JP3846062B2 - 新規微生物及びこれを用いた染料の脱色方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な染料脱色微生物および該微生物を用いた染料の脱色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
染色等により着色した廃水の脱色法としては、凝集沈殿、オゾン酸化、活性炭吸着、次亜塩素酸酸化、電解酸化などの物理・化学的脱色方法の検討が多くなされてきた。排水の着色度は従来より問題視されてきたが、平成3年10月、和歌山市で色抜き条例が制定されて以来、特に注目されるようになった。本条例は平成6年4月施行されたが、上記の方法は何れも処理コストの点で対応しうる技術ではなく、同年7月には規制値が緩和された。その後和歌山市以外に規制は拡大していないが、処理コスト、スペース、安定性が実用レベルを超える技術が開発されれば、一気に規制が広がると考えられている。
【0003】
生物法は一般に穏和な条件で脱色反応が進み、物理化学的方法と比較して二次的な間題が少なく、またコストの点でも有利と考えられていることから、これまでにも活発な研究がなされ、多くの脱色能を有する微生物が提供されている。例を挙げれば、シユードモナス属細菌(微工研菌寄第1283号)による塩基性染料の分解(特開昭48−82662号公報)、ノカルディア属細菌(ATCC 19070、19071)によるベンゼン環含有染料の分解(特開昭48−56881号公報)、アルカリゲネス属細菌(微工研菌寄第9183号)による、アルカリ条件下でのモノアゾ系、ジアゾ系、トリフェニルメタン系、メチン系、モノアゾポリマー系染料の脱色(特開昭63−216472号公報)、ミロセシウム属糸状菌(微工研菌寄第10728号)によるフタロシアニンの分解・脱色(特開平3−16698号公報)、バチルス属(微工研菌寄第13118号)、キサントモナス属(微工研菌寄第13119号)、アクロモバクター属(微工研菌寄第13120号)各細菌によるアゾ系染料着色液の色消去もしくは低減(特開平8−261号公報)、ゲオトリクム属糸状菌(微工研菌寄第15348号)による染料の分解・脱色(特開平9−173051号公報)、などがある。
【0004】
一方、染料は多種類あり、被染色素材などに応じてそれぞれ使用されているが、使用量の多いものとしては、主にポリエステルの染色に用いられる分散染料と、綿などの染色に用いられる反応性染料が挙げられる。特に反応性染料は水溶性であり、排水の着色成分として問題となっている。また染料の化学構造の基本骨格から、主にアゾ系とアントラキノン系があり、アゾ系染料のほうが多く用いられている。従って、廃水の着色で最も問題となる染料はアゾ系反応性染料と言うことができる。
【0005】
反応性染料による染色は染料種により異なるが、通常高温(40〜80℃)、高アルカリ(pH 10〜11)で行われる。従って染色終了後の廃水は、温度は若干低下するが、中高温・高アルカリである。この様な廃水が直接処理できれば、中和・冷却を必要とせず、コスト低減、効率化が期待できるが、この条件下で脱色しうる微生物はこれまでに知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は効率的に微生物によって染料の脱色方法を提供することにある。さらには使用量が多く、廃水の着色源として最も問題となるアゾ系反応性染料を、染色直後の高温・高アルカリ条件下で脱色することが可能な微生物、およびこれを用いた効率よい脱色方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる微生物は、染料の脱色能を有する生命工研菌寄第16921号として寄託されたバチルス sp. DA1 株であり、また、該バチルスsp. DA1 株を、染料を脱色処理する際に用いる染料の脱色方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の微生物は、バチルス属に属するものであり、アルカリ条件(特にpH9以上)および/または40℃以上の温度で染料を脱色する能力を有するものである。
【0009】
本発明の微生物は以下のようにして取得された。
全国各地の土壌、堆肥、活性汚泥等のサンプルを、アゾ系反応性染料であるリアクティブブラック5を0.025%、ペプトンを0.5%、酵母エキスを0.2%、リン酸2カリウムを0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物を0.02%、炭酸ナトリウムを1%を含む寒天培地(pH 10.5)に加え、45℃で培養した。1〜2日後青色の培地中にオレンジ色のクリアーゾーンを形成する微生物を分離し、純化を繰り返して、1種の細菌株を単離した。本菌株は上記と同じ培地で30℃で培養した場合や、炭酸ナトリウムを添加しない培地(pH 7.4)で30℃もしくは45℃で培養した場合は、3日後でもクリアーゾーンは形成されなかった。
【0010】
以下に本菌株の菌学的性質を示す。
【0011】
【0012】
【0013】
以上の結果をバージェイズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジーに照らし合わせた。本菌株はグラム陽性、桿菌で、カタラーゼおよびオキシダーゼ陽性、運動性を有し、胞子を形成することからバチルス属に属する細菌であることは明らかで、通性嫌気性、胞子の形、膨らみの位置、各種糖の資化性、食塩濃度耐性等の点で、類似の種はなく、さらに生育pHから新種の好アルカリ性バチルスであり、バチルス sp. DA1(生命工研菌寄第16921号)と命名した。
【0014】
本新菌種は、バチルス属に属する他の菌種と下記の点で菌学的性質を異にする。
本新菌種に最も近縁な種は、Bacillus pasteurii であるが、VPテスト、デンプンの加水分解性、55℃での生育において異なる。
次に近いのが、Bacillus licheniformis であるが、胞子の形状、胞子嚢の膨らみ、pH 6.8以下での生育において異なる。
Bacillus coagulrans は、55℃での生育+だが、胞子の形状、ゼラチンの液化、pH 6.8以下での生育、食塩濃度耐性が異なる。
Bacillus circulansは、胞子の形状、VPテスト、pH 6.8以下での生育、食塩濃度耐性、55℃での生育が異なる。
さらにBacillus brevis は、胞子の形状、嫌気下での生育、糖から酸の生成、VPテスト、pH 6.8以下での生育、食塩濃度耐性が異なる。
【0015】
本発明を実施するに際しては、本菌を染料含有溶液に直接接種しても良く、またあらかじめ培養した菌体を染料含有溶液に添加しても良い。培養に際しては特に限定はしないが、各種グルコースをはじめとする各種炭素源、タンパク質、ペプトン、酵母エキス、アミノ酸等の炭窒素源、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄などの各種無機塩類等を添加した培地を用いることができる。培養におけるpHや温度条件は上述の通りである。また好気、嫌気何れの場合でも良いが、好気条件のほうが増殖速度が高い。
【0016】
本発明を用いて脱色処理するときの温度は、特に限定されるものではないが、40℃以上、60℃以下が好ましい。至適処理速度での利用や雑菌汚染の防止を考慮すると40〜55℃がより好ましい。またpHに関しては、pH 7.5以上、pH 11.0以下が好ましく、さらにはpH 8.5以上、pH 10.5以下がより好ましい。
【0017】
被処理物は、特に限定しないが、本菌により脱色される染料を含有する水溶液、工場廃水、下水等が挙げられる。本菌が特にアルカリ、中高温条件で脱色能を有することを考慮すると、同条件で染色を行う反応性染料による染色廃液の脱色に顕著な効果をもたらす。
【0018】
本菌株は通性嫌気性であるが、好気条件では脱色せず、また完全な嫌気条件でも脱色速度がやや落ちる。従って、適度の嫌気状態で行うのが最も好ましく、好気条件のように酸素を供給する必要がないので、経済的に有利である。
【0019】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0020】
【実施例】
[実施例1]
ペプトンを0.5%、酵母エキスを0.2%、リン酸2カリウムを0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物を0.02%、炭酸ナトリウムを1%含む基本培地にリアクティブブラック5を0.025%、寒天を1.5%加えた固体培地(pH 10.5)を作製し、その表面上にバチルス sp. DA1の菌体懸濁液を微量滴下し、45℃で培養した。1日後濃紺の培地の中で、菌体懸濁液を滴下したところを中心にオレンジ色のクリアーゾーン(反対側か透けて見える)が形成された。
【0021】
[実施例2]
可溶性デンプンを1%、ペプトンを0.5%、酵母エキスを0.5%、リン酸2カリウムを0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物を0.02%、炭酸ナトリウムを1%含む液体培地にバチルス sp. DA1を接種し、45℃で1晩好気的に培養した。この培養液15mlを遠心分離して得た菌体を、各種染料を0.025%加えた基本培地(実施例1に記載)に懸濁し、45℃で静置した。またそれぞれの染料含有培地について、菌体を加えない場合を対照とした。8時間後の遠心分離上清液について各染料の最大吸収波長における吸収を測定し、対照に対し減少した値を、対照を100とする脱色率で表した。結果を表1にまとめた。なお分散染料(表中のDisperse yellow 3とDisperse blue 3)はアセトンを最終濃度が50%となるよう添加して遠心分離上清液を調製した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】
新規微生物を利用することにより、中高温、アルカリ条件下で、染料により着色した溶液の着色度を低減することが可能となった。特に反応性染料を高温、高アルカリ条件で用いる染色の廃水処理に顕著な効果をもたらす。
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な染料脱色微生物および該微生物を用いた染料の脱色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
染色等により着色した廃水の脱色法としては、凝集沈殿、オゾン酸化、活性炭吸着、次亜塩素酸酸化、電解酸化などの物理・化学的脱色方法の検討が多くなされてきた。排水の着色度は従来より問題視されてきたが、平成3年10月、和歌山市で色抜き条例が制定されて以来、特に注目されるようになった。本条例は平成6年4月施行されたが、上記の方法は何れも処理コストの点で対応しうる技術ではなく、同年7月には規制値が緩和された。その後和歌山市以外に規制は拡大していないが、処理コスト、スペース、安定性が実用レベルを超える技術が開発されれば、一気に規制が広がると考えられている。
【0003】
生物法は一般に穏和な条件で脱色反応が進み、物理化学的方法と比較して二次的な間題が少なく、またコストの点でも有利と考えられていることから、これまでにも活発な研究がなされ、多くの脱色能を有する微生物が提供されている。例を挙げれば、シユードモナス属細菌(微工研菌寄第1283号)による塩基性染料の分解(特開昭48−82662号公報)、ノカルディア属細菌(ATCC 19070、19071)によるベンゼン環含有染料の分解(特開昭48−56881号公報)、アルカリゲネス属細菌(微工研菌寄第9183号)による、アルカリ条件下でのモノアゾ系、ジアゾ系、トリフェニルメタン系、メチン系、モノアゾポリマー系染料の脱色(特開昭63−216472号公報)、ミロセシウム属糸状菌(微工研菌寄第10728号)によるフタロシアニンの分解・脱色(特開平3−16698号公報)、バチルス属(微工研菌寄第13118号)、キサントモナス属(微工研菌寄第13119号)、アクロモバクター属(微工研菌寄第13120号)各細菌によるアゾ系染料着色液の色消去もしくは低減(特開平8−261号公報)、ゲオトリクム属糸状菌(微工研菌寄第15348号)による染料の分解・脱色(特開平9−173051号公報)、などがある。
【0004】
一方、染料は多種類あり、被染色素材などに応じてそれぞれ使用されているが、使用量の多いものとしては、主にポリエステルの染色に用いられる分散染料と、綿などの染色に用いられる反応性染料が挙げられる。特に反応性染料は水溶性であり、排水の着色成分として問題となっている。また染料の化学構造の基本骨格から、主にアゾ系とアントラキノン系があり、アゾ系染料のほうが多く用いられている。従って、廃水の着色で最も問題となる染料はアゾ系反応性染料と言うことができる。
【0005】
反応性染料による染色は染料種により異なるが、通常高温(40〜80℃)、高アルカリ(pH 10〜11)で行われる。従って染色終了後の廃水は、温度は若干低下するが、中高温・高アルカリである。この様な廃水が直接処理できれば、中和・冷却を必要とせず、コスト低減、効率化が期待できるが、この条件下で脱色しうる微生物はこれまでに知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は効率的に微生物によって染料の脱色方法を提供することにある。さらには使用量が多く、廃水の着色源として最も問題となるアゾ系反応性染料を、染色直後の高温・高アルカリ条件下で脱色することが可能な微生物、およびこれを用いた効率よい脱色方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる微生物は、染料の脱色能を有する生命工研菌寄第16921号として寄託されたバチルス sp. DA1 株であり、また、該バチルスsp. DA1 株を、染料を脱色処理する際に用いる染料の脱色方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の微生物は、バチルス属に属するものであり、アルカリ条件(特にpH9以上)および/または40℃以上の温度で染料を脱色する能力を有するものである。
【0009】
本発明の微生物は以下のようにして取得された。
全国各地の土壌、堆肥、活性汚泥等のサンプルを、アゾ系反応性染料であるリアクティブブラック5を0.025%、ペプトンを0.5%、酵母エキスを0.2%、リン酸2カリウムを0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物を0.02%、炭酸ナトリウムを1%を含む寒天培地(pH 10.5)に加え、45℃で培養した。1〜2日後青色の培地中にオレンジ色のクリアーゾーンを形成する微生物を分離し、純化を繰り返して、1種の細菌株を単離した。本菌株は上記と同じ培地で30℃で培養した場合や、炭酸ナトリウムを添加しない培地(pH 7.4)で30℃もしくは45℃で培養した場合は、3日後でもクリアーゾーンは形成されなかった。
【0010】
以下に本菌株の菌学的性質を示す。
【0011】
【0012】
【0013】
以上の結果をバージェイズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジーに照らし合わせた。本菌株はグラム陽性、桿菌で、カタラーゼおよびオキシダーゼ陽性、運動性を有し、胞子を形成することからバチルス属に属する細菌であることは明らかで、通性嫌気性、胞子の形、膨らみの位置、各種糖の資化性、食塩濃度耐性等の点で、類似の種はなく、さらに生育pHから新種の好アルカリ性バチルスであり、バチルス sp. DA1(生命工研菌寄第16921号)と命名した。
【0014】
本新菌種は、バチルス属に属する他の菌種と下記の点で菌学的性質を異にする。
本新菌種に最も近縁な種は、Bacillus pasteurii であるが、VPテスト、デンプンの加水分解性、55℃での生育において異なる。
次に近いのが、Bacillus licheniformis であるが、胞子の形状、胞子嚢の膨らみ、pH 6.8以下での生育において異なる。
Bacillus coagulrans は、55℃での生育+だが、胞子の形状、ゼラチンの液化、pH 6.8以下での生育、食塩濃度耐性が異なる。
Bacillus circulansは、胞子の形状、VPテスト、pH 6.8以下での生育、食塩濃度耐性、55℃での生育が異なる。
さらにBacillus brevis は、胞子の形状、嫌気下での生育、糖から酸の生成、VPテスト、pH 6.8以下での生育、食塩濃度耐性が異なる。
【0015】
本発明を実施するに際しては、本菌を染料含有溶液に直接接種しても良く、またあらかじめ培養した菌体を染料含有溶液に添加しても良い。培養に際しては特に限定はしないが、各種グルコースをはじめとする各種炭素源、タンパク質、ペプトン、酵母エキス、アミノ酸等の炭窒素源、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄などの各種無機塩類等を添加した培地を用いることができる。培養におけるpHや温度条件は上述の通りである。また好気、嫌気何れの場合でも良いが、好気条件のほうが増殖速度が高い。
【0016】
本発明を用いて脱色処理するときの温度は、特に限定されるものではないが、40℃以上、60℃以下が好ましい。至適処理速度での利用や雑菌汚染の防止を考慮すると40〜55℃がより好ましい。またpHに関しては、pH 7.5以上、pH 11.0以下が好ましく、さらにはpH 8.5以上、pH 10.5以下がより好ましい。
【0017】
被処理物は、特に限定しないが、本菌により脱色される染料を含有する水溶液、工場廃水、下水等が挙げられる。本菌が特にアルカリ、中高温条件で脱色能を有することを考慮すると、同条件で染色を行う反応性染料による染色廃液の脱色に顕著な効果をもたらす。
【0018】
本菌株は通性嫌気性であるが、好気条件では脱色せず、また完全な嫌気条件でも脱色速度がやや落ちる。従って、適度の嫌気状態で行うのが最も好ましく、好気条件のように酸素を供給する必要がないので、経済的に有利である。
【0019】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0020】
【実施例】
[実施例1]
ペプトンを0.5%、酵母エキスを0.2%、リン酸2カリウムを0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物を0.02%、炭酸ナトリウムを1%含む基本培地にリアクティブブラック5を0.025%、寒天を1.5%加えた固体培地(pH 10.5)を作製し、その表面上にバチルス sp. DA1の菌体懸濁液を微量滴下し、45℃で培養した。1日後濃紺の培地の中で、菌体懸濁液を滴下したところを中心にオレンジ色のクリアーゾーン(反対側か透けて見える)が形成された。
【0021】
[実施例2]
可溶性デンプンを1%、ペプトンを0.5%、酵母エキスを0.5%、リン酸2カリウムを0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物を0.02%、炭酸ナトリウムを1%含む液体培地にバチルス sp. DA1を接種し、45℃で1晩好気的に培養した。この培養液15mlを遠心分離して得た菌体を、各種染料を0.025%加えた基本培地(実施例1に記載)に懸濁し、45℃で静置した。またそれぞれの染料含有培地について、菌体を加えない場合を対照とした。8時間後の遠心分離上清液について各染料の最大吸収波長における吸収を測定し、対照に対し減少した値を、対照を100とする脱色率で表した。結果を表1にまとめた。なお分散染料(表中のDisperse yellow 3とDisperse blue 3)はアセトンを最終濃度が50%となるよう添加して遠心分離上清液を調製した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】
新規微生物を利用することにより、中高温、アルカリ条件下で、染料により着色した溶液の着色度を低減することが可能となった。特に反応性染料を高温、高アルカリ条件で用いる染色の廃水処理に顕著な効果をもたらす。
Claims (4)
- 染料の脱色能を有する生命工研菌寄第16921号として寄託されたバチルス sp. DA1株。
- 染料を脱色処理する際に、請求項1記載のバチルス sp. DAI株を用いることを特徴とする染料の脱色方法。
- 染料の脱色処理を、pH8.5〜11.0のアルカリ条件下、かつ40℃以上の温度で行うことを特徴とする請求項2記載の染料の脱色方法。
- 反応性染料を含有する染料液を脱色処理することを特徴とする請求項2又は3に記載の染料の脱色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27029098A JP3846062B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 新規微生物及びこれを用いた染料の脱色方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27029098A JP3846062B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 新規微生物及びこれを用いた染料の脱色方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000093164A JP2000093164A (ja) | 2000-04-04 |
JP3846062B2 true JP3846062B2 (ja) | 2006-11-15 |
Family
ID=17484212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27029098A Expired - Fee Related JP3846062B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 新規微生物及びこれを用いた染料の脱色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP4663218B2 (ja) * | 2002-06-24 | 2011-04-06 | 株式会社クラレ | 窒素を含有する染料を含む排水の処理装置及び処理方法 |
JP3588613B2 (ja) * | 2003-03-10 | 2004-11-17 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 新規微生物及びその微生物を用いた有機性固形物の処理方法 |
CN1325398C (zh) * | 2003-06-25 | 2007-07-11 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种油田采出废水的生化处理方法 |
JP4536158B1 (ja) * | 2010-04-15 | 2010-09-01 | 三木理研工業株式会社 | 着色廃水処理方法及び当該方法に使用する着色廃水処理装置 |
CN112374704B (zh) * | 2020-12-01 | 2023-04-18 | 江苏南资环保科技有限公司 | 一种农药废水的生物脱色工艺 |
-
1998
- 1998-09-24 JP JP27029098A patent/JP3846062B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000093164A (ja) | 2000-04-04 |
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