JP3842926B2 - Polyolefin-based resin sheet and resin-coated metal plate - Google Patents

Polyolefin-based resin sheet and resin-coated metal plate Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材、家電および家具等の部材等として好適に使用できるポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂被覆金属板として、例えば、建材として用いる内外装および家電、家具等の各種樹脂被覆金属板としては、加工特性、価格等の点から塩化ビニル系樹脂シートで被覆したものが最も一般的に使用されてきた。しかし、塩化ビニル系樹脂は燃焼時に塩化水素ガスが発生し、焼却等の廃棄処理をする際に焼却炉を傷め易い等の問題があった。そこで、近年、このような塩化ビニル系樹脂シートを使用しない樹脂被覆金属板が要求されつつある。
【0003】
このような状況の中、比較的安価で、燃焼時に発生するガスによる問題が比較的少ないポリオレフィン系樹脂シートで被覆した金属板が種々検討されている。
しかしながら、現在、工業的に使用されているポリオレフィン系樹脂被覆金属板は、寒冷地等の低温条件下で折り曲げ加工等の二次加工を行うと、被覆した樹脂シートに割れやクラックが生じたり、加工部位が白化するという問題があった。また、このような条件下で被覆した樹脂シートに割れやクラックが生じ難いポリオレフィン系樹脂被覆金属板も検討されているが、上記問題は解決できても打ち抜き加工を施すと樹脂シートにかじりを生じたり、打ち抜き加工後の樹脂シートの端面にひげ状の樹脂片が残存するという問題があり、さらに実用上は樹脂シート表面に傷が入り易い等の問題点があった。
【0004】
以上のように、低温条件下での折り曲げ加工性や打ち抜き加工性等の二次加工性、白化し難い性能である難白化性、シート表面に傷が入り難い性能である耐擦傷性の全ての要求特性を満足できるものはなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、適度な柔軟性、耐衝撃性、表面硬度等を備えたポリオレフィン系樹脂シートを被覆用の樹脂シートとして用いることにより、上記問題点を解消し、樹脂被覆鋼板としての折り曲げ加工性や打ち抜き加工性等の二次加工性、難白化性、耐擦傷性、低温条件下での高速衝撃密着曲げ加工性に優れ、バランスのとれたポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆金属板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解消したポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆金属板を見出したものであり、その要旨とするところは、下記のマトリックスを構成する(a)成分と改質剤としての(b)成分及び(c)成分の混合物からなり、各成分の割合が重量比で(a)/{(b)+(c)}=75〜90/25〜10、かつ(c)≦15であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂シート、及び、当該シートが被覆されてなる樹脂被覆金属板にある。
【0007】
(a)成分;結晶融解ピーク温度が130℃以上にのみ存在する結晶性ポリプロピレン系樹脂
(b)成分; 13C−NMRスペクトルによるメソペンタッド分率とラセモペンタッド分率の和(mmmm+rrrr)が30〜70%の範囲にあり、分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している立体規則性を制御され、かつ結晶融解熱量が10〜50J/gである軟質ポリプロピレン系樹脂
(c)成分;ガラス転移温度が0℃以下のビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明を構成する(a)成分である結晶性ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン、ヘキセン等のα−オレフィンとのブロック共重合体、あるいはそれらとのランダム共重合体、又はその混合物の中から任意に選定されるが、結晶融解ピーク温度が130℃以上にのみ存在することが必要である。
【0009】
ここで、結晶融解ピーク温度が130℃以上にのみ存在するとは、130℃未満に存在する結晶融解ピークの融解熱量が1J/g未満であることを意味する。
結晶融解ピーク温度が130℃未満にも明瞭に存在するようなブロック共重合体等では、耐衝撃性を付与するのには効果があるが、衝撃を受けた際に生じるマイクロクレーズが外観的には白化となって現れるという問題がある。
【0010】
次に本発明を構成する(b)成分である軟質ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン、ヘキセンなどのα−オレフィンとのブロック共重合体、あるいはそれらとのランダム共重合体、またはその混合物の中から任意に選定されるが、13C−NMRスペクトルによるメソペンタッド分率とラセモペンタッド分率の和(mmmm+rrrr)が30〜70%の範囲にあり、分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している立体規則性を制御されたプロピレン系重合体である。
【0011】
ここで分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在しているとは、結晶性のブロックと非晶性のブロック部分がランダム的及び/またはブロック的に存在していることを意味しており、また各ブロック部分の連鎖長は任意でかまわない。
【0012】
このような重合体は、一般にゴム弾性を有し柔軟で破れにくく、透明性も良好であるという特性を有しており、また分子鎖中に存在する剛直性を示すイソタクチック構造とシンジオタクチック構造の結晶性のブロック部分とエラストマー性を示すアタクチック構造の非晶性のブロック部分の割合をバランスさせることにより、本発明の目的を達成するのに適している。
【0013】
立体規則性については結晶性のブロック部分の割合を示す1つの指標としてメソペンッド分率とラセモペンッド分率の和(mmmm+rrrr)が30〜70%の範囲にあることが必要である。
ここで(mmmm+rrrr)が30%未満では、結晶性が低すぎるため、(a)成分と混合した場合にシートが柔軟になりすぎ表面硬度が低下し、耐擦傷性に劣ったものとなりやすい。また、樹脂被覆金属板に打ち抜き加工をほどこしたときに樹脂シートにかじりを生じたり、打ち抜き加工後の樹脂シートの端面にひげ状の樹脂片が残存したりするので好ましくない。さらにはシートの表面がべたついたり、また原料自体がブロッキングしやすくなり、ハンドリング性の面でも好ましくない。
【0014】
一方、(mmmm+rrrr)が70%を越えると、柔軟性、耐衝撃性、難白化性を向上させる等の効果が少なく、樹脂被覆金属板に折り曲げ加工、特に低温条件下で高速で衝撃密着曲げ加工を施したときに樹脂シートに割れやクラックが入ったり、白化しやすくなり好ましくない。
なお、本発明に用いられるメソペンタッド分率(mmmm)やラセモペンタッド分率(rrrr)の値は、13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定結果に基づき算出する。すなわち、13C−NMRスペクトルを測定し、メチル基の立体規則性によるケミカルシフトの違いにより、22.5ppm〜19.5ppm領域に現れる各分裂ピーク(mmmm〜mrrm)のシグナル強度比から求めた。上記mmmm(メソペンタッド分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味し、rrrr(ラセモペンタッド分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基が交互に反対方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。なお、メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al(Macromolecules 8, 687, (1975))によった。
【0015】
さらにこのような軟質ポリプロピレン系樹脂は示差走査熱量計により測定される結晶融解ピーク温度が140℃以上および結晶融解熱量が10〜50J/gであり、沸騰n−ヘプタンによるソックスレー抽出においては、その不溶解分が60重量%以下、冷キシレンによるソックスレー抽出においては、その不溶解分が95重量%以下であるものが好適に用いられる。
【0016】
ここで結晶融解ピーク温度が140℃未満では、耐熱性が低下しやすく、例えば樹脂シートの表面にエンボス加工を施した場合にはその耐熱性が低下したりするので好ましくない。
さらに結晶融解熱量が10J/g未満では、(a)成分と混合した場合にシートが柔軟になりすぎ表面硬度が低下し、耐擦傷性に劣ったものとなりやすい。また、樹脂被覆金属板に打ち抜き加工をほどこしたときに樹脂シートにかじりを生じたり、打ち抜き加工後の樹脂シートの端面にひげ状の樹脂片が残存したりするので好ましくない。さらにはシートの表面がべたついたり、また原料自体がブロッキングしやすくなり、ハンドリング性の面でも好ましくない。
【0017】
一方、50J/gを越えると、柔軟性、耐衝撃性、難白化性を向上させる等の効果が少なく、樹脂被覆金属板に折り曲げ加工、特に低温条件下で高速で衝撃密着曲げ加工を施したときに樹脂シートに割れやクラックが入ったり、白化しやすくなり好ましくない。
【0018】
また、沸騰n−ヘプタンによる不溶解分が60重量%を越えたり、冷キシレンによる不溶解分が95重量%を越えると、結晶性が高い為、改質剤として効果、つまり柔軟性、耐衝撃性、難白化性を向上させる等の効果が少なく、樹脂被覆金属板に折り曲げ加工を施したときに樹脂シート被覆金属板に折り曲げ加工を施したときに樹脂シートに割れやクラックが入ったりする為好ましくない。
【0019】
本発明に好適な軟質ポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、安価なプロピレンモノマーを主成分とし、各種のメタロセン系触媒(シングルサイト触媒)や固体状チタン系触媒等を用い、成形加工性の良好な立体規則性を制御した軟質ポリプロピレン系樹脂を効率的、かつ低コストで重合する方法が提案されており、使用する樹脂としては、本発明の主旨を満足するものであれば特に限定されないが、具体的商品としては、Huntsman Polymer Corporationの商品名「REXflex」が例示できる。
【0020】
次に本発明を構成する(c)成分は、ガラス転移温度が0℃以下のビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体(以下「TPS」ということがある)である。このような共重合体は、一般的にゴム弾性を有し柔軟で破れにくく、透明性も良好であるという特性を有しており、また特にその水素添加誘導体は(a)、(b)成分と良好な相溶性を示すので、低温での柔軟性付与や透明性向上等に有効に作用する。但し、ガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−20℃以下である必要がある。ガラス転移温度が0℃を越えると、(c)成分添加の目的である低温での柔軟性付与等の効果が不十分となる。
【0021】
また、このような共重合体のビニル芳香族系化合物と共役ジエンの割合は重量比で3/97〜40/60であることが好ましい。ここで共重合組成中のビニル芳香族系化合物が3重量%未満では、共重合体自体の剛性が低下しすぎ、ペレット化が困難になる等の重合生産性が低下し易く、一方40重量%を越えると共重合体自体の剛性が高くなり、(c)成分添加の目的である低温での柔軟性付与等の効果が不十分となり易い。
【0022】
ここでビニル芳香族化合物としては、スチレンが代表的なものであるが、α−メチルスチレンなどのスチレン同族体も用い得る。また、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等がある。また、第3成分として、ビニル芳香族化合物および共役ジエン以外の成分を少量含んでいてもよい。ただし、この共役ジエン部分のビニル結合を主とした二重結合が残った場合の熱安定性や耐候性は極めて悪いので、これを改良するため、二重結合の80%以上、好ましくは95%以上に水素を添加したものを用いることが好ましい。
【0023】
このような共重合体としてはスチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー(旭化成工業(株)商品名「タフプレン」)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体(旭化成工業(株)商品名「タフテック」、シェルジャパン(株)商品名「クレイトンG」)、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加誘導体(JSR(株)商品名「ダイナロン」)、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加誘導体((株)クラレ商品名「セプトン」)、スチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体エラストマー((株)クラレ商品名「ハイブラー」)等として市販されており、これらの共重合体は、各々単独に、または2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
これらのうちスチレン含有量が5〜25重量%で共役ジエン部分のビニル結合量が60%を越える、好ましくは65〜90%のスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体が(a)、(b)成分との相溶性や低温での柔軟性付与、難白化性向上等の点から特に好ましい。
【0025】
なお、本発明に好適に用いることができるスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体の詳細な内容およびその製造方法については、特開平2−158643号、特開平2−305814号および特開平3−72512号の各公報に開示されている。また、このような共重合体の具体例としては水素添加スチレンブタジエンラバーの構造をとり、HSBRの略称で呼ばれる材料でJSR(株)商品名「ダイナロン1320P」として市販されている。
【0026】
ここで、樹脂被覆金属板に使用する樹脂シートの色柄が白色等の淡色系の場合では、白化についてはそれほど重要視されないが、黒色等の濃色系の色柄では、折り曲げ加工、特に衝撃を受けるような加工を施すとその部分が白化しているのが、目立ち易い。これは、(a)成分である結晶性ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックスとその中に分散した改質剤との界面において光が散乱されるためと推察される。そこで、このように難白化性が重要視されるような部材においては、(a)成分である結晶性ポリプロピレン樹脂から成るマトリックスとその中に分散した改質剤との界面における光の散乱の影響をできるだけ小さくするために分散粒子の平均分散粒子径を0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下に調整することが望ましい。
【0027】
この点において、本発明で用いられる(b)成分である軟質ポリプロピレン系樹脂は、立体規則性の種類とその程度を制御して物性調整している樹脂であり、ホモポリプロピレンであってもエラストマー的な特性を有しているため、適度な柔軟性を付与させることができ、かつ従来から使用されてきたエラストマー成分を機械的にブレンドしたり、重合時にα−オレフィン等を共重合等の形態で含有させたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとはまったく異なり、マトリックスを構成する(a)成分との相溶性が格段に良好となり、分子レベルで均一分散することで折り曲げ加工部の白化の原因となるマトリックスと改質剤の界面における光の散乱を少なくすることができる。
【0028】
しかしながら、(b)成分の主成分はプロピレンであり、ポリプロピレンに由来する−10℃前後のガラス転移温度を有するため、常温での二次加工特性は良好なものの低温での二次加工特性においては不十分な面がある。
そこで本発明においては、低温での二次加工特性をさらに改良することを主な目的として(c)成分を必要に応じてさらに添加する。
(c)成分を添加すれば(a)成分である結晶性ポリプロピレン樹脂によって形成されたマトリックス中に微細に分散し、衝撃で発生するクレーズや球晶を可視光の波長以上に成長させないために柔軟性、耐衝撃性、難白化性等を付与するのに有効であると考えられる。
【0029】
このように、(b)成分と(c)成分を併用すれば、樹脂被覆鋼板としての折り曲げ加工性や打ち抜き加工性等の二次加工性、難白化性、耐擦傷性等に優れ、バランスのとれたポリオレフィン系樹脂シートを作製することができる。これは、(a)成分によって形成されたマトリックス中に微細に分散した(c)成分が、(a)成分の球晶成長と同時に(b)成分中の球晶成長をも阻害するためと思われる。このように(c)成分の添加は、多くの利点をもたらすが、一般に(c)成分は高価であり、また、透明でフラットなシートでは(c)成分に由来するフィッシュアイが目立ったり、耐候性や耐溶剤性といった点でも不利な面もあり、多量の(c)成分の添加は、経済性、シートの外観、物性等の点から好ましくない。
【0030】
本発明では、マトリックスを構成する(a)成分である結晶融解ピークが130℃以上にのみ存在する結晶性ポリプロピレン系樹脂と改質剤としての{(b)+(c)}成分との関係において重量比で(a)/{(b)+(c)}=75〜90/25〜10、かつ(c)≦15であることが必要である。
ここで、改質剤としての{(b)+(c)}成分が10重量%未満では、柔軟性、耐衝撃性、難白化性を向上させる等の効果が少なく、樹脂被覆金属板に折り曲げ加工、特に低温条件下で高速で衝撃密着曲げ加工を施したときに樹脂シートに割れやクラックが入ったり、白化しやすくなるという問題がある。
【0031】
一方、改質剤としての{(b)+(c)}成分が25重量%よりも多かったり、(c)成分が15重量%を超える組成領域では、シートが柔軟になりすぎ表面硬度が低下し、耐擦傷性に劣り易いという問題がある。さらに、樹脂被覆金属板に打ち抜き加工を施すと樹脂シートにかじりを生じたり、打ち抜き加工後の樹脂シートの端面にひげ状の樹脂片が残存し易いという問題がある。
本発明のポリオレフィン系樹脂シートには、その性質を損なわない程度に、ポリエチレン等の他の樹脂や添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、充填材などの各種添加剤を適宣配合しても良い。また、意匠性を高めるために、樹脂シートに印刷やエンボス加工等を適宣施すことができる。
【0032】
次に本発明のポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆金属板の製造方法について説明する。
本発明のポリオレフィン系樹脂シートの製膜方法としては公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法、インフレーション法などを採用することができ、特に限定されるものではないが、シートの製膜性や安定生産性などの面からTダイを用いる押出キャスト法が好ましい。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は組成物の流動特性や製膜性等によって適宣調整されるが、概ね融点以上260℃以下、好ましくは180℃〜230℃の範囲が好適である。また、ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは通常50〜500μmである。シートの厚みが50μm未満では樹脂被覆金属板用として使用した場合、金属板に対する保護層としての性能やエンボス加工適性が劣り、一方500μmを超えると樹脂被覆化粧金属板としての打ち抜き加工等の二次加工適性が劣り易い。
【0033】
次にポリオレフィン系樹脂シートと金属板とを接着させる方法としては、接着剤を使用する方法、接着剤を使用しないで熱融着させる方法、押出コーティングする方法等があり特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂シートの金属板との接着面にチタン系カップリング剤、塩素化ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン等をプライマー処理液として乾燥後の厚みが2〜4μmになるように塗布した後、さらにポリエステル系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、樹脂シートを被覆する方法がある。
【0034】
この方法では金属板にリバースコータ、キスコータ等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、ポリオレフィン系樹脂シートを貼り合せる金属面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように塗布し、次いで赤外線ヒータおよび熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板表面温度をポリオレフィン系樹脂シートの融点以上に保持しつつ、直ちにロールラミネータを用いてポリオレフィン系樹脂シートを被覆、冷却することにより樹脂被覆金属板を得ることができる。
【0035】
本発明の対象になる金属板としては熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ステンレス鋼板等の各種鋼板やアルミニウム板が使用でき、通常の化成処理を施した後に使用しても良い。
【0036】
【実施例】
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために、次に実施例を示すが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例に示した樹脂被覆金属板の物性の測定規格、試験法は以下の通りである。
【0037】
(1)ガラス転移温度(Tg)、結晶融解熱量、結晶融解ピーク温度
パーキンエルマー製DSC−7を用いて、試料10mgをJIS−K7121、JIS−K7122に準じて、加熱および冷却速度を10℃/ 分で測定し求めた。
【0038】
(2)メルトフローレト(MFR)
JIS−K7210に準じて、試験温度230℃、試験荷重2.16kgfの条件で測定した。
【0039】
(3)メソペンッド分率(mmmm)、ラセモペンッド分率(rrrr)
日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核磁気共鳴周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定した。
【0040】
測定モード: 1H−完全デカップリング
パルス幅:8.6マイクロ秒
パルス繰り返し時間:30秒
積算回数:7200回
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重ベンゼンの混合溶媒(80/20容量%)
試料濃度:100mg/1ミリリットル溶媒
測定温度:130℃
ここで各々のペンッド分率は、13C−核磁気共鳴スペクトルのメチル基領域における分裂ピークの測定により求めた。また、メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al(Macromolecules 8, 687, (1975))によった。
【0041】
(4)折り曲げ加工性
樹脂被覆金属板に衝撃密着曲げ試験を行い、曲げ加工部の化粧シートの面状態を目視で判定し、ほとんど変化がないものを(○)、若干クラックが発生したものを(△)、割れが発生したものを(×)として表示した。なお、衝撃密着曲げ試験は次のようにして行った。被覆金属板の長さ方向および幅方向からそれぞれ50mm×150mmの試料を作製し、23℃または0℃で1時間以上保った後、折り曲げ試験機を用いて180°(内曲げ半径2mm)に折り曲げ、その試料に直径75mm、質量5Kgの円柱形の錘を50cmの高さから落下させた。
【0042】
(5)難白化性
(4)の折り曲げ加工性と同様に、被覆金属板に衝撃密着曲げ試験を行い、曲げ加工部の樹脂シートの面状態を目視で判定し、白化現象がほとんど目立たないものを(○)、若干白化現象が目立つものを(△)、かなり白化現象が目立つものを(×)として表示した。
【0043】
(6)打ち抜き加工性
プレス加工機械で300mm×300mmの被覆金属板に樹脂シート面から開口形状100mm×200mm(コーナー部R10)、曲げしろ幅10mmになるように打ち抜き曲げ加工を行い、加工部の化粧シートの面状態を目視で判定し、かじりやひげが生じず、きれいに加工できたものを(○)、若干かじりあるいは、ひげが出たものを(△)、かじりやひげが目立つものを(×)として表示した。
【0044】
(7)表面硬度
3Bの鉛筆を用いて、80mm×60mmの被覆金属板の樹脂シート面に対し45°の角度を保ちつつ500gの荷重をかけて線引きし、線引き部の樹脂シートの面状態を目視で判定し、全く傷が付かなかったものを(○)、若干線引きの跡が残ったものを(△)、明確に傷が付いたものを(×)として表示した。
【0045】
[実施例1〜及び比較例1〜6]表1に示す割合(重量%)で各成分をそれぞれ黒色系の着色剤とともにTダイを備えた二軸混練押出機を用いて均質となるように混練し、厚さ150μmのポリオレフィン系樹脂シートを製膜した。次に得られたシートの金属板との接着面に酸変性ポリオレフィンをプライマー処理液として乾燥後の厚み2〜4μmになるように塗布した後、市販されているポリ塩化ビニル被覆金属板用のポリエステル系接着剤を、金属面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように塗布し、ついで熱風加熱炉および赤外線ヒーターにより塗布面の乾燥および加熱を行い、亜鉛めっき鋼板(厚み0.41mm)の表面温度をポリオレフィン系樹脂シートの融点以上に保持しつつ、直ちにロールラミネータを用いてポリオレフィン系樹脂シートを被覆、冷却することにより樹脂被覆鋼板を作製し、上記した各項目を評価した。結果を表1にまとめて示した。
【0046】
なお、表1で使用した各原料は以下の通りである。
結晶性ポリプロピレン系樹脂A〔「ノバテックPP EA7」日本ポリケム(株)製 結晶融解ピーク温度;162℃、結晶融解熱量;112J/g〕
結晶性ポリプロピレン系樹脂B〔「ノバテックPP EC7」日本ポリケム(株)製 結晶融解ピーク温度;119℃と163℃、結晶融解熱量;それぞれ2J/gと98J/g〕
軟質ポリプロピレン系樹脂(I)〔プロピレン含量;98.5モル%、エチレン含量;1.5モル%、mmmm;37.4%、rrrr;11.4%、MFR;11.0g/10分、Tg;−10℃、結晶融解ピーク温度;149℃、結晶融解熱量;23J/g〕。
【0047】
軟質ポリプロピレン系樹脂(II)〔プロピレン含量;100モル%、mmmm;52.6%、rrrr;10.7%、MFR;2.0g/10分、Tg;−7℃、結晶融解ピーク温度;156℃、結晶融解熱量;42J/g〕
軟質ポリプロピレン系樹脂(III)〔プロピレン含量;100モル%、mmmm;64.3%、rrrr;8.2%、MFR;3.0g/10分、Tg;−6℃、結晶融解ピーク温度;158℃、結晶融解熱量;55J/g〕
TPO〔「P.E.R.T310J」 (株)トクヤマ製 プロピレン含量;88モル%、エチレン含量;12モル%、MFR;1.5g/10分、Tg;−25℃、結晶融解ピーク温度;156℃、結晶融解熱量;32J/g〕
TPS〔「ダイナロン1320P」 日本合成ゴム(株)製 スチレン含量:10%、共役ジエン部分のビニル結合量:78%、比重:0.89、MFR:3.5g/10分、Tg:−50℃〕
【表1】

Figure 0003842926
【0048】
表1から明らかなように、マトリックスを構成する結晶性ポリプロピレン系樹脂として結晶融解ピーク温度が130℃未満にも明瞭に存在するような原料を用いたり(比較例1)、改質剤として従来から使用されているポリオレフィン系熱可塑性エラストマーであるTPOを用いた場合(比較例2)には、特に低温加工時における難白化性を発現させることができないことが判る。
【0049】
また、改質剤として分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している立体規則性を制御された軟質ポリプロピレン系樹脂を用いても、立体規則性や添加量が規定の範囲内に入っていない場合には、それぞれ折り曲げ加工性や打ち抜き加工性、表面硬度の面で問題がある(比較例3〜5)。
さらに改質剤としてのTPSの多量の添加は二次加工特性は良好になるものの耐擦傷性の面で問題がある(比較例6)。
【0050】
一方、実施例1〜のように、結晶融解ピーク温度が130℃以上にのみ存在する結晶性ポリプロピレン系樹脂と改質剤として特定の立体規則性を有する軟質ポリプロピレン系樹脂及びTPSを用い、それぞれ規定量の範囲で配合したものについては、折り曲げ加工性、難白化性、打ち抜き加工性、表面硬度のバランスに優れていることが判る。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂被覆金属板としての折り曲げ加工性や打ち抜き加工性等の二次加工性と難白化性、耐擦傷性などのバランスに優れたポリオレフィン系樹脂被覆金属板を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyolefin-based resin sheet and a resin-coated metal plate that can be suitably used as members of building materials, home appliances, furniture, and the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a resin-coated metal plate, for example, various resin-coated metal plates used for building materials such as interior and exterior, home appliances, and furniture are most commonly coated with a vinyl chloride resin sheet in terms of processing characteristics, cost, etc. Has been used. However, the vinyl chloride resin has a problem that hydrogen chloride gas is generated at the time of combustion, and the incinerator is easily damaged when it is disposed of by disposal such as incineration. Therefore, in recent years, there is a demand for a resin-coated metal plate that does not use such a vinyl chloride resin sheet.
[0003]
Under such circumstances, various studies have been made on metal plates coated with a polyolefin resin sheet that are relatively inexpensive and have relatively few problems due to gas generated during combustion.
However, the polyolefin-based resin-coated metal plate that is currently used industrially, when performing secondary processing such as bending under low temperature conditions such as cold districts, cracks and cracks occur in the coated resin sheet, There was a problem that the processed part was whitened. In addition, polyolefin resin-coated metal plates that are less prone to cracking and cracking in resin sheets coated under such conditions have been studied. However, even if the above problems can be solved, the resin sheet is galling when punched. In addition, there is a problem that a whisker-like resin piece remains on the end face of the resin sheet after punching, and there is a problem that the surface of the resin sheet is easily damaged in practical use.
[0004]
As described above, all of secondary workability such as bending workability and punching workability under low temperature conditions, whitening resistance that is difficult to whiten, and scratch resistance that is difficult to damage the sheet surface. None of them met the required characteristics.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention is to eliminate the above-mentioned problems by using a polyolefin resin sheet having appropriate flexibility, impact resistance, surface hardness, etc. as a resin sheet for coating, and to bend the resin coated steel sheet. Secondary workability such as workability and punching workability, whitening resistance, scratch resistanceHigh-speed impact adhesion bending workability under low temperature conditionsAn object of the present invention is to provide a well-balanced polyolefin resin sheet and resin-coated metal plate.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
This invention discovered the polyolefin-type resin sheet and resin-coated metal plate which eliminated the said trouble, and the place made into the summary is (a) component which comprises the following matrix, and ( b) Componentas well as(C) It consists of a mixture of components, and the ratio of each component is (a) / {(b) + (c)} = 75 to 90/25 to 10 and (c) ≦ 15 by weight ratio. And a resin-coated metal plate coated with the sheet.
[0007]
Component (a): a crystalline polypropylene resin having a crystal melting peak temperature of only 130 ° C. or higher
(B) component;13Stereoregularity in which the sum of the mesopentad fraction and the racemopentad fraction (mmmm + rrrr) by C-NMR spectrum is in the range of 30 to 70%, and the crystalline block and the amorphous block portion are mixed in the molecular chain. Is controlledAnd the heat of crystal fusion is 10-50 J / gSoft polypropylene resin
Component (c): a copolymer of a vinyl aromatic compound having a glass transition temperature of 0 ° C. or lower and a conjugated diene, or a hydrogenated derivative thereof
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
The crystalline polypropylene resin as component (a) constituting the present invention is a propylene homopolymer, a block copolymer of propylene and an α-olefin such as ethylene, butene, hexene, or a random copolymer thereof. Or a mixture thereof, but it is necessary that the crystal melting peak temperature exists only at 130 ° C. or higher.
[0009]
Here, the fact that the crystal melting peak temperature exists only at 130 ° C. or more means that the heat of fusion of the crystal melting peak existing at less than 130 ° C. is less than 1 J / g.
A block copolymer or the like having a crystal melting peak temperature clearly below 130 ° C. is effective in imparting impact resistance, but the microcraze generated upon impact is visually Has the problem of appearing whitened.
[0010]
Next, the soft polypropylene resin as component (b) constituting the present invention is a propylene homopolymer, a block copolymer of propylene and an α-olefin such as ethylene, butene, hexene, or a random copolymer of them. It is arbitrarily selected from a coalescence or a mixture thereof,13Stereoregularity in which the sum of the mesopentad fraction and the racemopentad fraction (mmmm + rrrr) by C-NMR spectrum is in the range of 30 to 70%, and a crystalline block and an amorphous block portion are mixed in the molecular chain. Is a propylene polymer controlled.
[0011]
Here, a crystalline block and an amorphous block portion are mixed in the molecular chain. The crystalline block and the amorphous block portion are present in a random and / or block form. In addition, the chain length of each block portion may be arbitrary.
[0012]
Such polymers generally have the properties of rubber elasticity, flexibility, resistance to tearing, good transparency, and isotactic and syndiotactic structures that exhibit rigidity in the molecular chain. It is suitable to achieve the object of the present invention by balancing the proportion of the amorphous block portion of the crystalline block portion and the amorphous block portion of the atactic structure exhibiting elastomeric properties.
[0013]
As for stereoregularity, mesopen is one index indicating the proportion of crystalline block parts.TFraction and racemopenTIt is necessary that the sum (mmmm + rrrr) of the head fraction is in the range of 30 to 70%.
Here, when (mmmm + rrrr) is less than 30%, the crystallinity is too low, and when mixed with the component (a), the sheet becomes too flexible and the surface hardness is lowered, and the scratch resistance tends to be inferior. Further, it is not preferable because the resin sheet is galling when punching is performed on the resin-coated metal plate, or a beard-like resin piece remains on the end surface of the resin sheet after punching. Furthermore, the surface of the sheet becomes sticky, and the raw material itself is easily blocked, which is not preferable in terms of handling properties.
[0014]
On the other hand, when (mmmm + rrrr) exceeds 70%, there are few effects such as improving flexibility, impact resistance, and whitening resistance. It is not preferable that the resin sheet is cracked or cracked or whitened easily.
The mesopentad fraction (mmmm) and racemopentad fraction (rrrr) used in the present invention are13It calculates based on the measurement result of a C-NMR (nuclear magnetic resonance) spectrum. That is,13The C-NMR spectrum was measured and determined from the signal intensity ratio of each splitting peak (mmmm to mrrm) appearing in the 22.5 ppm to 19.5 ppm region due to the difference in chemical shift due to the stereoregularity of the methyl group. The mmmm (mesopentad fraction) is a solid in which all five methyl groups as side chains are located in the same direction with respect to the main chain of carbon-carbon bonds composed of arbitrary five propylene units. Rrrr (racemopentad fraction) is an alternating structure of five methyl groups as side chains with respect to the main chain of carbon-carbon bonds composed of any five consecutive propylene units. Means a three-dimensional structure located in the opposite direction or a proportion thereof. The assignment of the signal of the methyl group region is as follows. According to Zambelli et al (Macromolecules 8, 687, (1975)).
[0015]
Further, such a soft polypropylene resin has a crystal melting peak temperature of 140 ° C. or higher and a crystal melting calorie of 10 to 50 J / g as measured by a differential scanning calorimeter, and is not suitable for soxhlet extraction with boiling n-heptane. In Soxhlet extraction with a dissolved content of 60% by weight or less and cold xylene, those having an insoluble content of 95% by weight or less are preferably used.
[0016]
Here, when the crystal melting peak temperature is less than 140 ° C., the heat resistance is likely to be lowered. For example, when the surface of the resin sheet is embossed, the heat resistance is lowered, which is not preferable.
Further, when the heat of crystal fusion is less than 10 J / g, when mixed with the component (a), the sheet becomes too flexible and the surface hardness is lowered, and the scratch resistance tends to be inferior. Further, it is not preferable because the resin sheet is galling when punching is performed on the resin-coated metal plate, or a beard-like resin piece remains on the end surface of the resin sheet after punching. Furthermore, the surface of the sheet becomes sticky, and the raw material itself is easily blocked, which is not preferable in terms of handling properties.
[0017]
On the other hand, when it exceeds 50 J / g, there are few effects such as improving flexibility, impact resistance, and whitening resistance, and the resin-coated metal plate was subjected to bending processing, particularly impact contact bending processing at high speed under low temperature conditions. Sometimes the resin sheet is cracked or cracked, or is easily whitened.
[0018]
Also, if the insoluble content by boiling n-heptane exceeds 60% by weight or the insoluble content by cold xylene exceeds 95% by weight, the crystallinity is high, so that it is effective as a modifier, that is, flexibility and impact resistance. Because there are few effects such as improving the property and whitening resistance, the resin sheet is cracked or cracked when the resin-coated metal sheet is bent when the resin-coated metal sheet is bent. It is not preferable.
[0019]
As a method for producing a soft polypropylene resin suitable for the present invention, an inexpensive propylene monomer is used as a main component, various metallocene catalysts (single site catalysts), solid titanium catalysts, etc. are used, and molding processability is good. A method for polymerizing a soft polypropylene resin with controlled stereoregularity efficiently and at low cost has been proposed, and the resin used is not particularly limited as long as it satisfies the gist of the present invention. An example of a commercial product is the product name “REXflex” of Huntsman Polymer Corporation.
[0020]
Next, the component (c) constituting the present invention is a copolymer of a vinyl aromatic compound having a glass transition temperature of 0 ° C. or lower and a conjugated diene or a hydrogenated derivative thereof (hereinafter sometimes referred to as “TPS”). . Such a copolymer generally has rubber elasticity, flexibility, resistance to tearing, and good transparency, and particularly its hydrogenated derivatives are components (a) and (b). And good compatibility, it effectively acts to impart flexibility and improve transparency at low temperatures. However, the glass transition temperature needs to be 0 ° C. or lower, preferably −20 ° C. or lower. When the glass transition temperature exceeds 0 ° C., the effect of imparting flexibility at a low temperature, which is the purpose of adding the component (c), becomes insufficient.
[0021]
Moreover, it is preferable that the ratio of the vinyl aromatic-type compound and conjugated diene of such a copolymer is 3 / 97-40 / 60 by weight ratio. Here, if the vinyl aromatic compound in the copolymer composition is less than 3% by weight, the polymerization productivity such as the rigidity of the copolymer itself is too low and pelletization becomes difficult, and on the other hand, 40% by weight. If it exceeds, the rigidity of the copolymer itself becomes high, and the effect of imparting flexibility at a low temperature, which is the purpose of adding the component (c), tends to be insufficient.
[0022]
Here, styrene is a typical vinyl aromatic compound, but styrene homologues such as α-methylstyrene may also be used. Examples of the conjugated diene include 1,3-butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene and the like. Further, as the third component, a small amount of components other than the vinyl aromatic compound and the conjugated diene may be contained. However, the thermal stability and weather resistance when a double bond mainly consisting of vinyl bonds in the conjugated diene moiety remains are extremely poor. To improve this, 80% or more, preferably 95% of the double bonds. It is preferable to use one added with hydrogen.
[0023]
Such copolymers include styrene-butadiene block copolymer elastomer (Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd., trade name “Tufprene”), hydrogenated derivatives of styrene-butadiene block copolymer (Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd., trade name “Tuftec”). ", Shell Japan Co., Ltd., trade name" Clayton G "), hydrogenated derivative of styrene-butadiene random copolymer (JSR Corporation, trade name" Dynalon "), hydrogenated derivative of styrene-isoprene block copolymer ( (Kuraray trade name "Septon"), styrene-vinylisoprene block copolymer elastomer (Kuraray trade name "Hibler"), etc., and these copolymers are used alone or Two or more kinds can be mixed and used.
[0024]
Among these, a hydrogenated derivative of a styrene / conjugated diene random copolymer having a styrene content of 5 to 25% by weight and a vinyl bond content of the conjugated diene moiety exceeding 60%, preferably 65 to 90% is (a) , (B) It is particularly preferable from the viewpoints of compatibility with the component, imparting flexibility at low temperature, and improving whitening resistance.
[0025]
The detailed contents of hydrogenated derivatives of styrene / conjugated diene random copolymers that can be suitably used in the present invention and the production method thereof are described in JP-A-2-158634, JP-A-2-305814 and JP-A-2-305814. It is disclosed in Japanese Laid-Open Patent Publication No. 3-72512. As a specific example of such a copolymer, a hydrogenated styrene butadiene rubber structure is used, and a material called abbreviation of HSBR is commercially available under the trade name “Dynalon 1320P”.
[0026]
Here, when the color pattern of the resin sheet used for the resin-coated metal plate is a light color system such as white, whitening is not so important, but with a dark color pattern such as black, bending processing, particularly impact It is easy to notice that the part is whitened when processing is applied. This is presumably because light is scattered at the interface between the matrix made of the crystalline polypropylene resin as component (a) and the modifier dispersed therein. Therefore, in such a member in which whitening resistance is regarded as important, the influence of light scattering at the interface between the matrix made of the crystalline polypropylene resin (a) and the modifier dispersed therein. In order to make the average particle size as small as possible, it is desirable to adjust the average dispersed particle size of the dispersed particles to 0.5 μm or less, preferably 0.4 μm or less.
[0027]
In this respect, the soft polypropylene-based resin as the component (b) used in the present invention is a resin whose physical properties are adjusted by controlling the type and degree of stereoregularity. Therefore, it is possible to impart moderate flexibility and mechanically blend the conventionally used elastomer components, or in the form of copolymerizing α-olefin etc. during polymerization. Unlike the polyolefin-based thermoplastic elastomer contained, the compatibility with the component (a) constituting the matrix is remarkably improved, and the matrix that causes whitening of the bent portion by uniformly dispersing at the molecular level Light scattering at the modifier interface can be reduced.
[0028]
However, since the main component of component (b) is propylene and has a glass transition temperature of around −10 ° C. derived from polypropylene, the secondary processing characteristics at room temperature are good, but the secondary processing characteristics at low temperature are good. There are insufficient aspects.
Therefore, in the present invention, the component (c) is further added as needed for the main purpose of further improving the secondary processing characteristics at a low temperature.
If component (c) is added, it will be finely dispersed in the matrix formed by the crystalline polypropylene resin as component (a), and it will be flexible in order not to grow crazes and spherulites generated by impact beyond the wavelength of visible light. It is considered effective for imparting properties, impact resistance, whitening resistance, and the like.
[0029]
As described above, when the component (b) and the component (c) are used in combination, the resin-coated steel sheet has excellent secondary workability such as bending workability and punching workability, whitening resistance, scratch resistance, etc. A taken polyolefin resin sheet can be produced. This is because the component (c) finely dispersed in the matrix formed by the component (a) inhibits the spherulite growth in the component (b) simultaneously with the spherulite growth in the component (a). It is. As described above, the addition of the component (c) brings many advantages. However, the component (c) is generally expensive, and in the case of a transparent and flat sheet, fish eyes derived from the component (c) are conspicuous. Addition of a large amount of component (c) is not preferable from the viewpoints of economy, sheet appearance, physical properties, and the like.
[0030]
In the present invention, in the relationship between the crystalline polypropylene resin in which the crystal melting peak that is the component (a) constituting the matrix exists only at 130 ° C. or higher and the {(b) + (c)} component as a modifier. It is necessary that (a) / {(b) + (c)} = 75 to 90/25 to 10 and (c) ≦ 15 by weight ratio.
Here, when the {(b) + (c)} component as the modifier is less than 10% by weight, the effect of improving flexibility, impact resistance, whitening resistance is small, and the resin-coated metal plate is bent. There is a problem that the resin sheet is cracked or cracked or easily whitened when subjected to processing, particularly impact contact bending at high speed under low temperature conditions.
[0031]
On the other hand, in the composition region where the {(b) + (c)} component as the modifier is more than 25% by weight or the component (c) exceeds 15% by weight, the sheet becomes too flexible and the surface hardness is lowered. However, there is a problem that the scratch resistance tends to be inferior. Further, when the punching process is performed on the resin-coated metal plate, there is a problem that the resin sheet is galvanized or a whisker-like resin piece is likely to remain on the end surface of the resin sheet after the punching process.
In the polyolefin resin sheet of the present invention, other resins and additives such as polyethylene, for example, heat stabilizers, antioxidants, ultraviolet absorbers, light stabilizers, nucleating agents, coloring, to the extent that their properties are not impaired. Various additives such as additives, antibacterial / antifungal agents, antistatic agents, lubricants, flame retardants, fillers and the like may be properly blended. Moreover, in order to improve the designability, printing, embossing, or the like can be appropriately applied to the resin sheet.
[0032]
Next, the manufacturing method of the polyolefin-type resin sheet and resin-coated metal plate of this invention is demonstrated.
As a method for forming a polyolefin-based resin sheet of the present invention, a known method, for example, an extrusion casting method using a T-die, a calendar method, an inflation method, or the like can be adopted. An extrusion casting method using a T die is preferable from the viewpoint of film forming property and stable productivity. The molding temperature in the extrusion casting method using a T-die is appropriately adjusted depending on the flow characteristics and film-forming properties of the composition, but is generally in the range of the melting point to 260 ° C., preferably 180 ° C. to 230 ° C. . The thickness of the polyolefin resin sheet is usually 50 to 500 μm. When the thickness of the sheet is less than 50 μm, when used as a resin-coated metal plate, the performance as a protective layer for the metal plate and the embossing suitability are inferior. On the other hand, when the thickness exceeds 500 μm, secondary processing such as punching as a resin-coated decorative metal plate Processability is apt to be inferior.
[0033]
Next, as a method of adhering the polyolefin resin sheet and the metal plate, there is a method of using an adhesive, a method of heat-sealing without using an adhesive, a method of extrusion coating, and the like, although not particularly limited, for example, After applying a titanium coupling agent, chlorinated polyolefin, acid-modified polyolefin, etc. as a primer treatment liquid to the adhesive surface of the polyolefin resin sheet with the metal plate, the thickness after drying is 2 to 4 μm, and further polyester-based There is a method of applying an epoxy-based adhesive and coating a resin sheet.
[0034]
In this method, commonly used coating equipment such as reverse coater and kiss coater is used for the metal plate, and the adhesive film thickness after drying is about 2 to 4 μm on the metal surface on which the polyolefin resin sheet is bonded. Apply, then dry and heat the coated surface with an infrared heater and hot air heating furnace, and immediately hold the polyolefin resin sheet using a roll laminator while maintaining the metal plate surface temperature above the melting point of the polyolefin resin sheet, A resin-coated metal plate can be obtained by cooling.
[0035]
Various metal plates such as hot-rolled steel plate, cold-rolled steel plate, hot-dip galvanized steel plate, electrogalvanized steel plate, tin-plated steel plate, stainless steel plate and the like can be used as the metal plate subject to the present invention. It may be used after
[0036]
【Example】
In order to describe the present invention more specifically and in detail, the following examples are given, but the present invention is not limited to these examples. In addition, the measurement standard of the physical property of the resin coating metal plate shown to the Example and the comparative example and the test method are as follows.
[0037]
(1) Glass transition temperature (Tg), crystal melting heat, crystal melting peak temperature
Using DSC-7 manufactured by Perkin Elmer, a 10 mg sample was measured and measured at a heating and cooling rate of 10 ° C./min according to JIS-K7121 and JIS-K7122.
[0038]
(2) Melt flow-G (MFR)
According to JIS-K7210, the measurement was performed under conditions of a test temperature of 230 ° C. and a test load of 2.16 kgf.
[0039]
(3) MesopenTFraction (mmmm), racemopenTFraction (rrrr)
JNM-GSX-270 (manufactured by JEOL Ltd.)13C-nuclear magnetic resonance frequency (67.8 MHz) was measured under the following conditions.
[0040]
Measurement mode:1H-complete decoupling
Pulse width: 8.6 microseconds
Pulse repetition time: 30 seconds
Integration count: 7200 times
Solvent: Mixed solvent of orthodichlorobenzene / heavy benzene (80/20% by volume)
Sample concentration: 100mg / 1ml solvent
Measurement temperature: 130 ° C
Where each penTThe fraction of13It was determined by measuring the splitting peak in the methyl group region of the C-nuclear magnetic resonance spectrum. Further, the assignment of the signal of the methyl group region is as follows. According to Zambelli et al (Macromolecules 8, 687, (1975)).
[0041]
(4) Bending processability
An impact adhesion bending test is performed on the resin-coated metal plate, and the surface state of the decorative sheet of the bent portion is visually determined. (○) indicates that there is almost no change, (△) indicates that there is a slight crack (△), What occurred was displayed as (x). The impact adhesion bending test was performed as follows. Samples of 50 mm x 150 mm were prepared from the length direction and width direction of the coated metal plate, kept at 23 ° C or 0 ° C for 1 hour or longer, and then bent to 180 ° (inner bending radius 2 mm) using a bending tester. A cylindrical weight having a diameter of 75 mm and a mass of 5 kg was dropped on the sample from a height of 50 cm.
[0042]
(5) Whitening resistance
Similarly to the bending workability of (4), an impact adhesion bending test is performed on the coated metal plate, the surface state of the resin sheet in the bent portion is visually determined, and the whitening phenomenon is hardly noticeable (O), The case where the whitening phenomenon is conspicuous is indicated by (Δ), and the case where the whitening phenomenon is conspicuous is indicated by (X).
[0043]
(6) Punching workability
Using a press machine, punching and bending is performed on a coated metal plate of 300 mm x 300 mm from the resin sheet surface so that the opening shape is 100 mm x 200 mm (corner part R10) and the bending width is 10 mm, and the surface state of the decorative sheet in the processed part is changed. Judgment was carried out visually, and no galling or whiskers were produced, and those that were cleanly processed were indicated as (◯), those that slightly rubbed or bearded (Δ), and those that noticed galling or whiskers as (×).
[0044]
(7) Surface hardness
Using a 3B pencil, draw a wire with a load of 500 g while maintaining an angle of 45 ° with respect to the resin sheet surface of the 80 mm × 60 mm coated metal plate, and visually determine the surface state of the resin sheet in the drawing portion, Those that were not scratched at all were indicated as (◯), those that remained slightly marked (Δ), and those that were clearly scratched (×).
[0045]
[Examples 1 to2And Comparative Examples 1 to 6] Each component was kneaded so as to be homogeneous using a twin-screw kneading extruder equipped with a T-die together with a black colorant in the proportions (% by weight) shown in Table 1, and the thickness. A 150 μm polyolefin resin sheet was formed. Next, after applying the acid-modified polyolefin as a primer treatment liquid to the adhesive surface of the obtained sheet with the metal plate to a thickness of 2 to 4 μm after drying, a commercially available polyester for polyvinyl chloride coated metal plate The adhesive is applied to the metal surface so that the adhesive film thickness after drying is about 2 to 4 μm, and then the coated surface is dried and heated by a hot air heating furnace and an infrared heater to obtain a galvanized steel sheet (thickness 0). .41 mm) while maintaining the surface temperature at or above the melting point of the polyolefin resin sheet, immediately coated the polyolefin resin sheet with a roll laminator and cooled to prepare a resin-coated steel sheet, and evaluated each item described above. . The results are summarized in Table 1.
[0046]
In addition, each raw material used in Table 1 is as follows.
Crystalline polypropylene resin A [“NOVATEC PP EA7” manufactured by Nippon Polychem Co., Ltd. Crystal melting peak temperature: 162 ° C., crystal melting heat amount: 112 J / g]
Crystalline Polypropylene Resin B ["Novatec PP EC7" manufactured by Nippon Polychem Co., Ltd. Crystal melting peak temperature: 119 ° C and 163 ° C, heat of crystal melting; 2 J / g and 98 J / g, respectively]
Soft polypropylene resin (I) [propylene content; 98.5 mol%, ethylene content; 1.5 mol%, mmmm; 37.4%, rrrr; 11.4%, MFR; 11.0 g / 10 min, Tg -10 ° C, crystal melting peak temperature; 149 ° C, heat of crystal melting; 23 J / g].
[0047]
Soft polypropylene resin (II) [propylene content: 100 mol%, mmmm; 52.6%, rrrr; 10.7%, MFR; 2.0 g / 10 min, Tg: -7 ° C, crystal melting peak temperature: 156 ° C, heat of crystal melting; 42 J / g]
Soft polypropylene resin (III) [propylene content: 100 mol%, mmmm; 64.3%, rrrr; 8.2%, MFR; 3.0 g / 10 min, Tg; -6 ° C, crystal melting peak temperature: 158 ° C, heat of crystal melting; 55 J / g]
TPO ["PERR T310J" manufactured by Tokuyama Corporation Propylene content; 88 mol%, ethylene content; 12 mol%, MFR; 1.5 g / 10 min, Tg; -25 ° C, crystal melting peak temperature; 156 ° C., heat of crystal melting; 32 J / g]
TPS ["Dynalon 1320P" manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd. Styrene content: 10%, vinyl bond content of conjugated diene moiety: 78%, specific gravity: 0.89, MFR: 3.5 g / 10 min, Tg: -50 ° C ]
[Table 1]
Figure 0003842926
[0048]
As is apparent from Table 1, a raw material that has a crystal melting peak temperature clearly below 130 ° C. is used as the crystalline polypropylene resin constituting the matrix (Comparative Example 1), or a conventional modifier as a modifier. It can be seen that when TPO which is a polyolefin-based thermoplastic elastomer used is used (Comparative Example 2), it is not possible to express whitening property particularly during low-temperature processing.
[0049]
Even if a soft polypropylene resin with controlled stereoregularity in which crystalline blocks and amorphous block parts are mixed in the molecular chain is used as a modifier, the stereoregularity and amount of addition are specified. If they are not within the range, there are problems in terms of bending workability, punching workability, and surface hardness (Comparative Examples 3 to 5).
Further, the addition of a large amount of TPS as a modifier has a problem in terms of scratch resistance although the secondary processing characteristics are improved (Comparative Example 6).
[0050]
On the other hand, Examples 1 to2As described above, a crystalline polypropylene resin having a crystal melting peak temperature of only 130 ° C. or more and a soft polypropylene resin having a specific stereoregularity as a modifieras well asFor TPS blended in the specified amount range, bending workability, whitening resistance, punching workability, surface hardnessIt can be seen that the balance is excellent.
[0051]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a polyolefin-based resin-coated metal sheet having an excellent balance of secondary processability such as bending processability and punching processability as a resin-coated metal sheet, whitening resistance, and scratch resistance. it can.

Claims (3)

下記のマトリックスを構成する(a)成分と改質剤としての(b)成分及び(c)成分の混合物からなり、各成分の割合が重量比で(a)/{(b)+(c)}=75〜90/25〜10、かつ(c)≦15であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂シート。
(a)成分; 結晶融解ピーク温度が130℃以上にのみ存在する結晶性ポリプロピレン系樹脂
(b)成分; 13C−NMRスペクトルによるメソペンタッド分率とラセモペンタッド分率の和(mmmm+rrrr)が30〜70%の範囲にあり、分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している立体規則性を制御され、かつ結晶融解熱量が10〜50J/gである軟質ポリプロピレン系樹脂
(c)成分;ガラス転移温度が0℃以下のビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体
It comprises a mixture of the component (a) constituting the following matrix, the component (b) and the component (c) as modifiers, and the proportion of each component is (a) / {(b) + (c) } = 75 to 90/25 to 10, and (c) ≦ 15.
(A) component; crystalline polypropylene resin (b) component having a crystal melting peak temperature of only 130 ° C. or higher; the sum (mmmm + rrrr) of mesopentad fraction and racemopentad fraction by 13 C-NMR spectrum is 30 to 70% A soft polypropylene resin (c) in which the stereoregularity in which a crystalline block and an amorphous block portion are mixed in the molecular chain is controlled and the heat of crystal fusion is 10 to 50 J / g. ) Component; Copolymer of vinyl aromatic compound having glass transition temperature of 0 ° C. or less and conjugated diene or hydrogenated derivative thereof
下記のマトリックスを構成する(a)成分と改質剤としての(b)成分及び(c)成分の混合物からなり、各成分の割合が重量比で(a)/{(b)+(c)}=75〜90/25〜10、かつ(c)≦15であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂シートで被覆されていることを特徴とする樹脂被覆金属板。
(a)成分; 結晶融解ピーク温度が130℃以上にのみ存在する結晶性ポリプロピレン系樹脂
(b)成分; 13C−NMRスペクトルによるメソペンタッド分率とラセモペンタッド分率の和(mmmm+rrrr)が30〜70%の範囲にあり、分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している立体規則性を制御され、かつ結晶融解熱量が10〜50J/gである軟質ポリプロピレン系樹脂
(c)成分;ガラス転移温度が0℃以下のビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体
It comprises a mixture of the component (a) constituting the following matrix, the component (b) and the component (c) as modifiers, and the proportion of each component is (a) / {(b) + (c) } = 75-90 / 25-10, and (c) <= 15 It is coat | covered with the polyolefin resin sheet characterized by the above-mentioned. The resin-coated metal plate characterized by the above-mentioned.
(A) component; crystalline polypropylene resin (b) component having a crystal melting peak temperature of only 130 ° C. or higher; the sum (mmmm + rrrr) of mesopentad fraction and racemopentad fraction by 13 C-NMR spectrum is 30 to 70% A soft polypropylene resin (c) in which the stereoregularity in which a crystalline block and an amorphous block portion are mixed in the molecular chain is controlled and the heat of crystal fusion is 10 to 50 J / g. ) Component; Copolymer of vinyl aromatic compound having glass transition temperature of 0 ° C. or less and conjugated diene or hydrogenated derivative thereof
(c)成分のビニル芳香族系化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘電体が、スチレン含有量が5〜25重量%で共役ジエン部分のビニル結合量が60%を超えるスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂シート又は樹脂被覆金属板。  Component (c) is a copolymer of a vinyl aromatic compound and a conjugated diene, or a hydrogenated dielectric thereof, wherein the styrene content is 5 to 25% by weight and the vinyl bond content of the conjugated diene part exceeds 60%. The polyolefin resin sheet or resin-coated metal plate according to claim 1 or 2, which is a hydrogenated derivative of a conjugated diene random copolymer.
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