯は遠心力およびNiAlの衝突作用によって鋳型キャビティに完全に充填される。これにより、精密な形状付与が可能になる。さらに、鋳型壁に溶湯が密着する結果、鋳型による冷却効果が向上するため、溶湯の成分によっては鋳造組織が微細かつ緻密になる効果も期待できる。
なお、この実施形態では、図3に示すように円盤状の基材7に、円柱形状の他部材17を接合したが、前述したように、基材およびこれに接合される他部材の形状は任意に選定可能であり、その数例を以下に示す。
【0032】
(実施形態2)
この実施形態では、図4に示すように基材20を円柱状のものとし、これを円筒状に形成した鋳型21内に内挿する。この結果、基材20の内周端面が接合面20aとなって鋳型21のキャビティ22に露出する。
これを実施形態1と同様にして他部材を鋳込むと、図5に示すように、円柱状の基材20に同断面の円柱状の他部材23が接合された部材を得ることができる。
【0033】
(実施形態3)
この実施形態では、図6に示すように基材30をパイプ形状とし、鋳型を円筒形状の外鋳型31aと円柱状の中子31bとで構成し、外鋳型31aの内壁面と中子31bの外壁面との間に形成される円筒状の空間をキャビティ32とし、該空間の一部に上記基材30を内挿する。この結果、基材30のパイプ端面である接合面30aはキャビティ32に露出しており、該キャビティ32に溶湯を導入して鋳込むと、図7に示すように、パイプ状の基材30に同じ孔形状のパイプ状他部材33が接合された部材が得られる。
【0034】
【実施例】
上記実施形態2で示された方法によって基材(ステンレス鋼)に他部材(NiAl)を接合し、その接合部の接合強度を確認するため、4点曲げ試験(JIS R1601)を行った。その結果、破断は常に金属間化合物(NiAl)側で起こり曲げ強度は780MPaであった。したがって接合強度は、少なくとも金属間化合物の曲げ強度(780MPa)より高いことが確認された。
また、比較のため、実施形態1の接合装置において当初からキャビティ内に他部材用材料を収容しておき、この材料を鋳型とともに回転させながら加熱溶融させ、これを凝固させた。この比較材については、基材と他部材とは接合されるに至らなかった。
すなわち、本発明法の採用によって接合強度が大幅に向上していることが明らかとなった。
【0035】
なお、上記各実施形態では、互いに異種の材料からなる基材と他部材とを接合する場合について説明したが、これらが同一の材料からなる場合にも本発明の適用が可能であることは勿論である。同一材料の接合においては、本発明の適用は、例えば一体成形が困難である成形品形状を得たい場合に好適であり、とりわけ一般に溶接の適用が困難である金属間化合物同士の接合に有効な手段を提供する。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明の接合方法によれば、基材と他部材とを接合する方法において、回転軸から径方向に離隔した位置に接合面を内周側に向けて前記基材を配置し、該基材の内周側に、基材の接合面が鋳型キャビティに露出し、かつ該接合面の周囲が封止されるように鋳型を配置するとともに、該鋳型の内周側端部に溶湯導入部を設け、該溶湯導入部の内周側に他部材用材料を配置し、これらを上記回転軸に従って回転させつつ前記他部材用材料を加熱溶融させ、溶融した他部材用材料を前記溶湯導入部を通して前記鋳型内に導入して鋳込むことによって前記基材と他部材とを接合するので、複雑な装置等を必要とすることなく異種の材料を強固に接合することが可能になる。
【0037】
なお、基材と他部材とが互いに異種の材料からなる場合には、異種の材料同士を確実に接合することができる。
また他部材用材料を前記加熱溶融において化学反応を生じて金属間化合物を生成するものとすれば、該反応によって生じる金属間化合物を他部材として異種材料の基材に容易かつ確実に接合することができる。
【0038】
また、本発明の接合装置によれば、回転駆動装置と、該駆動装置で回転駆動される回転軸と、該回転軸の外周側に位置する基材ホルダと、該基材ホルダに設置される基材の内周側に位置し、前記基材の接合面をキャビティに露出させるとともに基材接合面の周囲を封止する接合用開口部を外周側に有し、かつキャビティに溶湯を導入する溶湯導入部を内周側に有する鋳型と、該鋳型の内周側に位置する他部材用材料ホルダと、少なくとも上記基材接合面と鋳型キャビティと他部材用材料とを内部に収める気密な収容室と、前記他部材用材料を加熱溶融させる加熱手段とを有し、これら基材ホルダ、鋳型、他部材用材料ホルダ、収容室および加熱手段は上記回転軸と連動して回転するように構成されているので、簡易な構造で接合装置を構成することができるとともに、異種の材料を確実に接合することが可能になる。また、異種材料の接合を短時間の単一工程で行うことができ、従来法に比べて工程と時間とを大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の接合装置を示す一部断面図である。
【図2】 同じく基材と鋳型を示す拡大図である。
【図3】 同じく基材と他部材が接合された状態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の他の実施形態における基材と他部材を示す拡大図である。
【図5】 同じく基材と他部材が接合された状態を示す斜視図である。
【図6】 本発明のさらに他の実施形態における基材と他部材を示す拡大図である。
【図7】 同じく基材と他部材が接合された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 回転駆動装置
2 回転軸
5 収容室
7 基材
7a 接合面
8 鋳型
9 キャビティ
9a 接合用開口部
9b 溶湯導入部
10 圧粉体
11 温度測定器
12 電熱線コイル
16 外部交流電源
17 他部材
20 基材
20a 接合面
21 鋳型
22 キャビティ
23 他部材
30 基材
30a 接合面
31a 外鋳型
31b 中子
32 キャビティ
33 他部材

Claims (9)

  1. 基材と他部材とを接合する方法において、回転軸から径方向に離隔した位置に接合面を内周側に向けて前記基材を配置し、該基材の内周側に、基材の接合面が鋳型キャビティに露出し、かつ該接合面の周囲が封止されるように鋳型を配置するとともに、該鋳型の内周側端部に溶湯導入部を設け、該溶湯導入部の内周側に他部材用の材料を配置し、これらを上記回転軸に従って回転させつつ前記他部材用材料を加熱溶融させ、溶融した他部材用材料を前記溶湯導入部を通して前記鋳型内に導入して鋳込むことによって前記基材と部材とを接合することを特徴とする部材接合方法
  2. 前記他部材は、基材とは異種の材料からなることを特徴とする請求項1記載の部材接合方法
  3. 前記他部材が金属間化合物からなり、かつ他部材用材料は前記加熱溶融において化学反応を生じて該金属間化合物を生成するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の部材接合方法
  4. 他部材用材料はテルミット反応剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の部材接合方法
  5. 他部材用材料は原料粉末を加圧成形した圧粉体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の部材接合方法
  6. 前記基材の接合面と鋳型キャビティと他部材用材料とは、これらとともに回転する気密な収容室内に収められていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の部材接合方法
  7. 回転駆動装置と、該駆動装置で回転駆動される回転軸と、該回転軸の外周側に位置する基材ホルダと、該基材ホルダに設置される基材の内周側に位置し、前記基材の接合面をキャビティに露出させるとともに基材接合面の周囲を封止する接合用開口部を外周側に有し、かつキャビティに溶湯を導入する溶湯導入部を内周側に有する鋳型と、該鋳型の内周側に位置する他部材用材料ホルダと、少なくとも上記基材接合面と鋳型キャビティと他部材用材料とを内部に収める気密な収容室と、前記他部材用材料を加熱溶融させる加熱手段とを有し、これら基材ホルダ、鋳型、他部材用材料ホルダ、収容室および加熱手段は上記回転軸と連動して回転するように構成されていることを特徴とする部材接合装置
  8. 他部材用材料はテルミット反応剤を含むものであり、さらに加熱手段としてテルミット反応剤着火装置を有することを特徴とする請求7記載の部材接合装置
  9. テルミット反応により生成された副生成物が鋳型キャビティに移動するのを阻止する副生成物移動阻止手段を有することを特徴とする請求項7または8に記載の部材接合装置
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