JP3842181B2 - 米飯供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、米飯供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の米飯供給装置は、ホッパーと、ホッパーから供給された米飯を解す解し装置と、解し装置で解された米飯を上方より下方へ圧縮移送する米飯圧縮移送装置とを備えている。
【0003】
そして、前記米飯圧縮移送装置は、前後部に対向配置された2個一対の送りローラを、上方より下方に漸次幅狭となるよう複数段配設すると共に、各送りローラの左右両端に2枚一対の米飯の案内板を対向配置した構成となっている。
【0004】
さらに、前記米飯圧縮移送装置の下端には、左右方向へ開閉自在に保持された2枚一対のカッター及び4枚の折込み板からなる海苔巻成形板が順次上下配置に設けられている。
【0005】
このように構成される従来の米飯供給装置は、次のように作動される。
先ず、前記海苔巻成形板上の所定位置にあらかじめ海苔シートを敷く。
【0006】
次いで、スイッチをオンし、ホッパーから供給された米飯が解し装置を経由して米飯圧縮移送装置へ投入されると、当該米飯は、各段の送りローラによって漸次圧縮されながら上方から下方へ移送し、最下部の送りローラ下方に連続板状米飯となって垂下する。
【0007】
次いで、この垂下された連続板状米飯に対して両側からカッターを閉鎖すると、所定の長さに切断された板状米飯が海苔巻成形板状に落下する。
この際、海苔巻成形板は後方より前方へ移動するため、落下した板状米飯は海苔巻成形板上の海苔シート全体に平らに展開された状態で載せられる。
【0008】
次いで、板状米飯の中央部の横方向に具を置き、海苔巻成形板を構成する4枚の折込み板を上方に四角筒状に折込んだ後に、当該折込み板を元のように平らに展開することで隅丸四角形状の海苔巻が成形されるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の米飯成形装置では、あらかじめ設定された長さの海苔巻しか成形できないものである。
【0010】
つまり、従来の米飯圧縮移送装置では、あらかじめ設定された送りローラの長さ及びその両側に設けられる米飯案内板の間隔でしか米飯は供給できないため、例えば長方形の海苔シートを横長に敷いて、その上に海苔シートの横寸法に合せて米飯を供給するよう設定した場合、海苔シートを横長より短い縦長に敷いて、その上に海苔シートの縦寸法に合せて米飯を供給することは不可能である。
【0011】
このように供給される米飯の横幅を変更する場合は、全ての送りローラ及び案内板を設定寸法に合せたものに交換する必要があり、作業性の低下の問題と経済性の悪化の問題が生ずる。
【0012】
本発明は、上記した従来の技術が有するこのような問題点に鑑みなされたもので、米飯圧縮移送装置の各送りローラの長さ及びその両側の米飯案内板の間隔をワンタッチで簡単かつ迅速に変更できるようにして、供給される板状米飯の横幅の変更を可能とした米飯供給装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る米飯供給装置は、請求項1では、ホッパーと、ホッパーから供給された米飯を解す解し装置と、解し装置で解された米飯を上方より下方へ圧縮移送する米飯圧縮移送装置とを備え、前記米飯圧縮移送装置を、前後部に対向配置された2個一対の送りローラを、上下方向に複数段配設すると共に、各送りローラの左右両端に米飯の案内板を対向配置した構成とした米飯供給装置において、
前記各送りローラを、本体ローラ及び外径が本体ローラと同径の長さ調整ローラにて形成し、該長さ調整ローラを、本体ローラの左右両側に、本体ローラ両端面に当接する位置と、前記案内板が介挿できる隙間を保持する位置に各固定されるよう、スライド自在に設けたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2では、本体ローラの両端面から先端にかけて、案内板が介挿できる隙間形成用のこれと同幅の環状凹溝、突起、前記同様の環状凹溝、突起を順次連設してなる取付軸を突設し、調整ローラの端面板の中央に本体ローラの取付軸に嵌合する嵌合穴を設けたことを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項3では、送りローラの長さを海苔シートの長手幅と同長に設定すると共に、送りローラの中の本体ローラの長さを海苔シートの短手幅と同長に設定したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る米飯供給装置の実施の形態について図面を参照して容易に説明する。
図1は、同上装置全体を示す側面図、図2は同上装置全体を示す正面図、図3及び図4は送りローラと米飯の供給状態を示す各説明図、図5は米飯案内板を示す側面図、図6は送りローラに対する米飯案内板の取付け状態を示す斜視図、図7及び図8は海苔シートと海苔巻を示す各説明図、図9は送りローラにおける本体ローラの側面図、図10は送りローラにおける調整ローラの側面図、図11は本体ローラと調整ローラの一部を切欠した正面図、図12は図11のA−A矢視断面図、図13は本体ローラの両端に調整ローラを嵌合した一例を示す一部を切欠した断面図、図14は同上の他例を示す一部を切欠した断面図である。
【0017】
当該米飯供給装置Aは、図1及び図2に示したように、ホッパー1と、ホッパー1から供給された米飯aを解す解し装置2と、解し装置2で解された米飯aを上方より下方へ圧縮移送する米飯圧縮移送装置7とを備えている。
【0018】
前記解し装置2は、ホッパー1の下端に連通連結した角筒部3の上下部位に内蔵された2本の解し羽根4、5にて構成されている。
これら解し羽根4、5は、角筒部3の両側板3a、3aに支持された回転軸4a、5aと、該回転軸の長さ方向に亘って等間隔にかつ周方向に亘っても等間隔に各直角に突設した複数本の解しバー4b、5bにて形成され、回転軸4a、5aに連動連結した駆動用のモータ(図示しない)を駆動させることにより解し羽根4、5を図中矢印方向へ回転させ、ホッパー1から角筒部3内に投入された米飯aをバラバラに解す作用をする。
【0019】
図1において、6はセンサーであり、解し装置2における解し羽根4、5を回転させたり、あるいはその回転を停止させることにより、米飯圧縮移送装置7に対する米飯aの供給量を適正にコントロールするよう機能する。
【0020】
前記米飯圧縮移送装置7は、前後部に対向配置された2個一対の送りローラ8、9を、上下方向に複数段(本実施形態では2段)、配設すると共に、各送りローラ8、9の両端に米飯aの案内板10、11を対向配置した構成となっている。
【0021】
各送りローラ8、9は、その外周の軸方向に長い凹凸条部8a、9aを全周に亘って等間隔に形成することによって米飯aに対して強い送り力を与えている。
【0022】
而して、各送りローラ8、9は、図11ないし図14に示したように、本体ローラ12、及び外径が本体ローラ12と同径の長さ調整ローラ13、13にて形成され、両長さ調整ローラ13、13は、本体ローラ12の両側に、本体ローラ12の両端面12aに当接する位置と、前記米飯案内板10、11が介挿できる隙間14を保持する位置に各固定されるよう、スライド自在に設けられている。
【0023】
本体ローラ12に対する長さ調整ローラ13、13の取付け構造を詳しく説明すると、次のとおりである。
本体ローラ12の両端面12aの中央に取付軸15を有し、長さ調整ローラ13の中央に嵌合穴23を有する。
【0024】
前記取付軸15は、本体ローラ12の両端面12aから先端にかけて、環状凹溝16、突起17、環状凹溝18、突起19を順次連設することで形成されている。
【0025】
前記環状凹溝16は、前記案内板10、11が介挿できる隙間14形成用としてこれと同幅に形成されている。他方の環状凹溝18も、環状凹溝16と同幅に形成されている。
【0026】
前記突起17は、環状凹溝16と環状凹溝18との間に位置し、隅丸正四角形状の外形を有する。そして、この突起17の角部の基端には、係止突部20が各々形成される一方、突起17の4辺部中央には、基端から略中央部にかけて、浅底の係合凹部21が各々形成されている。
【0027】
前記突起19は、突起17の四辺部の径より直径が僅かに小さい円柱状に形成され、外端面中央には、回転駆動部(図示しない)に対する連動連絡用の軸孔22が形成されている。
【0028】
一方、前記長さ調整ローラ13は、円形の端面板24と、該端面板24の外端より直角に立ち上がった側周板25にて形成され、端面板24の中央部に、前記本体ローラ12の突起19を介して突起17へ嵌合可能な隅丸正四角形の嵌合穴23aを有する内周板23が、側周板25と同心円状にして、かつ同一高さに突出形成されている。
【0029】
そして、前記内周板23の各角部には、取付軸15の突起17の4角部の係止突部20へ嵌合する切欠き26が各形成されると共に、内周板23の4辺部中央の内側先端に係止突部27が各形成されている。これら係止突部27は、長さ調整ローラ13の嵌合穴23を取付軸15の突起17へ嵌合させたとき、当該突起17の下端縁17aと係合凹部21に各々係合するよう作用する。
【0030】
前記米飯案内板10、11は、図5及び図6に示したように、前後端の上下部に所定の間隔を置いて嵌合溝10a、10b、11a、11bを各々反対向きに開口するように有している。
【0031】
前記嵌合溝のうち、一方の嵌合溝10a、11aは、本体ローラ12両端の環状凹溝16、18と対応する大きさで横向きに、他の嵌合溝、10b、11bは、その上部側を環状凹溝16、18より大きく横向きとすると共に、下部側を環状凹溝16、18より僅かな大きさで下向きに各々形成されている。このように嵌合溝10b、11bを形成するのは、前後に対設された送りローラ8、9の一方(嵌合溝10b、11b側)の送りローラを他方の送りローラに対して前後方向へ間隔調整を許容するためである。
【0032】
ところで、前記送りローラ8、9は、図12〜図14に示した海苔シート30の長手幅Lと同長のL´に設定されている。そして、これら送りローラ8、9中、本体ローラ12は海苔シート30の短手幅lと同長のl´に設定されると共に、調整ローラ13は海苔シート30の長手幅Lと短手幅lの差の2分の1の長さmに各々設定されている。つまり、各送りローラ8、9の長さLはl+2mである。
【0033】
さらに、図1及び図2において、28は左右方向へ開閉自在に保持された2枚一対のカッター、29は下方に設けた押上げ機構(図示しない)により、4枚の折込み板29aを上方へ角筒状に折込み可能に、かつ平板状に展開可能に連設した海苔巻成形板を各々示す。この海苔巻成形板29は前後駆動機構(図示しない)により前後方向へ移動するようになっている。
【0034】
先ず、本発明の作動について説明する。
先ず、海苔巻成形板29上の所定位置に海苔シート30を図3及び図7に示したように横長状態にして敷く。
【0035】
一方、米飯供給装置Aの送りローラ8、9において、その本体ローラ12の取付軸15に対して長さ調整ローラ13、13中央の嵌合穴23を嵌合し、側周板25先端を本体ローラ12両端面12aに当接させる。
【0036】
これにより、長さ調整ローラ13、13の嵌合穴23が取付軸15の突起17へ嵌合すると共に、内周板23の切欠き26が突起17の4角部に突設された係止突部20へ嵌合し、さらに内周板23内側先端に設けられた係止突部27が突起17の下端縁17aに係合して調整ローラ13、13を各々本体ローラ12に固定する。
【0037】
このようにして各送りローラ8、9の長さL´が海苔巻成形板29上の海苔シート30の長手幅Lと同長に設定されるので(図13参照)、その両端に設けられた環状凹溝18に米飯案内板10、11の各嵌合溝10a、10b、11a、11bを嵌合すると、両米飯案内板10、11は海苔シート30の長手幅Lと同幅にセットされる。
【0038】
この状態において、米飯aをホッパー1から解し装置2を介して、米飯圧縮移送装置7へ供給すると、当該米飯aは、案内板10、11に沿って送りローラ8、9により上方より下方へ徐々に圧縮移送されて、開状態にあるカッター28下端に連続板状米飯となって垂下する。そして、その後、カッター28の閉鎖によって所定の長さの板状米飯となって落下し、下方の海苔巻成形板29上の海苔シート30上面に載せられる。
【0039】
この際、海苔巻成形板29は後方より前方へ移動すると共に、米飯案内板10、11の内側の間隔は海苔シート30の長手幅Lと一致しているため、米飯aは海苔シートの長手幅Lと略一致する幅で海苔シート30上に平らに展開された状態で載せられる。
【0040】
次いで、海苔巻成形板29の折込み板29aを上方へ略四角筒状に折込んだ後に、折込み板29を元のように平らに展開すると、平板状の海苔巻成形板29の略中央上面に海苔巻Cとなって載せられる。
この時の海苔巻Cの長さは図7に示した海苔シート30の長手幅Lと一致する。
【0041】
次に、海苔巻成形板29上の所定の位置に海苔シート30を図4及び図8に示したように縦長状態にして敷く。
【0042】
一方、送りローラ8、9において、本体ローラ12の取付軸15へ嵌合した調整ローラ13、13を外側へスライドさせ、長さ調整ローラ13、13の内周板23の係止突部27を突起17の係合凹部21に係止させると、突起17の下端縁17aに対して側周板25の先端が面一となるようにして固定される(図14参照)。
【0043】
従って、本体ローラ12の両端面12aと両調整ローラ13、13間に隙間14に相当する環状凹溝16が形成されるため、当該環状凹溝16に米飯案内板10、11の各嵌合溝10a、10b、11a、11bを嵌合することができ、これにより両米飯案内板10、11は海苔シート30の短手幅lと同幅にセットされる。
【0044】
この状態において、前記と同じように米飯aをホッパー1から解し装置2を介して米飯圧縮移送装置7へ供給すると、当該米飯aは、案内板10、11に沿って送りローラ8、9により上方より下方へ圧縮移送され、カッター28で板状米飯に切断された後に、海苔巻成形板29上の海苔シート30上面に載せられる。
【0045】
この際、海苔巻成形板29は後方より前方へ移動すると共に、米飯案内板10、11の内側の間隔は海苔シート30の短手幅lと一致しているため、米飯aは海苔シート30の短手幅lと略一致する幅で海苔シート30上に平らに展開された状態で載せられる。
【0046】
次いで、前記と同様に海苔巻成形板29の折込み板29aを折込んだ後に、平板状に展開すると、当該海苔巻成形板29の略中央に海苔巻C´となって載せられる。
この時の海苔巻C´の長さは図8に示した海苔シート30の短手幅lと一致する。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以上詳述したように構成されるので、米飯圧縮移送装置における送りローラの長さと米飯案内板の間隔を、各送りローラ及び米飯案内板を取付けたままワンタッチ操作で簡単かつ短時間で変更できる。従って、供給される板状米飯の横幅を海苔シートの長手幅や短手幅等に合せて変更することで長・短の海苔巻等を効率的かつ経済的に量産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る米飯供給装置の全体を示す側面図である。
【図2】同上装置の全体を示す正面図である。
【図3】送りローラと米飯供給状態の一例を示す説明図である。
【図4】送りローラと米飯供給状態の他例を示す説明図である。
【図5】米飯案内板を示す側面図である。
【図6】送りローラに対する米飯案内板の取付状態を示す斜視図である。
【図7】海苔シートと海苔巻の一例を示す説明図である。
【図8】海苔シートと海苔巻の他例を示す説明図である。
【図9】(A)、(B)
送りローラにおける本体ローラの側面図である。
【図10】(A)、(B)
送りローラにおける調整ローラの側面図である。
【図11】本体ローラと調整ローラの一部を切欠した正面図である。
【図12】同11のA−A矢視断面図である。
【図13】本体ローラの両端に調整ローラを嵌合した一例を示す一部を切欠した断面図である。
【図14】本体ローラの両端に調整ローラを嵌合した他例を示す一部を切欠した断面図である。
【符号の説明】
A 米飯供給装置
a 米飯
1 ホッパー
2 解し装置
7 米飯圧縮移送装置
8、9 送りローラ
10、11 案内板
12 本体ローラ
13 長さ調整ローラ
14 隙間
15 取付軸
16、18 環状凹溝
17、19 突起
30 海苔シート
Claims (3)
- ホッパーと、ホッパーから供給された米飯を解す解し装置と、解し装置で解された米飯を上方より下方へ圧縮移送する米飯圧縮移送装置とを備え、前記米飯圧縮移送装置を、前後部に対向配置された2個一対の送りローラを、上下方向に複数段配設すると共に、各送りローラの左右両端に米飯の案内板を対向配置した構成とした米飯供給装置において、
前記各送りローラを、本体ローラ及び外径が本体ローラと同径の長さ調整ローラにて形成し、該長さ調整ローラを、本体ローラの左右両側に、本体ローラ両端面に当接する位置と、前記案内板が介挿できる隙間を保持する位置に各固定されるよう、スライド自在に設けたことを特徴とする米飯供給装置。 - 本体ローラの両端面から先端にかけて、案内板が介挿できる隙間形成用のこれと同幅の環状凹溝、突起、前記同様の環状凹溝、突起を順次連設してなる取付軸を突設し、調整ローラの端面板の中央に本体ローラの取付軸に嵌合する嵌合穴を設けたことを特徴とする請求項1記載の米飯供給装置。
- 送りローラの長さを海苔シートの長手幅と同長に設定すると共に、送りローラの中の本体ローラの長さを海苔シートの短手幅と同長に設定したことを特徴とする請求項1記載の米飯供給装置。
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