JP3848347B2 - プローブ固定基体の変化を判別する方法、プローブ固定基体および検出装置 - Google Patents
プローブ固定基体の変化を判別する方法、プローブ固定基体および検出装置 Download PDFInfo
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Description
(1)基体の作製
スライドガラスを予め60℃に加温した1mol/l水酸化ナトリウム水溶液にガラス基板を10分間浸した。引き続き純水流水中で十分にすすぎ、スライドガラスに付着した水酸化ナトリウムを水洗、除去した。十分にすすいだ後、純水中にスライドガラスを浸漬し、超音波洗浄を10分間行った。超音波洗浄後、純水流水中で十分にすすぎ、スライドガラスに付着したパーティクルを水洗、除去した。その後、このスライドガラスをスピンドライで乾燥させた。
本実施例においてプローブは、検出しようとする標的核酸の全部に対して相補的な塩基配列を有し、標的核酸の塩基配列と特異的にハイブリダイズ(交雑反応)することで標的核酸を検出する一本鎖核酸を用いた。DNA自動合成機を用いて配列番号1の配列からなる一本鎖核酸を合成した。なお、この一本鎖DNA末端にはDNA自動合成機での合成時にチオールモディファイア(Thiol−Modifier)(グレンリサーチ(Glen Research)社製)を用いることによってチオール基を導入した。続いて通常の脱保護を行い、DNAを回収し、高速液体クロマトグラフィーにて精製し、以下の実験に用いた;
5’HS−(CH2)6−O−PO2−O−ACTGGCCGTCGTTTTACA3’(配列番号:1)。
上記(2)で合成したDNA断片(配列番号1)をグリセリン7.5重量%、尿素7.5重量%、チオジグリコール7.5重量%、アセチレンアルコール(商品名:アセチレノールE100;川研ファインケミカル(株)社製)1重量%を含む水溶液に、0.6ODになるよう溶解させた。なお、オリゴヌクレオチドを1mlに溶解し、1cmの光路長のセルにおいて260nmの吸光度が1となる量が1ODである。
上記(3)で作製したDNAチップのプローブが固定されていない部分にUVラベルSタイプ(日油技研工業株式会社製)を貼付した。なお、このUVラベルSタイプは白色であるが紫外線を受光すると不可逆的に赤(ピンク)に変色するもので、約250 mJ/cm2で変色度合いが飽和する物である。
上記(4)で紫外線検知材を搭載したDNAチップに約5mJ/cm2になるように紫外線を照射した。
1M NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)に1.0重量%になるようウシ血清アルブミンを溶解させ、上記(5)で紫外線を照射したDNAチップと、上記(4)で作製したDNAチップ(紫外線を照射しないDNAチップ)の両者を室温で2時間浸漬させ、ブロッキング反応を行った。
ハイブリダイゼーションを行ったDNAチップを蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments, Inc.製)で波長532nmの蛍光観測を行った。その結果、各々のスポットがほぼ円形であり、その直径は55μmであった。そしてPMT400V、レーザーパワー100%で測定した場合に、UV照射を行ったDNAチップの配列番号1のプローブに起因するスポット中心付近の蛍光強度は6335であり、UV照射を行わないチップの配列番号1のプローブに起因するスポット中心付近の蛍光強度は21676であった。また、スポット周囲のバックグラウンドの蛍光強度はUVを照射した場合は270、UV照射のない場合は383であった。上記ではUV照射によるプローブの劣化を蛍光強度から判断する。
(1)DNAチップの作製
実施例1と同様の方法でDNAチップの必要数を作製した。
作製した各DNAチップのプローブが固定されていない部分にUVラベルSタイプ(日油技研工業株式会社製)を貼付した。
上記(2)で紫外線検知材を搭載した各DNAチップに10秒までの異なる時間で約5mJ/cm2になるように紫外線を照射した。また、照射を行なわないものも用意した。
それぞれのUVラベルをスキャナ(キヤノン株式会社製、N−1240U)でスキャンし、UVラベルの色成分をRGBに各256階調に分解し、G成分とUV照射時間をプロットした。その結果を図1に示す。UV照射時間とUVラベルのG色成分の輝度との関係は図1に示すとおり、直線的に減少する。
各DNAチップを実施例1と同様の方法でブロッキング反応及びハイブリダイゼーション反応を行い、さらに実施例1と同条件で蛍光強度の測定を行った。その結果を表2に示す。
上記(2)に示した紫外線検知材搭載のDNAチップに紫外線を3秒間照射し、上記(4)と同様にしてUVラベルのG成分を測定した結果、181であった。図2の検量線からこのDNAチップの蛍光強度の期待値は約11000であり、プローブ劣化度は約50%である。
上記(6)にてUV照射を3秒間行ったDNAチップを実施例1と同様の方法でブロッキング反応及びハイブリダイゼーション反応を行い、さらに実施例1と同条件で蛍光強度の測定を行った。その結果蛍光強度は11121であった。このことから、UVラベルのG色成分の輝度(UV照射量)から、プローブの劣化程度を計算することも可能であることが証明された。
(1)DNAチップの作製
実施例1と同様の方法でDNAチップの必要数を作製した。
作製したDNAチップのプローブが固定されていない部分に加熱積算ラベルKS90−20(日油技研工業株式会社製)を貼付した。なお、この加熱積算ラベルKS90−20は白色であるが、加熱をすると不可逆的に茶色に変色する物であり、約80℃で30分、約90℃で20分もしくは約100℃で7分程度で、その変色が飽和する物である。
上記(2)で温度検知材を搭載した各DNAチップをそれぞれ50℃、70℃、90℃のクリーンオーブン内で20分間加熱した。
加熱処理を行ったDNAチップ及び、加熱処理を行わなかったDNAチップそれぞれを実施例1と同様の方法で、ブロッキング反応およびハイブリダイゼーション反応を行った。
ハイブリダイゼーションを行ったDNAチップを蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments, Inc.製)で波長532nmの蛍光観測を行った。その結果、各々のスポットがほぼ円形であり、その直径は55μmであった。そしてPMT400V、レーザーパワー100%で測定した場合の蛍光強度を表3に示した。
20%以上劣化したチップを不良と定めると、表3からR成分が200未満であるとプローブの劣化が20%を超えることがわかる。この値を不良基準とする。
先の方法で作成したDNAチップに加熱積算ラベルKS90−20を貼付し、90℃/3分で加熱した。この加熱積算ラベルをスキャナでスキャンし、加熱積算ラベルの色成分をRGBに各256階調に分解し、R成分を測定した。その結果、204であり先の不良基準よりも高い値であることから、プローブの劣化度合いは20%以下(良品)であることが推測された。
90℃/3分で加熱したDNAチップを先と同様の方法でブロッキング、ハイブリダイゼーションを行い、蛍光スキャナで波長532nmの蛍光観測を行った。その結果、PMT400V、レーザーパワー100%で測定した場合の蛍光強度は17985であり、プローブ劣化度合いは13%で、良品であることが確認された。
(1)DNAチップの作製
実施例1と同様の方法でDNAチップの必要数を作製した。
PVA103(株式会社クラレ社製のポリビニルアルコールで、けん化度98.0−99.0mol%、重合度約300)を各5g秤量し、純水495gを含むビーカーに攪拌しながら加えて、純水中に分散させた。次いで、1時間温浴により80〜90℃に加熱して溶解し、濃度1.0重量%のPVA水溶液を調製した。放冷後、不溶解物が無いことを確認し、濾過を行い、PVA水溶液を調製した。濾過には0.22μmのメンブレンフィルターを用いた。
作製したDNAチップのプローブが固定されていない部分に加熱積算ラベルKS90−20(日油技研工業株式会社製)を貼付した。なお、この加熱積算ラベルKS90−20は白色であるが、加熱をすると不可逆的に茶色に変色する物であり、約80℃で30分、約90℃で20分もしくは約100℃で7分程度で、その変色が飽和する物である。
作製したDNAチップをエリプソメーター(堀場ジョバンイボン社製UVISEL)にて膜厚を測定した。その結果20.3nmであった。
保護層を形成したDNAチップを80℃で5時間放置し、その後室温に戻した。なお、温度検知材は完全に茶色に変色していた。
1M NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)に加熱処理を施したDNAチップおよび、加熱処理を施さなかったDNAチップそれぞれを10分間浸漬させ、その後純水で洗浄し、スピンドライにて乾燥させた。
加熱処理を施したDNAチップをエリプソメーターにて膜厚を測定した。その結果15.3nmであり、加熱処理を行わなかったDNAチップは膜を検出できなかった。このことから加熱によって保護体が硬化して保護膜が溶解しなかったことがわかり、ハイブリダイゼーション反応を行えないことが予想された。
加熱処理を行ったDNAチップおよび加熱処理を行わなかったDNAチップそれぞれを実施例1と同様の方法で、ブロッキング反応およびハイブリダイゼーション反応を行った。
ハイブリダイゼーションを行ったDNAチップを蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments, Inc.製)で波長532nmの蛍光観測を行った。加熱処理を行ったDNAチップは蛍光は観測されなかった。なお、加熱処理を行わなかったDNAチップは、各々のスポットがほぼ円形であり、その直径は55μmであった。そしてPMT400V、レーザーパワー100%で測定した場合の蛍光強度は20139であった。
Claims (8)
- 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを基体上に固定したプローブ固定基体の変化の有無または量を判定する方法であって、前記プローブ固定基体の変化の要因となる環境変化を検知する素子を前記プローブ固定基体に設け、前記プローブ固定基体の変化の要因となる環境変化を検知する素子の変化の度合いから、プローブ固定基体の変化の有無または量を判別することを特徴とする判定方法。
- 前記プローブ固定基体の変化が、プローブの劣化または保護体の変化であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを基体上に固定したプローブ固定基体であって、前記プローブ固定基体の変化の要因となる環境変化を検知する素子が設けられており、該素子から該プローブ固定基体の環境変化に関する情報を取得する手段と、該取得手段で取得した情報に基づいてプローブ固定基体の変化の有無または量を判定する手段と、を有することを特徴とするシステム。
- 前記プローブ固定基体の変化が、プローブの劣化または保護体の変化であることを特徴とする請求項3記載のシステム。
- 前記プローブと標的物質とを反応させるための反応装置であって、請求項3記載のシステムを備えることを特徴とする反応装置。
- 前記プローブと反応した標的物質の有無あるいは量を検出するための検出装置であって、請求項3記載のシステムを備えることを特徴とする検出装置。
- プローブの劣化具合から、予め作成しておいた検量線を使用して、前記プローブ固定担体と反応した標的物質の量または有無を計測した結果を補正することを特徴とする請求項6記載の検出装置。
- プローブの劣化の要因を検知する素子の変化量とプローブの劣化の度合いとを実測して検量線を作成し、該検量線を用いて前記素子の変化量からプローブの劣化度合いを定量することを特徴とする、プローブ劣化定量方法。
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