JP3843579B2 - 回路遮断器の取付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、埋込み形の回路遮断器をパネルに取り付けるための取付け装置に関し、特に、主回路端子を検電する時に検電棒が取付け装置の検電穴に接触することのない安全な回路遮断器の取付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の回路遮断器の取付け装置の構成を示す正面図である。回路遮断器の遮断機構を内蔵した樹脂製の絶縁ケース3の正面側がねじ5によって取付け装置1に取り付けられている。また、取付け装置1は、金属製の取付け枠からなり配電盤のパネル2にねじ4によって取り付けられている。この回路遮断器は3相の埋込み形回路遮断器であって、絶縁ケース3全体が配電盤の内部に収納されている。取付け装置1には、後述される検電棒を挿入するための検電穴8と、ハンドル6を外部に露出させる角穴1Cとが設けられている。さらに、取付け装置1の上下には左右に張られた座板1Aが取り付けられ、下の座板1Aには、板ばね1Bが取り付けられている。
【0003】
図6は、図5の回路遮断器の正面側がフラッシュプレート9で覆われた構成を示す正面図である。フラッシュプレート9は、外周枠がパネル2側に突出するとともに、中央部にハンドル6を露出させる穴9Aが貫通している。フラッシュプレート9の外周枠で上部の座板1Aと下部の板ばね1Bとを挟持し、板ばね1Bのばね力によってフラッシュプレート9が取付け装置1に固定されている。したがって、フラッシュプレート9を少し押し上げると、取付け装置1からフラッシュプレート9は容易に取り外することができる。フラッシュプレート9は、取付け装置1と絶縁ケース3とを覆い、見かけをよくするための化粧板である。したがって、実線で示されたように、通常使用されるハンドル6および図示されていない表記文字だけが見えるようにするものであって、点線で示されたねじや穴などが見えないようにしてある。
【0004】
図7は、図5の回路遮断器が検電されている状態の構成を示す側面図である。回路遮断器の主回路端子11に接続導体13A,13Bが端子ねじ12によってねじ締めされている。主回路端子11は各相の上下に配され、上部の主回路端子11は接続導体13Aを介して図示されていない電源側へ接続され、下部の主回路端子11は接続導体13Bを介して図示されていない負荷側へ接続されている。回路遮断器の検電とは、検電棒10Aを主回路端子11に導電接触させて主回路端子11が充電されているか否かを確かめる試験である。検電試験では、まず、図6で説明されたフラッシュプレート9が取り除かれる。次に、検電装置10の検電棒10Aが取付け装置1の左側から絶縁ケース3内に挿入され、検電棒10Aの先端を端子ねじ12に接触させる。それによって、検電装置10が、警報ブザーを鳴らすなり、表示をするなりして主回路端子11の充電の有無を知らせるようになっている。図7は、上部の主回路端子11を検電している状態であるが、下部の主回路端子11を含め、他の相の主回路端子も同様な方法で行われる。
【0005】
図8は、図7の一部破砕側面図である。絶縁ケース3の側面上部を一部破砕して内部の端子ねじ12付近の断面部分を拡大した図である。絶縁ケース3にねじ締め穴7があけられている。また、取付け装置1にもねじ締め穴7と同じ位置に検電穴8があけられてある。ねじ締め穴7と検電穴8とは、端子ねじ12を締め付ける際にドライバーを差し込むための穴であるとともに、主回路端子11を検電するために検電棒10Aを差し込むための穴でもある。なお、検電穴8は、図5のように、端子ねじ12が配された位置に必ずあけられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の装置は、検電試験時に検電棒が取付け装置に接触する可能性があるという問題があった。
すなわち、図8は、検電棒10Aが取付け装置1の検電穴8の縁端に接触した状態を示している。検電棒10Aを端子ねじ12に当てた状態で検電棒10Aを斜めにすると、端子ねじ12と取付け装置1とがショートしてしまい、非常に危険な状態になる。従来は、取付け装置1の検電穴8に検電棒10Aが接触しないように作業者が慎重に検電を実施していた。そのために、作業が困難であるととともに、安全性を確保するために試験時間も多く必要としていた。
【0007】
この発明の目的は、検電棒を挿入したときに、主回路端子と取付け装置とがショートしないようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明によれば、遮断機構を収納した絶縁ケースの正面側に主回路端子をねじ締めするためのねじ締め穴が開口した埋込み形の回路遮断器を支持するともに前記回路遮断器をパネルに取り付けるための取付け装置であって、前記ねじ締め穴と同じ位置に前記ねじ締め穴の外径と同じ大きさの検電穴が貫通し、検電棒をパネルの外部から検電穴を介してねじ締め穴に挿入し、回路遮断器の主回路端子に検電棒を導電接触させることによって検電がなされる回路遮断器の取付け装置において、絶縁ブッシュを、前記検電穴と前記ねじ締め穴との双方の縁部をともに覆うようにして設けるようにする。それによって、検電棒を斜めにして検電穴に挿入しても、検電棒が絶縁ブッシュに当たるだけなので主回路端子と取付け装置とがショートすることがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例にかかる回路遮断器の取付け装置の構成を示す正面図である。検電穴14の外径がねじ締め穴7のそれより大きくなっている。図1のその他は、従来の構成と同一であり、同じ部分には同一参照符号を付け詳細な説明は省略する。ただし、図1は、図6で説明されたフラッシュプレート9は除外して示されてあり、フラッシュプレート9は従来の装置と同一のものが使用されている。
【0012】
図2は、図1の一部破砕側面図であり、従来の装置の説明で用いられた図8に対応し、回路遮断器の上部の主回路端子が検電されている状態の構成が示されている。検電装置10の検電棒10Aを検電穴14と締付け穴7とを貫通させ、検電棒10Aの先端を端子ねじ12に接触させることによって検電がなされている。図1で述べたように、検電穴14の外径がねじ締め穴7のそれより大きくなっているので、検電棒10Aをほぼ水平にして検電穴14に挿入すれば、例え、検電棒を持つ手先が振れても検電棒10Aが絶縁性であるねじ締め穴7の縁部に当たるだけなので、主回路端子11と取付け装置1とがショートすることがない。作業者は、安心して検電を実施することができる。
【0013】
なお、検電する場合、検電棒10Aの先端の接触先は、板状の主回路端子11でもよく、必ずしも端子ねじ12でなくてもよい。すなわち、検電棒10Aの先端は、主回路端子11に導電接触していればよい。導電接触とは電気的な接触のことであり、検電棒10Aを主回路端子11に端子ねじ12を介して電気的に接触させてもよいし、あるいは、主回路端子11に直接接触させてもよい。検電棒10Aをさらに傾斜させて、その先端が主回路端子11に直接接触する状態になってもよい。したがって、図2において、検電穴14の外径として、検電棒10Aを幾ら斜めにして検電しても、その検電棒10Aがねじ締め穴7の縁部だけに当たり、検電穴14の縁部に決して接触しないような大きさにしておくと、作業者は、より安心して検電を実施することができる。
【0014】
図3は、この発明の異なる実施例にかかる回路遮断器の取付け装置の構成を示す一部破砕側面図である。検電穴14の外径をねじ締め穴7のそれより大きくするとともに、絶縁ブッシュ17がねじ締め穴7の縁部を覆うようにして設けられている。その他は、図2の構成と同じである。絶縁ブッシュ17は可撓性の絶縁材料からなり、ねじ締め穴7の外部(左側)から挿入されねじ締め穴7の縁部を周回状に覆うような形状になるようにしておく。したがって、検電棒10Aが、例え、斜めになっても検電棒10Aが絶縁ブッシュ17に当たるだけなので、主回路端子11と取付け装置1とがショートすることがない。なお、ブッシュなる言葉は、英語のbushであり、「軸受け」の意である。
【0015】
図4は、この発明のさらに異なる実施例にかかる回路遮断器の取付け装置の構成を示す一部破砕側面図である。検電穴14とねじ締め穴7との外径は同じであるが、絶縁ブッシュ18が、検電穴14とねじ締め穴7の双方の縁部をともに覆っている。それによって、図2の実施例と同様になり、検電棒10Aが、例え、斜めになっても、検電棒10Aが絶縁ブッシュ18に当たるだけなので主回路端子11と取付け装置1とがショートすることがない。図4の構成は、既設の回路遮断器の取付け装置1に適用することができ、検電穴14とねじ締め穴7との外径に嵌まる可撓性の絶縁ブッシュ18を追加するだけでよい。
【0016】
【発明の効果】
この発明は前述のように、ねじ締め穴と同じ位置に前記ねじ締め穴の外径と同じ大きさの検電穴が貫通し、検電棒をパネルの外部から検電穴を介してねじ締め穴に挿入し、回路遮断器の主回路端子に検電棒を導電接触させることによって検電がなされる回路遮断器の取付け装置において、絶縁ブッシュを、前記検電穴と前記ねじ締め穴との双方の縁部をともに覆うようにして設けるようにする。それによって、主回路端子と取付け装置とがショートすることがなくなり、作業者が安心して検電を実施することができる。しかも、既設の取付け装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる回路遮断器の取付け装置の構成を示す正面図
【図2】図1の一部破砕側面図
【図3】この発明の異なる実施例にかかる回路遮断器の取付け装置の構成を示す一部破砕側面図
【図4】この発明のさらに異なる実施例にかかる回路遮断器の取付け装置の構成を示す一部破砕側面図
【図5】従来の回路遮断器の取付け装置の構成を示す正面図
【図6】図5の回路遮断器にフラッシュプレートが取り付けられた構成を示す正面図
【図7】図5の回路遮断器が検電されている状態の構成を示す側面図
【図8】図7の一部破砕側面図
【符号の説明】
1:取付け装置、2:パネル、3:絶縁ケース、6:ハンドル、7:ねじ締め穴、10:検電器、10A:検電棒、11:主回路端子、12:端子ねじ、8,14:検電穴、17,18:絶縁ブッシュ
Claims (1)
- 遮断機構を収納した絶縁ケースの正面側に主回路端子をねじ締めするためのねじ締め穴が開口した埋込み形の回路遮断器を支持するともに前記回路遮断器をパネルに取り付けるための取付け装置であって、前記ねじ締め穴と同じ位置に前記ねじ締め穴の外径と同じ大きさの検電穴が貫通し、検電棒をパネルの外部から検電穴を介してねじ締め穴に挿入し、回路遮断器の主回路端子に検電棒を導電接触させることによって検電がなされる回路遮断器の取付け装置において、絶縁ブッシュが、前記検電穴と前記ねじ締め穴との双方の縁部をともに覆うようにして設けられたことを特徴とする回路遮断器の取付け装置。
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JP04223998A JP3843579B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 回路遮断器の取付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04223998A JP3843579B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 回路遮断器の取付け装置 |
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Families Citing this family (2)
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-
1998
- 1998-02-24 JP JP04223998A patent/JP3843579B2/ja not_active Expired - Fee Related
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