JP3839630B2 - Laminated glass for elevator doors - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、網入り板ガラスに透明板ガラスを貼り合わせて構成する昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の代表的なエレベータの断面図であり、昇降機100の開閉扉101に防犯用の覗窓ガラス102を取り付け、昇降路110の開閉扉111に防犯用の覗窓ガラス112を取り付けた状態を示す。
各々の開閉扉101,111に覗窓ガラス102,112を取り付けることで、昇降機100の室内100aを外側から見えるようにしたので防犯効果を高めることができる。
なお、各々防犯用の覗窓ガラス102,112は同一部材なので、覗窓ガラス102について説明して、覗窓ガラス112の説明を省略する。
【0003】
図8は図7の8部拡大図である。
覗窓ガラス102は、網入り板ガラス103に、網入り板ガラス103より一廻り小さい透明板ガラス104をポリビニルブチラールなどの中間膜105で貼り合わせた合せガラスである。
網入りガラス103、透明板ガラス104、中間膜105及び開閉扉101の厚さを、各々t11、t12、t13及びt14とすれば、t11を6.8mm、t12を2.0mm、t13を0.38mm、t14を1.6mmとする例が多い。
【0004】
すなわち、開閉扉101は金属板を使用するので薄くてよく、透明板ガラス104は製造過程で圧力を掛ける都合上、比較的厚い2.0mmとしたわけである。
透明板ガラス104が開閉扉101より厚いため、スペーサ106を入れて透明板ガラス104の位置を調節することで、開閉扉101の内面(図左側の面)101bと透明板ガラス104の内面104aとを面一にするようにしている。
【0005】
図9は従来の覗窓ガラスの製造方法を説明したフローチャートであり、図中ST×××はステップ番号を示す。
ST100;網入り板ガラス及び透明板ガラスのそれぞれの素板を切断した後、切断した網入り板ガラス及び透明板ガラスを洗浄して乾燥する。
ST101;ポリビニルブチラールなどの中間膜を切断する。
【0006】
ST102;クリーンルームで網入り板ガラスと透明板ガラスとの間に中間層を貼り合わせて3層板にする。
ST103;3層板を仮接着する。
ST104;仮接着した3層板を、オートクレーブ内において高温、高圧で本接着(圧着)して覗窓ガラス(すなわち、合せガラス)を得る。
ST105;覗窓ガラスを洗浄した後、乾燥して覗窓ガラスの製造工程を完了する。
【0007】
図10(a),(b)は従来の覗窓ガラスの製造方法の説明図であり、(a)で図9のステップ102を説明し、(b)で図9のステップ104を説明する。
(a)において、網入り板ガラス103と透明板ガラス104との間に中間層105を配置し、矢印a,aの如く重ねて網入り板ガラス103、透明板ガラス104及び中間層105を貼り合わせる。
(b)において、3層に仮接着したものを120〜150℃に加熱し、この状態で980〜1470KPaの圧力を矢印b,bの如くかけて網入り板ガラス103と透明板ガラス104とを圧着して本接着を完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、覗窓ガラス102の製造工程は、図9に示すようにST100〜ST105と工程数が多く、工程が煩雑であり作業に手間がかかる。このため、生産性を上げ難く、コストアップの要因となる。
また、網入り板ガラス103と透明板ガラス104とを圧着するために、中間層105を必要とするので、コストアップの要因となる。
【0009】
さらに、透明板ガラス104を高圧で圧着することで、例えば透明板ガラス104の板厚t12を2.0mmより薄くすると、透明板ガラス104が破損する虞がある。このため、透明板ガラス104の板厚t12を2.0mm以上に設定する必要があるので、コストアップの要因となる。
また、透明板ガラス104の板厚t12を2.0mm以上にすると、開閉扉101の板厚t14(1.6mm)より大きくなる。このため、透明板ガラス104の表面104aを開閉扉101の内面101bと面一にするためには、図7に示すようにスペーサ106が必要になり、覗窓ガラス102のコストアップの要因となる。
【0010】
さらに、網入り板ガラス103と透明板ガラス104とを圧着するために、120〜150℃に加熱する加熱設備や、980〜1470KPaに加圧する加圧設備を備える必要がある。このため、設備コストが嵩む。
また、透明板ガラス104を圧着するときに、透明板ガラス104が網入り板ガラス103からずれて、不良品ができる虞もある。不良品は廃棄処分となり、そのことが覗窓ガラス102のコストアップの要因となる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、覗窓ガラスのコストを下げることができる技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、前記網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを構成し、該透明板ガラスは前記網入り板ガラスより一廻り小さく、昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスであって、前記昇降機の金属製の開閉扉には前記貼合わせガラスの前記透明板ガラスを差込む開口を設け、該開口に該透明板ガラスを嵌め込み、貼合わせガラスの前記網入り板ガラスを、前記開閉扉の外壁側に配置し、該網入り板ガラスの周辺を、前記開口の周辺部の外壁面に取付け部材を介して取り付け、前記透明板ガラスとこれを網入り板ガラスに接着する光硬化形接着剤の合計厚さを開閉扉の板厚とほぼ同じとし、該透明板ガラスの内面が開閉扉の内壁とほぼ面一としたことを特徴とする。
【0013】
請求項2は、請求項1において、前記網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下することを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項1では、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを形成したので、従来の合わせガラスで必要であった中間膜(ポリビニルブチラール)を使わなくて済む。また、透明板ガラスの厚さを昇降機の開閉扉の板厚と略同じに設定することができる。このため、網入り板ガラスを開閉扉に当てるだけで、透明板ガラスを開閉扉と面一にすることができる。
請求項2では、網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下するようにしたので、粘度を10cp以上に設定することで、網入り板ガラス26の中央に留り、粘度を100cp以下に設定することで、透明板ガラスの自重で光硬化形接着剤を薄く広げることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る貼合わせガラスの断面図であり、昇降機10の開閉扉14に防犯用の貼合わせガラス20を取付けることで、昇降機10の室内12を外側から見えるようにして防犯効果を高めた状態を示す。
なお、昇降機10及び開閉扉14は、従来技術の昇降機100及び開閉扉101と同一部材であり説明を省略する。
【0016】
貼合わせガラス20は、矩形状の網入り板ガラス21と、網入り板ガラス21より一廻り小さい透明板ガラス24と、網入り板ガラス21及び透明板ガラス24に介在させた光硬化形接着剤としての紫外線硬化形接着剤26とからなる覗窓ガラスである。
網入り板ガラス21と透明板ガラス24とを紫外線硬化形接着剤26で貼り合わせたので、合せガラスに必要とする中間膜(一例として、ポリビニルブチラール)を除去することができる。
このため、貼合わせガラス20のコストを下げることができる。
【0017】
ところで、透明板ガラス24であるが、板ガラスとしては、素材として平坦度、平滑度が高いフロート板ガラスや、フルコール法による板ガラス、或いはコルバーン法による板ガラス等、任意の製法による板ガラスの何れをも用いることができる。
フロート板ガラスは、上述のように素材として平坦度、平滑度に優れ、品質も良好であることから好ましい。
又透明板ガラスとして説明したが、透明板ガラスとしては、表面をコーティングした板ガラスや、グリーン、ブロンズ、グレー等に着色した板ガラスを含むものである。
即ち、透明とは、透明板ガラスを通して室内外の視認性を充分に確保できるものであれば良い。
このように、本発明における透明板ガラスとは、板ガラスを通して室内外の視認性を充分に確保することが可能な半透明板ガラス、着色した板ガラスを含むものである。
【0018】
この貼合わせガラス20は、網入り板ガラス21の周辺22を開閉扉14の外壁16に当てると共に、透明板ガラス24を開閉扉14の開口15に差込み、周辺22の上下を取付け部材30,30で押え、取付け部材30,30をボルト32…及びナット34…で締め付けて開閉扉14に取付ける。
【0019】
網入り板ガラス21は、板厚t1を6.8mmに設定したものである。
透明板ガラス24は、網入り板ガラス21より一廻り小さく形成することで開閉扉14の開口15に嵌め込み可能とし、板厚t2を1.6mmに設定したガラスである。
紫外線硬化形接着剤26は、厚さt3を10〜50μm(0.01〜0.05mm)に設定したものである。
【0020】
透明板ガラス24の板厚t2を1.6mmとし、紫外線硬化形接着剤26の厚さt3を10〜50μm(0.01〜0.05mm)に設定することで、開閉扉14の開口15に差込んだ透明板ガラス24の内面25を、開閉扉14の内壁17とほぼ面一にすることができる。
従って、網入り板ガラス21と開閉扉14との間に、従来技術のスペーサ106(図7に示す)を配置する必要がないので貼合わせガラス20の取付け作業を簡略化することができる。このため、貼合わせガラス20のコスト及び貼合わせガラス20の取付け費用を下げることができる。
なお、36は網入り板ガラス21を受けるラバー部材である。
【0021】
図2は本発明に係る貼合わせガラスの斜視図であり、矩形状の網入り板ガラス21の中央に、網入り板ガラス21より一廻り小さい矩形状の透明板ガラス24を紫外線硬化形接着剤26で貼り合わせ、網入り板ガラス21の周辺22を段差とし、透明板ガラス24及び紫外線硬化形接着剤26の厚さ(t2+t3)を1.61〜1.65mmとして、開閉扉14の板厚t4(図1に示す)の1.6mmとほぼ同じにした状態を示す。
従って、透明板ガラス24の内面25を、図1に示す開閉扉14の内壁17とほぼ面一にすることができる。
なお、23は金属網であり、金属網23はガラス内に埋め込むことで網入り板ガラス21を構成する部材である。
【0022】
以上に述べた貼合わせガラスの製造方法を次に説明する。
図3は本発明に係る貼合わせガラスの製造方法を説明したフローチャートであり、図中ST××はステップ番号を示す。
ST10;網入り板ガラス及び透明板ガラスのそれぞれの素板を切断した後、切断した網入り板ガラス及び透明板ガラスを洗浄して乾燥する。
ST11;網入り板ガラスに透明板ガラスを紫外線硬化形接着剤で接着し、はみ出した接着剤を拭き取る。
ST12;紫外線硬化形接着剤に紫外線を照射して紫外線硬化形接着剤を硬化させることで、網入り板ガラスに透明板ガラスを十分な接着強さで貼り合わせる。これで、貼合わせガラスの製造工程が完了する。
【0023】
本発明によれば、網入り板ガラスと透明板ガラスとを光硬化形接着剤で接着した後、光硬化形接着剤を光で硬化するだけで網入り板ガラスと透明板ガラスとを十分な接着強さで貼り合わせることができる。
このため、貼合わせガラスの製造工程を簡略化することができるので、生産性を高めて貼合わせガラスのコストを抑えることができる。
【0024】
図4(a)〜(c)は本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第1説明図であり、(a)〜(c)で図3のST11の前半を詳しく説明する。
(a)において、載台40に網入り板ガラス21を水平に置き、網入り板ガラス21に治具42を被せ、供給シリンダユニット44で網入り板ガラス21の中央に液状の紫外線硬化形接着剤26を所定量滴下する。
(b)において、透明板ガラス24を矢印▲1▼,▲1▼の如く液状の紫外線硬化形接着剤26に載せる。このとき、透明板ガラス24を治具42で位置決めする。
【0025】
(c)において、透明板ガラス24の自重で液状の紫外線硬化形接着剤26を矢印▲2▼,▲2▼の如く薄く広げる。
紫外線硬化形接着剤26を使用することで、透明板ガラス24を圧着する必要がない。このため、透明板ガラス24の厚さt2を、2.0mm以下(例えば、1.6mm)に薄く設定することができるので、図2に示す貼合わせガラス20のコストを下げることができる。
また、加熱装置や加圧装置を必要としないので、設備コストを下げることができる。
さらに、透明板ガラス24を圧着しなくてもよいので、透明板ガラス24を貼り合わせるときに網入り板ガラス21からずれる心配もない。
【0026】
ここで、液状の紫外線硬化形接着剤26の粘度について説明する。
粘度とは流動する物体の内部に生ずる抵抗をいい、粘度=τ/(dv/dy)表される。
但し、τは、層流内のある点の流れにより、その流れと平行な面上に粘性によって作用するせん断応力(1kgf/m2≒98KPa)であり、(dv/dy)は、その流れに直角な方向の速度勾配(1/s)である。
粘度の単位にはパスカル・秒(Pa・s)やポアズ(P)を用いるが、紫外線硬化形接着剤26は低粘度なのでセンチポアズ(cP)を用いた。
【0027】
液状の紫外線硬化形接着剤26は、粘度を10〜100cPに設定した接着剤である。
粘度が10cP未満になると、網入り板ガラス21の中央に液状の紫外線硬化形接着剤26を滴下しただけで、紫外線硬化形接着剤26が薄く広がって流出してしまう。そこで、粘度を10cP以上に設定することで、網入り板ガラス26の中央に留るようにした。
また、粘度が100cPを越えると、液状の紫外線硬化形接着剤26に透明板ガラス24の自重で紫外線硬化形接着剤26を薄く広げることができない。そこで、粘度を100cP以下に設定することで、透明板ガラス24の自重で紫外線硬化形接着剤26を薄く広げることができるようにした。
【0028】
図5(a)〜(c)は本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第2説明図であり、(a)〜(b)で図3のST11の後半を詳しく説明し、(c)で図3のST12を詳しく説明する。
(a)において、治具42を矢印▲3▼,▲3▼の如く網入り板ガラス21から外す。
(b)において、網入り板ガラス21の周辺22に洩れた液状の紫外線硬化形接着剤26を拭き取る。
【0029】
(c)において、網入り板ガラス21を支持枠46,46に載せて紫外線ランプ(主たる波長が365Nmのものが望ましい)48の上方に配置する。この状態で、紫外線ランプ48から紫外線を照射して紫外線硬化形接着剤26を硬化させて、紫外線硬化形接着剤26で網入り板ガラス21に透明板ガラス24を十分な接着強さで貼り合わせる。これで、貼合わせガラス20の製造工程が完了する。
なお、紫外線硬化形接着剤26の接着強さと硬化時間との関係を次図で説明する。
【0030】
図6は本発明に係る貼合わせガラスの紫外線硬化形接着剤の接着強さと硬化時間との関係を示したグラフであり、波長365Nmの紫外線ランプ48で照射した例を示す。
縦軸は紫外線硬化形接着剤の接着強さを示し、横軸は硬化時間を示す。接着強さは、引張りせん断強さ、圧縮せん断強さ、はく離強さなどで表されるが、ここでは圧縮せん断強さで表した。
このグラフから明らかなように、紫外線硬化形接着剤26は、紫外線ランプ48を照射してから5分経過後に硬化が開始して、15分経過後に完全に硬化する。紫外線硬化形接着剤26が完全に硬化したときの接着強さは14700KPaである。
【0031】
硬化時間を15分とすることで、貼合わせガラス20の製造工程の途中で、紫外線硬化形接着剤26が硬化する心配はない。このため、貼合わせガラス20を容易に製造することができる。
また、網入り板ガラス21に透明板ガラス24を14700KPaの接着強さで貼り合わせることができるので、十分に信頼性のある覗窓ガラスを得ることができる。
【0032】
なお、紫外線硬化形接着剤を照射する装置として波長365Nmの紫外線ランプを使用したが、その他に、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプを使用してもよい。高圧水銀ランプの発光波長帯は略250〜400Nmであり、メタルハライドランプは有効な波長に合せて発光波長帯を選択することができる。
【0033】
また、光硬化形接着剤として紫外線硬化形接着剤を使用したが、その他の例として、可視光線硬化形接着剤を使用してもよい。
さらに、貼合わせガラスとして網入り板ガラスに透明板ガラスを貼り合せたが、その他に、透明板ガラスとして強化ガラスなどを貼り合せることも可能である。また、上述したように、表面をコーティングした板ガラスや、グリーン、ブロンズ、グレー等に着色した板ガラス等の室内外を通して視認性を確保し得る板ガラスを貼り合せることも可能である。
また、エレベータ用の覗窓ガラスを例に説明したが、その他の貼合わせガラスに適用することも可能である。
【0034】
さらに、紫外線硬化形接着剤を網入り板ガラスの下方から照射した例を説明したが、透明板ガラスの上方から照射させても同様の効果を得ることができる。
また、網入り板ガラス21の板厚t1を6.8mm、透明板ガラス24の板厚t2を1.6mm、紫外線硬化形接着剤26の厚さt3を10〜50μm(0.01〜0.05mm)と設定したが、各々の板厚及び厚さはこれに限るものではない。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、前記網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを構成し、該透明板ガラスは前記網入り板ガラスより一廻り小さく、昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスであって、前記昇降機の金属製の開閉扉には前記貼合わせガラスの前記透明板ガラスを差込む開口を設け、該開口に該透明板ガラスを嵌め込み、貼合わせガラスの前記網入り板ガラスを、前記開閉扉の外壁側に配置し、該網入り板ガラスの周辺を、前記開口の周辺部の外壁面に取付け部材を介して取り付け、前記透明板ガラスとこれを網入り板ガラスに接着する光硬化形接着剤の合計厚さを開閉扉の板厚とほぼ同じとし、該透明板ガラスの内面が開閉扉の内壁とほぼ面一とした。
請求項2では、請求項1において、網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下するようにした。
【0036】
以上のごとき本発明の請求項1によれば、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを形成したので、従来の合わせガラスで必要であった中間膜(ポリビニルブチラール)を使わなくて済む。このため、貼合わせガラスのコストを下げることができる。また、光硬化形接着剤を滴下し、薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せて貼り合わせるので、中間膜を使用したときのように透明板ガラスに高温、高圧を掛ける必要はない。このため、透明板ガラスの板厚を薄くして、貼合わせガラスのコストを下げることができる。
さらに、網入り板ガラスと透明板ガラスとを光硬化形接着剤で接着した後、紫外線で硬化するだけで網入り板ガラスと透明板ガラスとを十分な接着強さで貼り合わせることができる。
この結果、貼合わせガラスの製造工程を簡略化することができるので、生産性を高めて貼合わせガラスのコストを抑えることができる。
特に本発明は、接着剤と透明板ガラスの合計厚さを、昇降機の開閉扉の板厚と同じに設定したので、網入り板ガラスを開閉扉に当てるだけで、透明板ガラスを開閉扉と面一にすることができる。
従って、網入り板ガラスと開閉扉との間にスペーサを配置して、透明板ガラスの嵌込み量を調整する必要がないので、貼合わせガラスの取付け作業を簡略化することができる。この結果、貼合わせガラスのコスト及び貼合わせガラスの取付け費用を下げることができる。
請求項2によれば、網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下するようにしたので、請求項1の効果に加えるに、粘度を10cp以上に設定することで、網入り板ガラスの中央に留り、粘度を100cp以下に設定することで、透明板ガラスの自重で光硬化形接着剤26を薄く広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼合わせガラスの断面図
【図2】本発明に係る貼合わせガラスの斜視図
【図3】本発明に係る貼合わせガラスの製造方法を説明したフローチャート
【図4】本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第1説明図
【図5】本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第2説明図
【図6】本発明に係る貼合わせガラスの紫外線硬化形接着剤の接着強さと硬化時間との関係を示したグラフ
【図7】従来の代表的なエレベータの断面図
【図8】図7の8部拡大図
【図9】従来の覗窓ガラスの製造方法を説明したフローチャート
【図10】従来の覗窓ガラスの製造方法の説明図
【符号の説明】
10…昇降機、14…開閉扉、15…開口、20…貼合わせガラス、21…網入り板ガラス、24…透明板ガラス、26…光硬化形接着剤(紫外線硬化形接着剤)、48…紫外線ランプ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sight glass that is fitted into an opening / closing door of an elevator that is formed by laminating a transparent plate glass to a meshed plate glass.
[0002]
[Prior art]
FIG. 7 is a cross-sectional view of a typical conventional elevator. A
By attaching the
In addition, since the
[0003]
FIG. 8 is an enlarged view of part 8 of FIG.
The
If the thicknesses of the
[0004]
That is, the
Since the
[0005]
FIG. 9 is a flowchart for explaining a conventional method for manufacturing a sight glass. In the figure, STxxx indicates a step number.
ST100: After cutting each base plate of the mesh plate glass and the transparent plate glass, the cut mesh plate glass and the transparent plate glass are washed and dried.
ST101: An interlayer film such as polyvinyl butyral is cut.
[0006]
ST102: An intermediate layer is laminated between a plate glass and a transparent plate glass in a clean room to form a three-layer plate.
ST103: A three-layer board is temporarily bonded.
ST104: The temporarily bonded three-layer plate is fully bonded (pressed) at a high temperature and high pressure in an autoclave to obtain a sight glass (ie, laminated glass).
ST105: After cleaning the viewing glass, it is dried to complete the manufacturing process of the viewing glass.
[0007]
10 (a) and 10 (b) are explanatory views of a conventional method for manufacturing a sight glass. FIG. 10 (a) explains
In (a), the intermediate |
In (b), what was temporarily bonded to the three layers was heated to 120 to 150 ° C., and in this state, a pressure of 980 to 1470 KPa was applied as shown by arrows b and b, and the
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, as shown in FIG. 9, the manufacturing process of the
Moreover, since the intermediate |
[0009]
Furthermore, if the plate thickness t12 of the
Further, when the plate thickness t12 of the
[0010]
Furthermore, in order to press-bond the
In addition, when the
[0011]
Therefore, an object of the present invention is to provide a technique capable of reducing the cost of the sight glass.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, claim 1 of the present invention comprises a thick glass plate glass and a thin transparent plate glass, and a photo-curing adhesive is dropped on the center of the net plate glass, and the photo-curing A transparent plate glass is placed on the shape adhesive, and the photo-curable adhesive is thinly spread by its own weight and adjusted so that its thickness becomes 10 to 50 μm. A sheet glass is laminated to form a laminated glass, and the transparent sheet glass is slightly smaller than the mesh sheet glass, and is a sight glass that fits into the door of the elevator, and is attached to the metal door of the elevator. Is provided with an opening for inserting the transparent plate glass of the laminated glass, the transparent plate glass is fitted into the opening, the meshed plate glass of the laminated glass is disposed on the outer wall side of the opening / closing door, and the meshed plate glass The total thickness of the transparent plate glass and the photo-curing adhesive that bonds the transparent plate glass to the mesh plate glass is substantially the same as the plate thickness of the opening / closing door. The inner surface of the transparent plate glass is substantially flush with the inner wall of the door .
[0013]
A second aspect of the present invention is characterized in that, in the first aspect, a photo-curing adhesive having a viscosity of 10 to 100 cp is dropped onto a central portion of the meshed plate glass.
[0014]
In the present invention, the present invention comprises a thick netted plate glass and a thin transparent plate glass, and a photocurable adhesive is dropped on the center of the netted plate glass and is transparent on the photocurable adhesive. A sheet glass is placed, the photo-curing adhesive is thinly spread by its own weight and adjusted to have a thickness of 10 to 50 μm, and the two sheet glasses are bonded together by the photo-curing adhesive. since the formation of the lamination glass, it is not necessary to use an intermediate film required in the conventional case I were glass (polyvinyl butyral). Moreover, the thickness of the transparent plate glass can be set to be substantially the same as the plate thickness of the door of the elevator. For this reason, the transparent plate glass can be flush with the open / close door only by applying the plate glass with mesh to the open / close door.
In
[ 0015 ]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view of a laminated glass according to the present invention. By attaching a
In addition, the
[ 0016 ]
The
Since the netted
For this reason, the cost of the
[ 0017 ]
By the way, although it is the
As described above, the float plate glass is preferable because it is excellent in flatness and smoothness as a raw material and has good quality.
Although explained as a transparent plate glass, the transparent plate glass includes a plate glass coated on the surface and a plate glass colored in green, bronze, gray or the like.
That is, the term “transparent” may be used as long as the visibility inside and outside the room can be sufficiently secured through the transparent glass sheet.
As described above, the transparent plate glass in the present invention includes a translucent plate glass and a colored plate glass capable of sufficiently ensuring visibility inside and outside the plate glass.
[ 0018 ]
The
[ 0019 ]
The
The
The ultraviolet
[ 0020 ]
The thickness t2 of the
Therefore, since it is not necessary to arrange the spacer 106 (shown in FIG. 7) of the prior art between the
[ 0021 ]
FIG. 2 is a perspective view of the laminated glass according to the present invention. A rectangular
Therefore, the
In addition, 23 is a metal net | network, and the metal net |
[ 0022 ]
The manufacturing method of the laminated glass described above is demonstrated below.
FIG. 3 is a flowchart illustrating a method for producing a laminated glass according to the present invention, where STxx indicates a step number.
ST10: After cutting each base plate of the mesh plate glass and the transparent plate glass, the cut mesh plate glass and the transparent plate glass are washed and dried.
ST11: A transparent plate glass is adhered to a meshed plate glass with an ultraviolet curable adhesive, and the protruding adhesive is wiped off.
ST12: By irradiating the ultraviolet curable adhesive with ultraviolet rays to cure the ultraviolet curable adhesive, the transparent plate glass is bonded to the meshed plate glass with sufficient adhesive strength. This completes the manufacturing process of the laminated glass.
[ 0023 ]
According to the present invention, the netted plate glass and the transparent plate glass are bonded to each other with the photocurable adhesive, and then the netted plate glass and the transparent plate glass are bonded with sufficient strength by simply curing the photocurable adhesive with light. Can be pasted together.
For this reason, since the manufacturing process of laminated glass can be simplified, productivity can be improved and the cost of laminated glass can be suppressed.
[ 0024 ]
4 (a) to 4 (c) are first explanatory views of the method for producing a laminated glass according to the present invention. The first half of ST11 in FIG. 3 will be described in detail with reference to (a) to (c).
In (a), the
In (b), the
[ 0025 ]
In (c), the transparent ultraviolet light
By using the ultraviolet
Moreover, since a heating apparatus and a pressurizing apparatus are not required, equipment cost can be reduced.
Furthermore, since the
[ 0026 ]
Here, the viscosity of the liquid ultraviolet
Viscosity refers to resistance generated inside a flowing body, and is expressed as viscosity = τ / (dv / dy).
However, τ is a shear stress (1 kgf / m 2 ≈98 KPa) acting on the surface parallel to the flow due to the flow at a certain point in the laminar flow, and (dv / dy) is It is a velocity gradient (1 / s) in a direction perpendicular to the direction.
Pascal · second (Pa · s) or poise (P) is used as the unit of viscosity, but centipoise (cP) is used because the ultraviolet
[ 0027 ]
The liquid ultraviolet
When the viscosity is less than 10 cP, the UV
On the other hand, if the viscosity exceeds 100 cP, the ultraviolet
[ 0028 ]
5 (a) to 5 (c) are second explanatory views of the method for producing a laminated glass according to the present invention, and (a) to (b) explain in detail the latter half of ST11 in FIG. 3 will be described in detail.
In (a), the
In (b), the liquid ultraviolet
[ 0029 ]
In (c), the
The relationship between the adhesive strength of the ultraviolet
[ 0030 ]
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the adhesive strength of the ultraviolet curable adhesive of the laminated glass according to the present invention and the curing time, and shows an example of irradiation with an
The vertical axis represents the adhesive strength of the ultraviolet curable adhesive, and the horizontal axis represents the curing time. The bond strength is represented by tensile shear strength, compression shear strength, peel strength, etc., but here it is represented by compression shear strength.
As is apparent from this graph, the ultraviolet curable adhesive 26 starts to be cured after 5 minutes from the irradiation of the
[ 0031 ]
By setting the curing time to 15 minutes, there is no concern that the ultraviolet
Moreover, since the
[ 0032 ]
In addition, although the ultraviolet lamp with a wavelength of 365 Nm was used as an apparatus for irradiating the ultraviolet curable adhesive, for example, a high pressure mercury lamp or a metal halide lamp may be used. The emission wavelength band of the high-pressure mercury lamp is approximately 250 to 400 Nm, and the metal halide lamp can select the emission wavelength band according to the effective wavelength.
[ 0033 ]
Moreover, although the ultraviolet curable adhesive was used as the photocurable adhesive, a visible light curable adhesive may be used as another example.
Furthermore, although the transparent plate glass is bonded to the meshed plate glass as the laminated glass, it is also possible to bond tempered glass or the like as the transparent plate glass. In addition, as described above, it is also possible to attach a plate glass that can ensure visibility through the interior and the exterior, such as a plate glass coated on the surface, a plate glass colored in green, bronze, gray or the like.
In addition, although the explanation has been made by taking the observation window glass for an elevator as an example, it can be applied to other laminated glass.
[ 0034 ]
Furthermore, although the example which irradiated the ultraviolet curable adhesive agent from the downward | lower direction of the plate glass with net | network was demonstrated, the same effect can be acquired even if it irradiates from the upper direction of a transparent plate glass.
Moreover, the plate thickness t1 of the
[0035]
【The invention's effect】
The present invention exhibits the following effects by the above configuration.
In
[0036]
According to
Further, after the meshed plate glass and the transparent plate glass are bonded with a photo-curing adhesive, the meshed plate glass and the transparent plate glass can be bonded together with sufficient adhesive strength simply by curing with ultraviolet rays.
As a result, since the manufacturing process of the laminated glass can be simplified, the productivity can be increased and the cost of the laminated glass can be suppressed.
In particular, in the present invention, the total thickness of the adhesive and the transparent plate glass is set to be the same as the plate thickness of the door of the elevator, so that the transparent plate glass is flush with the door by simply placing the mesh plate glass on the door. can do.
Therefore, since it is not necessary to arrange a spacer between the meshed plate glass and the open / close door and adjust the amount of the transparent plate glass fitted, the attaching operation of the laminated glass can be simplified. As a result, the cost of the laminated glass and the installation cost of the laminated glass can be reduced.
According to the second aspect, since the photo-curing adhesive having a viscosity of 10 to 100 cp is dropped onto the central portion of the mesh plate glass, the viscosity is set to 10 cp or more in addition to the effect of the first aspect. Thus, the photocurable adhesive 26 can be spread thinly by the weight of the transparent plate glass by staying at the center of the meshed plate glass and setting the viscosity to 100 cp or less.
[Brief description of the drawings]
1 is a cross-sectional view of a laminated glass according to the present invention. FIG. 2 is a perspective view of a laminated glass according to the present invention. FIG. 3 is a flowchart illustrating a method for producing a laminated glass according to the present invention. 1st explanatory drawing of the manufacturing method of the laminated glass which concerns on this invention [FIG. 5] 2nd explanatory drawing of the manufacturing method of the laminated glass which concerns on this invention [FIG. 6] UV curable adhesion of the laminated glass which concerns on this invention FIG. 7 is a cross-sectional view of a typical conventional elevator. FIG. 8 is an enlarged view of part 8 in FIG. 7. FIG. 9 is a conventional method for producing a viewing window glass. FIG. 10 is an explanatory diagram of a conventional method for manufacturing a sight glass;
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記昇降機の金属製の開閉扉には前記貼合わせガラスの前記透明板ガラスを差込む開口を設け、該開口に該透明板ガラスを嵌め込み、
貼合わせガラスの前記網入り板ガラスを、前記開閉扉の外壁側に配置し、該網入り板ガラスの周辺を、前記開口の周辺部の外壁面に取付け部材を介して取り付け、
前記透明板ガラスとこれを網入り板ガラスに接着する光硬化形接着剤の合計厚さを開閉扉の板厚とほぼ同じとし、該透明板ガラスの内面が開閉扉の内壁とほぼ面一とした、
ことを特徴とする昇降機の開閉扉の貼合わせガラス。 It consists of a thick mesh plate glass and a thin transparent plate glass. A photocurable adhesive is dropped on the center of the mesh plate glass, and the transparent plate glass is placed on the photocurable adhesive. The photo-curing adhesive is thinly spread by its own weight and adjusted so that its thickness becomes 10 to 50 μm, and the two glass sheets are laminated with the photo- curing adhesive to constitute a laminated glass, The transparent sheet glass is slightly smaller than the meshed sheet glass, and is a sight glass that fits into the door of the elevator,
The metal door of the elevator is provided with an opening for inserting the transparent plate glass of the laminated glass, and the transparent plate glass is fitted into the opening,
Placing the meshed plate glass of the laminated glass on the outer wall side of the open / close door, attaching the periphery of the meshed plate glass to the outer wall surface of the peripheral portion of the opening via an attachment member,
The total thickness of the transparent plate glass and the photo-curing adhesive that bonds the transparent plate glass to the meshed plate glass is substantially the same as the plate thickness of the door, and the inner surface of the transparent plate glass is substantially flush with the inner wall of the door.
A laminated glass for an opening / closing door of an elevator characterized by that.
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