JP3841051B2 - ヒートポンプ給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気熱と浴槽水をヒートポンプサイクルの熱源として利用し、給湯水の加熱を行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヒートポンプ給湯装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがあった。図13は、特許文献1に記載された従来のヒートポンプ給湯装置を示すものである。
【0003】
図13に示すヒートポンプ給湯装置において、110は冷媒回路、111は圧縮機、112は給湯熱交換器、113は減圧手段、114はファンを備えた室外熱交換器、115は浴槽水回路119に接続される風呂熱交換器、118は貯湯槽117の給湯水を給湯水回路116を通じて給湯熱交換器112に搬送する給湯水ポンプ、120は浴槽、121は浴槽水を搬送する浴槽水ポンプである。
【0004】
上記構成において、浴槽120の温度の高い浴槽水は浴槽水ポンプ121によって風呂熱交換器115へ送られた際に、給湯水ポンプ118によって送られる貯湯槽117の温度の低い給湯水と熱交換し、これにより給湯水が加熱される。この後、給湯水は給湯熱交換器112へ流入し、圧縮機111より送られる高温冷媒より加熱され、貯湯タンク117へ貯湯される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−318604号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成において、風呂熱交換器115で浴槽水から加熱された給湯水を給湯熱交換器112において冷媒で再加熱するため、以下のような課題があった。給湯水が風呂熱交換器115で浴槽水から熱を吸熱し、給湯熱交換器112に入るときの温度が高くなるとヒートポンプサイクルの高圧が上昇する。高圧上昇により圧縮機112の圧縮比(ヒートポンプサイクルの高圧/低圧)が大きくなるため、給湯熱交換器112で給湯水を加熱する際のヒートポンプサイクルの効率が低下する。即ち、浴槽120の温度の高い浴槽水を給湯水の加熱に有効に利用できても、ヒートポンプサイクルを用いた給湯水の加熱運転の効率は低下することになる。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、浴槽水の熱と大気熱を冷媒で集熱して給湯水の加熱を高効率に行うヒートポンプ給湯装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、冷媒と貯湯槽の給湯水が熱交換する給湯熱交換器と、前記給湯熱交換器から流出した冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器を圧縮機と減圧手段の間の冷媒回路に設け、大気熱を熱源とした給湯水の加熱運転と浴槽水を熱源とした給湯水の加熱運転を行わせる運転制御手段を備えたヒートポンプ給湯装置としたものである。
【0009】
これによって、浴槽水の熱は風呂熱交換器で冷媒によって吸熱され、冷媒が吸熱した熱は給湯熱交換器で給湯水の加熱に利用される。従って、給湯水を給湯熱交換器に入る前に浴槽水の熱で加熱しなくても、浴槽水の熱を給湯水の加熱に利用できるため、給湯水を給湯熱交換器で加熱する際のヒートポンプサイクルの効率は低下しない。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、貯湯槽と、浴槽と、冷媒と前記貯湯槽の給湯水が熱交換する給湯熱交換器、前記給湯熱交換器から流出した冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器、減圧手段、大気熱交換器を順次接続した冷媒回路とを備え、大気熱を熱源とした給湯水の加熱運転と浴槽水を熱源とした給湯水の加熱運転を行わせる運転制御手段を備えたことを特徴とするヒートポンプ給湯装置とすることによって、浴槽水の熱は風呂熱交換器で冷媒によって吸熱され、冷媒が吸熱した熱は給湯熱交換器で給湯水の加熱に利用できる。従って、給湯水を給湯熱交換器に入る前に浴槽水の熱で加熱しなくても、浴槽水の熱を給湯水の加熱に利用できるため、給湯水を給湯熱交換器で加熱する際のヒートポンプサイクルの効率低下を抑えることができる。また、浴槽水を熱源とすることでヒートポンプサイクルの低圧を上昇させることが可能であるため、圧縮機における圧縮比を低減してヒートポンプサイクルの高効率化を実現することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、給湯熱交換器と風呂熱交換器との間の冷媒回路に、第二の減圧手段を備えたヒートポンプ給湯装置とすることにより、風呂熱交換器に入る冷媒の温度が浴槽水の温度より高くなっても、冷媒を減圧し冷媒の温度を下げて浴槽水の熱を吸熱させることができるので、浴槽水の熱を有効に給湯の加熱に利用することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、減圧手段と大気熱交換器をバイパスするバイパス回路と、バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉手段とを備えたヒートポンプ給湯装置とすることにより、大気熱交換器における浴槽水によって加熱された冷媒の放熱を抑えることができるので、浴槽水の熱を熱源として給湯水の加熱運転を行う効率を向上させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、減圧手段が開度が可変の減圧手段であるとき、運転制御手段は、浴槽水を熱源として給湯水の加熱運転を行うときは、第二の減圧手段の開度>減圧手段の開度、となるようにするものであるヒートポンプ給湯装置とすることにより、大気熱交換器における浴槽水によって加熱された冷媒の放熱を最小とすることができるので、浴槽水の熱を熱源として給湯水の加熱運転を行う効率をさらに向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3〜4に記載の発明において、大気熱交換器の出口側の冷媒回路に回路開閉手段を備えたヒートポンプ給湯装置とすることにより、大気熱交換器における浴槽水によって加熱された冷媒の溜まり込みを抑えることができるので、大気の温度<圧縮機へ戻る冷媒の温度、となるときであっても、所定の給湯水の加熱能力を得ることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜4に記載の発明において、運転制御手段は、浴槽水と大気の温度を基に、バイパス回路開閉手段を制御するものであるヒートポンプ給湯装置とすることにより、浴槽水の温度と大気の温度を比較して、効率が高い方を熱源として給湯水の加熱運転を行うことができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6に記載の発明において、運転制御手段は、貯湯槽の残湯量を基に大気熱と浴槽水の両方を熱源として給湯水の加熱運転を行うものであるヒートポンプ給湯装置とすることにより、貯湯槽の残湯量が少ないときは浴槽水と大気熱を同時に吸熱して給湯水の加熱能力を増大させるので、貯湯槽の湯切れを防止することができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7に記載の発明において、運転制御手段は、大気の温度を基に大気熱と浴槽水の両方を熱源として給湯水の加熱運転を行うものであるヒー
トポンプ給湯装置とすることにより、大気の温度が低いときは浴槽水と大気熱を同時に吸熱して給湯水を加熱するので、大気熱交換器における吸熱量を低減させることが可能となり、着霜を抑制することができるとともに、給湯水の加熱能力が維持できるので、貯湯槽の湯切れを防止することができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、圧縮機より吐出される冷媒は、超臨界圧であるヒートポンプ給湯装置とすることにより、亜臨界サイクルより高温、高エンタルピーの超臨界圧力の冷媒で給湯水を加熱するため、亜臨界サイクルより給湯水をより高温に加熱することが出来るので、貯湯槽の貯湯熱量を増加させることができる。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、風呂熱交換器は、冷媒と浴槽水が対向流となるように構成されているヒートポンプ給湯装置とすることにより、高温の冷媒と浴槽水を対向流で熱交換させることによって、熱交換器の温度効率が向上し、浴槽水を高効率に加熱することができるばかりでなく、風呂熱交換器の小型化を図ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0021】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものである。図1において、11は圧縮機、12は冷媒と貯湯槽17の給湯水が熱交換する給湯熱交換器、13は給湯熱交換器12を流出した冷媒と浴槽22の浴槽水が熱交換する風呂熱交換器、14は送風ファン14aを有し冷媒と大気が熱交換する大気熱交換器、15は大気熱交換器14の冷媒入口側に設けた減圧手段、16は圧縮機11、給湯熱交換器12、風呂熱交換器13、減圧手段15、大気熱交換器14を順に接続する冷媒回路、18は給湯水が貯湯槽17と給湯熱交換器12の間で循環する給湯水回路、19は貯湯槽17の給湯水を給湯熱交換器12へ搬送する給湯水ポンプ、20は貯湯槽17へ給湯水を供給する給水配管、21は貯湯槽22からの出湯配管、23は浴槽水が浴槽22と風呂熱交換器13の間で循環する浴槽水回路、24は浴槽22の浴槽水を風呂熱交換器13へ搬送する浴槽水ポンプ、25は運転制御手段である。
【0022】
ここで、運転制御手段25は、大気熱を熱源として冷媒で給湯水を加熱する大気熱給湯運転と、浴槽水の熱を熱源として給湯水を加熱する給湯運転(熱源が浴槽水の熱単独:風呂熱給湯運転、熱源が浴槽水の熱と大気熱の両方:風呂熱同時給湯運転)を行わせるものであり、圧縮機11と給湯水ポンプ19と浴槽水ポンプ24と送風ファン14aの動作を制御するものである。
【0023】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0024】
図1の構成において、大気熱給湯運転を行うときは以下のような動作となる。運転制御手段25は、圧縮機11と給湯水ポンプ19と送風ファン14aを作動させる。給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12へ搬送された給湯水は、圧縮機11から吐出された高温冷媒より加熱されて高温の給湯水となる。給湯水を加熱した冷媒は、風呂熱交換器13を通過し減圧手段15で減圧されて低圧冷媒となり、大気熱交換器14で送風ファン14aより搬送された大気から熱を吸熱して、圧縮機11に戻る。浴槽水ポンプ24は停止しているため、浴槽22の浴槽水は風呂熱交換器13には搬送されない。給湯熱交換器12で高温に加熱された給湯水は、貯湯槽17の上層へ戻されるので、貯湯槽17の上層部より順次高温の給湯水を貯めることができる。貯水槽17の下層部は、水道配管等と接続した給
水配管20より供給される給湯水が貯まっているので、給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12に搬送される給湯水の温度は、水道水配管の水の温度にほぼ等しい。大気熱給湯運転を行っているとき、風呂熱交換器13に流入する冷媒の温度は、給湯熱交換器12において冷媒と熱交換関係にある給湯水の入口温度によって決定され、その温度は、給湯水の入口温度に数度高い温度である。従って、風呂熱交換器13内に滞留している浴槽水は、冷媒によって給湯水の入口温度より大幅に高い温度に加熱されることはない。
【0025】
また、風呂熱同時給湯運転を行うときは以下のような動作となる。運転制御手段25は、大気熱給湯運転の動作に加えて浴槽水ポンプ24を作動させる。給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12へ搬送された給湯水は、圧縮機11から吐出された高温冷媒より加熱されて高温の給湯水となる。給湯水を加熱した冷媒は、風呂熱交換器13を通過する際に、浴槽水ポンプ24より搬送された浴槽水から熱を吸熱し、その後減圧手段15で減圧されて低圧冷媒となり、さらに大気熱交換器14で送風ファン14aより搬送された大気から熱を吸熱して、圧縮機11に戻る。給湯熱交換器12で高温に加熱された給湯水は、貯湯槽17の上層へ戻されるので、貯湯槽17の上層部より順次高温の給湯水を貯めることができる。
【0026】
従来の構成では、浴槽水の熱を利用した給湯運転を行うと、浴槽水の熱を受熱して温度が高くなった給湯水が給湯熱交換器に流入するためヒートポンプサイクルの効率が低下していたが、本実施例の構成では浴槽水の熱は冷媒で吸熱する構成であるため、給湯熱交換器に流入する前の給湯水が浴槽水のよって加熱されることはないため、ヒートポンプサイクルの効率低下を抑止できる。
【0027】
ここで、大気熱給湯運転時の給湯水の加熱熱量=風呂熱同時給湯運転時の給湯水の加熱熱量、とするとき、大気熱熱交換器14で大気から集熱する熱量は風呂熱同時給湯運転時の方が少なくなるので、ヒートポンプサイクルの低圧は、大気熱給湯運転<風呂熱給湯運転、となる。従って、風呂熱同時給湯運転を行うことによって、圧縮機11の圧縮比が小さくなり、ヒートポンプサイクルの効率を向上させることができる。
【0028】
また、風呂熱給湯運転を行うときは以下のような動作となる。所定の加熱熱量を得るために必要な冷媒の吸熱熱量が、風呂熱交換器13で浴槽水から十分に吸熱できる場合、運転制御手段25は、圧縮機11と給湯水ポンプ19と浴槽水ポンプ24は作動させるが、送風ファン14aは作動させない。給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12へ搬送された給湯水は、圧縮機11から吐出された高温冷媒より加熱されて高温の給湯水となる。給湯水を加熱した冷媒は、風呂熱交換器13を通過する際に、浴槽水ポンプ24より搬送された浴槽水から所定の加熱熱量を得るために必要な熱量を吸熱し、その後減圧手段15、大気熱交換器14を通過して、圧縮機11に戻る。給湯熱交換器12で高温に加熱された給湯水は、貯湯槽17の上層へ戻されるので、貯湯槽17の上層部より順次高温の給湯水を貯めることができる。ここで、送風ファン14aの運転は停止しているので、作動に必要な電力が不要となりばかりでなく、装置の静音化を図ることができる。
【0029】
また、大気熱熱交換器14で大気熱より冷媒で集熱する必要がないので、減圧手段15が減圧幅を可変の機能を備えているものであるとき、運転制御手段25によって減圧手段15の減圧幅を風呂熱同時給湯運転時、あるいは大気熱給湯運転時より小さくなるように制御すると、圧縮機11の圧縮比が小さくなり、ヒートポンプサイクルの効率を向上させることができる。
【0030】
以上のように、本実施例においては、圧縮機11、給湯熱交換器12、風呂熱交換器13、減圧手段15、大気熱交換器14を順に冷媒回路16で接続し、運転制御手段25によって風呂熱交換器13で浴槽水の熱を集熱して冷媒で給湯水の加熱を行うこととした。
従って、給湯熱交換器に流入する前の給湯水を浴槽水で加熱しヒートポンプサイクルの高圧を上昇させてしまうことがないので、浴槽22の浴槽水の熱を有効に利用して、高効率な給湯水の加熱を行うヒートポンプ給湯装置とすることができる。
【0031】
尚、本実施例において、運転制御手段25は大気熱給湯運転と風呂熱同時給湯運転と風呂熱給湯運転を行わせるものであるとしたが、大気熱給湯運転と風呂熱給湯運転、あるいは、大気熱給湯運転と風呂熱同時給湯運転を行わせるものであるとしても、浴槽水を有効に利用してヒートポンプサイクルの高効率化を図ったヒートポンプ給湯装置とすることができる。
【0032】
尚、本実施例において、風呂熱同時給湯運転時に給湯水ポンプ19を停止させると、高温の冷媒が風呂熱交換器13へ流入させることができるので、大気熱を集熱して浴槽22の浴槽水の加熱運転を行うヒートポンプ給湯装置とすることができる。
【0033】
尚、本実施例において、風呂熱交換器13で冷媒で吸熱する媒体を、浴槽水としているが、各種廃熱(屋根裏廃熱、冷房廃熱、燃焼廃熱)とすることも可能であり、装置のランニングコストの大幅低減が実現することができる。また、被加熱媒体を給湯水としたが、暖房用媒体、乾燥用媒体を大気熱、浴槽水の熱を用いて加熱することもできる。この場合も、暖房・乾燥のランニングコストを大幅に低減させることができる。
【0034】
(実施例2)
図2は、本発明の第2の実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものである。図2において、26は給湯熱交換器12と風呂熱交換器13の間の冷媒回路に設けた第二の減圧手段、27は運転制御手段である。ここで、運転制御手段27は、運転制御手段25の機能に加えて、第二の減圧手段26を制御するものである。本実施例において第二の減圧手段26は電子膨張弁等の開度が可変の減圧手段である。
【0035】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0036】
図2の構成において、大気熱給湯運転を行うときは以下のような動作となる。運転制御手段25は、圧縮機11と給湯水ポンプ19と送風ファン14aを作動させ、第二の減圧手段26の開度を、最大、あるいはそれに準ずる開度となるよう制御する。給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12へ搬送された給湯水は、圧縮機11から吐出された高温冷媒より加熱されて高温の給湯水となる。給湯水を加熱した冷媒は、第二の減圧手段26と風呂熱交換器13を通過し減圧手段15で減圧されて低圧冷媒となり、大気熱交換器14で送風ファン14aより搬送された大気から熱を吸熱して、圧縮機11に戻る。本実施例においても、第1の実施例と同じく、給湯熱交換器12で高温に加熱された給湯水は、貯湯槽17の上層へ戻されるので、貯湯槽17の上層部より順次高温の給湯水を貯めることができる。
【0037】
図1の構成において、浴槽水の熱を吸熱して給湯水を加熱する運転(風呂熱同時給湯運転、または風呂熱給湯運転)の時間経過に従い、風呂熱交換器13に搬送される浴槽水の温度は下がるため、風呂熱交換器13で冷媒が浴槽水から吸熱する熱量は低下していく。浴槽水の温度が低下しても冷媒が浴槽水から吸熱する熱量を維持するためには、風呂熱交換器13に流入する冷媒温度を下げる必要がある。そこで、第二の減圧手段26を設けて風呂熱交換器13へ流入する冷媒を減圧させて温度を下げることによって、浴槽水の温度が低下しても給湯の加熱に必要な熱量を浴槽水から吸熱することができる。従って、浴槽水の温度が下がっても、浴槽水の熱を有効に吸熱して給湯水の加熱を高効率に行うことができる。
【0038】
以上のように、本実施例においては、第二の減圧手段26と運転制御手段27を備え、浴槽水の温度が下がっても第二の減圧手段26で冷媒を減圧して冷媒温度を下げ吸熱熱量を維持することができるので、浴槽22の浴槽水の熱を有効に給湯水の加熱に利用することができる。
【0039】
尚、本実施例において、第二の減圧手段26は開度が可変の電子膨張弁で構成するものとしたが、高効率な運転範囲が狭くなるがキャピラリーチューブ等を用いると装置の低コスト化を図ることができる。
【0040】
(実施例3)
図3、図4、図5、図6は、本発明の第3の実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものである。図3において、28は圧縮機11の吸入側と風呂熱交換器13の出口を連結して、減圧手段15と大気熱交換器14をバイパスするバイパス回路、29はバイパス回路28を開閉するバイパス回路開閉手段、30は運転制御手段であり、運転制御手段27の機能に加えてバイパス回路開閉手段29の開閉を制御するものである。
【0041】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0042】
図3の構成において、大気熱給湯運転を行うときは以下のような動作となる。運転制御手段30は、圧縮機11と給湯水ポンプ19と送風ファン14aを作動させ、第二の減圧手段26の開度を、最大、あるいはそれに準ずる開度とし、バイパス回路開閉手段29を閉となるよう制御する。給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12へ搬送された給湯水は、圧縮機11から吐出された高温冷媒より加熱されて高温の給湯水となる。給湯水を加熱した冷媒は、第二の減圧手段26と風呂熱交換器13を通過し、バイパス回路28を流れることなく減圧手段15で減圧されて低圧冷媒となる。その後、大気熱交換器14で送風ファン14aより搬送された大気から熱を吸熱して、圧縮機11に戻る。本実施例においても、第1の実施例と同じく、給湯熱交換器12で高温に加熱された給湯水は、貯湯槽17の上層へ戻されるので、貯湯槽17の上層部より順次高温の給湯水を貯めることができる。
【0043】
また、風呂熱給湯運転を行うときは以下のような動作となる。所定の加熱熱量を得るために必要な冷媒の吸熱熱量が、風呂熱交換器13で浴槽水から十分に吸熱できる場合、運転制御手段30は、圧縮機11と給湯水ポンプ19と浴槽水ポンプ24は作動させ、バイパス回路開閉手段29を開とする。このとき、送風ファン14aは作動させない。給湯水ポンプ19から給湯熱交換器12へ搬送された給湯水は、圧縮機11から吐出された高温冷媒より加熱されて高温の給湯水となる。給湯水を加熱した冷媒は、風呂熱交換器13を通過する際に、浴槽水ポンプ24より搬送された浴槽水から所定の加熱熱量を得るために必要な熱量を吸熱し、バイパス回路28を通過して圧縮機11に戻る。風呂熱交換器13で浴槽水の熱を吸熱した冷媒の多くはバイパス回路28を通過して圧縮機11に流入するため、冷媒が大気熱交換器14を通過する際に生じていた大気への自然放熱を低減させることができる。冷媒が大気熱交換器14を通過する際に生じる大気への自然放熱が大きいと、給湯水の加熱熱量が低下するばかりでなく、ヒートポンプサイクルの低圧が低下し、圧縮機11における圧縮比が大きくなるので、ヒートポンプサイクルの効率が低下する。
【0044】
また、風呂熱給湯運転の時間経過に従い、風呂熱交換器13に搬送される浴槽水の温度が低下しても、第二の減圧手段26によって風呂熱交換器13へ流入する冷媒を減圧させて温度を下げ、給湯の加熱に必要な吸熱熱量を確保する。この場合も、風呂熱交換器13で浴槽水の熱を吸熱した冷媒の多くはバイパス回路28を通過して圧縮機11に流入し、
冷媒が大気熱交換器14を通過する際に生じていた大気への自然放熱を低減させることができる。従って、浴槽水の熱を給湯の加熱に利用する運転を行う際のヒートポンプサイクルの効率が向上する。
【0045】
図4において、31は電子膨張弁等の開度が可変の減圧手段、32は運転制御手段であり、運転制御手段32は運転制御手段30の機能に加えて、減圧手段31の開度を、第二の減圧手段26の開度>減圧手段31の開度、となるように制御するものである。図4の構成において、風呂熱給湯運転を行うときにバイパス回路開閉手段29を開いた場合、風呂熱交換器13を流出した冷媒の多くは、バイパス回路28を通じて圧縮機11へ戻るが、大気熱交換器14と減圧手段31の圧力損失の応じて冷媒の一部が大気熱交換器14を通過する。ここで、運転制御手段32は減圧手段31の開度を、第二の減圧手段26の開度>減圧手段31の開度、となるように絞り、第二の減圧手段26を通過する冷媒流量>減圧手段31を通過する流量、となるようにして、大気熱交換器14を通過する冷媒をさらに減らす。これによって、冷媒が大気熱交換器14を通過する際に生じていた大気への自然放熱をさらに低減させることができる。従って、浴槽水の熱を給湯の加熱に利用する運転を行う際のヒートポンプサイクルの効率が大幅に向上する。ここで、減圧手段31が閉止機能を備えて、且つ閉止させるとき、冷媒は減圧手段31を通過して大気熱交換器13へと流れないので、冷媒が大気熱交換器14を通過する際に生じていた大気への自然放熱を最小とすることができる。
【0046】
尚、本実施例において、第二の減圧手段26を通過する冷媒流量>減圧手段31を通過する流量、の関係を成立させるために、第二の減圧手段26の開度>減圧手段31の開度、となる開度が決定される。第二の減圧手段26の開度<減圧手段31の開度、となる場合であっても、冷媒流量>減圧手段31を通過する流量、の関係を成立する場合は、運転制御手段32の減圧手段31の制御範囲内となる。
【0047】
図5において、33は大気熱交換器14の出口側の冷媒回路に設けた回路開閉手段、34は運転制御手段であり、運転制御手段34は運転制御手段32の機能に加えて、回路開閉手段33の開閉を制御するものである。風呂熱給湯運転を行うときに減圧手段31が閉止させるとき、冷媒は減圧手段31を通過して大気熱交換器13へと流れないが、大気の温度<圧縮機11へ戻る冷媒の温度、となるときは、大気熱交換器14内に滞留する冷媒と圧縮機11へ戻る冷媒に密度差が生じ、圧縮機11に戻るべき冷媒の一部が大気熱交換器14へ逆流する。大気熱交換器14へ冷媒の一部が逆流すると、大気熱交換器14内に冷媒が溜まり込み、圧縮機11から吐出される冷媒流量が減るため所定の給湯水の加熱能力を得ることができなくなる。そのため、大気熱交換器14への冷媒の逆流を防止する必要がある。従って、風呂熱給湯運転を行うとき、運転制御手段34は回路開閉手段33を閉とすると大気熱交換器14への冷媒の逆流を防止することができるので、大気の温度<圧縮機11へ戻る冷媒の温度、となるときであっても、所定の給湯水の加熱能力を得ることができる。図6は回路開閉手段33を逆止手段35に置き換えたものである。図6の構成においては、絶えず大気熱交換器14への冷媒の逆流を防止することができるため、大気の温度<圧縮機11へ戻る冷媒の温度、となるときであっても、所定の給湯水の加熱能力を得ることができる。また、回路開閉手段33の開閉を制御する部分が不要となり、装置の低コスト化を図ることができる。
【0048】
本実施例において、バイパス回路開閉手段29と回路開閉手段33は、電磁弁等を用いたが、開度が可変の膨張弁等を用いて開度を制御することにより、同等の作用を得ることができる。
【0049】
(実施例4)
図7は、本発明の第4の実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものであ
る。図7において、36は大気の温度を検知する温度検知手段、37は浴槽22の浴槽水の温度を検知する温度検知手段、38は運転制御手段であり、運転制御手段38は、運転制御手段30、32、34の機能に加えて、温度検知手段36、37の検知した大気の温度と浴槽水の温度を基に、バイパス回路開閉手段29の開閉を制御するものである。
【0050】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0051】
図7の構成において、大気熱給湯運転と風呂熱給湯運転を行う方法は、実施例3に示した方法と同じである。ヒートポンプサイクルの効率は、圧縮機11の圧縮比を小さくすれば高くなるため、ヒートポンプサイクルの高効率化を図るためには、ヒートポンプサイクルの低圧を高くする必要がある。ヒートポンプサイクルの低圧は、熱源となる温度に大きく依存し、熱源の温度が高いほど低圧は上昇する。従って、大気熱給湯運転と風呂熱給湯運転のどちらか効率の高い方を選択して運転する場合は、熱源となる大気の温度と浴槽水の温度を比較し、ヒートポンプサイクルの低圧が高い方を熱源として選択し給湯水を加熱する運転を行う。
【0052】
熱源の温度とヒートポンプサイクルの低圧との関係は、熱源の状態(気体−液体、流量)や熱交換器(大気熱交換器14、風呂熱交換器13)の性能によって変わる。従って、風呂熱給湯運転の効率>大気熱給湯運転の効率、となる大気の温度と浴槽水の温度の関係を導き、温度検知手段36、37の検知した温度を基に風呂熱給湯運転の効率>大気熱給湯運転の効率、となることが判定された場合は、運転制御手段38によってバイパス回路開閉手段29を開に制御し、風呂熱給湯運転を実行する。従って、大気の温度、あるいは、浴槽水の温度が変化しても、効率の高くなる熱源を選択して給湯水を加熱する運転を行うことができる。
【0053】
以上のように、本実施例においては、温度検知手段36、37と、温度検知手段36、37の検知した大気の温度と浴槽水の温度を基に、バイパス回路開閉手段29の開閉を制御する運転制御手段38を設け、温度検知手段36、37の検知した温度を基に風呂熱給湯運転の効率>大気熱給湯運転の効率、となることが判定された場合は、運転制御手段38によってバイパス回路開閉手段29を開に制御し、風呂熱給湯運転を実行することとしたので、大気の温度、あるいは、浴槽水の温度が変化しても、効率の高くなる熱源を選択して給湯水を加熱する運転を行うことができる。
【0054】
(実施例5)
図8は、本発明の第5の実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものである。図8において、39は貯湯槽17の残湯量を検知する残湯量検知手段、40は運転制御手段である。残湯量検知手段39はサーミスタ等の温度検知手段で構成され、貯湯槽17の槽本体の壁温度を測定して残湯量を判断するものである。運転制御手段40は残湯量検知手段39の検出した残湯量を基に、大気熱給湯運転、あるいは、風呂熱同時給湯運転、あるいは、風呂熱給湯運転を行わせるものである。
【0055】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0056】
図8の構成において、大気熱給湯運転、あるいは、風呂熱同時給湯運転、あるいは、風呂熱給湯運転は、第1の実施例と同様の動作となる。貯湯槽17の残湯量が少なくなった場合は、装置の運転により貯湯槽17に高温の湯を貯めるが、使用者の給湯負荷が大きい場合は、湯切れを起こす場合があり、そのため、給湯水の加熱能力を増加させる必要がある。給湯水の加熱能力を増加させるためには、冷媒が熱源から吸熱する熱量を増やす必要
があり、大気熱と浴槽水の熱を同時に集熱する風呂同時給湯運転を行うことによって、給湯水の加熱能力を増加させることができる。
【0057】
以上のように、本実施例においては、残湯量検知手段39と運転制御手段40を設け、運転制御手段40は残湯量検知手段39の検出した残湯量が所定の値となった場合は、風呂熱同時給湯運転を行わせることによって、給湯水の加熱能力が増加するため、貯湯槽17の湯切れを防止することができる。
【0058】
(実施例6)
図9は、本発明の第6の実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図を示すものである。図9において、41は運転制御手段であり、温度検知手段37の検知した大気の温度を基に、風呂熱同時給湯運転を行わせるものである。
【0059】
以上のように構成されたヒートポンプ給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0060】
大気熱給湯運転時の給湯水の加熱熱量=風呂熱同時給湯運転時の給湯水の加熱熱量、とするとき、大気熱熱交換器14で大気から集熱する熱量は風呂熱同時給湯運転時の方が少なくなるので、ヒートポンプサイクルの低圧は、大気熱給湯運転<風呂熱同時給湯運転、となる。従って、風呂熱同時給湯運転を行うことによって、圧縮機11の圧縮比が小さくなり、ヒートポンプサイクルの効率が向上する。さらに、大気熱交換器14における集熱熱量が減少するので、冬期においては、大気熱交換器14に大気中の水分が着霜し難くなり、着霜現象による給湯加熱能力の低下を抑えることができるばかりでなく、除霜運転の実行回数を減らすことができる。
【0061】
以上のように、本実施例においては、温度検知手段37の検知した温度を基に風呂熱同時給湯運転を行わせる運転制御手段41を設け、温度検知手段37によって大気の温度を検知し、着霜し易い条件と判断される場合は、風呂熱同時給湯運転を実行することによって、着霜し難く貯湯槽の湯切れの心配がないヒートポンプ給湯装置とすることができる。
【0062】
また、本実施例において、除霜運転を風呂熱交換器13を通過させた後の冷媒で行うとき、風呂熱交換器13を通過する冷媒温度が浴槽22の浴槽水温度より低い場合、浴槽水ポンプ24を作動させると浴槽水の熱で冷媒を加熱することが可能である。従って、浴槽水で除霜運転中の冷媒を加熱し、この加熱した冷媒で大気熱交換器14の除霜運転を行うことができるので、より短時間で除霜運転を終えることができる。
【0063】
また、着霜する大気の温度より更に温度が低くなると、着霜現象は発生しなくなるが、ヒートポンプサイクルの低圧を大幅に下げる必要があり、給湯水の加熱能力と効率が低下する。この場合でも、風呂熱同時給湯運転を行うことによって、風呂熱交換器13で浴槽水の熱を吸熱させることにより、低下する給湯加熱能力を補うことができるばかりでなく、ヒートポンプサイクルの効率を向上させることができる。
【0064】
(実施例7)
図10は、本発明の第7の実施例におけるヒートポンプ給湯装置のP−h線図である。図10において、波線は圧縮機から吐出される冷媒の圧力が亜臨界圧のときのヒートポンプサイクルの高圧を示すものであり、Aは給湯熱交換器入口の冷媒の状態を示すものである。実線は圧縮機から吐出される冷媒の圧力が超臨界圧のときのヒートポンプサイクルを示すものであり、Bは給湯熱交換器入口の冷媒の状態を示すものである。圧縮機11で加圧する冷媒の圧力を超臨界圧力とすると、給湯熱交換器12の入口の冷媒エンタルピーと温度Bが亜臨界域Aと比較して上昇するため、給湯水の高温沸き上げが可能となる。貯湯
槽17へ高温の給湯水が貯湯できることとなるので、貯湯槽17の蓄熱量を増加させることができるとともに、同一の熱容量とした場合、貯湯槽17を小型化することができる。
【0065】
図11は、風呂熱交換器13の温度分布を示す図である。風呂熱交換器13へ流入する冷媒が超臨界圧であるとき、風呂熱交換器13を冷媒と浴槽水が対向流で熱交換するように構成すると、図11に示すような温度分布となる。冷媒が浴槽水から吸熱する際の熱交換関係を対向流とすることにより、熱交換器の温度効率が向上するため、ヒートポンプサイクル効率の向上と風呂熱交換器13の小型化を図ることができる。また、風呂熱同時給湯運転時に給湯水ポンプ19を停止させて、大気熱を集熱して浴槽22の浴槽水の加熱運転を行うときでも、熱交換器の温度効率が向上するため、ヒートポンプサイクル効率の向上と風呂熱交換器13の小型化を図ることができる。
【0066】
図12は、圧縮機11から吐出される冷媒の圧力が超臨界圧であり、第二の減圧手段26が減圧幅が可変の減圧手段であるときのヒートポンプ給湯機のP−h線図を示すものである。給湯水の加熱を行う場合に、第二の減圧手段26と減圧手段31の間の圧力は、ヒートポンプサイクルの高圧と低圧の間の中間圧力Mに保持され、冷媒の密度は、高圧−中間圧−低圧と減圧されていく過程において減少する。第二の減圧手段26と減圧手段31の間に挟まれる冷媒回路(風呂熱交換器13も含む)の空間は一定であるから、中間圧力の増減変化に伴い、中間圧力の冷媒量も変化する。従って、中間圧力Mを下げると中間圧力の冷媒量が減り、余剰となった冷媒は高圧側の冷媒回路に移動する。また、中間圧力を上げると、中間圧力の冷媒量が増え、密度を上げるために必要な冷媒は高圧側の冷媒回路より移動する。中間圧力の変化に伴い、高圧側の冷媒回路の冷媒量が変化することとなるので、第二の減圧手段26、あるいは減圧手段31によって中間圧力を制御すると、高圧側の冷媒回路の冷媒量を制御することが出来る。高圧側の冷媒回路の冷媒量は、給湯水の沸き上げ温度の上昇に伴い、多くする必要がある。従って、給湯水の沸き上げ温度に応じて中間圧力を制御すると、最適な冷媒量を得て高効率な給湯水の加熱運転を行うことができる。
【0067】
尚、本実施例で示す中間圧力とは、所定の減圧幅を得るために設けた第二の減圧手段26と減圧手段31の強制的な減圧作用によって形成され、冷媒回路16で保持される圧力であり、熱交換器や配管の圧力損失で生じる圧力低下のことを指すものではない。
【0068】
尚、本各実施例において、使用する冷媒として二酸化炭素とする場合は、フロン系冷媒より地球温暖化係数が小さい物質であることから、環境負荷が少ないヒートポンプ給湯装置とすることが出来る。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、浴槽水の熱は風呂熱交換器で冷媒によって吸熱され、冷媒が吸熱した熱は給湯熱交換器で給湯水の加熱に利用できるので、給湯水を給湯熱交換器に入る前に浴槽水の熱で加熱することが不要となり、給湯水を給湯熱交換器で加熱する際のヒートポンプサイクルの効率低下を抑えることができる。また、浴槽水を熱源とすることでヒートポンプサイクルの低圧を上昇させることが可能であるため、圧縮機における圧縮比を低減してヒートポンプサイクルの高効率化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図2】 本発明の実施例2におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図3】 本発明の実施例3におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図4】 同実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図5】 同実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図6】 同実施例におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図7】 本発明の実施例4におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図8】 本発明の実施例5におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図9】 本発明の実施例6におけるヒートポンプ給湯装置の構成図
【図10】 本発明の実施例7におけるヒートポンプサイクルのP−h線図
【図11】 同実施例における風呂熱交換器の温度分布を示す図
【図12】 同実施例におけるヒートポンプサイクルのP−h線図
【図13】 従来のヒートポンプ給湯装置の構成図
【符号の説明】
11 圧縮機
12 給湯熱交換器
13 風呂熱交換器
14 大気熱交換器
15、31 減圧手段
16 冷媒回路
17 貯湯槽
22 浴槽
24 浴槽水ポンプ
25、27、30、32、38、40、41 運転制御手段
26 第二の減圧手段
28 バイパス回路
29 バイパス回路開閉手段
33 回路開閉弁
36、37 温度検知手段
39 残湯量検知手段

Claims (10)

  1. 貯湯槽と、浴槽と、圧縮機、冷媒と前記貯湯槽の給湯水が熱交換する給湯熱交換器、前記給湯熱交換器から流出した冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器、減圧手段、大気熱交換器を順次接続した冷媒回路とを備え、大気熱を熱源とした給湯水の加熱運転と浴槽水を熱源とした給湯水の加熱運転を行わせる運転制御手段を備えたことを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
  2. 給湯熱交換器と風呂熱交換器との間の冷媒回路に、第二の減圧手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯装置。
  3. 減圧手段と大気熱交換器をバイパスするバイパス回路と、バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ給湯装置。
  4. 減圧手段が開度が可変の減圧手段であるとき、運転制御手段は、浴槽水を熱源として給湯水の加熱運転を行うときは、第二の減圧手段の開度>減圧手段の開度となるようにする請求項3記載のヒートポンプ給湯装置。
  5. 大気熱交換器の出口側の冷媒回路に回路開閉手段を備えたことを特徴とする請求項3〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  6. 運転制御手段は、浴槽水と大気の温度を基に、バイパス回路開閉手段を制御する請求項3〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  7. 運転制御手段は、貯湯槽の残湯量を基に大気熱と浴槽水の両方を熱源として給湯水の加熱運転を行う請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  8. 運転制御手段は、大気の温度を基に大気熱と浴槽水の両方を熱源として給湯水の加熱運転を行う請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  9. 圧縮機より吐出される冷媒は、超臨界圧であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯装置。
  10. 風呂熱交換器は、冷媒と浴槽水が対向流となるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のヒートポンプ給湯装置。
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