JP2005345310A - 血液健康支援システム - Google Patents

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貞彦 長江
Katsuhiro Kawabata
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Abstract

【課題】 個々の血液細胞の動きと特徴を簡易に把握し、生活習慣病の予防を図ることができる血液健康支援システムの提供。
【解決手段】 位相差顕微鏡から取り込まれる動画像中から抽出した複数のフレーム画像は、背景消去用の差分処理、濃淡画像を二値画像に変換する二値化処理、ノイズ除去のための画像の収縮膨張処理が、前処理としてなされる。その後、フレーム画像中の細胞それぞれを識別するラベルを、前後のフレーム画像同士の比較により同一細胞には同一ラベルを付して行い、各細胞の軌跡が求められる。また、一のフレーム画像について、その静止画像中の細胞の面積、周囲長、外接する長方形の縦もしくは横の長さ、穴数、穴面積、真円からの複雑度などの特徴計測がなされる。そのようにして得られた細胞の特徴と、予め登録された細胞の特徴とを比較し、細胞状態またはそれに基づく健康状態が判定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、血液の状態、ひいてはその人の健康状態の把握を支援する血液健康支援システムに関するものである。特に、生活習慣病の予防を目的として、血液の流れと、血液細胞の観察が可能な血液健康支援システムに関するものである。
近年、高脂血症、高血圧、糖尿病といった生活習慣病が問題となっている。これらの病気は、そのまま放置しておくと動脈硬化や血栓を引き起こし、やがて心筋梗塞や脳卒中などの生命にかかわる重大な結果をもたらすことになる。ところが、生活習慣病には自覚症状が少ないため、早期発見には血液検査が有効である。従来、この種の検査は、病院での血液成分分析によって行われてきたが、成分分析は被験者に分かりにくいという欠点があった。
そこで、マイクロチャネル法(「MC−FAN」(Micro Channel array Flow ANalyzer))と呼ばれる方法が提案されている。マイクロチャネル法とは、人体の毛細血管を模した流路をシリコンチップ上に設け、そこに血液を流し、位相差顕微鏡を用いて流路に流れる血液を観察する方法である。そして、この方法を応用し、血液の流れやすさの観察が可能な「細胞マイクロレオロジー測定装置」が開発されている。この装置では、位相差顕微鏡にビデオカメラが取り付けられており、被験者は血液の流れる様子をモニタで確認することができる。
しかしながら、細胞マイクロレオロジー測定装置では、血液の流れる様子を視覚的に確認できても、個々の血液細胞が実際にはどの程度の速さで、どのような動きをしているかを客観的に把握することが難しかった。また、測定や診断には、専門的知識を要し、医師の立会いが必要であった。さらに、装置自体が大型で高価で、医療機関以外での使用には限界があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、個々の血液細胞の動きと特徴を簡易に把握し、生活習慣病の予防を図ることができる血液健康支援システムを提供することにある。
本発明の血液健康支援システムは、(a)血液の動画像中の複数のフレーム画像それぞれについて、血液のない状態で撮影した背景画像との差分により、背景と細胞との分離を図る差分処理手段と、(b)差分処理された濃淡を有する各フレーム画像を、設定されたしきい値で二値画像に変換する二値化処理手段と、(c)二値化処理された各フレーム画像中の細胞を、所定画素分だけ収縮または膨張させてから、前記所定画素分だけ逆に膨張または収縮させる収縮膨張処理手段と、(d)その後、フレーム画像中の細胞それぞれを識別するラベルを、前後のフレーム画像同士の比較により同一細胞には同一ラベルを付して行い、各細胞の軌跡を求める細胞追跡手段と、(e)細胞追跡手段による各細胞の動きを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の血液健康支援システムは、(A)血液の静止画像中の細胞について、面積、周囲長、外接する長方形の縦もしくは横の長さ、穴数、穴面積、真円からの複雑度等の内、いずれか一以上の特徴を計測する特徴計測手段と、(B)特徴計測手段にて得られた細胞の特徴と、予め登録された細胞の特徴とを比較し、細胞状態またはそれに基づく健康状態を判定する判定手段と、(C)判定手段による結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。ここで、前記出力手段は、前記判定手段による細胞状態または健康状態に応じて、細胞ごとに着色して出力するよう構成するのが好ましい。
さらに、本発明の血液健康支援システムは、好ましくは上記(A)〜(C)の構成に加えて、(D)血液の静止画像について、血液のない状態で撮影した背景画像との差分により、背景と細胞との分離を図る差分処理手段と、(E)差分処理された濃淡画像を、設定されたしきい値で二値画像に変換する二値化処理手段と、(F)二値化処理された各画像中の細胞を、所定画素分だけ収縮または膨張させてから、前記所定画素分だけ逆に膨張または収縮させる収縮膨張処理手段とを更に備え、この後、前記特徴計測手段により特徴計測がなされることを特徴とする。
なお、前記フレーム画像、または前記静止画像は、位相差顕微鏡から取り込まれる動画像中のフレーム画像を利用できる。
本発明によれば、個々の血液細胞の動きと特徴を簡易に把握することができる。そして、その結果に基づいて、生活習慣病の予防を図ることができる。
以下、本発明の血液健康支援システムについて、実施例に基づき更に詳細に説明する。
図1は、本発明の血液健康支援システムの一実施例のシステム構成を示す概略図である。この図に示すように、本実施例の血液健康支援システムは、位相差顕微鏡1と、それが接続された解析装置2とを主要部として構成される。
位相差顕微鏡とは、無色透明な物体すなわち位相物体を明暗の像に変換し観察することが可能な顕微鏡をいう。位相物体とは、光を吸収はしないが、屈折率分布などにより光の波面に変化を与える物体をいう。血液中の細胞は、そのほとんどが無色透明な物体であるため、そのままでは顕微鏡で内部構造を観察することは不可能であるが、位相差顕微鏡によれば、生きた血液細胞の観察が可能となる。
本実施例では、位相差顕微鏡を用いて、ライブブラッド分析法により、血液の動画像の撮影が行われる。ライブブラッド分析法とは、血液中の細胞を生きた状態のままで観察可能な方法をいう。この方法では、まず被験者より少量の血液を採取し、血液プレパラートを作成する。そして、そのプレパラートを位相差顕微鏡にセットすることで、血液中の細胞を生きた状態のまま観察可能となる。なお、本実施例では、大洋エレックス株式会社製の位相差顕微鏡「TPC−M1」が用いられる。
本実施例の解析装置には、一般的なパーソナルコンピュータが使用される。すなわち、CPUなどの制御手段とメモリおよびハードディスクなどの記憶手段を有するパソコン本体に、キーボードやマウスなどの入力手段、ディスプレイやプリンタなどの出力手段を備えた構成である。持ち運びの容易性を考慮して、ノート型のパソコンを用いるのが望ましい。
解析装置には、位相差顕微鏡からの動画像が、キャプチャボードなどを介して取り込まれ記録される。そして、その動画像を図2に示す手順で解析し、結果出力することができる。そのために、パソコン本体には、本システム用の解析プログラムがインストールされている。これにより、解析装置には、画像の前処理手段、前処理された画像中の各細胞を識別するラベリング手段、このラベリングにより各細胞の動きを追跡する細胞追跡手段、ラベリングされた各細胞についての特徴計測手段、計測された特徴から診断を行う判定手段、および判定結果の出力手段が構築される。
前処理手段による前処理は、位相差顕微鏡から取り込んだ動画像中のそれぞれのフレーム画像に対して行われる。動画像は、複数のフレーム画像(たとえば1秒間に30コマのフレーム画像)から構成されるが、そのすべてのフレーム画像を処理対象としてもよいし、所定間隔で抽出したフレーム画像を処理対象としてもよい。そのような各フレーム画像に対し、本実施例では、差分処理、平滑化処理、二値化処理、収縮膨張処理が順次に行われる。そのために、前処理手段は、差分処理手段、平滑化処理手段、二値化処理手段、収縮膨張処理手段を備えている。
差分処理手段は、各フレーム画像と、背景画像(血液を流していない状態の流路の画像)との差分処理を行う手段である。この処理により、背景の消去が行われ、流れる細胞のみの画像を得ることができる。差分処理とは、二枚の画像間で差分をとり、処理の対象のみを抽出する処理をいう。差分対象の画像をそれぞれ、f(x,y)とg(x,y)とし、処理後の画像をf’(x,y)とすると、差分処理は、次式にて表される。
[数1]
f’(x,y)=f(x,y)−g(x,y)
今回は、差分の結果が負数になる場合は、絶対値をとり、濃度値が負数にならないようにしている。差分処理により、カメラの照度分布を除去、軽減し、細胞を強調することができる。判定対象が変わっても、カメラの照度分布や流路の位置は変化しないため、差分処理を行うと、背景部分では濃度値の差が小さくなる。一方、細胞部分では濃度値の差が大きくなる。そのため、背景部分が消去され、細胞のみが強調された画像を得ることができる。図3に、本実施例による差分処理の例を示した。
平滑化処理手段は、本実施例ではメディアンフィルタを用いて雑音成分を除去する手段である。位相差顕微鏡で撮影された動画像には雑音(ノイズ)が含まれているので、空間フィルタの一種であるメディアンフィルタを用いて雑音を除去するのである。空間フィルタ処理とは、注目している画素とその近傍の画素の濃度値に、オペレータと呼ばれる値を用いて重み付けをした後、それらの和をとって、注目している画素の新たな濃度値とする処理をいう。
そして、メディアンフィルタとは、変換後の濃度値を、注目画素とその近傍濃度値の中央値(n個の場合はn/2番目の濃度値)とする方法である。一般に、近傍画素の濃度分布において、その中央値に位置する画素が、雑音成分である可能性は極めて低いという特徴があるため、変換後の濃度値として雑音成分が選択されることは非常に少ない。そのため、メディアンフィルタ処理後では、雑音成分と思われる成分は除去されることになる。なお、注目画素とオペレータの演算は、画像の濃度値に対して行っている。そのため、事前に処理前のカラー画像を濃淡画像に変換している。
二値化処理手段は、濃淡画像を二値画像に変換する手段である。二値画像とは、画像の各画素の値が二値(0と1、黒と白)で構成される画像をいう。通常、二値画像では、注目する対象領域を1(白)に、その他の背景領域を0(黒)に割り当てる。二値画像は、画像の表現形式として最も単純で、それ故、濃淡画像に比べて処理し易く、処理時間の短縮を図ることもできる。この二値化処理では、各画素の濃度値を所定しきい値と比較し、1か0かに振り分けることになる。本実施例では、ヒストグラムに明瞭な境界がなくても、公知のしきい値決定法(判別分析法)を用いて、しきい値の決定を自動で行うよう構成している。
収縮膨張処理手段は、前記二値化処理で生じた細胞の切れ目や穴、雑音を除去、軽減する手段である。つまり、撮影条件や細胞の状態により、前記二値化処理では細胞に切れ目や誤った穴が生じる場合があるので、次に述べる収縮処理と膨張処理とを行うことで、そのような不都合を解消することを目的とする。
図4は、収縮処理の説明図であり、(a)は収縮対象の画像、(b)は収縮処理の対象画素、(c)は収縮処理後の画像を示している。収縮処理とは、対象から境界点(図形成分の背景に接する点)をすべて取り除く処理である。これにより、対象はその周囲の一画素分だけ面積が小さくなる。対象が円形であれば、その直径は収縮処理により二画素分だけ小さくなる。任意の対象において三画素より狭い部分があると、その点で対象は分離する。また、二画素よりも小さい対象は消滅する。
図5は、膨張処理の説明図であり、(a)は膨張対象の画像、(b)は膨張処理の対象画素、(c)は膨張処理後の画像を示している。膨張処理とは、対象に接する背景部分のすべての点を対象の中に取り入れる処理である。これにより対象はその面積が増加する。対象が円形の場合には、その直径は膨張処理により二画素だけ増加する。二つの対象が三画素未満の距離しか離れていない場合は、これらの対象は合併する。
本実施例では、前記収縮処理と膨張処理とを複数回組み合わせたオープニング・クロージング処理が行われる。オープニング処理では、n回収縮処理を行った後、n回膨張処理が行われる。この処理では、半径がnの領域は消滅するため、微小な雑音を除去することができる。一方、クロージング処理では、n回膨張処理を行った後、n回収縮処理が行われる。この処理では、n×2画素離れた二つの対象の場合、一つの対象として合併する。また、対象に生じたn×2画素の幅の切れ目を埋めることができる。そのため、クロージング処理は、二値画像中の対象の微小な穴を埋めるのに有効である。本実施例では、二値化によって生じた細胞の切れ目を埋めるために用いる。オープニング処理を行った後にクロージング処理を施すことで、二値画像に生じた微小な雑音の除去や、細胞に生じてしまった微小な穴をふさぐことができる。
ラベリング手段は、上記のとおり前処理された画像中の各細胞をラベリングする手段である。ラベリングとは、複数の連結成分(二値画像中で画素が連結して一つの塊を形成しているもの)が存在する二値画像において、それぞれの連結成分に対し異なったラベルを割り与えることで、各細胞を他の細胞と識別するための処理をいう。このラベリングは、たとえば画像の左上の画素から順に、画像を走査していき、前記連結成分ごとに固有のシリアルナンバーを付していくことで達成される。
細胞追跡手段は、画像中の各細胞(前記連結成分)について、全てのフレーム画像について、同一の細胞には同一のラベルを付し、且つそれに基づいて、各細胞の軌跡を求める手段である。同一細胞の同一ラベルによる識別は、各フレーム画像についての前記ラベリング処理時において順次にその都度行ってもよいし、一旦すべてのフレーム画像についてそれぞれ無関係にラベリングした後に修正処理を行なってもよい。
このようなラベル整理のためには、まずラベル比較が行われる。すなわち、異なるフレーム画像間で同一の細胞として認識するために、現在のラベル付けされた画像と1フレーム前にラベル付けされた画像とを比較する。ここで重なる細胞を同一の細胞として認識し、現在のフレーム画像のラベルを1フレーム前のラベルに付け直すのである。この処理によって、フレーム間で同一の細胞には同一のラベルを付けることができる。このような処理をすべてのフレーム画像に対して行い、各細胞に一意のラベルが付される。そして、各フレーム画像を順に追うことで、各細胞の動き(軌跡)が把握される。さらに、各細胞の重心を求めることで、細胞の移動速度を求めることができる。細胞の移動速度と各細胞の移動軌跡により、プレパラート上の細胞がどのように移動したかを認識することができる。
前記細胞追跡処理は、動画像を対象としたのに対し、以下に述べる特徴計測処理とその後の判定処理は、静止画像を対象とする。その静止画像としては、前記フレーム画像のいずれかを採用することができる。
特徴計測手段は、画像内の各細胞について、その形状に関する特徴を計測する手段である。この処理により抽出される形状特徴は、特に問わないが、たとえば面積、周囲長、フェレ径、穴数、穴面積、複雑度などを含めることができる。これらの内、いずれか一以上の特徴を利用でき、またその他の特徴を含めてもよい。さらに、たとえば「面積/穴面積」など、前記特徴を用いた新たなパラメータをも利用できる。
図6は、各形状特徴の説明図である。面積とは、その細胞に属する画素数をいう。周囲長とは、その細胞の輪郭線上にある画素数となるが、斜め方向に関しては√2の重みを付ける必要がある。フェレ径とは、その細胞に外接する長方形の縦または横の長さをいう。穴数とは、その細胞に含まれている穴の数をいう。穴面積とは、その細胞に含まれる穴の面積の総和をいう。複雑度とは、細胞の複雑さを表す値である。複雑度eは、次式で求められ、細胞が真円であれば、この値は最も小さい1となり、細胞が複雑になるに伴い、値は大きくなる。
[数2]
e=(周囲長)/(4×π×面積)
本実施例では、位相差顕微鏡から取り込まれた血液の画像より、赤血球の面積、周囲長、穴数、穴面積、複雑度が取得される。ところで、周囲長の計測と、後述する擬似カラーによる細胞描画のために、次に述べる輪郭線追跡処理が利用される。
図7(a)は、輪郭線追跡の概念図で、同図(b)はその際に用いられる方向指数を示す説明図である。さらに、図8は、輪郭線追跡の処理の流れを示す説明図である。輪郭線追跡では、対象の境界点を追跡し、輪郭線上の画素間の方向情報(チェーンコード)を抽出する。チェーンコードでは線分の向いている方向を数字(チェーン符号)で表し、方向に対応した数字を方向指数と呼ぶ。輪郭線追跡の流れは、図8を参照して、以下の(1)から(7)の手順で行われる。
(1)画像内を左上から右下に向かって走査し、対象の輪郭線上で未処理の画素を探索する。未処理の画素を見つけると、その画素を追跡開始点とする(a)。
(2)(1)の追跡開始点を追跡点とし、追跡点を中心とした8近傍を反時計回りで探索する(b)。
(3)(2)の処理で画素が存在しない場合は、孤立点となるので(1)に戻る。
(4)探索において、最初に現れた輪郭線上の点を現在の追跡点とする。
(5)追跡点の8近傍を反時計回りで画素を探索する(c)。
(6)(4)、(5)の処理を追跡開始点に戻るまで繰り返すことで輪郭線を得ることができる(d)(e)。
(7)追跡点が追跡開始点に戻ると追跡処理を終了し、別の輪郭線を求めるために(1)に戻る。
判定手段は、特徴計測手段により計測された被験者の細胞の特徴と、予め登録された各種状態の細胞の特徴とを比較し、被験者の各細胞の状態を判定する手段である。そして、さらに所望により、その細胞状態の判定から、健康状態の判定をもなすよう構成するのがよい。
本実施例では、赤血球の状態を認識するよう構成されている。健康的な赤血球は、大きさが約8μmの円形であることを基準に、予め標準的な赤血球の面積、周囲長、穴数、複雑度が設定されている。次に、その基準を元に、凝集血球、微小物体、変形血球、有刺血球などの特徴パラメータを予め設定しておく。図9には、本実施例の細胞状態の特定に用いる特徴パラメータの一例を示した。
たとえば、連鎖血球では赤血球がお互いに連結しているために、特徴計測で計測される面積は基準よりもかなり大きくなる。そこで、連鎖血球の特徴を基準よりも面積が大きいと設定しておく。また、変形血球では赤血球の一部が欠けているために、赤血球の形が複雑になり、複雑度が基準よりも大きく計測される。そこで、変形血球では複雑度を大きく設定している。このようにして予め各種の状態の赤血球の特徴パラメータが登録されており、前記特徴計測手段により計測された被験者の個々の赤血球の特徴とを比較することで、その赤血球の細胞状態を特定することができる。たとえば、特徴計測で面積1890[pixel]、複雑度1.2、穴数1、面積/穴面積比が0.5と計測された赤血球は、扁平状赤血球として特定される。
ところで、赤血球には、健康的な通常の赤血球以外に、連結赤血球、連鎖赤血球、変形赤血球、有棘赤血球、扁平状赤血球などがあり、生活習慣病により赤血球の形状が変化することが知られている。たとえば、連鎖赤血球は、アルコール中毒、関節炎、糖尿病、心筋梗塞などの際に見られる。したがって、血液細胞の状態から、健康状態を把握することが可能である。
このように、複数(複数種)の細胞について、細胞の状態(形状特徴の他、好ましくはその画像など)と、健康状態(症例の他、好ましくはその原因や対策など)とを対応づけて記憶手段に記憶しておき、特徴計測手段により計測された被験者の各細胞の特徴に基づいて、当該記憶手段からその特徴に対応する細胞を検索して特定し、それに対応した画像や健康状態を取得して出力可能とするのがよい。
出力手段は、前記細胞追跡手段や判定手段による結果をディスプレイなどに出力する手段である。たとえば、各細胞の重心の軌跡を線分で示しつつ動画再生して出力する。あるいは、図10に示す画面などで、細胞状態を表示する。この画面出力例では、左上に判定対象の被験者の血液画像が表示され、右上には各種症例(各種細胞状態)または判定後の画像が、その下には、症例および結果の詳細説明が出力可能である。さらに、画面左下には、被験者の情報として、性別、測定日、年齢、身長、体重、喫煙の有無、睡眠時間、食後何時間目の測定なのかなどの情報の入力を可能としている。これらの項目は適宜に変更可能であり、またこれら情報は記憶手段に登録可能である。
図10において、判定(診断)対象画面には位相差顕微鏡で観測された画像がリアルタイムで表示される。処理の「取り込み」ボタンをクリックことで撮影が開始され、動画像が記録される。所定の「判定」ボタンをクリックすると、血液状態の解析が開始される。解析が終了すると、健康状態に応じて擬似カラーで染められた画像と、個々の細胞の状態とその数が結果として被験者に提示される。
被験者に結果として提示する画像の作成には、計測された健康状態に応じて、入力画像中の細胞に色を付けて表示する擬似カラー法が用いられる。表示色は、細胞の面積、複雑度により変化させる。健康的な細胞を青とし、細胞の面積が基準の面積から離れるに従い、青、緑、黄、赤と色相を変化させる。また、細胞の形が円に近いほど明るく、複雑になるほど暗く明度を変化させる。
たとえば連結している細胞が少ない健康的な血液画像の例では、実際に計測される個々の細胞群の面積は健康な赤血球の面積に近くなる。また、複雑度は小さく円に近い値で計測される。そのため画像は明るい青色や緑色で表示される細胞が多くなり、画像全体では明るい青みが強く表示される。
一方、細胞同士がお互いに連結している状態が多く見られる非健康的な血液画像では、特徴計測において個々の細胞群の面積は健康的な赤血球の面積よりもかなり大きく計測される。これは、連結している細胞群は一つの細胞として計測されるためである。また、複雑度は大きく計測される。そのため、被験者に提示される画像は暗い黄色や赤色で表示される細胞が多くなり、画像全体では暗い赤色が強く表示される。
このように健康な血液画像では明るい青味が強い色で表示され、不健康な血液画像では暗い赤味が強い色で表示される。擬似カラー法を用いることで、被験者には青、緑、黄、赤の割合や画像の明るさといった視覚情報によって感覚的に結果を提示することができる。
上記実施例の血液健康支援システムによれば、位相差顕微鏡より取り込んだ血液細胞の画像に対して、血液細胞の健康支援が簡易に可能である。そして、位相差顕微鏡から取り込んだ映像を見ながらの赤血球の認識が可能であることから、血液簡易診断システムへも応用できる。また、上記実施例のシステムは、小型軽量であるため、持ち運びが容易である。そのため、病院間での貸し借りや、献血車に搭載するなどの活用も可能である。さらに、上記実施例のシステムによれば、予備知識のない被験者にも測定結果の確認が容易になり、生活習慣病の予防につなげることができる。
なお、本発明の血液健康支援システムは、上記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、上記実施例では、赤血球状態の認識およびそれに基づく判定について述べたが、その他の細胞にも適用可能である。すなわち、たとえば血液中の白血球やその他の不純物の認識を可能に構成してもよい。さらに、結果出力手段に用いた色彩は、適宜に変更可能である。
本発明の血液健康支援システムの一実施例のシステム構成を示す概略図である。 図1のシステムの解析処理手順を示す概略図である。 図1のシステムで実行される差分処理の一例を示す説明図である。 図1のシステムで実行される収縮処理の説明図であり、(a)は収縮対象の画像、(b)は収縮処理の対象画素、(c)は収縮処理後の画像を示している。 図1のシステムで実行される膨張処理の説明図であり、(a)は膨張対象の画像、(b)は膨張処理の対象画素、(c)は膨張処理後の画像を示している。 血液細胞の各形状特徴を示す説明図である。 図1のシステムで実行される輪郭線追跡処理の説明図であり、(a)は輪郭線追跡の概念図で、(b)はその際に用いられる方向指数を示す説明図である。 図1のシステムで実行される輪郭線追跡処理の流れを示す説明図である。 図1のシステムで使用される細胞状態特定用の特徴パラメータの一例を示す図である。 図1のシステムによる出力結果の画面例を示す図である。
符号の説明
1 位相差顕微鏡
2 解析装置(パソコン)

Claims (5)

  1. 血液の動画像中の複数のフレーム画像それぞれについて、血液のない状態で撮影した背景画像との差分により、背景と細胞との分離を図る差分処理手段と、
    差分処理された濃淡を有する各フレーム画像を、設定されたしきい値で二値画像に変換する二値化処理手段と、
    二値化処理された各フレーム画像中の細胞を、所定画素分だけ収縮または膨張させてから、前記所定画素分だけ逆に膨張または収縮させる収縮膨張処理手段と、
    その後、フレーム画像中の細胞それぞれを識別するラベルを、前後のフレーム画像同士の比較により同一細胞には同一ラベルを付して行い、各細胞の軌跡を求める細胞追跡手段と、
    細胞追跡手段による各細胞の動きを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする血液健康支援システム。
  2. 血液の静止画像中の細胞について、面積、周囲長、外接する長方形の縦もしくは横の長さ、穴数、穴面積、真円からの複雑度等の内、いずれか一以上の特徴を計測する特徴計測手段と、
    特徴計測手段にて得られた細胞の特徴と、予め登録された細胞の特徴とを比較し、細胞状態またはそれに基づく健康状態を判定する判定手段と、
    判定手段による結果を出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする血液健康支援システム。
  3. 前記出力手段は、前記判定手段による細胞状態または健康状態に応じて、細胞ごとに着色して出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の血液健康支援システム。
  4. 血液の静止画像について、血液のない状態で撮影した背景画像との差分により、背景と細胞との分離を図る差分処理手段と、
    差分処理された濃淡画像を、設定されたしきい値で二値画像に変換する二値化処理手段と、
    二値化処理された各画像中の細胞を、所定画素分だけ収縮または膨張させてから、前記所定画素分だけ逆に膨張または収縮させる収縮膨張処理手段とを更に備え、
    この後、前記特徴計測手段により特徴計測がなされる
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の血液健康支援システム。
  5. 請求項1に記載の前記フレーム画像、または請求項4に記載の前記静止画像は、位相差顕微鏡から取り込まれる動画像中のフレーム画像である
    ことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の血液健康支援システム。
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