JP3847861B2 - ダイバーバンド用バックル - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイバーバンド用バックルに係り、特にダイバーウオッチのバンドの長さ調節機能を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイバーウオッチにあっては、例えば陸上及び水中のように、著しく変化する環境下で使用され、さらに、そのファッション性により、日常から装着される場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ダイバーウオッチを手首等に装着する場合には、既存の時計バンドと止め金具を使用することが考えられるが、環境の変化にともなって、装着位置を例えば手首から腕に変更する場合、また、日常生活において使用し、その装着状態からウェットスーツ等の着衣状態で装着する場合であると、バンドの長さを広い範囲にわたって調整する必要がある。
さらに、時計バンドを手首に直接(皮膚に直接)装着する場合にあっては、使用者の体質と金属の種類との組み合わせによってアレルギー反応を示すことがあり、純チタン等の刺激の少ない金属を使用すると、バックルの摩耗が大きくなる傾向が増大することになる。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
▲1▼不用意にバックルが外れる等の不具合をなくし安全性を高めること。
▲2▼バンド長さの調節範囲を拡大すること。
▲3▼バンド長さの調節時の操作性を高めること。
▲4▼時計の着脱性を高めること。
▲5▼突出部分を少なくして衣服等に引っかかる等の現象の発生を低減すること。
▲6▼摩耗発生部位を低減すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイバーバンド用バックルにあっては、一対のバンドの端部間に接続状態に配されるもので、第1のバンド及び第2のバンドに取り付けられる第1及び第2の二つ折れ手段と、第1のバンドと第1の二つ折れ手段との間にピンにより取り付けられ第1の二つ折れ手段の上を覆う第1の上蓋と、該上蓋に配されるプッシュボタンユニットと、第1の二つ折れ手段に配されプッシュボタンユニットの操作により係止及び離脱される第1の係止具と、第1の二つ折れ手段に回転可能に支持されかつ第1の上蓋の上を覆った状態に被せられる安全蓋と、該安全蓋と第1の二つ折れ手段との間に介在状態に配され安全蓋の回転を抑制するクリック手段と、第2のバンドと第2の二つ折れ手段との間に取り付けられ第2の二つ折れ手段の上を覆う第2の上蓋と、第2の二つ折れ手段と第2の上蓋の間にピンにより介在状態に取り付けられその開閉操作を規制するリンク部と、第2の上蓋に配されその開閉操作を抑制する第2の係止具とを具備する構成が採用される。
第2の二つ折れ手段にあっては、第1の係止具による係止時に、第1の上蓋によって押え付けられた状態に保持される。
第1のバンドと第1の上蓋との間、または第2のバンドと第2の二つ折れ手段との間には、長さ調整機構が配される。
第1の二つ折れ手段は、上方部材と下方部材とを主ピンによって回転可能に接続してなり、第1の係止具が、下方部材に上方に突出状態に配される。
第2の二つ折れ手段は、第2の上方部材と第2の下方部材とを第2の主ピンによって回転可能に接続してなり、リンク部及び第2の上蓋を介在させた状態で第2のバンドに接続される。
第2の上蓋及びリンク部は、第2の二つ折れ手段との間で、4節リンク機構を形成し、第2の係止具を、第1及び第2の二つ折れ手段の組み付けピンに支持させた状態で、第2の上方部材と第2の上蓋とのなす角度を変える際に、リンク部が第2の上方部材に近接または離間した状態となり、第2の二つ折れ手段の開閉と第2の係止具の係脱とが可能となる。
第2の上方部材には、第2の二つ折れ手段を開いた状態とした際に、第2の係止具をはめ込んで退避させる穴部が形成される。
第2の二つ折れ手段は、開いた状態とした際に腕もしくはウエットスーツ着用時の手首への装着寸法に設定され、閉じた状態とした際に手首への装着寸法に設定される。
第1の上蓋の上面には、安全蓋の先端部を収納する凹部が配される構成が付加される。
第1の上蓋と第2の上蓋との上面が、第1、第2の二つ折れ手段を閉じた際に、ほぼ同一曲面を形成するように設定される。
プッシュボタンユニットには、横方向に移動可能に配される一対の移動子と、該移動子を収容しその移動を案内するガイドと、移動子に一体に配され移動子を中央に押し込む操作をするためのボタン部と、ガイドに収容され移動子をボタン部の方向に付勢する弾発部材と、移動子に配され第1の二つ折れ手段に上方に突出状態に配される係止具に掛け止めされるローラ部とが配される構成が採用される。
結合ピンにあっては、第1の二つ折れ手段の両側部よりも突出状態に配され、結合ピンの突出部分に安全蓋の係止凹部が支持される構成とされ、結合ピンは、頭部を丸めたばね棒によって構成される。
さらに、ダイバーバンド用バックルにあっては、少なくとも裏面がチタン材により構成される技術が採用される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るダイバーバンド用バックルの一実施形態について、図1ないし図10を参照して説明する。
【0007】
これら各図において、符号Xは時計、1,2は第1及び第2のダイバーバンド片(第1及び第2のバンド)、10はダイバーバンド用バックル、11,12は第1及び第2の二つ折れ手段、13は第1の上蓋、14はプッシュボタンユニット、15は安全蓋、16,17は第1及び第2の係止具、18はリンク部、19は第2の上蓋、20は長さ調整機構である。
【0008】
これらの詳細について、以下説明する。
【0009】
前記第1及び第2のダイバーバンド片1,2は、例えば手首に装着されるダイバーウオッチ用のバンド(いわゆる時計バンド)であり、図1、図8等に示すように、これらの端部間に、接続状態にダイバーバンド用バックル10が配され、かつ時計Xを介在させてループを形成している。
これら、第1及び第2のダイバーバンド片1,2、ダイバーバンド用バックル10は、少なくとも皮膚に接する部分である裏面等が、皮膚に対してアレルギー性反応が少ないとされる純チタン材によって構成される。
【0010】
前記第1の二つ折れ手段11にあっては、図2、図4及び図7等に示すように、第2の二つ折れ手段12と第1の上蓋13との間に接続状態に配されるもので、下方部材11Aと、その上に重ねられる上方部材11Bとの間が、主ピン11Cにより回転可能に接続され、下方部材11Aの先端側に、第2の二つ折れ手段12、リンク部18及び第2の上蓋19を介して第2のダイバーバンド片2が取り付けられるとともに、上方部材11Bの先端部に、第1の二つ折れ手段11の上を覆う第1の上蓋13が結合ピン(ピン)21により回転可能に取り付けられる。
【0011】
さらに、下方部材11Aには、プレス加工等により、図4及び図7等に示すように、上方部材11B及び第2の二つ折れ手段12に接続するための接続用折返し部11a,11bと、全体の強度を高めるための補強リブ11c,11dとが形成される。
【0012】
前記上方部材11Bは、プレス加工等により、図7等に示すように、下方部材11Aと第1の上蓋13との間に介在状態に配され、主ピン11C及び結合ピン21を介して回転可能に接続するための接続用折返し部11e,11fと、閉じた状態とした場合に第1の係止具16をプッシュボタンユニット14との係合位置まで突出させるための貫通穴11gとが形成される。
【0013】
前記第2の二つ折れ手段12にあっては、プレス加工する等により、図7、図9及び図10等に示すように、第2の下方部材(下方部材)12A及び第2の上方部材(上方部材)12Bと、これらを回転可能に接続する主ピン12Cとを有する構造とされ、下方部材11A及びリンク部18に対して、組み付けピン(ピン)22及び結合ピン(ピン)23により回転可能に取り付けられる。
【0014】
第2の下方部材12Aには、図7及び図9等に示すように、第1の二つ折れ手段11に準じて、上方部材12B及び第1の二つ折れ手段11に接続するための接続用折返し部や、全体の強度を高めるための補強リブが形成される。
【0015】
前記第2の上方部材12Bには、図7、図9及び図10等に示すように、第2の下方部材12Aとリンク部18との間に介在状態に配され、第1の二つ折れ手段11に準じて、主ピン12C及び結合ピン23を介して回転可能に接続するための接続用折返し部が形成されるが、先端中央部に、開いた状態にした場合に第2の係止具17をはめ込んで待避させるための穴部12aとが形成される。
【0016】
第2の係止具17は、第2の上蓋19に一体に形成され、図9に示すように、組み付けピン(ピン)22に対して掛け止め状態に契合されるものであり、リンク部18は、第2の上方部材12Bと第2の上蓋19とに、結合ピン23と結合ピン26とにより結合され、第2の上蓋19は、結合ピン27により第2のダイバーバンド片2に取り付けられる。
【0017】
第2の上蓋19は、図1に示すように、第1の上蓋13の先端によって覆われるとともに、第1の上蓋13と第2の上蓋19との上面が、ほぼ同一曲面を形成するように設定される。
【0018】
また、第2の二つ折れ手段12は、ダイバーウオッチを手首に装着した場合と腕に装着した場合とで、また、通常使用の場合とウェットスーツ等の装着時との場合で、周寸法に大きな差が生じることを考慮して、図8に概略的に示すように、閉じた状態と開いた状態との寸法差Lが設定される。
【0019】
前記第1の上蓋13には、図1,図2及び図7に示すように、第1のバンド1が長さ調整機構20を介在させた状態で接続され、これらの接続位置は、調整ピン(ピン)24を「バネ」棒として第1の上蓋13の複数の調整穴13aとの係合位置を変えることにより調整される。
そして、第1の上蓋13の上面には、図1及び図7に示すように、安全蓋15におけるブリッジ状をなす先端部を収納して上面への突出量を少なくするための凹部13bが配され、該凹部13bに連設状態に安全蓋15の先端縁部をこじあける際に手指または爪を入れるための操作窪部13cが形成される。
【0020】
前記プッシュボタンユニット14は、図1ないし図3及び図7等に示すように、第1の上蓋13の内部に組み込み状態に配され、第1の係止具16との間の係止状態及び離脱状態の選択により、第1の二つ折れ手段11の開閉の可否を設定するものである。
【0021】
プッシュボタンユニット14には、図3に示すように、第1の上蓋13の内部の角筒状のガイド13dにより移動可能に支持され対向状態に組み合わせられる二つ(一対)の移動子14aと、該移動子14aを付勢力により移動させるスプリング(弾発部材)14bと、移動子14aの突出部分であるボタン部14cと、該ボタン部14cの反対位置に配されるローラ支持片14dと、該ローラ支持片14dに回転可能にかつ対向状態に配されるローラ部14eと、スプリング14bを収納して付勢力を受けるための段部14f,14gと、段部14fの近傍に配されてガイド13dの内側面に配されたストッパ13eに当たって外側への移動が阻止される当接部14hとが形成される。
なお、スプリング14bの付勢力による移動子14aの突出は、対向状態の一対のローラ部14eが接触状態となったとき、あるいは後述するように、一対のローラ部14eの間に第1の係止具16が介在して挟持状態となったときに抑制される。
【0022】
前記安全蓋15は、図5ないし図7に示すように、第1,第2の二つ折れ手段11,12における下方部材11A,12Aの組み付けピン22に回転可能に支持され、図1に示す第1の上蓋13の上を覆って第1の上蓋13の「開」操作を抑制した状態と、図5に鎖線で示す角度α(90度程度)ないし図6に実線で示す角度β(140度程度)開いた第1の上蓋13の「開」及び「閉」状態との選択により、ダイバーバンド用バックル10の長さを調整可能な状態とするものである。
【0023】
そして、安全蓋15と下方部材11Aの側部との間には、閉じた状態であることを回転抵抗の増大で知らせてその保持を行なうとともに、回転位置を明確にするために、結合ピン21の先端に係合するクリック穴25が配される。この場合にあって、結合ピン21は、ばね棒が採用されて、第1の二つ折れ手段11の両側部よりも突出状態に配され、弾発力によってクリック穴(係止凹部)25との係合状態と非係合状態との切り替え操作を明確にする。
【0024】
前記第1の係止具16は、第1の二つ折れ手段11における下方部材11Aの内部の中心に、図4及び図7に示すように、上方に突出状態に配され、前述したプッシュボタンユニット14におけるローラ部14eを掛け止めするためのオーバーハング部16aと、ローラ支持片14dのローラ部14eを転動させるガイド部16bとを有している。
そして、第1の係止具16は、図1及び図4に示すように、下方部材11Aの底面の一部を切り起こす方法、あるいは別途作成したものを下方部材11Aの底部に溶接すること等により形成されるとともに、係止時に上方部材11Bの貫通穴11gを経由してローラ支持片14dを突出状態とするように設定される。
【0025】
前記長さ調整機構20は、図7に示すように、少なくとも第1の上蓋13に配されて、ダイバーバンド全体のループ長さ(周寸法)を調整するものである。
該長さ調整機構20は、第1の上蓋13に形成した複数の調整穴13aと、第1のダイバーバンド片1の先端の穴に挿入されて調整穴13aの一つに弾発力によって係合状態に嵌め込まれる調整ピン24とによって構成される。
【0026】
このように構成されているダイバーバンド用バックルにおけるダイバーウオッチの掛け外し及び長さ調整操作について以下説明する。
【0027】
ダイバーウオッチの着脱、つまりダイバーバンド用バックル10の掛け外しは、第1の上蓋13と安全蓋15との開閉操作をともなって行なわれる。
図1に示すように、第1の上蓋13及び安全蓋15が閉じた状態では、プッシュボタンユニット14におけるローラ部14eが、第1の係止具16を挟持することにより、第1の二つ折れ手段11の開閉が抑止される。
【0028】
この際に、プッシュボタンユニット14が両側から押されても、安全蓋15が閉じていることにより、第1の上蓋13の開放操作が抑制される。
なお、第1の上蓋13及び安全蓋15が閉じている場合には、図2に示すように、安全蓋15が第1の上蓋13における凹部13bに収容されて突出部分がなく、加えて図5に示すように、結合ピン21がクリック穴25に係合してロックする機能が働くことにより、安全蓋15が不用意に開くことが防止される。
【0029】
第1の上蓋13における操作窪部13cに手指を入れて、安全蓋15を図5に示す角度αだけ開くと、第1の上蓋13の上方が開放される。
結合ピン21がクリック穴25が外れる際に、弾発力により操作抵抗が急減することにより、開く操作の確認が可能となる。
【0030】
安全蓋15を開いた状態では、プッシュボタンユニット14におけるボタン部14cを押す操作で、一対のローラ部14eの間隔が大きくなって、第1の係止具16におけるオーバーハング部16aの挟持を解放し、第1の上蓋13とともに第1の二つ折れ手段11を上方に移動させる開く操作により、下方部材11Aと上方部材11Bとが開いた状態となって、ループ寸法が大きくなり、ダイバーウオッチ等を手首から外す等の操作が可能となる。
【0031】
ダイバーウオッチ等を手首に装着する際には、第2の二つ折れ手段12を閉じて、第2の係止具17により第2の上蓋19の開く方向の移動を抑制した状態で、第1の二つ折れ手段11を閉じると、下方部材11Aと上方部材11Bと合わせられた状態となって全体厚さが薄くなるとともに、第1の上蓋13を第1の二つ折れ手段11に被せることにより、第1の係止具16にプッシュボタンユニット14が係止される。
つまり、プッシュボタンユニット14における移動子14aのローラ部14eが、第1の係止具16のガイド部16bに接触してオーバーハング部16aを乗り越えて、ローラ支持片14dの挟持力によりオーバーハング部16aに引っ掛かった状態となる。
【0032】
次いで、安全蓋15を図5の鎖線位置から実線の位置に戻すことにより、結合ピン21及びクリック穴25が係合状態となってロック状態となる。
この状態にあっては、プッシュボタンユニット14が押されにくい状態となって第1の係止具16が解除されることがなく、加えて、安全蓋15及び第1の上蓋13が、第2の係止具17の先端を押え付けた状態となって、第2の二つ折れ手段12を開く操作が抑止されるとともに、第1の上蓋13と第2の上蓋19との上面が、図2に示すように、ほぼ同一曲面に沿って配されて、突出部分がなくなる。
【0033】
バンド1の長さの通常の調整は、長さ調整機構20によって行なわれる。即ち、バンド2と第1の上蓋13との間において、調整穴13aに対する調整ピン24の係合位置を変更することにより実施され、手首回りの寸法に合わせて調整される。
【0034】
次いで、もう一つの長さ調整操作について以下説明する。
【0035】
水中において、ダイバーウオッチを使用する場合にあっては、腕の部分に装着する等の状態切り替えが行なわれる。
まず、図6に示すように、安全蓋15を開いた状態とするとともに、プッシュボタンユニット14の操作により第1の上蓋13を開いた状態とする。
【0036】
図9(a)に示すように、第2の上蓋19を引き上げて、リンク部18を第2の上方部材12Bから離間させ、図9(b)に示す状態とする。第2の上蓋19の引き上げ途中で、主ピン12C、組み付けピン22、結合ピン23及び接続ピン26で構成される4節リンクの角度、つまり、第2の上方部材12Bとリンク部18との間の角度が急激に変化することと、第2の上方部材12B及びリンク部18の一部が弾性変形をともなうこととによって、クリック感が発生するとともに、第2の係止具17が、組み付けピン22から外れ易くなる。
【0037】
第2の係止具17を組み付けピン22から外して、図9(c)に示すように解放状態とし、次いで、第2の二つ折れ手段12を開いた状態とすると、図8に示すように、寸法差Lの分だけ寸法が大きくなる。
したがって、第2の二つ折れ手段12を開いた状態のまま、第1の上蓋13及び安全蓋15を閉じて、腕の部分等に装着するものである。
例えば、第2の二つ折れ手段12を開いた場合の寸法増加量は、10数mmないし30数mm程度に設定される。
【0038】
したがって、このような機能を持つダイバーバンド用バックル10にあっては、長さ調整機構20による長さ調整機能に加えて、図8に示すように、第2の二つ折れ手段12を開いた状態とすることによって、ダイバーウオッチを手首から腕(ウエットスーツの上側等)に付け替える場合のように、寸法を大きくする場合に利用される。
第1の上蓋13及び安全蓋15を閉じた状態とすると、再び安全蓋15を大きく開くまで第1の二つ折れ手段11を開くことができなくなるので、装着時の安全性が保持される。
【0039】
なお、長さ調整機構20にあっては、第2の上蓋19の部分に配することも可能であり、かつ、その際に第1の上蓋13と第2の上蓋19との両方に配してもよい。
図1ないし図10例では、長さ調整機構20を第1の上蓋13の部分のみに配して、機能の単純化を図っている。
【0040】
【発明の効果】
本発明のダイバーバンド用バックルによれば、以下の効果を奏する。
(1) 第1及び第2の二つ折れ手段と、第1の二つ折れ手段の上を覆う第1の上蓋と、第1の上蓋に配されるプッシュボタンユニットと、プッシュボタンユニットの操作により係止及び離脱される第1の係止具と、第1の上蓋の上を覆った状態に被せられる安全蓋と、第2の二つ折れ手段の開閉操作を抑制する第2の係止具とを具備することにより、安全蓋を開かないと第1の上蓋及び二つ折れ手段を開くことができないから、不用意にバックルが外れる等の不具合をなくして安全性を高めることができる。
(2) 二つ折れ手段の開閉によりバンド長の調整を行ない、陸上及び水中環境における所望の装着箇所や、太さの異なる部分への装着を容易にし、ダイバーバンド用バックルの用途を拡大することができる。
(3) 安全蓋によって、第1及び第2の二つ折れ手段の開放移動を拘束することにより、安全性を確保することができる。
(4) 第2の二つ折れ手段の開閉によって、装着寸法の設定を行なうことにより、寸法調整を単純化することができる。
(5) 安全蓋及び第1の上蓋によって第2の二つ折れ手段の開放移動を拘束することにより、安全性を飛躍的に向上させることができる。
(6) 第1の上蓋と第2の上蓋との上面を同一曲面に沿った設定とすることにより、突出箇所の発生を少なくし、デザイン上の統一性を図ることができる。
(7) 開閉時の摩擦接触を少なくすることにより、部品の摩耗を低減して耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイバーバンド用バックルの一実施形態を示す組み立て状態の斜視図である。
【図2】 本発明に係るダイバーバンド用バックルの一実施形態を示す正面図である。
【図3】 図1におけるプッシュボタンユニットの部分の詳細を示した拡大平面図である。
【図4】 図1における二つ折れ手段の下方部材の構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】 図1における安全蓋等の部分を示す安全蓋を閉じた状態の正面図である。
【図6】 図1における安全蓋等の部分を示す安全蓋を開いた状態の正面図である。
【図7】 図1における両二つ折れ手段、第1の上蓋、第2の上蓋、安全蓋等の関連を示す正断面図である。
【図8】 図7における第2の二つ折れ手段の部分を示す斜視図である。
【図9】 図7における第2の係止具及びリンク部の動きを示す拡大断面図である。
【図10】 図1における第2の二つ折れ手段の第2の上方部材の構造を示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
X…時計
1…第1のダイバーバンド片(第1のバンド)
2…第2のダイバーバンド片(第2のバンド)
10…ダイバーバンド用バックル
11…第1の二つ折れ手段
11A…下方部材
11B…上方部材
11C…主ピン
12…第2の二つ折れ手段
12a…穴部
12A…第2の下方部材(下方部材)
12B…第2の上方部材(上方部材)
12C…主ピン
13…第1の上蓋
13a…調整穴
13b…凹部
13c…操作窪部
14…プッシュボタンユニット
15…安全蓋
16…第1の係止具
17…第2の係止具
18…リンク部
19…第2の上蓋
20…長さ調整機構
21…結合ピン(ピン)
22…組み付けピン(ピン)
23…結合ピン(ピン)
24…調整ピン(ピン)
25…クリック穴(係止凹部)
26…接続ピン(ピン)
27…接続ピン(ピン)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイバーバンド用バックルに係り、特にダイバーウオッチのバンドの長さ調節機能を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイバーウオッチにあっては、例えば陸上及び水中のように、著しく変化する環境下で使用され、さらに、そのファッション性により、日常から装着される場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ダイバーウオッチを手首等に装着する場合には、既存の時計バンドと止め金具を使用することが考えられるが、環境の変化にともなって、装着位置を例えば手首から腕に変更する場合、また、日常生活において使用し、その装着状態からウェットスーツ等の着衣状態で装着する場合であると、バンドの長さを広い範囲にわたって調整する必要がある。
さらに、時計バンドを手首に直接(皮膚に直接)装着する場合にあっては、使用者の体質と金属の種類との組み合わせによってアレルギー反応を示すことがあり、純チタン等の刺激の少ない金属を使用すると、バックルの摩耗が大きくなる傾向が増大することになる。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
▲1▼不用意にバックルが外れる等の不具合をなくし安全性を高めること。
▲2▼バンド長さの調節範囲を拡大すること。
▲3▼バンド長さの調節時の操作性を高めること。
▲4▼時計の着脱性を高めること。
▲5▼突出部分を少なくして衣服等に引っかかる等の現象の発生を低減すること。
▲6▼摩耗発生部位を低減すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイバーバンド用バックルにあっては、一対のバンドの端部間に接続状態に配されるもので、第1のバンド及び第2のバンドに取り付けられる第1及び第2の二つ折れ手段と、第1のバンドと第1の二つ折れ手段との間にピンにより取り付けられ第1の二つ折れ手段の上を覆う第1の上蓋と、該上蓋に配されるプッシュボタンユニットと、第1の二つ折れ手段に配されプッシュボタンユニットの操作により係止及び離脱される第1の係止具と、第1の二つ折れ手段に回転可能に支持されかつ第1の上蓋の上を覆った状態に被せられる安全蓋と、該安全蓋と第1の二つ折れ手段との間に介在状態に配され安全蓋の回転を抑制するクリック手段と、第2のバンドと第2の二つ折れ手段との間に取り付けられ第2の二つ折れ手段の上を覆う第2の上蓋と、第2の二つ折れ手段と第2の上蓋の間にピンにより介在状態に取り付けられその開閉操作を規制するリンク部と、第2の上蓋に配されその開閉操作を抑制する第2の係止具とを具備する構成が採用される。
第2の二つ折れ手段にあっては、第1の係止具による係止時に、第1の上蓋によって押え付けられた状態に保持される。
第1のバンドと第1の上蓋との間、または第2のバンドと第2の二つ折れ手段との間には、長さ調整機構が配される。
第1の二つ折れ手段は、上方部材と下方部材とを主ピンによって回転可能に接続してなり、第1の係止具が、下方部材に上方に突出状態に配される。
第2の二つ折れ手段は、第2の上方部材と第2の下方部材とを第2の主ピンによって回転可能に接続してなり、リンク部及び第2の上蓋を介在させた状態で第2のバンドに接続される。
第2の上蓋及びリンク部は、第2の二つ折れ手段との間で、4節リンク機構を形成し、第2の係止具を、第1及び第2の二つ折れ手段の組み付けピンに支持させた状態で、第2の上方部材と第2の上蓋とのなす角度を変える際に、リンク部が第2の上方部材に近接または離間した状態となり、第2の二つ折れ手段の開閉と第2の係止具の係脱とが可能となる。
第2の上方部材には、第2の二つ折れ手段を開いた状態とした際に、第2の係止具をはめ込んで退避させる穴部が形成される。
第2の二つ折れ手段は、開いた状態とした際に腕もしくはウエットスーツ着用時の手首への装着寸法に設定され、閉じた状態とした際に手首への装着寸法に設定される。
第1の上蓋の上面には、安全蓋の先端部を収納する凹部が配される構成が付加される。
第1の上蓋と第2の上蓋との上面が、第1、第2の二つ折れ手段を閉じた際に、ほぼ同一曲面を形成するように設定される。
プッシュボタンユニットには、横方向に移動可能に配される一対の移動子と、該移動子を収容しその移動を案内するガイドと、移動子に一体に配され移動子を中央に押し込む操作をするためのボタン部と、ガイドに収容され移動子をボタン部の方向に付勢する弾発部材と、移動子に配され第1の二つ折れ手段に上方に突出状態に配される係止具に掛け止めされるローラ部とが配される構成が採用される。
結合ピンにあっては、第1の二つ折れ手段の両側部よりも突出状態に配され、結合ピンの突出部分に安全蓋の係止凹部が支持される構成とされ、結合ピンは、頭部を丸めたばね棒によって構成される。
さらに、ダイバーバンド用バックルにあっては、少なくとも裏面がチタン材により構成される技術が採用される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るダイバーバンド用バックルの一実施形態について、図1ないし図10を参照して説明する。
【0007】
これら各図において、符号Xは時計、1,2は第1及び第2のダイバーバンド片(第1及び第2のバンド)、10はダイバーバンド用バックル、11,12は第1及び第2の二つ折れ手段、13は第1の上蓋、14はプッシュボタンユニット、15は安全蓋、16,17は第1及び第2の係止具、18はリンク部、19は第2の上蓋、20は長さ調整機構である。
【0008】
これらの詳細について、以下説明する。
【0009】
前記第1及び第2のダイバーバンド片1,2は、例えば手首に装着されるダイバーウオッチ用のバンド(いわゆる時計バンド)であり、図1、図8等に示すように、これらの端部間に、接続状態にダイバーバンド用バックル10が配され、かつ時計Xを介在させてループを形成している。
これら、第1及び第2のダイバーバンド片1,2、ダイバーバンド用バックル10は、少なくとも皮膚に接する部分である裏面等が、皮膚に対してアレルギー性反応が少ないとされる純チタン材によって構成される。
【0010】
前記第1の二つ折れ手段11にあっては、図2、図4及び図7等に示すように、第2の二つ折れ手段12と第1の上蓋13との間に接続状態に配されるもので、下方部材11Aと、その上に重ねられる上方部材11Bとの間が、主ピン11Cにより回転可能に接続され、下方部材11Aの先端側に、第2の二つ折れ手段12、リンク部18及び第2の上蓋19を介して第2のダイバーバンド片2が取り付けられるとともに、上方部材11Bの先端部に、第1の二つ折れ手段11の上を覆う第1の上蓋13が結合ピン(ピン)21により回転可能に取り付けられる。
【0011】
さらに、下方部材11Aには、プレス加工等により、図4及び図7等に示すように、上方部材11B及び第2の二つ折れ手段12に接続するための接続用折返し部11a,11bと、全体の強度を高めるための補強リブ11c,11dとが形成される。
【0012】
前記上方部材11Bは、プレス加工等により、図7等に示すように、下方部材11Aと第1の上蓋13との間に介在状態に配され、主ピン11C及び結合ピン21を介して回転可能に接続するための接続用折返し部11e,11fと、閉じた状態とした場合に第1の係止具16をプッシュボタンユニット14との係合位置まで突出させるための貫通穴11gとが形成される。
【0013】
前記第2の二つ折れ手段12にあっては、プレス加工する等により、図7、図9及び図10等に示すように、第2の下方部材(下方部材)12A及び第2の上方部材(上方部材)12Bと、これらを回転可能に接続する主ピン12Cとを有する構造とされ、下方部材11A及びリンク部18に対して、組み付けピン(ピン)22及び結合ピン(ピン)23により回転可能に取り付けられる。
【0014】
第2の下方部材12Aには、図7及び図9等に示すように、第1の二つ折れ手段11に準じて、上方部材12B及び第1の二つ折れ手段11に接続するための接続用折返し部や、全体の強度を高めるための補強リブが形成される。
【0015】
前記第2の上方部材12Bには、図7、図9及び図10等に示すように、第2の下方部材12Aとリンク部18との間に介在状態に配され、第1の二つ折れ手段11に準じて、主ピン12C及び結合ピン23を介して回転可能に接続するための接続用折返し部が形成されるが、先端中央部に、開いた状態にした場合に第2の係止具17をはめ込んで待避させるための穴部12aとが形成される。
【0016】
第2の係止具17は、第2の上蓋19に一体に形成され、図9に示すように、組み付けピン(ピン)22に対して掛け止め状態に契合されるものであり、リンク部18は、第2の上方部材12Bと第2の上蓋19とに、結合ピン23と結合ピン26とにより結合され、第2の上蓋19は、結合ピン27により第2のダイバーバンド片2に取り付けられる。
【0017】
第2の上蓋19は、図1に示すように、第1の上蓋13の先端によって覆われるとともに、第1の上蓋13と第2の上蓋19との上面が、ほぼ同一曲面を形成するように設定される。
【0018】
また、第2の二つ折れ手段12は、ダイバーウオッチを手首に装着した場合と腕に装着した場合とで、また、通常使用の場合とウェットスーツ等の装着時との場合で、周寸法に大きな差が生じることを考慮して、図8に概略的に示すように、閉じた状態と開いた状態との寸法差Lが設定される。
【0019】
前記第1の上蓋13には、図1,図2及び図7に示すように、第1のバンド1が長さ調整機構20を介在させた状態で接続され、これらの接続位置は、調整ピン(ピン)24を「バネ」棒として第1の上蓋13の複数の調整穴13aとの係合位置を変えることにより調整される。
そして、第1の上蓋13の上面には、図1及び図7に示すように、安全蓋15におけるブリッジ状をなす先端部を収納して上面への突出量を少なくするための凹部13bが配され、該凹部13bに連設状態に安全蓋15の先端縁部をこじあける際に手指または爪を入れるための操作窪部13cが形成される。
【0020】
前記プッシュボタンユニット14は、図1ないし図3及び図7等に示すように、第1の上蓋13の内部に組み込み状態に配され、第1の係止具16との間の係止状態及び離脱状態の選択により、第1の二つ折れ手段11の開閉の可否を設定するものである。
【0021】
プッシュボタンユニット14には、図3に示すように、第1の上蓋13の内部の角筒状のガイド13dにより移動可能に支持され対向状態に組み合わせられる二つ(一対)の移動子14aと、該移動子14aを付勢力により移動させるスプリング(弾発部材)14bと、移動子14aの突出部分であるボタン部14cと、該ボタン部14cの反対位置に配されるローラ支持片14dと、該ローラ支持片14dに回転可能にかつ対向状態に配されるローラ部14eと、スプリング14bを収納して付勢力を受けるための段部14f,14gと、段部14fの近傍に配されてガイド13dの内側面に配されたストッパ13eに当たって外側への移動が阻止される当接部14hとが形成される。
なお、スプリング14bの付勢力による移動子14aの突出は、対向状態の一対のローラ部14eが接触状態となったとき、あるいは後述するように、一対のローラ部14eの間に第1の係止具16が介在して挟持状態となったときに抑制される。
【0022】
前記安全蓋15は、図5ないし図7に示すように、第1,第2の二つ折れ手段11,12における下方部材11A,12Aの組み付けピン22に回転可能に支持され、図1に示す第1の上蓋13の上を覆って第1の上蓋13の「開」操作を抑制した状態と、図5に鎖線で示す角度α(90度程度)ないし図6に実線で示す角度β(140度程度)開いた第1の上蓋13の「開」及び「閉」状態との選択により、ダイバーバンド用バックル10の長さを調整可能な状態とするものである。
【0023】
そして、安全蓋15と下方部材11Aの側部との間には、閉じた状態であることを回転抵抗の増大で知らせてその保持を行なうとともに、回転位置を明確にするために、結合ピン21の先端に係合するクリック穴25が配される。この場合にあって、結合ピン21は、ばね棒が採用されて、第1の二つ折れ手段11の両側部よりも突出状態に配され、弾発力によってクリック穴(係止凹部)25との係合状態と非係合状態との切り替え操作を明確にする。
【0024】
前記第1の係止具16は、第1の二つ折れ手段11における下方部材11Aの内部の中心に、図4及び図7に示すように、上方に突出状態に配され、前述したプッシュボタンユニット14におけるローラ部14eを掛け止めするためのオーバーハング部16aと、ローラ支持片14dのローラ部14eを転動させるガイド部16bとを有している。
そして、第1の係止具16は、図1及び図4に示すように、下方部材11Aの底面の一部を切り起こす方法、あるいは別途作成したものを下方部材11Aの底部に溶接すること等により形成されるとともに、係止時に上方部材11Bの貫通穴11gを経由してローラ支持片14dを突出状態とするように設定される。
【0025】
前記長さ調整機構20は、図7に示すように、少なくとも第1の上蓋13に配されて、ダイバーバンド全体のループ長さ(周寸法)を調整するものである。
該長さ調整機構20は、第1の上蓋13に形成した複数の調整穴13aと、第1のダイバーバンド片1の先端の穴に挿入されて調整穴13aの一つに弾発力によって係合状態に嵌め込まれる調整ピン24とによって構成される。
【0026】
このように構成されているダイバーバンド用バックルにおけるダイバーウオッチの掛け外し及び長さ調整操作について以下説明する。
【0027】
ダイバーウオッチの着脱、つまりダイバーバンド用バックル10の掛け外しは、第1の上蓋13と安全蓋15との開閉操作をともなって行なわれる。
図1に示すように、第1の上蓋13及び安全蓋15が閉じた状態では、プッシュボタンユニット14におけるローラ部14eが、第1の係止具16を挟持することにより、第1の二つ折れ手段11の開閉が抑止される。
【0028】
この際に、プッシュボタンユニット14が両側から押されても、安全蓋15が閉じていることにより、第1の上蓋13の開放操作が抑制される。
なお、第1の上蓋13及び安全蓋15が閉じている場合には、図2に示すように、安全蓋15が第1の上蓋13における凹部13bに収容されて突出部分がなく、加えて図5に示すように、結合ピン21がクリック穴25に係合してロックする機能が働くことにより、安全蓋15が不用意に開くことが防止される。
【0029】
第1の上蓋13における操作窪部13cに手指を入れて、安全蓋15を図5に示す角度αだけ開くと、第1の上蓋13の上方が開放される。
結合ピン21がクリック穴25が外れる際に、弾発力により操作抵抗が急減することにより、開く操作の確認が可能となる。
【0030】
安全蓋15を開いた状態では、プッシュボタンユニット14におけるボタン部14cを押す操作で、一対のローラ部14eの間隔が大きくなって、第1の係止具16におけるオーバーハング部16aの挟持を解放し、第1の上蓋13とともに第1の二つ折れ手段11を上方に移動させる開く操作により、下方部材11Aと上方部材11Bとが開いた状態となって、ループ寸法が大きくなり、ダイバーウオッチ等を手首から外す等の操作が可能となる。
【0031】
ダイバーウオッチ等を手首に装着する際には、第2の二つ折れ手段12を閉じて、第2の係止具17により第2の上蓋19の開く方向の移動を抑制した状態で、第1の二つ折れ手段11を閉じると、下方部材11Aと上方部材11Bと合わせられた状態となって全体厚さが薄くなるとともに、第1の上蓋13を第1の二つ折れ手段11に被せることにより、第1の係止具16にプッシュボタンユニット14が係止される。
つまり、プッシュボタンユニット14における移動子14aのローラ部14eが、第1の係止具16のガイド部16bに接触してオーバーハング部16aを乗り越えて、ローラ支持片14dの挟持力によりオーバーハング部16aに引っ掛かった状態となる。
【0032】
次いで、安全蓋15を図5の鎖線位置から実線の位置に戻すことにより、結合ピン21及びクリック穴25が係合状態となってロック状態となる。
この状態にあっては、プッシュボタンユニット14が押されにくい状態となって第1の係止具16が解除されることがなく、加えて、安全蓋15及び第1の上蓋13が、第2の係止具17の先端を押え付けた状態となって、第2の二つ折れ手段12を開く操作が抑止されるとともに、第1の上蓋13と第2の上蓋19との上面が、図2に示すように、ほぼ同一曲面に沿って配されて、突出部分がなくなる。
【0033】
バンド1の長さの通常の調整は、長さ調整機構20によって行なわれる。即ち、バンド2と第1の上蓋13との間において、調整穴13aに対する調整ピン24の係合位置を変更することにより実施され、手首回りの寸法に合わせて調整される。
【0034】
次いで、もう一つの長さ調整操作について以下説明する。
【0035】
水中において、ダイバーウオッチを使用する場合にあっては、腕の部分に装着する等の状態切り替えが行なわれる。
まず、図6に示すように、安全蓋15を開いた状態とするとともに、プッシュボタンユニット14の操作により第1の上蓋13を開いた状態とする。
【0036】
図9(a)に示すように、第2の上蓋19を引き上げて、リンク部18を第2の上方部材12Bから離間させ、図9(b)に示す状態とする。第2の上蓋19の引き上げ途中で、主ピン12C、組み付けピン22、結合ピン23及び接続ピン26で構成される4節リンクの角度、つまり、第2の上方部材12Bとリンク部18との間の角度が急激に変化することと、第2の上方部材12B及びリンク部18の一部が弾性変形をともなうこととによって、クリック感が発生するとともに、第2の係止具17が、組み付けピン22から外れ易くなる。
【0037】
第2の係止具17を組み付けピン22から外して、図9(c)に示すように解放状態とし、次いで、第2の二つ折れ手段12を開いた状態とすると、図8に示すように、寸法差Lの分だけ寸法が大きくなる。
したがって、第2の二つ折れ手段12を開いた状態のまま、第1の上蓋13及び安全蓋15を閉じて、腕の部分等に装着するものである。
例えば、第2の二つ折れ手段12を開いた場合の寸法増加量は、10数mmないし30数mm程度に設定される。
【0038】
したがって、このような機能を持つダイバーバンド用バックル10にあっては、長さ調整機構20による長さ調整機能に加えて、図8に示すように、第2の二つ折れ手段12を開いた状態とすることによって、ダイバーウオッチを手首から腕(ウエットスーツの上側等)に付け替える場合のように、寸法を大きくする場合に利用される。
第1の上蓋13及び安全蓋15を閉じた状態とすると、再び安全蓋15を大きく開くまで第1の二つ折れ手段11を開くことができなくなるので、装着時の安全性が保持される。
【0039】
なお、長さ調整機構20にあっては、第2の上蓋19の部分に配することも可能であり、かつ、その際に第1の上蓋13と第2の上蓋19との両方に配してもよい。
図1ないし図10例では、長さ調整機構20を第1の上蓋13の部分のみに配して、機能の単純化を図っている。
【0040】
【発明の効果】
本発明のダイバーバンド用バックルによれば、以下の効果を奏する。
(1) 第1及び第2の二つ折れ手段と、第1の二つ折れ手段の上を覆う第1の上蓋と、第1の上蓋に配されるプッシュボタンユニットと、プッシュボタンユニットの操作により係止及び離脱される第1の係止具と、第1の上蓋の上を覆った状態に被せられる安全蓋と、第2の二つ折れ手段の開閉操作を抑制する第2の係止具とを具備することにより、安全蓋を開かないと第1の上蓋及び二つ折れ手段を開くことができないから、不用意にバックルが外れる等の不具合をなくして安全性を高めることができる。
(2) 二つ折れ手段の開閉によりバンド長の調整を行ない、陸上及び水中環境における所望の装着箇所や、太さの異なる部分への装着を容易にし、ダイバーバンド用バックルの用途を拡大することができる。
(3) 安全蓋によって、第1及び第2の二つ折れ手段の開放移動を拘束することにより、安全性を確保することができる。
(4) 第2の二つ折れ手段の開閉によって、装着寸法の設定を行なうことにより、寸法調整を単純化することができる。
(5) 安全蓋及び第1の上蓋によって第2の二つ折れ手段の開放移動を拘束することにより、安全性を飛躍的に向上させることができる。
(6) 第1の上蓋と第2の上蓋との上面を同一曲面に沿った設定とすることにより、突出箇所の発生を少なくし、デザイン上の統一性を図ることができる。
(7) 開閉時の摩擦接触を少なくすることにより、部品の摩耗を低減して耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイバーバンド用バックルの一実施形態を示す組み立て状態の斜視図である。
【図2】 本発明に係るダイバーバンド用バックルの一実施形態を示す正面図である。
【図3】 図1におけるプッシュボタンユニットの部分の詳細を示した拡大平面図である。
【図4】 図1における二つ折れ手段の下方部材の構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】 図1における安全蓋等の部分を示す安全蓋を閉じた状態の正面図である。
【図6】 図1における安全蓋等の部分を示す安全蓋を開いた状態の正面図である。
【図7】 図1における両二つ折れ手段、第1の上蓋、第2の上蓋、安全蓋等の関連を示す正断面図である。
【図8】 図7における第2の二つ折れ手段の部分を示す斜視図である。
【図9】 図7における第2の係止具及びリンク部の動きを示す拡大断面図である。
【図10】 図1における第2の二つ折れ手段の第2の上方部材の構造を示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
X…時計
1…第1のダイバーバンド片(第1のバンド)
2…第2のダイバーバンド片(第2のバンド)
10…ダイバーバンド用バックル
11…第1の二つ折れ手段
11A…下方部材
11B…上方部材
11C…主ピン
12…第2の二つ折れ手段
12a…穴部
12A…第2の下方部材(下方部材)
12B…第2の上方部材(上方部材)
12C…主ピン
13…第1の上蓋
13a…調整穴
13b…凹部
13c…操作窪部
14…プッシュボタンユニット
15…安全蓋
16…第1の係止具
17…第2の係止具
18…リンク部
19…第2の上蓋
20…長さ調整機構
21…結合ピン(ピン)
22…組み付けピン(ピン)
23…結合ピン(ピン)
24…調整ピン(ピン)
25…クリック穴(係止凹部)
26…接続ピン(ピン)
27…接続ピン(ピン)
Claims (5)
- 一対のバンドの端部間に、接続状態に配されるバンド用バックルであって、第1のバンド(1)及び第2のバンド(2)に取り付けられる第1及び第2の二つ折れ手段(11,12)と、第1のバンドと第1の二つ折れ手段との間にピン(21,24)により取り付けられ第1の二つ折れ手段の上を覆う第1の上蓋(13)と、該第1の上蓋に配されるプッシュボタンユニット(14)と、第1の二つ折れ手段に配されプッシュボタンユニットの操作により係止及び離脱される第1の係止具(16)と、第1の二つ折れ手段に回転可能に支持されかつ第1の上蓋の上を覆った状態に被せられる安全蓋(15)と、第2のバンドと第2の二つ折れ手段との間に取り付けられ第2の二つ折れ手段の上を覆う第2の上蓋(19)と、第2の二つ折れ手段と第2の上蓋の間に取り付けられその開閉操作を規制するリンク部(18)及び第2の係止具(17)とを具備することを特徴とするダイバーバンド用バックル。
- 第2の二つ折れ手段(12)が、第1の係止具(16)による係止時に、第1の上蓋(13)によって押え付けられた状態に保持されることを特徴とする請求項1記載のダイバーバンド用バックル。
- 第1のバンド(1)と第1の上蓋(13)との間に、長さ調整機構(20)が配されることを特徴とする請求項1または2記載のダイバーバンド用バックル。
- 第2の二つ折れ手段(12)は、第2の上方部材(12B)と第2の下方部材(12A)とを第2の主ピン(12C)によって回転可能に接続してなり、第2の二つ折れ手段とリンク部(18)と第2の上蓋(19)とにより4節リンク機構が形成され、第2の上方部材と第2の上蓋とのなす角度の変動時にリンク部が移動して第2の二つ折れ手段の開閉がなされることを特徴とする請求項1、2または3記載のダイバーバンド用バックル。
- 第2の上方部材(12B)に、第2の二つ折れ手段(12)を開いた状態とした際に、第2の係止具(17)を退避させるための穴部(12a)が形成されることを特徴とする請求項1、2、3、または4記載のダイバーバンド用バックル。
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- 1996-10-24 JP JP28268096A patent/JP3847861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
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