JP3842500B2 - 無線携帯端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ノート型のパーソナル・コンピュータや携帯情報端末等の情報端末装置を、携帯電話機等の無線携帯端末装置と組み合わせて使用する無線携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、モバイル・コンピューティングの推進に伴い、ノートパソコンや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の情報端末装置を携帯電話機等の無線携帯端末装置に接続して使用することが多くなっている。
【0003】
その最も一般的な使用形態は、ノートパソコンを携帯電話機にケーブルとシステムコネクタを使用して接続するものである。しかし、この場合ノートパソコンと携帯電話機との間をその都度ケーブルで接続しなければないないという不便さや、携帯電話機とノートパソコンとの間の離間距離がケーブル長により例えば20〜30cm程度に規制されるため使い勝手が悪いという不具合がある。
【0004】
この不具合を解決するべく、ノートパソコンと携帯電話機との間を赤外線通信技術を用いて接続することが考えられている。これは例えばIrDA(InfraRed Data Association)として知られている。このIrDAを使用すればケーブルを不要にできるため、その分利便性は向上する。しかし、赤外線は指向性があるため、携帯電話機とノートパソコンとの間の置き方や位置、角度等に制約が生じ、また携帯電話機とノートパソコンとの間に障害物が入ると赤外線が遮られて通信を行えなくなるため注意が必要であり、モバイル・コンピューティングには適していない。
【0005】
そこで、最近では電波を使用したワイヤレス通信が注目されており、その通信規格の一つとしてブルートゥース(BT:Bluetooth)がある。BTは、ISM(Industry Science Medical)バンドを利用した短距離無線通信規格で、最大通信距離は10mである。BTを使用するとケーブルを不要にでき、しかもIrDAのような機器間の置き方等についての制約がなくなるため、ノートパソコン及び携帯電話機の使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ノートパソコンと携帯電話機との間を接続する場合のBTの具体的な用途としては、現在のところまだ情報データの転送しか考えられておらず、携帯電話機の動作状態は携帯電話機で、またノートパソコンの動作状態はノートパソコンで確認しなければならず、ユーザにとっては使い勝手のさらなる向上が望まれていた。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、情報端末装置を無線携帯端末装置に接続して使用する場合の利便性をさらに高めた無線携帯端末装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、移動通信網の基地局に対し第1の無線チャネルを介して接続されると共に、上記第1の無線チャネルより小さな電力を使用する第2の無線チャネルを介して情報端末装置に接続されるバッテリ駆動型の無線携帯端末装置にあって、自装置の動作状態を監視する動作状態監視手段と、この動作状態監視手段により検出された動作状態を表す情報を上記第2の無線チャネルを介して上記情報端末装置へ転送し表示させる表示情報転送制御手段に加えて、表示制御手段を設ける。そして、この表示制御手段により、上記表示情報転送制御手段が動作情報を表す情報を情報端末装置へ転送して表示させている期間に、自装置の表示手段に対する上記転送した情報と同一の情報の表示を停止させるようにしたものである。
【0019】
このようにすることで、同一の情報が無線携帯端末装置と情報端末装置の両方に重複して表示される無駄をなくすことができ、これにより無線携帯端末装置の表示手段において消費される電力を低減して、無線携帯端末装置のバッテリ寿命を延ばすことが可能となる。
【0020】
一方、この発明の第2の観点は、移動通信網の基地局に対し第1の無線チャネルを介して接続されると共に、上記第1の無線チャネルより小さな電力を使用する第2の無線チャネルを介して情報端末装置に接続されるバッテリ駆動型の無線携帯端末装置にあって、バッテリの残り容量が、自装置が動作可能な最低レベル以下に低下したか否かを監視するアラーム発生監視手段と、制御手段とを設ける。そして、この制御手段により、上記アラーム発生監視手段によりバッテリの残り容量が前記最低レベル以下に低下したことが検出された場合に、上記情報端末装置との間に上記第2の無線チャネルによる無線リンクを形成して当該情報端末装置の電源をオンさせると共に、上記バッテリ残り容量の低下を表す表示データを情報端末装置に送信し表示させるようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わる無線携帯端末装置を使用した移動無線通信システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【0024】
携帯電話機MSは、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式による無線通信機能と、BT(Bluetooth)方式による無線通信機能とを備えている。W−CDMA方式は、2GHz帯において例えば5MHz の帯域幅を使用して高速で大容量のマルチメディア移動通信を可能にするもので、サービスエリア内に分散配置された基地局BSとの間で同期をとった上で通信を行う。携帯基地局と移動局との間の無線アクセス方式としてはCDMA方式が使用され、また上り方向と下り方向の多重方式にはDS−FDD(Direct Sequence-Frequency Division Duplex)、MC−FDD(Multi Carrier-Frequency Division Duplex)及びTDD(Time Division Duplex)の3方式が選択的に使用される。
【0025】
これに対しBT方式は、2.4GHz帯のISMバンドを利用して、1mWの小さな電力の電波により10m以内の短距離間で無線通信を行うもので、携帯電話機MSとノート型のパーソナル・コンピュータPCとの間を接続する方式として使用される。なお、BT方式は、パーソナル・コンピュータとプリンタ、キーボード、マウス、ディジタルカメラ等の周辺機器との間接続する場合にも適用される。
【0026】
BT方式では、ノイズの多い環境でも動作するように、無線伝送方式としてホップ周波数が1600ホップ/secに設定された周波数ホッピング方式が用いられる。また、通信相手との間では非同期チャネルによる無線通信が可能であり、転送速度は全体で1Mbps となっている。さらに、10m以内の使用範囲で最大8台の機器を接続可能である。これらの機器はピコネットと呼ばれるネットワークを形成し、1台がマスタ、その他の機器がスレーブとして機能する。ピコネット内の機器では、PIN(Personal Identification Number)コードと呼ばれる暗証番号によって接続認証が行われる。
【0027】
ところで、このようなW−CDMA方式とBT方式という2つの無線通信方式を備えた携帯電話機MSは、例えば次のように構成される。図2はその構成を示す回路ブロック図である。
【0028】
すなわち、この携帯電話機は制御ユニット1と、W−CDMA用の無線ユニット2と、通話ユニット3とを備え、さらにBT用の無線部4と、画像処理ユニット5と、バッテリ61の出力をもとに動作電圧Vccを生成する電源回路6と、電圧低下検出回路7とを備えている。
【0029】
制御ユニット1は、CPUを有する主制御回路11と、メモリ12とを備えている。主制御回路11は、装置内各部を制御することで、W−CDMA方式による複数種の無線通信モードと、BT方式による複数種の無線通信モードと、音声の録音・再生等の非通信の動作モードとを統括的に制御する。メモリ12は、上記W−CDMA方式及びBT方式により送信すべきデータや受信したデータ等を蓄積するために使用される。
【0030】
W−CDMA用の無線ユニット2は、W−CDMA無線部21と、電圧制御部22とを備えている。W−CDMA無線部21は、W−CDMA方式により携帯基地局BSとの間でアンテナ23を介してCDMA信号の送受信を行う。拡散符号のチップレートは4.096Mcpsに設定され、一次変調方式にはQPSK方式が使用される。電圧制御部22は、主制御回路11の指示に従い、W−CDMA無線部21により送信されるCDMA信号の送信レベルの制御を行う。
【0031】
通話ユニット3は、音声コーデック(CODEC)部31と、マイクロホン32とレシーバ33とを備えている。音声コーデック部31は、マイクロホン32から入力された送話音声信号を所定の音声符号化方式に従い符号化すると共に、上記W−CDMA無線部21から主制御回路11を介して入力された受信信号を復号して受話信号に変換し、レシーバ33から拡声出力する。
【0032】
BT無線部4は、パーソナル・コンピュータPCとの間でBT方式により無線信号の送受信を行う。なお、41はこのBT方式による無線信号を送受信するためのために使用されるアンテナである。
【0033】
画像処理ユニット5は、画像処理部51と、CCD又はCMOS固体撮像素子を用いたカメラ52と、液晶(LCD)を使用した表示部53とを備えている。画像処理部51は、カメラ52により撮像された画像信号に対し符号化等の符号化処理を施し、この画像信号をW−CDMA方式を用いたテレビジョン(TV)電話通信や画像データ通信等のために、制御ユニット1へ入力する。またそれと共に、受信画像データ又はメモリ12に記憶されていた画像データを復号処理して表示部53に表示させる。
【0034】
電圧低下検出回路7は、電源回路6から出力された動作電圧Vccの電圧値を監視し、この電源電圧の検出値をディジタル値に変換して制御ユニット1の主制御回路11に入力する。主制御部11はこの電源電圧の検出値をもとにバッテリ61の残容量又は残り使用時間を算出する。
【0035】
ところで主制御部11はマイクロコンピュータを備えたもので、その制御機能として、携帯基地局BSとの間のW−CDMA方式による通信制御手段や、パーソナル・コンピュータPCとの間のBT方式による通信制御手段、画像処理ユニット5における画像の撮像・再生制御手段、音声ユニット3における音声記録・再生制御手段等の通常制御機能を備え、さらにそれに加え表示データ転送制御機能111を備えている。
【0036】
表示データ転送制御手段111は、パーソナル・コンピュータPCとの間がBTの無線チャネルを介して接続された状態で、この時点での携帯電話機MSの動作状態を表す情報、例えば携帯基地局BSからの受信電界強度を表す情報と、バッテリ61の残容量又は残り使用時間を表す情報を、BTの無線チャネルを介してパーソナル・コンピュータPCへ送出してそのディスプレイに表示させる。
【0037】
次に、以上のように構成された無線通信システムの動作を説明する。図3は、携帯電話機MSの主制御部11における表示データ転送制御手順とその制御内容を示すフローチャートである。
【0038】
すなわち、携帯電話機MSの待受け状態、つまり携帯基地局BSからの着信を待ち受けている状態において、携帯電話機MSをパーソナル・コンピュータPCに接続するために、図示しないキー入力部を操作してPC接続要求を入力したとする。そうすると、主制御部11はステップ3aからステップ3bに移行し、ここで携帯電話機MSとパーソナル・コンピュータPCとの間で予め定められているBT通信用のID(ここではPIDと呼ぶ)を、BT無線部4からパーソナル・コンピュータPCに向け送信する。
【0039】
このPIDの送信後、主制御部11はステップ3dでタイムアウトを監視しながら、ステップ3cでパーソナル・コンピュータPCからの応答を監視する。そして、タイマがタイムアウトする前にパーソナル・コンピュータPCから応答が到来すると、ステップ3eでパーソナル・コンピュータPCとの間にBT用の無線チャネルを介して無線リンクを設定するための制御を実行する。なお、応答が到来せず上記タイマがタイムアウトした場合には、PIDが一致しなかったか、或いはパーソナル・コンピュータPCが電波の届かない状態にあるものと判断して、待受状態に復帰する。
【0040】
さて、パーソナル・コンピュータPCとの間にBT無線チャネルを使用して無線リンクが設定されると、主制御部11はステップ3fにおいて、携帯電話機MSの表示画面に表示中の表示データ、つまり現時点での携帯基地局BSからの受信電界強度を表す情報と、バッテリ61の残容量又は残り使用時間を表す情報を、BT無線機4からパーソナル・コンピュータPCに向け送信する。パーソナル・コンピュータPCは、携帯電話機MSからの表示データを受信すると、自身のディスプレイ上に上記受信した表示データを表示する。第4図はその表示結果の一例を示すもので、イは受信電界強度の大きさを、またロはバッテリ61の残り容量を示している。
【0041】
また上記表示データを送信すると携帯電話機MSは、ステップ3gで時間T1の経過を監視する。そして、時間T1が経過するとステップ3hで無線リンクの状態が良好かどうかを判定し、良好ならばステップ3iでT1タイマをリセットしてT1の計時を再開した後、ステップ3fに戻って表示データの送信を行う。すなわち、携帯電話機MSは、時間T1周期で新たな表示データをパーソナル・コンピュータPCへ送信する。
【0042】
これに対し、例えば携帯電話機MS又はパーソナル・コンピュータPCの移動や電波障害等により、パーソナル・コンピュータPCとの間で無線リンクを保持することが困難になると、主制御部11はステップ3jで図示しないサウンダからアラームを発生して、ユーザにその旨を報知する。そして、このアラームの発生中にステップ3kでタイムアウトを監視し、タイムアウトする前に無線リンクが正常に戻った場合には、アラームを停止してステップ3iでT1タイマをリセットした後、ステップ3fに戻って表示データの送信を行う。
【0043】
これに対しアラームの発生時間が所定時間に達し、これによりタイマがタイムアウトすると、主制御部11はステップ3mに移行してここで表示データの転送制御を終了して待受状態に復帰する。
【0044】
このように第1の実施形態では、携帯基地局からの待受期間中に、携帯電話機MSとパーソナル・コンピュータPCとの間にBT無線チャネルによる無線リンク形成し、携帯電話機MSからパーソナル・コンピュータPCへ、携帯基地局BSからの受信電界強度及びバッテリ61の残容量又は残り使用時間を表す情報を周期的に転送して、パーソナル・コンピュータPCのディスプレイに表示するようにしている。
【0045】
したがって、ユーザは、携帯電話機MSの表示を一切見ることなくパーソナル・コンピュータPCのディスプレイを見るだけで携帯電話機MSの動作状態を確認することができるようになる。このため、パーソナル・コンピュータPCを使用しているときには、携帯電話機MSは鞄やポケット等に収容したままでよくなり、これにより使い勝手は大幅に向上する。
【0046】
(第2の実施形態)
この発明に係わる無線携帯端末装置の第2の実施形態は、表示データの内容の変化を監視し、表示データの内容が前回送信した表示テータより所定量以上変化したことが検出された場合に、この変化した表示データをパーソナル・コンピュータPCへ送信するようにしたものである。
【0047】
図5は、本実施形態における携帯電話機の構成を示す回路ブロック図である。なお、同図において前記図5と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0048】
主制御部11は、表示データ転送制御手段111aと、表示データ変化監視手段112とを備えている。
【0049】
表示データ変化監視手段112は、電圧低下検出回路7の検出出力をもとに、バッテリ61の残り容量が前回の表示データ送信時に比べ所定量以上変化したか否かを監視する。またそれと共に、W−CDMA無線部21に設けられた受信電界強度検出回路の検出出力をもとに、携帯基地局BSから到来する無線信号の受信電界強度が前回の表示データ送信時に比べ所定量以上変化したか否かを監視する。
【0050】
表示データ転送制御手段111aは、携帯基地局BSからの待受状態において、パーソナル・コンピュータPCとの間にBT無線チャネルによる無線リンクを形成し、この状態で上記表示データ変化監視手段112により表示データの所定量以上の変化が検出された場合に、表示データをパーソナル・コンピュータPCへ送信する。
【0051】
このような構成であるから、待受状態において携帯電話機MSは、図6に示すようにステップ3eでパーソナル・コンピュータPCとの間に無線リンクを形成すると、ステップ3fで表示データを送信するごとに、ステップ3gで時間T1の経過を監視しながらステップ6aで表示内容の変化を監視している。そして、この状態で前回の表示データ送信時に比べ、受信電界強度が所定量以上変化するか、又はバッテリ61の残り容量が所定量以上変化したことが検出されると、ステップ6aからステップ3fに戻って、変化した表示データをパーソナル・コンピュータPCへ送信する。
【0052】
また、時間T1が経過した場合にも、主制御部11はステップ3hでBT無線リンクが良好に保たれていることを確認した後、ステップ6aで表示内容の変化を判定する。そして、前回の表示データ送信時に比べ、受信電界強度が所定量以上変化するか、又はバッテリ61の残り容量が所定量以上変化したことが検出された場合にのみ、ステップ3fに戻って表示データをパーソナル・コンピュータPCへ送信する。
【0053】
すなわち、一度表示データを表示した後では、表示内容が所定量以上変化しなければ表示データの送信を行わず、変化した場合にのみ表示データの送信が行われることになる。
【0054】
一般に、受信電界強度は頻繁には変化せず、特に静止している場合や低速で移動中の場合にはほとんど一定である。したがって、上記したように受信電界強度が所定量以上変化した場合のみパーソナル・コンピュータPCに通知するように制御することで、BT無線部4等の動作時間が大幅に短縮され、これにより回路の低消費電流化が図れる。さらにバッテリ61の残量表示についても、ユーザが注意を要するほどの変化は通常1〜2日に1回程度である。このため、上記したようにバッテリ61の残り容量が所定量以上変化したときのみ表示データを送信するように制御することで、バッテリ61の残り容量の通知は1〜2日に1度で済むことになり、これによってもBT無線部4等の動作時間は大幅に短縮されて、回路の低消費電流化が図れる。
【0055】
なお、バッテリ61の残り容量にユーザが注意を要する状態は、一般にバッテリ61の残り容量が減少していわゆる電池切れになる直前である。したがって、この点に着目し、バッテリ61の残り容量がしきい値を下回った場合には、バッテリ61の残り容量の変化を細かく検出し、少量の変化が検出されるごとにバッテリ61の残り容量をパーソナル・コンピュータPCへ通知するようにするとよい。
【0056】
(第3の実施形態)
この発明に係わる第3の実施形態は、携帯電話機の動作状態が緊急報知すべき状態になったか否かを監視する機能を設け、この機能により緊急報知すべき状態が検出された場合、及びユーザによる表示データの転送指示が入力された場合に、パーソナル・コンピュータPCとの間にBT無線チャネルによる無線リンクを形成して、表示データを転送するようにしたものである。
【0057】
図7は、本実施形態における携帯電話機の構成を示す回路ブロック図である。なお、同図において前記図5と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0058】
主制御部11は、表示データ転送制御手段111bと、アラーム発生監視手段113とを備えている。
【0059】
アラーム発生監視手段113は、電圧低下検出回路7の検出出力をもとに、バッテリ61の残り容量が、携帯電話機MSが動作可能な最低レベル以下に低下したか否かを監視する。
【0060】
表示データ転送制御手段111bは、上記アラーム発生監視手段113によりバッテリ61の残り容量がないと判定された場合と、ユーザが表示データの転送指示をキー入力した場合に、パーソナル・コンピュータPCとの間にBT無線チャネルによる無線リンクを形成し、この無線リンクを介して表示データをパーソナル・コンピュータPCへ送信する。
【0061】
このような構成であるから、待受状態において携帯電話機MSは、主制御部11においてステップ3aでユーザのキー操作によるPC接続要求の発生を監視しながら、ステップ8aにおいてアラームの発生監視を行っている。
【0062】
この状態で、ユーザが表示データの転送指示を入力するか、又はバッテリ61の残り容量がないと判定されたとする。そうすると主制御部11は、ステップ3bで携帯電話機MSとパーソナル・コンピュータPCとの間で予め定められているBT通信用のPIDを、BT無線部4からパーソナル・コンピュータPCに向け送信する。そして、ステップ3eでパーソナル・コンピュータPCとの間にBT無線チャネルによる無線リンクが形成されると、ステップ3fで当該無線リンクを介してパーソナル・コンピュータPCへ表示データを送信する。
【0063】
したがってこの第3の実施形態によれば、ユーザが表示データの転送指示を入力しなくても、バッテリ61の残り容量がほとんどなくなると、自動的にパーソナル・コンピュータPCとの間に無線リンクが形成されて表示データが送信される。このため、ユーザは携帯端末装置MSの表示器を常に監視していなくても、バッテリ61の消耗をパーソナル・コンピュータPCのディスプレイにより確認することが可能となり、これによりバッテリ61が完全になくなる前にバッテリ交換を行うことができる。
【0064】
またこの場合、利用者はパーソナル・コンピュータPCがオフとされているときも知ることができた方が便利である。そこで、パーソナル・コンピュータPCのBT無線部を動作可能としておき、携帯電話機MSでアラームが発生したときにはBT無線部を介してパーソナル・コンピュータPCをオンにして、アラームを表示させるように構成してもよい。
【0065】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、PIDを1回送信するとその後一定時間はパーソナル・コンピュータPCからの応答のみを監視するようにしたが、図9に示すようにステップ9aでタイムアウトが検出されるまでの間にステップ3bによるPIDの送信を繰り返し行うようにしてもよい。
【0066】
このようにすると、パーソナル・コンピュータPCとの間の無線状態が一時的に劣化して、PIDがパーソナル・コンピュータPCに到達しなかったか或いは応答が携帯電話機MSに届かなかったとしても、PIDを繰り返し送信することにより、パーソナル・コンピュータPCとの間に無線リンクを形成できる確率を高めることができる。
【0067】
また、前記各実施形態では、パーソナル・コンピュータPCとの間に一旦無線リンクが形成されると、以後このリンクを保持して表示データを周期的に送信し続けるようにしたが、表示データを1回送信するごとにパーソナル・コンピュータPCとの間の無線リンクを開放し、表示データを送信するごとに無線リンクを形成するようにしてもよい。
【0068】
このようにすると、パーソナル・コンピュータPCとの間の無線リンクを常時保持する必要がなくなるので、BT無線部4による電力消費量を低減することができ、これによりバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0069】
さらに、前記各実施形態では、携帯電話機MSとパーソナル・コンピュータPSとを1対1に接続する場合を例にとって説明したが、1対n、n対1或いはn対nの場合にも本発明は同様に適用可能である。これを実現するには、各機器間の表示データの伝送タイミングをずらすか、又は表示データを拡散変調するための拡散コードを異ならせればよい。
【0070】
なお、ここで云う1対nの場合とは、1台の携帯電話機MSとBT無線機を介してn台のパーソナル・コンピュータPCが接続可能となっている場合であり、n対1とはその逆を示す。特にn対1の場合には、n台の携帯電話機MSのうち最小の受信電界強度のものの状態のみを表示することにより、すべての携帯電話機MSが使用可能であることを示す等の変形が可能である。また、1台の携帯電話機MSと1台のPHS端末といった、異なる方式の無線携帯端末と接続可能な場合に、受信状態が良い方を表示するようにしてもよい。
【0071】
さらに、表示データを携帯電話機MSからパーソナル・コンピュータPCに転送して表示させた場合、携帯電話機MSにおける同一内容の表示データは表示器から消去するようにしてもよい。このようにすると、携帯電話機MSの表示回路部で消費される電力を低減することが可能となる。この効果は、携帯電話機MSに消費電流が比較的大きいカラー液晶表示器を使用している場合に顕著に現れる。
【0072】
また、前記各実施形態では、パーソナル・コンピュータPCへ転送表示対象の表示データの種類(動作状態の種類)が予め固定的に設定されている場合を例にとって説明したが、携帯電話機MSにおいてユーザがキー操作等により任意に指定できるようにしてもよい。また、転送表示対象の表示データの種類(動作状態の種類)の指定を、パーソナル・コンピュータPCにおいて行うようにしてもよい。この場合には、指定データをパーソナル・コンピュータPCから携帯電話機MSに通知し、以後携帯電話機MSがこの指定データに従って転送すべき表示データを選択する。
【0073】
また、このようにユーザが転送表示対象の表示データ(動作状態の種類)を入力指定する場合に、携帯電話機MS或いはパーソナル・コンピュータPCの表示画面に各表示データ(動作状態の種類)の選択メニューを表示し、このメニュー上でユーザが希望する表示データ(動作状態の種類)をカーソル等により指定するように構成するとよい。このようにすると、表示データ(動作状態の種類)が多数ある場合でも、ユーザは誤ることなく簡単に指定することができる。
【0074】
さらに、ユーザの指定対象は表示データの種類(動作状態の種類)ばかりでなく、表示条件を併せて指定するように構成してもよい。この場合、表示条件としては、表示時間間隔や表示内容の変化量、転送表示相手等が考えられる。
【0075】
また、前記各実施形態では小さな電力の第2の無線チャネルとして、BTを用いた場合を例にとって説明したが、小さな電力または微弱電波を用いた無線システムを適用してもよい。
【0076】
さらに、無線携帯端末装置の種類としては、GSM、PDC、N−CDMA、PHS等のシステムに対応した端末装置であってもよく、その他情報端末装置の種類やその構成、表示データの種類やその内容、表示データ転送制御手順とその制御内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、移動通信網の基地局に対し第1の無線チャネルを介して接続されると共に、上記第1の無線チャネルより小さな電力を使用する第2の無線チャネルを介して情報端末装置に接続されるバッテリ駆動型の無線携帯端末装置にあって、自装置の動作状態を監視する動作状態監視手段と、この動作状態監視手段により検出された動作状態を表す情報を上記第2の無線チャネルを介して上記情報端末装置へ転送し表示させる表示情報転送制御手段に加えて、表示制御手段を設ける。そして、この表示制御手段により、上記表示情報転送制御手段が動作情報を表す情報を情報端末装置へ転送して表示させている期間に、自装置の表示手段に対する上記転送した情報と同一の情報の表示を停止させるようにしている。
また、移動通信網の基地局に対し第1の無線チャネルを介して接続されると共に、上記第1の無線チャネルより小さな電力を使用する第2の無線チャネルを介して情報端末装置に接続されるバッテリ駆動型の無線携帯端末装置にあって、バッテリの残り容量が、自装置が動作可能な最低レベル以下に低下したか否かを監視するアラーム発生監視手段と、制御手段とを設ける。そして、この制御手段により、上記アラーム発生監視手段によりバッテリの残り容量が前記最低レベル以下に低下したことが検出された場合に、上記情報端末装置との間に上記第2の無線チャネルによる無線リンクを形成して当該情報端末装置の電源をオンさせると共に、上記バッテリ残り容量の低下を表す表示データを情報端末装置に送信し表示させるようにしている。
【0079】
したがってこの発明によれば、情報端末装置を無線携帯端末装置に接続して使用する場合の利便性をさらに高めた無線携帯端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わる無線携帯端末装置を使用した移動無線通信システムの一例を示す概略構成図。
【図2】 この発明に係わる無線携帯端末装置の第1の実施形態である携帯電話機の構成を示す回路ブロック図。
【図3】 図2に示した携帯電話機による表示データ転送制御手順とその内容を示すフローチャート。
【図4】 パーソナル・コンピュータにおける表示データの表示結果の一例を示す図。
【図5】 この発明に係わる無線携帯端末装置の第2の実施形態である携帯電話機の構成を示す回路ブロック図。
【図6】 図5に示した携帯電話機による表示データ転送制御手順とその内容を示すフローチャート。
【図7】 この発明に係わる無線携帯端末装置の3の実施形態である携帯電話機の構成を示す回路ブロック図。
【図8】 図7に示した携帯電話機による表示データ転送制御手順とその内容を示すフローチャート。
【図9】 その他の表示データ転送制御手順とその内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
BS…W−CDMA方式用の携帯基地局
MS…携帯電話機
PC…パーソナル・コンピュータ
1…制御ユニット
2…W−CDMA用の無線ユニット
3…通話ユニット
4…BT無線部
5…画像処理ユニット
6…電源回路
7…電圧低下検出回路
11…主制御回路
12…メモリ
21…W−CDMA無線部
22…電圧制御部
23…W−CDMA通信用のアンテナ
31…音声コーデック部
32…マイクロホン
33…レシーバ
41…BT通信用のアンテナ
51…画像処理部
52…カメラ
53…表示部
61…バッテリ
111…表示データ転送制御手段
112…表示データ変化監視手段
113…アラーム発生監視手段

Claims (2)

  1. 移動通信網の基地局に対し第1の無線チャネルを介して接続されると共に、前記第1の無線チャネルより小さな電力を使用する第2の無線チャネルを介して情報端末装置に接続されるバッテリ駆動型の無線携帯端末装置であって、
    自装置の動作状態を監視する動作状態監視手段と、
    この動作状態監視手段により検出された動作状態を表す情報を、前記第2の無線チャネルを介して前記情報端末装置へ転送し表示させる表示情報転送制御手段と、
    前記表示情報転送制御手段により動作情報を表す情報を情報端末装置へ転送して表示させている期間に、自装置の表示手段に対する前記転送した情報と同一の情報の表示を停止させる表示制御手段とを具備したことを特徴とする無線携帯端末装置。
  2. 移動通信網の基地局に対し第1の無線チャネルを介して接続されると共に、前記第1の無線チャネルより小さな電力を使用する第2の無線チャネルを介して情報端末装置に接続されるバッテリ駆動型の無線携帯端末装置であって、
    バッテリの残り容量が、自装置が動作可能な最低レベル以下に低下したか否かを監視するアラーム発生監視手段と、
    前記アラーム発生監視手段によりバッテリの残り容量が前記最低レベル以下に低下したことが検出された場合に、前記情報端末装置との間に前記第2の無線チャネルによる無線リンクを形成して、当該情報端末装置の電源をオンさせると共に、前記バッテリ残り容量の低下を表す表示データを情報端末装置に送信し表示させる制御手段とを具備することを特徴とする無線携帯端末装置。
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