JP3845206B2 - 画像圧縮装置および画像伸張装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー静止画像を圧縮し、伸張する画像圧縮装置および画像伸張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー静止画像を圧縮することによって通信回路を介した画像の転送を効率的に行うため、JPEG(Joint Photographic Expert Group)方式と呼ばれる画像圧縮方式が標準化されている。JPEG方式の基本方式(ベースラインプロセス)では、まず画像データを直交変換することによって空間周波数成分ごとに分解し、空間周波数成分毎に表されたデータを量子化し、量子化されたデータを符号化(圧縮)する。符号化された画像データは、復号化し、逆量子化し、逆離散コサイン変換することによって伸張され、これにより原画像が復元される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなJPEG方式によれば、高解像度の画像を効率的に圧縮することができるが、圧縮、伸張の過程で何らかの歪みが発生するため画質劣化が生じ、完全な原画像に復元することができない。無歪みで画像を圧縮、伸張することができる可逆符号化方式の1つとして、アダマール変換方式がある。アダマール変換方式では、対称行列を用いて画像データを直交変換し、量子化せずに符号化するため、画質劣化を生じないように画像を圧縮、 伸張することができる。しかしながら、このような方式では高解像度の画像を効率的に圧縮できない。
【0004】
本発明は、高解像度の画像を効率的に圧縮し、かつ画質劣化を生じさせないように圧縮、伸張するための画像圧縮装置および画像伸張装置を得ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像圧縮装置は、入力される静止画像に対応した画像データをアダマール変換することにより、アダマール変換係数を求めるアダマール変換手段と、アダマール変換係数を量子化テーブルに基いて量子化することにより、ビット列で表される量子化アダマール変換係数を求める量子化手段と、量子化アダマール変換係数のビット列をビット配分テーブルに基いて上位ビット列と下位ビット列に分離し、上位ビット列で表される上位量子化アダマール変換係数と下位ビット列で表される下位量子化アダマール変換係数とを求めるビット分離手段と、上位量子化アダマール変換係数を符号化することにより、圧縮画像データを求める符号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
量子化テーブルは、2の累乗である量子化係数から構成される8行8列の行列であることが望ましい。
【0007】
ビット配分テーブルは、ビット分離手段により分離される下位ビット列のビット数を表すビット配分係数から構成される8行8列の行列であることが望ましい。
【0008】
ビット分離手段は、量子化アダマール変換係数のビット列を右シフト演算し、右シフト演算により変換される量子化アダマール変換係数のビット列を上位ビット列、右シフト演算により分離される下位ビットを下位ビット列とすることが望ましい。
【0009】
本発明の画像伸張装置は、圧縮画像データを復号化することにより、上位量子化アダマール変換係数を求める復号化手段と、上位量子化アダマール変換係数と下位量子化アダマール変換係数をビット合成することにより、量子化アダマール変換係数を求めるビット合成手段と、量子化アダマール変換係数を量子化テーブルに基いて逆量子化することにより、逆量子化アダマール変換係数を求める逆量子化手段と、逆量子化アダマール変換係数をアダマール変換係数と同値の補正係数に変換する補正係数作成手段と、アダマール変換係数を逆アダマール変換することにより、画像データを求める逆アダマール変換手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
補正係数作成手段において、補正係数が逆量子化アダマール変換係数を2の累乗で除算したときの剰余データによって求められることが望ましい。
【0011】
逆量子化アダマール変換係数が、2、4、8、16、32、64の順番に除算され、それぞれの剰余データが求められることが望ましい。
【0012】
補正係数作成手段において、逆量子化アダマール変換係数の符号、および剰余データの数値と符号とに基いて、逆量子化アダマール変換係数を予め定められた所定値分だけ増減させることにより、補正係数が求められることが望ましい。
【0013】
補正係数作成手段において、剰余データが0の場合には、逆量子化アダマール変換係数を補正係数とすることが望ましい。
【0014】
ビット合成手段が、上位量子化アダマール変換係数のビット列を左シフト演算し、左シフト演算により空白になる部分に下位ビット列を当てはめることで量子化アダマール変換係数を求めることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、 本発明の実施形態である画像圧縮装置および画像伸張装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態例である画像圧縮装置のブロック図である。
【0016】
被写体像( 静止画像)16は、レンズ17を介して固体撮像素子18の受光面上に結像される。固体撮像素子18の受光面には光電変換素子が配設され、光電変換素子の上面にはレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色フィルタ要素からなるカラーフィルタが設けられている。各光電変換素子は1つの画素データに対応しており、被写体像16は各光電変換素子によって所定の色に対応した電気的な画像信号に変換される。そして画像信号は、A/D変換器( 図示せず)においてアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0017】
デジタル化された画像信号は、信号処理回路(図示せず)において輝度データY、色差データCb、Crに変換されて画像メモリ15に画像データとして記録される。画像メモリ15には、輝度データYおよび色差データCb、Crがそれぞれ独立した領域に格納されており、各メモリ領域は1画像分の記憶容量を有している。輝度データYおよび色差データCb、Crは、画像圧縮装置10に対する入力データである。
【0018】
輝度データYおよび色差データCb、Crは、1画面において複数のブロックに分割され、ブロック単位で処理される。各ブロックは、8×8個の画素データからなる。
【0019】
輝度データY及び色差データCb,Crは、画像メモリ15から読み出され、画像圧縮装置10に送られる。画像圧縮装置10は、アダマール変換部11、量子化部12、ビット分離部13、ハフマン符号化部14から構成されている。輝度データYおよび色差データCb,Crは、画像圧縮装置10内においてそれぞれ別々に処理される。
【0020】
輝度データYおよび色差データCb,Crは、アダマール変換部11においてアダマール変換係数に変換される。アダマール変換は直交変換の1つであり、各ブロックにおいて画像データを空間周波数成分毎に分解する。ここでは、変換行列として、ウォルシュ−アダマール行列(W−H行列)を用いる。
【0021】
輝度データYおよび色差データCb,Crのアダマール変換係数は、量子化部12において量子化テーブルQに基き量子化される。この量子化は線形量子化であり、8×8=64個の量子化係数から構成される量子化テーブルQを用いて行われる。すなわち、各アダマール変換係数がそれぞれ対応する量子化係数で除算され、余りが丸められる。量子化テーブルQとして、輝度データY用の量子化テーブルQy 、色差データCb,Cr用の量子化テーブルQc がそれぞれ設けられている。
【0022】
輝度データYおよび色差データCb,Crは、画像圧縮装置10内では2進数のビット列で表され、輝度データYおよび色差データCb,Crの量子化アダマール変換係数も2進数のビット列で表される。量子化アダマール変換係数のビット列は、ビット分離部13においてビット配分テーブルBTに基き上位量子化アダマール変換係数のビット列(上位ビット列)と下位量子化アダマール変換係数のビット列(下位ビット列)に分離される。ビット配分テーブルBTは、ビット配分係数から構成された8×8のマトリクスであり、ビット配分係数は、分離されるビット数を示している。ビット分離により得られた上位量子化アダマール変換係数は、ハフマン符号化部14に送られるが、下位量子化アダマール変換係数は符号化されずにそのまま記録媒体Mの下位記録領域M3に記録される。
【0023】
輝度データYおよび色差データCb,Crの上位量子化アダマール変換係数は、ハフマン符号化部14において符号化され、圧縮画像データが求められる。符号化に関しては、JPEGで適用されているハフマン符号化方式に準拠する。ハフマン符号化により得られた圧縮画像データは記録媒体Mの圧縮画像データ記録領域M2に記録される。また輝度データY用の量子化テーブルQy と色差データ用の量子化テーブルQc も、記録媒体Mの記録領域M1に記録される。
【0024】
図2、図3、図4を用いて1つの画素ブロックに対する圧縮処理を説明する。ここでは、輝度データYの画像データを対象とする。
【0025】
図2では、画素ブロックPと、アダマール変換係数行列Aと、量子化テーブルQと、量子化アダマール変換係数行列Bとがそれぞれ8×8のマトリクスで例示されている。各マトリクスの要素は、それぞれ画素値Pyx、アダマール変換係数Avu、量子化係数Qvu,量子化アダマール変換係数Bvuと表される。
【0026】
画素値Pyxにおいて、添字yは縦方向の位置を示し、上から0,1,2,・・・7である。また添字xは横方向の位置を示し、左から0,1,2,・・・7である。例えば、y=1、x=1の場合、画素値P11=162である。
【0027】
アダマール変換係数Avu、量子化係数Qvu、量子化アダマール変換係数Bvuにおける添字vは、添字yと同じように縦方向の位置を示し、上から0,1,2,・・・7である。また添字uは、添字xと同じように横方向の位置を示し、左から0,1,2,・・・7である。例えば、v=1、u=1の場合、アダマール変換係数A11=252である。
【0028】
画素値Pyxはアダマール変換され、アダマール変換係数Avuに変換される。アダマール変換は次の(1)式によって表される。
【0029】
【数2】
【0030】
(1)式においてHuxおよびHvyは(1)式の下に示されたウォルシュ−アダマール行列Hの要素であり、{1/(2・21/2 )} または{−1/(2・21/2 )}のいずれかの値となる。Huxにおいて添字u,xはそれぞれ行列Hの縦、横方向を表し、Hvyにおける添字v、yも同様に行列Hの縦、横方向を表す。
【0031】
アダマール変換係数行列Aのなかで位置(0,0)にあるアダマール変換係数A00はDC成分であり、残りの位置にあるアダマール変換係数AvuはAC成分である。DC成分は画素ブロックPの画素値Pyxの合計を表し、空間周波数は0である。一方AC成分は、アダマール変換係数A01ないしA10からアダマール変換係数A77の方向に向かって、より高い空間周波数成分の値が画素ブロックPの中にどれほどあるかを表す。このように画素ブロックPは、アダマール変換によって空間周波数成分毎に分解される。
【0032】
各アダマール変換係数Avuは量子化され、量子化係数Qvuによって量子化アダマール変換係数Bvuに変換される。すなわち、各アダマール変換係数Avuがそれぞれ対応する量子化係数Qvuで割り算され、余りが丸められる(四捨五入される)。例えば、アダマール変換係数A11(=252)が量子化係数Q11(=4)で除算され、余りが丸められて量子化アダマール変換係数B11(=63)が求められる。
【0033】
量子化において用いられる量子化テーブルQは、2m (m=0,1,2,・・・)と表される量子化係数Qvuから構成されている。また、量子化テーブルQは対称行列であり、
Qvu= Quv(v≠u)
となる。
【0034】
図3では、量子化アダマール変換係数行列Bと、ビット配分テーブルBTと、上位量子化アダマール変換係数行列BHと、下位量子化アダマール変換係数行列BLとがそれぞれ8×8のマトリクスで例示されている。各マトリクスの要素は、それぞれ量子化アダマール変換係数Bvu、ビット配分係数BTvu、上位アダマール変換係数BHvu、下位量子化アダマール変換係数BLvuと表される。
【0035】
量子化アダマール変換係数Bvuのビット列は、ビット分離により上位ビット列と下位ビット列に分離され、上位ビット列で表される上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位ビット列で表される下位量子化アダマール変換係数BLvuが求められる。このときビット分離されるビット数、すなわち下位ビット列のビット数は、対応するビット配分係数BTvuの値に従う。
【0036】
例えば、量子化アダマール変換係数B36(=4)のビット列は、対応するビット配分係数BT36(=2)に基いてビット分離され、上位ビット列で表される上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)と2ビットの下位ビット列で表される下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)が求められる。ビット分離に関しては後述する。
【0037】
図4には、6つのビット配分テーブルBT1 〜BT6 が示されており、ここではビット配分テーブルBT6 が用いられている。ビット配分テーブルBTは、絶対値が大きい量子化アダマール変換係数Bvuには大きい値のビット配分係数BTvu、絶対値が小さい量子化アダマール変換係数Bvuには小さい値のビット配分係数BTvuが対応するように構成されている。このため、絶対値が大きい量子化アダマール変換係数Bvuに対するビット分離の場合でも、分離される下位ビット列のビット数が多いことから絶対値が小さい上位量子化アダマール変換係数BHvuが求められる。なおビット分離を実行するとき、1画面に1つのビット配分テーブルBTを適用してもよいし、各ブロック毎にそれぞれ違ったビット配分テーブルBTを適用してもよい。
【0038】
このように量子化アダマール変換係数Bvuのビット列は、対応するビット配分係数BTvuの値が下位ビット列のビット数となるようにビット分離され、上位ビット列で表される上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位ビット列で表される下位量子化アダマール変換係数BLvuが求められる。
【0039】
上位量子化アダマール変換係数行列BHvuは、ジグザグスキャンされ、ハフマン符号化される。そのとき、AC成分、DC成分の上位量子化アダマール変換係数BHvuはそれぞれ別々に符号化される。まずDC成分の上位量子化アダマール変換係数BHvuがハフマン符号化され、次に上位量子化アダマール変換係数行列BHが従来公知のようにジグザグスキャンされて2次元のマトリクスから1列のデータに変換された後にAC成分の上位量子化アダマール変換係数BHvuがハフマン符号化される。一方、 下位量子化アダマール変換係数BLvuハフマン符号化されない。
【0040】
上位量子化アダマール変換係数行列BHをジグザグスキャンして1列に並べ替えたとき、ゼロの出現頻度が量子化アダマール変換係数行列Bをジグザグスキャンするときに比べて増える。そのため、ゼロラン長(連続する0の長さ)が長くなり、符号化するときに必要なビット数が少なくなる。また、0以外の上位量子化アダマール変換係数BHvuの絶対値は量子化アダマール変換係数Bvuの絶対値よりも小さいため、0以外の上位量子化アダマール変換係数BHvuを符号化するときに必要なビット数は、量子化アダマール変換係数Bvuの場合に比べて少ない。
【0041】
さらにビット配分テーブルBTに基いたビット分離により、量子化アダマール変換係数Bvuの絶対値の大きさに対応して量子化アダマール変換係数Bvuのビット列が適切な配分で上位ビット列と下位ビット列に分離されるため、すべて同じビット数でビット分離する場合に比べ、記録媒体に記録される下位ビット列のビット数と圧縮画像データに必要なビット数が少なくて済む。このようなビット配分テーブルBTに基いたビット分離の実行により、画像を効率的に圧縮することができる。
【0042】
図3、図5を用いて、2ビットのビット分離を説明する。そのため、量子化アダマール変換係数Bvuをビット列で表す。アダマール変換係数Avuは通常14ビット割り当てられるが、ここでは量子化アダマール変換係数Bvuのビット列は16ビットとし、16ビットのうち14ビットが使用されて量子化アダマール変換係数Bvuの2進数が表されることにする。正負の値をとるAC成分の量子化アダマール変換係数Bvuの場合、16ビットのうち最上位の1ビットが符号ビットとして使用され、右端からの14ビットを使用して量子化アダマール変換係数Bvuの2進数が表される。
【0043】
図5では、量子化アダマール変換係数B36(=4)に対するビット分離を示している。
【0044】
量子化アダマール変換係数B36(=4)は、2進法で表すと「00000000000100」であり、符号ビットFは正を表す「0」である。16ビットのビット列C0において、2進数「00000000000100」は右端からの14ビットを使って表される。「0」である符号ビットFは、ビット列C0の左端にある最上位ビットに位置する。なお量子化アダマール変換係数Bvuが正の値の場合、使用されていない1ビットJ0は「0」である。
【0045】
ビット分離の実行により、量子化アダマール変換係数B36(=4)は右シフト演算される。 右シフト演算とは、各ビットを指定されたビット数だけ右に桁移動させる演算である。2ビットの右シフト演算が実行されると、各ビットが右に2つずつ移動させられ、「00」である右端の下位ビットKは分離される。そして右シフト演算によって空白になった左端の2ビットには、2つの符号ビットFが当てはめられる。
【0046】
このようにして、ビット列C0は右シフト演算により12ビットを使用して2進数「000000000001」が表されるビット列C1に変換される。このビット列C1が上位ビット列であり、2進数「000000000001」を10進法で表した値が上位量子化アダマール変換係数BH36の値となる。すなわち、上位量子化アダマール変換係数BH36の値は1である。
【0047】
一方、右シフト演算によって分離された下位ビットKが下位ビット列であり、下位ビットKの値が下位量子化アダマール変換係数BL36の値となる。2進数「00」は10進法で0であるから、下位量子化アダマール変換係数BL36の値は0である。
【0048】
このように量子化アダマール変換係数B36(=4)のビット列C0は、ビット分離によって上位ビット列であるビット列C1と下位ビット列である下位ビットKに分離され、上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)と下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)が求められる。
【0049】
負である量子化アダマール変換係数Bvuの場合でも、同じようにビット分離される。ただし、符号ビットFは負を示す「1」であり、使用されていない1ビットJ0は「1」である。
【0050】
なお、nビットのビット分離を実行する場合、量子化アダマール変換係数Bvuに対してnビットの右シフト演算が実行される。
【0051】
図6は、nビットのビット分離の手順を示したフローチャートである。図3、図6を用いてビット分離の手順を説明する。
【0052】
ステップ201では、縦方向の位置を表す添字vが0に設定される。ステップ202では、横方向の位置を表す添字uが0と設定され、行列の横方向を表す行のなかで最も左側の量子化アダマール変換係数Bvuがビット分離の対象とされる。量子化アダマール変換係数B00が最初のビット分離の対象である。
【0053】
ステップ203では、量子化アダマール変換係数Bvuに対してnビットのビット分離をするためにnビットの右シフト演算が実行され、上位量子化アダマール変換係数BHvuが求められる。量子化アダマール変換係数Bvuに対応するビット配分係数BTvuの値がnである。
【0054】
例えば2ビットのビット分離の場合、量子化アダマール変換係数B36(=4)がビット分離されることにより上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)が求められる。また3ビットのビット分離の場合、量子化アダマール変換係数B70(=−15)がビット分離されることにより上位量子化アダマール変換係数BH70(=−2)が求められる。
【0055】
ステップ204では、下位量子化アダマール変換係数BLvuが求められる。下位量子化アダマール変換係数BLvuを求める算術式は、次の(2)式のようになる。
【0056】
BLvu=Bvu−(BHvu×2n ) ・・・・・・・・(2)
【0057】
例えば2ビットのビット分離の場合、量子化アダマール変換係数B36(=4)に対して下位量子化アダマール変換係数DL36の値は、上位量子化アダマール変換係数BH36の値が1であることから
DL36= 4−(1×22)=0
となる。
【0058】
例えば3ビットのビット分離の場合、量子化アダマール変換係数B70(=−15)に対して下位量子化アダマール変換係数BL70の値は、上位量子化アダマール変換係数BH70の値が−2であることから
BL70=−15−(−2×23 )=1
となる。
【0059】
ステップ205では、添字uに1が加算される。これによりビット分離される対象の量子化アダマール変換係数Bvuが1つ右隣の量子化アダマール変換係数Bvuに移される。
【0060】
ステップ206では、添字uが8であるか否かが判定される。すなわち、横方向の1つの行に関してすべての量子化アダマール変換係数Bvuがビット分離されたか否かが判定される。添字uが8であると判定されるとステップ207に移る。添字uが8でないと判定されるとステップ203に戻る。
【0061】
ステップ207では、添字vに1が加算される。すなわち、ビット分離される量子化アダマール変換係数Bvuが、1つ下の行の量子化アダマール変換係数Bvuに移される。
【0062】
ステップ208では、添字vが8であるか否かが判定される。すなわち、全ての量子化アダマール変換係数Bvuがビット分離されたか否かが判定される。添字vが8であると判定されると、量子化アダマール変換係数行列Bに対するビット分離は終了する。添字vが8でないと判定されると、ステップ202に戻る。
【0063】
以上のように本実施形態により画像を圧縮処理すれば、符号化に必要なビット数、すなわち情報量が少なくて済むため、画像を効率的に圧縮することができる。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態である画像伸張装置のブロック図である。
【0065】
輝度データYおよび色差データCb,Crの圧縮画像データは、記録媒体Mの圧縮画像データ記録領域M2から読み出され、画像伸張装置20に送られる。画像伸張装置20は、ハフマン復号化部21、ビット合成部22、逆量子化部23、補正係数作成部24、逆アダマール変換部25から構成されている。
【0066】
輝度データYおよび色差データCb,Crの圧縮画像データはハフマン復号化部21において復号化され、上位量子化アダマール変換係数に変換される。この復号化は、ハフマン符号化とは逆の作用である。
【0067】
輝度データYおよび色差データCb、Crの上位量子化アダマール変換係数と、記録媒体Mの下位記録領域M3から読み出された下位量子化アダマール変換係数が、ビット合成部22においてビット配分テーブルBTに基いてビット合成され、量子化アダマール変換係数が復元される。
【0068】
輝度データYおよび色差データCb,Crの量子化アダマール変換係数は、逆量子化部23において量子化テーブルQに基いて逆量子化され、逆量子化アダマール変換係数が求められる。すなわち、量子化アダマール変換係数に量子化係数が乗じられ、逆量子化アダマール変換係数が求められる。
【0069】
輝度データYおよび色差データCb,Crの逆量子化アダマール変換係数は、補正係数作成部24において、補正係数に変換される。補正係数はアダマール変換係数と同値であり、量子化、逆量子化において生じた量子化誤差が取り除かれる。
【0070】
補正係数、すなわちアダマール変換係数は、逆アダマール変換部25において逆アダマール変換され、画像データが復元される。輝度データYおよび色差データCb,Crの画像データは、画像メモリ15に記録される。
【0071】
図8、図9を用いて圧縮画像データに対する伸張処理を説明する。ここでは、輝度データYの圧縮画像データを対象とする。
【0072】
図8では、上位量子化アダマール変換係数行列BHと、下位量子化アダマール変換係数行列BLと、ビット配分テーブルBTと、量子化アダマール変換係数行列Bとが8×8のマトリクスで例示されている。各マトリクスの要素は、それぞれ上位アダマール変換係数BHvu、下位アダマール変換係数BLvu、ビット配分係数BTvu、量子化アダマール変換係数Bvuと表される。
【0073】
圧縮画像データは、ハフマンテーブルを用いて復号化され、ジグザグスキャンの逆であるマトリクス化されることにより、上位量子化アダマール変換係数行列BHが求められる。
【0074】
上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuは、ビット配分係数BTvuに基いてビット合成され、量子化アダマール変換係数Bvuが復元される。ビット合成に関しては、後述する。
【0075】
例えば、上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)と下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)がビット配分係数BT36(=2)に基いてビット合成され、量子化アダマール変換係数B36(=4)が復元される。
【0076】
図9には、量子化アダマール変換係数行列Bと、量子化テーブルQと、逆量子化アダマール変換係数行列A’と、補正係数行列A”(アダマール変換係数行列A)と、画素ブロックPとが8×8のマトリクスで例示されている。各マトリクスの要素は、それぞれ量子化アダマール変換係数Bvu、量子化係数Qvu、逆量子化アダマール変換係数A’vu、補正係数A”vu,画素値Pyxと表される。
【0077】
量子化アダマール変換係数Bvuは、量子化テーブルQを用いて逆量子化され、逆量子化アダマール変換係数A’が求められる。すなわち、量子化アダマール変換係数Bvuに対して対応する量子化係数Qvuが乗じられ、逆量子化アダマール変換係数A’vuが求められる。
【0078】
圧縮処理における量子化では、アダマール変換係数Avuに対する除算の余りを四捨五入する。そのため、逆量子化により得られる逆アダマール変換係数A’vuには量子化(丸め)誤差が生じる。そのため、逆量子化アダマール変換係数A’vuとアダマール変換係数Avuは、必ずしも同値ではない。例えば、図2で示されたアダマール変換係数A06(=−42)に対応する逆アダマール変換係数A’06(=−44)には、量子化誤差が生じている。
【0079】
そのため本実施形態では、逆量子化アダマール変換係数A’vuが量子化テーブルQに基いて量子化誤差が修正され、補正係数A”vuが作成される。この補正係数A”vuは、アダマール変換係数Avuと同値である。すなわち、補正係数作成処理により、量子化誤差のある逆量子化アダマール変換係数A’vuから量子化誤差のない補正係数A”vuに変換される。補正係数作成処理に関しては、後述する。
【0080】
補正係数A”vuは逆アダマール変換され、画素値Pyxが復元される。逆アダマール変換は、次の(3)式で表される。
【0081】
【数3】
【0082】
(3)式においてHuxおよびHvyは、(3)式の下に示されたウォルシュ−アダマール行列Hの要素である。この逆アダマール変換は、アダマール変換の逆の作用である。
【0083】
図8、図10を用いて、2ビットのビット合成について説明する。そのため、上位量子化アダマール変換係数BHvuをビット列で表す。
【0084】
図10では、上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)と下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)に対するビット合成を示している。
【0085】
上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)は、図5で示したように16ビットのビット列C1で表される。下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)は2進数で「0」であり、2ビットの下位ビット列K1で表される。
【0086】
ビット合成の実行により、上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)は左シフト演算される。左シフト演算とは、指定されたビット数だけビット列の各ビットを左に桁移動させる演算である。2ビットの左シフト演算が実行されると、ビット列C1の各ビットが左に2つずつ移動させられ、左端にある2つの「0」である符号ビットFが分離される。そして左シフト演算によって空白になった右端の下位ビットには、「00」である下位ビット列K1が埋められる。また左端から3番目の「0」である1ビットF0が、左端の最上位ビットに移動され、符号ビットFとなる。
【0087】
左シフト演算により、ビット列C1は14ビットを使用して2進数「00000000000100」が表されるビット列C0に変換される。そして、2進数「00000000000100」を10進法で表した値が量子化アダマール変換係数B36となる。すなわち、量子化アダマール変換係数B36の値は4である。
【0088】
このように、上位量子化アダマール変換係数BH36(=1)と下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)がビット合成されることにより、量子化アダマール変換係数B36(=4)が復元される。
【0089】
図11は、nビットのビット合成の手順を示したフローチャートである。図8、図11を用いてビット合成の手順のフローチャート説明する。
【0090】
ステップ301では、縦方向の位置を表すvが0に設定される。ステップ302では、横方向の位置を表す添字uが0に設定され、行列の横方向を表す行の中で最も左側の上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuがビット合成の対象とされる。上位量子化アダマール変換係数BH00と下位量子化アダマール変換係数BL00が最初のビット合成の対象である。
【0091】
ステップ303では、上位量子化アダマール変換係数BHvuに対してnビットの左シフト演算が実行され、量子化アダマール変換係数Bvuが求められる。量子化アダマール変換係数Bvuを求める算術式は、(4)式のようになる。
【0092】
Bvu=BHvu×2n +BLvu・・・・・・(4)
【0093】
例えば、2ビットのビット合成の場合、上位量子化アダマール変換係数DH36(=1)と下位量子化アダマール変換係数BL36(=0)に対して量子化アダマール変換係数B36の値は、
B36=1×22 +0=4
となる。
【0094】
例えば、3ビットのビット合成の場合、上位量子化アダマール変換係数BH70(=−2)と下位量子化アダマール変換係数BL70(=1)に対して量子化アダマール変換係数B70の値は、
B70=−2×23 +1=−15
となる。
【0095】
ステップ304では、添字uに1が加算される。これによりビット合成される対象の上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuが1つ右隣の上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuに移される。
【0096】
ステップ305では、添字uが8であるか否かが判定される。すなわち、横方向の1つの行に関して全ての上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuがビット合成されたか否かが判定される。添字uが8であると判定されるとステップ306に移る。添字uが8でないと判定されるとステップ303に戻る。
【0097】
ステップ306では、添字vに1が加算される。すなわち、ビット合成される対象の上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuが、1つ下の行の上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuに移される。
【0098】
ステップ307では、添字vが8であるか否かが判定される。すなわち、全ての上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuがビット合成された否かが判定される。添字vが8であると判定されると、8×8の上位量子化アダマール変換係数行列BHと下位量子化アダマール変換係数行列BLに対するビット合成は終了する。添字vが8でないと判定されると、ステップ302に戻る。
【0099】
図12〜図23を用いて、補正係数作成処理について説明する。
【0100】
図12、図13は補正係数作成処理を示すフローチャートである。図14〜図17は補正係数作成処理の一部を詳細に示すフローチャートである。即ち、図14は図12に示すステップ110のサブルーチンである。同様に、図15は図12に示すステップ120のサブルーチン、図16は図12に示すステップ130のサブルーチン、図17は図12に示すステップ140のサブルーチンである。
【0101】
アダマール変換では、(1)式に示す行列Hの各要素は{1/(2・21/2 )}または{−1/(2・21/2 )}のみであるが、(1)式の結果としてアダマール変換係数Avuは画素値Pyxの加減算で表すことができる。補正係数作成処理では、このアダマール変換の特性と量子化係数Qvuが2の累乗で表されることを利用して、逆量子化アダマール変換係数A’vuを2の累乗で割ったときの余り即ち剰余と、逆量子化アダマール変換係数A’vuの各係数の相関関係とから、逆量子化アダマール変換係数A’vuを補正して補正係数A”vuを作成する。なお、本実施形態で行なわれる剰余計算において、剰余の符号は割られる数、即ち逆量子化アダマール変換係数A’vuと同符号で示される。例えば−118の4の剰余は−2である。
【0102】
補正係数作成処理がスタートし、まずステップ102が実行される。ステップ102では、逆量子化アダマール変換係数A’00が補正係数A”00に定められる。アダマール変換係数A00は、量子化係数Q00、即ち1で除算・乗算されるので、逆量子化アダマール変換係数A’00と常に同じ値であり、アダマール変換係数A00と逆量子化アダマール変換係数A’00との誤差は生じない。従って逆量子化アダマール変換係数A’00が補正係数A”00に定められる。例えば図9に示すように逆量子化アダマール変換係数A’00が10280であれば、補正係数A”00は10280に定められる。
【0103】
ステップ102が終了すると、ステップ110の第1の係数更新処理が実行される。ステップ110では、補正係数A”00を2で割ったときの余り、即ち2の剰余M2 00により、残り63個の逆量子化アダマール変換係数A’vu(A00以外)が更新される。
【0104】
図14は第1の係数更新処理(ステップ110)を詳細に示すフローチャートである。図14には示さないが、第1の係数更新処理は63個の逆量子化アダマール変換係数A’vu(A00以外)について繰り返し行なわれる。
【0105】
図18(a)は一例として図2に示すアダマール変換係数Avuの2の剰余M2 vu(以下、剰余M2 vuという)を示す図である。なお、図18(a)の網掛け部分はステップ102において求められた既知の剰余M2 vuを示し、丸付き数字はこの既知の剰余M2 vuから導出される補正係数A”vuに対応した剰余M2 vuを示す。8×8のマトリクスにおける丸付き数字の位置は、値が2である量子化係数Qvuの位置と対応している。図18(a)に示される既知の剰余M2 vuから、対応した位置の補正係数A”vuがそれぞれ導出されるが、導出する処理(ステップ120)は後で詳述する。図18(b)は補正係数A”vuを示す図であり、網掛け部分の数字はステップ110の実行前に求められた補正係数A”vuを、網掛けされていない数字はステップ110およびステップ120の実行により求められる補正係数A”vuを示す。
【0106】
アダマール変換係数Avuの任意の2つを加算した値は常に偶数である、即ちアダマール変換係数Avuは全て偶数か、全て奇数かのどちらかである。また逆量子化アダマール変換係数A’vu(A00以外)は、2の累乗で乗算されたものであり、必ず偶数である。従って、補正係数A”00が偶数であれば誤差はないが、補正係数A”00が奇数の場合、逆量子化アダマール変換係数A’vu(A00以外)は量子化・逆量子化による誤差を有している。
【0107】
まず、ステップ112において補正係数A”vuの2の剰余M2 vuが(5)式により求められる。
【0108】
M2 00=A”00 mod 2 ・・・(5)
|M2 vu|=|M2 00|
【0109】
ステップ114では剰余M2 00の絶対値が1であるか、即ち補正係数A”00が奇数か否かが判定される。剰余M2 00の絶対値が1であれば、他の剰余M2 vuの絶対値も1に決定され、ステップ116が実行される。ステップ116では、逆量子化アダマール変換係数A’vu(A00以外)に1が加算されることにより逆量子化アダマール変換係数A’vuが更新され、第1の係数更新処理が終了する。剰余M2 00の絶対値が1でない、即ち剰余M2 00が0であれば、他の剰余M2 vuも0に決定され、逆量子化アダマール変換係数A’vu(A00以外)の数値はそのままで第1の係数更新処理が終了し、その後ステップ120が実行される。
【0110】
例えば、図9に示すように補正係数A”00が10280ならば、図18(a)に示すように剰余M2 vuは全て0に決定され、逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値は変わらない。図示しないが、補正係数A”00が例えば10389といった奇数であれば、剰余M2 vuの絶対値は全て1に決定され、偶数である他の逆量子化アダマール変換係数A’vuは1が加算され、全て奇数に変更される。
【0111】
ステップ110が終了すると、ステップ120の第1の補正係数作成処理が実行される。ステップ120では、ステップ110で更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuと剰余M2 vuに基づいて、図18(b)に示されるように6個の補正係数A”01、A”02、A”04、A”10、A”20、A”40が作成される。
【0112】
6個の逆量子化アダマール変換係数A’01、A’02、A’04、A’10、A’20、A’40は、それぞれアダマール変換係数A01、A02、A04、A10、A20、A40を、対応した量子化係数Q01、Q02、Q04、Q10、Q20、Q40によって、量子化・逆量子化されている。即ちこれら6個の逆量子化アダマール変換係数A’vuは、全てアダマール変換係数Avuを2(量子化係数Qvu)で割り、小数点以下を四捨五入したものに、また2(量子化係数Qvu)を掛け合わせて求められる。
【0113】
従ってアダマール変換係数Avuが2の倍数、即ち偶数ならば、対応する逆量子化アダマール変換係数A’vuと一致する。例えばアダマール変換係数Avuが16であれば、逆量子化アダマール変換係数A’vuも16である。
【0114】
これに対し、アダマール変換係数Avuが正の奇数であれば、量子化・逆量子化によって1増加しており、さらにステップ116によって1加算されるので、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuよりも2大きくなる。例えばアダマール変換係数Avuが15であれば、round 15÷2=8(量子化)、8×2=16(逆量子化)を経て、逆量子化アダマール変換係数A’vuは16となり、ステップ116において17になる。ただしround は、最も近い整数への近似を示す。
【0115】
アダマール変換係数Avuが負の奇数の場合、量子化・逆量子化によって1減少する(絶対値が1増加する)が、ステップ116において1加算されることにより打ち消しあっているので、偶数の場合と同様、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuと一致する。例えばアダマール変換係数Avuが(−15)であれば、round {(−15)÷2}=−8(量子化)、(−8)×2=−16(逆量子化)を経て、逆量子化アダマール変換係数A’vuは(−16)となり、ステップ116において(−15)に戻る。以上のことを利用して、ステップ120が実行される。
【0116】
図15は第1の補正係数作成処理(ステップ120)を詳細に示すフローチャートである。図15の処理は(v,u)が(0,1)、(0,2)、(0,4)、(1,0)、(2,0)、(4,0)の6個の組み合わせについてそれぞれ順に実行される。例えばA”01を求める場合、図15のフローチャートにおいてv=0、u=1として実行される。
【0117】
まずステップ121が実行され、2の剰余M2 vuが更新される。即ち、ステップ110によって更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuに基づいて剰余M2 vuが新たに求められ、ステップ112で決定された剰余M2 vuと置き換えられる。次にステップ122が実行される。ステップ122では、ステップ121で更新された剰余M2 vuが0か否かが判定される。逆量子化アダマール変換係数A’vuの2の剰余が0、即ち逆量子化アダマール変換係数A’vuが偶数であると判定されるとステップ128が実行される。逆量子化アダマール変換係数A’vuの2の剰余が0でない、即ち奇数と判定されるとステップ124が実行される。
【0118】
ステップ124では、逆量子化アダマール変換係数A’vuが0以上であるか否かが判定される。逆量子化アダマール変換係数A’vuが0以上でない、即ち負であると判定されると、ステップ128が実行される。逆量子化アダマール変換係数A’vuが0以上であればステップ126が実行され、第1の補正係数作成処理が終了する。ステップ126では、逆量子化アダマール変換係数A’vuから2を引いた数値が補正係数A”vuに決定される。ステップ128では、逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値がそのまま補正係数A”vuに決定され、第1の補正係数作成処理が終了する。
【0119】
例えば、図2に示すようにアダマール変換係数A40が(−10)(偶数)であれば、量子化、逆量子化、およびステップ110においても補正されず、逆量子化アダマール変換係数A’40も(−10)となる。このとき、ステップ121、ステップ122、ステップ128が実行され補正係数A”40は(−10)に決定される。また前述したように、アダマール変換係数Avuが正の奇数、例えば15であれば、量子化・逆量子化により逆量子化アダマール変換係数A’vuは16となり、ステップ110において逆量子化アダマール変換係数A’vuが17に補正される。このとき、ステップ121、ステップ122、ステップ124、ステップ126が実行され、ステップ110で更新された数値(=17)から2減算される。そして補正係数A”vuは15に決定される。アダマール変換係数Avuが負の奇数、例えば(−15)であれば、量子化・逆量子化により逆量子化アダマール変換係数A’vuは(−16)となり、ステップ110において逆量子化アダマール変換係数A’vuが(−15)に補正される。このとき、ステップ121、ステップ122、ステップ128が実行され、補正係数A”vuは(−15)に決定される。
【0120】
このように、第1の係数更新処理(ステップ110)および第1の補正係数作成処理(ステップ120)では、2で量子化された逆量子化アダマール変換係数A’vuを、2の剰余M2 vuによって補正することにより、6個の補正係数A”vuが求められる。この2の量子化係数Qvuに対応した6個の補正係数A”vuは、それぞれ対応するアダマール変換係数Avuと等値である。
【0121】
再び図12を参照する。ステップ120の第1の補正係数作成処理が終了すると、ステップ130の第2の係数更新処理が実行される。ステップ130では、既知の7個の補正係数A”vuを4で割ったときの余り、即ち剰余M4 vuと、4の倍数となるような4個の補正係数A”vu(アダマール変換係数Avu)の和とにより、残り57個の剰余M4 vuを求める。そして剰余M4 vuから、逆量子化アダマール変換係数A’vuが更新される。以下、第2の係数更新処理(ステップ130)について説明する。
【0122】
各アダマール変換係数Avuは画素値Pyxの加減算で表されるため、例えば4つの係数A00、A20、A02、A22を足し合わせた結果は、以下の(6)式で表され、画素値Pyxの数値に関わらず4の倍数に定められる。
【0123】
【0124】
(6)式に示すように4の倍数となるアダマール変換係数の和において、アダマール変換係数A00、A20、A02即ち補正係数A”00、A”20、A”02はステップ102およびステップ120により数値が既知であり、剰余M4 00、M4 20、M4 02が求められるので、残り1つの補正係数A”22の剰余M4 22を求めることができる。例えば図9に示す補正係数A”00が10280(M4 00は0)、補正係数A”20が18(M4 20は2)、補正係数A”02が(−118)(M4 02は−2)であれば、剰余M4 22は0である。このように、4の倍数となりうる4つの補正係数A”vu(アダマール変換係数Avu)を組合せることにより、64個の補正係数A”vuの剰余M4 vuが求められる。
【0125】
図19(a)は既知の剰余M4 vuと、この既知の剰余M4 vuから導き出される剰余M4 vuとを対応させた表である。図19(b)は一例として図2に示すアダマール変換係数Avuの剰余M4 vuを8×8のマトリクスで示す図である。なお、図19(b)において網掛け部分の剰余M4 vuは、図19(a)の左側に示す既知の剰余M4 vuと対応している。丸付き数字の剰余M4 vuは、ステップ130およびステップ140において補正係数A”vuを導き出せる剰余M4 vuであることを示す。8×8のマトリクスにおける丸付き数字の剰余M4 vuの位置は、値が4である量子化係数Qvuの位置と対応している。図19(c)は、補正係数A”vuを8×8のマトリクスで示す図であり、網掛け部分の数字はステップ130の実行前に求められた補正係数A”vuであり、網掛けのない部分の数字はステップ130およびステップ140の実行により求められる補正係数A”vuである。
【0126】
図16は、ステップ130の第2の係数更新処理を詳細に示すフローチャートである。なお図16には示さないが、第2の係数更新処理は、まだ補正係数が決まっていない57個の逆量子化アダマール変換係数A’vuについて繰り返し行なわれる。
【0127】
まず第2の係数更新処理がスタートすると、ステップ131では64個の補正係数A”vuを4で割ったときの剰余M4 vuが求められる。まず、ステップ102およびステップ120で求められた補正係数A”00、A”01、A”02、A”04、A”10、A”20、A”40の剰余M4 vuが(7)式により求められる。
【0128】
【0129】
補正係数A”vuの剰余M4 vuの絶対値は0、1、2、3の何れかであるが、補正係数A”vuは64個の全てが偶数か、全てが奇数かのどちらかである。従って、補正係数A”vuが偶数の場合には、64個の剰余M4 vuの絶対値は0または2のみで形成される。補正係数A”vuが奇数の場合には、剰余M4 vuの絶対値は1または3のみで形成される。(7)式によって求められた7個の剰余M4 vuと、(6)式のような補正係数A”vu同士の相関関係とから、残り57個の剰余M4 vuが決定され、ステップ131が終了する。例えば図9において補正係数A”vuは全て偶数であり、図19(b)に示すように剰余M4 vuの絶対値は0または2のみから形成される。
【0130】
剰余M4 vuの絶対値が2以上、すなわち剰余M4 vuの絶対値が量子化係数Qvu=4の半値以上の場合、量子化・逆量子化によって絶対値は増加し、逆量子化アダマール変換係数A’vuの絶対値は必ずアダマール変換係数Avuの絶対値より大きくなる。ステップ132からステップ138では、逆量子化アダマール変換係数A’vuの正負と、剰余M4 vuが2以上あるいは(−2)以上であるかどうかで逆量子化アダマール変換係数A’vuが分類され、更新される。
【0131】
ステップ132では、剰余M4 vuが0であるか否かが判定される。剰余M4 vuが0であると判定されると逆量子化アダマール変換係数A’vuは更新されずに終了する。剰余M4 vuが0でないと判定されるとステップ134が実行され、逆量子化アダマール変換係数A’vuが0より大きいか否か、即ち逆量子化アダマール変換係数A’vuが正であるか否かが判定される。逆量子化アダマール変換係数A’vuが正であればステップ136が実行され、負であればステップ137が実行される。
【0132】
ステップ136では、剰余M4 vuが2以上、即ち剰余M4 vuが2または3であるか否かが判定される。剰余M4 vuが2または3であれば、ステップ138が実行され、逆量子化アダマール変換係数A’vuには2が加算され、第2の係数更新処理は終了する。ステップ136において剰余M4 vuが2以上でなければ、剰余M4 vuは1であると判定され、逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はそのままで、第2の係数更新処理は終了する。
【0133】
ステップ137では、剰余M4 vuが(−2)以上、即ち剰余M4 vuが(−1)または(−2)であるか否かが判定される。剰余M4 vuが(−1)または(−2)であれば、ステップ138において逆量子化アダマール変換係数A’vuに2が加算された後、第2の係数更新処理が終了する。ステップ137において剰余M4 vuが(−2)以上でない、即ち剰余M4 vuが(−3)であると判定されると、逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はそのままで、第2の係数更新処理は終了する。
【0134】
以上のように第2の係数更新処理では、剰余M4 vuが2、3、(−1)、(−2)の場合にのみ逆量子化アダマール変換係数A’vuに2が加算され、剰余M4 vuが0、1、(−3)の場合は逆量子化アダマール変換係数A’vuは更新されない。例えば、アダマール変換係数Avuが10、11、(−13)、(−10)の時、逆量子化アダマール変換係数A’vuは、12、12、(−12)、(−12)となり、ステップ110において更新された後の逆量子化アダマール変換係数A’vuは12(剰余M4 vu=2)、13(剰余M4 vu=3)、(−11)(剰余M4 vu=−1)、または(−12)(剰余M4 vu=−2)となる。このとき、ステップ138において数値が2加算され、それぞれ14、15、−9、−10に更新される。アダマール変換係数Avuが、12、13、(−12)、(−11)の時、逆量子化アダマール変換係数A’vuは12、12、(−12)、(−12)となり、ステップ110において更新された後の逆量子化アダマール変換係数A’vuは12(剰余M4 vu=0)、13(剰余M4 vu=1)、(−12)(剰余M4 vu=0)または(−11)(剰余M4 vu=−3)となり、ステップ130において数値は更新されない。
【0135】
再び図12を参照する。ステップ130が終了すると、ステップ140の第2の補正係数作成処理が実行される。ステップ140では、ステップ130で更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuと求められた剰余M4 vuとに基づいて、15個の補正係数A”03、A”05、A”06、A”11、A”12、A”14、A”21、A”22、A”24、A”30、A”41、A”42、A”44、A”50、A”60が作成される。
【0136】
上述の15個に対応する逆量子化アダマール変換係数A’vuは、全て数値が4の量子化係数Qvuによって量子化・逆量子化される。即ち、アダマール変換係数Avuを4で割り、小数点以下を四捨五入したものに、また4をかけあわせて求められる。従ってアダマール変換係数Avuの剰余M4 vuが0、即ち4の倍数ならば、対応する逆量子化アダマール変換係数A’vuと一致する。
【0137】
剰余M4 vuの絶対値が1の場合について説明する。アダマール変換係数Avuが正であれば、2の剰余M2 vuが1である場合に含まれるので、第1の係数更新処理(ステップ110)において逆量子化アダマール変換係数A’vuは更新されており、アダマール変換係数Avuと逆量子化アダマール変換係数A’vuとは一致する。アダマール変換係数Avuが負であれば、量子化・逆量子化によって1増加し、ステップS110において1が加算され、さらにステップ138によって2加算されているので、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuよりも4大きくなる。
【0138】
例えば、アダマール変換係数Avuが21、量子化係数Qvuが4ならば、逆量子化アダマール変換係数A’vuは20、剰余M2 vu=1、および剰余M4 vu=1である。逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はステップ110で21に更新されており、ステップ132、ステップ134、ステップ136が実行されるが、数値21は更新されない。アダマール変換係数Avuが(−21)、量子化係数Qvuが4ならば、逆量子化アダマール変換係数A’vuは(−20)、剰余M2 vu=(−1)、および剰余M4 vu=(−1)である。逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はステップ110で(−19)に更新されており、ステップ132、ステップ134、ステップ137、ステップ138が実行され、数値(−17)に更新される。
【0139】
剰余M4 vuの絶対値が2の場合について説明する。アダマール変換係数Avuが正であれば、量子化・逆量子化によって2増加しており、さらにステップ138によって2加算されているので、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuよりも4大きくなる。アダマール変換係数Avuが負の場合、量子化・逆量子化によって2減少する(絶対値が2増加する)が、ステップ138において2加算されることにより打ち消しあっているので、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuと一致する。
【0140】
例えば、アダマール変換係数Avuが22、量子化係数Qvuが4ならば、逆量子化アダマール変換係数A’vuは24、剰余M2 vu=0、および剰余M4 vu=2である。逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はステップ110で24のままであり、ステップ138において、数値24は数値26に更新される。アダマール変換係数Avuが(−22)、量子化係数Qvuが4ならば、逆量子化アダマール変換係数A’vuは(−24)、剰余M2 vu=0、および剰余M4 vu=(−2)である。逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はステップ110でそのままであり、ステップ138において、数値(−24)は数値(−22)に更新される。
【0141】
剰余M4 vuの絶対値が3の場合について説明する。アダマール変換係数Avuが正であれば、量子化・逆量子化によって1増加し、第1の係数更新処理(ステップ110)においてM2 vuが1であるため1が加算され、さらにステップ138において2加算されるので、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuよりも4大きくなる。アダマール変換係数Avuが負であれば、第1の係数更新処理において更新されており、逆量子化アダマール変換係数A’vuは対応するアダマール変換係数Avuと一致する。
【0142】
例えば、アダマール変換係数Avuが23、量子化係数Qvuが4ならば、逆量子化アダマール変換係数A’vuは24、剰余M2 vu=1、および剰余M4 vu=3である。逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はステップ110で25に更新されており、ステップ138において、数値25は数値27に更新される。アダマール変換係数Avuが(−23)、量子化係数Qvuが4ならば、逆量子化アダマール変換係数A’vuは(−24)、剰余M2 vu=(−1)、および剰余M4 vu=(−3)である。逆量子化アダマール変換係数A’vuの数値はステップ110で(−23)に更新されており、ステップ130では数値(−23)は更新されない。
【0143】
以上のように、4で量子化・逆量子化された逆量子化アダマール変換係数A’vuは剰余M4 vuによって場合分けされて求められる。第2の補正係数作成処理は剰余M4 vuの情報を利用して行なわれる。
【0144】
図17は、図12に示すステップ140の第2の補正係数作成処理を詳細に示すフローチャートである。ステップ140もステップ120と同様、15個の各補正係数A”vuについてそれぞれ行なわれる。
【0145】
まずステップ141では、4の剰余M4 vuが更新される。即ち、ステップ130によって更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuに基づいて剰余M4 vuが新たに求められ、ステップ131で決定された剰余M4 vuと置き換えられる。次にステップ142が実行される。
【0146】
ステップ142では、ステップ141で更新された剰余M4 vuが0か否かが判定される。剰余M4 vuが0であればステップ154が実行され、剰余M4 vuが0でなければステップ144が実行される。ステップ144では逆量子化アダマール変換係数A’vuが正であるか否かが判定され、正であればステップ146が実行され、負であればステップ150が実行される。
【0147】
ステップ146では剰余M4 vuが2より小さいか否か、即ち剰余M4 vuが1であるか否かが判定される。剰余M4 vuが1であればステップ154が実行され、剰余M4 vuが2または3であればステップ148が実行される。またステップ150では剰余M4 vuが(−2)より大きいか否か、即ち(−1)であるか否かが判定される。剰余M4 vuが(−1)であればステップ148が実行され、剰余M4 vuが(−2)または(−3)であればステップ152が実行される。
【0148】
ステップ148では補正係数A”vuは逆量子化アダマール変換係数A’vuから4が減算されて、第2の補正係数作成処理が終了する。ステップ152およびステップ154では補正係数A”vuは逆量子化アダマール変換係数A’vuそのままの数値になり、第2の補正係数作成処理が終了する。
【0149】
第2の補正係数作成処理(ステップ140)では、剰余M4 vuが0、1、(−2)、(−3)の場合には、補正係数A”vuは逆量子化アダマール変換係数A’vuと同じ数値であり、剰余M4 vuが2、3、(−1)の場合は、補正係数A”vuは逆量子化アダマール変換係数A’vuに4減算された数値となる。
【0150】
このように、第2の係数更新処理(ステップ130)および第2の補正係数作成処理(ステップ140)では、4で量子化された逆量子化アダマール変換係数A’vuを、4の剰余M4 vuによって補正することにより、15個の補正係数A”vuが求められる。この数値が4の量子化係数Qvuに対応した15個の補正係数A”vuは、それぞれ対応するアダマール変換係数Avuと等値である。
【0151】
例えば、アダマール変換係数A06が(−42)の場合(図2参照)、逆量子化アダマール変換係数A’06は(−44)である(図9参照)が、ステップ131においてM4 06=(−2)が求められ、ステップ138において逆量子化アダマール変換係数A’06は、2が加算されて(−42)に更新される。そしてステップ142、ステップ144、ステップ150、ステップ152が実行されて、補正係数A”06=(−42)が求められる(図9参照)。
【0152】
再び図12を参照する。ステップ140が終了すると、ステップ160の第3の係数更新処理が実行される。第3の係数更新処理は前述した第2の係数更新処理と同様の手順で行なわれる。即ち、既知の22個の補正係数A”vuを8で割ったときの余り、即ち剰余M8 vuと、8の倍数となるような8個のアダマール変換係数Avuの和とにより、残り42個の剰余M8 vuが求められる。そして剰余M8 vuから、逆量子化アダマール変換係数A’vuが更新され、ステップ160が終了する。
【0153】
図20(a)は既知の剰余M8 vuと、この既知の剰余M8 vuから導き出される剰余M8 vuとを対応させた表である。図20(b)は、図2に示すアダマール変換係数Avuの剰余M8 vuを示す図であり、図20(c)は補正係数A”vuを示す図である。網掛け部の数字はステップ160の実行前に既に求められた補正係数A”vuである。網掛けされていない部分の数字はステップ160およびステップ162の実行により求められる補正係数A”vuであり、図20(b)の丸付き数字に対応している。
【0154】
図12のステップ162では第3の補正係数作成処理が行なわれる。第3の補正係数作成処理は前述した第2の補正係数作成処理と同様の手順で行なわれる。即ち、ステップ160において更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuと剰余M8 vuに基づいて、20個の補正係数A”vuが作成される。ステップ162が終了すると、ステップ164が実行される。
【0155】
図12のステップ164では第4の係数更新処理が行なわれる。第4の係数更新処理は前述した第2および第3の係数更新処理と同様の手順で行なわれる。即ち、既知の42個の補正係数A”vuを16で割ったときの余り、即ち剰余M16 vuと、16の倍数となるような16個のアダマール変換係数Avuの和とにより、残り22個の剰余M16 vuが求められる。そして剰余M16 vuから、逆量子化アダマール変換係数A’vuが更新され、ステップ164が終了する。
【0156】
図21(a)は既知の剰余M16 vuと、この既知の剰余M16 vuから導き出される剰余M16 vuとを対応させた表である。図21(b)は、図2に示すアダマール変換係数Avuの剰余M16 vuを示す図であり、図21(c)は補正係数A”vuを示す図である。網掛け部の数字はステップ164の実行前に既に求められた補正係数A”vuである。網掛けされていない部分の数字はステップ164およびステップ166の実行により求められる補正係数A”vuであり、図21(b)の丸付き数字に対応している。
【0157】
図13のステップ166では第4の補正係数作成処理が行なわれる。第4の補正係数作成処理は前述した第2および第3の補正係数作成処理と同様の手順で行なわれる。即ち、ステップ164において更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuと剰余M16 vuに基づいて、15個の補正係数A”vuが作成される。ステップ166が終了すると、ステップ168が実行される。
【0158】
ステップ168では第5の係数更新処理が行なわれる。第5の係数更新処理は前述した第2から第4の係数更新処理と同様の手順で行なわれる。即ち、既知の57個の補正係数A”vuを32で割ったときの余り、即ち剰余M32 vuと、32の倍数となるような32個のアダマール変換係数Avuの和とにより、残り7個の剰余M32 vuが求められる。そして剰余M32 vuから、逆量子化アダマール変換係数A’vuが更新され、ステップ168が終了する。
【0159】
図22(a)は既知の剰余M32 vuと、この既知の剰余M32 vuから導き出される剰余M32 vuとを対応させた表である。図22(b)は、図2に示すアダマール変換係数Avuの剰余M32 vuを示す図であり、図22(c)は補正係数A”vuを示す図である。網掛け部の数字はステップ168の実行前に既に求められた補正係数A”vuである。網掛けされていない部分の数字はステップ168およびステップ170の実行により求められる補正係数A”vuであり、図22(b)の丸付き数字に対応している。
【0160】
図13のステップ170では第5の補正係数作成処理が行なわれる。第5の補正係数作成処理は前述した第2から第4の補正係数作成処理と同様の手順で行なわれる。即ち、ステップ168において更新された逆量子化アダマール変換係数A’vuと剰余M32 vuに基づいて、6個の補正係数A”vuが作成される。ステップ170が終了すると、ステップ172が実行される。
【0161】
ステップ172では第6の係数更新処理が行なわれる。第6の係数更新処理は前述した第2から第5の係数更新処理と同様の手順で行なわれる。即ち、既知の63個の補正係数A”vuを64で割ったときの余り、即ち剰余M64 vuと、64個のアダマール変換係数Avuの総和とにより、残り1個の剰余M64 77を求める。そして剰余M64 77から、逆量子化アダマール変換係数A’77が更新され、ステップ172が終了する。
【0162】
図23(a)は、図2に示すアダマール変換係数Avuの剰余M64 vuを示す図であり、図23(b)の網掛けされていない数字は補正係数A”77を示し、ステップ172およびステップ174において、図23(a)に示す丸付き数字の剰余M64 77により求められる。
【0163】
図13のステップ174では第6の補正係数作成処理が行なわれる。第6の補正係数作成処理は、ステップ172において更新された逆量子化アダマール変換係数A’77と剰余M64 77に基づいて、補正係数A”77が作成される。ステップ174が終了すると、補正係数作成処理は終了する。
【0164】
補正係数作成処理では、2の累乗である2,4,8,16,32,64の順に剰余を求める処理と、求められた剰余の情報に基づいて逆量子化アダマール変換係数A’vuを更新する処理とが交互に行われ、図18(b)、図19(c)、図20(c)、図21(c)、図22(c)および図23(b)に示すように、A”00からA”77まで順に補正係数A”vuが求められる。図9に示す補正係数A”vuは図2に示すアダマール変換係数Avuと一致しており、可逆的に変換されたことになる。従って原画像データに対して画像劣化のない再生画像データが得られる。
【0165】
本来64の剰余を求めるための情報量は、64個の各係数につき6ビット、即ち計384ビット必要である。しかし本実施形態では、6段階で求める補正係数作成処理において必要な情報量は半分で良い。即ち、2の剰余の情報量はM2 00が1か0かがわかればよいので、1ビットである。さらに4の剰余の情報量は、図19(b)の網掛け部分で示される7個のM4 vu、即ち7ビットである。同様に8、16、32、64の剰余の情報量はそれぞれ22、42、57、63ビットである。従って、総計192ビット、即ち384ビットの半分の情報量でアダマール変換係数Avuは正確に復元される。
【0166】
また、量子化を行なった後の量子化アダマール変換係数Bvuにおいて、低周波項にパワーが集中するように、量子化テーブルQvuが構成されるので(図2参照)、ハフマン符号化を用いて符号化(圧縮)した場合、JPEG方式の圧縮率とほぼ同程度の圧縮率が得られる。そして量子化テーブルQvuはアダマール変換の特性に鑑みて2の累乗から形成されているので、画像情報の伸張が正確にでき、従来の圧縮・伸張で生じていた量子化誤差が無い再生画像データを容易に得ることができる。
【0167】
以上のように本実施形態によれば、量子化アダマール変換係数Bvuをビット配分テーブルBTvuに基いてビット分離し、上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位アダマール変換係数BLvuを求めることにより、圧縮画像データの情報量が少なくて済み、画像を効率的に圧縮することができる。また、上位量子化アダマール変換係数BHvuと下位量子化アダマール変換係数BLvuをビット合成して量子化アダマール変換係数Bvuを復元し、逆量子化アダマール変換係数A’vuを補正係数A”vuに変換することにより、原画像を無歪みで復元することができる。
【0168】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高解像度の画像を無歪みで圧縮、伸張処理することができ、かつ効率的に圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例である画像圧縮装置のブロック図である。
【図2】画素ブロックとアダマール変換係数行列と量子化テーブルと量子化アダマール変換係数行列を示した図である。
【図3】量子化アダマール変換係数行列とビット配分テーブルと上位量子化アダマール変換係数行列と下位量子化アダマール変換係数行列を示した図である。
【図4】6つのビット配分テーブルを示した図である。
【図5】量子化アダマール変換係数に対する2ビットのビット分離を示した図である。
【図6】量子化アダマール変換係数行列に対するビット分離の手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態例である画像伸張装置のブロック図である。
【図8】上位量子化アダマール変換係数行列と下位量子化アダマール変換係数行列とビット配分テーブルと量子化アダマール変換係数行列を示した図である。
【図9】量子化アダマール変換係数行列と量子化テーブルと逆量子化アダマール変換係数行列と補正係数行列と画素ブロックを示した図である。
【図10】上位量子化アダマール変換係数と下位量子化アダマール変換係数に対する2ビットのビット合成を示した図である。
【図11】上位量子化アダマール変換係数行列と下位量子化アダマール変換係数行列に対するビット合成の手順を示したフローチャートである。
【図12】補正係数作成部の処理の前半を示すフローチャートである。
【図13】補正係数作成部の処理の後半を示すフローチャートである。
【図14】図12に示す第1の係数更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】図12に示す第1の補正係数作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図12に示す第2の係数更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図12に示す第2の補正係数作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図2に示すアダマール変換係数Avuから求められた2の剰余M2 vuと、補正係数A”vuとを示す図である。
【図19】アダマール変換係数Avuの4の剰余M4 vuから求められる、逆量子化アダマール変換係数A’vuの4の剰余を示す一覧表と、図2に示すアダマール変換係数Avuから求められた4の剰余M4 vuと、補正係数A”vuとを示す図である。
【図20】アダマール変換係数Avuの8の剰余M8 vuから求められる、逆量子化アダマール変換係数A’vuの8の剰余を示す一覧表と、図2に示すアダマール変換係数Avuから求められた8の剰余M8 vuと、補正係数A”vuとを示す図である。
【図21】アダマール変換係数Avuの16の剰余M16 vuから求められる、逆量子化アダマール変換係数A’vuの16の剰余を示す一覧表と、図2に示すアダマール変換係数Avuから求められた16の剰余M16 vuと、補正係数A”vuとを示す図である。
【図22】アダマール変換係数Avuの32の剰余M32 vuから求められる、逆量子化アダマール変換係数A’vuの32の剰余を示す一覧表と、図2に示すアダマール変換係数Avuから求められた32の剰余M32 vuと、補正係数A”vuとを示す図である。
【図23】図2に示すアダマール変換係数Avuから求められた64の剰余M64 vuと、補正係数A”vuとを示す図である。
【符号の説明】
10 画像圧縮装置
Q 量子化テーブル
BT ビット配分テーブル
20 画像伸張装置
Claims (11)
- 入力される静止画像に対応した画像データをアダマール変換することにより、アダマール変換係数を求めるアダマール変換手段と、
前記アダマール変換係数を、量子化係数で構成される量子化テーブルに基いて量子化することにより、ビット列で表される量子化アダマール変換係数を求める量子化手段と、
前記量子化アダマール変換係数のビット列を、ビット配分係数で構成されるビット配分テーブルに基いて上位ビット列と下位ビット列に分離し、前記上位ビット列で表される上位量子化アダマール変換係数と前記下位ビット列で表される下位量子化アダマール変換係数とを求めるビット分離手段と、
前記上位量子化アダマール変換係数を符号化することにより、圧縮画像データを求める符号化手段と、
前記圧縮画像データと、前記下位量子化アダマール変換係数とを記録媒体に記録する記録手段とを備え、
前記量子化係数が2の累乗で表されるとともに、前記量子化テーブルが対称行列によって構成され、
前記ビット配分テーブルが、絶対値の大きい量子化アダマール変換係数ほど絶対値が大きいビット配分係数が対応するように構成されていることを特徴とする画像圧縮装置。 - 前記ビット配分テーブルが、前記ビット分離手段により分離される前記下位ビット列のビット数を表すビット配分係数から構成される8行8列の行列であることを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮装置。
- 前記ビット分離手段が、前記量子化アダマール変換係数のビット列を右シフト演算し、前記右シフト演算により変換される前記量子化アダマール変換係数のビット列を上位ビット列、前記右シフト演算により分離される下位ビットを前記下位ビット列とすることを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮装置。
- 請求項1に記載された画像圧縮装置によって得られた圧縮画像データを伸張する画像伸張装置であって、
前記記録媒体に記録された前記圧縮画像データを復号化することにより、上位量子化アダマール変換係数を求める復号化手段と、
前記上位量子化アダマール変換係数と前記記録媒体に記録された前記下位量子化アダマール変換係数を、前記ビット配分テーブルを用いてビット合成することにより、前記量子化アダマール変換係数を求めるビット合成手段と、
前記量子化アダマール変換係数を前記量子化テーブルに基いて逆量子化することにより、逆量子化アダマール変換係数を求める逆量子化手段と、
前記逆量子化アダマール変換係数を、前記量子化テーブルに基づいてアダマール変換係数と同値の補正係数に変換する補正係数作成手段と、
前記アダマール変換係数を逆アダマール変換することにより、画像データを求める逆アダマール変換手段とを備え、
前記補正係数作成手段が、アダマール変換係数の特性、前記量子化テーブルの特性、および逆量子化アダマール変換係数間の相関関係とに基づき、前記逆量子化アダマール変換係数を2の累乗で除算したときの剰余データの値を求め、求められた剰余データの値と前記逆量子化アダマール変換係数の値とに基づいて前記逆量子化アダマール変換係数を補正し、前記補正係数を求めることを特徴とする画像伸張装置。 - 前記補正係数生成手段が、量子化係数が同じ値の逆量子化アダマール変換係数に対し、該逆量子化アダマール変換係数の剰余データ、対応する量子化係数、および既に得られた他の逆量子化アダマール変換係数の補正係数に基づいて補正係数を作成し、前記逆量子化アダマール変換係数を更新しながら前記補正係数を作成する処理を、量子化係数の小さい値の順で繰り返し行うことを特徴とする請求項5に記載の画像伸張装置。
- 前記量子化テーブルにおいて、行列左上隅の量子化係数の値が1であることを特徴とする請求項5に記載の画像伸張装置。
- 前記逆量子化アダマール変換係数が、2、4、8、16、32、64の順番に除算され、それぞれの剰余データが求められることを特徴とする請求項6に記載の画像伸張装置。
- 前記補正係数作成手段が、前記逆量子化アダマール変換係数の符号、および前記剰余データの数値と符号とに基いて、前記逆量子化アダマール変換係数を予め定められた所定値分だけ増減させることにより、前記補正係数を求めることを特徴とする請求項5に記載の画像伸張装置。
- 前記補正係数作成手段が、前記剰余データが0の場合には、前記逆量子化アダマール変換係数を前記補正係数とすることを特徴とする請求項5に記載の画像伸張装置。
- 前記ビット合成手段が、前記上位量子化アダマール変換係数のビット列を左シフト演算し、前記左シフト演算により空白になる部分に前記下位ビット列を当てはめることで前記量子化アダマール変換係数を求めることを特徴とする請求項5に記載の画像伸張装置。
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