JP3849405B2 - 圧電振動子ユニット、及び、それを備えたインクジェット式記録ヘッド - Google Patents

圧電振動子ユニット、及び、それを備えたインクジェット式記録ヘッド Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電体と電極を交互に積層した圧電振動子を複数列設した圧電振動子群と、この圧電振動子群を支持する固定部とを備えた圧電振動子ユニット、及び、この圧電振動子ユニットを備えたインクジェット式記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電振動子として、圧電体や電極の積層方向に対して垂直な方向に変位を起こすd31モードのものが知られており、このd31モードの圧電振動子を備えた圧電振動子ユニットを用いて構成されたインクジェット式の記録ヘッドがある。
【0003】
上記の圧電振動子ユニットは、例えば次の手順で製造されている。まず、共通内部電極と個別内部電極とを圧電体を挟んで交互に積層して板状の積層体を製作し、この積層体の表面に共通外部電極となる電極層と個別内部電極となる電極層とを形成して共通内部電極と個別内部電極とにそれぞれ導通させる。その後、外部電極を形成した積層体の基端側を金属製の固定板に接合し、ワイヤーソーやダイシングソー等を用いて積層体を極めて細いニードル状に切り分ける。これにより、複数の圧電振動子が列設された圧電振動子ユニットを得る。
次に、この圧電振動子ユニットを樹脂製ケースの収容空部内に収容し、圧力室の隔壁の一部を構成する振動板に圧電振動子の先端面を接合すると共に、固定板をケースの内壁面に接合する。そして、この取り付け作業は、比較的に高い温度、例えば60℃前後の比較的高温な環境で行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電振動子の線膨張率とケースの線膨張率とには差があり、ケースの線膨張率の方が大きい。例えば、圧電振動子を構成する圧電体の線膨張率は5×10−6程度であり、ケースの線膨張率は10×10−6〜15×10−6である。そして、圧電振動子ユニットのケース内における位置決めは高温の下で行われているので、常温下では、ケースの方が大きく収縮して圧電振動子の先端がケースの外側、つまり、振動板側に突出したような状態になってしまう。この突出により、圧電振動子が定常状態であるにも拘わらず、振動板が押された状態、即ち、テンションがかかった状態になってしまう。その結果、振動板の振動特性が変化し、圧力室内におけるインクの流れの特性が設計値からずれ、画質低下の一因となる。さらに、圧電振動子の突出度合いは温度が低くなるほど大きくなるので、温度環境の変化によって振動板の振動特性、ひいては、インク滴の吐出特性が変化してしまうという問題もある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、温度環境の変化があっても、適正な振動特性が得られる圧電振動子ユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、圧電体と電極を交互に積層して構成され積層方向とは直交する方向に伸縮可能な圧電振動子を複数列設した圧電振動子群と、各圧電振動子の基端部分を支持する固定部とを備えた圧電振動子ユニットにおいて、
前記圧電振動子群と固定部とを共通の材料によって一体に形成すると共に、圧電振動子の自由端部分と固定部とを互いに縁を切った状態で配置し、
前記圧電振動子は共通電極と個別電極とを重ね合わせた活性領域を備え、
前記固定部を、圧電体と電極を交互に積層した積層体によって構成すると共に、固定部における前記活性領域に対応する部分に、共通電極と個別電極とを重ね合わせた固定部側活性領域を形成し、
前記圧電振動子の先端面と固定部の先端面とを同一面上に揃えたことを特徴とする圧電振動子ユニットである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記活性領域と固定部側活性領域が分極処理されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子ユニットである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記固定部には、先端が固定部先端面に露出するとともに基端が基端面に露出した一連の内部連結電極を形成したことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子ユニットである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、圧電体と電極とを積層して直方体状のブロック体を作製し、該ブロック体の先端面から基端面側に向けて途中まで溝部を形成することで前記自由端部分になる部分と固定部との縁を切ったことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の圧電振動子ユニットである。
ここで、「直方体状」とは、直方体の形状に加えて立方体の形状をも含む概念である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記溝部の幅が、前記自由端部分になる部分の積層方向の厚さよりも狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電振動子ユニットである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記溝部の幅が0.05mmから0.5mmの範囲内であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の圧電振動子ユニットである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記圧電振動子群は、インク滴の吐出に関与しないダミー振動子を備え、該ダミー振動子を振動子列設方向の両端部に配置したことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の圧電振動子ユニットである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記固定部の幅を、圧電振動子群の一方の端部に配置されたダミー振動子の外縁から他方の端部に配置されたダミー振動子の外縁までの距離に揃えたことを特徴とする請求項7に記載の圧電振動子ユニットである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記固定部の厚さを、圧電振動子群の厚さよりも厚く設定したことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の圧電振動子ユニットである。
【0018】
請求項10に記載の発明は、前記固定部の一側に第1の圧電振動子群を設け、固定部の他側に第2の圧電振動子群を設けたことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の圧電振動子ユニットである。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項3から請求項10の何れかに記載の圧電振動子ユニットと、圧電振動子の先端面が接合されて該圧電振動子の伸縮によって変位する導電性の振動板とを備え、
共通内部電極と個別内部電極の何れか一方の先端を圧電振動子の先端面に露出させると共に、他方の内部電極の基端を圧電振動子の基端面に露出させ、
固定部の先端を振動板に接合することで前記一方の内部電極と内部連結電極とを振動板を通じて導通させ、
圧電振動子の基端面と固定部の基端面とを、圧電振動子に給電するための接点部としたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、前記振動板は、圧力室に対応する部分に圧電振動子の先端面が接合される導電性の島部を備え、
該島部を固定部側に延設して固定部の先端面と島部の一部とを接合し、該島部を通じて一方の内部電極と内部連結電極とを導通させたことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0021】
請求項13に記載の発明は、前記島部における圧電振動子の接合部と固定部の接合部との間に、肉厚を前記接合部よりも薄くした薄島部を設けたことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態のインクジェット式記録ヘッドの構成を示す断面図である。
【0023】
この記録ヘッド1は、ケース2の先端面に流路ユニット3を接合している。そして、ケース2内の収容室5に収容固定した圧電振動子ユニット4によって流路ユニット3内の圧力室12…に圧力変動を生じさせて、ノズル開口10…からインク滴を吐出する構成である。
【0024】
ケース2は、圧電振動子ユニット4を収容する収容室5が内部に形成された箱状体であり、例えばエポキシ系の樹脂材によって成型してある。この収容室5は、流路ユニット3との接合面側の開口から反対面まで連なっている。
【0025】
流路ユニット3は、スペーサ7の一方の面にノズルプレート8を、そしてスペーサ7の他方の面に振動板9を接合した構成である。
【0026】
ノズルプレート8は、ドット形成密度に対応した所定ピッチで複数のノズル開口10…を列状に設けた薄板部材であり、例えばステンレス板により構成してある。スペーサ7は、シリコンウエハー等から形成し、これをエッチング加工することにより所定パターンに区画して、各ノズル開口10と連通した複数の圧力室12…、インクを貯留する共通のリザーバ11、リザーバ11から各圧力室12へ繋がる複数のインク供給路13…等となる隔壁を適宜に形成する。なお、リザーバ11には、インク供給管6と接続させる接続口を設け、この接続口を通じてインクをリザーバ11へ供給する。
【0027】
振動板9は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の弾性を有する薄板14にステンレス板15を張り合わせた二重構造を採り、各圧力室12に対応する部分はステンレス板15側を環状にエッチング加工して環内に、駆動振動子29の先端面42が接合するブロック形状の島部16を形成する。
この島部16は、各圧力室12に対応させて、つまりノズル開口10…の形成ピッチに対応させて設けている。そして、ノズル開口10…の形成方向には狭い幅とし、この形成方向とは直交する方向に延びたブロック形状に形成してある。
【0028】
圧電振動子ユニット4は、圧電振動子群21と固定部22とにより概略構成されており、これらの圧電振動子群21と固定部22とを共通の材料によって一体に形成している。
【0029】
圧電振動子群21は、図2に示すように、インク滴の吐出に関与し得る駆動振動子29…(本願発明における圧電振動子に相当)と、インク滴の吐出に関与しないダミー振動子28,28とからなる。ダミー振動子28,28は振動子列設方向の両端部に1本ずつ形成されており、これらのダミー振動子28,28の間には複数(例えば96本)の駆動振動子29…が各圧力室12…に対応した所定ピッチで配置されている。そして、ダミー振動子28の列設方向側の幅は、駆動振動子29の幅よりも広く設けられている。
【0030】
次に、駆動振動子29及びダミー振動子28について詳細に説明する。本実施形態におけるダミー振動子28は、その幅が駆動振動子29の幅よりも広い点が相違するが、その他の構成は駆動振動子29と同様である。例えば、駆動振動子29の幅が、50μm〜100μm程度の極めて細い幅であるのに対し、ダミー振動子28は0.5mm〜2mm程度の幅とされる。このため、以下の説明は駆動振動子29についてのみ行うことにするが、その説明はダミー振動子28にも当てはまる。なお、ダミー振動子28には、駆動パルスを供給しないように制御することで、インク滴の吐出に関与させないようにしている。
【0031】
駆動振動子29は、側面が固定部22に対して一体に接合された固定端部21b(本発明の基端部分に相当)と、固定端部21bから前方に向けて延出形成した自由端部分21aとを備える。この駆動振動子29は、個別内部電極33と共通内部電極32とを圧電体31を挟んで交互に積層することで構成されており、個別内部電極33と共通内部電極32の電位差による電界が圧電体31に作用することで積層方向とは直交する方向に伸縮するいわゆるd31モードの圧電振動子である。そして、個別内部電極33や共通内部電極32などの電極層は、銀−パラジウムなどの良電導性の金属材料により形成されており、圧電体31はチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料により形成される。
【0032】
上記の共通内部電極32は、自由端部分21aと固定端部分21bとの境界から自由端部分21a側に向けて一連に形成してあり、その先端は駆動振動子29の先端面42で線状に露出している。一方、個別内部電極33は、固定端部分21b側の端面(基端面)43から先端面42の少し手前まで一連に形成してあり、その基端は基端面43で線状に露出している。また、上記の共通内部電極32…と個別内部電極33…とは自由端部分21a内でオーバーラップ(重畳)しており、このオーバーラップ領域の範囲内で圧電体31を変形させ得る電界が生じる。従って、このオーバーラップ領域が駆動振動子29を伸縮させるための活性領域Lとなり、自由端部分21aが振動子長手方向に伸縮する。
【0033】
また、駆動振動子29における固定部22とは反対側の側面にはケーブル接合部30を形成してあり、この部分で各電極32,33へ電位を与えるためのフレキシブルケーブル24(配線部材の一種)と接続させる。このため、駆動振動子29における先端面42と接点部側の側面との二面には、共通内部電極32と導通した共通外部電極52を一連に形成してあり、駆動振動子29における基端面と接点部側の側面との二面には個別内部電極33と導通した個別外部電極53を一連に形成してある。
【0034】
次に、固定部22について説明する。本実施形態における固定部22は、圧電体31と同じ圧電材料の素材によって形成されており、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛などが用いられる。この固定部22は、単一の圧電体層で構成してもよく、圧電体シートを複数積層することで構成してもよい。
【0035】
この固定部22は、固定部本体22aと連結部22bとから構成される。固定部本体22aの長さは駆動振動子29やダミー振動子28の長さと同じであり、固定部本体22aの先端面と各振動子28,29の先端面42とは同一面上に揃えられた状態で形成される。また、固定部本体22aの幅は、一方のダミー振動子28の振動子列設方向の外縁から他方のダミー振動子28の外縁までの距離に揃えられている。固定部本体22aの厚さは、振動子群21を支持するために十分な厚さとされ、振動子群21の厚さ(つまり、振動子28,29の積層方向の厚さ)よりも厚いことが要求される。具体的には、1mm〜数mmの厚みに設定される。さらに、固定部本体22aの先端面は、各振動子28,29の先端面42と同様に電極層で覆われており、振動板9との固着面部25とされる。
【0036】
連結部22bは、振動子28,29の固定端部分21bに対して一体に形成される部分であり、固定部本体22aにおける振動子側表面の基端側部分(例えば、振動子長手方向の中央から基端までの部分)に、固定部本体22aの表面よりも一段高く、この表面よりも例えば0.05mm〜0.5mm程度高い段差状突部によって構成されている。
このため、各振動子28,29の固定端部分21bと連結部22bとを接合すると、自由端部分21aは固定部本体22aの表面とは連結部22bの厚さ分だけ離隔して配置される。従って、振動子の自由端部分21aと固定部22とは互いに縁を切った状態で配置される。
【0037】
この圧電振動子ユニット4は、ケース2の収容室5内に対して圧電振動子群21の先端が開口から臨む姿勢で挿入され、固定部22を収容室5の内壁へ固着させることにより収容する。そして、圧電振動子ユニット4とケース2との接着は、例えば、60℃前後の比較的高温な環境で行う。
この収容状態では、各駆動振動子29の先端面42を振動板9の対応する島部16に接着剤により固着させ、固定部22の固着面部25を振動板9の対応部所へ接着する。このとき、振動子28,29の先端面42と固定部22の固着面部25とが同一平面上に位置するので、組み付け性が向上し、圧電振動子ユニット4をケース2内の所定位置に容易に組み付けることができる。
また、この構成では、従来、ダミー振動子28の外縁部分を使用していた振動子先端と振動板9の島部16との位置合わせを、固定部本体22aの幅方向の形状、つまり外縁部分を使用して行うことができる。この固定部本体22aは、ダミー振動子28よりも剛性が高いため、位置決め精度を高めることができる。
【0038】
ここで、圧電振動子群21と固定部22とを同じ圧電材料によって一体に形成しているので、圧電振動子群21と固定部22の線膨張係率は同じであり、温度変化が生じても同じように膨張したり収縮したりする。さらに、各振動子28,29の先端面42と固定部先端の固着面部25とを同一面上に揃えているので、組付時の温度から常温に温度が下がったとしても、組み付け時の位置関係を維持できて各振動子28,29の先端面42と固定部22の固着面部25の位置を揃えることができる。そして、固定部22はケース2の内壁面に接合されているので、固定部22によってケース2の収縮を抑制することができる。
このため、ケース2の方が大きく収縮して振動子28,29の先端がケース2の外側、つまり、振動板9側に突出したような状態になってしまうことを防止することができる。
【0039】
各駆動振動子29は、上記したようにd31モードで動作し、対向する電極間に電位差を与えると、活性領域Lの部分が積層方向と直交する素子長手方向に伸縮し、圧力室12を区画する振動板9を変位させる。即ち、この記録ヘッド1では、駆動振動子29を素子長手方向に伸長させることにより島部16がノズルプレート8側へ押され、島部16を囲む薄肉の弾性部17が変位して圧力室12が収縮する。また、駆動振動子29を素子長手方向に縮小させると、弾性部17の変位により圧力室12が膨張する。そして、この圧力室12の膨張、収縮により圧力室12内のインクに圧力変動が生じ、ノズル開口10からインク滴が吐出する。
【0040】
そして、駆動振動子29の伸縮は、フレキシブルケーブル24を介して個別外部電極53や個別内部電極33に駆動パルスを供給することによりなされる。ここで、ノズル開口10からインク滴を吐出させるには、駆動振動子29に対して選択的に駆動パルスを印加し、例えば圧力室12を一旦膨張させてから収縮させる。圧力室12の膨張に伴ってリザーバ11内のインクが圧力室12に流入し、圧力室12の収縮に伴って圧力室12内のインクの圧力が高まる。これによりインクがノズル開口10から押し出され、インク滴を吐出できる。
【0041】
この吐出時において、駆動振動子29が過剰な突出が防止されているので、振動板9のテンションが設計上の許容範囲内に収まる。このため、振動子28,29が定常状態であるにも拘わらず、振動板9に過剰なテンションがかかることを防止でき、振動板9の振動特性の変化や圧力室12内におけるインクの流れの特性の変化を防止できる。その結果、使用環境の温度変化に起因する画質の劣化を防止できる。
【0042】
次に、図3を参照して、圧電振動子ユニット4の製造方法について説明する。本実施形態では、最初に、図3(A)に示す直方体状のブロック体20を製作する。
このブロック体20を作製するにあたり、まず基体を作製する。ここでは、例えば、圧電振動子群21となる部分については、内部共通電極32となる電極層と内部個別電極33となる電極層とで圧電体31となる圧電体層(焼成前のシート状成形体、いわゆるグリーンシート)を挟んで交互に積層する。そして、固定部22となる部分については、薄手の圧電体層を複数積層して構成しても良いし、厚手の圧電体層による単一層で構成しても良い。
電極層と圧電体層とを積層してブロック状の基体を作製したならば、この基体の表面に外部電極52,53、及び固着面部25となる電極層をスパッタ等により形成する。例えば、振動子先端面42となる基体表面からケーブル接合部30側の表面に亘って共通外部電極52や固着面部25となる電極層を形成し、振動子基端面となる基体表面からケーブル接合部30側の表面に亘って個別外部電極となる電極層を形成する。
基体の表面に電極層を形成したならば、電極層を形成した後の基体を焼成してブロック体20を得る。
【0043】
ブロック体20を作製したならば、連結部22bを残すようにブロック体20を切断することで、圧電振動子群21の自由端部分21bと固定板22との機械的な縁を切る。
本実施形態では、振動子群21と固定部本体22aとの境界部分に、ブロック体20の先端面から基端面側に向けて(つまり、積層面に沿って)途中まで溝部26を形成することで、自由端部分21bと固定板22との縁を切っている。この溝部26の幅は、自由端部分21aとなる部分の積層方向の厚さよりも狭く設定してあり、例えば0.05mm〜0.5mm程度と極く狭く設定される。これにより、圧電振動子群21の自由端部分21bに対して、固定部22の固定部本体22aが極めて接近した状態になる。このため、その変位動作部分についての支持が強固になり、圧電振動子ユニット4の剛性を高めることができる。
【0044】
自由端部分21bと固定板22との縁を切ったならば、ブロック体20における圧電振動子群21側の部分を各振動子28,29に切り分ける。即ち、ワイヤーソーやダイシングソー等を用いて、ケーブル接合部30の側から各圧力室12…に対応した所定ピッチでスリット部27…(図1参照)を形成し、各駆動振動子29…については50μm〜100μm程度の極めて細い幅のニードル状に切り分ける。このスリット部27は、図3(C)に一点鎖線で示す位置、即ち、自由端部分21a側では溝部26に達する位置まで、固定端部分21b側では連結部22bに達する位置まで形成し、各振動子28,29を櫛歯状に切り分ける。これにより、各振動子28,29は、固定端部分21bで固定部22の連結部22bと一体に繋がった状態で支持される。
【0045】
このように、本実施形態では、圧電体と電極層とを積層した直方体状のブロック体20に溝部26を形成することにより自由端部分21bとなる部分と固定部22とを切り分け、また、振動子群21となる部分にスリット部27を形成することにより各振動子28,29に切り分けているので、各振動子28,29の先端面42と固定部22の固着面部25とはブロック体20の同一面から切り出され、必然的に同一面上に位置し、平坦となる。そして、圧電振動子群21と固定部22とは同じ材料で構成されているので、組み付け時の温度から常温下に温度環境に変化があったとしても組み付け時の位置関係が保たれ、適正な振動特性が得られる。これにより、温度環境の変化に拘わらず、インク滴の吐出特性を安定化することができ、安定した画質で記録することができる。
また、ブロック体20に溝部26やスリット部27を形成するので、加工が容易であり、効率よく製造することもできる。
【0046】
なお、この圧電振動子ユニット4に圧電特性を付与するためには、分極処理を行う必要があるが、本実施形態では記録ヘッド1に組んだ状態で分極処理を行っている。これは、分極処理に伴う各振動子28,29と固定部22との収縮度合いの違いを防止するためである。
【0047】
ところで、上記した第1実施形態は固定部22の一方の側面にのみ圧電振動子群21を設けた構成であったが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、図4に示す第2実施形態の圧電振動子ユニット404のように、固定部22の一側に第1の圧電振動子群21Aを一体に設け、固定部の他側に第2の圧電振動子群Bを一体に設けても良い。なお、第1実施形態と同様な構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0048】
この圧電振動子ユニット404は、例えば、次の手順で製造される。まず、ブロック体420を作製する。ここでは、圧電体層と電極層を交互に積層して第1の圧電振動子群21となる部分を形成し、次に圧電体層だけを積層して固定部22となる部分を形成し、圧電体31と電極を交互に積層して第2の圧電振動子群21Bとなる部分を形成することで、ブロック状の基体を作製する。基体を作製したならば、この基体の表面に外部電極となる電極層を形成して焼成することでブロック体420を得る。
【0049】
ブロック体420を作製したならば、振動子群21Aと固定部本体22aとの境界部分、及び、固定部本体22aと振動子群21Bとの境界部分にそれぞれ溝部26を形成することで、自由端部分21bと固定板22との縁を切る。この溝部26は、第1実施形態と同様に、ブロック体20の先端面から基端面側に向けて連結部22bを残すように途中まで形成する。溝部26を形成したならば、ワイヤーソーやダイシングソー等を用いて、ケーブル接合部30の側から各圧力室12…に対応した所定ピッチでスリット部27…を形成して各振動子28,29に切り分け、圧電振動子ユニット404を得る。
この圧電振動子404でも、上記の第1実施形態と同様な機能を発揮し、同様な効果を奏する。そして、この圧電振動子404では、2つの圧電振動子群21A,21Bを1つの固定部22で支持する構成なので、コンパクトな装置構成を実現することができる。
【0050】
ところで、上記の各実施形態では、固定部22は圧電体層だけで構成されていたが、この固定部を圧電体層と電極層とを交互に積層した積層体によって構成してもよい。図5は、このように構成した第3実施形態を示し、圧電振動子ユニット504の断面図である。
【0051】
この第3実施形態の圧電振動子ユニット504は、固定部522となる部分にも内部電極を備えた点に特徴を有する。なお、第1実施形態と同様な構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この固定部522は、各振動子28,29の活性領域Lに対応する部分に、圧電体層31を挟んで共通内部電極32と個別内部電極とを交互に重ね合わせた固定部側活性領域L´を形成している。
【0052】
圧電振動子ユニット504は、例えば、次の手順で製造される。まず、ブロック体520を作製する。ここでは、圧電体層と電極を交互に積層して圧電振動子群21となる部分を形成し、また固定部522となる部分でも圧電体層と電極を交互に積層して圧電振動子群21側と同様な積層構造を形成し、このブロック状の基体の表面に外部電極となる電極層を形成する。外部電極を形成したならば、この外部電極層付の基体を焼成してブロック体520を得る。
ブロック体520を作製したならば、連結部を残して圧電振動子群21の自由端部分21bと固定板522との機械的な縁を切る。本実施形態では、振動子群21と固定部本体との境界部分に、ブロック体20の先端面から基端面側の途中まで溝部26を形成することで、自由端部分21bと固定板22との縁を切る。
【0053】
自由端部分21bと固定板22との機械的な縁を切ったならば、ワイヤーソーやダイシングソー等を用いて各振動子28,29に切り分け、圧電振動子ユニット504を得る。
【0054】
この圧電振動子ユニット504では、圧電振動子群21に対して分極処理を実施する際に、固定部522についても圧電振動子群21側と共に分極処理を行う。つまり、活性領域Lと固定部側活性領域L´とを一括して分極処理する。従って、固定部522の側でも、圧電体31がわずかに収縮するが、その収縮度合いは圧電振動子群21の収縮度合いと等しくなる。このため、分極処理後においても振動子28,29の先端面42と固定部522の先端面(固着面部25)とを、面一で平坦な状態に保つことができる。なお、固定部522の部分は、分極処理は実施するが圧電振動子としては機能させない。
【0055】
この構成では、圧電振動子ユニット504の単体で分極処理を施しても、振動子先端面42と固定部先端面とを面一の状態に維持できるので、組み付け時の作業性がよい。そして、分極処理を施した状態なので、ユニット単体で、圧電振動子の性能試験や品質試験を行うことができ、良品だけを次の組み立て行程に流すことができる。このため、生産を合理化できて生産性の向上が図れる。
【0056】
ところで、上記の各実施形態は、何れも外部電極52,53を形成して振動子側面のケーブル接合部30でフレキシブルケーブル24と電気的に接続する構成であったが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、固定部に、先端が固定部先端面に露出するとともに基端が基端面に露出した一連の内部連結電極を形成し、この内部連結電極を介して駆動パルスを供給するように構成してもよい。以下、このように構成した第4実施形態について説明する。ここで、図6は、第4実施形態におけるインクジェット式の記録ヘッド601の断面図である。
【0057】
この記録ヘッド601では、固定部622に関し、先端が固定部先端面に露出するとともに基端が固定部基端面に露出した一連の内部連結電極35を複数形成している。この内部連結電極35は、固定部622の先端面で固着面部25を構成する電極層と導通しており、固定部622の基端面でこの基端面上に形成した接点端子55と導通している。この接点端子55は、フレキシブルケーブル24と電気的に接続するための部分である。従って、固着面部25と固定部側接点端子55とは内部連結電極35を介して導通している。
一方、圧電振動子群21を構成する各振動子28,29に関し、その先端面42には先端側接点端子652を設ける。この先端側接点端子652は、先端面42の表面を覆うように形成された電極層であり、個別内部電極32に導通している。同様に、各振動子28,29の基端面には基端側接点端子653を設ける。この基端側接点端子653も基端面43の表面を覆うように形成された電極であり、個別内部電極33に導通している。
【0058】
本実施形態では、振動板609に設けたステンレス製の島部616を固定部622側に延設してあり、圧電振動子ユニット604をケース2に収容固定する際に、先端側接点端子652と島部616の背面部の一部とを導電性の接着剤によって接着すると共に、固定部先端側の固着面部25と島部616における背面部の延設した側の一部とを導電性の接着剤によって接着する。つまり、島部616を通じて共通内部電極32と内部連結電極35とを導通させている。
また、島部616における先端側接点端子652の接合部と固着面部25の接合部との間には、肉厚をこれらの接合部よりも薄くした薄島部616aを設けてある。この薄島部616aは、島部616の途中に弾性を付与するために形成した部分である。即ち、薄島部616aによって、駆動振動子29の伸縮時における島部616(詳しくは、先端側接点端子652との接合部分)の変位を容易に行えるように構成している。
上記のフレキシブルケーブル24の端部は、振動子基端面上及び固定部基端面上に配置され、ケーブルの接点端子(図示せず)を対応する基端側接点端子653や固定部側接点端子55に電気的に接続する。そして、これらの基端側接点端子653及び固定部側接点端子55を通じて駆動振動子29に給電する。
【0059】
この構成では、共通電位を付与するための固定部側接点端子55(本発明の接点部の一種)と個別電位を付与するための基端側接点端子653(本発明の接点部の一種)とが共にユニット基端面に位置し、ユニット基端面側だけでフレキシブルケーブル24との電気接続を行うことができ、作業が容易である。また、駆動振動子29内を流れる電流の向きと、固定部622内を流れる電流の向きが逆方向となるので、インダクタンスを小さくでき、電磁誘導の影響を低減することができる。
【0060】
なお、以上の実施形態は例示であって特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施形態では、振動子先端面側に共通内部電極32を露出させ、振動子基端面側に個別内部電極33を露出させる構成としたが、振動子先端面側に個別内部電極を露出させ、振動子基端面側に共通内部電極32を露出させるように構成してもよい。
また、上記各実施形態のように、振動子先端面側に共通内部電極32を露出させ、振動子基端面側に個別内部電極33を露出させる構成を採った場合には、振動板の全体に導電性を付与してもよく、振動板の島部側表面に導電性膜を形成しても良い。
【0061】
さらに、各実施形態における振動子ユニットは、直方体形状のブロック体に溝部26やスリット部27を形成することで作製されるものであったが、立方体形状のブロック体からも作製できる。
また、ブロック体から作製されるものに限らず、振動子群となる板状積層体と固定部となる圧電体層(或いは圧電体層と電極層との積層体)とを別個に作製し、これらの板状積層体と圧電体層とを接合し、接合後に溝部26やスリット部27を形成しても良い。同様に、振動子群、連結部、及び、固定部本体からなる3ピース構成としてもよい。そして、上記の各実施形態のように、ブロック体に溝部26やスリット部27を形成して圧電振動子ユニットを作製すると、振動子先端面と固定部先端面との位置ズレが極めて少ない高い寸法精度の圧電振動子ユニットを容易に作成することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
即ち、圧電振動子群と固定部とを同じ材料の部材によって一体に形成すると共に、圧電振動子の自由端部分と固定部とを互いに縁を切った状態で配置し、圧電振動子は共通電極と個別電極とを重ね合わせた活性領域を備え、固定部を、圧電体と電極を交互に積層した積層体によって構成すると共に、固定部における活性領域に対応する部分に、共通電極と個別電極とを重ね合わせた固定部側活性領域を形成し、圧電振動子の先端面と固定部の先端面とを同一面上に揃えたので、圧電振動子群の活性領域と固定部の固定部側活性領域との収縮度合いを等しくすることができる。即ち、圧電振動子の線膨張率と固定部の線膨張率とをより高い精度で揃えることができ、温度変化が生じても同じように膨張させたり収縮させたりすることができる。
さらに、圧電振動子の先端面と固定部の先端面とを同一面上に揃えているので、組付時の温度から常温に温度が下がったとしても、組み付け時の位置関係を維持できて各振動子の先端面と固定部の先端面との位置を揃えることができ、組み付け性の向上が図れる。
【0063】
そして、記録ヘッドに組んだ状態では、ケースの方が大きく収縮して振動子先端が振動板側に突出したような状態になってしまうことを防止することができる。従って、圧電振動子が定常状態であるにも拘わらず、振動板が押されてテンションがかかることを防止でき、振動板の振動特性の変化や圧力室内におけるインクの流れの特性の変化を防止できる。
【0065】
また、固定部における活性領域に対応する部分に、共通電極と個別電極とを重ね合わせた固定部側活性領域を形成し、圧電振動子の分極処理時に固定部側活性領域も同じ条件で分極した場合には、分極処理後においても各振動子の先端面と固定部の先端面との位置を揃えることができ、ケースに組み付ける前の段階で圧電振動子ユニットの分極処理が行える。
これにより、分極処理の作業効率の向上が図れると共に、正常に分極処理された良品のみをケースに組み付けることができるので、生産性の一層の向上が図れる。
【0066】
また、圧電体と電極とを積層して直方体状のブロック体を作製し、このブロック体の先端面から基端面側に向けて途中まで溝部を形成することで圧電振動子の自由端部分になる部分と固定部との縁を切った場合には、ブロック体に溝部を形成する比較的平易な作業で加工が行えるので、生産性の向上が図れる。また、振動子先端面と固定部先端面とをブロック体の同一面から作製できるので、高い寸法精度を得ることができる。
【0067】
また、圧電振動子ユニットと、圧電振動子の先端面が接合されて該圧電振動子の伸縮によって変位する導電性の振動板とを備えて記録ヘッドを構成し、共通内部電極と個別内部電極の何れか一方の先端を圧電振動子の先端面に露出させると共に、他方の内部電極の基端を圧電振動子の基端面に露出させ、固定部の先端を振動板に接合することで前記一方の内部電極と内部連結電極とを振動板を通じて導通させ、圧電振動子の基端面と固定部の基端面とを、圧電振動子に給電するための接点部とした場合には、共通電位を付与するための接点部と個別電位を付与するための接点部とが共にユニット基端面に位置し、ユニットの基端面側だけで配線部材との電気接続を行うことができ、作業が容易である。また、圧電振動子内を流れる電流の向きと、固定部内を流れる電流の向きが逆方向となるので、インダクタンスを小さくでき、電磁誘導の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるインクジェット式の記録ヘッドの断面図である。
【図2】図1に示す圧電振動子ユニットの斜視図である。
【図3】(A)〜(C)は、圧電振動子ユニットの製造工程を説明する断面図である。
【図4】第2実施形態における圧電振動子ユニットの断面図である。
【図5】第3実施形態における圧電振動子ユニットの断面図である。
【図6】第4実施形態におけるインクジェット式の記録ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1,601 記録ヘッド
2 ケース
3 流路ユニット
4,404,504,604 圧電振動子ユニット
5 収容室
6 インク供給管
7 スペーサ
8 ノズルプレート
9,609 振動板
10 ノズル開口
11 リザーバ
12 圧力室
13 インク供給路
14 弾性体膜
15 ステンレス板
16,616 島部
17 弾性部
20,420,520,620 ブロック体
21 圧電振動子群
22,522,622 固定部
23a 自由端側
23b 固定端側
24 フレキシブルケーブル
25 固着面部
26 溝部
27 スリット部
28 ダミー振動子
29 駆動振動子
30 ケーブル接合部
31 圧電体
32 共通内部電極
33 個別内部電極
35 内部連結電極
42 先端面
43 基端面
52 外部共通電極
53 外部個別電極
55 外部連結電極

Claims (13)

  1. 圧電体と電極を交互に積層して構成され積層方向とは直交する方向に伸縮可能な圧電振動子を複数列設した圧電振動子群と、各圧電振動子の基端部分を支持する固定部とを備えた圧電振動子ユニットにおいて、
    前記圧電振動子群と固定部とを共通の材料によって一体に形成すると共に、圧電振動子の自由端部分と固定部とを互いに縁を切った状態で配置し、
    前記圧電振動子は共通電極と個別電極とを重ね合わせた活性領域を備え、
    前記固定部を、圧電体と電極を交互に積層した積層体によって構成すると共に、固定部における前記活性領域に対応する部分に、共通電極と個別電極とを重ね合わせた固定部側活性領域を形成し、
    前記圧電振動子の先端面と固定部の先端面とを同一面上に揃えたことを特徴とする圧電振動子ユニット。
  2. 前記活性領域と固定部側活性領域が分極処理されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子ユニット。
  3. 前記固定部には、先端が固定部先端面に露出するとともに基端が基端面に露出した一連の内部連結電極を形成したことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子ユニット。
  4. 圧電体と電極とを積層して直方体状のブロック体を作製し、該ブロック体の先端面から基端面側に向けて途中まで溝部を形成することで前記自由端部分になる部分と固定部との縁を切ったことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の圧電振動子ユニット。
  5. 前記溝部の幅が、前記自由端部分になる部分の積層方向の厚さよりも狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電振動子ユニット。
  6. 前記溝部の幅が0.05mmから0.5mmの範囲内であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の圧電振動子ユニット。
  7. 前記圧電振動子群は、インク滴の吐出に関与しないダミー振動子を備え、該ダミー振動子を振動子列設方向の両端部に配置したことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の圧電振動子ユニット。
  8. 前記固定部の幅を、圧電振動子群の一方の端部に配置されたダミー振動子の外縁から他方の端部に配置されたダミー振動子の外縁までの距離に揃えたことを特徴とする請求項7に記載の圧電振動子ユニット。
  9. 前記固定部の厚さを、圧電振動子群の厚さよりも厚く設定したことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の圧電振動子ユニット。
  10. 前記固定部の一側に第1の圧電振動子群を設け、固定部の他側に第2の圧電振動子群を設けたことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の圧電振動子ユニット。
  11. 請求項3から請求項10の何れかに記載の圧電振動子ユニットと、圧電振動子の先端面が接合されて該圧電振動子の伸縮によって変位する導電性の振動板とを備え、
    共通内部電極と個別内部電極の何れか一方の先端を圧電振動子の先端面に露出させると共に、他方の内部電極の基端を圧電振動子の基端面に露出させ、
    固定部の先端を振動板に接合することで前記一方の内部電極と内部連結電極とを振動板を通じて導通させ、
    圧電振動子の基端面と固定部の基端面とを、圧電振動子に給電するための接点部としたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  12. 前記振動板は、圧力室に対応する部分に圧電振動子の先端面が接合される導電性の島部を備え、
    該島部を固定部側に延設して固定部の先端面と島部の一部とを接合し、該島部を通じて一方の内部電極と内部連結電極とを導通させたことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  13. 前記島部における圧電振動子の接合部と固定部の接合部との間に、肉厚を前記接合部よりも薄くした薄島部を設けたことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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