JP3840979B2 - 石油精製プラントの停止および洗浄方法 - Google Patents

石油精製プラントの停止および洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油精製プラントを停止し、付着した汚れを除去する石油精製プラントの停止および洗浄方法に関し、さらに詳しくは装置の停止操作の一部である灯軽油留分油置換工程中に洗浄を実施することができる石油精製プラントの停止および洗浄方法である。
【0002】
【従来の技術】
石油精製プラントの熱交換器では、加熱または冷却される過程で、アスファルテンが析出、沈着を起こしたり、原料油中の無機粒子が沈殿したり、熱交換チューブ内外を流れるプロセス油が加熱または外部からの熱で脱水素反応して高粘性の汚染物が生成し、この汚染物が熱交換チューブ内壁に付着して熱交換効率およびプロセス油の流量を低下させ、汚染が進行すると流路が閉塞する場合も生じる。また石油化学プラントにおいても、油の脱水素反応が進行してカーボン化した粒子や、原料油に潜在的に存在するスケール成分または機器母材の腐食により生成するスケール成分が、アスファルテン、タール等の芳香族化合物を含む重質油をバインダとして結合し、高粘性の汚染物が生成し、これが器壁に付着して同様の問題を生じる。
【0003】
このような汚染物を除去するための石油精製プラントの洗浄方法として、従来は軽油を導入して内部に滞留するプロセス油を系外に押し出して置換したのち、蒸気パージにより軽油を除去し、その後プラントを解体して高圧水洗浄等の物理的な洗浄により汚染物を除去している。例えば熱交換器の場合、軽油置換および蒸気パージ後カバー類を外して熱交換チューブのバンドルを引き抜き、高圧水洗浄により汚れを除去している。カバー類に付着する汚れも高圧水洗浄と手作業で洗浄を行う。洗浄後組立作業等の復旧作業を行って運転を再開する。
【0004】
しかし、上記従来方法では灯軽油留分油自体が、石油の精製過程で発生する汚れ中の重質油を溶解する効果が低いため、汚れの大部分がそのまま残留するため、スチーミング(2日)、開放(2日)後、バンドル引き抜きの際に時間がかかったり(1〜3日)、高圧水洗浄で汚れを完全に除去するのに長時間かかったり(1〜2日)する等の欠点があった。また、復旧、運転再開までに長期間を要していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、プラントを無開放のまま停止し、効率よく簡単に洗浄することができ、これにより開放して高圧水で洗浄する工程が省略でき、実際の装置の停止期間が短縮され、メンテナンスコストの削減、生産量のアップが達成できる石油精製プラントの停止および洗浄方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の石油精製プラントの停止および洗浄方法である。
(1) 加熱部を含む石油精製プラントを停止および洗浄する方法において、
上記石油精製プラントへの被精製油の供給を停止したのち、
プラント内の滞油を押し出しながら石油精製プラントに洗浄用灯軽油留分油を注入して置換し、
加熱部を含む石油精製プラントに循環路を形成して、置換した洗浄用灯軽油留分油をブローすることなく循環し、
洗浄用灯軽油留分油に、洗浄液中の含有量が5〜40重量%のアルキルベンゼン系の芳香族溶剤と、洗浄液中の含有量が0.05〜3重量%のアニオン性界面活性剤および/または洗浄液中の含有量が0.05〜3重量%のノニオン性界面活性剤とを含む洗浄剤を添加し、
前記加熱部で洗浄液を温度60〜170℃に加熱し、流速0.1〜3m/secで石油精製プラント内を循環洗浄することを特徴とする
石油精製プラントの停止および洗浄方法。
) アニオン性界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルの塩、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルからなる群から選ばれる1種または2種以上のものである上記()記載の方法。
) ノニオン性界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルである上記(1)または(2)記載の方法。
) 洗浄剤は助剤としてリモネンおよび/またはセロソルブをさらに含むものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の方法。
) 洗浄液中の助剤の含有量が0.5〜10重量%である上記()記載の方法。
) 洗浄用灯軽油留分油として流動接触分解装置から得られるライトサイクルオイルを使用する上記(1)ないし()のいずれかに記載の方法。
【0007】
本発明において停止および洗浄の対象となる石油精製プラントは、加熱部を含むものであるが、特に制限はなく、例えば重質油系汚染物が付着したプラント、具体的にはプラント中を被精製油(プロセス油)が流れる過程において、重質油がそのまま、または他の成分と結合して形成される汚染物が器壁に付着し、あるいは軽質油もしくは重質油が高分子化または変性して重質化したものがそのまま、または他の成分と結合して形成される汚染物が器壁に付着したプラントなどがあげられる。このようなプラントとしては石油精製プラントの原油蒸留プラント、重質油系プラント、また接触分解装置等の重質油処理装置の熱交換器、中でもボトム熱交換器が代表的なものとしてあげられるが、石油精製プラントにおける他のプラントならびに石油化学プラントでも、同様に重質油系汚染物が付着するプラントは洗浄の対象となる。
【0008】
このようなプラントは汚染物が付着した機器を含む全プラントを洗浄の対象としてもよいが、汚染物の付着が部分的に限定されている場合にはその部分のみを洗浄してもよい。例えば、汚染部分のみを洗浄する場合は、汚染部分と非汚染部分を弁等で遮断し、必要により仮設の配管を汚染部分に接続して、外部に設けた洗浄剤槽との間に循環路を形成し、本設または仮設ポンプにより洗浄液を循環して循環洗浄を行う。
【0009】
本発明では洗浄用灯軽油留分油に、アルキルベンゼン系の芳香族溶剤と、アニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤とを含む洗浄剤を添加した洗浄液を使用し、洗浄用灯軽油留分油はブローすることなく、前記洗浄液の循環洗浄だけで洗浄を行う。
【0010】
本発明で使用する洗浄用灯軽油留分油としては従来から石油精製プラントの被精製油の置換に使用されているものが使用できる。例えば灯油、軽油、LCOなど、揮発性の少ない比較的低沸点の鉱油があげられ、沸点150〜400℃、好ましくは159〜360℃のものが適している。LCO(Light Cycle Oil・・・軽質循環油)はFCC(Fluid Catalytic Cracking・・・流動接触分解)の副産物として得られるもので、軽油に似ているが芳香族油を多く含んでいる。
また洗浄用灯軽油留分油としては流動接触分解装置から得られるライトサイクルオイルを使用することもできる。
【0011】
洗浄剤として使用するアルキルベンゼン系の芳香族溶剤は、高沸点の芳香族油を主成分とする鉱物油であり、沸点としては150〜400℃、好ましくは159〜350℃のものが好ましい。このようなアルキルベンゼン系の芳香族溶剤には炭素数9以上、好ましくは9〜12のアルキルベンゼンを主成分とするものが好ましい。このアルキルベンゼン系の芳香族溶剤は1種の芳香族化合物が含まれるものでもよく、アルキル基の炭素数、置換数、位置等の異なる複数の化合物が含まれるものでもよい。
【0012】
このようなアルキルベンゼン系の芳香族溶剤としては市販品を使用することができ、炭素数9以上のアルキルベンゼンを含むものとして日石三菱石油(株)製スーパーゾールSS1500、スーパーゾールSS1800(いずれも商標)などがあげられる。
【0013】
アルキルベンゼン系の芳香族溶剤の使用量は洗浄液中の含有量として5〜40重量%、好ましくは20〜40重量%であるのが望ましい。
【0014】
洗浄剤として使用するアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルの塩、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルからなる群から選ばれる1種または2種以上のものが使用できる。上記アルキレン基としては炭素数2〜20、好ましくは3〜18のアルキレン基があげられる。また上記アルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは8〜18のアルキル基があげられる。
アニオン性界面活性剤の使用量は洗浄液中の含有量として0.05〜3重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%であるのが望ましい。
【0015】
洗浄剤として使用するノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、特にポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや多価アルコール脂肪酸エステルなどがあげられる。上記アルキル基としては、炭素数1〜15、好ましくは10〜13のアルキル基があげられる。
ノニオン性界面活性剤の使用量は洗浄液中の含有量として0.05〜3重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%であるのが望ましい。
【0016】
本発明では洗浄剤として、アルキルベンゼン系の芳香族溶剤と、アニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤とを併用しているので、洗浄対象物に付着している汚染物の除去率が高くなる。界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤のいずれか一方をアルキルベンゼン系の芳香族溶剤と併用することもできるし、両方をアルキルベンゼン系の芳香族溶剤と併用することもできる。
【0017】
洗浄剤は、さらに助剤としてリモネンおよび/またはセロソルブなどを含んでいてもよい。セロソルブとしてはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどがあげられる。助剤は1または2種以上を併用することができる。助剤を併用することにより、汚染物の除去率をさらに高くすることができる。
助剤の使用量は洗浄液中の含有量として0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%であるのが望ましい。
【0018】
本発明の石油精製プラントの停止および洗浄方法は次のようにして行うことができる。
被精製油の供給を中止した後、通常通りプラント中に留まっている滞油(被精製油、製品など)を押し出しながら灯軽油留分油を張り込み、滞油を洗浄用灯軽油留分油で置換する。この操作は、石油精製プラントを停止する操作工程中に灯軽油留分油で置換する操作と同じであり、本発明は石油精製プラントを停止する操作工程中に行うことができる。
【0019】
灯軽油留分油にて置換され、満液となったら本設または仮設ポンプにて循環を開始する。ラインの構造上循環できない場合は仮設配管を敷設して循環ラインを作成する。例えば、ボトム熱交換器を洗浄する場合、末端からポンプ吸込み側まで仮設配管を敷設して循環ラインを作成する。
循環開始後は、本設のベント、ドレンを利用し、洗浄用灯軽油留分油に洗浄剤を注入し、循環を継続して汚れを除去する。仮設配管を使用する場合はその途中に洗浄剤を注入しても良い。
【0020】
洗浄液の温度は60〜170℃、好ましくは100〜170℃とする。また洗浄時間は汚染物の除去に必要な時間であり、終点は例えば次のようにして判定することができる。すなわち昇温完了後から洗浄開始とし、洗浄期間中1時間に1回程度の頻度で循環液(洗浄液)の明度、吸光度、屈折率等を測定して、洗浄効果を確認するとともに、洗浄対象となっている熱交換器の出入口温度、循環流量、圧力等を測定して、汚れの除去がどの程度進行しているかを判定し、所定の洗浄効果が得られた時点を終点とすることができる。
洗浄液の流速は0.1〜3m/sec、好ましくは0.3〜2m/secとする。
【0021】
洗浄後の排液は原油精製工程に戻し、常圧蒸留装置にて再蒸留することができる。また基本的には水は使用しないので排水が発生しない。
【0022】
上記のようにして石油精製プラントの停止および洗浄を行うことにより、無開放のまま効率よく簡単に装置が清浄となり、かつ開放することなく運転を再開することができる。このため、開放して高圧水で洗浄する工程を省略することができ、実際の装置の停止期間が短縮され、メンテナンスコストの削減、生産量のアップが達成できる。また短時間で装置の洗浄が可能となり、例えば従来の洗浄方法では装置停止から定期点検工事終了まで約20日程度かかっていたものが、4日で終了させることもできる。さらに、熱交換器については、洗浄により汚れが除去されるので、総括伝熱係数や圧力損失の回復など、装置能力の低下の解消を目的としたバンドル引き抜き、高圧水洗浄の必要がなくなる。
【0023】
汚れ中に、塩などの水溶性の汚れがある場合は、上記洗浄後に水洗を実施することができる。残留する油分との親和性のため、界面活性剤を添加した水を使用すればなお良い。
洗浄対象装置の開放時に作業者の作業環境確保が必要な場合は、ライフ・ガード・システム等のデコンタミネーション技術を組合せることもできる。
開放のためにスチーミングを行う場合は、排水の水質悪化を防止するため、灯軽油留分油で更に置換するのが好ましい。
【0024】
【作用】
石油精製プラントに付着する汚れは、1)硫化鉄等の無機成分、2)プロセス油由来の有機成分の大きく2種類の成分で成り立っている。無機成分はいわゆる固形物で、硫化鉄を多く含んでいる。有機物は特に原油中にもともと分散しているアスファルテン等が加熱により凝集したものを多く含む重質かつ高粘性なものが主成分となっている。
【0025】
これら2成分はあたかも石垣の石とコンクリートのように、硫化鉄粒子が積み重なっている間を重質油成分がバインダーとなって構成されており、その粘性により管材表面に付着している。この重質油はアスファルテンに代表される高分子芳香族炭化水素を含んでいるため、軽油のような直鎖系主体の炭化水素には非常に溶解しにくい性質を持っている。従って洗浄用灯軽油留分油単独による洗浄では容易には除去されない。この汚れを除去するには、この重質油成分を除去し、汚れ自体に粘性を失わせるとともに微細化し、排出させれば良い。
【0026】
本発明で洗浄剤として使用しているアルキルベンゼン系の芳香族溶剤は、洗浄用灯軽油留分油単独では溶解することが困難な上記高分子炭化水素成分を溶解することができる。さらに、洗浄剤として界面活性剤を併用することにより、汚れの深部にまで洗浄液を到達させることができ、これによりバインダーとなっている重質油分を容易に除去することができる。ただし、重質油はそれ自体高い粘性を有しており、常温域ではなかなか溶剤成分が汚れの深部に到達しない。従って洗浄液の温度を前記温度に維持してやることで、その粘性を低下させ、より除去されやすくすることができる。
【0027】
バインダーを失った無機成分はスラッジとなるが、硫化鉄を多く含み、比重が高いためそのままでは除去されない。そこで必要となるのが流速である。この流速は高いほど良いが、事実上使用できるポンプの吐出流量により規制される。汚れの種類にもよるが、前記流速で循環洗浄することにより、より高い除去率で除去することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の石油精製プラントの停止および洗浄方法は、加熱部を含む石油精製プラントへの被精製油の供給を停止したのち、プラント内の滞油を押し出しながら石油精製プラントに洗浄用灯軽油留分油を注入して置換し、加熱部を含む石油精製プラントに循環路を形成して、置換した洗浄用灯軽油留分油をブローすることなく循環し、洗浄用灯軽油留分油にアルキルベンゼン系の芳香族溶剤と、アニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤とを含む洗浄剤を添加し、前記加熱部で洗浄液を温度60〜170℃に加熱し、流速0.1〜3m/secで石油精製プラント内を循環洗浄することにより、プラントを無開放のまま効率よく停止して簡単に洗浄することができ、これにより開放して高圧水で洗浄する工程が省略でき、実際の装置の停止期間が短縮され、メンテナンスコストの削減、生産量のアップが達成できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は石油精製プラントに循環洗浄用の仮設循環路を形成した場合の系統図である。実線は本設の配管、点線は仮設の配管を示す。
【0030】
図1において、1aおよび1bは熱交換器、2は加熱炉、3は蒸留塔、4および5はポンプ、6は被精製油供給路、7は製品取出路であり、これらの装置が石油精製プラントの本設の装置を構成している。蒸留塔3は下部のみ図示されており、上部の図示は省略されている。10は仮設循環タンク、11は芳香族溶剤供給路、12は界面活性剤供給路、13は仮設ポンプ、14は仮設弁ユニットであり、仮設弁ユニット14から熱交換器1aの入口側の被精製油供給路6に仮設循環路15が接続し、また熱交換器1aの出口側の製品取出路7から仮設弁ユニット14に仮設循環路16が接続し、循環系が形成されている。
【0031】
図1において洗浄を行うには、プラントの運転停止後、弁V1が閉、弁V2、V3、V4が開の状態で、装置内部に滞留する被精製油および製品を製品取出路7から系外に排出する。その後弁V4を閉じ、仮設ポンプ13により仮設循環タンク10中の洗浄用灯軽油留分油を仮設循環路15から被精製油供給路6に導入し、熱交換器1a、1b、加熱炉2、蒸留塔3、熱交換器1b、1a、仮設循環路16の順路で送液して循環させ、装置内を洗浄用灯軽油留分油で置換する。
【0032】
循環始後、芳香族溶剤供給路11からアルキルベンゼン系の芳香族溶剤、界面活性剤供給路12からアニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤を添加して洗浄液を調製し、この洗浄液を上記と同様に循環させ、汚染物を洗浄液中に溶解させて除去する。洗浄液は加熱炉2で加熱しながら循環する。循環洗浄は汚染物が除去されるに必要な時間行われるが、一般的に8時間以上、好ましくは8〜16時間とすることができる。洗浄液に溶解した汚染物濃度を測定し、濃度の増加が少なくなった時点で循環を停止する。
【0033】
循環停止後循環系から洗浄液を排出し、必要により洗浄用灯軽油留分油等で残留する洗浄液を押出し、洗浄を終了する。その後は被精製油を導入して運転を再開することができる。
上記のような循環洗浄により、主として熱交換器1a、1bの汚染物を効率よく除去することができる。
【0034】
また図1の装置では、熱交換器1bの出口側の被精製油供給路6から仮設循環路16に接続する仮設循環路17をさらに設け、仮設循環タンク10、仮設ポンプ13、仮設弁ユニット14、仮設循環路15、熱交換器1a、熱交換器1b、仮設循環路17、仮設循環路16、仮設弁ユニット14、および仮設循環タンク10から構成される循環系を形成し、この循環系に洗浄液を循環することによりフィード系の熱交換器1a、1bのみを循環洗浄することもできる。
【0035】
また仮設弁ユニット14から熱交換器1bの入口側の製品取出路7に接続する仮設熱循環路18を設け、仮設循環タンク10、仮設ポンプ13、仮設弁ユニット14、仮設循環路18、熱交換器1b、熱交換器1a、仮設循環路16、仮設弁ユニット14、および仮設循環タンク10から構成される循環系を形成し、この循環系に洗浄液を循環することによりボトム系の熱交換器1b、1aのみを循環洗浄することもできる。
【0036】
図1において、仮設弁ユニット14は洗浄液の送液方向を順方向および逆方向に切り替え可能なように構成されており、上記の洗浄順路とは逆方向に洗浄液を送液して循環洗浄することもでき、順方向と逆方向の循環洗浄を組み合せることにより、汚染物の除去率を高くすることもできる。
【0037】
【実施例】
実施例1
常圧蒸留装置のフィード系のうち、最終熱交換器3基を循環洗浄した。すなわち、被精製油の供給を停止した後、滞留している被精製油を抜き、洗浄用灯軽油留分油で置換した。次に、下記濃度となるように洗浄剤を添加し、120〜140℃で16時間循環洗浄した。
アルキルベンセン系芳香族溶剤(スーパーゾールSS1800、日石三菱石油(株)製、商標):20重量%
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム(ハイテノール08E、第一工業製薬(株)製、商標):0.5重量%
【0038】
化学分析により汚れ成分の溶出完了を確認して洗浄を終了した。その後、運転を再開したところ、対象熱交換器出口の被精製油温度は洗浄前に比べて約10℃上昇し、洗浄の効果が認められた。
【0039】
実施例2
下記の方法で洗浄剤の油分除去試験を行った。条件および結果を表1に示す。
1)減圧蒸留装置のボトム油に4号珪砂を油:珪砂の重量比が1:3になるように混合し、模擬スラッジを調製する。
2)上記1)の模擬スラッジ20gをビーカーに取り、表1の洗浄液180mlを加え、90℃で1時間保持したのち、上澄みを捨てる。
3)水性洗浄液(フィリップ・サービス社製LG−1600 1%)180mlを加え、90℃で1時間保持した後、上澄みを捨てる。
4)同容量の水で2回水洗する。
5)水を捨てた後の残留物を105℃で1時間乾燥させ、残留するボトム油量から油分除去率を求める。
【0040】
【表1】
Figure 0003840979
【0041】
実施例3
表2の洗浄液を用いた以外は実施例2と同様にして試験した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0003840979
【0043】
実施例4
表3の洗浄液を用いた以外は実施例2と同様にして試験した。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 0003840979
【0045】
実施例5
原油予熱系から得られたスラッジの除去率に及ぼす洗浄液の流速を試験した。その結果、常圧蒸留装置の原油予熱系の汚れの場合0.3m/secで除去率80%、0.5m/secで除去率90%程度であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】石油精製プラントに循環洗浄用の仮設循環路を形成した場合の系統図である。
【符号の説明】
1a、1b 熱交換器
2 加熱炉
3 蒸留塔
4、5 ポンプ
6 被精製油供給路
7 製品取出路
10 仮設循環タンク
11 芳香族溶剤供給路
12 界面活性剤供給路
13 仮設ポンプ
14 仮設弁ユニット
15、16、17、18 仮設循環路

Claims (6)

  1. 加熱部を含む石油精製プラントを停止および洗浄する方法において、
    上記石油精製プラントへの被精製油の供給を停止したのち、
    プラント内の滞油を押し出しながら石油精製プラントに洗浄用灯軽油留分油を注入して置換し、
    加熱部を含む石油精製プラントに循環路を形成して、置換した洗浄用灯軽油留分油をブローすることなく循環し、
    洗浄用灯軽油留分油に、洗浄液中の含有量が5〜40重量%のアルキルベンゼン系の芳香族溶剤と、洗浄液中の含有量が0.05〜3重量%のアニオン性界面活性剤および/または洗浄液中の含有量が0.05〜3重量%のノニオン性界面活性剤とを含む洗浄剤を添加し、
    前記加熱部で洗浄液を温度60〜170℃に加熱し、流速0.1〜3m/secで石油精製プラント内を循環洗浄することを特徴とする
    石油精製プラントの停止および洗浄方法。
  2. アニオン性界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルの塩、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルからなる群から選ばれる1種または2種以上のものである請求項記載の方法。
  3. ノニオン性界面活性剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテルである請求項1または2記載の方法。
  4. 洗浄剤は助剤としてリモネンおよび/またはセロソルブをさらに含むものである請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  5. 洗浄液中の助剤の含有量が0.5〜10重量%である請求項記載の方法。
  6. 洗浄用灯軽油留分油として流動接触分解装置から得られるライトサイクルオイルを使用する請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
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