JP3850111B2 - 半導体封止用樹脂組成物、その製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物、その製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体封止用エポキシ樹脂組成物の分野に属する。本発明は、半田リフロ−時にフレ−ムと封止材の剥離またはシリコン半導体と封止材の剥離が発生しない、すなわち半田耐熱性に優れた高性能の銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物とその硬化物、および半田耐熱性に優れた銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物の製造方法、および半田耐熱性に優れた銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物の硬化物により半導体が封止されてなる銅リ−ドフレ−ムを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体封止において、最近はプリント基板への部品実装では高密度化、自動化が進められており、従来のリ−ドピンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代り、基板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が取り入れられてきた。それに伴い、パッケ−ジも従来のDIP(デュアル・インライン・パッケ−ジ)から高密度実装、表面実装に適した薄型のTSOP(シン・スモ−ル・アウトライン・パッケ−ジ)やQFP(クワッド・フラット・パッケ−ジ)に移行しつつある。
【0003】
表面実装方式への移行に伴い、従来あまり問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になってきた。従来のピン挿入実装方式では半田付け工程はリ−ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装方式ではパッケ−ジ全体が加熱される。表面実装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、不活性液体の飽和蒸気や赤外線によって加熱する半田リフロ−法などが用いられるが、いずれの方法でもパッケ−ジ全体が210〜270℃の高温に加熱されることになる。
ここで、樹脂封止型パッケ−ジについて説明する。以下、樹脂組成物とは成形前の樹脂組成物を、封止材とは成形後の成形物を意味する。上記の理由により、従来からの樹脂封止型パッケ−ジは半田付け時にクラックが発生し、信頼性が低下して製品として使用できないという問題がおきていた。樹脂封止型パッケ−ジの実装工程におけるクラックの発生は、成形してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨脹することに起因するといわれており、その対策として封止材の低吸水化が望まれている。
【0004】
一方、上記のパッケ−ジ部品の高密度実装化と関連して、半導体自身の高集積化、高速作動化に伴い個々のパッケ−ジの消費電力が増大している。高消費電力化に対しては熱放散性が優れたパッケ−ジ材料が要求され、リ−ドフレ−ム材では従来の42アロイ(鉄/ニッケル合金)に代わり熱伝導性が優れた銅の使用が表面実装分野においても試みられている。しかしながら銅の場合、封止材の密着性が低下し、このようなフレ−ムを用いたパッケ−ジでは実装工程である半田付け工程で、フレ−ムと封止材との界面が剥離して半導体装置の信頼性が低下するという問題点があった。高半田耐熱性を得るために、前記の低吸水化に加えて封止材とリ−ドフレ−ムとの界面が剥離しないような高密着性を有する高信頼性の封止材が強く望まれている。
【0005】
樹脂封止型の半導体封止用樹脂としてはエポキシ樹脂系が一般的である。その理由として、エポキシ樹脂組成物の硬化物は耐熱性、耐湿性、電気特性、接着性などに優れ、さらに配合処方により種々の特性が付与できるためである。半導体封止用のエポキシ樹脂組成物の主成分としてはエポキシ樹脂、フェノ−ル系硬化剤、硬化促進剤および無機充填剤からなるものが一般的である。
【0006】
銅リ−ドフレ−ム用でかつ表面実装用として適用するためのエポキシ樹脂系半導体封止用樹脂組成物として、線膨脹係数が大きい結晶シリカを用い封止材の線膨張係数を12〜20(×10-6/℃)程度に大きくして銅フレ−ムとの線膨脹係数の差を小さくすることにより、熱応力による影響を少なくする方法が提案されている(特開平7−206983号公報、特開平7−273251号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の提案のように封止材の線膨張係数を大きくすると封止材とシリコン半導体素子表面との剥離が生じやすくなり信頼性が低下するという問題がある。また、上記の提案で別の問題点は結晶シリカは本質的に球状のものが入手できないことであり、封止材の吸水率を下げるために結晶シリカの充填量を増そうとすると、溶融粘度が上昇して成形時の流動性が低下する。そのため、適度な流動性を得ようとすると樹脂成分を増さざるをえないために、また封止材の吸水率が増して、結局、封止材の半田耐熱性が低下するという欠点があった。
【0008】
本発明の目的は、半田付け時にフレ−ムと封止材の剥離またはシリコン半導体と封止材の剥離が発生しない、すなわち半田耐熱性に優れた高性能の銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物およびその製造方法ならびに半導体装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、無機充填材(D)とを必須成分とする半導体封止用樹脂組成物であって、前記硬化剤(B)が下記一般式( II )で示されるアリ−ルアラルキル樹脂を必須成分として含有し、前記硬化促進剤(C)が下記一般式(I)で示されるアザビシクロ化合物を必須成分として含有し、該半導体封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が110℃以上であり、該半導体封止用樹脂組成物の硬化物の線膨脹係数が、45〜55℃における平均で11×10 −6 /℃以下であることを特徴とする銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物。
【化4】
Figure 0003850111
(ただし、Ar はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する1価の芳香族基を表し、Ar はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する2価の芳香族基を表す。また、Ar 、Ar およびフェニレン基は有機基またはハロゲン原子によって置換されていてもよい。mは0以上の整数を表す。)
【0010】
【化2】
Figure 0003850111
(ただし、nは2〜10の整数を表す。また、環のメチレン基の炭素原子または水素原子が部分的に他の原子または他の置換基で置換されていてもよい。)」
からなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明において「重量」とは 「質量」を意味する。
【0012】
本発明においては、硬化促進剤(C)として一般式(I)で示されるアザビシクロ化合物を必須成分として用いる。硬化促進剤(C)としてのアザビシクロ化合物を配合することによって、流動性が向上し、無機充填材(D)の充填率を十分に高めることが可能である。この結果、低吸水性と低線膨脹性および良好な流動性が達成できて、半田耐熱性と作業性のバランスが優れた封止材組成物が得られる。
【0013】
本発明で用いられる硬化促進剤(C)としてのアザビシクロ化合物の例としては原料の入手のしやすさや合成の容易さの点から前記一般式(I)においてnが3〜5が一般的である。具体例として、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUと略記、式III )、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(式IV)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ(4,4,0)デセン−5(式V )およびDBUのジメチルアミノ誘導体(式VI)などが挙げられる。
【0014】
【化3】
Figure 0003850111
本発明で用いられる硬化促進剤(C)としてのアザビシクロ化合物は室温で液体の塩基性化合物であり、そのまま封止材組成物に添加するとアザビシクロ化合物が偏るため、封止材の物性が悪化する場合がある。そのため、一般的には封止材の硬化剤に用いられるフェノ−ル系樹脂と予め混合させるのが好ましい。フェノ−ル系樹脂としては特に限定されないが、好ましくは下記一般式(II)で示されるアリ−ルアラルキル樹脂を用いることで、より本発明の目的を達成するのに好都合である。
【0015】
【化4】
Figure 0003850111
(ただし、Ar1はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する1価の芳香族基を表し、Ar2はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する2価の芳香族基を表す。また、Ar1、Ar2およびフェニレン基は有機基またはハロゲン原子によって置換されていてもよい。mは0以上の整数を表す。)
液状のアザビシクロ化合物をフェノ−ル系樹脂に均一に混合すると、酸・塩基反応により付加塩を形成して室温で固体となりハンドリングが容易となる。また、得られた付加塩は成形時にアザビシクロ化合物とフェノ−ル系樹脂に解離してエポキシ樹脂の硬化促進剤と硬化剤の各々の役割を果たす。上記の付加塩の製造方法として、例えば両者を酢酸エチルなどの溶媒に溶かしてから混合させる方法、またはフェノ−ル系樹脂を100〜170℃で融解させておいてアザビシクロ化合物を滴下する方法などが挙げられる。
【0016】
一般式(II)で示されるアリ−ルアラルキル樹脂として好ましい具体例としては、フェノ−ルアラルキル樹脂(式VII )、α−ナフト−ルアラルキル樹脂(式VIII)、ビフェニル(4,4´体)含有フェノ−ルアラルキル樹脂(式IX)、オルソクレゾ−ルアラルキル樹脂、β−ナフト−ルアラルキル樹脂などが挙げられる。
【0017】
【化5】
Figure 0003850111
一般式(II)で示されるアリ−ルアラルキル樹脂の重合度としては、一般式 (II)におけるmが0〜20の範囲を主として有するものが好ましく用いられる。重合度の指標として、150℃の溶融粘度が0.3〜50ポイズのものが好ましく用いられる。軟化点としては、軟化温度が50〜110℃の範囲のもの、さらに60〜90℃のものが好ましい。また、水酸基当量が130〜250のものが好ましく用いられる。
【0018】
本発明で用いられる硬化促進剤(C)には、本発明の効果を損なわない範囲で他の硬化促進材を1種類以上併用しても構わない。他の硬化促進剤として例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボロン塩などのホスフィン化合物、2−メチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾ−ル、2−ヘプタデシルイミダゾ−ルなどのイミダゾ−ル化合物およびそれらの酸付加塩、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルアミンなどの3級アミン化合物およびそれらの酸付加塩などが挙げられる。
【0019】
本発明において、硬化促進剤(C)の配合量は通常エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部であり、エポキシ樹脂や硬化剤の反応性に応じて適宜調整される。
【0020】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を有する化合物であれば任意であるが、芳香族性ヒドロキシル基をグリシジルエ−テルに転化したエポキシ樹脂(a)が好ましく用いられる。
【0021】
エポキシ樹脂(a)の具体例としては、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´5,5´−テトラメチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´5,5´−テトラエチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´5,5´−テトラメチル−2−クロロビフェニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンなどのナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラックエポキシ樹脂、フェノ−ルノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノ−ルA骨格含有ノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、フェノ−ルアラルキルエポキシ樹脂、ナフト−ルアラルキルエポキシ樹脂などのアリ−ルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルメタンなどの多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0022】
エポキシ樹脂の配合量としては、樹脂組成物全体に対して2〜20重量%の範囲が好ましい。
【0023】
本発明における硬化剤(B)は、エポキシ樹脂と反応する化合物であれば任意であるが、硬化物とした場合に吸水率が低い化合物として分子中にヒドロキシル基を有するフェノ−ル化合物(b)が好ましく用いられる。フェノ−ル化合物 (b)の具体例としては、フェノ−ルノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂、ナフト−ルノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノ−ルの縮合化合物、ジシクロペンタジエン変性フェノ−ル樹脂、フェノ−ルアラルキル樹脂、ナフト−ルアラルキル樹脂、カテコ−ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロ−ル、フロログルシノ−ルなどが挙げられる。フェノ−ル化合物の配合量としては、2〜20重量%の範囲が好ましい。
【0024】
本発明では、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合当量比(エポキシ基に対するヒドロキシル基のモル比)は通常、0.6〜1.3であるが好ましくは0.7〜1.1である。
【0025】
本発明の半導体封止用樹脂組成物において、無機充填材(C)が配合される。無機充填材(C)の配合量としては、75〜95重量%が好ましい。本発明において、線膨脹係数を小さくするために無機充填材(C)の配合量を多くすることは好ましいが、配合量が多いと流動性が悪くなるため好ましくない。また、少なくなると樹脂成分が増えることになり、結果として吸水率が増えて半田耐熱性が低下するため好ましくない。さらに好ましい配合量の範囲は85重量%〜91重量%である。無機充填材(C)として例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、硫酸カルシウム、窒化アルミニウムなどが挙げられる。無機充填材(C)の形状としては球状や破砕状など任意であるが、流動性を良好に維持したまま高い充填率を得ようとすると球状が好ましい。これらの無機充填材(C)はエポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、ウレイドシランなどのシランカップリング剤で表面処理して用いると耐湿信頼性向上の点で好ましい。
【0026】
表面実装用として信頼性が優れた銅リ−ドフレ−ム用の封止材を得るためには、封止材とシリコンチップに代表される半導体素子との線膨脹係数が開き過ぎないようにするのが重要と考えられ、封止材のガラス転移温度(Tg)以下で、具体的温度としては45〜55℃における平均の線膨脹係数を11×10-6/℃以下にすることが好ましい。本発明のアザビシクロ化合物を使用することによって、無機充填材(D)の割合を高めて封止材の低線膨脹係数化と低吸水化を達成させながら、その際の流動性も良好に維持させることができる。ここで、本発明の効果を得るための好ましい線膨脹係数の範囲としては、上記の温度で5〜11(×10-6/℃)であるが、さらに好ましくは6〜10(×10-6/℃)である。
【0027】
上述に加えて、封止材とフレ−ムとの接着強度を向上させると本発明の効果をさらに高めることができる。半導体をワイヤボンディングする温度(200〜250℃)では銅フレ−ムも同温度でさらされることになり、銅表面では好ましからぬ酸化が起こり、従来のものでは、フレ−ムに対する封止材の接着力が低下する。実際にワイヤボンディングの温度では、数分で銅表面の酸化膜厚みが1.0〜1.2(×10-7m)となり、時間の経過とともにさらに酸化膜厚みが増して接着力が低下する。酸化膜が1.0〜1.2(×10-7m)以上において十分な半田耐熱性を得ようとすると、硬化後の樹脂組成物の室温での接着力は3MPa以上であることが好ましく、少ないと十分な半田耐熱性が得られない。思いがけないことに、硬化促進剤(C)としてアザビシクロ化合物を用いると銅表面の酸化膜厚みが1.0〜1.2(×10-7m)でも半田耐熱性を満足する接着力が達成可能となる。その理由は、アザビシクロ化合物が銅表面での樹脂組成物の濡れ性を向上させるためと思われる。
【0028】
本発明の半導体封止用樹脂組成物に配合する他の添加剤としては任意であるが、例えばシリコ−ンゴム、ブタジエンゴム、変性ニトリルゴム、変性シリコ−ンゴムなどのゴム成分、パラフィンワックス、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸の各種金属塩、変性シリコ−ンオイルなどの離型剤、ハロゲン化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、リン化合物などの難燃剤、三酸化アンチモン、四酸化アンチモンなどの難燃助剤、カ−ボンブラックなどの着色剤、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0029】
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、上記配合物を溶融混合して製造することが好ましく、その溶融温度としては80〜150℃の範囲が好ましく使用される。装置としては、例えばニ−ダ−、ロ−ル、単軸もしくは二軸の押し出し機またはコニ−ダ−などの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造される。 本発明の半導体封止用樹脂組成物は通常、粉末またはタブレット状態から、成形によって、半導体封止に供される。半導体素子を銅リ−ドフレ−ム上に固定した部材を半導体封止用樹脂組成物により成形する方法としては、低圧トランスファ−成形法が一般的であるがインジェクション成形法や圧縮成形法も可能である。成形条件としては、例えば封止材組成物を成形温度150〜200℃、圧力5〜15MPa、成形時間30〜300秒で成形し、封止用樹脂組成物の硬化物とすることによって半導体装置が製造される。また、必要に応じて上記成形物を100〜200℃で2〜15時間、追加加熱処理も行われる。
【0030】
【実施例】
DBU付加塩の調製例
本発明で用いる硬化促進剤(C)として、DBUを付加塩として用いる場合の調製例を以下に示す。
【0031】
2リットルのステンレス容器に、化学構造が(VII )で、150℃の溶融粘度が2.3ポイズのフェノ−ルアラルキル樹脂552gを入れ、140℃で溶融させた。次に、溶融させたフェノ−ルアラルキル樹脂をよく攪拌しながら、DBU48gを15分かけて滴下した。冷却後、粉砕・分級して36メッシュパス品を硬化促進剤(C)として用いた。なお、得られた付加塩について示差熱走査型熱量計(DSC)で軟化点を測定し、原料のフェノ−ルアラルキル樹脂と比較して軟化点が17℃高くなったことから付加塩生成を確認した。
【0032】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサ−によりドライブレンドした。これを、ロ−ル表面温度90℃のミキシングロ−ルを用いて5分間加熱混練後、冷却・粉砕して半導体封止用樹脂組成物を製造した。なお、実施例1〜3の硬化促進剤(C)は上記方法で得られたDBUの付加塩を用い、実施例4と5はDBUをシランカップリング剤に混合して添加した。
【0033】
この組成物を用いて、低圧トランスファ−成形法により175℃×2分の条件(成形条件(a))で成形して下記に示すような物性測定用の成形サンプルおよび半導体装置を得た。また、以下の方法により各組成物の物性を測定してその結果を表3に示した。
【0034】
半田耐熱性試験:160pinQFPデバイス(フレ−ム材質:銅含量99重量%の銅材、チップサイズ:10.4mm×10.4mm×0.5mm厚み、チップ表面:チッカ膜、パッケ−ジサイズ:28mm×28mm×3.3mm厚み)を用いた。銀粉入りエポキシ樹脂系接着剤で上記チップをリ−ドフレ−ムに固定後、銅表面の酸化膜が1.0〜1.2(×10-7m)になるように250℃の熱板上で加熱した(加熱条件(a))。上記チップ付きリ−ドフレ−ムを用いて、各々の封止用樹脂組成物により成形条件(a)で成形後、175℃、12時間追加加熱した。評価用封止材組成物1水準あたりテスト用デバイス8個を85℃、85%RHの条件で120時間加湿した後、245℃に加熱されたIR(赤外線)リフロ−炉に245℃、10秒の条件で通した。各々のデバイスについて超音波探傷機によりリ−ドフレ−ムのダイパッド裏面およびチップ表面の剥離状態を観察した。8個のデバイスのダイパッド裏面総剥離面積をダイパッド裏面総面積で除した値をダイパッド裏面剥離面積(%)とした。同様に、チップ表面の総剥離面積をチップ表面の総面積で除した値をチップ表面の剥離面積(%)とした。なお、銅表面の酸化膜厚みの測定は二次イオン質量分析法(SIMS)によった。ダイパッド裏面剥離は、銅リ−ドフレ−ムによる影響が顕著に表れる特性である。
【0035】
線膨脹係数とTg:12.6×6.4×126の試験片を成形条件(a)で成形後、175℃、12時間追加加熱した。次に、6.4×5.7×12.6に切断して熱機械分析装置(TMA)にて25℃から280℃まで1分間に10℃の速度で昇温して、試験片の線膨脹係数を測定した。Tgは50℃と250℃各々での接線の交点とした。Tg以下の線膨脹係数値は45〜55℃の範囲での線膨脹係数の平均値とした。
【0036】
接着強度:8.7×28.4×0.15mm(厚み)の銅材(上記半田評価用フレ−ムと同じ材質)に加熱条件(a)で酸化膜を形成させ、酸化膜厚みが1.0〜1.2(×10-7m)のものを接着評価用試験片とした。この試験片1枚に、底面(フレ−ムとの接着面)2×2mm、上面1.8×1.8mm、高さ2.1mmの角すい台1個の割合で成形条件(a)で成形後、175℃、12時間追加加熱した。次に室温下、引っ張り速度が1分間に1mmの条件でフレ−ム上の角すい台の底面から0.2mmの位置にせん断力をかけて、せん断接着強度を測定した。角すい台がフレ−ムから剥がされるまでの最大強度を底面積で除して接着強度値(単位;MPa)を求めた。評価用封止材組成物1水準につき6個のデ−タを採取して、その平均値を接着強度値とした。
【0037】
【表1】
Figure 0003850111
【表2】
Figure 0003850111
【表3】
Figure 0003850111
表3にみられるように、本発明の半導体封止用樹脂組成物は比較例の組成物に比べて、銅リ−ドフレ−ムを用いたパッケ−ジでのIRリフロ−後のダイパッド裏面剥離率が低く、半田耐熱性に優れている。すなわち、本発明の半導体封止用樹脂組成物は銅リ−ドフレ−ムを用いた半導体装置を封止する場合に最適である。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、アザビシクロ化合物をエポキシ樹脂用硬化促進剤として用いたことを特徴とする封止用樹脂組成物であり、良好な流動性を維持しながら銅リ−ドフレ−ムへの高い接着性、低吸水性および低線膨脹率を達成できるため、銅リ−ドフレ−ム用でかつ表面実装用の半導体封止用樹脂組成物として有用である。また、その封止用樹脂組成物を用いて封止した銅リ−ドフレ−ムからなる半導体装置は半導体動作において高い信頼性を有する。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)および無機充填材(D)を必須成分とする半導体封止用樹脂組成物において、前記硬化剤(B)が下記一般式( II )で示されるアリ−ルアラルキル樹脂を必須成分として含有し、前記硬化促進剤(C)が下記一般式(I)で示されるアザビシクロ化合物を必須成分として含有し、該半導体封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が110℃以上であり、該半導体封止用樹脂組成物の硬化物の線膨脹係数が、45〜55℃における平均で11×10 −6 /℃以下であることを特徴とする銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物。
    Figure 0003850111
    (ただし、Ar はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する1価の芳香族基を表し、Ar はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する2価の芳香族基を表す。また、Ar 、Ar およびフェニレン基は有機基またはハロゲン原子によって置換されていてもよい。mは0以上の整数を表す。)
    Figure 0003850111
    (ただし、nは2〜10の整数を表す。また、環のメチレン基の炭素原子または水素原子が部分的に他の原子または他の置換基で置換されていてもよい。
  2. 表面の酸化銅の厚みが1.0〜1.2(×10−7m)の銅を被着体とした場合の、硬化後の樹脂組成物の接着強度が3MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物。
  3. 硬化促進剤(C)としてのアザビシクロ化合物をフェノ−ル系樹脂と反応させて付加塩とする工程、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、前記付加塩および無機充填材(D)を混合する工程を有することを特徴とする請求項1または2記載の銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1または2の銅リ−ドフレ−ム用の半導体封止用樹脂組成物の硬化物により銅リ−ドフレ−ム上で半導体素子が封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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