JP3839988B2 - ガス評価装置及びガス評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーンルーム等を構成する材料から発生するガスを分析するためのガス評価装置及びガス評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体製造工場その他のクリーンルームでは、壁、床、及び天井等の建築材料をはじめ、多種多様な材料が使用されている。従来から、これらの材料から発生するガス(有機系ガス及び無機系ガス)が、クリーンルームにおける化学汚染の発生源の1つとして問題視されてきている。そのため、そのようなガスの発生が少ない材料を選択するように、各材料から発生するガスを分析及び評価する方法が研究されている。
【0003】
そういったガスの評価方法としては、その材料が使用される環境よりも減圧・加熱された環境を設定することによって、材料から加速的にガスを発生させ、そのガスを捕集して分析・評価する方法が多く用いられている。その中で特に採用されているのが、スタティックヘッドスペース法(Static Headspace)とダイナミックヘッドスペース法(Dynamic Headspace) である。
【0004】
スタティックヘッドスペース法とは、試料を密閉容器内に収納し、その容器と共に試料を加熱して、試料から揮発したガスを密閉容器中の気相部と共に捕集する方法である。この方法によれば、低沸点化合物の高感度分析を容易に行うことができる。
【0005】
また、ダイナミックヘッドスペース法とは、一般的には窒素やヘリウム等の不活性ガスからなるキャリアガスによって通気し、それによって試料から発生したガスを各種の捕集方法で捕集する方法である。この方法でも、デシケータやチャンバ等の容器内に試料を収納して、加熱による加速試験を行うことがある。このダイナミックヘッドスペース法によれば、有機系ガスのみならず無機系ガスをも捕集することができ、高沸点化合物の高感度分析が可能であると共に、捕集した時にガスを濃縮することが可能であるため、高感度分析が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のガス評価方法では、以下のような問題があった。すなわち、施工後に材料を評価する場合、容器内に収納可能な程度に材料を切断して試験体としなければならないという問題があった。そのため、この切断面から発生するガスは実際に材料の表面から発生するガスとは状況が一致せず、正確な評価を行うことができないという問題があった。
【0007】
また、上記各方法では、通常、材料が実際に使用されている空間で測定することができないため、実際のガスの発生状況を正確に評価することができなかった。更に、シール・パッキン材等で装置内部を気密構造とする必要があり、それらシール・パッキン材等から発生するガスの影響をも考慮しなければならないという問題があった。
【0008】
また、半導体製造工場において、材料から発生するガスのウェハに対する影響を観測するためにウェハ暴露実験を行う必要があるが、上記各方法では材料を収納する容器内にウェハも収納することができないため、そのような実験を行うことができなかった。
【0009】
一方、材料を切断して容器内に収納するのではなく、クリーンルーム単位でガスを捕集し、実際的な環境影響を把握するテストルーム法も知られている。しかしながら、この方法では、実際の現場での測定が可能であるが、コストがかかると共に、材料毎の評価が不可能であるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、被評価物の切断等の加工が不要であり、低コストで、実際のガスの発生状況と同様の状況で材料からの発生ガスを正確に評価することができるガス評価装置及びガス評価方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価装置において、一端が開口した筒状の外筒部と、この外筒部の内側に同軸方向に配置され、前記外筒部の開口側の端部が開口した筒状の内筒部とを備え、前記内筒部内にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備し、前記内筒部の開口端に、前記外筒部と内筒部との間の空間から前記捕集室内部に前記清浄空気を通気する通気部が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、以下のような作用が得られる。すなわち、外筒部及び内筒部の開口側を被評価物の表面に設置し、外筒部と内筒部との間の空間に清浄空気を供給する。このとき、流量調整手段により、給気手段から供給される清浄空気の流量が排気手段によって排気される空気の流量より大であるように調整する。そして、清浄空気は、上記空間から、内筒部の開口側に形成された通気部を通って捕集室内部に流れ込む。このとき、上記のように、供給される清浄空気の流量が排気される空気の流量よりも大とするため、清浄空気の一部は外筒部と被評価物の表面との間の隙間から外部へ漏れ、これによって外部の空気がチャンバ内に侵入しない。
【0013】
そして、捕集室内部に流れ込んだ清浄空気は、被評価物の表面近傍を通過する。このとき、被評価物の表面近傍を通過する清浄空気の移動流に加え、ガス捕集室の容積があることから、拡散により被評価物からガスが発生し、排気手段によって内筒部内部の空気として排気される。
【0014】
一方、流量調整手段により、給気手段による清浄空気の供給及び排気手段による排気を停止させ、一定時間静置すると、被評価物からガスが発生して捕集室内部の空間に拡散し、内部の気相と被評価物とがガスの濃度平衡状態となる。この後、給気手段によって清浄空気を供給し、排気手段によって捕集室内部の空気を排気することにより、上記濃度平衡状態でのガスを捕集することができる。
【0015】
このように、本発明によれば、清浄空気を通気して移動流及び濃度拡散により被評価物からガスを発生させて捕集する方法と、被評価物と気相との濃度平衡状態でのガスを捕集する方法との両方の方法を採用することができる。
【0016】
また、本発明によれば、チャンバを被評価物の表面に設置することができ、被評価物の表面から発生するガスを捕集することができる。そのため、実際にガスが発生する状況と同様の状況で発生ガスの評価を行うことができる。また、実際にその被評価物が使用されている場所でガスを捕集することができる。
【0017】
また、清浄空気が外部に漏れることにより外部の空気が侵入せず、チャンバ内部の気密性が不要であるため、チャンバと被評価物とを固定するためのシール材やパッキン材等を設ける必要がない。そのため、それらシール材やパッキン材等から発生するガスの影響を受けることがない。
【0018】
請求項2記載の発明によるガス評価装置は、請求項1記載の発明において、前記通気部が、前記内筒部の開口端が前記外筒部の開口端よりも軸方向の内側に位置することによって形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、内筒部の開口端が外筒部の開口端より内側に位置するため、チャンバを被評価物の表面に設置した際に、外筒部のみが被評価物の表面に接触し、内筒部は被評価物の表面に接触しない。すなわち、内筒部の開口端と被評価物の表面との間に間隙が形成される。そのため、内筒部と外筒部との間の空間から、この間隙を通って捕集室内部に清浄空気が流れ込む。
【0020】
請求項3記載の発明によるガス評価装置は、請求項1乃至2のいずれか1項記載の発明において、前記給気手段が給気管を有し、前記排気手段が排気管を有し、前記流量調整手段が、前記給気管を流れる清浄空気の流量を調整する給気バルブと、前記排気手段を流れる空気の流量を調整する排気バルブとからなることを特徴としている。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、給気バルブと排気バルブとを制御することにより、清浄空気の流量と排気される空気の流量とを調整し、外筒部と内筒部との圧力のバランスを制御することができる。また、給気バルブと排気バルブとを全閉とすることにより、被評価物と気相とのガスの濃度平衡状態におけるガスの捕集が可能となる。
【0022】
請求項4記載の発明によるガス評価装置は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記チャンバが、透明のガラス製であることを特徴としている。請求項4記載の発明によれば、チャンバの外側にヒータ等の加熱手段を設置して被評価物の表面を加熱することができるため、従来のように被評価物の裏面等から加熱する必要がない。
【0023】
請求項5記載の発明によるガス評価装置は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記捕集室内に加熱手段を組み込んだことを特徴としている。請求項6記載の発明によるガス評価装置は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の発明において、前記内筒部の表面に、前記捕集室内の物質が付着しないようにコーティングを施したことを特徴としている。請求項5及び6記載の発明によれば、例えば発生したガスが凝縮してチャンバ又は内筒部の表面等に付着するといったことを防止することができる。
【0024】
請求項7記載の発明によるガス評価装置は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記チャンバ、前記給気手段、前記排気手段、及び前記流量調整手段を搭載した台車を具備し、前記台車は、前記チャンバの開口側が自在に向きを変えることができるように該チャンバを支持する支持手段と、前記チャンバを上下に移動可能に支持する昇降手段とを備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、台車を移動させ、昇降手段によってチャンバを上下に移動し、支持手段によってチャンバの向きを変えることにより、壁面、天井面等、あらゆる方向及び高さの被評価物について評価することができる。また、台車を自動で運転することにより、複数箇所の評価を効率よく行うことができる。
【0026】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の発明において、赤外線を熱源とし、前記被評価物を加熱して該被評価物からのガス発生を促進する被評価物加熱手段を具備することを特徴としている。請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記被評価物加熱手段が、赤外線ランプからなることを特徴としている。請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記被評価物加熱手段が、輻射パネルからなることを特徴としている。
【0027】
請求項8、9又は10記載の発明によれば、以下のような作用効果が得られる。すなわち、低発ガス性の被評価物を用いる場合、または、従来の被評価物で時間の経過によりガス発生量が減少してきた場合であっても、捕集時間を短縮することができる。また、赤外線を熱源とするため、被評価物の下部にホットプレートを直接設置する等、直接熱エネルギーを入力する方法のように、被評価物内部の物質の拡散に影響を与えることが無い。そのため、実際に被評価物が設置されている状況を考慮して温度による脱ガス特性を検証する場合、例えば、室内に加熱源がある状況で被評価物から発生するガスを評価する場合等に、対応することができる。すなわち、実際に熱エネルギーが入力される場合と同じ条件で、脱ガス特性を検証することが可能となる。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項8乃至10のいずれか1項記載の発明において、前記被評価物加熱手段が、前記チャンバ自体に組み込まれていることを特徴としている。請求項12記載の発明は、請求項8乃至10のいずれか1項記載の発明において、前記被評価物加熱手段が、前記チャンバの内部に設置されていることを特徴としている。
【0029】
請求項13記載の発明は、請求項8乃至10のいずれか1項記載の発明において、前記チャンバが、透明のガラス製であり、前記被評価物加熱手段が、前記チャンバの外部に設置されていることを特徴としている。請求項11、12又は13記載の発明によれば、簡単な構成で上述した請求項8、9又は10記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0030】
請求項14記載の発明は、請求項8乃至13のいずれか1項記載の発明において、前記排気手段から排気される前記捕集室内の空気を冷却する冷却手段を具備することを特徴としている。請求項15記載の発明によれば、排気手段から排気された空気を冷却することにより、温度が高いことによる捕集率の低下を防止することができる。
【0031】
請求項15記載の発明は、被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価方法において、一端が開口し、内部にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記チャンバ内に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備するガス評価装置を使用して、前記チャンバの開口端側が前記被評価物の表面に接触するように配置し、前記流量調整手段により、前記給気手段から供給される清浄空気の流量が前記排気手段によって排気される空気の流量より大であるように調整することを特徴としている。
【0032】
請求項15記載の発明によれば、以下のような作用が得られる。すなわち、捕集室内に送り込まれた清浄空気は、被評価物の表面近傍を通過する。このとき、被評価物の表面近傍を通過する清浄空気の移動流に加え、濃度拡散により被評価物からガスが発生し、排気手段によってチャンバ内部の空気として排気される。
【0033】
請求項16記載の発明は、被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価方法において、一端が開口した筒状の外筒部と、この外筒部の内側に同軸方向に配置され、前記外筒部の開口側の端部が開口した筒状の内筒部とを備え、前記内筒部内にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備し、前記内筒部の開口端に、前記外筒部と内筒部との間の空間から前記捕集室内部に前記清浄空気を通気する通気部が形成されているガス評価装置を使用して、前記外筒部の開口端側が前記被評価物の表面に接触するように前記チャンバを配置し、前記流量調整手段により、前記給気手段から供給される清浄空気の流量が前記排気手段によって排気される空気の流量より大であるように調整し、前記給気手段によって前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給することにより該清浄空気を前記捕集室内に送り込み、前記排気手段によって前記捕集室内の空気を排気することを特徴としている。
【0034】
請求項16記載の発明によれば、以下のような作用が得られる。すなわち、捕集室内に送り込まれた清浄空気は、被評価物の表面近傍を通過する。このとき、被評価物の表面近傍を通過する清浄空気の移動流に加え、濃度拡散により被評価物からガスが発生し、排気手段によって内筒部内部の空気として排気される。
【0035】
請求項17記載の発明は、被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価方法において、一端が開口した筒状の外筒部と、この外筒部の内側に同軸方向に配置され、前記外筒部の開口側の端部が開口した筒状の内筒部とを備え、前記内筒部内にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備し、前記内筒部の開口端に、前記外筒部と内筒部との間の空間から前記捕集室内部に前記清浄空気を通気する通気部が形成されているガス評価装置を使用して、前記流量調整手段によって前記給気手段による清浄空気の供給及び前記排気手段による排気を停止させ、前記外筒部の開口端側が前記被評価物の表面に接触するように前記チャンバを配置し、前記被評価物の表面から発生するガスが前記捕集室内で拡散してこの捕集室内の気相と前記被評価物とがガスの濃度平衡状態となるまで静置し、その後前記給気手段によって清浄空気を供給することにより該清浄空気を前記捕集室内に送り込み、前記排気手段によって前記捕集室内の空気を排気することを特徴としている。
【0036】
請求項17記載の発明によれば、給気手段による清浄空気の供給及び排気手段による排気を停止させて一定時間静置すると、被評価物からガスが発生して捕集室内部の空間に拡散し、内部の気相と被評価物とがガスの濃度平衡状態となる。この後、給気手段によって清浄空気を供給し、排気手段によって内筒部の内部の空気を排気することにより、上記濃度平衡状態でのガスを捕集することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0042】
[1.構成]
図1は、本発明の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す断面図である。同図に示すように、本実施の形態によるガス評価装置は、略円筒状の外筒部2と内筒部3の二重管からなるチャンバ1で構成されている。これら外筒部2及び内筒部3は、耐熱ガラスもしくは石英ガラス等から形成されており、その下端部が開口している。また、外筒部2は、上面の中央が突出した形状となっている。更に、内筒部3は、内側に広い空間S1 を有すると共に、外筒部2との間に一定の空間S2 を設けて配置されている。
【0043】
上記チャンバ1は、その開口した一端が被評価材料である建材4の表面に接するように設置されるようになっており、外筒部2の下端部のみが建材4に接触し、内筒部3の下端部は接触せず、建材4に対して所定の間隙を有する構造となっている。このため、この間隙を介して、空間S1 と空間S2 との間で空気が移動可能となっている。また、チャンバ1は、図1に示すように、シール材やパッキン材等を使用せずに建材4の表面に配置されるようになっている。
【0044】
また、外筒部2の上述した突出部分の側面には、給気バルブ5が取り付けられた給気管6が設けられており、この給気管6によって、活性炭等で処理した清浄空気が上記空間S2 内に供給されるようになっている(矢印A)。更に、内筒部3の上部には、排気バルブ7が取り付けられた排気管8が接続されており、この排気管8によって、内筒部3内の空気が排気されて(矢印B)、図示しない捕集材に供給されるようになっている。
【0045】
このような構成により、給気管6から供給される清浄空気は、給気量と排気量の差だけ外筒部2から外部へ漏れ(矢印C)、排気量分が内筒部3と建材4との間隙を通って内筒部3内に流れ込むようになっている(矢印D)。
【0046】
また、上記チャンバ1は、例えば図2に示すような治具10a,10bによって支持する。すなわち、チャンバ1をクリーンルーム内の壁面に配置する場合は、図2(a)に示すようにチャンバ1の側面を治具10aによって支持し、天井に配置する場合は、同図(b)に示すようにチャンバ1の上部を治具10bによって支持する。
【0047】
または、図3に示すような装置を用いて、自動運転等によりガスを捕集するようにしてもよい。すなわち、図3に示す装置では、台車11上に、チャンバ1、給気管6を介して清浄空気を供給するためのポンプ12、及び排気管8から排気される空気を捕集する捕集材13等が設置されており、それらがリフト14によって上下に移動可能となっている。また、チャンバ1は、その外周の一部が把持部材15によって把持されており、その把持部材15が軸16を介して支持部材17により回転可能に支持されている。これにより、チャンバ1が矢印E方向に回転し、クリーンルーム内の各方向に向くことができるようになっている。
【0048】
[2.作用効果]
次に、上述した構成を有する本実施の形態の作用効果について説明する。ここでは、図2に示す治具10aもしくは10bによってチャンバ1を支持するか、もしくは、図3に示す装置を移動させるかにより、チャンバ1を評価対象の建材の表面に設置する。
【0049】
[ ダイナミックヘッドスペース法的な使用の場合]
まず、ダイナミックヘッドスペース法的な使用の場合について、図1を参照して説明する。この場合、給気バルブ5及び排気バルブ7を、給気量Q0 と排気量Q1 との関係がQ0 >Q1 であるように調整して開き、清浄空気を通気させる。すなわち、給気量Q0 を排気量Q1 より大とすることにより、矢印Cに示すように清浄空気が外部へ漏れることによって、外部の空気がチャンバ1内に侵入しないようにする。そして、矢印Aに示すように給気管6から清浄空気を供給し、空間S2 を介して矢印Dに示すように清浄空気を内筒部3内に供給し、建材4から発生するガスを含む空間S1 内の空気を矢印Bに示すように排気管8から排気させる。なお、このとき、スタティックヘッドスペース法的な使用の場合と同様に、ヒータ等によって建材4を加熱するようにしてもよい。この加熱の方法は、後述するスタティックヘッドスペース法的な方法の場合と同様とする。
【0050】
そして、一定時間経過した後に、図示しない捕集材によってガスを捕集する。このとき、建材4の表面近傍を通過する清浄空気の移動流に加え、濃度拡散により建材4からガスが発生し、そのガスを含む内筒部3内部の空気が排気管8から排気される。
【0051】
[スタティックヘッドスペース法的な使用の場合]
次に、スタティックヘッドスペース法的な使用の場合について、図4を参照して説明する。まず、給気バルブ5及び排気バルブ7を全て閉じて、チャンバ1を建材4の上に設置する。そして、一定の時間静置する。このとき、図4に示すように、輻射パネル等のヒータ18をチャンバ1の近辺に配置して放射熱によってチャンバ1内を加熱してもよい。
【0052】
この間、建材4の表面から揮発するガスは、空間S1 内に拡散し、一定の時間が経過すると建材4と空間S1 内の気相との間でガスの濃度平衡状態となる。その後、給気バルブ5及び排気バルブ7を開き、給気管6から清浄空気を供給し、空間S2 を介して内筒部3内に供給する。そして、空間S1 内の空気を排気管8から排気させて、図示しない捕集材によって捕集する。なお、給気管6からの給気量Q0 と排気管8からの排気量Q1 との関係がQ0 >Q1 であるように、給気バルブ5と排気バルブ7とを調整する。
【0053】
[実施の形態の効果]
以上のように本実施の形態によれば、チャンバ1を建材の表面に設置するだけでよいため、実際に建材を使用する現場での測定が可能である。また、建材を切断等して加工せず、実際のガス発生状況と同一の状況でガスを発生させることができるため、正確な評価を行うことができる。更に、内筒部3の内部に広い空間S1 が形成されており、かつ、給気バルブ5及び排気バルブ7を全閉にして清浄空気による通気を行わないようにすることができるため、ダイナミックヘッドスペース法的な使用のみならず、スタティックヘッドスペース法的な使用も可能である。
【0054】
そのため、本実施の形態では、低沸点化合物の高感度分析、及び高沸点化合物の高感度分析の双方を容易に行うことができる。すなわち、分析するガスの種類によって評価方法を変えることができる。更に、発生したガスの捕集方法として、固体捕集法及び液体捕集法の両方を採用することができる。例えば、固体捕集法としては吸着剤として活性炭もしくはポーラスポリマー等を使用し、液体捕集法としては純水等を使用する。
【0055】
また、チャンバ1内部の気密性が要求されないためにシール材もしくはパッキン材等を取り付ける必要が無く、それらシール材、パッキン材等から発生するガスの影響を考慮する必要がない。なお、建材の形状等に応じて、必要な場合は外筒部2の外側にシール材、パッキン材等を装着することも可能である。
【0056】
また、チャンバ1がガラス製であるため、建材4自体をその裏面から加熱するのではなく、チャンバ1の外部から建材4の表面を加熱することができる。更に、建材4上に設置する同一のチャンバ1の内筒部3内の空間S1 にウェハを設置することにより、建材4から発生するガスによるウェハの暴露実験を行うことができる。
【0057】
また、本実施の形態では、内筒部3の内部に試験体を設置することにより、従来の方法と同様な方法でガスの評価実験を行うことができる。すなわち、クリーンルーム内の各種材料の一部を切断等して試験体として内筒部3内に設置し、上述したスタティックヘッドスペース法的もしくはダイナミックヘッドスペース法的に使用することによって、従来と同様のサンプリングが可能となる。
【0058】
[3.他の実施の形態]
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような各種態様も可能である。すなわち、チャンバ1の形状は、図1に示すものに限らず、例えば図5に示すチャンバ21のように立方体であってもよい。この場合も、チャンバ21は外筒部22と内筒部23とからなり、スタティックヘッドスペース法的に使用することが可能な程度に内筒部23の内側に空間S3 が形成されていると共に、外筒部22と内筒部23との間に空間S4 が形成されている。
【0059】
更に、図1及び図5において、内筒部3,23の下端部は建材4から離れた形状となっているが、外筒部2,22と同様に建材4に接触するようにし、その下端部に複数の切欠部を設けて空間S2 またはS4 からの清浄空気がその切欠部を通過して空間S1 または空間S3 に流れ込むような構成としてもよい。
【0060】
また、チャンバ1はガラス製に限らず、ステンレス等の金属製であってもよい。その場合、発生したガスの吸着等の影響を少なくするために、その内面に対し、電解研磨、石英ライニング、石英ライニング及び不活性化処理、フューズドシリカコーティング、もしくはフューズドシリカ及び不活性膜コーティング等の処理を施す。なお、このようにチャンバ1をガラス製ではなく金属製とした場合に建材4を加熱する時は、図6に示すように、建材4の裏面にヒータ19を設置する。
【0061】
また、例えば発生したガスが凝縮したもの等、チャンバ1内の空気に含まれる物質が表面に付着するのを防止するために、図7もしくは図8に示すような構成としてもよい。すなわち、図7に示すように、内筒部3及び排気管8に沿って、チャンバ1内の空気が移動する流路にヒータ30を組み込むようにしてもよい。あるいは、図8に示すように、内筒部3の表面に石英ライニング、石英ライニング及び不活性化処理、ヒューズドシリカコーティング、もしくはヒューズドシリカ及び不活性膜コーティング等によるコーティング31を施すようにしてもよい。
【0062】
更に、建材4の表面に電線が設置されている場合、チャンバ1の形状を図9に示すような形状とする。ここで、図9(a)はチャンバ1の断面図であり、(b)は正面図である。すなわち、外筒部2に、電線32の形状に対応した切欠部33が形成されている。また、このとき、内筒部3と建材4との間は、電線32の高さと同じかもしくはそれ以上の間隔が設けられているものとする。そして、評価の際には、上記切欠部13に電線32がはまるようにチャンバ1を建材4の上に被せる。
【0063】
また、チャンバは、必ずしも外筒部と内筒部の二重構造を用いた上記構成に限定されるものではなく、給排気のバランスによってチャンバ内部を正圧に保つことにより、外部からの空気の侵入を防止し、建材の表面から発生するガスを捕集することができる構成であればよい。更に、給気口及び排気口の位置は任意であって、特に限定されるものではない。
【0064】
また、建材4を加熱する方法として、図10〜図12に示すような方法を採用してもよい。この場合、熱源として、波長10-6〜10-4mの近赤外線域から赤外線域の電磁波を用いる赤外線ランプ又は輻射パネル等を使用する。なお、これらの図において、チャンバ1は一重の場合を示しているが、上述した二重管からなるチャンバ1にも採用することができる。
【0065】
また、図示していないが、各図におけるチャンバ1には給気管が設けられており、N2 又はHe等の不活性ガスあるいは活性炭等で処理した清浄空気が、キャリアガスとして供給される。同様に、図示しない排気管が設けられており、チャンバ1内の空気が排気されて、捕集材を有する図示しない捕集部に供給されるようになっている。
【0066】
図10に示す例では、チャンバ1自体に輻射パネル等のヒータ40を組込むか又は張合せた構成となっている。同図(a)では、建材4の表面にチャンバ1が配置されている。また、同図(b)では、建材4の端部がチャンバ1の内壁に密着するように切断されており、その建材4がチャンバ1の内部に配置されている。更に、同図(c)では、適当に切断された建材4が、デシケータのようなチャンバ1の内部に配置されており、建材4の切断面4aがアルミニウム箔等の被覆材41によって被覆されている。
【0067】
また、図11に示す例では、チャンバ1の内部に赤外線ランプ50が設置されている。この場合、チャンバ1は、ガラス、ステンレス、又はアルミニウム等、ガス分子が吸着しない材質からなる。また、図10に示す例と同様に、図11(a)では建材4の表面にチャンバ1が配置され、(b)ではチャンバ1の内壁に密着するよう切断された建材4がチャンバ1内に配置され、(c)では適当に切断された建材4がチャンバ1の内部に配置されている。なお、この場合、赤外線ランプ50の代わりに輻射パネル等を設置してもよい。
【0068】
更に、図12に示す例では、チャンバ1の外部に赤外線ランプ50が設置されている。この場合、チャンバ1は、耐熱ガラス又は石英ガラス等のガラス製である。また、図10及び図11の例と同様に、図12(a)では建材4の表面にチャンバ1が配置され、(b)ではチャンバ1の内壁に密着するよう切断された建材4がチャンバ1内に配置され、(c)では適当に切断された建材4がチャンバ1の内部に配置されている。なお、この場合も、赤外線ランプ50の代わりに輻射パネル等を設置してもよい。
【0069】
また、これらの各場合において、図示しない捕集部に、配管等によって冷却機構を設けてもよい。すなわち、図示しない排気管から排出されるチャンバ1内の空気は、捕集部の捕集材によって捕集するまでの間において、冷却機構によって常温付近まで冷却されるようにする。このように、加熱されている空気を冷却することにより、捕集材による捕集率が低くなるのを防止することができる。なお、予め温度による捕集特性が分かっている場合は、それに基づいて評価を行えばよいため、冷却機構を設けなくてもよい。
【0070】
以上のような図10〜図12に示す構成により、以下のような効果が得られる。すなわち、低発ガス性の建材を用いる場合、または、従来の建材で時間の経過によりガス発生量が減少してきた場合であっても、捕集時間を短縮することができる。また、赤外線を熱源とするため、建材の下部にホットプレートを直接設置する等、直接熱エネルギーを入力する方法のように、建材内部の物質の拡散に影響を与えることが無い。そのため、実際に建材が設置されている状況を考慮して温度による脱ガス特性を検証する場合、例えば、室内に加熱源がある状況で建材から発生するガスを評価する場合等に、対応することができる。すなわち、実際に熱エネルギーが入力される場合と同じ条件で、脱ガス特性を検証することが可能となる。
【0071】
また、本発明は、クリーンルームにおける材料の発生ガスの分析・評価に限らず、他の施設における有機物等の発生ガスの評価に使用してもよい。
【0072】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、材料に直接配置することができるため材料の切断等の加工が不要であり、低コストで、現場での測定が可能であり、実際のガスの発生状況と同様の状況で材料からの発生ガスを正確に評価することができる。そのため、発生ガスの少ない建材を選択することができ、かつ、そのガス発生の追跡調査を現場測定によって容易に行うことができる。
【0073】
また、本発明によれば、チャンバを直接材料の表面に配置するだけでよいため、その材料の単位面積及び時間当たりで発生するガス量を容易に求めることができる。一般に、クリーンルームを設計する際に各材料の表面積を算出するが、このとき、上記のように材料の単位面積及び時間当たりで発生するガス量を把握することができるため、クリーンルーム雰囲気中の化学物質の濃度を予測することができ、クリーンルーム内に設置するフィルタの設置計画を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す断面図である。
【図2】同実施の形態においてチャンバ1を支持する治具10a,10bの例を示す図である。
【図3】同実施の形態におけるガス評価装置の全体構成例を示す概略側面図である。
【図4】同実施の形態によるガス評価装置の一使用例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の使用例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す図であり、(a)は建材4の表面にチャンバ1を配置した図、(b)は建材4をチャンバ1内部に配置した図、及び(c)は切断した建材4をチャンバ1内部に配置した図である。
【図11】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す図であり、(a)は建材4の表面にチャンバ1を配置した図、(b)は建材4をチャンバ1内部に配置した図、及び(c)は切断した建材4をチャンバ1内部に配置した図である。
【図12】本発明の他の実施の形態によるガス評価装置の構成を示す図であり、(a)は建材4の表面にチャンバ1を配置した図、(b)は建材4をチャンバ1内部に配置した図、及び(c)は切断した建材4をチャンバ1内部に配置した図である。
【符号の説明】
1…チャンバ
2…外筒部
3…内筒部
4…建材
5…給気バルブ
6…給気管
7…排気バルブ
8…排気管
10a、10b…治具
11…台車
12…ポンプ
13…捕集材
14…リフト
15…把持部材
16…軸
17…支持部材
40…ヒータ
50…赤外線ランプ
Claims (17)
- 被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価装置において、
一端が開口した筒状の外筒部と、この外筒部の内側に同軸方向に配置され、前記外筒部の開口側の端部が開口した筒状の内筒部とを備え、前記内筒部内にガスの捕集室が形成されたチャンバと、
前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給する給気手段と、
前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、
前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備し、
前記内筒部の開口端に、前記外筒部と内筒部との間の空間から前記捕集室内部に前記清浄空気を通気する通気部が形成されていることを特徴とするガス評価装置。 - 前記通気部は、前記内筒部の開口端が前記外筒部の開口端よりも軸方向の内側に位置することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のガス評価装置。
- 前記給気手段は給気管を有し、前記排気手段は排気管を有し、前記流量調整手段は、前記給気管を流れる清浄空気の流量を調整する給気バルブと、前記排気手段を流れる空気の流量を調整する排気バルブとからなることを特徴とする請求項1又は2記載のガス評価装置。
- 前記チャンバは、透明のガラス製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記捕集室内に加熱手段を組み込んだことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記内筒部の表面に、前記捕集室内の物質が付着しないようにコーティングを施したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記チャンバ、前記給気手段、前記排気手段、及び前記流量調整手段を搭載した台車を具備し、前記台車は、前記チャンバの開口側が自在に向きを変えることができるように該チャンバを支持する支持手段と、前記チャンバを上下に移動可能に支持する昇降手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 赤外線を熱源とし、前記被評価物を加熱して該被評価物からのガス発生を促進する被評価物加熱手段を具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記被評価物加熱手段は、赤外線ランプからなることを特徴とする請求項8記載のガス評価装置。
- 前記被評価物加熱手段は、輻射パネルからなることを特徴とする請求項8記載のガス評価装置。
- 前記被評価物加熱手段は、前記チャンバ自体に組み込まれていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記被評価物加熱手段は、前記チャンバの内部に設置されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記チャンバは、透明のガラス製であり、前記被評価物加熱手段は、前記チャンバの外部に設置されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 前記排気手段から排気される前記捕集室内の空気を冷却する冷却手段を具備することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載のガス評価装置。
- 被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価方法において、
一端が開口し、内部にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記チャンバ内に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備するガス評価装置を使用して、
前記チャンバの開口端側が前記被評価物の表面に接触するように配置し、前記流量調整手段により、前記給気手段から供給される清浄空気の流量が前記排気手段によって排気される空気の流量より大であるように調整することを特徴とするガス評価方法。 - 被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価方法において、
一端が開口した筒状の外筒部と、この外筒部の内側に同軸方向に配置され、前記外筒部の開口側の端部が開口した筒状の内筒部とを備え、前記内筒部内にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備し、前記内筒部の開口端に、前記外筒部と内筒部との間の空間から前記捕集室内部に前記清浄空気を通気する通気部が形成されているガス評価装置を使用して、
前記外筒部の開口端側が前記被評価物の表面に接触するように前記チャンバを配置し、前記流量調整手段により、前記給気手段から供給される清浄空気の流量が前記排気手段によって排気される空気の流量より大であるように調整し、前記給気手段によって前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給することにより該清浄空気を前記捕集室内に送り込み、前記排気手段によって前記捕集室内の空気を排気することを特徴とするガス評価方法。 - 被評価物の表面に発生するガスを捕集して評価するガス評価方法において、
一端が開口した筒状の外筒部と、この外筒部の内側に同軸方向に配置され、前記外筒部の開口側の端部が開口した筒状の内筒部とを備え、前記内筒部内にガスの捕集室が形成されたチャンバと、前記外筒部と内筒部との間に形成される空間に清浄空気を供給する給気手段と、前記捕集室内の空気を排気する排気手段と、前記給気手段によって供給される清浄空気の流量と前記排気手段によって排気される空気の流量とを調整する流量調整手段とを具備し、前記内筒部の開口端に、前記外筒部と内筒部との間の空間から前記捕集室内部に前記清浄空気を通気する通気部が形成されているガス評価装置を使用して、
前記流量調整手段によって前記給気手段による清浄空気の供給及び前記排気手段による排気を停止させ、前記外筒部の開口端側が前記被評価物の表面に接触するように前記チャンバを配置し、前記被評価物の表面から発生するガスが前記捕集室内で拡散してこの捕集室内の気相と前記被評価物とがガスの濃度平衡状態となるまで静置し、その後前記給気手段によって清浄空気を供給することにより該清浄空気を前記捕集室内に送り込み、前記排気手段によって前記捕集室内の空気を排気することを特徴とするガス評価方法。
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