JP3842743B2 - 好気性生物処理槽 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、槽内に複数の水中攪拌式曝気装置が設置され、下水、し尿、産業排水等の有機性汚水を生物学的に処理して浄化するための好気性生物処理槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、好気性生物処理槽として、例えば、特開平10−192882号公報に示されているものがあり、これを図9と図10を用いて説明する。図9は従来の好気性生物処理槽の全体構成を示す断面図、図10は図9における水中攪拌式曝気装置の構成を示す断面図である。
【0003】
図9において、符号51は好気性生物処理槽本体であり、この処理槽本体51の底部には、曝気を行うことで生物学的処理に必要な酸素を供給するためにこの例では2基の水中攪拌式曝気装置60が設置されている。これらの水中攪拌式曝気装置60の各々は、後述の空気導入管70を有している(図10参照)。一方の水中攪拌式曝気装置60の空気導入管70には、槽外に設置された空気供給源であるブロワ52からの曝気用空気が、空気供給管53と一方の空気供給枝管54を通じて供給される。また、他方の水中攪拌式曝気装置60の空気導入管70には、前記ブロワ52からの曝気用空気が、空気供給管53と他方の空気供給枝管54を通じて供給されるようになっている。
【0004】
被処理液(汚水)は、流入管55より好気性生物処理槽本体51内に流入し、好気処理された処理液は処理液流出管56より流出する。処理槽本体51内において、水中攪拌式曝気装置60により、図9に示すような循環流を形成するようにしている。
【0005】
次に、図10を参照して、散気機能と攪拌機能とを有する水中攪拌式曝気装置60について説明する。この水中攪拌式曝気装置60は、図10に示すように、被処理液の流路を形成する吸込ケーシング61と吐出ケーシング62とからなるケーシング63と、ケーシング63の電動機サポートに支持されている水中電動機64と、空気室ケーシング65と、ケーシング63内に形成された被処理液の流路内に設けられた羽根車66と、空気導入管70と、曝気装置サポート73とを備えている。
【0006】
前記空気導入管70は、90°曲げ部を有するフック状をなしている。この全体としてフック状をなす空気導入管70は、下方へ垂直に延び、空気供給枝管54に接続されて該空気供給枝管54からの空気を下方へ導く下降空気導入管部71と、一端がこの下降空気導入管部71に接続され、他端が前記空気室ケーシング65の空気室67に接続されて、下降空気導入管部71からの空気を空気室67に導くU字状をなすU字状空気導入管部72とにより構成されている。ブロワ52からの曝気用の空気は、空気供給管53、一方の空気供給枝管54、及び、前記U字状空気導入管部72を有する空気導入管70を経て一方の水中攪拌式曝気装置60の空気室67に供給され、また同時に、空気供給管53、他方の空気供給枝管54及び前記空気導入管70を経て他方の水中攪拌式曝気装置60の空気室67に供給されるようになっている。
【0007】
このように構成される好気性生物処理槽において、水中電動機64を駆動すると、羽根車66の回転により、槽内の被処理液は、上部の吸込ケーシング61より流入して羽根車66内の流路を下向きに流れ、下部の吐出ケーシング62の吐出口62aより槽内へ吐出される。一方、U字状空気導入管部72を経て空気室67に供給された空気は、下向き流路68を経て、最下部の散気口69よりケーシング63内の流路の被処理液中に噴出され、被処理液と混合撹拌して気液混相流として吐出口62aより槽内に送り込まれる。これにより、例えば、被処理液中のアンモニアを硝酸へ酸化する硝化処理が行われるようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−192882号公報(図1、図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前述した従来の好気性生物処理槽では、曝気用空気の供給量設定値が少量の小風量曝気時の場合、複数の水中攪拌式曝気装置のうち、曝気用空気が送られてこないという水中攪拌式曝気装置が発生し、このため、槽内の酸素供給が不均一となって生物学的処理能力が低下するという問題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、槽内に設置された複数の水中攪拌式曝気装置に同一の空気供給源から曝気用空気を供給するに際し、小風量曝気時の場合でも、曝気用空気が送られてこない水中攪拌式曝気装置が存在する事態をなくし、各水中攪拌式曝気装置に送り込まれる曝気用空気量をほぼ均一にすることができるようにした好気性生物処理槽を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願発明は次のように構成されている。請求項1の発明は、U字状空気導入管部を有する水中攪拌式曝気装置が槽内に複数設置され、同一の空気供給源からの曝気用空気を、前記各U字状空気導入管部に導いて前記複数の水中攪拌式曝気装置にそれぞれ供給し、被処理水を生物学的に処理する好気性生物処理槽において、前記U字状空気導入管部に、該U字状空気導入管部の略水平部分から分岐して下方へ延び、管端より管内に被処理水を侵入させるための送気量均一化管が設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明においては、水中攪拌式曝気装置の空気導入管におけるU字状空気導入管部に前記送気量均一化管を取り付けることにより、曝気用空気量が少量設定の場合でも、各水中攪拌式曝気装置への曝気用空気量をほぼ均一化することができる。その作用機構については、明確ではないが、以下のように推定することができる。
【0015】
図7は本発明の作用を説明するための図である。図7に示すように、図における左右方向に延びる配管には、先端側から順に、U字状部を持つフック状の第1配管Aとフック状の第2配管Bとが接続されている。この図7に示す配管系において、v0:空気供給源と分岐点との間を流れる空気の平均流速、v1:分岐点と第1配管A出口との間を流れる空気の平均流速、v2:分岐点と第2配管B出口との間を流れる空気の平均流速、である。また、Ps:分岐点における静圧、P1:第1配管Aの元圧、P2:第2配管Bの元圧、P3:配管A,Bの出口周囲圧力、である。
【0016】
ここで、ΔP1=P1−P3とし、ΔP2=P2−P3とすると、ΔP1,ΔP2は下記式のようになる。ここで、ξ1:第1配管Aにおける流れの抵抗、ξ2:第2配管Bにおける流れの抵抗、ρ:空気密度、である。
【0017】
【数2】
【0018】
ここで、第1配管Aの元圧P1は、第1配管Aが空気の流れの向きに位置しているので、動圧ρ(v1 2/2)が作用し、P1=Ps+ρ(v1 2/2)となる。また、第2配管Bの元圧P2は、分岐点における静圧Psのみであるから、P2=Psとなる。よって、ΔP1,ΔP2は下記になる。
【0019】
【数3】
【0020】
よって、このような配管系において、第1配管Aを流れる空気の平均流速v1と第2配管Bを流れる空気の平均流速v2とをほぼ等しくするためには、つぎのようにすればよい。すなわち、第1配管Aにおける流れの抵抗ξ1と、第2配管Bにおける流れの抵抗ξ2とを大きくして、分岐点における静圧Psを高め、結果としてρ(v1 2/2)の項を相対的に小さくすることである。つまり、ブロアが設けられた空気供給管から分岐した各空気供給枝管のそれぞれに、U字状空気導入管部を有する水中攪拌式曝気装置が接続されているような配管系の場合、各U字状空気導入管部における曝気用空気の流れの抵抗を大きくするようにすればよい。これにより、設置された各水中攪拌式曝気装置のU字状空気導入管部(空気導入管)を流れる曝気用空気の平均流速がほぼ均一にされ、送り込まれる曝気用空気量に関し各水中攪拌式曝気装置間での格差を少なくすることができる。
【0021】
図8は本発明の作用を説明するための図であり、その(a)は、大風量曝気時においてU字状空気導入管部に取り付けられた送気量均一化管の働きを説明するための図、その(b)は、小風量曝気時において送気量均一化管の働きを説明するための図である。
【0022】
本発明においては、水中攪拌式曝気装置のU字状空気導入管部に、該U字状空気導入管部の水平部分から分岐して所定長さにて下方へ延び、管端より管内に被処理水が侵入する送気量均一化管を設けてある。この送気量均一化管により、小風量曝気時の場合でも、各水中攪拌式曝気装置に送り込まれる曝気用空気量をほぼ均一にすることができる。
【0023】
図8では、U字状空気導入管部301の出口は槽内の被処理水中にあり、理解を容易にするため、U字状空気導入管部301がいわゆる散気管であるとして説明する。実際には、槽内の被処理水中にあるU字状空気導入管部301の出口は図示しない水中攪拌式曝気装置の空気室に連通し、この空気室内には被処理水が侵入する。大風量(高風量)曝気時には、(a)に示すように、送り込まれる曝気用空気量が多いため、送気量均一化管302内に自由水面が形成され、各U字状空気導入管部301の出口からほぼ同量の気泡が発生する。この状態では送気量均一化管302による効果は明確には発揮されない。しかし、大風量曝気であるために、図7でいうv2はv2≠0である。つまり、第2配管Bにも曝気用空気が供給されている状態である。
【0024】
これに対し、小風量(低風量)曝気時には、(b)に示すように、U字状空気導入管部301内においては、曝気用空気は気泡の状態で被処理液中に分散しており、送気量均一化管302内には自由水面は存在しない。U字状空気導入管部301内の気泡(曝気用空気)は、U字状空気導入管部301内を出口に向かって上昇し、このときに周囲の被処理液を巻き込んで上昇する。したがって、送気量均一化管302の内部には被処理液による上向きの流れが生じており、曝気するために被処理液を流動させるための運動量と、被処理液がU字状空気導入管部301内を流れることによる圧力損失が生じる。この2つの要因が、小風量曝気時の場合、U字状空気導入管部301において曝気用空気の流れの抵抗を大きくする。このことにより、小風量曝気時の場合、各U字状空気導入管部301での曝気用空気の平均流速がほぼ均一化されて、各U字状空気導入管部301、つまり各水中攪拌式曝気装置に送り込まれる曝気用空気量をほぼ均一にすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による好気性生物処理槽の全体構成を概略的に示す断面図、図2は本発明に係る水中攪拌式曝気装置の構成を示す断面図である。
【0026】
図1において、符号11は好気性生物処理槽本体であり、この処理槽本体11の底部には、曝気を行うことで生物学的処理に必要な酸素を供給するために複数、図例では3基の水中攪拌式曝気装置21が設置されている。これらの水中攪拌式曝気装置21の各々は、後述の空気導入管29を有している(図2参照)。各水中攪拌式曝気装置21の空気導入管29には、図1に示すように、槽外に設置された同一の空気供給源であるブロワ12からの曝気用空気が、空気供給管13と空気供給枝管14を経て供給されるようになっている。
【0027】
そして、被処理液(汚水)は、流入管15より好気性生物処理槽本体11内に流入し、好気処理された処理液は処理液流出管16より流出する。処理槽本体11内において、水中攪拌式曝気装置21により、図1に示すような循環流を形成するようにしている。
【0028】
次に、図2を参照しながら、散気機能と攪拌機能とを有する前記水中攪拌式曝気装置21について説明する。この水中攪拌式曝気装置21は、同図に示すように、中央から放射状に延びる複数の吐出口22aを有する上部ケーシング22、及び吸込口23aを有する下部ケーシング23からなるケーシング24と、上部ケーシング22の中央に設けられている水中電動機25と、下部ケーシング23内に設けられ、水中電動機25によって回転される回転筒26と、回転筒26の外周面に取り付けられた複数のインペラ27と、送気量均一化管40が設けられた空気導入管29と、曝気装置サポート32とを備えている。前記回転筒26の上部外周には、内外に貫通する複数の散気口(図示省略)が設けられている。
【0029】
前記空気導入管29は、90°曲げ部を有するフック状をなしている。この全体としてフック状をなす空気導入管29は、下方へ垂直に延び、空気供給枝管14に接続されて該空気供給枝管14からの空気を下方へ導く下降空気導入管部30と、一端がこの下降空気導入管部30に接続され、他端が前記回転筒26の空気室28に接続されて、下降空気導入管部30からの空気を空気室28に導くU字状をなすU字状空気導入管部31と、このU字状空気導入管部31の水平部分から分岐し、所定長さhにて略垂直に下方へ延び、管端より管内に被処理水を侵入させるための送気量均一化管40とにより構成されている。
【0030】
このように構成される好気性生物処理槽において、水中電動機25を作動させて回転筒26を回転させると、インペラ27が回転することで、下部ケーシング23の吸込口23aから被処理液が吸い込まれ、この吸い込まれた被処理液は、上部ケーシング22の吐出口22aから槽内へ吐出される。一方、U字状空気導入管部31を経て空気室28に供給された空気は、回転している回転筒26の散気口から微細気泡となって上部ケーシング22内の被処理液中に噴出され、被処理液と混合撹拌して気液混相流として吐出口22aより槽内に送り込まれる。これにより、例えば、被処理液中のアンモニアを硝酸へ酸化する硝化処理が行われるようになっている。
【0031】
図3は図2に示す水中攪拌式曝気装置を13基備えた好気性生物処理槽の配管系を示す概略説明図である。
【0032】
図3に示す好気性生物処理槽は、必要設計風量:3060m3/h、処理水量:20,000m3/日のものであり、長さh:50cm、呼び径100Aの送気量均一化管40を空気導入管29に取り付けた水中攪拌式曝気装置21が、処理槽本体内に13基設置されている。空気供給管13(呼び径300A)から分岐したNo.1〜No.13の空気供給枝管14(呼び径100A)の各々に、前記水中攪拌式曝気装置21の前記空気導入管29が接続されている。
【0033】
ここで、送気量均一化管40を備えない従来の好気性生物処理槽では、全体風量が3000m3以下の場合、曝気用空気が送られてこない水中攪拌式曝気装置が存在する事態が発生した。また、その水中攪拌式曝気装置に接続された空気供給枝管14に設けられた空気供給弁を一旦閉じ、次いで該空気供給弁を開いてもその水中攪拌式曝気装置に曝気用空気が送られないことが観察された。
【0034】
これに対して、送気量均一化管40を備えた図3の好気性生物処理槽では、全体風量を360m3/hまで減少させた場合でも、各水中攪拌式曝気装置21に曝気用空気を供給することができるとともに、送り込まれる曝気用空気量に関し13基の水中攪拌式曝気装置21間での格差をほとんど無くすことができた。また、空気供給管13への送気を一旦停止し、しかる後に再度送気を行っても、各水中攪拌式曝気装置21に送り込まれる曝気用空気量をほぼ均一にすることを再現できた。
【0035】
次に、本発明に係る水中攪拌式曝気装置に備えられた、送気量均一化管が取り付けられた空気導入管について、その効果を従来型の空気導入管と比較して確認を行った実験例を説明する。
【0036】
図4は実験装置の概略説明図であり、従来型空気導入管103A,103Bの場合について図示してある。図4に示すように、空気供給管100に、それぞれ、空気供給枝管101を介して従来型空気導入管103A,103Bを接続してある。2本の従来型空気導入管103A,103Bのうち、空気導入管103Aが空気供給管100の先端部に空気供給枝管101を介して接続されている。各管100,101,103A,103Bの内径は20mmである。従来型空気導入管103A,103Bは、90°曲管とVLP直管とによって全体としてフック状の形状となされている。また、従来型空気導入管103A,103Bの先端吹出し口は、口径φ20mmのタイプ2のものと、口径φ15mmのタイプ1(吹出し口に内径15mmの蓋板を装着したもの)のものとがある。
【0037】
これらの従来型空気導入管103A,103Bを水槽104内の水中に位置させた状態で、ブロワ105から送気用ホース106、空気供給管100及び空気供給枝管101を介して、従来型空気導入管103A,103Bに空気を送り込んだ。ブロワ105による送気量(全体送気量)を漸増する場合と漸減する場合において、2本の従来型空気導入管103A,103Bからの空気の吹出しの様子を観察した。結果を表1に示す。
【0038】
また、従来型空気導入管103A,103Bに代えて、図5に示すように、送気量均一化管付きの空気導入管102A,102Bによる同様の実験を行った。送気量均一化管付きの空気導入管102A,102Bは、前記従来型空気導入管103A,103Bに送気量均一化管102aを装着したものであり、送気量均一化管102aは、内径20mm、長さ(h)330mmである。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1よりわかるように、前記タイプ1の従来型空気導入管では、最初に多量の空気を送気してからその送気量を減らして行くという送気量を漸減させる場合、送気量:25〜18.5L/minの範囲において両方の空気導入管103A,103Bからほぼ均一に空気を吹出すことがわかった。しかし、これ以外の場合は、空気導入管103Aからのみ空気が吐出されるという結果であった。
【0041】
これに対して、本発明に係る空気導入管102A,102Bによれば、タイプ1及びタイプ2とも、送気量が11〜16L/minと少ない場合でも、両方の空気導入管102A,102Bからほぼ均一に空気を吹出させることができた。また、送気量を漸増する場合と漸減する場合とにおける吹出し状態の差もほとんどないことがわかった。
【0042】
次に、図6を参照して本発明に係る送気量均一化管の長さhの求め方について説明する。
【0043】
図6において、符号200は本発明に係る空気導入管であり、空気導入管200のU字状空気導入管部201に、長さhの送気量均一化管202が取り付けられている。この場合、空気導入管200と送気量均一化管202の内径寸法は同一である。図6(a)において、p1:U字状空気導入管部201の平行部の圧力、p2:U字状空気導入管部201の出口圧力、p3:U字状空気導入管部201の出口外側(出口周囲)圧力、v12:U字状空気導入管部201を流れる空気の平均流速(m/s)、である。また、ρL:液体密度(1000kg/m3)、ρG:気体密度(1.2kg/m3)、g:重力加速度(m/s2)、である。また、pは水槽内における送気量均一化管202の出口位置高さにおける圧力pをp=p0(静水圧)とすると、送気量均一化管202の入口位置高さにおける圧力pは、p=p0+ρLghで与えられる。
【0044】
送気量均一化管202からU字状空気導入管部201の出口までの圧力損失をΔp12とし、U字状空気導入管部201の出口での散気噴出における圧力損失をΔp23とすると、圧力損失Δp12は下記の式1で与えられ、圧力損失Δp23は下記の式2で与えられる。ここで、λ2:送気量均一化管202からU字状空気導入管部201出口までの圧力損失係数、λ1:U字状空気導入管部201出口における圧力損失係数(散気噴出圧力損失係数)、である。
【0045】
【数4】
【0046】
図6(b)は大風量曝気時(大送気量時)を示す図である。同図において、h1は送気量均一化管202出口とU字状空気導入管部201出口との高さの差である。大風量曝気時には、p3+ρLgh1=p0であるから、式3が成立する。
【0047】
【数5】
【0048】
図6(c)は小風量曝気時(小送気量時)を示す図である。同図における圧力p3は、図示するように気泡離脱部(曝気用空気が気泡の状態で存在する領域と安全にエアーの状態で存在する領域との境界部)における周囲圧力である。小風量曝気時には、p3=p0であるから、式4が成立する。
【0049】
【数6】
【0050】
ここで、送気量均一化管202の長さhを求めるに際し、安全側をとって、前記式4を採用する。送気量均一化管202の入口から気泡が吹出さないようにするための条件は、式5で与えられる。そして、式1と式2より式6が得られ、式4、式5及び式6より、式7が得られる。
【0051】
【数7】
【0052】
ここで、圧力変動による送気量均一化管202内における自由水面位置の変動幅をαとすると、送気量均一化管の長さhは、式8で与えられる。
【0053】
ここで、一例として、図4で示した実験装置の場合、λ1:1.0、λ2:0.8、ρG:1.2kg/m3、ρL:1000kg/m3、v12:1.4m/s、α:100mmH2Oから、送気量均一化管の長さhはh=100.2mmとして求められる。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による好気性生物処理槽は、水中攪拌式曝気装置のU字状空気導入管部に、該U字状空気導入管部の略水平部分から分岐して下方へ延び、管端より管内に被処理水を侵入させるための送気量均一化管を設けてある。これにより本発明による好気性生物処理槽によれば、槽内に設置された複数の水中攪拌式曝気装置に同一の空気供給源から曝気用空気を供給するに際し、小風量曝気時の場合でも、曝気用空気が送られてこない水中攪拌式曝気装置が存在する事態をなくし、各水中攪拌式曝気装置に送り込まれる曝気用空気量をほぼ均一にすることができ、生物学的処理能力が低下することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による好気性生物処理槽の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明に係る水中攪拌式曝気装置の構成を示す断面図である。
【図3】図2に示す水中攪拌式曝気装置を13基備えた好気性生物処理槽の配管系を示す概略説明図である。
【図4】実験装置の概略説明図である。
【図5】図4に示す実験装置に用いた送気量均一化管付きの空気導入管の説明図である。
【図6】本発明に係る送気量均一化管の長さhの求め方を説明するための図である。
【図7】本発明の作用を説明するための図である。
【図8】本発明の作用を説明するための図である。
【図9】従来の好気性生物処理槽の全体構成を示す断面図である。
【図10】図9における水中攪拌式曝気装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
11…好気性生物処理槽本体 12…ブロワ 13…空気供給管 14…空気供給枝管 15…流入管 16…処理液流出管 21…水中攪拌式曝気装置 22…上部ケーシング 22a…吐出口 23…下部ケーシング 23a…吸込口24…ケーシング 25…水中電動機 26…回転筒 27…インペラ 28…空気室 29…空気導入管 30…下降空気導入管部 31…U字状空気導入管部 32…曝気装置サポート 40…送気量均一化管
Claims (1)
- U字状空気導入管部を有する水中攪拌式曝気装置が槽内に複数設置され、同一の空気供給源からの曝気用空気を、前記各U字状空気導入管部に導いて前記複数の水中攪拌式曝気装置にそれぞれ供給し、被処理水を生物学的に処理する好気性生物処理槽において、
前記U字状空気導入管部に、該U字状空気導入管部の略水平部分から分岐して下方へ延び、管端より管内に被処理水を侵入させるための送気量均一化管が設けられていることを特徴とする好気性生物処理槽。
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