JP2952995B2 - インクジェット式印字ヘッド - Google Patents

インクジェット式印字ヘッド

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、印字データの入力を受けた時点で、インク
タンクのインクを液滴として飛翔させ、このインク滴に
より記録用紙にドットを形成するオンデマンド型のイン
クジェット式印字ヘッドに関する。
[従来の技術] オンデマンド型インクジェット式印字ヘッドは、大き
く分けて3種類のものがある。第1のものはノズルの先
端にインクを瞬間的に気化させるヒータを設け、気化時
の膨張圧力によりインク滴を生成、飛翔させる、いわゆ
るバブルジェット型である。第2のものはインク溜部を
形成する容器に、信号により変形する圧電素子を設け、
変形時に生じる圧力によりインクを液滴として飛翔させ
るものである。第3のものは、インク溜部内にノズルに
対向させて圧電素子を配設し、この圧電素子の伸縮によ
りノズル領域に動圧を生じさせてインク滴を飛翔させる
ものである。
上記第3の形式のオンデマンド型インクジェット式印
字ヘッドは、日本特許公報 特公昭60−8953号公報に示
されたように、インクタンクを構成する容器の壁面に複
数のノズル開口を形成するとともに、各ノズル開口とを
対向するように伸縮方向を一致させて圧電素子を配設し
て構成されている。
この印字ヘッドは、印字信号を圧電素子に印加して圧
電素子を伸長させ、このときに発生するインクの動圧に
よりノズルからインク滴を飛出させて印刷用紙にドット
を形成するものである。
このような形式の印字ヘッドにおいては、液滴の形成
効率や飛翔力が大きいことが望ましい。しかしながら、
圧電素子の単位長さ、及び単位電圧当りの伸縮率は極め
て小さいため、印字に要求される飛翔力を得るには高い
電圧を印加することが必要となり、駆動回路や電気絶縁
対策が複雑化するという問題がある。
このような問題を解消するため、日本特許公報特開昭
63−295269号公報に示されているように、電極と圧電材
料を交互にサンドイッチ状に積層したインクジェット印
字ヘッド用の圧電素子が提案されている。この圧電素子
によれば電極間距離を可及的に小さくすることができる
ため、駆動信号の電圧を下げることができるという効果
がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記公報に記載された圧電素子は小型
に形成することが困難であるため印字ヘッドを小型化す
ることが困難であるという問題を有している。
本発明は、可及的に低い電圧で十分な飛翔力を備えた
インク滴を安定的に発生することができる小型のインク
ジェット式印字ヘッドを提供することを目的とするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明のインクジェット式印字ヘッドは、複数のノズ
ル開口を有するノズルプレートと、一端が基板に固定さ
れ他端が自由端として前記ノズル開口それぞれに対応す
るよう配置された圧電材料と導電材料とを層状に交互に
複数積層した複数の圧電素子と、前記圧電素子の自由端
と当接する弾性部材と、前記ノズルプレートと前記弾性
部材の間に一定の間隔を形成するよう配置された支持部
材とを備え、前記圧電素子は前記基板に一定の間隔で列
設され、この圧電素子間に一端が前記基板に固定され他
端が前記支持部材と弾性部材を介して当接した仕切部材
を配設したことを特徴とする。
[実施例] 第1図は、本発明の一実施例を示すものであり、
(a)は側面図、(b)は(a)図におけるb−b視
図、(c)は(a)図におけるc−c視図である。図中
符号2は、セラミックス等の電気絶縁性材料により形成
された角筒状体であるり、基板14とともにインクタンク
を構成している。10,10,10・・・・は、圧電素子列を構
成している圧電素子12,12・・・・間に形成された仕切
部材である。仕切部材10の一端は圧電素子列を固定して
いる基板14に固定され、他端は、圧電素子の自由端12a
とともに弾性部材16で覆われている。弾性部材16とノズ
ルプレート18との間には、支持部材11が設けられてい
る。この支持部材11によって、ノズルプレート18と弾性
部材16との間隔が一定に保たれている。ノズルプレート
18には、ノズル開口4が2列設けられている。独立のケ
ーブル76、及び共通のリード部材を介して電気信号が圧
電素子12に印加されると、圧電素子12は積層方向(図示
x方向)に伸長するから、圧電素子12の自由端12aは前
面のインクをノズル開口4に向けて押出すことになる。
これにより、インクは、動圧を受けてノズル開口4に突
入し、インク滴となって外部空間を飛翔し、印刷用紙に
ドットを形成する。電気信号の印加がなくなると、圧電
素子12は元の状態に縮小し、ノズルプレート18と圧電素
子12のと間の間隙にインクが流入して次のインク滴発生
に備えることになる。
次に本実施例の圧電素子列の製造法について第2図、
第3図を用いて説明する。
第2図は、前述の圧電素子列を示すものであって、図
中符号30,30,30‥‥は、それぞれ一方の電極を構成する
内部導電層である。また32,32,32‥‥は、他方の電極を
構成する内部導電層である。これらの内部導電層30,32
は互いに平行となるように交互に圧電材料34,34,34‥
‥、例えばチタン酸・ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイ
トセラミックス内にサンドイッチ状に配設されている。
また一方の電極30,30,30‥‥となる導電層は一方の側面
31に露出され、また他方の電極32,32,32‥‥となる内部
導電層は他方の側面33に露出するように構成されてい
る。これら電極の露出している面31,33は、外部導電層
が形成されていて、各極となる内部導電層が導電的に並
列に接続されている。各圧電素子12はスリット40,40,40
により分離されている。
このような層構造は、第3図に示すように定板50の上
に、ペースト状に調製したチタン酸ジルコン酸鉛系複合
ペロブスカイトセラミック材料層52を形成し(同図
a)、これの表面に蒸着や導電性塗料により一方の極と
なる第1の内部導電層54を形成し(b)、更にこの導電
層54、及び第1の圧電材料層52の表面に圧電材料を薄く
塗布して第2の圧電材料層56を形成し(c)、これの表
面に他方の電極となる第2の内部導電層58を上述の方法
で形成する(d)。このような作業を必要とする積層数
だけ繰り返す。
このようにして、所定の層数を形成した段階で、乾燥
させ、これに圧力を加えた状態で温度1000乃至1200℃で
1時間程度焼成することにより直方体状のセラミックに
仕上がる(e)。この直方体状のものの内部導電層54、
及び内部導電層58が露出している面33,31にそれぞれ導
電塗料を塗布して外部導電層62,60を形成することによ
り圧電素子ブロック63ができあがる(f)。この圧電素
子ブロック63を一点鎖線により示したように導電層を結
ぶように所定幅で、定板50の表面までダイヤモンドカッ
タ等によりカットすると、切削により生じたスリット4
0,40,40‥‥(第2図)により相互が分離された圧電素
子12,12,12‥‥が複数個形成されて第2図に示したよう
な圧電素子列が形成されることになる。
なお、セラミックスは、一般的に脆弱であるから、同
図(g)に示すように、圧電素子ブロック63の周囲を剥
離可能なモールド剤64により覆い、この状態で切断する
と、切断時に生じやすい折損を確実に防止することがで
きる。
このように構成した各圧電素子12の一方の電極を接続
している外部導電層60には、それぞれ独立のケーブル76
を接続し、また他方の電極を接続している外部導電層62
には共通のリード部材を接続する(第1図参照)。これ
により、独立のケーブル76と共通のリード部材との間に
電気信号を印加すると、独立のケーブル76により選択的
に信号が印加された圧電素子12は、外部導電層60,62を
介して電極30,32間に同一の電圧が同時に印加されるこ
とになるから、電極間の圧電材料34,34,34‥‥が同時に
伸長し、各層の圧電材料34,34,34‥‥の変位が足し合わ
されて自由端12a側が第1図x方向へ変位する。各圧電
材料34,34,34‥‥が形成する層厚は、極めて薄いから、
最大限の伸長を行わせるために電極30,32間に印加する
電圧は極めて小さな値で済むことになる。
次に、第1図に示したヘッドの第1の製造方法を第4
図(a)、(b)に示す。第3図(VI)に示したような
圧電ブロック63を基板14に接着し(第4図(a))、第
4図(b)に示すように、圧電素子12になる部分と、仕
切部材10になる部分とが分離するように、基板14表面ま
でダイヤモンドカッタ等によりカットする。これに、弾
性部材16を形成した後、弾性部材16上に仕切部材10と対
向して支持部材11を接着し、圧電素子12にノズル開口4
が対向するように、ノズルプレート18を設け、第1図
(a)のヘッドを得る。
第1図に示したヘッドの第2の製造方法を第5図
(a)、(b)に示す。第5図(a)に示すように、基
板14に圧電素子12を接着した後に、仕切部材10を基板14
に接着する。このときの仕切部材は、例えば積水ファイ
ンケミカル社製フォトレックR等の比較的弾性の少ない
紫外線硬化樹脂等を用いる。その後、電気絶縁材料2及
び仕切部材10を各圧電素子12と長手方向の長さが等しく
なるまで研磨する(第5図(b))。その後、第1の製
造方法と同様に、弾性部材16、支持部材11、及びノズル
プレート18を設け、第1図のヘッドを得る。
以上のような本実施例のヘッドによれば、ノズルプレ
ート18と圧電素子12,12,12・・・・の自由端との間隔を
支持部材11,11,11・・・・及び弾性部材16により管理す
ることができるばかりでなく、仕切部材10と、弾性部材
10が相互に固定されているため、隣接する圧電素子12,1
2間での動圧の伝播を仕切部材10,10,10・・・・及び弾
性部材16により遮断することができる。また、弾性部材
16と支持部材11により、1つの空間が形成できるため、
インク漏れを防ぐことができる。
[発明の効果] 本発明のインクジェット式印字ヘッドによれば、複数
のノズル開口を有するノズルプレートと、一端が基板に
固定され他端が自由端として前記ノズル開口それぞれに
対応するよう配置された圧電材料と導電材料とを層状に
交互に複数積層した複数の圧電素子と、前記圧電素子の
自由端と当接する弾性部材と、前記ノズルプレートと前
記弾性部材の間に一定の間隔を形成するよう配置された
支持部材とを備え、前記圧電素子は前記基板に一定の間
隔で列設され、この圧電素子間に一端が前記基板に固定
され他端が前記支持部材と弾性部材を介して当接した仕
切部材を配設したことにより、インク滴を形成するのに
必要な駆動電圧を可及的に小さくすることができる圧電
素子を高密度に配置することができるとともに、また、
圧電素子間に仕切り部材が配設されているため圧電素子
の振動の際に各圧電素子間に発生する動圧の伝播を防ぐ
ことができる。
さらに、ノズルプレートが支持部材により弾性部材と
一定の間隔を持って配設されている、更に言えば振動子
の自由端方向にノズルプレート(ノズル開口)を配置し
ているため、インク流路が安定しインク飛翔特性が安定
化するとともに、支持部材と仕切部材が当接しているた
めより安定した構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、本発明のオンデマンド型インクジェッ
ト式印字ヘッドの一実施例を示す側面図であり、第1図
(b)(c)は、(a)図におけるb−b視図とc−c
視図である。 第2図は、圧電素子列を示す斜視図である。 第3図(a)乃至(g)は、圧電素子列の製造方法を示
す説明図である。 第4図(a)、(b)は、第1図における、インクジェ
ット式印字ヘッドの製造方法の第1の例を示す図であ
る。 第5図(a)、(b)は、第1図における、インクジェ
ット式印字ヘッドの製造方法の第2の例を示す図であ
る。 2……電気絶縁性材料 10……仕切部材 11……支持部材 12……圧電素子 16……弾性部材 18……ノズルプレート 34……圧電材料 40……スリット 50……定板 56……圧電材料層 58……導電層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のノズル開口を有するノズルプレート
    と、一端が基板に固定され他端が自由端として前記ノズ
    ル開口それぞれに対応するよう配置された圧電材料と導
    電材料とを層状に交互に複数積層した複数の圧電素子
    と、前記圧電素子の自由端と当接する弾性部材と、前記
    ノズルプレートと前記弾性部材の間に一定の間隔を形成
    するよう配置された支持部材とを備え、前記圧電素子は
    前記基板に一定の間隔で列設され、この圧電素子間に一
    端が前記基板に固定され他端が前記支持部材と弾性部材
    を介して当接した仕切部材を配設したインクジェット式
    印字ヘッド。
  2. 【請求項2】前記圧電素子は、圧電材料と導電材料の積
    層方向と同一方向に伸長する特許請求の範囲第1項記載
    のインクジェット式印字ヘッド。
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