JP3839907B2 - シールド工法のための鉄製障害物探査方法及びシステム - Google Patents

シールド工法のための鉄製障害物探査方法及びシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法のための鉄製障害物探査方法及びシステムに関し、より詳しくは、回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法においてシールド切羽前方の鉄製障害物を探査するための鉄製障害物探査方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド工法では、掘削開始後のシールド機の交換が殆ど不可能であるため、掘削中にシールド機が地中の障害物に当たって損傷すると、多大の損害を被ることになり、特に、地中に打ち込まれているH形鋼のような鉄製障害物に当たった場合には、シールド機が甚だしく損傷しかねない。
そのため、掘削の開始に先立って掘削予定領域の支障物件調査が念入りに行われるが、支障物件調査をすり抜けた障害物が存在している場合や、既設の地中構造物の実際の位置が、調査で推定した位置からずれていて障害物となっている場合などには、掘削中にシールド機がその障害物に当たるおそれがある。
従って、掘進中にシールド切羽前方に特に鉄製の障害物が迫ってきたときにそれを検出することができるような、鉄製障害物の探査のための方法及びシステムが望まれている。
ただし回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法では、探査棒を切羽に押し込んで探査するような方法や、波動の反射を利用した探査方法では、探査のために掘削作業を中断せねばならないため、作業能率が低下してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明の目的は、回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法において、シールド機による掘削作業を中断せずにシールド切羽前方の鉄製障害物の探査を連続的に行え、それによって、作業能率を何ら損なうことなく、鉄製障害物によるシールド機の破損を効果的に防止できるようにした鉄製障害物探査方法及びシステムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法においてシールド切羽前方の鉄製障害物を探査するための鉄製障害物探査方法であって、コイルを内蔵し高周波交番磁束を発生するプローブを、その発生磁束が前記カッターヘッドの前方へ向かうようにして前記カッターヘッドの外周近傍に取り付け、前記プローブに高周波電力を供給しつつ前記カッターヘッドを回転させて掘削を実行することにより、前記プローブがシールド切羽前方をシールド切羽の外周に沿って走査するようにし、前記走査に伴って生じる前記プローブのインピーダンスの変化を連続的に検出し、その検出したインピーダンス変化を解析してシールド切羽前方の鉄製障害物の存在の有無を判定することを特徴とする。
また、本発明は、前記プローブと同一仕様のダミープローブを、前記プローブの設置環境と実質的に同一の設置環境であってただし外部からの電磁誘導の影響を受けない環境に設置するようにして前記カッターヘッドに取り付け、該ダミープローブを用いた標準比較方式で前記プローブのインピーダンス変化検出を行うようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記プローブ及び前記ダミープローブを前記カッターヘッドの面板に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、ブースターアンプと渦流探傷器とを用いて前記プローブへの高周波電力供給と前記インピーダンス変化の検出とを行うようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化検出において前記インピーダンス変化の抵抗変化成分とリアクタンス変化成分とを検出するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化解析において前記インピーダンス変化の前記抵抗変化成分と前記リアクタンス変化成分とを座標としたベクトル図形を生成し、そのベクトル図形の解析を行うようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化解析の解析結果と前記シールド機の動作情報とを統合して解析することによって、シールド切羽前方の鉄製障害物の位置を推定するようにしたことを特徴とする。
【0005】
また、本発明は、回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法においてシールド切羽前方の鉄製障害物を探査するための鉄製障害物探査システムであって、その発生磁束が前記カッターヘッドの前方へ向かうようにして前記カッターヘッドの外周近傍に取り付けた、コイルを内蔵し高周波交番磁束を発生するプローブと、前記プローブに高周波交番磁束を発生させるための高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、前記プローブのインピーダンスの変化を検出するインピーダンス変化検出手段と、検出された前記プローブのインピーダンス変化を解析するインピーダンス変化解析手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化検出手段は前記プローブと同一仕様のダミープローブを含んでおり、該ダミープローブは前記プローブの環境と実質的に同一の環境であってただし外部からの電磁誘導の影響を受けない環境におくようにして前記カッターヘッドに取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記プローブ及び前記ダミープローブが、前記カッターヘッドの面板に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記高周波電力供給手段及び前記インピーダンス変化検出手段が、ブースターアンプと渦流探傷器との組合せで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化検出手段が、前記インピーダンス変化の抵抗変化成分とリアクタンス変化成分とを検出することを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化解析手段が、前記インピーダンス変化の前記抵抗変化成分と前記リアクタンス変化成分とを座標としたベクトル図形を生成し、そのベクトル図形の解析を行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記インピーダンス変化解析の解析結果と前記シールド機の動作情報とを統合して解析することによりシールド切羽前方の鉄製障害物の位置を推定する位置推定手段を更に備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、シールド機による掘削作業の実行中に、カッターヘッドの回転に伴ってそのカッターヘッドの外周近傍に取り付けたプローブがシールド切羽の外周に近い円形の軌跡に沿って移動する。このようにプローブが移動することよって、シールド切羽前方が、シールド切羽の外周に沿ってそのプローブで走査される。そして、この走査の結果に基づいてシールド切羽の前方に鉄製障害物が存在するか否かを判定する。
従って、回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法において、その掘削作業を中断することなく連続的に鉄製障害物の探査を行うことができる。
また、本発明によれば、切羽土質性状に影響されることなく鉄製障害物の探査を行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面に従って説明する。
図1は本発明にかかる障害物探査システムの概念図、図2はプローブ及びダミープローブを取り付けたシールド機のカッターヘッドの面板の断面図である。
図1には、本発明にかかる障害物探査システム2が、シールド機10を用いたシールド工法によるトンネル掘削工事に利用されている状況を示した。
図示のシールド機10は、いわゆる泥水式シールド機であり、前部に回転式カッターヘッド12を備えている。カッターヘッド12の面板14はシールド切羽16に対向しており、このカッターヘッド12を回転させて、このカッターヘッド12に設けたカッタービット(不図示)で地山を掘削して行く。
シールド機10の後方(図中右側)の立て坑18に至るまでの掘削完了領域には、組み立てられたセグメント20によって覆工が構築されている。
【0008】
図中の30は地中に垂直に打ち込まれたH形鋼である。H形鋼30はシールド切羽16の前方に迫っており、仮にこのまま掘削作業が続行されたならば、シールド機10がこのH形鋼30に当たって破損し多大の損害を発生するおそれがある。
本発明にかかる障害物探査方法及びシステムは、このH形鋼30に代表されるような比較的長大な鉄製障害物がシールド切羽前方に迫ったときに、その鉄製障害物を良好に検出するためのものである。地中に存在する可能性のある鉄製障害物としては、H形鋼の他にも、各種の形鋼、鋼矢板、鋼杭等がある。
掘削作業中にそのような鉄製障害物に遭遇することがあるのは、例えば、過去の仮設工事後に残された土留め用の鋼矢板を、支障物件調査では捕捉できなかった場合や、既設の建造物の基礎杭として用いられている鋼杭の実際の位置が、記録に示されている設計位置からずれていた場合などである。
そのような鉄製障害物が検出されたならば、シールド機10による掘削作業を中断して、地上またはシールド機10内からその障害物を撤去する工事を行い、撤去後に掘削作業を再開すればよい。
【0009】
鉄製障害物探査システム2は、コイルを内蔵し高周波交番磁束を発生するプローブ32を備えている。プローブ32は、その発生磁束がカッターヘッド12の前方へ向かうようにしてカッターヘッド12の面板14に取り付けられており、その取付位置はカッターヘッド12の外周近傍である。
プローブ32は渦流探傷試験に用いられているプローブと同様の構成のものであるが、ただし、このプローブ32から数十cm(図示例では50cm)離れた鉄製障害物を検出できるように、渦流探傷試験用のプローブと比べてかなり大型のものとしてある。
プローブ32のコイルは、図示例では自己誘導形コイルとした。自己誘導形コイルとは、1つのコイルで磁束の発生と電圧変化の検出とを同時に行うようにしたコイルのことであり、自己誘導形コイルを使用することによってプローブの構成が簡単になる。
【0010】
鉄製障害物探査システム2は、プローブ32に生じるインピーダンス変化を高精度で検出するために標準比較方式を採用しており、そのためにプローブ32と同一仕様のダミープローブ34を備えている。
ダミープローブ34は、プローブ32の設置環境と実質的に同一の設置環境であってただし外部からの電磁誘導の影響を受けない環境に設置するようにしてカッターヘッド12に取り付けられており、このダミープローブ34を用いた標準比較方式でプローブ32のインピーダンス変化を検出するようにしている。
更に詳しく説明すると、図2に示すように、カッターヘッド12の面板14内にプローブ32及びダミープローブ34を取り付けてあり、プローブ32は、その磁束発生方向をシールド切羽側に向けて設置して、カッターヘッド12の回転中に鉄製障害物が近付いたならばコイルの起電力が変化するようにしてある。
一方、標準比較用のダミープローブ34は、その磁束発生方向をシールド機のチャンバ内に向けて設置してある。径10mクラスのシールド機ではチャンバ幅は約1m程度であるため、ダミープローブ34が発生する磁束はバルクヘッドに達せず、またチャンバ内に鉄製障害物が近付くこともないので、ダミープローブ34のコイル電圧は、プローブ32のコイル電圧とは異なり、外部からの電磁誘導の影響を受けて変化するということはない。
ただし、バルクヘッド側にアジテータ等の突起物がある場合には、その位置を避けてこのダミープローブ34を設置するように注意すべきである。
【0011】
以上のように、プローブ32とダミープローブ34とを共に面板14内に設置してそれらを実質的に同一の設置環境におき、ダミープローブ34を用いた標準比較方式でプローブ32のインピーダンス変化検出を行うようにしたため、温度変化等に起因して生じる両者のコイルのインピーダンス変化が相殺され、鉄製障害物の存在に起因するインピーダンス変化だけが高精度で検出される。尚、後述するように、この鉄製障害物探査システム2を使用する際には、最初にプローブ32とダミープローブ34との間のバランス調整を行う。
プローブ32及びダミープローブ34の夫々の前面(磁束発生方向の面)は、比透磁率μS ≒1の非金属材料製の保護部材36で保護するようにしており、特に切羽側には大きな圧力が作用するので、保護部材36は充分な強度を有するものでなければならない。
図示例ではこの保護部材36を、高強度の強化樹脂製の板材38の上に耐摩耗製に優れたゴム製の板材40を重ねて構成した。
尚、プローブ32及びダミープローブ34の具体的な仕様の一例を挙げると、使用周波数は4kHz〜60kHz、全体形状は略々直方体でその寸法は210×350×100mm、重量は約20kgである。
【0012】
次に、再び図1を参照して、プローブ32及びダミープローブ34に接続する一連の測定機器について説明する。
鉄製障害物探査システム2は、プローブ32及びダミープローブ34に高周波交番磁束を発生させるための高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、プローブ32に生じるインピーダンス変化を検出するインピーダンス変化検出手段とを備えており、それら2つの手段は図1に示したブースターアンプ42と渦流探傷器44との組合せで構成されている。
ブースターアンプ42は主に増幅部、ブリッジ回路、及び電源部で構成され、渦流探傷器44からの励磁電流を増幅してプローブ32及びダミープローブ34に入力すると同時に、プローブ32のコイルの電圧変化を検出するために用いられている。
即ち、鉄製障害物がプローブ32近付いたときに生じるプローブ32の電圧変化は非常に小さいため、プローブ32及びダミープローブ34の電圧変化を夫々に増幅した上でブリッジ回路に入力し、この回路においてプローブ32のインピーダンス変化の抵抗変化成分とリアクタンス変化成分とを夫々別個に電気信号として検出するようにしている。
より具体的には、そのインピーダンス変化の抵抗変化成分を表す方の電気信号は、プローブ32のコイルに発生する電圧変化の、プローブ32に流れる電流と同位相の成分を表す電気信号であり、一方、リアクタンス変化成分を表す方の電気信号は、その電圧変化の、その電流に対して位相が90°ずれた成分を表す電気信号である。従って、プローブ32のインピーダンス変化の2つの成分を表すそれら電気信号は、直接的には、このプローブ32のコイルに発生する電圧変化の各成分を表す信号となっている。
ブースターアンプ42の具体的な仕様の一例は、出力が最大20W、周波数範囲が4kHz〜60kHzというものである。
【0013】
渦流探傷器44の主要構成要素は、制御処理部、出力表示部、及び電源部である。制御処理部では主に、ブースターアンプ42を介してプローブ32及びダミープローブ34の夫々のコイルに供給する高周波電力の周波数の測定と、ブースターアンプ42から受信した信号の感度・位相の設定と、その受信した信号のフィルタ・圧縮比の設定とを行い、更に、処理した信号をA/D変換器46を介していわゆるパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と称する)48に転送する。出力表示部ではCRT画面上に振幅電圧と位相角を表すベクトル波形を表示する。
渦流探傷器44として使用可能な市販の渦流探傷器の一例は、日本ホッキング社の「Phasec1.1」であり、この渦流探傷器は80Hz〜10MHzの周波数範囲で使用でき、RS−232インターフェースを装備している。
【0014】
鉄製障害物探査システム2は、ブースターアンプ42と渦流探傷器44とを介して検出されたプローブ32のインピーダンス変化を解析するインピーダンス変化解析手段を備えており、このインピーダンス変化解析手段は、前述のパソコン48で構成されている。
即ち、パソコン48は、渦流探傷器44からA/D変換器46を介して受け取ったインピーダンス変化を表す計測データを解析することで、シールド切羽16前方の鉄製障害物の存在の有無を判定する。
パソコン48は更に、カッターヘッド12の(従って面板14の)回転信号やシールド機10の速度等の掘進データを含めたシールド機10の動作情報をシールド機10の運転制御盤50から受信しており、インピーダンス変化解析の解析結果と、このシールド機10の動作情報とを統合して解析することによって、シールド切羽16前方の鉄製障害粒の位置を推定し、その推定した位置をみずからのCRT画面上に表示すると共に、通信ケーブル50を介して通信可能に接続した地上の中央制御室52のパソコン54のCRT画面上にも表示させる。
【0015】
尚、ブースターアンプ42、渦流探傷器44、A/D変換器46、及びパソコン48から成る一連の測定機器はシールド機10内の運転室に設置されている。これは、プローブ32に生じるインピーダンス変化を表す電気信号が非常に微弱であるため、プローブ32とブースターアンプ48との距離があまり大きくなると信号が減衰して検出できなくなる可能性があるからであり、現状では、それらの間の接続距離は最大で40m程度が限界であると思われる。また、渦流探傷器44及び解析用のパソコン42も長いケーブルで接続することが困難なので、それらもブースターアンプ42の近くに設置する必要がある。これらのことから、測定及び解析をシールド機10内の運転室で全て行い、地上へはその結果だけを通信ケーブル50を介して送るようにしているのである。
【0016】
次に、本発明の実施の形態にかかる鉄製障害物探査方法の手順について、図1と共に図3〜図7を参照して説明して行く。
図3はシールド機の前面に対する地中のH形鋼の姿勢を示した模式図、図4は信号波形の2つの具体例を示した図、図5はシールド機の前面に対する地中のH形鋼の位置を示した模式図、図6は信号波形に基づいたベクトル図形の2つの具体例を示した図、図7は信号振幅とプローブから地中のH形鋼までの距離との関係を示したグラフ、図8はパソコン画面上の表示の具体例を示した図である。
この鉄製障害物探査方法で、計測開始に際して初期条件設定を行い、その後は連続して計測を実行する。また、計測を一時停止した場合には、計測の再開時に再び初期条件設定を行う。
初期条件設定では、プローブ32及びダミープローブ34に供給する高周波電力の周波数、ブースターアンプ42の出力レベル、それに渦流探傷器44の感度及び位相角を、実際の状況に合わせて夫々最適と考えられる値に設定する。尚、渦流探傷器44の周波数の設定も必要であるが、これは、プローブ32に供給する高周波電力の周波数に等しく設定する。
初期条件設定では更に、プローブ32とダミープローブ34のバランス調整を行う。このバランス調整では、両者から磁束を発生させ、H形鋼等の導体が磁束内に存在しないことを確認した上で、両者の初期条件を同一にする。調整後は両者の電圧変化の差を利用して探査を行う。
【0017】
初期条件設定が完了したならば計測を開始する。プローブ32及びダミープローブ34に高周波電力を供給しつつカッターヘッド12を回転させて掘削を実行すると、プローブ32がシールド切羽16前方をシールド切羽16の外周に沿って走査し、この走査に伴って生じるプローブ32のインピーダンス変化が、ブースターアンプ42及び渦流探傷器44によって連続的に検出される。そして、パソコン42を操作して計測に伴う処理を開始させると、パソコン48は、A/D変換器46を介して渦流探傷器44からインピーダンス変動の検出データを取り込むと共に、シールド機10の運転制御盤50からシールド機10の動作情報を取り込む。
パソコン48は、その検出データを解析してシールド切羽16前方の鉄製障害物の存在の有無を判定すると共に、更にその解析結果とシールド機10の動作情報とを統合して解析することにより、シールド切羽16前方の鉄製障害物の位置を推定し、その推定した鉄製障害物の位置をCRT画面に表示する。
従ってパソコン48は、インピーダンス変化解析の解析結果とシールド機の動作情報とを統合して解析することによりシールド切羽前方の鉄製障害物の位置を推定する位置推定手段を構成している。
【0018】
次に検出データの解析の方法について説明する。既述のごとく、プローブ32のインピーダンス変化の抵抗変化成分を表す検出信号とリアクタンス変化成分を表す検出信号とは、夫々が、プローブ32のコイルに発生する電圧変化の2つの成分、即ちプローブ32のコイルに流れる電流と同位相の成分とその電流に対して位相が90°ずれた成分とを表しており、それら2つの検出信号を(即ち電圧変化成分を)以下の説明では夫々ExとEyとで表す。
図3は、シールド機10の前面Fの前方の地中に略々垂直に打ち込まれている鉄製障害物である3本のH形鋼を、上方から見た模式図であり、シールド機10の前面Fに対する地中のH形鋼の姿勢としては、H1に示したようにH形鋼のフランジ部がシールド機の前面に対して平行な姿勢であることもあれば、H3に示したようにウェブ部がシールド機の前面に対して平行な姿勢もあり、また、H2に示したように両者の中間の姿勢であることもある。
これらのH形鋼の姿勢は、検出信号Ex、Eyの波形から見当を付けることができる。即ち、図3のH1及びH3の姿勢では、図4の(A)に示したように検出信号Exのピークが1つであるのに対し、H2の姿勢では、図4の(B)に示したように検出信号Eyのピークが2つに割れる。また、シールド機10がH形鋼に更に接近するに従って、H1とH3とでは波形の形状が異なってくる。
【0019】
ただしいずれの場合も、検出信号Exの最大ピークは検出信号Eyのピークと略々同じ時刻に発生しており、これについて図5を参照して説明する。
図5はシールド機10を前面から見た模式図であり、プローブ32は、シールド機10の外周Oに近接した、円形の軌跡Lに沿って走査を行い、図中30は地中に略々垂直に、ただし僅かに傾いて打ち込まれているH形鋼である。
プローブ32がH形鋼30に接近するP1及びP2の2箇所の各々において、図3の(A)ないし(B)に示したような検出信号の波形が発生する。検出信号ExとEyとのいずれも、それら各々の箇所でプローブ32がH形鋼30に最接近したときにピークを取るため、それら検出信号ExとEyのピークは互いに一致する。
また、P1及びP2のように、シールド機10の上半分と下半分の2箇所において図3のような波形が検出された場合には、図5に示したようにそれら2点を結ぶ直線に沿ってH形鋼30が延在しているものと推定することができる。
【0020】
また、H形鋼の大きさは、それら検出信号(即ち電圧変化成分)Ex及びEyの振幅の比から推定することができる。図6は、検出信号ExとEyを座標としたベクトル図形の2つの具体例を表しており、このようなベクトル図形は、超音波探傷器44のCRT画面にも表示され、またパソコン48の内部でも生成される。
ベクトル図形V1は、100mm角のH形鋼を検出したときに得られるベクトル図形であり、図中の位相角θ1は、tan-1(Ey/Ex)で表される角度である。また、ベクトル図形V2は、200mm角のH形鋼を検出したときのものである。
検出信号ExとEyの各々の振幅は、プローブ32からH形鋼までの距離に応じて変化するが、それらの振幅比から求められる図中の位相角θ1ないしθ2はその距離によって大きな影響を受けないため、その位相角からH形鋼の大きさを推定できるのである。
ただしこの位相角は、実際に使用するプローブや測定機器に応じて異なったものとなることがあるため、予め実地試験を行ってH形鋼の大きさとこの位相角との関係を求めておくようにする。
【0021】
シールド機10とH形鋼30との間の距離は、プローブ32とH形鋼30との距離が小さくなると電圧変化が(従って検出信号Ex及びEyの振幅が)大きくなるという特性を利用して推定することができる。
図7は、信号振幅Eの対数(ただしE=(Ex2 +EY21/2 である)と、シールド機10とH形鋼との間の距離との関係を、3通りの大きさのH形鋼について示したグラフであり、図中のC1は100mm角のH形鋼、C2は200mm角のH形鋼、C3は300mm角のH形鋼のものである。
従って、先に推定したH形鋼の大きさと信号振幅Eとから、例えば図5のP1とP2の2箇所の各々におけるH形鋼30までの距離を推定することによって、シールド機10に対するそのH形鋼30の位置を更に正確に推定することができる。
【0022】
コンピュータ48では、以上の解析の結果をCRT画面上にグラフィック表示するようにしており、その具体例を図8に示した。
図8において、CRT画面56には、シールド機10の前面に対する検出されたH形鋼の姿勢を示す表示58、シールド機10に対するH形鋼の位置を示す正面視表示60及び側面視表示62、側面視表示62に付随する距離表示64、それに、シールド機10のオペレータの注意を喚起するためのH形鋼接近状況表示66が表示されている。
【0023】
以上に説明した実施の形態によれば、シールド機10による掘削作業を実行しつつ鉄製障害物探査を行うため、高い作業能率を維持したままでシールド機10の破損のおそれを低下させることができる。
また、電磁誘導を利用した方式であるため、切羽土質性状が探査結果に影響を及ぼすことが殆どなく、土質の如何を問わず適用することができる。
また、検出データを解析することによって、H形鋼等の鉄製障害物の姿勢、位置、大きさ、それにその鉄製障害物までの距離等を推定することができるため、その鉄製障害物の撤去処理に役立つ情報が得られる。
【0024】
尚、以上の実施の形態では、泥水式シールド機10を使用しているため、プローブ32と地山との間には坑外設備から送り込まれた泥水と掘削された土砂との混合物が存在する。しかしながら、泥水も土砂も、その比透磁率は略々「1」であるため、それらが存在することによって本発明にかかる障害物探査方法の機能が損なわれることはない。
また、本発明にかかる障害物探査方法は、泥水式シールド機10以外の、回転式カッターヘッドを備えたその他の様々なシールド機を用いる場合にも良好に適用し得るものである。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法においてシールド切羽前方の鉄製障害物を探査するための鉄製障害物探査方法であって、コイルを内蔵し高周波交番磁束を発生するプローブを、その発生磁束が前記カッターヘッドの前方へ向かうようにして前記カッターヘッドの外周近傍に取り付け、前記プローブに高周波電力を供給しつつ前記カッターヘッドを回転させて掘削を実行することにより、前記プローブがシールド切羽前方をシールド切羽の外周に沿って走査するようにし、前記走査に伴って生じる前記プローブのインピーダンスの変化を連続的に検出し、その検出したインピーダンス変化を解析してシールド切羽前方の鉄製障害物の存在の有無を判定するようにした。
そのため、シールド機による掘削作業を中断せずにシールド切羽前方の鉄製障害物の探査を連続的に行え、作業能率を何ら損なうことなく鉄製障害物によるシールド機の破損を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる障害物探査システムの概念図である。
【図2】プローブ及びダミープローブを取り付けたシールド機のカッターヘッドの面板の断面図である。
【図3】シールド機の前面に対する地中のH形鋼の姿勢を示した模式図である。
【図4】信号波形の2つの具体例を示した図である。
【図5】シールド機の前面に対する地中のH形鋼の位置を示した模式図である。
【図6】信号波形に基づいたベクトル図形の2つの具体例を示した図である。
【図7】信号振幅とプローブから地中のH形鋼までの距離との関係を示したグラフである。
【図8】パソコン画面上の表示の具体例を示した図である。
【符号の説明】
10 シールド機
12 カッターヘッド
14 面板
16 シールド切羽
30 鉄製障害物(H形鋼)
32 プローブ
34 ダミープローブ

Claims (14)

  1. 回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法においてシールド切羽前方の鉄製障害物を探査するための鉄製障害物探査方法であって、
    コイルを内蔵し高周波交番磁束を発生するプローブを、その発生磁束が前記カッターヘッドの前方へ向かうようにして前記カッターヘッドの外周近傍に取り付け、
    前記プローブに高周波電力を供給しつつ前記カッターヘッドを回転させて掘削を実行することにより、前記プローブがシールド切羽前方をシールド切羽の外周に沿って走査するようにし、
    前記走査に伴って生じる前記プローブのインピーダンスの変化を連続的に検出し、
    その検出したインピーダンス変化を解析してシールド切羽前方の鉄製障害物の存在の有無を判定する、
    ことを特徴とする鉄製障害物探査方法。
  2. 前記プローブと同一仕様のダミープローブを、前記プローブの設置環境と実質的に同一の設置環境であってただし外部からの電磁誘導の影響を受けない環境に設置するようにして前記カッターヘッドに取り付け、該ダミープローブを用いた標準比較方式で前記プローブのインピーダンス変化検出を行うようにした請求項1記載の鉄製障害物探査方法。
  3. 前記プローブ及び前記ダミープローブを前記カッターヘッドの面板に取り付けるようにした請求項2記載の鉄製障害物探査方法。
  4. ブースターアンプと渦流探傷器とを用いて前記プローブへの高周波電力供給と前記インピーダンス変化の検出とを行うようにした請求項1乃至3の何れか1項記載の鉄製障害物探査方法。
  5. 前記インピーダンス変化検出において前記インピーダンス変化の抵抗変化成分とリアクタンス変化成分とを検出するようにした請求項1乃至4の何れか1項記載の鉄製障害物探査方法。
  6. 前記インピーダンス変化解析において前記インピーダンス変化の前記抵抗変化成分と前記リアクタンス変化成分とを座標としたベクトル図形を生成し、そのベクトル図形の解析を行うようにした請求項1乃至5の何れか1項記載の鉄製障害物探査方法。
  7. 前記インピーダンス変化解析の解析結果と前記シールド機の動作情報とを統合して解析することによって、シールド切羽前方の鉄製障害物の位置を推定するようにした請求項1乃至6の何れか1項記載の鉄製障害物探査方法。
  8. 回転式カッターヘッドを備えたシールド機を用いたシールド工法においてシールド切羽前方の鉄製障害物を探査するための鉄製障害物探査システムであって、
    その発生磁束が前記カッターヘッドの前方へ向かうようにして前記カッターヘッドの外周近傍に取り付けた、コイルを内蔵し高周波交番磁束を発生するプローブと、
    前記プローブに高周波交番磁束を発生させるための高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、
    前記プローブのインピーダンスの変化を検出するインピーダンス変化検出手段と、
    検出された前記プローブのインピーダンス変化を解析するインピーダンス変化解析手段と、
    を備えたことを特徴とする鉄製障害物探査システム。
  9. 前記インピーダンス変化検出手段は前記プローブと同一仕様のダミープローブを含んでおり、該ダミープローブは前記プローブの環境と実質的に同一の環境であってただし外部からの電磁誘導の影響を受けない環境におくようにして前記カッターヘッドに取り付けられている請求項8記載の鉄製障害物探査システム。
  10. 前記プローブ及び前記ダミープローブは前記カッターヘッドの面板に取り付けられている請求項9記載の鉄製障害物探査システム。
  11. 前記高周波電力供給手段及び前記インピーダンス変化検出手段はブースターアンプと渦流探傷器との組合せで構成されている請求項8乃至10の何れか1項記載の鉄製障害物探査システム。
  12. 前記インピーダンス変化検出手段は前記インピーダンス変化の抵抗変化成分とリアクタンス変化成分とを検出する請求項8乃至11のいずれか1項記載の鉄製障害物探査システム。
  13. 前記インピーダンス変化解析手段は前記インピーダンス変化の前記抵抗変化成分と前記リアクタンス変化成分とを座標としたベクトル図形を生成し、そのベクトル図形の解析を行う請求項8乃至12の何れか1項記載の鉄製障害物探査システム。
  14. 前記インピーダンス変化解析の解析結果と前記シールド機の動作情報とを統合して解析することによりシールド切羽前方の鉄製障害物の位置を推定する位置推定手段を更に備えた請求項8乃至13の何れか1項記載の鉄製障害物探査システム。
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