JP3847731B2 - クロック生成回路、光ディスク装置 - Google Patents

クロック生成回路、光ディスク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等のディスク記録媒体に対して記録および/または再生を行うディスクドライブ装置に適用されるクロック生成回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、データの記録および/または再生を行える様々な光ディスクが提案されている。このような光ディスクの具体例として、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW等が挙げられる。
【0003】
これらの光ディスクにデータを記録するために、ディスク上に予め溝(グルーブ)を形成し、そのグルーブもしくはランドをデータ記録のためのデータトラックとすることが行われている。
【0004】
また、上記データトラック上の所定の位置にデータを記録するには、光ディスク上にアドレス情報を記録する必要がある。このアドレス情報の記録方法としては上記グルーブを蛇行(ウォブリング)させて記録する方式が提案されている。
【0005】
なお、この方式により、このアドレス情報を記録、検出する技術の一例が、特許文献1に開示されている。以下、特許文献1に開示されている技術の概略を説明する。
【0006】
特許文献1の技術によれば、FSK(Frequency Shift Keying)変調した波形に基づくFSK情報ビット部分と、単一周波数の波形に基づく単一周波数部分とを一定単位としたウォブルユニットが連続するように、ウォブリンググルーブを光ディスクに形成する。なお、上記ウォブルユニットの一例は特許文献1の段落0031乃至0048に示されている。
【0007】
そして、FSK情報ビット部分と単一周波数部分とを一定単位としたウォブルユニットにおけるFSK情報ビットの配置箇所によって、アドレス情報を光ディスクに持たせている。
【0008】
さらに、アドレス情報検出のために、光ディスクに形成されているウォブリングからウォブル信号が読み出される。そして、PLL(Phase-Locked Loop)が、上記ウォブル信号の単一周波数部分に基づいて、ウォブルクロックを発生させる。具体的にいえば、PLLは、ウォブル信号を2値化すると共に、フィルタにより2値化したウォブル信号から高周波成分を分離することによって制御信号を出力し、上記制御信号によって上記ウォブルクロックの位相をロックするようにしている。
【0009】
また、特許文献1によれば、単一周波数部分の期間長とFSK情報ビットの期間長とを所定のパターン(シンクパターン)にして、このパターンを検出、カウントすることにより、上記FSK情報ビットに相当する期間を予測する。これにより、上記FSK情報ビットに相当する期間の位相誤差をマスクして、上記ウォブル信号の単一周波数部分に基づいたウォブルクロックの発生を容易にしようとしている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−342941(第7〜20頁、図18)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した技術では以下のような問題が生じる。まず、特許文献1に示されている光ディスクにおいて、例えば、ウォブリングにおける上記単一周波数部分の周波数は0.957MHzであり、FSK情報ビット部分の周波数は上記単一周波数部分の周波数の1.5倍、つまり1.433MHzであり、データのチャネルクロックは66.033MHzとなっている。
【0012】
各周波数がこのような関係の光ディスクにおいて、例えば、10チャネルクロック分のマークが記録されるとする。この場合、1マークに対応するデータは2ビット(「1」と「0」)であることから、10チャネルクロック分のデータは20ビットになる。したがって、1チャネルクロックのデータに対応する周波数は、66.033/20=3.3MHz
となる。
【0013】
このように、1チャネルクロック分のデータの周波数(3.3MHz)と、ウォブル信号の周波数(0.957MHz)とが近いものとなることがある。このような場合、上記ウォブル信号にデータの周波数が重畳される。
【0014】
ここで、ウォブル信号の周波数が0.957MHzであり、1チャネルクロック分のデータの周波数が3.3MHzである場合において、ウォブル信号の半分の振幅に相当するデータがウォブル信号(ウォブル入力)に重畳すると、該ウォブル信号の波形は図12(a)のようになる。また、図12(b)は、図12(a)の波形を2値化した場合の2値化信号の波形を示している。
【0015】
このように、データの周波数が重畳したウォブル信号を2値化すると、図12(b)に示すように、2値化したウォブル信号(2値化信号)に誤パルスが発生する。この場合、上記PLLでは、上記誤パルスの影響を受けるため、上記ウォブル信号と出力するウォブルクロックとの位相差を正確に検出できず、上記ウォブルクロックの周波数を適切に制御できないという問題が起こり得る。つまり、PLLから出力されるウォブルクロックのジッタが悪化し、最悪の場合、PLLがウォブルクロックを適切にロックできないということが起こりうる。
【0016】
したがって、入力ウォブル信号に周波数の近いデータが重畳されている場合であっても、入力ウォブル信号と出力するウォブルクロックとの位相差を確実に検出できるクロック生成回路が必要とされている。
【0017】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ウォブリングが形成されている光ディスク装置に適用されるクロック生成回路において、入力するウォブル信号と出力するウォブルクロックとの位相差を確実に検出できるクロック生成回路、光ディスク装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のクロック生成回路は、上記課題を解決するために、光ディスクに形成されたウォブリングから読み出されたウォブル信号と同期するウォブルクロックを発振する発振手段と、上記ウォブルクロックの波形に対して直交関係にある波形である比較信号を出力する直交変換手段と、上記比較信号と上記ウォブル信号とを乗算する乗算手段と、上記乗算した結果を平滑化して、平滑化した乗算結果を位相誤差信号として出力する平滑化手段とを備え、FSK変調されたFSK情報ビット部分と単一周波数部分とが上記ウォブル信号に含まれていると共に、上記ウォブル信号からFSK情報ビット部分の周波数を検出するFSKビット検出手段と、上記FSK情報ビット部分の周波数の検出に応じて上記位相誤差信号を出力しないように制御する制御手段と、上記FSKビット検出手段が上記FSK情報ビット部分の周波数を検出するための少なくともタイムラグの時間分だけ、上記ウォブル信号が上記乗算器へ入力するのを遅延させる第1の遅延手段とが備えられていることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、直交変換手段が、発振手段により出力されるウォブルクロックの波形に対して直交関係にある波形である比較信号を出力している。さらに、上記乗算手段が、上記比較信号と上記ウォブルクロックとを乗算している。ここで、上記比較信号と上記ウォブルクロックとは90°位相が異なる関係(直交関係)であることから、上記ウォブルクロックと上記ウォブル信号との位相がずれている場合、該位相ずれ分だけの正弦値であるsinθが乗算結果に含まれることになる(θは上記ウォブルクロックと上記ウォブル信号との位相差を示す)。
【0020】
そして、平滑化手段により上記乗算結果を平滑化して和信号(高周波成分)を取り除けば、上記正弦値からなる差信号である位相誤差信号を得ることができる。ここで、正弦値は0<θ≦180°の範囲で正の値を示し、−180°≦θ<0の範囲で負の値を示す。したがって、位相誤差信号が正の値であれば、ウォブル信号よりもウォブルクロックの位相が進んでいると判断でき、位相誤差信号が負の値であれば、上記位相が遅れていると判断できる。つまり、位相誤差信号の正負の相違だけで、出力されるウォブルクロックの位相が進んでいるのか、遅れているかの判断を確実に行うことができる。
【0021】
これに対し、ウォブル信号を2値化した2値化信号を位相誤差信号とする従来の技術では、上記ウォブル信号にデータが重畳することにより2値化信号が乱されていると、上記2値化信号から正確に位相誤差を検出できない。また、上記2値化信号から、重畳したデータを分離することもできない。
【0022】
この点、上記構成によれば、2値化信号を位相誤差検出信号としていないため、データの重畳したウォブル信号を入力しても、平滑化手段により重畳したデータを容易に分離でき、上記正弦値からなる差信号である位相誤差検出信号に基づいて、ウォブル信号とウォブルクロックとの位相誤差を解消するためのフィードバック制御を正確に行うことができる。
【0023】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記発振手段は、上記位相誤差信号に基づいて、ウォブルクロックの周波数を制御することを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、ウォブル信号とウォブルクロックとの位相差を示す正弦値が位相誤差信号として出力されるので、該正弦値の正/負に応じてフィードバック制御すれば、容易にウォブルクロックをロックすることができる。
【0025】
上述したように、本発明のクロック生成回路には、FSK変調されたFSK情報ビット部分と単一周波数部分とが上記ウォブル信号に含まれていると共に、上記ウォブル信号からFSK情報ビット部分の周波数を検出するFSKビット検出手段と、上記FSKビット情報部分の周波数の検出に応じて上記位相誤差信号を出力しないように制御する制御手段とが備えられている。
【0026】
特許文献1によれば、光ディスクに形成されているウォブリングは、FSK情報ビット部分と単一周波数部分とからなる。また、特許文献1によれば、単一周波数部分の期間長とFSK情報ビットの期間長とを所定のパターン(シンクパターン)にしている。そして、このパターンを検出、カウントすることにより、上記FSK情報ビットに相当する期間を予測して、上記FSK情報ビットに相当する期間の位相誤差をマスクして、上記単一周波数部分に基づいたウォブルクロックを発生させている。
【0027】
しかし、特許文献1によれば、光ディスク上の欠陥等により上記パターンを検出できない場合、上記FSK情報ビットに相当する期間を予測できない。このため、上記FSK情報ビットに相当する期間の位相誤差をマスクできず、上記FSK情報ビットの影響を受けたウォブルクロックを生成してしまい、上記ウォブルクロックをロックできないという問題が生じる。
【0028】
この点、上記構成によれば、FSKビット検出手段が、上記ウォブル信号からFSK情報ビット部分の周波数を検出する。そして、上記制御手段が、上記FSKビット部分の周波数の検出に応じて上記位相誤差信号を出力しないため、上記発振手段は、上記FSKビット部分の周波数の影響を受けないウォブルクロックを出力することができる。
【0029】
上述したように、本発明のクロック生成回路には、上記FSKビット検出手段が上記FSK情報ビット部分の周波数を検出するための少なくともタイムラグの時間分だけ、上記ウォブル信号が上記乗算器へ入力するのを遅延させる第1の遅延手段が備えられている。
【0030】
上記FSKビット検出手段がFSK情報ビット部分の周波数を検出する期間と、該FSK情報ビット部分に相当するウォブル信号が乗算器に入力する期間との間にはタイムラグがある。つまり、上記制御信号が上記FSKビット部分の周波数の検出に応じて上記位相誤差信号を出力しないように制御しても、検出されたFSK情報ビット部分に相当するウォブル信号に基づいた位相誤差信号が既に出力されているといった現象が生じる。
【0031】
そこで、上記構成によれば、上記ウォブル信号が上記乗算器へ入力するのを遅延させる第1の遅延手段を備えることにより、FSKビット部分の周波数の検出と、該FSKビット部分に相当するウォブル信号が乗算器へ入力するタイミングとを整えることで、上記タイムラグを解消している。
【0032】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記FSKビット検出手段には、ウォブル信号を2値化する2値化手段と、上記2値化手段の出力である2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号におけるエッジ間隔をカウント値として出力するカウント手段と、上記カウント手段の出力であるカウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する比較手段と、FSK情報ビットの周波数に相当するカウント値と、単一周波数部分の周波数に相当するカウント値との間に相当する値が上記閾値として予め設定されている閾値設定手段とが備えられていることを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、2値化手段により2値化されたウォブル信号のエッジをエッジ検出手段が検出し、カウント手段が、該エッジの間隔をカウント値として出力しているので、ウォブル信号の周波数の間隔を検出することができる。
【0034】
そして、ラッチ手段が、上記カウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチすると共に、上記比較手段が、ラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する。
【0035】
ここで、上記閾値は、FSK情報ビットの周波数に相当するカウント値と、単一周波数部分の周波数に相当するカウント値との間に相当する値であるため、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さければ、該カウント値に相当する期間のウォブル信号はFSK情報ビット部分であると判断できる。
【0036】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記FSKビット検出手段には、ウォブル信号を2値化する2値化手段と、上記2値化手段の出力である2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号におけるエッジ間隔をカウント値として出力するカウント手段と、上記カウント手段の出力であるカウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する比較手段と、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号に基づいて、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値の平均値を算出し、該平均値に基づいた閾値を上記比較手段に出力する平均手段と、上記単一周波数部分に相当するラッチされたカウント値が上記平均手段に入力する期間まで、上記エッジ検出信号が上記平均手段に入力するタイミングを遅延させる第2の遅延手段とが備えられていることを特徴とする。
【0037】
上記構成によれば、2値化手段により2値化されたウォブル信号のエッジをエッジ検出手段が検出し、カウント手段が、該エッジの間隔をカウント値として出力しているので、ウォブル信号の周波数の間隔を検出することができる。
【0038】
そして、ラッチ手段が、上記カウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチする。さらに、平均手段が、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号に基づいて、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値の平均値を算出し、該平均値に基づいた閾値を上記比較手段に出力している。そして、上記比較手段が、ラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する。
【0039】
ここで、第2の遅延手段は、上記単一周波数部分に相当するラッチされたカウント値が上記平均手段に入力する期間まで、上記エッジ検出信号を上記平均手段へ入力することを遅延させている。これにより、FSK情報ビットの周波数と単一周波数部分の周波数が所定値に達していない場合でも、FSK情報ビットの検出を正確に行うことができる。
【0040】
本発明のクロック生成回路は、上記課題を解決するために、光ディスクに形成されたウォブリングから読み出されたウォブル信号を入力し、該ウォブル信号と同期するウォブリングクロックを発振するクロック生成回路であって、上記ウォブリングクロックに直交する波形信号をフィードバック制御するPLLが構成されていることを特徴とする。
【0041】
上記構成によれば、上記ウォブリングクロックに直交する波形信号をフィードバック制御するPLLが構成されているので、上記ウォブルクロックと上記ウォブル信号との位相がずれている場合、該位相ずれ分だけの正弦値であるsinθを位相誤差信号として出力できる。
【0042】
ここで、正弦値は0<θ≦180°の範囲で正の値を示し、−180°≦θ<0の範囲で負の値を示す。したがって、上記位相誤差信号が正の値であれば、ウォブル信号よりもウォブルクロックの位相が進んでいると判断でき、上記位相差信号が負の値であれば、上記位相が遅れていると判断できる。
【0043】
これに対し、ウォブル信号を2値化した2値化信号を位相誤差信号とする従来の技術では、上記ウォブル信号にデータが重畳することにより2値化信号が乱されていると、上記2値化信号から正確に位相誤差を検出できない。また、上記2値化信号から、重畳したデータを分離することもできない。
【0044】
この点、上記構成によれば、2値化信号を位相誤差検出信号としていないため、データの重畳したウォブル信号を入力しても、PLLは重畳したデータを容易に分離でき、上記正弦値からなる位相誤差検出信号に基づいて、ウォブル信号とウォブルクロックとの位相誤差を解消するためのフィードバック制御を正確に行うことができる。
【0045】
本発明の光ディスク装置は、上記課題を解決するために、上記クロック生成回路が備えられている構成としても構わない。
【0046】
これにより、上述した作用効果を奏する光ディスク装置を提供することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1から図6に基づいて以下に説明する。図1は本実施の形態におけるクロック生成回路を用いた光ディスク装置の主要部分を示す構成図である。
【0048】
なお、光ディスクには、従来例に示した如く、ウォブリングが形成されていて、このウォブリングによりアドレス情報が記録されているものとする。つまり、特許文献1と同様に、FSK変調した波形に基づくFSK情報ビット部分と、単一周波数の波形に基づく単一周波数部分とを一定単位としたウォブルユニットが連続して記録されるように、ウォブリンググルーブを光ディスクに形成する。また、光ディスクの具体例として、CD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RW,DVD+RW等が挙げられる。
【0049】
上記光ディスク装置は、図1に示すように、スピンドルモータ2、光ピックアップ3、クロック生成回路4、アドレス検出手段5、コントローラ6、データ記録手段7を備えている。
【0050】
スピンドルモータ2は、光ディスク1を装填し、回転駆動させるためのものである。光ピックアップ3は、光ディスク1にレーザ光を照射すると共に、光ディスク1からの反射光を受光して、データの記録、再生を行うものである。また、光ピックアップ3は、光ディスク1のウォブリングから読み出した信号であるウォブル信号をクロック生成回路4に出力する。
【0051】
クロック生成回路4は、PLLで構成されており、ウォブル信号の上記単一周波数部分に基づいて、ウォブルクロックを生成するためのものである。なお、クロック生成回路4の具体的構成については後に詳述する。
【0052】
アドレス検出手段5は、上記ウォブル信号とクロック生成回路4の出力であるウォブルクロックとに基づいてアドレスの検出を行い、検出結果をコントローラ6に出力する回路である。コントローラ6は、検出されたアドレスに基づいてデータを光ディスク1に記録する場合に、データ記録手段7に対してデータを出力すると共に、データを記録するためのコマンド信号を出力する回路である。データ記録手段7は、コントローラ6から送られてきたデータを、ウォブリングに同期したクロックから生成した記録クロックに同期させて光ピックアップ3に出力するための回路である。
【0053】
図2は、図1におけるクロック生成回路4の具体的な構成を示すブロック図である。クロック生成回路4は、A/Dコンバータ41、位相比較器(乗算手段)42、ローパスフィルタ(平滑化手段)43、極性反転手段44、ループフィルタ45、電圧制御発振器(VCO:Voltage controlled oscillator,発振手段)46、直交成分出力手段(直交変換手段)47を備えている。
【0054】
A/Dコンバータ41は、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのものである。つまり、アナログ信号としてクロック生成回路4に入力したウォブル信号は、A/Dコンバータ41によりデジタル化したウォブル信号に変換される。
【0055】
位相比較器42は、A/Dコンバータ41から送られてくるウォブル信号と、後述する直交成分出力手段47から出力される比較信号との乗算結果である位相誤差検出用信号を出力するための回路である。
【0056】
ローパスフィルタ43は、位相比較器42からの出力である位相誤差検出用信号を平滑化することにより、位相誤差検出用信号から高周波数成分を除去した位相誤差信号を出力するための回路である。
【0057】
つまり、上記位相誤差検出用信号は、上記ウォブル信号と上記比較信号との乗算結果であり、上記ウォブル信号と上記比較信号との和信号および差信号が含まれている。そこで、ローパスフィルタ43によって、上記比較信号から、上記ウォブル信号と上記比較信号との和信号(高周波成分)を除去することによって、上記ウォブル信号と上記位相誤差検出用信号との差信号からなる位相誤差信号を出力している。
【0058】
極性反転手段44は、ローパスフィルタ43からの出力である位相誤差信号の極性を反転し、ループフィルタ45を介して電圧制御発振器46へ位相誤差信号を負帰還させるための回路である。
【0059】
ループフィルタ45は、極性反転手段44からの出力である極性が反転された位相誤差信号を電圧制御発振器46へ送るものである。また、ループフィルタ45の特性によりクロック生成回路4の帯域およびダンピング数が決定される。
【0060】
電圧制御発振器46は、ウォブル信号と同期したウォブルクロックを生成すると共に、ループフィルタ45から送られてきた位相誤差信号に応じて、出力するウォブルクロックの周波数を制御するための回路である。
【0061】
直交成分出力手段47は、電圧制御発振器46から出力されるウォブルクロックに基づいて、該ウォブルクロックと直交する関係にある波形信号を比較信号として位相比較器42へ出力する回路である。例えば、電圧制御発振器46から出力される信号の波形が余弦波(コサイン波)である場合、直交成分出力手段47は90度位相を進めた正弦波(サイン波)を比較信号として生成し、該比較信号を位相比較器42へ出力する。なお、電圧制御発振器46から出力される信号の波形が正弦波(サイン波)である場合、直交成分出力手段47は90度位相を進めた余弦波(コサイン波)を比較信号として生成する。
【0062】
続いて、クロック生成回路4の動作について、図3に示す波形図を用いて詳細に説明する。
【0063】
図3(a)は、光ピックアップ3からクロック生成回路4へ入力してA/Dコンバータ41でA/D変換したウォブル信号(入力ウォブル信号)の波形を示している。なお、上記単一周波数部分に基づいてウォブルクロックを発生させるため、上記単一周波数部分に基づいたウォブル信号がクロック生成回路4へ入力するものとする。なお、図3(a)のウォブル信号は(1)式にように表すことができる。
Wobble=Cos2πft ・・・(1)
ここで、入力するウォブル信号は余弦波であるものとするが、これに限定されるものではない。また、fはウォブリングの単一周波数部分に対応する周波数であり、例えば957kHzとするが、この値に限定されるものではない。tは時間を示している。
【0064】
そして、図3(b)は電圧制御発振器46が出力するウォブルクロックの波形を示している。ここで、電圧制御発振器46はウォブル信号と同期したウォブルクロックを生成しようとするので、出力するウォブルクロックの波形は余弦波となる。なお、クロック生成回路4に構成されているPLLがロックしている状態とは、図3(a)に示すウォブル信号の位相と図3(b)に示すウォブルクロックの位相とが一定の関係になっている状態をいう。また、図3においては、電圧制御発振器46からの出力であるウォブルクロックの位相が、ウォブル信号の位相よりも30°進んでいるもの(誤差が生じている)と仮定する。
【0065】
図3(c)は、直交成分出力手段47により出力される比較信号、つまり、電圧制御発振器46からの出力であるウォブルクロックの位相を90°進めた信号の波形を示している。
【0066】
図3(d)は、位相比較器42の出力である位相誤差検出用信号、およびローパスフィルタ43の出力である位相誤差信号を示したものである。つまり、図3(d)に示す位相誤差検出用信号の波形は、図3(a)のウォブル信号の波形と図3(c)の比較信号の波形とを位相比較器42で乗算して得られる結果を示している。また、図3(d)の太線は、上記位相誤差検出用信号を平滑化して高周波成分を除去した位相誤差信号を示している。
【0067】
この平滑化した位相誤差信号は極性反転手段44により反転されると共にループフィルタ45を介して電圧制御発振器46へ入力する。そして、電圧制御発振器46は、上記位相誤差信号の示す位相差に応じて、出力するウォブルクロックの周波数を制御することで、ウォブル信号と同期したクロックを出力することとしている。
【0068】
なお、図3に示すように、ウォブル信号の位相よりも電圧制御発振器46の出力であるウォブルクロックの位相が進んでいる場合、位相誤差検出用信号を平滑化した位相誤差信号は正の値を持つ。
【0069】
一方、ウォブル信号の位相よりも電圧制御発振器46の出力であるウォブルクロックの位相が30°遅れている場合、入力するウォブル信号、ウォブルクロック、比較信号、位相誤差検出用信号、位相誤差信号の関係は、図4(a)〜図4(d)に示すようになる。この場合、図4(d)に示すように、位相誤差検出用信号を平滑化した位相誤差信号は負の値を持つ。
【0070】
次に、位相誤差検出について数式を用いて説明する。まず、電圧制御発振器46の出力であるウォブルクロックの位相が、クロック生成回路4へ入力するウォブル信号の位相よりもθだけずれている(誤差が生じている)ものとする。クロック生成回路4に入力するウォブル信号は(1)式で仮定したように余弦波であるため、電圧制御発振器46から出力するウォブルクロックは(2)式のように表される。
VCO=Cos(2πft+θ) (-180°<θ≦180°)・・・(2)
そして、直交成分出力手段47はウォブルクロックの位相を90°進めた比較信号を出力するので、該比較信号は(3)式のようになる。
比較信号=Sin(2πft+θ) (-180°<θ≦180°)・・・(3)
さらに、位相比較器42は(1)式と(2)式の乗算結果を出力するので、位相比較器42が出力する位相誤差検出用信号は(4)式のようになる。
位相誤差検出用信号=Cos2πft×Sin(2πft+θ)=(1/2)×{Sin(4πft+θ)+Sinθ}・・・(4)
そして、ローパスフィルタ43は、上記位相誤差検出用信号から高周波成分(広域成分)を除去した位相誤差信号を出力する。つまり、(4)式から高周波成分が除去されるため、(4)式の第1項は無視できる。このため、ローパスフィルタ43が出力する位相誤差信号は(5)式のようになる。
位相誤差信号=(1/2)×Sinθ ・・・(5)
(5)式が検出される位相誤差である。
【0071】
ここで、上述したように、クロック生成回路4に入力するウォブル信号の位相よりも電圧制御発振器46が出力するウォブルクロックの位相が遅れている場合、位相誤差検出用信号を平滑化した位相誤差信号は負の値になる。一方、クロック生成回路4に入力するウォブル信号の位相よりも電圧制御発振器46が出力するウォブルクロックの位相が遅れている場合、上記位相誤差信号は正の値になる。
【0072】
以上のような構成により、容易に位相誤差を検出することができ、その検出した位相誤差信号を反転して電圧制御発振器46に負帰還してやることで電圧制御発振器46が出力するウォブルクロックの位相誤差がゼロになるように制御される。すなわち、クロック生成回路4の出力であるウォブルクロックは、入力されるウォブル信号に同期したクロックとなる。
【0073】
つぎに、入力されるウォブル信号にデータの周波数が重畳した場合における、本実施の形態に係るクロック生成回路4の動作について、図5および数式を用いて説明を行う。
【0074】
図5は、図3の場合と同様に、ウォブル信号の位相に対して、電圧制御発振器46から出力するウォブルクロックの位相が30°進んでいる(誤差が生じている)状態を示している。また、クロック生成回路4に入力するウォブル信号には、データの周波数が重畳しているものとする。また、重畳されるデータの周波数は、図12(従来例)で示した如く、ウォブル信号の4倍の周波数であるものとする。したがって、この場合の入力するウォブル信号は(6)式のように表すことができる。ここで、データを仮に正弦波であると仮定する。
Wobble=Cos(2πft)+ASin(8πft)・・・(6)
そして、電圧制御発振器46は、データが重畳されていない状態のウォブル信号に同期したウォブルクロックを出力しようとするため、電圧制御発振器46から出力するウォブルクロックは(7)式のように表すことができる。なお、電圧制御発振器46からの出力であるウォブルクロックの位相が、ウォブル信号の位相よりもθ進んでいるものと仮定する。
VCO=Cos(2πft+θ) (-180°<θ≦180°)・・・(7)
したがって、直交成分出力手段47から出力する比較信号は(8)式のように表すことができる。
比較信号=Sin(2πft+θ) (-180°<θ≦180°)・・・(8)
そして、位相比較器42は(6)式と(8)式との乗算結果を出力するので、位相比較器42が出力する位相誤差検出用信号は(9)式のようになる。
位相誤差検出用信号={Cos2πft+ASin(8πft)}×Sin(2πft+θ)=(1/2)×{Sin(4πft+θ)+Sinθ}+(A/2)×{Cos(6πft+θ)+Cos(10πft+θ)}・・・(9)
ここで、ローパスフィルタ43は、上記位相誤差検出用信号から高周波成分(広域成分)を除去した位相誤差信号を出力する。よって、ローパスフィルタ43は、(9)式における高周波成分の項を無視した信号を出力する。よって、ローパスフィルタ43が出力する位相誤差信号は(10)式のようになる。
位相誤差信号=(1/2)×Sinθ・・・(10)
(10)式と(5)式は一致している。このことより、ウォブル信号に対して、該ウォブル信号の周波数に近い周波数のデータが重畳しても、図5に示すように、正弦値である位相誤差信号の正負の値に基づいて、位相誤差を容易に検出できることがわかる。
【0075】
また、クロック生成回路4へ入力するウォブル信号に上記FSK情報ビット部分の周波数が含まれている場合、クロック生成回路4へ入力するウォブル信号の波形は図6(a)のようになり、位相誤差検出用信号および位相誤差信号は図6(b)のようになる。
【0076】
図6(b)からわかるように、上記FSK情報ビット部分の周波数が含まれるウォブル信号をクロック生成回路4に入力した場合、位相誤差検出信号および位相誤差信号が乱れていることがわかる。しかしながら、位相誤差検出用信号および位相誤差信号の乱され方が正、負のそれぞれに等しく乱されるため、結果としてはPLLのジッタ要因とはなるがロック状態が乱されることはない。
【0077】
以上のように本実施の形態におけるクロック生成回路によれば、位相誤差信号は正弦値である。つまり、位相誤差信号の正負の値により、位相が進んでいるのか遅れているのかを容易に検出することができる。
【0078】
また、ウォブル信号にデータの重畳やもしくはノイズ等の影響があるような場合においても、位相誤差検出用信号は2値化信号でないため、重畳したデータを容易に分離することができ、正弦値である位相誤差信号を出力できる。よって、データの重畳やもしくはノイズ等の影響を受けることなく、PLLがウォブルクロックの位相をロックすることでできるクロック生成回路を得ることができる。
【0079】
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施の一形態について、図6から図9に基づいて以下説明する。なお、説明の便宜上、説明の便宜上、実施の形態1で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
実施の形態1にて述べたが、図6で示しているように、FSK情報ビット部分が含まれるウォブル信号がクロック生成回路4に入力すると、クロック生成回路4により検出される位相誤差検出用信号および位相誤差信号が乱される。しかし、通常、FSK情報ビットの周波数と比較してPLLの帯域は十分に低いため,この乱れの影響はほとんど受けない。
【0081】
ところが、クロック生成回路4を構成するPLLの帯域を高くすると、クロック生成回路4は、このFSK情報ビットの影響を受けることが考えられる。実施の形態2では、このFSK情報ビットによる位相誤差検出用信号および位相誤差信号の乱れの影響を受けない構成のクロック生成回路を説明する。
【0082】
図7は実施の形態2におけるクロック生成回路70の構成例を示している。実施の形態2のクロック生成回路70は、実施の形態1のクロック生成回路4と比較して、A/Dコンバータ41と位相比較器42との間に遅延手段(第1の遅延手段)49が構成されている点、ローパスフィルタ43とループフィルタ45との間にスイッチ手段(制御手段)50が構成されている点、A/Dコンバータ41とスイッチ手段50との間にFSKビット検出手段48が備えられている点で相違する。
【0083】
つぎに、クロック生成回路70の動作の概略を説明する。まず、A/D変換されたウォブル信号(FSK情報ビット部分に相当する部分を含むウォブル信号)はFSKビット検出手段48と遅延手段49に入力される。
【0084】
FSKビット検出手段48ではウォブル信号に挿入されているFSK情報ビットを検出し、スイッチ手段50にFSKビット検出信号を出力する。ここで、スイッチ手段50は、FSKビット検出信号がアクティブの場合、位相誤差検出用信号を後段のループフィルタ45に出力しない。つまり、FSKビット検出信号がアクティブの場合、電圧制御発振器46に位相誤差信号を入力しないこととしている。この理由について以下説明する。
【0085】
FSK情報ビット部分に相当するウォブル信号がクロック生成回路4に入力した後、タイムラグをおいて、FSKビット検出手段48によりFSK情報ビットが検出される。したがって、FSKビット検出信号が出力された時点では既に、クロック生成回路70から出力されるウォブルクロックにFSK情報ビットによる位相誤差が発生していることになる。そこで、遅延手段49にて、上記タイムラグの時間分だけウォブル信号の位相比較器42への入力を遅延させる。この遅延手段49はシフトレジスタで容易に構成することができる。
【0086】
そして、FSK情報ビットが検出された後に、スイッチ手段50により位相誤差検出用信号を出力しない構成にして、正しいタイミングでFSK情報ビット部分の位相誤差をマスクすることにより、FSK情報ビットの影響でクロック生成回路70の出力にジッタを持たさないようにしたものである。
【0087】
つぎに、本実施の形態におけるFSKビット検出手段48の具体的な構成を、図8に示すブロック図に基づいて説明する。
【0088】
FSKビット検出手段48は、2値化手段401、エッジ検出手段402、カウント手段403、ラッチ手段404、閾値設定手段405、比較手段406、パルス保持手段407を備えている。
【0089】
2値化手段401は、入力されるウォブル信号を2値化するための回路である。エッジ検出手段402は、2値化手段401の立ち上がりエッジもしくは立下りエッジを検出し、このエッジを表したエッジ検出信号を出力するための回路である。カウント手段403は、エッジ検出手段402にて検出されたエッジ検出信号によりリセットされ、入力したウォブル信号をカウントアップもしくはカウントダウンするための回路である。
【0090】
ラッチ手段404は、カウント手段403から出力されたカウント値を、エッジ検出信号に応じてラッチするための回路である。このことにより、エッジ検出信号の間隔、つまりウォブル信号の間隔を計測しラッチすることが可能となる。なお、このラッチ手段404はカウント手段403のカウント値が予め設定した値よりも小さい場合はカウント値をラッチしない構成とする。このことにより、ウォブル信号にデータの重畳が生じて誤パルスを検出してしまった場合でも誤動作を起こさない。
【0091】
閾値設定手段405は、入力したウォブル信号がFSK情報ビットであるのかあるいは単一周波数部分であるのかを検出するための閾値を設定しておくメモリ回路である。例えば、FSK情報ビット部分の周波数が単一周波数部分の周波数の1.5倍であるような場合は、1.25倍の周波数に相当するカウント値を閾値として出力するとよい。なお、この閾値は1.25倍に限られず実際のノイズ状況等も考慮して出力するとよい。
【0092】
比較手段406は、ラッチ手段404が出力するラッチされたカウント値と上記閾値とを比較する回路である。この比較手段406では、ラッチされたカウント値が閾値より小さい場合、つまり周波数が高い場合、その部分のウォブル信号をFSK情報ビットと判断する。そして、比較手段406は、FSK情報ビット部分に該当するウォブル信号をFSKビット検出信号として、後段のパルス保持手段407に出力する。
【0093】
パルス保持手段407はワンショットマルチバイブレータ動作を行う。すなわち、比較手段406により、FSKビット検出信号が検出された場合、ある一定期間、FSKビット検出信号のパルスを保持する。なお、ある一定期間とは予めその光ディスクのフォーマットとして決まっているFSK情報ビットの期間よりも長い期間であることを意味する。
【0094】
続いて、本実施の形態におけるクロック生成回路70の動作を、図9に基づいて、具体的に説明する。
【0095】
図9(a)は、クロック生成回路70に入力するウォブル信号(入力ウォブル信号)のうち、FSK情報ビット部分に相当する入力波形を示している。図9(b)は、図9(a)のウォブル信号を2値化手段で2値化したウォブル信号(2値化信号)を示す。図9(c)は、上記2値化したウォブル信号の立ち上がりエッジを検出したエッジ検出信号を示す。
【0096】
カウント手段403は、このエッジ検出信号に応じてカウントを行う。そして、ラッチ手段404は、カウント手段403によってカウントされたカウント値をラッチする。
【0097】
図9(d)は、ラッチ手段404がカウント値をラッチするタイミングを示したラッチ出力信号である。図9(e)は、予め設定している閾値とラッチ手段404によりラッチされたカウント値(ラッチ出力信号)とを比較手段406にて演算した結果を示すFSKビット検出信号(比較手段出力)である。
【0098】
図9(e)に示すFSKビット検出信号から、FSK情報ビットの開始時刻T0ではなく、最初の立ち上がりエッジのタイミングである時刻T1にてFSK情報ビットが検出されることがわかる。
【0099】
つまり、実際のFSK情報ビットよりもT1−T0だけ遅れてFSKビット検出信号が出力されることになる。このため、遅延手段49では、この(T1−T0)時間だけ、位相比較器42へのウォブル信号の入力を遅延させる。
【0100】
これにより、FSK情報ビットを検出するために生じるタイムラグを解消でき、FSK情報ビットによる位相誤差検出の乱れが生じても、クロック生成回路70の出力に影響を与えないことが可能となる。
【0101】
図9(f)は、パルス保持手段407が出力するFSKビット検出信号のパルス波形を示している。パルス保持手段407は、時刻T1において、その出力をアクティブとして、予め決められている間隔である時刻T2までそのパルスを保持する。
【0102】
図9(g)は、クロック生成回路70に遅延手段49を構成しない場合の位相誤差検出用信号、および位相誤差信号の波形を比較例として示したものである。図9(f)図9(g)に示すように、パルス保持手段407からの出力であるFSKビット検出信号がアクティブとなる前に、位相誤差信号が乱れている。
【0103】
図9(h)は、遅延手段49により、位相比較器42へのウォブル信号の入力を(T1−T0)だけ遅延させた場合における位相誤差検出用信号、および位相誤差信号の波形を示している。このように、ウォブル信号を遅延させることにより、アクティブのFSKビット検出信号が、遅延したウォブル信号のFSKビットの位置に一致する。また、アクティブのFSKビット検出信号と位相誤差検出用信号および位相誤差信号との乱れるタイミングも一致していることがわかる。
【0104】
ここで、スイッチ手段50は、このFSKビット検出信号がアクティブの間、後段に位相誤差検出用信号を出力しない構成としている。したがって、クロック生成回路70では、FSK情報ビットに基づいたウォブル信号を入力しても、乱される位相誤差検出用信号および位相誤差信号が出力されるクロックに全く影響を与えない。
【0105】
以上のように本発明の実施の形態2におけるクロック生成回路70によれば、実施の形態1のクロック生成回路4と同様、ウォブル信号にデータやノイズが重畳した場合でも正しく位相誤差を検出できるため、これらの重畳の影響を受けることなくウォブル信号に同期したウォブルクロックの生成を行うことができる。
【0106】
さらに、実施の形態2のクロック生成回路70によれば、FSK情報ビット部分に相当するウォブル信号が入力された場合でも、FSK情報ビット部分を検出し、FSK情報ビット部分に相当する位相誤差検出用信号および位相誤差信号を採用しない構成としているため、このFSK情報ビットに影響されることのないウォブルクロックを生成することができる。
【0107】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに別の実施の形態について、図10に基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1および2で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0108】
本実施の形態は、実施の形態2と比べて、FSKビット検出手段48の構成が異なるだけで、他の構成は同一である。したがって、以下では、本実施の形態におけるFSKビット検出手段と、実施の形態2のFSKビット検出手段48との相違点を中心に説明する。
【0109】
図10は、本実施の形態に係るFSKビット検出手段60の構成を示したブロック図である。FSKビット検出手段60は、遅延手段(第2の遅延手段)408と平均手段409とを備えている。
【0110】
遅延手段408は、エッジ検出手段402のエッジ検出信号を遅延させる回路であり、入力されたウォブル信号がFSK情報ビットであるか否かの判断を終了する時間においてエッジ検出手段を遅延させる。
【0111】
平均手段409は、単一周波数部分に相当するウォブル間隔の平均値に基づいて、入力したウォブル信号がFSK情報ビットであるのかあるいは単一周波数部分であるのかを検出するための閾値を設定するための回路である。
【0112】
具体的には、パルス保持手段407の出力が非アクティブの場合、つまり、入力されたウォブル信号が単一周波数部分であると比較手段406により判断された場合に、エッジ検出信号が遅延手段408で遅延させたタイミングにおいて、平均手段409はラッチ手段404の出力を加算してエッジ検出の間隔を平均する。
【0113】
そして、平均手段409は、単一周波数部分のウォブル間隔の平均を算出し、算出したウォブル間隔の平均値を例えば1.2倍して、比較手段406にて比較する際の閾値として出力する。つまり、平均手段409は、上記閾値を上記平均値に比例させて設定している。
【0114】
つまり、ディスク1の単位時間当たりの回転数が変化した場合、単一周波数部分のウォブル間隔も変化するので、上記構成の如く、単一周波数部分のウォブル間隔の平均に比例させて上記閾値を設定していれば、上記閾値が上記回転数に比例して変化するため、FSKマーク部分の検出を誤ることがない。一方、上記閾値を一定値としている場合、ディスク1の単位時間当たりの回転数が変化すると、正しくFSK情報ビットの検出が行うことができない。
【0115】
したがって、平均手段409を構成することにより、光ディスク1の回転が所定の回転数に達していないような場合、つまり、単一周波数部分およびFSK情報ビットの周波数が所定の周波数になっていないような場合でも、その回転数に応じた閾値を設定することが可能であり、正しくFSK情報ビットの検出が行うことができることになる。
【0116】
つぎに、図11に基づいて、平均手段409がラッチ手段404のカウント値を平均するタイミングについて説明を行う。
【0117】
図11(a)〜(f)は、実施の形態2にて説明を行った図9と同様、ウォブル信号にFSK情報ビットが挿入されている場合における、各ブロックの出力波形を示している。図11(g)は、単一周波数部分およびFSK情報ビットの周波数が所定の周波数になっていないような場合における、平均手段409の出力波形の様子を示している。
【0118】
図11(g)における時刻T3では、パルス保持手段407の出力が非アクティブであるので、ラッチ手段404にラッチされているカウント値は単一周波数部分のウォブル間隔を示す。このため、時刻T3において、平均手段409はラッチ手段404にラッチされているカウント値を採用して、平均手段409の出力である閾値の更新を行う。
【0119】
また、時刻T4においては、パルス保持手段407がアクティブとなっている。このため、ラッチ手段404にラッチされているカウント値はFSK情報ビットにおけるウォブル間隔であるため、平均手段409はその閾値の更新を行わない。時刻T5においても同様のため更新を行わない。これにより、平均手段409はウォブル信号のうちの単一周波数部分のみのウォブル間隔の平均値を算出し、その算出した平均値を元に閾値を計算することになる。
【0120】
以上のように、本実施の形態に係るクロック生成回路によれば、実施の形態1のクロック生成回路と同様、ウォブル信号にデータやノイズが重畳した場合でも正しく位相誤差を検出できるため、これらの重畳の影響を受けることなくウォブル信号に同期したウォブルクロックの生成が行うことができる。
【0121】
さらに、本実施の形態によれば、FSK情報ビットの位置を検出し、FSK情報ビットが入力された場合、その位相誤差検出用信号および位相誤差信号を採用しない構成となっているため、FSK情報ビットに影響されることのないウォブルクロックを生成することができる。
【0122】
また、光ディスク1の回転数に応じて上記閾値は変化するため、光ディスク1が所定の回転数に達していない場合でもFSK情報ビットの検出を正確に行うことができる。つまり、光ディスクの回転数が所定の回転数に達していない場合でもウォブル信号に同期したウォブルクロックを生成することができる。
【0123】
また、本発明のクロック生成回路は、以下に示すように構成しても構わない。同心円状もしくはスパイラル状に設けられたトラックをディスク半径方向にウォブリングし、さらにウォブリングの情報ビットをFSK変調したFSK情報ビット部分と単一周波数の波形に基づく単一周波数部分とを一定単位とし、当該一定単位が連続するように形成されているディスク状記録媒体を用い、該ウォブリングされたトラックの再生信号に同期したクロックを生成するクロック生成回路において、該クロック生成回路の出力である同期クロック出力を元に該同期クロック出力と90度位相が異なった位相誤差検出用信号を生成する直交変換手段と、該位相誤差検出用信号とウォブリングされたトラックの再生信号とを乗算することで、該ウォブル信号と該同期クロック出力との位相誤差を検出する乗算手段と、該位相誤差検出手段の出力を平滑化する平滑化手段と、平滑化された位相誤差検出信号を入力としその入力に応じた周波数のクロックを出力する発振手段を備える。
【0124】
上記のような構成のクロック生成回路によればウォブル信号にデータの重畳やノイズ等の影響があるような場合においても、その影響を受けることなくPLLがロックすることができるクロック生成回路を得ることができる。
【0125】
さらに、本発明のクロック生成回路は、以下に示すように構成しても構わない。同心円状もしくはスパイラル状に設けられたトラックをディスク半径方向にウォブリングし、さらにウォブリングの情報ビットをFSK変調したFSK情報ビット部分と単一周波数の波形に基づく単一周波数部分とを一定単位とし、当該一定単位が連続するように形成されているディスク状記録媒体を用い、該ウォブリングされたトラックの再生信号に同期したクロックを生成するクロック生成回路において、該クロック生成回路の出力である同期クロック出力を元に該同期クロック出力と90度位相が異なった位相誤差検出用信号を生成する直交変換手段と、ウォブリングされたトラックの再生信号であるウォブル信号を遅延させる遅延手段と、該位相誤差検出用信号と該遅延手段の出力である遅延ウォブル信号とを乗算することで、該遅延ウォブル信号と該同期クロック出力との位相誤差を検出する乗算手段と、該位相誤差検出手段の出力を平滑化する平滑化手段と、平滑化された位相誤差検出信号を入力としその入力に応じた周波数のクロックを出力する発振手段と、ウォブル信号から情報ビット部分を検出するFSKビット検出手段と、該FSKビット検出手段によってFSKビットを検出された場合に前記乗算手段の出力を発振手段に出力しないように制御する切り替え手段を備える。
【0126】
また、上記FSKビット検出手段は、ウォブル信号を2値化するウォブル2値化手段と、該ウォブル2値化手段の出力であるウォブル2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、該エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号の間隔を計測するカウント手段と、該カウント手段の出力を該エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、閾値を設定する閾値設定手段と、該ラッチ手段の出力であるウォブル間隔計測結果と該閾値とを比較し該閾値よりもウォブル間隔が短い場合パルスを出力する比較手段と、該比較手段の出力パルスを一定期間保持するパルス保持手段とからなり、該閾値設定手段にて設定される閾値とはFSK情報ビットの周波数に相当する間隔と単一周波数部分の周波数に相当する間隔との間に相当する値を予め設定しておいてもよい。
【0127】
上記のような構成のクロック生成回路によればウォブル信号にデータやノイズが重畳した場合でも正しく位相誤差を検出できるため、これらの重畳の影響を受けることなくウォブル信号に同期したクロックの生成が行うことができる。さらに、FSK情報ビットの位置を検出しFSK情報ビットが入力された場合、その位相誤差検出結果を採用しない構成となっているため、このFSK情報ビットに影響されることなしにクロックを生成することができる。
【0128】
また、上記FSKビット検出手段は、ウォブル信号を2値化するウォブル2値化手段と、該ウォブル2値化手段の出力であるウォブル2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、該エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号を遅延させる遅延手段と、該エッジ検出手段信号の間隔を計測するカウント手段と、該カウント手段の出力を該エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、該ラッチ手段の出力であるウォブル間隔計測結果を遅延手段の出力である遅延エッジ検出手段の出力タイミングにおいて比較手段の比較結果により単一周波数部分と判断された場合のウォブル間隔計測結果のみを平均し、算出した該平均値を元に閾値を算出する平均手段と、ラッチ手段の出力であるウォブル間隔計測結果と該平均手段の出力である閾値とを比較し該閾値よりもウォブル間隔が短い場合パルスを出力する比較手段と、該比較手段の出力パルスを一定期間保持するパルス保持手段とから構成してもよい。
【0129】
上記の構成におけるクロック生成回路によればウォブル信号にデータやノイズが重畳した場合でも正しく位相誤差を検出できるため、これらの重畳の影響を受けることなくウォブル信号に同期したクロックの生成が行うことができる。さらに、FSK情報ビットの位置を検出し、FSK情報ビットが入力された場合、その位相誤差検出結果を採用しない構成となっているため、このFSK情報ビットに影響されることのないクロックを生成することができる。また、光ディスクの回転数に応じて閾値は変化するため、所定の回転数に達していない場合でも、FSK情報ビットの検出を正確に行うことができる。つまり、光ディスクの回転数が所定の回転数に達していない場合でも、FSK情報ビットの影響を受けることなしにウォブル信号に同期したクロックを生成することができる。
【0130】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0131】
【発明の効果】
本発明のクロック生成回路は、以上のように、光ディスクに形成されたウォブリングから読み出されたウォブル信号と同期するウォブルクロックを発振する発振手段と、上記ウォブルクロックの波形に対して直交関係にある波形である比較信号を出力する直交変換手段と、上記比較信号と上記ウォブル信号とを乗算する乗算手段と、上記乗算した結果を平滑化して、平滑化した乗算結果を位相誤差信号として出力する平滑化手段とが備えられていることを特徴とする。
【0132】
これにより、位相誤差信号の波形が乱されても、位相誤差信号の正負の相違だけで、出力されるウォブルクロックの位相が進んでいるのか、遅れているかの判断を確実に行うことができ、ウォブル信号とウォブルクロックとの位相誤差を解消するためのフィードバック制御を正確に行うことができる。
【0133】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記発振手段は、上記位相誤差信号に基づいて、ウォブルクロックの周波数を制御することを特徴とする。
【0134】
これにより、容易にウォブルクロックをロックすることができる。
【0135】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、FSK変調されたFSK情報ビット部分と単一周波数部分とが上記ウォブル信号に含まれていると共に、上記ウォブル信号からFSK情報ビット部分の周波数を検出するFSKビット検出手段と、上記FSKビット部分の周波数の検出に応じて上記位相誤差信号を出力しないように制御する制御手段とが備えられていることを特徴とする。
【0136】
これにより、上記FSKビット部分の周波数の影響を受けないウォブルクロックを出力することができる。
【0137】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記ウォブル信号が上記乗算器へ入力するのを遅延させる第1の遅延手段が備えられていることを特徴とする。
【0138】
これにより、FSKビット部分の周波数の検出と、該FSKビット部分に相当するウォブル信号が乗算器へ入力するタイミングとを整えることで、上記タイムラグを解消している。
【0139】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記FSKビット検出手段には、ウォブル信号を2値化する2値化手段と、上記2値化手段の出力である2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号におけるエッジ間隔をカウント値として出力するカウント手段と、上記カウント手段の出力であるカウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する比較手段と、FSK情報ビットの周波数に相当するカウント値と、単一周波数部分の周波数に相当するカウント値との間に相当する値が上記閾値として予め設定されている閾値設定手段とが備えられていることを特徴とする。
【0140】
これにより、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さければ、該カウント値に相当する期間のウォブル信号はFSK情報ビット部分であると判断できる。
【0141】
本発明のクロック生成回路は、上記構成に加えて、上記FSKビット検出手段には、ウォブル信号を2値化する2値化手段と、上記2値化手段の出力である2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号におけるエッジ間隔をカウント値として出力するカウント手段と、上記カウント手段の出力であるカウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する比較手段と、上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号に基づいて、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値の平均値を算出し、該平均値に基づいた閾値を上記比較手段に出力する平均手段と、上記単一周波数部分に相当するラッチされたカウント値が上記平均手段に入力する期間まで、上記エッジ検出信号が上記平均手段に入力するタイミングを遅延させる第2の遅延手段とが備えられていることを特徴とする。
【0142】
これにより、FSK情報ビットの周波数と単一周波数部分の周波数が所定値に達していない場合でも、FSK情報ビットの検出を正確に行うことができる。
【0143】
本発明のクロック生成回路は、以上のように、光ディスクに形成されたウォブリングから読み出されたウォブル信号を入力し、該ウォブル信号と同期するウォブリングクロックを発振するクロック生成回路であって、上記ウォブリングクロックに直交する波形信号をフィードバック制御するPLLが構成されていることを特徴とする。
【0144】
これにより、位相誤差信号の波形が乱されても、PLLが生成する位相誤差信号の正負の相違だけで、出力されるウォブルクロックの位相が進んでいるのか、遅れているかの判断を確実に行うことができ、位相誤差を解消するためのフィードバック制御を正確に行うことができる。
【0145】
本発明の光ディスク装置は、以上のように、上記クロック生成回路が備えられている構成としても構わない。
【0146】
これにより、上述した作用効果を奏する光ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるクロック生成回路が構成されている光ディスク装置の構成を示したブロック図である。
【図2】図1のクロック生成回路の構成を示したブロック図である。
【図3】図2のクロック生成回路において、ウォブルクロックの位相がウォブル信号の位相よりも30°進んでいる場合の、各ブロックの入出力信号の波形を示した図であり、(a)はクロック生成回路に入力するウォブル信号を示し、(b)は電圧制御発振器の出力するウォブルクロックを示し、(c)は直交成分出力手段が出力する比較信号を示し、(d)は位相比較器が出力する位相誤差検出用信号およびループフィルタが出力する位相誤差信号を示す。
【図4】図2のクロック生成回路において、ウォブルクロックの位相がウォブル信号の位相よりも30°遅れている場合の、各ブロックの入出力信号の波形を示した図であり、(a)はクロック生成回路に入力するウォブル信号を示し、(b)は電圧制御発振器の出力するウォブルクロックを示し、(c)は直交成分出力手段が出力する比較信号を示し、(d)は位相比較器が出力する位相誤差検出用信号およびループフィルタが出力する位相誤差信号を示す。
【図5】図2のクロック生成回路において、ウォブルクロックの位相がウォブル信号の位相よりも30°遅れていると共に、該ウォブル信号にデータの周波数が重畳している場合の、各ブロックの入出力信号の波形を示した図であり、(a)はクロック生成回路に入力するウォブル信号を示し、(b)は電圧制御発振器の出力するウォブルクロックを示し、(c)は直交成分出力手段が出力する比較信号を示し、(d)は位相比較器が出力する位相誤差検出用信号およびループフィルタが出力する位相誤差信号を示す。
【図6】図2のクロック生成回路において、該ウォブル信号にFSK情報ビット部分の周波数が含まれている場合の、各ブロックの入出力信号の波形を示した図であり、(a)はクロック生成回路に入力するウォブル信号を示し、(b)は位相比較器が出力する位相誤差検出用信号およびループフィルタが出力する位相誤差信号を示す。
【図7】本発明に係る他の実施形態におけるクロック生成回路の構成を示したブロック図である。
【図8】図7のクロック生成回路の構成要素であるFSKビット検出手段の構成を示すブロック図である。
【図9】図7のクロック生成回路における各ブロックの入出力信号の波形を示した図であり、(a)は上記クロック生成回路に入力するウォブル信号を示し、(b)は上記ウォブル信号を2値化した2値化信号を示し、(c)はエッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号を示し、(d)はラッチ手段の出力であるラッチ出力信号を示し、(e)は比較手段の出力であるFSKビット検出信号を示し、(f)はパルス保持手段の出力信号を示し、(g)は上記クロック生成回路に遅延手段を構成しない場合の位相誤差検出用信号および位相誤差信号を示し、(h)は上記クロック生成回路の位相誤差検出用信号および位相誤差信号を示す。
【図10】本発明のさらに他の実施形態におけるFSKビット検出手段の構成を示したブロック図である。
【図11】図10のFSKビット検出手段が備えられているクロック生成回路における各ブロックの入出力信号の波形を示した図であり、(a)は上記クロック生成回路に入力するウォブル信号を示し、(b)は上記ウォブル信号を2値化した2値化信号を示し、(c)はエッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号を示し、(d)はラッチ手段の出力であるラッチ出力信号を示し、(e)は比較手段の出力であるFSKビット検出信号を示し、(f)はパルス保持手段の出力信号を示し、(g)は平均手段の出力信号を示す。
【図12】(a)は、従来の光ディスク装置における入力ウォブル信号の波形を示した図であり、(b)は、上記入力ウォブル信号を2値化した波形を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク
2 スピンドルモータ
3 光ピックアップ
4 クロック生成回路
5 アドレス検出手段
6 コントローラ
7 データ記録手段
41 A/Dコンバータ
42 位相比較器(乗算手段)
43 ローパスフィルタ(平滑化手段)
44 極性反転手段
45 ループフィルタ
46 電圧制御発振器(発振手段)
47 直交成分出力手段(直交変換手段)
48 FSKビット検出手段
49 遅延手段(第1の遅延手段)
50 スイッチ手段(制御手段)
60 FSKビット検出手段
70 クロック生成回路
401 2値化手段
402 エッジ検出手段
403 カウント手段
404 ラッチ手段
405 閾値設定手段
406 比較手段
407 パルス保持手段
408 遅延手段(第2の遅延手段)
409 平均手段

Claims (5)

  1. 光ディスクに形成されたウォブリングから読み出されたウォブル信号と同期するウォブルクロックを発振する発振手段と、
    上記ウォブルクロックの波形に対して直交関係にある波形である比較信号を出力する直交変換手段と、
    上記比較信号と上記ウォブル信号とを乗算する乗算手段と、
    上記乗算した結果を平滑化して、平滑化した乗算結果を位相誤差信号として出力する平滑化手段とを備え、
    FSK変調されたFSK情報ビット部分と単一周波数部分とが上記ウォブル信号に含まれていると共に、
    上記ウォブル信号からFSK情報ビット部分の周波数を検出するFSKビット検出手段と、
    上記FSK情報ビット部分の周波数の検出に応じて上記位相誤差信号を出力しないように制御する制御手段と、
    上記FSKビット検出手段が上記FSK情報ビット部分の周波数を検出するための少なくともタイムラグの時間分だけ、上記ウォブル信号が上記乗算器へ入力するのを遅延させる第1の遅延手段とが備えられていることを特徴とするクロック生成回路。
  2. 上記発振手段は、上記位相誤差信号に基づいて、ウォブルクロックの周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載のクロック生成回路。
  3. 上記FSKビット検出手段には、
    ウォブル信号を2値化する2値化手段と、
    上記2値化手段の出力である2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、
    上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号におけるエッジ間隔をカウント値として出力するカウント手段と、
    上記カウント手段の出力であるカウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、
    上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する比較手段と、
    FSK情報ビットの周波数に相当するカウント値と、単一周波数部分の周波数に相当するカウント値との間に相当する値が上記閾値として予め設定されている閾値設定手段とが備えられていることを特徴とする請求項1に記載のクロック生成回路。
  4. 上記FSKビット検出手段には、
    ウォブル信号を2値化する2値化手段と、
    上記2値化手段の出力である2値化信号のエッジを検出するエッジ検出手段と、
    上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号におけるエッジ間隔をカウント値として出力するカウント手段と、
    上記カウント手段の出力であるカウント値を上記エッジ検出信号に同期してラッチするラッチ手段と、
    上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値と閾値とを比較し、上記ラッチされたカウント値が該閾値よりも小さい場合、FSKビット検出信号を出力する比較手段と、
    上記エッジ検出手段の出力であるエッジ検出信号に基づいて、上記ラッチ手段の出力であるラッチされたカウント値の平均値を算出し、該平均値に基づいた閾値を上記比較手段に出力する平均手段と、
    上記単一周波数部分に相当するラッチされたカウント値が上記平均手段に入力する期間 まで、上記エッジ検出信号が上記平均手段に入力するタイミングを遅延させる第2の遅延手段とが備えられていることを特徴とする請求項1に記載のクロック生成回路。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のクロック生成回路が備えられていることを特徴とする光ディスク装置。
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