JP3849102B2 - 単離核酸分子、mhc分子hla−a2と複合体を形成するペプチド及びその利用 - Google Patents
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Description
本発明は、病的状態の診断及び治療に関して、有効な、単離核酸分子とペプチドに関する。より詳しくは、本発明はMHC分子HLA−A2によって提示されるペプチドへとプロセッシングされるタンパク質及び提示されるペプチド自体に関する。これらのペプチドは診断及び治療において有用である。
背景及び先行技術
哺乳類の免疫系が、外来又は異質の物質を認識し、それらに反応するプロセスは複雑なものである。このシステム(免疫系)の重要な側面はT細胞応答である。この応答は、T細胞が、ヒト白血球抗原(“HLA”)又は主要組織適合遺伝子複合体(“MHC”)と呼ばれる細胞表面分子と、ペプチドとからなる複合体を認識し、この複合体と相互作用することを必要とする。このペプチドはHLA/MHC分子も提示する細胞によって、プロセッシングされるより大きな分子に由来する。メール(Male)他,Advanced Immunology(J.P.Lipincott Company,1987)、特に6〜10章を参照のこと。T細胞とHLA/ペプチドの複合体との相互作用は制限されたものであり、あるHLA分子とあるペプチドとの特定の組み合わせに対して特異的なT細胞を必要とする。もし、特異的なT細胞が存在しなければ、たとえそのパートナー複合体が存在していてもT細胞応答は起こらない。同様に、もし特異的な複合体が存在していなければ(特異的な)T細胞が存在していても応答は起こらない。このメカニズムは、外来物質に対する免疫系の応答、自己免疫疾患、及び、細胞異常に対する応答において関与している。タンパク質がHLAに結合するペプチドへとプロセッシングされるメカニズムに関して、多くの研究が行われてきた。バリナガ(Barinaga),Science,257:880(1992);フリーモント(Fremont)他,Science,257:919(1992);マツムラ(Matsumura)他,Science,257:927(1992);及びラトロン(Latron)他,Science,257:964(1992)を参照のこと。
T細胞が細胞異常を認識するメカニズムは、ガンについても関係している。例えば、参考文献として本出願にその内容が合体される、1992年3月22日に出願され、1992年11月26日に公表されたPCT出願PCT/US92/04354には、ペプチドへとプロセッシングされ、その後細胞表面に表出され、特異的なCTLによる腫瘍細胞の溶解を誘導することができる、遺伝子のファミリーが開示されている。これらの遺伝子は“腫瘍拒絶抗原前駆体”又は、“TRAP”分子をコードするといわれており、これらに由来するペプチドは、“腫瘍拒絶抗原”又は“TRA”と呼ばれている。この遺伝子ファミリーについてのさらなる情報については、トラヴァーサリ(Traversari)他,Immunogenetics,35:145(1992);ファン・デア・ブルッゲン(van der Bruggen)他,Science,254:1643(1991)を参照のこと。また、米国特許第5,342,774号も参照のこと。
参照文献として、本出願にその開示内容が合体される米国特許出願第938,334号には、HLA−A1分子によって提示されるノナペプチドが教示されている。この参考文献は特定のHLA分子に対する特定のペプチドの特異性が知られているとすれば、特定のペプチドは1つのHLA分子に対して結合し、他のHLA分子には結合しないと予想されると教示している。これは重要なことである。というのは、異なる個体は異なるHLA表現型を有するからである。その結果、特定のペプチドが特定のHLA分子に対するパートナーであるとして同定されたことが診断上及び治療上の効果を有するとしても、それらの効果は、その特定のHLA表現型を有する個体に対してのみ適切であることになる。この分野におけるさらなる研究が必要である。というのは、細胞異常は、1つの特定のHLA表現型に制限されるものではないからである。そして標的化療法(targeted therapy)は、問題となる異常細胞の表現型に関する相当の知識を必要とするのである。
以下に記載するように、本出願はMHC分子HLA−A2によって提示される、新規な、イントロン−発現(inntron-expressed)腫瘍拒絶抗原、及び、その抗原をコードする核酸分子に関する。本出願は、さらにこの新規な腫瘍拒絶抗原を利用する治療及び診断方法に関する。本発明は以下の開示においてさらに詳しく述べられている。
【図面の簡単な説明】
前述の簡単な説明、及び本発明のさらなる目的と特徴は、後述の、本発明の、例示的ではあるが、現在好適であるとされる実施例の詳細な説明と添付の図面とをともに参照することによって、より完全に理解されるであろう。添付の図面において;
図1は、CTL213とともにインキュベートした際の、NA17−MEL、NA17−EBV及びK562細胞による51Cr放出を示している。
図2は、細胞溶解性T細胞ラインCTL213を細胞ラインMZ2−MEL43.HLA−A2、SK29−MEL、LB373−MEL、SK23−MEL、NA74−MEL、及びNA17−MELと接触させた際のTNF放出を示している。
図3は、CTL213を、HLA−A2でトランスフェクションされたMZ2−MEL.43細胞、HLA−A2と560E1cDNAとで共トランスフェクションされたCOS−7細胞、またはHLA−A2単独か、560E1cDNA単独からのどちらかでトランスフェクションされたCOS−7細胞と接触させた際のTNF放出を示している。
図4Aは、cDNA560E1の中における、CTL213によって認識されるNAG抗原性ペプチドをコードする領域の位置を示している。
図4Bは、CTL213と、pcDNAI/AmpにクローニングされたcDNA560E1フラグメントとHLA−A2のCOS細胞共トランスフェクタント(cotransfectant)とをともにインキュベートした後のTNF放出を示している。
図5は、様々なペプチドとともにインキュベートされた、HLA−A2を発現するT2細胞の、CTL213による溶解を示している。
図6は、λファージ中の、MZ2−MEL2.2.5由来のゲノムDNAの14kbインサートの5’末端と3’末端のヌクレオチド配列を表している。この14kbインサートは、cDNA560E1のヌクレオチド48−185に対応するプローブによるスクリーニングにおいて陽性であったものである。
図7は、cDNA560E1、3’RALEクローンcDNA、GnT−VcDNA、及びλファージ14kbゲノムインサートの概略図である。
図8は、GnT−V遺伝子の一部の概略図である。そして、
図9は、最長の5’RACEクローンと3’RACEクローンの核酸配列を編集したものを表している。
例 1
ここにおいて利用した腫瘍細胞ラインは、以下のようにして得られた:細胞ラインNA8−MEL、NA17−MEL、及びNA74−MELは、患者NA8,NA17、及びNA74の転移メラノーマ由来であった。メラノーマ細胞NA17−MELとNA74−MELは患者NA17とNA74から得られ、10%FCS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン及び1%L−グルタミンを追加した、RPMI1640中で培養した。サブラインMZ2−MEL.43はメラノーマ細胞ラインMZ2−MEL由来であり、ヘリン(Herin)他,Int.J.Cancer,39:390−396(1987)及びファン・デア・エインデ(Van den Eynde)他,Int.J.Cancer,44:634−640(1989)によって以前に記載されているように培養した。メラノーマ細胞ラインSK29−MELとSK23−MELとは、ロイド・オールド(Lloyd Old)博士によって提供されたものであり、これらはよく知られている。SK29−MEL、SK23−MEL及びNA8−MELの培養培地は以前に記載されている(クーリ(Coulie)他,J.Exp.Med.,18:35−42(1994))。腫瘍細胞ラインLB373−MELは、メラノーマ患者LB373由来であり、10%FCSを追加したIscove培地で培養した。リンパ芽球細胞NA17−EBV(エプスタイン・バーウイルスで形質転換されたB細胞)、標準的技術によって患者NA17から得られ、10%FCS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン及び1%L−グルタミンを追加したRPMI1640中で培養した。
細胞溶解性T細胞ラインCTL213、参考文献として本出願にその内容が合体される、パンドルフィーノ(Pandolfino)他,Eur.J.Immunol.,22:1795−1802(1992)に記載されているように、IL2追加培地中で、患者NA17の皮膚の転移メラノーマのフラグメントを培養することによって得られた。具体的には、皮膚の転移メラノーマM17のフラグメントは、RPMI1640、8%ヒトAB血清、150U/mlの組換えインターロイキン−2(rIL2)及び抗生物質からなるIL−2追加培地で培養した。このタイプの培養の結果、混合リンパ球−腫瘍細胞培養物(mixed lymphocyte-tumor cell culture)(MLTC)が得られた。CTLをクローニングに先立って16日間培養した。
次に、CTLの限界希釈培養を、96穴マイクロプレート中、0.3、0.6、3、6及び30CTL/ウェルで照射を受けた支持細胞と刺激細胞(2x104LAZ細胞と1.5x103メラノーマ細胞)とともに、フィトヘムアグルチニン(PHA)(1/1000)を含有する200μlのrIL−2培地中で行った。48時間後、そしてその後は週に2回、各ウェルの半量を新鮮なIL−2培地で置換した。15から20日の培養の後、各ウェルを顕微鏡観察によって、増殖について評価した。80%を超えるクローンとなる可能性を示すミクロ培養(microcultures)を、新たに照射した支持細胞と刺激細胞とともに新しいプレートへ移した。同様に、ウェル当たり2x103又は5x103のリンパ球を2又は3週間おきに移すことによって長期クローン増殖(long-term clone growth)が得られた。CTLクローンのうち1つがCTL213と表示された。ヴィレット(Viret)他,Eur.J.Immunol.,23:143−146(1993)は、CTL213は細胞溶解アッセイによってテストされた15のメラノーマ細胞ラインのうち12を溶解したと教示している。このCTLを以下の実験において用いた。
例 2
細胞ラインNA17−MELの自己細胞(autologous cell)とCTL213とを混合した。これは、CTL213がこのメラノーマ細胞ラインに提示される抗原を認識するか否かを確かめる目的で行った。用いたアッセイは、参考文献として本出願にその内容が合体される、ヘリン(Herin)他,Int.J.Cancer,39:390−396(1987)に記載されている、周知の51Cr放出試験であった。しかし、ここでこのアッセイについて記載する。標的メラノーマ細胞をイン・ヴィトロで増殖させ、その後、10%FCSを追加したRPMI1640中に107細胞/mlとなるように再懸濁し、37℃で45分間200μCi/mlのNa(51Cr)O4とともにインキュベートした。標識化された細胞を10%FCSを追加したRPMI1640で3回洗浄した。次にこれらの細胞を10%FCSを追加したRPMI1640中に再懸濁し、その後103の細胞を含む100μlのアリクオットを96穴マイクロプレートに分配した。CTL213のサンプルを100μlの同じ培地中で添加し、アッセイを二連で行った。プレートを8%CO2環境中で、37℃で4時間インキュベートした。
プレートを遠心分離にかけ、上清のうち100μlのアリクオットを収集しカウントした。51Cr放出のパーセンテージは以下の様に計算した。
%51Cr放出=((ER−SR)/(MR−SR))x100
ここで、ERは実験に基づき観察された51CR放出であり、SRは103の標識化細胞を200μlの培地のみの中でインキュベートすることにより測定される自然放出であり、そしてMRは標的細胞に100μlの0.3%TritonX−100を添加することにより得られる最大放出である。
NA17−MEL細胞(標的細胞、即ち“T”)とCTL213細胞(エフェクター細胞、即ち“E”)をE/T比が10:1となるように混合した。ナチュラルキラー細胞(細胞ラインK562)及び自己(autologous)EBV−形質転換−β細胞(“NA17−EBV”)についてもテストした。51Cr放出は4時間後に測定した。結果を図1に示す。これらの結果は、CTL213がNA17−MEL細胞表面上のペプチド/MHC複合体を認識したということを示している。CTL213はK562と自己(autologous)EBV−B細胞のどちらも溶解しなかった。従って、関係のある抗原をコードする遺伝子はNA17細胞のみにおいて発現していたことが示された。
例 3
CTL213に特異的である抗原を提示するMHC分子を、ヴィレット(Viret)他,(前述)に記載されている、2種の抗−HLA−A2モノクローナル抗体(mAb)を用いた溶解阻害によって決定した。使用した抗体は、ハイブリドーマPA2.1(抗−A2/A28)及びMA2.1(抗−A2/B17)から得た。これらのmAbは、当業者に周知の多数のHLA−A2特異的mAbを代表するものである。
CTL213による細胞溶解反応のmAbによる阻害は、200U/mlの組換えインターフェロンα(γIFN−α)で48時間処理したNA17腫瘍細胞(ヴィレット(Viret)他,(前述)においてはM17と呼ばれている)についてアッセイした。溶解は抗−A2/A28及び抗−A2/B17抗体によって用量依存的に阻害された。これは当該抗原を提示する分子はHLA−A2であることを示している。
例 4
以前に、その細胞表面にHLA−A2を提示することが同定されている、同種の(allogeneic)メラノーマ細胞ラインを用いて、CTL213に関するさらなる実験を行った。用いられたアッセイは、参考文献として、本出願にその内容が合体される、トラヴァーサリ(Traversari)他,Immunogenetics,35:135−142(1992)に記載されている、TNF放出アッセイであった。簡単に言えば、TNF放出を測定するために、10%ヒト血清及び25ユニット/mlのr−hu−IL2を含有する、100μlのRPMI1640培地中で、2500細胞のCTL213を、標的細胞を含むマイクロウェルに添加した。48時間後上清を回収し、そのTNF含有量を、WEHI−164クローン13細胞に対するその細胞障害効果をテストすることによって測定した。標的同種細胞ライン(target allogeneic cell lines)は、SK29−MEL、LB373−MEL、SK23−MEL、NA74−MEL及びMZ2−MEL43.HLA−A2であった。図2に示すように、5つのラインのうち4つが陽性であり、そして同(allogeneic)ラインMZ2−MEL43.HLA−A2(以後“MEL.43と称する)はNA17−MELよりも良好な結果を提供した。この理由のため、以下の実験ではMEL.43を用いた。MEL.43は本来はHLA−A2を提示しないものであり、HLA−A2をコードする遺伝子を含むベクターで、トランスフェクションされたものであるということが注目される。
例 5
提示HLA分子がHLA−A2であると同定されたので、このペプチド/MHC複合体をさらにキャラクタライズするための研究を行った。第1段階は、当該ペプチドへとプロセッシングされる分子を同定することに関するものであった。
これを行うため、mRNA抽出キットを用いてMZ2−MEL.43細胞からポリ−A+RNAを抽出した。このmRNAをオリゴdT(NotI、EcoRI)プライマーを用いて、cDNAに変換し、Super Scriptプラスミドシステムキット(Bibco BRL)に記載されているように、BstXIアダプターに連結し、NotIで切断し、そして製造業者(Invitrogen Corp.)の使用説明書に従って発現ベクターpcDNAI/AMPのBstXI/NotIサイトに挿入した。組換えプラスミドをDH5の大腸菌(Escherichia coli bacteria)にエレクトロポーレーションし、アンピシリン(50μg/ml)で選抜した。
形質転換されたバクテリアをそれぞれ100のバクテリアからなる647のプールに分けた。各プールは約90の異なるcDNAに相当していた。というのは、分析によって約90%のプラスミドがインサートを含んでいることが示されたからである。各プールを、飽和するまで増幅(増殖)させ、そしてプラスミドDNAをアルカリ溶菌、酢酸カリウム沈殿、及びフェノール抽出によって単離した。上記のプロトコールは、マニアティス(Maniatis)他,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor,N.Y.1982)に従った。セシウム勾配遠心分離法は用いなかった。
増幅させたプラスミドを、次に、HLA−A2をコードする遺伝子を含有するプラスミドpcDNAI−Amp−A2とともに、真核細胞に共トランスフェクションした。COS−7細胞のサンプルを、10%胎児ウシ血清を追加したDulbecco’s modified Eagles Medium(“DMEM”)中で組織培養平板マイクロウェルに15,000細胞/ウェルとなるように播種した。細胞を37℃で一晩インキュベートし、培地を除去し、そして10%ヌー(Nu)血清、400μg/mlDEAE−デキストラン、100μMクロロキン、100ngのプラスミドpcDNA−I/Amp−A2及び100ngの前述したcDNAライブラリーのプールのDNAを含有する、DMEM培地で30μl/ウエルとなるように置換した。37℃での4時間のインキュベーションの後、培地を除去し、10%DMSOを含有する50μlのPBSで置換した。この培地を2分後に除去し、10%FCSを追加した200μlのDMEMで置換した。
この培地交換の後、COS細胞を37℃で48時間インキュベートした。次に、培地を捨て、25U/mlのIL−2を追加した、10%プールヒト血清(pooled human serum)を含有する、RPMI1640培地100μl中にて、2500細胞のCTL213を添加した。上清を24時間後に除去し、前述したようにWEHI−164クローン13細胞を用いた、TNFアッセイによってTNF含有量を測定した。
二連でテストして647ウェルのうち、ほとんどのものはml当たり1pgから4pgの間のTNFを産生した。しかしながら、2つのプールは二連でml当たり4及び8及び5及び6pgのTNFを上清中に産生した。これらの結果を考慮して、これらのプールを次のトランスフェクションにおいて用いた。
例 6
これらの2つの陽性と推定されたプールについて確かめるため、これらのプールと他のいくつかのプールとを用いて次のトランスフェクションを行った。2つの陽性と推定されたプールのうち1つは前と変わらず明らかに陽性であった(二連で10及び9pg/ml、一方他のミクロ培養(microcultures)では3pg/ml以下であった)。
この陽性プールのバクテリアをクローニングし、そして1150のバクテリアについてテストした。これらのプラスミドDNAを抽出し、前述のHLA−A2コンストラクト(pcDNA−Amp−A2)とともに共トランスフェクションし、そしてそのCOS−7共トランスフェクタント(cotransfectant)について、前述の方法で、それらがCTL213を刺激する能力をテストした。この陽性プールの中から、2つの陽性クローンが見つかった。これらのcDNAクローンのうち1つ(560E1)を用いて得られた結果を図3に示す。図3は、CTL213がHLA−A2でトランスフェクションされたMZ2−MEL.43細胞と接触すると、TNFが放出されることを示している。CTL213が、HLA−A2と560E1cDNAとで共トランスフェクションされたCOS−7細胞と接触した場合においてもTNFが放出される。CTL213が、HLA−A2単独でトランスフェクションされたCOS−7細胞、又は560E1cDNA単独でトランスフェクションされたCOS−7細胞と接触した場合では、どちらにおいてもTNFは放出されない。
例 7
cDNA560E1の配列決定を行った。DNA配列決定分析は、合成オリゴ又クレオチドを用いた特異的プライミングによって行った。シークエンシング反応はジデオキシ−チェインターミネーション法を用いて行った。配列が推定されたので、シークエンスホモロジーについてのコンピュータサーチをプログラムFASTA@EMBL−Heidelberg及びblast@ncbi.nlm.nih.govを用いて行った。
cDNA560E1(配列番号1)は、2237塩基対長である。560E1の配列とthe Gene Bank library中の配列との比較により、560E1のヌクレオチド84−230は、サイトウ(Saito)他,Biochem.Biophys.Res.Commun.,198:318(1994)に記載されている、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(N-acetylgucosaminyltransferaseV(“GnT−V”))をコードするcDNAの一部と同一であることが明らかになった。560E1の上流塩基対1−83はcDNAライブラリー中の他のどの配列とも重要なホモロジーを示さなかったが、以下に述べるように領域1−83はGnT−Vのイントロンに対してもホモロガスである。
例 8
560E1由来であってHLA−A2によって提示される抗原(ここで“NAG抗原”と称する)を決定するために、標準的技術を用いてcDNA560E1について、エキソヌクレアーゼ切断を行い、cDNAフラグメントを調製した。エキソヌクレアーゼ切断を行うために、cDNA560E1を含むプラスミドを、エキソヌクレアーゼIIIによる切断に先立って、NotI及びSphIを用いて開裂させた。この処理はErase−a−base(登録商標)システム(promega,Madison,WI)を用いて行った。ライゲーションの後、プラスミドをTOP10F’大腸菌(Escherichia coli bacteria)にエレクトロポーレーションし、アンピシリン(50μg/ml)で選抜した。クローンを単離し、プラスミドDNAを各クローンから抽出し、HLA−A2遺伝子とともにCOS−7細胞にトランスフェクションした。NAG抗原を発現する領域が同定された。この領域は配列番号1のヌクレオチド1−291にわたっていた(図4)。
この領域(即ちヌクレオチド1−291)の様々な部分を、ポリメラーゼ連鎖反応及び標準的技術を用いて増幅させた。PCR増幅によって、CDNAクローン560E1から(複数の)フラグメントを生成させた。末端を平滑化、及びリン酸化し、フラグメントをEcoRVで切断したベクターpcDNAI/Ampにサブクローニングした。PCRフラグメント1−185を生成させるために、VB1(5’−ACTGCTTACTGGCTTATC−3’)(配列番号2)をセンスプラマー(pcDNAI/Ampの位置2915から2932に相補的である)として使用し、そしてVB56(5’−TCAGCTTTTGGGTGGGTTGAACTTGG−3’)(配列番号3)をアンチセンスプライマーとして使用した(PCRフラグメントの境界は、cDNA560E1の第1ヌクレオチドに対して相対的なヌクレオチド位置として示されている)。PCRフラグメント35−82を生成させるために、VB72(5’−GCCGCCATGGTCCTGCCTGATGTG−3’)(配列番号4)をセンスプライマー(Kozakコンセンサス配列をcDNA560E1の位置35におけるATG開始部位の上流に追加したことに注目のこと)として使用し、そしてYG15(5’−CTAGTGTAAGACAGAAAACCACACAGCGTATGAA−3’)(配列番号5)をアンチセンスプライマーとして使用した。
この手法により、当該抗原の発現を移入する(transfer)ことができる、48塩基対の領域(ヌクレオチド35から82)を同定した。そしてこの領域は、前述のようにHLA−A2遺伝子を含むベクターとの共トランスフェクション実験において、CTL213による溶解を引き起こした。次に、この48塩基対配列によってコードされるアミノ酸配列を既知のHLA−A2結合コンセンサス配列を比較した。このコンセンサス配列はXaa(Leu/Ile/Met)Xaa3ZXaa2(Val/Leu)であり、ここにおいてZ=Val、Leu、Ile、Thrである(フォーク(Falk)他,Nature,351:290−296(1991)及びルッパート(Ruppert)他,Cell,74:929−937(1993))。HLA−A2コンセンサス配列と非常によく似た2つの配列が、この48塩基対領域の中において見つかった。
例 9
これらの2つの配列によってコードされるペプチドVal Leu Pro Asp Val Phe Ile Arg Cys Val(配列番号6)及びPhe Ile Arg Cys Val Val Phe Cys Ile(配列番号7)を合成し、テストした。これらのペプチドを、アサートン(Atherton)他,J.Chem.Soc.Lond.,1:538(1981)に記載されているようにF−mocを一過性のNH2−末端保護用に使用して、固相上で合成し、そして質量分析法によりキャラクタライズした。全てのペプチドは、>90%の純度であることが分析用HPLCにより示された。凍結乾燥したペプチドをDMSO中に溶解させ、−80℃で保存した。これらをブーン(Boon)他,J.Exp.Mod.,152:1184−1193(1988)に記載されているようにクロム放出試験によりテストした。このペプチド感作アッセイにおいて標的細胞を37℃で1時間かけて51Cr−標識化し、そして広範に(extensively)洗浄した。次に、10000のCTL213細胞を添加するのに先立って、1000の標的細胞を37℃で30分間、様々な濃度のペプチドの存在下で96穴マイクロプレート中でインキュベートした。クロム放出を37℃で、4時間後に測定した。560E1のヌクレオチド38−67に対応する10マーのNAG抗原ペプチド、Val Leu Pro Asp Val Phe Ile Arg Cys Val(配列番号6)(アミノ酸1−10)のみが標的T2細胞ラインをCTL213に対して感作した。
2種のノナマーペプチド(アミノ酸1−9及びアミノ酸2−10)を合成し、テストした。ヌクレオチド38−64に対応するNAG抗原ノナペプチドVal Leu Pro Asp Val Phe Ile Arg Cys(配列番号8)(アミノ酸1−9)は、標的T2細胞ラインをCTL213に対して感作した。オクタペプチドVal Leu Pro Asp Val Phe Ile Arg(配列番号9)(アミノ酸1−8)は、全く認識を引き起こすことができなかった(図5)。配列番号8を、前述のサイトウ(Saito)他,により示されたGnt−Vのエキソンと比較して際、このペプチドは見られないということが判った。また、配列番号1のリーディングフレームはGnt−Vのものと異なっているということが確認された。
例 10
前に言及したように、560E1、cDNAとGnt−VcDNAの間の類似性が示されているので、たとえあるとしたら、560E1cDNAとGnt−V−cDNAの間にどのような関係があるのか調査するために、さらに研究を行った。
まず最初に、λファージ中にMZ2−MEL.2.2.5DNAのゲノムライブラリーを標準的技術を用いて調製した。このライブラリーを560E1cDNAのヌクレオチド48−185からなる32P−標識化プローブ(プローブ“B”)でプロービングした。
プロービングの結果、14キロベースのインサートを有するファージが同定された。このインサートを切り出し、SacIで切断したところ5.5kbのフラグメントと8.5kbのフラグメントが生じた。次に、これらのフラグメントを、14kbインサートについて使用したプローブ“B”と、配列GGTTTCTCGAAGAAGGAACTGC(配列番号10)を有する32P−標識化オリゴヌクレオチドである、プローブ“A”とを用いてプロービングした。8.5kbのフラグメントはプローブBとハイブリダイズし、そして5.5kbのフラグメントはプローブAとハイブリダイズした。この2つのフラグメントをプラスミドpTZ19Rにサブクローニングし、周知の技術によって部分的に配列決定した。
8.5kbフラグメントは560E1cDNAの最初の83ヌクレオチドを含んでおり、それはスプライス受容部位で終端しており、その後にGnT−VcDNAの一部分に対してホモロガスであるヌクレオチド84−230が続くということが判明した。このフラグメントの後にはスプライス供与部位が隣接している。560E1cDNAの最初の83ヌクレオチドは、GnT−VcDNA中には見られないということに注目するべきである。
5.5kbフラグメントを配列決定したところ、GnT−VcDNAと比較した際に、前述の塩基84−230の配列の上流にみられる、150塩基対の配列を含むことが判明した。図7はこれをいくらか詳しく示している。
150塩基対と147塩基対の配列はGnT−VcDNAにおける2つの隣接したエキソンを表している:5.5kbフラグメント中にみられるエキソンAはGnT−VcDNAのヌクレオチド1526−1675からなる。8.5kbフラグメント中にみられるエキソンBはGnT−VcDNAのヌクレオチド1676−1822からなる。前記ペプチドをコードする配列は、GnT−VエキソンAとBとの間からなるイントロン(図7中にイントロンI)の最後の部分に位置している。この配列はGnT−Vをコードするものとは異なるオープンリーディングフレームに属する。
例 11
抗原性ペプチドをコードするイントロン領域は、サイトゾル内に部分的にスプライシングされていないGnT−Vメッセンジャーが存在する結果、それが翻訳のために用いられる可能性がある。他の可能性として、いくらかのメラノーマ細胞中では、イントロン中に位置するプロモーター領域が活性化されて、その結果、イントロンIの最後の部分から開始するメッセンジャーが生じるのかもしれない。本発明者らは、メッセンジャーの5’末端を同定するためにRACEプロトコールを用いることによってこれらの可能性を見分けることを試みた。
5’末端の増幅は5’−Amplifinder(商標)RACEキット(Clontech,Palo Alto,CA)を用いて行った。cDNA合成のために用いたプライマーはYG104(5’−CAGCGTATGAACACATCAGGC−3’)(配列番号11)であった(これはcDNA560E1のヌクレオチド位置43からヌクレオチド位置63に対応)。cDNAをキットに記載されているように、Amplifinder(商標)アンカーに連結した。ファーストラウンドPCR増幅は、アンチセンスプライマーYG104と、5’−Amplifinder(商標)RACEキットに記載されているセンスAmplifinderアンカープライマーとを用いて行い、そしてセカンドランド増幅はYG20(5’−AGGACCATCAGGCAGGAC−3’)(配列番号12)(これはcDNA560E1のヌクレオチド位置25からヌクレオチド位置42に対応)と、同じAmplifinderアンカープライマーとを用いて行った。増幅産物をPCR−Script(商標)SK(+)クローニングキット(Stratagene,La Jolla,CA)のベクターにクローニングし配列決定した。3つのクローニングしたPCR産物のシークエンシングにより、それらの配列がイントロンIの最後の部分と同一であることが明らかになったが、それらは、長さにおいてそれぞれ互いに異なっていた:1つのクローンはエキソンBの91塩基対上流から、もう1つのクローンは(エキソンBの)199塩基対上流から、そして最長のクローンは(エキソンBの)247塩基対上流から開始している。第1回目の実験で得られたクローンは比較的短く、そして全てが異なるサイズであったので、5’末端増幅について、第2回目の実験を行った。第2回目の実験では、YG104をcDNA合成のためのプライマーとして用い、アンチセンスプライマーYG20(配列番号12)と、Amplifinder RACEキットに記載されているセンスAmpliFINDERアンカープライマーとを、ファーストラウンドPCR増幅に用い、そしてアンチセンスプライマーYG31(5’−CACTATGCTCTCCTCCACCAAG−3’)(配列番号13)(これは、第1回目の実験で得られたクローン内において、YG20よりも161nt5’側に位置する)と、センスAmpliFINDERアンカープライマーとを、セカンドラウンドPCR増幅に用いた。産物を上記のようにクローニングした。8つのクローニングされたPCR産物はすべて同じ配列を共有しており、それはイントロンIの最後の部分と同一であり、そしてエキソンBの270塩基対上流から開始していた。第3回目のRACE実験ではエキソンB内に位置するアンチセンスプライマー(VB56)(配列番号3)を逆転写のために用い、増幅のラウンドはアンチセンスプライマーYG104とYG20を連続して用いて行った。4つのクローニングされたPCR産物を配列決定した。すべてがイントロンIの最後の部分と同一であり、エキソンBの96、221、234、及び287塩基対上流から開始していた。
cDNAライブラリーの中から、NAG腫瘍拒絶抗原前駆体をコードするより長いcDNAをサーチすることにより、cDNA560E1はおそらく関係のないcDNAとの間の組換え産物であろうということが示された。すなわち、cDNA560E1の973塩基対のXbaI制限断片(図7)に対応するプローブを用いてコロニーハイブリタイゼーション研究を行ったところ、ヌクレオチド231まではcDNA560E1と異なる5’末端を有し、一方3’末端部はcDNA560E1の3’末端とホモロガスであるいくらかのクローンが得られたのである。その結果、周知のRACE(rapid amplification of cDNA ends)技術を使用してcDNAの3’末端をサーチすることにした。
3’末端を増幅する際に、cDNA合成のために用いたプライマーは、フローマン(Frohman)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,851:8998−9002(1988)に記載されている、EDP1260(5’−GACFCGAGTCGACATCGATTTTTTTTTTTTTTTTT−3’)(配列番号14)であった。ファーストPCR増幅はセンスプライマーVB72(5’−ATGGTCCTGCCTGATGTG−3’)(配列番号15)(これはcDNA560E1のヌクレオチド位置35からヌクレオチド位置52に対応)とアンチセンスプライマーEDP1260とを用いて行った。セカンドPCR増幅は、センスプライマーVB45(5’−GATGTGTTCATACGCTGTGTGGT−3’)(配列番号16)(これはcDNA560E1のヌクレオチド位置47からヌクレオチド位置69に対応)とアンチセンスプライマーEDP1260とを用いて行った。増幅産物は上記のようにクローニングした。cDNA560E1の最初の83nt中に位置するセンスプライマーを用いて行った、3’末端のrapid amplificationと、増幅産物のクローニングによりGnT−VcDNAの3’末端(ヌクレオチド1675からヌクレオチド2421まで)とホモロガスな配列のcDNAクローンが得られた。このクローンを3’RACEクローンと称する。前述のアンチセンスプライマーEDP1260の配列をcDNA合成とPCR増幅に用いた。この配列はこのクローン(3’RACEクローン)の3’末端には見られなかった。その代わりに、前述のファーストラウンド増幅において、センスプライマーとして用いたプライマーとである、VB72の配列が見られ、アンチセンスプライマーとして利用されていた。
5’RACEの結果がRNA分子における推定局在(putative localized)二次構造によるアーティファクトではないということを確かめるために、イントロン配列+/−上流900塩基対と下流300塩基対に囲まれたエキソンBを含む、8.5kbゲノムサブクローン由来の1.3kbHindIII−SacI制限断片を転写ベクターpGEM3Zf(−)にクローニングした。SacIで切断したプラスミドに対して、SP6RNAポリメラーゼを用いて対応するセンスRNAを合成し、RNAse−freeDNAseIで処理し、そして無関係な酵母tRNA中に希釈した。1/102、1/104及び1/106の問題のRNAを含む2μgの全RNAをアンチセンスプライマーVB56又はYG104を用いて逆転写した。プラスミドDNAのコンタミネーションを評価するために、同一のRNA希釈物についてM−MLV−逆転写酵素を用いない、コントロール反応を行った。YG20をアンチセンスプライマーとし、そしてYG118をセンスプライマーとして用いて、cDNAに対してPCRを行った。YG118はイントロンI内に位置し、エキソンBの585塩基対上流にある。もし、RNA希釈物においてコンタミネーションプラスミドDNAが残存していなければ、cDNA合成が推定局在二次構造により妨害されない場合に限り、特異的PCR産物が選られる可能性ある。特異的バンドは実際に、1/102及び1/104RNA希釈物から合成されたcDNAについて観察され、対応するDNAコンタミネーションコントロールでは増幅は検出できなかった。
例 12
GnT−VmRNAとNAG抗原の、組織及び腫瘍における発現をPCRを利用して判定した(図8参照)。PCRを行うために、デイヴィス(Davis)他,Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier,New York,PP.130−135(1986)に記載されているように、トータルRNAをグアニジン−イソチオシアネート法によって抽出した。逆転写を、反応容量20μlで、2μgのトータルRNAについて行った。この20μlの反応容量の中には、4μlの5x逆転写酵素バッファー、2μlの20mMオリゴ(dT−15)プライマー溶液、20UのMoMLV逆転写酵素が含まれる。この反応物を42℃で60分間インキュベートした。
PCRを行うために、このcDNA反応産物の1/200に、2.5μlの10x耐熱性DNAポリメラーゼバッファー、0.5μlのdNTP各10mM溶液、0.625μlのプライマー各20μM溶液、0.5UのDynaZyme(商標)及び水を最終容量が25μlとなるように追加した。NA17−AcDNAの増幅(PCR“I−C”)のために、前述のVB45(配列番号16)をセンスプライマーとして用い、GnT−VcDNAのヌクレオチド1890からヌクレオチド1913までからなる、YG28をアンチセンスプライマーとして用いた。GnT−VcDNAの増幅(PCR“A−B”)のために、GnT−VcDNAのヌクレオチド1538からヌクレオチド1561までからなる、YG26をセンスプライマーとして用い、GnT−VcDNAのヌクレオチド1722からヌクレオチド1744までからなる、YG29をアンチセンスプライマーとして用いた。PCRは30サイクル(94℃で1分、62℃で2分、そして72℃で2分)で行った。PCR産物のうち10μlを、1.5%アガロースゲルでサイズ分別した。RNA調製物の質はヒトβ−アクチンcDNAのPCR増幅によってチェックした。このPCRは、プライマー5’−GGCATCGTGATGGACTCCG−3’)(配列番号18)(エキソン3センス)及び5’−GTCGGAAGGTGGACAGCGA−3’)(配列番号19)(エキソン6アンチセンス)を用いて、94℃で1分、65℃で2分、そして72℃で2分を21サイクルで行った。
定量的発現測定のために、cDNAを前述のように合成した。クローンM22−MEL.43から得た純粋なRNAが含められ、そして定量的PCRの各シリーズにおいて連続的に希釈された。スタンダードの直線的な曲線図表(linear curve)を得るために、サイクル数をPCRI−Cについては24にPCRA−Bについては25に、そしてβ−アクチンPCRについては18に減らした。微量の標識化dCTP(0.2μCi)を追加し、そしてホスホーイメージャー技術(phosphor-imager technology)を使用して正確な定量を得た。
PCR“A−B”は、既知のGnT−VmRNA由来の206塩基対−フラグメントを増幅させた。RT−PCRA−Bでテストした、22の正常組織サンプルのすべて及び29のメラノーマサンプルのすべてが陽性であった。RT−PCR“I−C”は、イントロンIの最後の部分を含み、従ってNAG抗原をコードするGnT−V転写産物からのみ、271塩基対−フラグメントを増幅させた。
様々な正常組織を、RT−PCRI−Cでテストした(表1)。メラノサイト細胞ライン(MZ2−MEL.43ラインにおいて観察された発現レベルの60%の発現レベル)と、1つの脳サンプル(テストした5つのうち1つ)及び1つの胸部サンプル(6つのうち1つ)(これらは非常にかすかなバンドを示した)を除くと、テストした47サンプルはすべて陰性であった。最も強いバンドを示した脳サンプルは黒質サンプルに対応し、定量RT−PCRによりアッセイを行ったところ4%の発現レベルを示した。13のHLA−A2腫瘍細胞ラインについて、定量RT−PCRI−C及びCTL213を用いたTNF放出アッセイを並行して行ってテストした。CTL213によるTNF放出を刺激する、8つのHLA−A2腫瘍細胞ラインは、MZ−2MEL.43細胞ラインについて観察された発現レベル(NAG抗原mRNA発現レベル)の8%と298%の間のNAG抗原mRNA発現レベルを示した。TNFアッセイにおいて陰性であった5つのHLA−A2腫瘍細胞ラインは、MZ−2MEL.43細胞ラインについて観察された発現レベルの3%以下の発現レベルを示した。
42のメラノーマ組織サンプルと198のメラノーマ以外の腫瘍サンプルについてR−PCRI−Cによるテストを行った。リファレンスであるMZ2−MEL.43RNAの8倍希釈物(12.5%)について得られたバンドと同等か、あるいはそれより強いPCRバンドを示したサンプルを、NAG抗原発現が陽性であるものとみなした。検出可能なPCRバンドを示さなかったサンプルを陰性であるものとみなした。定量RT−PCRによりアッセイし、きわどい結果の場合には、2%と12.5%の間のPCRバンドを示したすべてのサンプルを中間であるものとみなした。結果を以下の表2において詳細に示す。メラノーマサンプルの半分はかなりのレベルのNAG抗原を発現していたが、一方ほとんどの他のタイプの腫瘍はそうではなかった(1つの肉腫と1つの脳腫瘍ではかなりのレベルのNAG抗原を発現している)。
前述の諸例は、イントロン−発現(intron-expressed)NAG腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする核酸分子の単離を示す。本発明の一面はいくつかの核酸分子を編集したものからなる配列である。この配列を配列番号17に示す。そこに記載したヌクレオチド配列を含む核酸分子と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子もまた本発明の一部をなす。ここで用いられる“ストリンジェントな条件”という用語は、当業者によく知られているパラメーターのことを指す。より具体的には、ここで用いられるストリンジェントな条件とは、3.5xSSC、1xDenhardt’s溶液、25mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)、0.5%SDS及び2mMEDTA中における65℃で18時間のハイブリダイゼーションのことを指す。このハイブリダイゼーションの後、2xSSC、0.1%、SDS中において65℃で20分間にフィルターの洗浄を4回、そして0.3xSSC、0.1%SDS中において20分間にわたる洗浄を1回行う。同じ程度のストリンジェンシーを生じるような、使用可能な他の、条件、試薬、その他もある。熟練した当業者はそのような条件について精通しているであろうから、それらはここでは提供しないことにする。
NAGコード配列を、発現ベクターにおいて、また、原核細胞(例えばE.coli)及び真核細胞(例えばCHO又はCOS細胞)を含む宿主細胞、細胞ライン、そして細胞株のトランスフォーメーション(形質転換)又はトランスフェクションにおいて利用することが本発明に含まれるということも前記諸例から理解されるであろう。発現ベクターでは、前記配列がプロモーターに操作可能にリンクしていることが必要である。発現ベクター、HLA−A2をコードする核酸配列も含んでいてもよい。ベクターが両方(NAG及びHLA−A2)のコード配列を含んでいる場合では、通常はそれらのどちらも発現しない細胞をトランスフェクションするのに使用できる。例えば宿主細胞がすでにHLA−A2を発現している場合には、腫瘍拒絶抗原前駆体コード配列を単独で使用できる。前記コード配列を単独で使用できる。前記コード配列を含むベクターは所望であればHLA−A2提示細胞において使用可能であり、そしてNAG腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする核酸分子はHLA−A2を発現しない宿主細胞においても使用可能である。従ってもちろん使用可能な特定の宿主細胞の制限はない。
本発明は、また、当業者に所望の発現ベクター又は複数のベクターを用意することを可能にする、発現キット(expression kit)も含む。そのような発現キットは、少なくとも先に記載したコード配列のそれぞれの分離した部分(separate portious)を含む。先に言及した、必要とされる配列が含まれる限り所望であれば他の構成要素を加えてもよい。
本発明の核酸分子とイントロン−発現TRAPを区別するため、本発明をNAG核酸分子及びTRAPと呼ぶことにする。配列番号6及び配列番号8のNAG抗原性ペプチドも本発明の一部である。これらのNAG抗原性ペプチドは、例えばMHC分子HLA−A2を提示する細胞を同定するために利用することができる。これを達成するための1つの方法として、例えば検出可能なシグナルを担持した、前記ペプチドを投与し、次いで前記ペプチドと結合した細胞を同定するというものが挙げられる。これを達成するための他の方法として、固相結合ペプチドの利用が挙げられる。固相結合ペプチドに、HLA−A2提示細胞が結合し、従ってアッセイされるサンプルからそれらを取り出すことになる。
それに加えて本発明は、特に脳、及びメラノサイトにおける、NAGTRAPの発現によって特徴づけられる疾患を、当業者が診断することを可能にする。これらの方法は、NAGTRAP遺伝子の発現、及び/又は、HLA−A2によって提示されるNAGTRAのようなNAGTRAP遺伝子に由来するNAGTRAを判定することを含む。前者の場合、そのような判定は、ポリメラーゼ連鎖反応又は標識化ハイブリダイゼーションプローブを用いたアッセイを含む、いずれかの標準的核酸判定アッセイによっても行うことが可能である。後者の場合、NAGTRAとHLAとの複合体に対する、抗体のような結合パートナーを用いてアッセイするのが特に好適である。代わりの判定方法としては前述のタイプのTNF放出アッセイが挙げられる。
NAGTRAPをコードする核酸分子の単離によりNAGTRAP分子そのもの特に配列番号17コードされるアミノ酸配列を含むNAGTRAP分子を単離することも可能になる。これらの単離分子にNAGTRAとして、又はHLA−A2のようなHLAとTRAとの複合体をして提示された場合、アジュバントのような物質を組み合わせて、NAGTRAP分子の発現によって特徴づけられる疾患の治療において有効なワクチンを作成することができる。それに加えて、非増殖性のガン細胞及び非増殖性のトランスフェクタント(transfectant)のような細胞であって、NAGTRA/HLA複合体をその表面に提示する細胞からワクチンを調製することができる。細胞がワクチンとして使用されるすべての場合において、それらはCTL応答を引き起こすのに必要な一方の又は両方の成分をコードする配列でトランスフェクションされた細胞であってもよくもしくは、トランスフェクションされないで、両方の分子を発現する細胞であってもよい。さらに、NGATRAP分子、それと関連するNAGTRA、及びNAGTRAとHLAとの複合体は、当業者(当業分野に熟練したもの)によく知られている標準的技術を用いて抗体を作成するのに利用できる。
ここで“疾患”という用語が用いられた場合、それはNAG腫瘍拒絶抗原前駆体が発現する、すべての病的(異常)な状態を指す。そのような疾患の一例は、特にメラノーマである。
本開示に基づく治療上のアプローチは、HLA−A2のようなNAGTRA提示細胞の溶解を導く、患者の免疫系による応答を前提としている。そのようなアプローチの1つは、問題の表現型の異常細胞を有する患者に、前記複合体に特異的なCTLを投与することである。そのようなCTLをインヴィトロで開発することは当業者の技術範囲内に含まれる。すなわち、血液細胞のような細胞のサンプルを前記複合体を提示する細胞に接触させると特異的なCTLの増殖を誘発することができる。標的細胞は前述のタイプのCOS細胞のようなトランスフェクタントとすることができる。その表面に所望の複合体を提示するトランスフェクタントとすることができる。その表面に所望の複合体を提示するトランスフェクタントは問題のCTLと結合すると、その(CTLの)増殖を刺激する。ここで用いたようなCOS細胞は他の適当な宿主細胞と同様に広く入手可能である。
養子移入(養子免疫細胞移入)と呼ばれる治療上の方法論を詳述すると、(グリーンバーグ(Greenberg),J.Immunol.,136(5):1917(1986);レッデル(Reddel)他,Science,257:238(7−10−92);リンチ(Lynch)他,Eur.J.Immunol.,21:1403−1410(1991);カスト(Kast)他,Cell,59:603−614(11−17−89))所望の複合体を提示する細胞をCTLと結合させると、その結果それに特異的なCTLが増殖する。増殖したCTLは、次に特定の複合体を提示するいくらかの異常細胞によって特徴づけられる細胞異常を有する患者に投与される。すると、前記CTLが異常細胞と溶解し、それによって所望の治療目的が達成される。
前述の療法は少なくともいくらかの患者の異常細胞が問題に関連したHLA/TRA複合体を提示するということを仮定している。このことは非常に簡単に判定できる。というのは、特定のHLA分子を提示する細胞と同定する方法、及びこの場合はNAG配列であるが、適切な配列のDNAを発現する細胞をどのように同定するかということについて、当業者は非常によく精通しているからである。上記のスクリーニング方法によって、問題に関連した複合体を提示する細胞が同定されれば、それらを患者からのサンプルと接触させることができる。ここにおけるサンプルはCTLを含有するものである。もし、複合体提示細胞が(患者からの)混合CTLサンプルによって溶解されたならば、NAG由来の腫瘍拒絶抗原が提示されており、その患者は前述の治療上のアプローチにふさわしい候補者であると考えることができる。
養子移入(養子免疫細胞移入)のみが本発明に従って利用できる両方の唯一の形態であるわけではない。CTLを数々のアプローチを利用して、インヴィヴォで刺激することも可能である。1つのアプローチ、すなわち前記複合体を発現する非増殖性の細胞の利用については、先に詳述した。このアプローチにおいて用いられる細胞は、照射をうけたメラノーマ細胞又は前記複合体(HLA/TRA複合体)を提示するのに必要な一方又は両方の遺伝子でトランスフェクションされた細胞のような、通常前記複合体を発現する細胞であってよい。チェン(Chen)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:110−114(1991)は、治療法(therapeutic regime)における、HPVE7ペプチドを発現するトランスフェクション細胞の利用を示しており、このアプローチを例証している。様々な細胞タイプが利用可能である。同様に問題の遺伝子の一方又は両方を担持するベクターが利用可能である。ウイルスの又はバクテリアのベクターが特に好ましい。これらのシステムにおいて、問題の遺伝子は、例えばワクシニアウイルス又はバクテリアBCGによって伝えられ、この物質は、事実上、宿主細胞に“感染”する。その結果得られた細胞は問題の複合体を提示し、自己のCTLによって認識され、そしてそのCTLは増殖する。問題のHLA分子を提示する、HLA−A2提示細胞への組み込みを容易にするためにNAG腫瘍拒絶抗原又はその前駆体自体とアジュバントとを組み合わせることによって、同様の効果が達成できる。TRAPは、HLA分子はペプチドパートナーを生じるためにプロセッシングされるが、一方TRAはさらなるプロセッシングをされる必要なく、提示される。
本発明は、ここにおいて、特定の実施例に言及して記載されているが、これらの実施例は単に本発明の様々な側面を提示しているにすぎないということが理解されるべきである。従って、これらの例示的な実施例の枠内で、多くの改変を行うことが可能であり、本発明の精神と範囲から逸脱することなく他の組み合わせを考慮することが可能であることが理解されるべきである。
配列リスト
(1)一般情報:
(i)出願人:ヤニック・ギユー;フランシーヌ・ジョトロー;ティエリー・ブーン−ファラー;ソフィー・ルーカス;ヴィンセント・ブリチャード
(ii)発明の名称:単離核酸分子、MHC分子HLA−A2と複合体を形成するペプチド及びその利用
(iii)配列の数:19
(iv)連絡先:
(A)宛名 :フェルフェ・アンド・リンチ
(B)通り名 :サード・アベニュー805
(C)都市名 :ニューヨーク
(D)州名 :ニューヨーク
(E)国名 :アメリカ合衆国
(F)郵便番号:10022
(v)コンピュータ読み取り可能フォーム
(A)媒体型式:3.5インチ フロッピーディスク,1.44Mbメモリ
(B)コンピュータ:IBM PS/2
(C)オペレーティング・システム:PC-DOS
(D)ソフトウェア:ワードパーフェクト(Wordperfect)
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:未定
(B)出願日 :ここに同封
(C)分類 :435
(vii)先の出願データ:
(A)出願番号:08/487,135
(B)出願日 :1995年6月7日
(viii)弁理士/代理人情報:
(A)氏名 :パスカリーニ,パトリシア,エイ
(B)登録番号:34,894
(C)参照/書類番号:LUD 5388-PCT
(ix)通信情報:
(A)電話 : (212)688-9200
(B)ファックス:(212)838-3884
(2)配列番号1の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:2237
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号1:
(3)配列番号2の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:18
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号2:
(4)配列番号3の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:26
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号3:
(5)配列番号4の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:24
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号4:
(6)配列番号5の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:34
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号5:
(7)配列番号6の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:10
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号6:
(8)配列番号7の情報:
(i)配列特徴:
(A)長さ:9
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記述:配列番号7:
(9)配列番号8の情報:
(i)配列特徴:
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Claims (21)
- 配列番号17に示されたヌクレオチド配列からなる単離核酸分子。
- 配列番号17に示された核酸分子と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、腫瘍拒絶抗原前駆体をコードする、単離核酸分子。
- 請求項1の核酸分子に相補的な単離分子であって、前記単離分子は
mRNA又はDNAである単離分子。 - 請求項1の核酸分子でトランスフェクション又はトランスフォーメーションされた宿主細胞。
- 宿主細胞がHLA−A2を発現する真核細胞である請求項4の宿主細胞。
- 宿主細胞がHLA−A2を発現する原核細胞である請求項4の宿主細胞。
- 請求項2の核酸分子でトランスフェクション又はトランスフォーメーションされた宿主細胞。
- 宿主細胞がHLA−A2を発現する真核細胞である請求項7の宿主細胞。
- 宿主細胞がHLA−A2を発現する原核細胞である請求項7の宿主細胞。
- プロモーターに操作可能にリンクした請求項1の単離核酸分子を有する発現ベクター。
- プロモーターに操作可能にリンクした請求項2の単離核酸分子を有する発現ベクター。
- さらにHLA−A2をコードする核酸分子を有する請求項10の発現ベクター。
- さらにHLA−A2をコードする核酸分子を有する請求項11の発現ベクター。
- 請求項1の核酸分子によってコードされる単離腫瘍拒絶抗原前駆体。
- 配列番号6又は配列番号8に示されたアミノ酸配列を有する単離ペプチド。
- HLA−A2分子によって提示される、配列番号6又は配列番号8のアミノ酸配列からなる腫瘍拒絶抗原へとプロセッシングされるNAG腫瘍拒絶抗原前駆体の発現によって特徴づけられる疾患の治療用医薬組成物であって、前記疾患を軽減するのに十分な量の、NAG腫瘍拒絶抗原とHLA−A2分子との複合体に対して特異的であり、前記複合体を提示する細胞を溶解する細胞溶解性T細胞を含有する、医薬組成物。
- 配列番号17のヌクレオチド配列を有する核酸分子によってコードされる腫瘍拒絶抗原前駆体の発現によって特徴づけられる疾患の治療用医薬組成物であって、前記疾患を軽減するのに十分な量の、HLA分子と、配列番号6又は配列番号8のアミノ酸配列からなる腫瘍拒絶抗原との複合体に対して特異的な細胞溶解性T細胞を含有する医薬組成物。
- HLA−A2分子によって提示される、配列番号6又は配列番号8のアミノ酸配列からなる腫瘍拒絶抗原へとプロセッシングされるNAG腫瘍拒絶抗原前駆体の発現によって特徴づけられる疾患の治療用医薬組成物であって、前記NAG由来の腫瘍拒絶抗原とHLA−A2分子との複合体に対する免疫応答を誘発する物質を、前記複合体を提示する細胞に対する前記応答を誘発するのに十分な量を含有する医薬組成物。
- 配列番号17のヌクレオチド配列を有する核酸分子によってコードされるNAG腫瘍拒絶抗原前駆体の発現によって特徴づけられる疾患の治療用医薬組成物であって、HLA−A2分子と配列番号6又は配列番号8のアミノ酸配列からなるペプチドとの複合体に対する免疫応答を誘発する物質を、前記複合体を提示する細胞に対する前記免疫応答を誘発するのに十分な量を含有する医薬組成物。
- 配列番号6又は配列番号8のアミノ酸配列からなり、HLA−A2分子と複合体を形成するNAG由来の腫瘍拒絶抗原へとプロセッシングされるNAG腫瘍拒絶抗原前駆体の発現によって特徴づけられる疾患を検出する方法であって、被験体から採取したサンプルと、前記複合体に対して特異的な薬剤とを生体外で接触させ、前記疾患の検出として、前記複合体と前記物質との間の相互作用を検出することからなる方法。
- 配列番号17に示された配列を有する核酸分子によってコードされるNAG腫瘍拒絶抗原前駆体の発現によって特徴づけられる疾患を検出する方法であって、被験体から採取したサンプルと、前記前駆体に由来し、配列番号6又は配列番号8のアミノ酸配列からなる腫瘍拒絶抗原前駆体に対して特異的な物質とを生体外で接触させ、前記疾患の検出として、前記物質と、前記配列又は発現産物との間の相互作用を検出することからなる方法。
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