JP3842796B2 - 冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法 - Google Patents

冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法に関し、特に、金型内の冷却通路を流れてきた戻り冷却水の流れを視認することができる冷却水排水用マニホールド、及び当該冷却水排水用マニホールドを用いて行う金型冷却方法に関する。
ダイカストマシン等の金型には冷却通路が形成されており、冷却通路内に冷却水が流れることにより金型は冷却される。冷却通路は金型内に複数形成されており、金型内において冷却の必要な箇所に形成されている。複数の冷却通路内を流れ金型を冷却した冷却水は、冷却通路の下流側に設けられた冷却水排水用マニホールドによって集約され排水ホースから排出される。
冷却通路にはスケール等が堆積することがある。スケールが堆積し冷却通路が詰まると、所望の量の冷却水が冷却通路内を流れず、金型の内部冷却効果が低減する。このため、各冷却通路を流れてきた冷却水の流量、即ち、各冷却通路における戻り冷却水の流量が適正か否かを管理することが重要である。
特開平8−281407号公報には、各冷却通路において冷却水が流れているか否かを視認することができる冷却水排水用マニホールドが記載されている。冷却水排水用マニホールドは排水ホースと受水槽とを備えており、排水ホースは、冷却通路の数に対応して同数設けられている。各排水ホースの一端は、金型内の各冷却通路を構成する金型冷却パイプの復路側、即ち下流端にそれぞれ接続されており、他端は、受水槽にそれぞれ開口している。
特定の排水ホースの他端から冷却水が受水槽に向けて排出されていなければ、当該排水ホースが接続されている冷却通路が詰まっていると考えられる。また、各排水ホースから排出される冷却水の温度を測定すれば、その温度が所定の値か否かを判断することにより、各冷却通路の隅々まで冷却水が正常に通水し冷却を行ったか否かを判断することができる。
特開平11−291010号公報には、各冷却通路における冷却水の流通状況を視認することができる冷却水排水用マニホールドが記載されている。冷却水排水用マニホールドは本体を備え、本体内部には、冷却通路の数に対応して同数形成された室と1つの排水通路とが形成されている。各室は金型の各冷却通路に連通しており、また、排水通路に連通している。各冷却通路を流れ金型を冷却した冷却水が各室内に流入し、排水通路に排出されて集約されるように構成されている。
各室内には回転羽が設けられている。各室を画成する本体の一部は透視窓により構成されている。透視窓を通して回転羽の回転状況を視認することにより、冷却通路からの戻り冷却水の流通状況を確認することができる。
特開平8−281407号公報(2頁〜3頁、図1、図4) 特開平11−291010号公報(2頁〜3頁、図1〜図4)
しかし、特開平8−281407号公報記載の冷却水排水用マニホールドでは、目視により各冷却通路において冷却水が流れているか否かを視認することができるが、冷却通路からの冷却水の戻り水量が適正な値になっているか否かを確認することができない。同様に、特開平11−291010号公報記載の冷却水排水用マニホールドでは、各冷却通路における冷却水の流通状況を視認することができるが、やはり、冷却通路からの冷却水の戻り水量が適正な値になっているか否かを確認することができない。
例えば、マニホールド内に形成された室内等に流量計を設けて、冷却通路からの戻り水量を測定することが考えられる。しかし、冷却水を冷却通路内に流すこととエアーを冷却通路内に供給することとを交互に行う間欠冷却による冷却においては、エアーが巻込まれるために流量計による計測が不可能である。
そこで、本発明は、間欠冷却を行う場合であっても各冷却通路から排出される冷却水の戻り水量を視認可能な冷却水排水用マニホールドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、金型の冷却通路の本数と一対一対応の同数の室11aと各該室11aにそれぞれ連通する流入口13aと排出口18aとが形成され、該金型内の該冷却通路を流れ該金型を冷却した後の冷却水が該流入口13aから流入し該室11a内を通って該排出口18aから排出される冷却水一時貯留部10と、該排出口18aから排出される冷却水が合流する受水部20とを備え、該室11a内の冷却水は該室11aの外部から視認可能である冷却水排水用マニホールド1において、該室11aは略鉛直方向に延出し、該排出口18aの開口面積は該流入口13aの開口面積よりも小さく、該金型の該冷却通路における冷却水の通水が正常であるときには、冷却水が該室11aに流入し排出されている状態で該室11a内における冷却水の液面は所定の位置に保持され、通水が異常であるときには、冷却水が該室11a内に流入しないか又は該室11a内に流入する冷却水の量が少なく該室11aから排出される冷却水の量と略同一であり冷却水の液面が該室11a内において形成されないか又は冷却水が該室11aに流入し排出されている状態で該室11a内における冷却水の液面が該所定の位置とは異なる位置に保持される冷却水排水用マニホールドを提供している。
ここで、該金型内に該冷却通路は複数形成され、該冷却通路に冷却水を供給する冷却水供給源は、該冷却通路の本数に一対一対応で同数設けられていることが好ましい。
また、本発明は、上記冷却水排水用マニホールド1を用いて金型の冷却を行う金型冷却方法を提供している。
本発明の請求項1記載の冷却水排水用マニホールド、請求項3記載の金型冷却方法によれば、排出口の開口面積は流入口の開口面積よりも小さいため、金型の冷却通路における冷却水の通水が正常であるときには、冷却水が室に流入し排出されている状態で室内における冷却水の液面は所定の位置に保持することができる。また、通水が異常であるときには、冷却水が室内に流入しないか、又は室内に流入する冷却水の量が少なく室から排出される冷却水の量と略同一であり冷却水の液面が室内において形成されないか、又は冷却水が室に流入し排出されている状態で室内における冷却水の液面が該所定の位置とは異なる位置に保持される。
更に、室内の冷却水は室の外部から視認可能であるため、通水が正常であるか異常であるかを室内の液面を目視することにより簡単に判断することができる。このため、通水が異常である冷却通路を発見したら、直ちに当該冷却通路を点検し、掃除や修理等することで、金型の内部冷却効果を十分に得ることができ、安定した品質の製品を鋳造することができる。
本発明の請求項2記載の冷却水排水用マニホールド、請求項3記載の金型冷却方法によれば、金型内に冷却通路は複数形成され、冷却通路に冷却水を供給する冷却水供給源は、冷却通路の本数に一対一対応で同数設けられているため、通水が異常である冷却通路を確実に特定することができる。
本発明の実施の形態による冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法について図1乃至図3に基づき説明する。ここで、冷却水排水用マニホールドについて説明する前に、先ず、冷却水排水用マニホールド内を流れる冷却水の流通経路の構成の概略について説明する。冷却水が流れる流通経路には、図示せぬ冷却水供給源及び図示せぬエアー供給源と、図示せぬ冷却水供給用マニホールドと、図示せぬ金型内に形成された冷却通路と、冷却水排水用マニホールド1(図1)とがこの順で設けられており、間欠冷却が行われる。
図示せぬ冷却水供給源と図示せぬエアー供給源とは、図示せぬ供給管を介して冷却水供給用マニホールドに接続されている。供給管は、冷却水供給源、エアー供給源それぞれから延出し、途中の合流部で合流し、1本の管となって図示せぬ冷却水供給用マニホールドに接続されている。図示せぬ合流部では、間欠冷却において冷却水を冷却通路に供給するか、エアーを冷却通路に供給するかの切換えを行うことができるように構成されている。
図示せぬ冷却水供給用マニホールドは、図示せぬ金型内の複数の冷却通路の往路側、即ち上流端側にそれぞれ連通しており、図示せぬ金型内の複数の冷却通路の数に対応して冷却水を分岐させて各冷却通路に冷却水を供給する。冷却通路の復路側、即ち下流端側は、冷却水排水用マニホールド1に接続されている。図示せぬ冷却水供給源から供給された冷却水は、図示せぬ冷却水供給用マニホールドを介して各冷却通路内に流入し、図示せぬ金型を冷却した後に冷却水排水用マニホールド1へと流れ、冷却水排水用マニホールド1において集約され排出され、その後軟水化される。以上が冷却水の流通経路の構成の概略である。
図1に示されるように、冷却水排水用マニホールド1は、透明な管部材11を備える冷却水一時貯留部10と、受水部20と、枠部材30とを有しており、図示せぬ鋳造機の側面上部に設けられている。透明な管部材11は計10本設けられており、この本数は、図示せぬ金型内に形成された図示せぬ冷却穴や図示せぬ冷却パイプ等により構成される冷却通路の本数に一対一対応の同数となっている。管部材11は、後述の流入口管部材13を介して枠部材30によってその長手方向が鉛直方向に指向した状態でそれぞれ支持されて、後述のように管部材11の他端が受水部20に対向する位置関係とされている。
各管部材11の一端は、図2に示されるように、略円盤形状をした流入口側ゴム部材12によって塞がれている。流入口側ゴム部材12の略軸心位置には、それぞれ円形状をした流入口貫通孔12aが形成されており、流入口貫通孔12aには、流入口管部材13の一端が嵌合している。各流入口管部材13の他端における開口部は流入口13aをなし、図示せぬ冷却通路の冷却水排出口に連通する排水ホース14の一端に、コネクタ15を介してそれぞれ接続されている。
流入口管部材13は、図2に示されるように、枠部材30に形成された貫通孔30aにそれぞれ挿通されている。このことにより各管部材11は、前述のように枠部材30によって支持されている。枠部材30の外部表面であって各流入口管部材13の近傍の部分には、それぞれ各管部材11及び各冷却通路に対応する番号、即ち、1〜10までの番号30Aが表示されている。枠部材30の当該部分は番号表示部30Bをなす。なお、図2では、1〜10までの番号30Aのうちの「1」のみが現れている。後述の温度コントローラーボックス40の温度コントローラー41にも、図1に示されるように、それぞれ各管部材11に対応した1から10までの番号が表示されており、温度コントローラー41に表示されている温度がどの管部材11及び冷却通路に係るものであるかが一目で分かるようになっている。
各コネクタ15は、図2に示されるように略管状をなし、その途中の部分には、コネクタ15の軸方向に垂直の方向に突出する突出部15Aがそれぞれ設けられている。突出部15Aには、当該突出部15Aにおいてコネクタ15内部に向けて貫通する熱電対16が設けられており、図示せぬ金型内で熱を奪いコネクタ15内部を流れる戻り冷却水の温度を測定可能である。
各管部材11の他端は、図1に示されるように、略円柱形状をした排出口側ゴム部材17によって塞がれている。排出口側ゴム部材17の軸心位置には、それぞれ円柱形状をした排出口貫通孔17aが形成されており、排出口貫通孔17aには排出口管部材18が挿嵌されている。排出口管部材18の一端は、受水部20に対向する排出口18aをなし、受水部20に向けて開口する。
管部材11内であって流入口側ゴム部材12と排出口側ゴム部材17との間の空間は、鉛直方向に延びる室11aを構成する。室11aは、各管部材11の内部にそれぞれ1つずつ形成されており、10本の管部材11に計10個の室11aが形成され、図示せぬ金型の冷却通路の本数と一対一対応の同数となっている。
従って室11aは、流入口13aと排出口18aとにそれぞれ連通し、図示せぬ金型内の各冷却通路を流れ金型を冷却した後の冷却水は、各流入口13aから各室11a内に流入し、各排出口18aからそれぞれ受水部20に向けて排出され、受水部20において合流し、受水部20に接続された排出管21から排出されるように構成されている。
排出口18aの開口面積は、流入口13a(図2)の開口面積よりも小さく構成されている。排出口18aの開口面積は、流入口13aの開口面積との関係で、冷却水が流入口13aから室11a内へ流入し排出口18aから排出されている状態で、所定量の冷却水が室11a内に貯留され、室11a内の冷却水の液面位置が当該室11a内の所定の位置に保持される値となっている。
管部材11の長手方向の所定の位置には、図1に示されるようにマーク11Aが表示されている。マーク11Aは、図示せぬ金型の冷却通路における冷却水の通水が正常であるときに、冷却水が室11aに流入し排出されている状態で、室11a内における冷却水の液面が保持される所定位置に表示されている。冷却通路の長さ等はそれぞれ異なるため、冷却の1サイクルで各冷却通路に供給される冷却水の量も異なる。このため、管部材11に排出される冷却水の戻り水量も異なる。そこで、図1に示されるように、マーク11Aの位置は各管部材11によって異なっている。
上述のように、排出口18aの開口面積は流入口13aの開口面積よりも小さく、通水が正常のときの冷却水の液面位置にマーク11Aが表示されており、且つ管部材11が透明であるため、冷却通路において通水に異常が生じ、冷却水の戻り流量が減少している場合には、冷却水の液面がマーク11Aの位置よりも鉛直下方位置にあるか、又は冷却水が室11a内に流入していないか、又は室11a内に流入する冷却水の量が少なく室11aから排出される冷却水の量と略同一であり冷却水の液面が室11a内において形成されなていないことを容易に視認することができ、当該減少している管部材11に対応する冷却通路に異常が生じていることを容易に認識することができる。
このため、本実施の形態のように間欠冷却を行うために冷却水の通路内に流量計等を設けることができない場合であっても、確実に冷却水の戻り流量及び流通状況を視認することができる。更に、番号表示部30Bには、図示せぬ各冷却通路に対応する番号30Aが表示されているため、異常が生じている冷却通路を容易に特定することができる。
この結果、通水が異常である冷却通路を発見したら、直ちに当該冷却通路を点検し、掃除や修理等することで、金型の内部冷却効果を十分に得ることができ、安定した品質の製品を鋳造することができる。
なお、本実施の形態では、前述のように冷却水の流通経路において、図示せぬ金型の冷却通路に流入する冷却水を、図示せぬ冷却水供給用マニホールドにより分岐しているため、当該異常が生じている流通経路に本来流入するはずであった冷却水が他の流通経路に流入する。従って、異常が生じていない他の冷却通路に対応する管部材11のいずれかにおいては、冷却水の液面が当該マーク11Aの位置よりも鉛直上方に保持されることになる。
上述のコネクタ15に設けられた各熱電対16は、温度コントローラーボックス40に接続されている。温度コントローラーボックス40は、図1に示されるように、温度コントローラー41と異常ランプ42とパトライト43とを備える。各熱電対16は、温度コントローラー41にそれぞれ接続されており、温度コントローラー41に設けられた表示部41Aに、熱電対16によって測定された水温が表示されるように構成されている。温度コントローラー41は、管部材11の数、即ち、冷却通路の数に対応して一対一対応で同数設けられており、各管部材11に係る熱電対16で測定された冷却水の温度が個別に表示される。
管部材11において図示せぬ金型の冷却通路からの戻り冷却水量が適正であると判断された場合であっても、冷却通路を構成する冷却パイプの折損等により冷却穴の先端まで冷却水が届かないことにより冷却が正常に行われず、金型から熱を奪うことができないという不具合が生じている場合がある。しかし、熱電対16によってコネクタ15内の冷却水の温度、即ち冷却水の戻り温度を測定することができるので、このような不具合を検出することができる。
異常ランプ42は、熱電対16による測定温度が予め入力された基準値よりも低い場合に点灯する。異常ランプ42は、管部材11の数、即ち、冷却通路の数に対応して一対一対応で同数設けられており、どの管部材11に係る熱電対16で測定された冷却水の温度が基準値より低くなっているかを容易に認識できるように構成されている。
パトライト43は、異常ランプ42が1つでも点灯すると回転し、金型で鋳造作業を行う作業者に異常を知らせる。また、温度コントローラーボックス40は、図示せぬロボットへ異常信号を出力し、図示せぬロボットは、当該金型で現在鋳造されている図示せぬ鋳造品が不良品であることを認識し、不良品として排出する。
金型冷却方法では、図示せぬ冷却水供給源から、冷却水が冷却水供給用マニホールドへ供給され、冷却水供給用マニホールドにおいて図示せぬ各冷却通路に冷却水が分岐される。そして、冷却水は各冷却通路を流れ、冷却水排水用マニホールド1へ流入し集約される。冷却水排水用マニホールド1の受水部20に接続された排出管21から排出され、軟水化された後に再度冷却水として用いられる。
この際、冷却水排水用マニホールド1においては、排水ホース14とコネクタ15と流入口管部材13とを介して管部材11の室11a内に導入された冷却水は、排出口18aから受水部20に排出される。
冷却水が金型の冷却通路内に通水されているときに各冷却通路に異常がなければ、冷却水排水用マニホールド1の管部材11内の冷却水の液面はマーク11Aの位置に保持される。異常があれば、冷却水が室11a内に流入しないか、又は室11a内に流入する冷却水の量が少なく室11aから排出される冷却水の量と略同一であり冷却水の液面が室11a内において形成されないか、又はマーク11Aの位置よりも鉛直下方に液面が保持されるので、この場合には、作業者は、番号表示部30Bの番号30Aを見て当該管部材11に対応する冷却通路を点検し、スケール等が堆積していないか否か等を確認し、掃除等行い当該冷却通路を正常の状態にする。
また、温度コントローラーボックス40のパトライト43が回転し始めたら、作業者は、どの冷却通路の対応する異常ランプ42が点灯しているかを、温度コントローラー41に表示された番号を見て確認し、当該異常ランプ42に対応する冷却通路を点検し修理等行い、当該冷却通路を正常の状態にする。
図示せぬ金型の冷却通路への通水が終了し、冷却通路に残留した冷却水を排出するために図示せぬエアー供給源からエアーが冷却通路内に供給されると、管部材11内にもエアーが導入され、管部材11内に残留している冷却水は瞬時に排出口18aから受水部20に排出される。
本発明による冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態による冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法では、冷却水の流通経路に設けられた冷却水供給源、エアー供給源は、それぞれ1つであったが、図3に示されるように、冷却水供給用マニホールドを設けずに、冷却水供給源51、エアー供給源52を、冷却通路の数に一対一対応の同数設けて、各冷却水供給源51、エアー供給源52から直接各冷却通路に冷却水、エアーを供給するようにしてもよい。なお、図3において、冷却通路の数は、冷却水供給源51、エアー供給源52と同数の3である。
本実施の形態では、冷却通路に異常が生じているときには、他の正常な冷却通路に対応する管部材11内の冷却水の液面が上昇したが、上述の構成とすることにより、所定の冷却通路に異常が生じても、他の正常な冷却通路に対応する管部材11内の液面に影響を与えないようにすることができ、正常な冷却通路に対応する管部材11内の冷却水の液面をマーク11Aの位置に保持したままとすることができる。このため、通水が異常である冷却通路を確実に特定することができる。
また、金型内で熱を奪い冷却を行った冷却水の水温を熱電対16によって測定していたが、これに限定されない。例えば、サーマルビデオやサーモラベルにより室内の水温を測定してもよい。
管部材11は透明であったが、これに限定されず、室11a内の冷却水の液面の位置が外部から視認可能であればよい。例えば、管部材の室11a内の冷却水の液面が保持されるマークの位置の部分のみが透明になっていて、これ以外の管部材の部分は不透明であってもよい。また、室の断面形状は円形に限定されず、流入口と排出口とに連通し、室が鉛直方向に延びるものであればどのような断面形状でもよい。
また、全ての冷却通路において間欠冷却が行われたが、冷却通路のうちのいくつかにおいては間欠冷却を行わず、冷却水を連続通水してもよい。この場合には当該冷却通路にはエアーが供給されることがないので、異常が生じない限り管部材内冷却水の液面は、常にマークの位置に保持される。
また、冷却水供給用マニホールドは、冷却水排水用マニホールドと一体に設けられてもよい。また、図示せぬ冷却通路、管部材の数は10本であったが、この数に限定されない。管部材の本数は、冷却通路と一対一対応の同数であればよい。番号表示部や温度コントローラーに表示される番号は1〜10等の数字に限定されない。例えば、記号や文字等であってもよく、各管部材と温度コントローラーとの対応関係が分かればよい。
本発明の冷却水排水用マニホールド及び金型冷却方法は、金型を冷却水により冷却しながら鋳造又は成形を行う分野において有用である。
本実施の形態による冷却水排水用マニホールドを示す概略斜視図。 本実施の形態による冷却水排水用マニホールドの流入口部分を示す要部断面図。 本実施の形態の変形例による、冷却水排水用マニホールドを有する冷却水の流通経路の構成を示す概略図。
符号の説明
1 冷却水排水用マニホールド
10 冷却水一時貯留部
11a 室
13a 流入口
18a 排出口
20 受水部

Claims (3)

  1. 金型の冷却通路の本数と一対一対応の同数の室と各該室にそれぞれ連通する流入口と排出口とが形成され、該金型内の該冷却通路を流れ該金型を冷却した後の冷却水が該流入口から流入し該室内を通って該排出口から排出される冷却水一時貯留部と、
    該排出口から排出される冷却水が合流する受水部とを備え、
    該室内の冷却水は該室の外部から視認可能である冷却水排水用マニホールドにおいて、
    該室は略鉛直方向に延出し、該排出口の開口面積は該流入口の開口面積よりも小さく、該金型の該冷却通路における冷却水の通水が正常であるときには、冷却水が該室に流入し排出されている状態で該室内における冷却水の液面は所定の位置に保持され、通水が異常であるときには、冷却水が該室内に流入しないか又は該室内に流入する冷却水の量が少なく該室から排出される冷却水の量と略同一であり冷却水の液面が該室内において形成されないか又は冷却水が該室に流入し排出されている状態で該室内における冷却水の液面が該所定の位置とは異なる位置に保持されることを特徴とする冷却水排水用マニホールド。
  2. 該金型内に該冷却通路は複数形成され、
    該冷却通路に冷却水を供給する冷却水供給源は、該冷却通路の本数に一対一対応で同数設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却水排水用マニホールド。
  3. 請求項1又は2記載の冷却水排水用マニホールドを用いて金型の冷却を行うことを特徴とする金型冷却方法。
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