JP3842171B2 - 断層像処理装置 - Google Patents

断層像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3842171B2
JP3842171B2 JP2002147242A JP2002147242A JP3842171B2 JP 3842171 B2 JP3842171 B2 JP 3842171B2 JP 2002147242 A JP2002147242 A JP 2002147242A JP 2002147242 A JP2002147242 A JP 2002147242A JP 3842171 B2 JP3842171 B2 JP 3842171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
fat
muscle
pixels
outermost
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002147242A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003339694A (ja
Inventor
正樹 小林
俊明 田部井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aloka Co Ltd filed Critical Aloka Co Ltd
Priority to JP2002147242A priority Critical patent/JP3842171B2/ja
Publication of JP2003339694A publication Critical patent/JP2003339694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3842171B2 publication Critical patent/JP3842171B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の断層像の画像処理に関し、特に内臓脂肪と皮下脂肪を分離して計測するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
肥満の原因である脂肪には、皮下組織につく皮下脂肪と、内臓組織につく内臓脂肪とがあるが、このうち内臓脂肪が生活習慣病の大きな誘因と考えられている。このため、単なる体脂肪量の計測ではなく、皮下脂肪と内臓脂肪を分別して計測できる方法が求められている。
【0003】
これに対し、近年、特開2000-093424や特開2001-029343のように、X線CTによる腹部断層像から内臓脂肪や皮下脂肪の量を計測する手法がいくつか提案されている。
【0004】
X線CTでは、脂肪と、筋肉や皮膚、血液などとは、CT値が明確に異なるため、断層像の各画素の画素値(画素値はCT値に対応する)から、脂肪の領域を識別することができる。ただし、内臓脂肪と皮下脂肪はCT値として差がないので、両者を如何に分離するかが問題となる。
【0005】
特開2000-093424では、CT断層像を、脂肪を示すCT値範囲にある画素とそれ以外の画素とに弁別して二値化して表示する。そして、その二値化画像で内臓脂肪領域と皮下脂肪領域がつながっている場合は、操作者がそれら両者を分離する分離ラインを画像上で入力することで、内臓脂肪と皮下脂肪を分離する構成を採っている。また、特開2001-029343では、操作者が、CT断層像上でマウス等のポインティングデバイスを用いて内臓脂肪領域や皮下脂肪領域の境界線を描き、その境界線内の画素数を計数するなどにより内臓脂肪量や皮下脂肪量を計算している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来技術では、いずれも操作者が画像を見て内臓脂肪や皮下脂肪の領域を指定する必要があり、操作者の操作負担が大きかった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、操作者が内臓脂肪や皮下脂肪の領域を指定しなくても、両者を分離して処理できる装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る断層像処理装置は、被検体の断層像から、各画素の画素値に基づき、皮膚又は筋肉を表す筋肉画素と、脂肪を表す脂肪画素とを識別する画素種別識別手段と、断層像を外側から内側に向かって調べ、最外周の脂肪画素を探索する最外脂肪探索手段と、最外脂肪探索手段で求めた脂肪画素を起点にし、この起点に対して連結性を有する脂肪画素の領域を皮下脂肪領域と認識する皮下脂肪認識手段と、画素種別識別手段で識別した脂肪画素の領域から、皮下脂肪認識手段で認識した皮下脂肪領域を除いた残りの領域を、内臓脂肪領域と認識する内臓脂肪認識手段と、を備える。
【0009】
この構成では、断層像を外側から内側に向かって調べることで、最外周の脂肪画素を求め、これに連結する脂肪画素群を皮下脂肪と認識することで、皮下脂肪と内臓脂肪を弁別することができる。例えば、腹膜が内臓脂肪を完全に包囲しており、このことが断層像にも現れている場合には、この構成により皮下脂肪と内臓脂肪を弁別認識できる。
【0010】
そして本発明では、前記最外脂肪探索手段は、前記断層像における最も外側の筋肉画素の領域について、その領域の外周からM画素分(Mは所定の自然数)の深さまでの各筋肉画素の画素値を、筋肉画素及び脂肪画素のいずれとも異なる所定値に変更し、この所定値の画素に隣接する脂肪画素を最外周の脂肪画素として求める。
【0011】
この発明によれば、例えば断層像上で皮膚と腹膜とが連結している場合でも、確実に皮下脂肪と内臓脂肪を弁別することができる。
【0012】
本発明の別の好適な態様では、断層像処理装置は、前記所定値に変更された筋肉画素を除いた各筋肉画素に対し、N画素分(Nは所定の自然数)の膨張処理を施す筋肉画素膨張手段を更に備え、前記皮下脂肪認識手段は、前記筋肉画素膨張手段により膨張処理を施した結果の断層像に対し、前記起点に対して連結性を有する脂肪画素の領域を求め、この脂肪画素の領域に対してN画素分の膨張処理を施した結果を皮下脂肪領域として認識する。
【0013】
この態様では、例えば、断層像上で腹膜が内臓脂肪を完全に包囲せず、その結果内臓脂肪と皮下脂肪とが断層像上で連結している場合でも、それら両者を切り分けて認識することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るシステムの概略構成を示す図である。図において、X線CT装置10は、被検体のX線CT撮像を行う装置であり、これには既存のX線CT装置を用いることができる。このX線CT装置10により得られたCT断層像データは、断層像処理装置20に入力される。本実施形態では、内臓脂肪と皮下脂肪を分離して測定するので、対象となるのは主として腹部CTである。なお、X線CT装置10から断層像処理装置20に入力されるCT断層像データは、断層領域各点のCT値のマップであってもよいし(この場合画素値はCT値そのものである)、CT値に対して処理を加えた結果の画像であってもよい。
【0016】
断層像処理装置20では、そのCT断層像データが画像メモリ24に格納される。そして、演算処理部22が、画像メモリ24に格納されたCT断層像データをもとに、表示部26に表示する断層像の形成や、皮下脂肪や内臓脂肪の分離測定などの所定の処理を実行する。
【0017】
被検体(例えばほ乳類や鳥類など)の腹部は、図2に模式的に示すように、最外層の皮膚100の内側に皮下脂肪102があり、その内側に腹膜(腹筋)104があり、その腹膜104の内側に内臓106が存在する構造となっている。一般に、この腹膜104の内部に脂肪が存在する場合、内臓脂肪108と呼ばれる。周知のようにX線CTでは、筋肉や皮膚は水に近いCT値を示し、脂肪とは明らかにCT値が異なる。同様に空気のCT値は、筋肉や脂肪などと明らかに異なる。
【0018】
図3は、演算処理部22による皮下脂肪、内臓脂肪の分離に関する処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図4及び図5は、この処理手順の主要な段階での断層像の処理結果を模式的に示している。これらの図を参照して、本実施形態の処理の内容を説明する。
【0019】
この処理では、まずCT断層像データの各画素を、その画素値(CT値)に基づいて、筋肉又は皮膚を表す筋肉画素、脂肪を表す脂肪画素、被検体の外部の空気層を表す外部画素、およびそれらのいずれにも該当しない「その他画素」(骨などに該当)に分類する(S10)。CT断層像データの画素値はCT値の違いを反映しているので、各画素の画素値からそれら各画素を上記のごとく分類することが可能である。すなわち、例えば、あらかじめ筋肉画素と判定する画素値の範囲、脂肪画素と判定する画素値の範囲、外部画素と判定する画素値の範囲を定めておけば、CT断層像データの各画素の画素値をそれら各範囲と比較することで、各画素を上記のごとく分類することができる。これら各範囲は、互いに重ならないように設定することができる。例えばCT断層像データのある画素の画素値が、筋肉画素の画素値範囲に含まれるならば、その画素は筋肉画素と識別することができる。
【0020】
この分類処理の結果は、例えば、筋肉画素、脂肪画素、外部画素、及びその他画素を互いに異なる画素値で表現した画像として表すことができる。以下では、筋肉画素を画素値Aで、脂肪画素を画素値Bで、外部画素の画素値Cで表現したものとして説明する。なお、その他画素は、内臓脂肪、皮下脂肪の分離に関する処理に直接関係ないので省略する。
【0021】
図4の(a)にこの分類処理(S10)の結果の画像を模式的に示す。この例では、腹部の断層像が、筋肉画素(画素値A)からなる筋肉画素領域110a及び110b及び110c,脂肪画素(画素値B)からなる脂肪画素領域120a及び120b、外部画素(画素値C)からなる外部画素領域130に分類されている。この図では、筋肉画素の画素値Aが濃い網掛けで、脂肪画素の画素値Bが薄い網掛けで、外部画素の画素値Cが白色(地の色)で、それぞれ示されている。
【0022】
ここで、筋肉画素領域110aは皮膚に、筋肉画素領域110bは腹膜に、筋肉画素領域110cは内臓等に、それぞれ対応している。ただし、CT断層像データ上では、皮膚も腹膜も内臓等もほぼ似通った画素値となるので、それらはすべて同じ筋肉画素に分類される。同様に、脂肪画素領域120aは皮下脂肪に、脂肪画素領域120bは内臓脂肪にそれぞれ対応するものであるが、CT断層像データの画素値ではそれら両者を区別することはできないため、両者は同じ脂肪画素に分類されている。この分類結果の画像は、画像メモリ24に格納される。
【0023】
断層像の各画素の分類が完了すると、その分類結果の画像(以下「分類結果画像」という)において、被検体の最外周の皮膚層の筋肉画素領域110aを削除する。この削除処理は、例えば、外部画素に隣接する筋肉画素の画素値Bを外部画素の画素値Cに置き換える処理(S12)を、M回(Mは所定の自然数)繰り返すことにより実現することができる(S14)。
【0024】
ここで、ステップS12及びS14の詳細な処理手順としては、例えば次のような処理手順が考えられる。
【0025】
すなわちステップS12では、まず分類結果画像の格納領域とは別に断層像1フレーム分の作業領域を画像メモリ24上に確保する。そして、分類結果画像を検査対象画像とし、この検査対象画像上で、ラスタ走査などの所定の走査方式に従って注目画素を1画素ずつ移動させながら、その注目画素に対して次の判定・置換処理を行う。
【0026】
判定・置換処理では、注目画素の画素値がA(筋肉画素)であるという第1条件と、その注目画素に隣接する近傍画素のうちの1つでも画素値がC(外部画素)のものがあるという第2条件、の両条件が満足されるか否かを判定する。そして、それら両条件のどちらか一方でも満足されない場合は、その注目画素の値を、前述の作業領域の対応画素の画素値にセットする。これに対し、それら両条件が共に満足された場合は、作業領域におけるその注目画素の対応画素の画素値にCをセットする。なお、この場合、図6(a)に示すように注目画素150の上下左右の隣接画素を近傍画素152としてもよいし(4近傍)、図6(b)に示すように、注目画素150の斜めの隣接画素をも近傍画素152として取り扱うようにしてもよい(8近傍)。
【0027】
以上の処理によれば、注目画素が外部画素と隣接する筋肉画素である場合、その筋肉画素が外部画素に置換され、注目画素がそれ以外である場合は、元の注目画素の種別が維持される。
【0028】
この処理を、検査対象画像の全画素に対して行うことで、被検体の皮膚層に対応する筋肉画素領域110aの最外周が1画素分だけ外部画素に置き換えられた画像が作業領域に形成される。
【0029】
このようにして筋肉画素領域110aが最外周から1画素分だけ外部画素に置き換えられた画像が形成されると、次にこの画像を検査対象画像として、上述のステップS12の処理を繰り返す。この結果、筋肉画素領域110aが最外周から2画素分だけ外部画素に置き換えられた画像が形成される。
【0030】
このようにして順次検査対象画像を順に切り替えながら、ステップS12の処理をM回繰り返すことで、筋肉画素領域110aを、最外周からM画素分の深さまで外部画素に置き換えた画像を得ることができる。
【0031】
ここで、ステップS14における繰り返し回数Mを、被検体の断層像における皮膚層の最大厚みに対応する値に設定しておくことで、皮膚に該当する筋肉画素領域110aを除去することができる。このMの値は、実験や経験などに応じて設定すればよい。このようにして筋肉画素領域110aを除去することで、皮下脂肪に相当する脂肪画素領域120aが外部画素領域130に接した画像を得ることができる(図4(b)参照)。なお、ステップS12では、脂肪画素は外部画素に置換されないので、脂肪画素領域120aが削られることはない。
【0032】
このようにして皮膚層に相当する筋肉画素領域110aを除去した画像(皮膚層除去結果画像と呼ぶ)ができると、次にその皮膚層除去結果画像において、各筋肉画素をN画素分だけ膨張させる。この膨張処理は、筋肉画素を1画素分膨張させる膨張処理(S16)をN回(Nは所定に自然数)繰り返すことにょり実現できる(S18)。この膨張処理には、従来より画像処理分野で一般的に用いられている膨張処理を利用することができる。すなわち、例えば筋肉画素を検知すると、その筋肉画素の近傍画素群(図6参照)を筋肉画素に置換すればよい。N回の繰り返しは、皮膚層除去(S12及びS14)と同様に行えばよい。
【0033】
このステップS16及びS18の処理は、腹膜104に対応する筋肉画素領域110bが内臓脂肪108に対応する脂肪画素領域120bを完全に包囲するようにするための処理である。すなわち、本実施形態では、腹膜104に対応する筋肉画素領域110bの外側の脂肪画素領域を皮下脂肪、内側の脂肪画素領域を内臓脂肪と弁別するので、腹膜104に対応する筋肉画素領域110bの一部が欠けて内臓脂肪部分を完全に包囲しない状態となると、外側・内側の判別ができなくなり、上述の弁別が不可能になる。例えば、症例によっては、腹膜の一部が非常に薄く、CT断層像データ上に現れない場合があり、このような場合には内臓脂肪と皮下脂肪の弁別が不可能になる。そこで、このような事態を避けるために、筋肉画素をN画素分膨張させる。逆に言えば、この膨張幅N(繰り返し回数)は、筋肉画素領域110bの欠けた部分がつながるよう、実験や経験などにしたがってあらかじめ定めておく。このステップS16及びS18の処理により、図4(c)に示すように、腹膜104に対応する筋肉画素領域110bが内臓脂肪108に対応する脂肪画素領域120bを完全に包囲している画像(腹膜膨張結果画像と呼ぶ)が得られる。
【0034】
なお、腹膜104に対応する筋肉画素領域110bが内臓脂肪108に対応する脂肪画素領域120bを完全に包囲することが分かっている場合には、ステップS16及びS18の処理は不要である。
【0035】
腹膜膨張結果画像が得られると、次に皮下脂肪に該当する画素にラベル付けを行う。このラベル付け処理では、まず、腹膜膨張結果画像において外部画素に隣接する脂肪画素を探索する(S20)。この探索では、例えばラスタ走査などの所定の走査方式に従って腹膜膨張結果画像の各画素を順次を調べ、外部画素に隣接する脂肪画素を探す。この探索処理により外部画素に隣接した脂肪画素が見つかる(S22の判定結果がY(肯定))と、その脂肪画素を起点とし、この起点に対して連結する連結成分の各画素に対し、皮下脂肪を表す所定のラベル値Ls をセットする(S24)。このラベル値Ls は、前述の筋肉画素、脂肪画素、外部画素、その他画素、のいずれの画素値とも異なる値とすれば、腹膜膨張結果画像において皮下脂肪の画素にラベル値Ls をセットしても問題ない。なお、ステップS24における連結成分のラベル付けには、従来から知られている連結成分ラベル付けアルゴリズムを用いることができる。
【0036】
腹膜膨張結果画像では、皮膚に相当する部分が外部画素に置き換わっているので、皮下脂肪に相当する脂肪画素領域120aの外周が外部画素と隣接している。更には、ステップS16及びS18での筋肉画素の膨張処理により、皮下脂肪に相当する相当する脂肪画素領域120aと内臓脂肪に相当する脂肪画素領域120bとは、腹膜に相当する筋肉画素領域110bにより完全に分離されている。したがって、ステップS20〜S24の処理により、皮下脂肪に相当する脂肪画素領域120aに対してのみ、ラベル値Ls をセットすることができる。
【0037】
なお、図3の手順では、いったん連結成分のラベル付け(S24)を行った後、再度ステップS20以下の処理を繰り返しているのは、図7に示すように、皮膚100と腹膜104とが直接連結するなどして、皮下脂肪102の領域が複数の領域に分割されている場合があるからである。このような場合がないと言えるケースでは、このような繰り返しは必要ない。
【0038】
ステップS20〜S24の処理の結果得られる画像(皮下脂肪ラベル付け画像と呼ぶ)は、図5の(d)に示すようなものとなる。皮下脂肪ラベル付け画像では、皮下脂肪に相当する領域122の各画素がラベル値Ls となっている。
【0039】
皮下脂肪ラベル付け画像が得られると、次に、その皮下脂肪ラベル付け画像において、値がLs である画素の領域(皮下脂肪を表す)をN画素分だけ膨張させる。すなわち、筋肉画素の膨張処理(ステップS16及びS18)では、本来皮下脂肪である領域が、内側からN画素分だけ筋肉画素に置き換えられ、縮小された形となっているので、ここではその置き換え分を元に戻す処理を行うわけである。この膨張処理では、皮下脂肪ラベル付け画像において、値がLs である画素を探索し、そのような画素が見つかると、これを1画素分膨張させる(S26)。この膨張処理では、分類結果画像(図4(a))を参照し、膨張先の画素のうち、分類結果画像にて脂肪画素である画素に対してのみ、膨張を行い、分類結果画像において脂肪画素でない画素に対して膨張を行わない。このステップS26の処理をN回繰り返す(S28)ことで、皮下脂肪の領域が内側に向かってN画素分だけ膨張させることができる。この結果、元来皮下脂肪の領域であった部分が値Ls でラベル付けされた皮下脂肪膨張結果画像(図5(e)参照)を得ることができる。
【0040】
この皮下脂肪膨張結果画像において、値がLs である画素の数を計数すれば、その計数結果から断層像における皮下脂肪の面積を求めることができる(S30)。
【0041】
さらに、分類結果画像(図4(a))において脂肪画素の総数を計数すれば、その計数結果から断層像における総脂肪面積を求めることができる(S32)ので、ステップS30で求めた皮下脂肪面積をこの総脂肪面積から差し引くことで、内臓脂肪の面積を求めることができる(S34)。
【0042】
なお、以上の処理を、腹部CTで得た複数の断層像について行い、各層の皮下脂肪面積、内臓脂肪面積に対してそれぞれその層の厚みを乗算し、その乗算結果をすべての層について総和すれば、腹部全体での皮下脂肪の体積及び内臓脂肪の体積を求めることができる。更には、求めた皮下脂肪体積及び内臓脂肪体積に対して脂肪の比重を乗算すれば、被検体腹部の皮下脂肪の重量及び内臓脂肪の重量をそれぞれ計算することができる。
【0043】
このようにして求めた皮下脂肪及び内臓脂肪の物理量(面積、体積、質量など)は、表示部26に表示することができる。これら物理量は、CT断層像と同時表示することも可能である。
【0044】
以上では、皮下脂肪及び内臓脂肪の物理量を個別に計算する手順を示したが、この処理を応用すると、CT断層像において、皮下脂肪と内臓脂肪とを互いに区別して表示することも可能である。これには、例えば、分類結果画像(図4(a))の脂肪画素のうち、皮下脂肪膨張結果画像(図5(e))にて値Ls でラベル付けされている画素には皮下脂肪を表す値Xを設定し、値Ls 以外の脂肪画素には内臓脂肪を表す値Y(Y≠X)を設定し、この結果を表示すればよい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の装置によれば、皮下脂肪と内臓脂肪の境界を人が指定しなくても、自動的に両者を弁別して認識することができる。そして、この弁別の結果、それら各々の物理量を計算したり、それら両者を区別して表示したりするなどの処理が可能となる。
【0046】
以上説明した実施形態の処理では、被検体の最外層の筋肉画素領域110aを外側から内側に向かってM画素分だけ除去(すなわち外部画素への置換)し(ステップS12及びS14)、その除去結果の画像において、外部画素に隣接する脂肪画素(及びこの脂肪画素に連結する連結成分の脂肪画素群)を皮下脂肪と認識した。これに対し、別の考え方として、最外層の筋肉画素領域110aをそのまま残し、この領域110aに隣接する脂肪画素(及びこの脂肪画素に連結する連結成分の脂肪画素群)を皮下脂肪と認識するという方式も考えられる。すなわちこの方式では、例えば、外部画素に隣接する筋肉画素、及びこの筋肉画素に連結する連結成分の筋肉画素群に対し、皮膚を表す値をラベル付けする。そして、この皮膚のラベル値が設定された画素に隣接する脂肪画素(及びこの脂肪画素に連結する連結成分の脂肪画素群)を皮下脂肪と認識するようにすればよい。
【0047】
ただし、この方式は、図2に示したように、皮膚100と腹膜104とが皮下脂肪102の層により完全に分離されているケースには有効であるが、図7や図8に例示するように皮膚100と腹膜104とが筋肉画素により繋がっているケースには適用できない。なぜなら、後者のケースでは、腹膜104に相当する筋肉画素領域も皮膚に相当する領域と同じ値でラベル付けされてしまうので、腹膜104の内側の脂肪画素も皮下脂肪と認識されてしまうからである。このようなことから、図3〜図5に例示した方式の方が汎用性の点で優れている。
【0048】
また、以上の処理では、外部画素に隣接する筋肉画素領域110aをM画素分の深さまで外部画素に置換したが、この代わりに、外部画素に隣接する筋肉画素領域110aをM画素分の深さまで、筋肉画素、脂肪画素、外部画素、その他画素のいずれとも異なる所定画素値(仮にZとする)に置換するようにしてもよい。これには、図3の処理手順において、最初のステップS12で分類結果画像において外部画素に隣接する筋肉画素に画素値Zをセットし、残りのM−1回のステップS12では画素値Zの画素に隣接する筋肉画素を画素値Zに変更していけばよい。そして、ステップS20では、画素値Zの画素に隣接する脂肪画素の領域を皮下脂肪のラベル値でラベル付けすればよい。
【0049】
また、以上に説明した実施形態では、最初にCT断層像データの各画素をステップS10にて筋肉画素、脂肪画素などの種別に分類したが、これは必須ではない。ステップS12やS16、S20、S24、S26、S32など、各画素の種別の区別が必要な場合にその都度各画素の種別を判定するようにしても、原理上はかまわない。
【0050】
なお、本実施形態における演算処理部22は、以上に説明した処理手順を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させることにより実現することができる。
【0051】
また、以上では、X線CT装置により得られたCT断層像データを元にした処理例を説明したが、この他にも筋肉画素、脂肪画素、外部画素が何らかの方法で弁別できる画像であれば、本実施形態の手法によりその画像から内臓脂肪と皮下脂肪を自動弁別することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、人が内臓脂肪と皮下脂肪の境界を指定しなくても、自動的にそれら両者を弁別して認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のシステムの概略構成を示す図である。
【図2】 腹部断層像の概略構造を模式的に示す図である。
【図3】 実施形態の断層像処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】 実施形態の断層像処理装置の処理手順の各段階の処理結果の画像を模式的に示す図である。
【図5】 実施形態の断層像処理装置の処理手順の各段階の処理結果の画像を模式的に示す図である。
【図6】 注目画素に対する近傍画素を説明するための図である。
【図7】 皮下脂肪が複数の領域に分かれている腹部断層像の例を模式的に示す図である。
【図8】 皮膚と腹膜が繋がっている場合の腹部断層像の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 X線CT装置、20 断層像処理装置、22 演算処理部、24 画像メモリ、26 表示部、110a,110b,110c 筋肉画素領域、120a,120b 脂肪画素領域、130 外部画素領域。

Claims (4)

  1. 被検体の断層像から、各画素の画素値に基づき、皮膚又は筋肉を表す筋肉画素と、脂肪を表す脂肪画素とを識別する画素種別識別手段と、
    断層像を外側から内側に向かって調べ、最外周の脂肪画素を探索する最外脂肪探索手段と、
    最外脂肪探索手段で求めた脂肪画素を起点にし、この起点に対して連結性を有する脂肪画素の領域を皮下脂肪領域と認識する皮下脂肪認識手段と、
    画素種別識別手段で識別した脂肪画素の領域から、皮下脂肪認識手段で認識した皮下脂肪領域を除いた残りの領域を、内臓脂肪領域と認識する内臓脂肪認識手段と、
    を備え、前記最外脂肪探索手段は、前記断層像における最も外側の筋肉画素の領域について、その領域の外周からM画素分(Mは所定の自然数)の深さまでの各筋肉画素の画素値を、筋肉画素及び脂肪画素のいずれとも異なる所定値に変更し、この所定値の画素に隣接する脂肪画素を最外周の脂肪画素として求めることを特徴とする断層像処理装置。
  2. 前記所定値に変更された筋肉画素を除いた各筋肉画素に対し、N画素分(Nは所定の自然数)の膨張処理を施す筋肉画素膨張手段、
    を更に備え、前記皮下脂肪認識手段は、前記筋肉画素膨張手段により膨張処理を施した結果の断層像に対し、前記起点に対して連結性を有する脂肪画素の領域を求め、この脂肪画素の領域に対しN画素分の膨張処理を施した結果を皮下脂肪領域として認識することを特徴とする請求項に記載の断層像処理装置。
  3. コンピュータシステムを、
    被検体の断層像から、各画素の画素値に基づき、皮膚又は筋肉を表す筋肉画素と、脂肪を表す脂肪画素とを識別する画素種別識別手段、
    断層像を外側から内側に向かって調べ、最外周の脂肪画素を探索する最外脂肪探索手段、
    最外脂肪探索手段で求めた脂肪画素を起点にし、この起点に対して連結性を有する脂肪画素の領域を皮下脂肪領域と認識する皮下脂肪認識手段、
    画素種別識別手段で識別した脂肪画素の領域から、皮下脂肪認識手段で認識した皮下脂肪領域を除いた残りの領域を、内臓脂肪領域と認識する内臓脂肪認識手段、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記最外脂肪探索手段は、前記断層像における最も外側の筋肉画素の領域について、その領域の外周からM画素分(Mは所定の自然数)の深さまでの各筋肉画素の画素値を、筋肉画素及び脂肪画素のいずれとも異なる所定値に変更し、この所定値の画素に隣接する脂肪画素を最外周の脂肪画素として求めるようにしたことを特徴とするプログラム
  4. コンピュータシステムを、更に、前記所定値に変更された筋肉画素を除いた各筋肉画素に対しN画素分(Nは所定の自然数)の膨張処理を施す筋肉画素膨張手段、として機能させると共に、前記皮下脂肪認識手段は、前記筋肉画素膨張手段により膨張処理を施した結果の断層像に対し、前記起点に対して連結性を有する脂肪画素の領域を求め、この脂肪画素の領域に対してN画素分の膨張処理を施した結果を皮下脂肪領域として認識するようにしたことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
JP2002147242A 2002-05-22 2002-05-22 断層像処理装置 Expired - Fee Related JP3842171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002147242A JP3842171B2 (ja) 2002-05-22 2002-05-22 断層像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002147242A JP3842171B2 (ja) 2002-05-22 2002-05-22 断層像処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003339694A JP2003339694A (ja) 2003-12-02
JP3842171B2 true JP3842171B2 (ja) 2006-11-08

Family

ID=29766481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002147242A Expired - Fee Related JP3842171B2 (ja) 2002-05-22 2002-05-22 断層像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3842171B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014018287A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Hitachi Aloka Medical Ltd 画像処理装置

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004089219A1 (ja) * 2003-04-08 2004-10-21 Hitachi Medical Corporation 医用画像診断支援装置及び方法
JP4504287B2 (ja) * 2005-09-08 2010-07-14 アロカ株式会社 X線ct装置及び画像処理方法
JP4652935B2 (ja) * 2005-09-08 2011-03-16 アロカ株式会社 X線ct装置及び画像処理方法
EP1762976B1 (en) 2005-09-08 2011-05-18 Aloka Co., Ltd. Computerized tomography device and image processing method for identifying brown adipose tissue
JP4783256B2 (ja) * 2006-10-13 2011-09-28 株式会社リガク Ctデータ処理装置およびctデータ処理プログラム
JP5016971B2 (ja) * 2007-05-15 2012-09-05 富士フイルム株式会社 体脂肪率取得方法
JP4437333B2 (ja) 2007-09-28 2010-03-24 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 画像処理方法および画像処理装置並びにプログラム
JP4492886B2 (ja) 2008-04-03 2010-06-30 富士フイルム株式会社 3次元腹腔内領域検出装置、方法、およびプログラム
JP4891957B2 (ja) * 2008-08-12 2012-03-07 日立アロカメディカル株式会社 画像処理装置
JP4891956B2 (ja) * 2008-08-12 2012-03-07 日立アロカメディカル株式会社 画像処理装置
JP5260228B2 (ja) * 2008-10-10 2013-08-14 株式会社日立製作所 内臓脂肪推定装置
JP5149930B2 (ja) * 2010-03-23 2013-02-20 日立アロカメディカル株式会社 X線ct装置及び画像処理方法
JPWO2013008449A1 (ja) * 2011-07-08 2015-02-23 平野 雅嗣 脂肪検査方法、脂肪検査装置および脂肪検査プログラム
CN109475338B (zh) * 2016-07-15 2023-01-17 皇家飞利浦有限公司 识别脂肪组织的类型
JP2017012875A (ja) * 2016-10-24 2017-01-19 京セラ株式会社 筋肉面積推定システム、機器、及び筋肉面積推定方法
JP7175795B2 (ja) * 2019-02-22 2022-11-21 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線画像処理装置、x線診断装置、およびx線画像処理プログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014018287A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Hitachi Aloka Medical Ltd 画像処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003339694A (ja) 2003-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3842171B2 (ja) 断層像処理装置
EP1851720B1 (en) Method of automatic extraction of the pulmonary artery tree from 3d medical images
KR100327745B1 (ko) 엑스선 컴퓨터 단층 촬영 장치 및 영상 진단 장치
CN110796613B (zh) 一种图像伪影的自动识别方法及装置
JP5276225B2 (ja) 医用画像処理装置及び医用画像処理装置の作動方法
Abramoff et al. The automatic detection of the optic disc location in retinal images using optic disc location regression
US20210133473A1 (en) Learning apparatus and learning method
JP2022033126A (ja) 眼の画像内における病変の検知
JP5301737B2 (ja) 医用画像処理装置
EP3195255B1 (en) Method for displaying easy-to-understand medical images
CN105979847A (zh) 内窥镜图像诊断辅助系统
Fabijańska Two-pass region growing algorithm for segmenting airway tree from MDCT chest scans
JP4495891B2 (ja) 骨計測方法
JP2005157902A (ja) 画像解析方法
JPH1094538A (ja) 異常陰影候補の検出方法および装置
JP4849449B2 (ja) 医用画像診断支援装置
CN113034522B (zh) 一种基于人工神经网络的ct图像分割方法
JP2019536531A (ja) X線画像内の不透明度を検出する装置
CN111696113B (zh) 用于监视生物过程的方法和系统
JP2006280682A (ja) ノイズ検出機能を備えた画像診断支援方法
JP2010158279A (ja) 眼底画像解析システム、及び眼底画像解析プログラム
JP5192751B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
JP4206044B2 (ja) カルシウム・スコア測定方法および装置
JP2005245830A (ja) 腫瘍検出方法、腫瘍検出装置及びプログラム
JP2005345310A (ja) 血液健康支援システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130818

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees