JP3838755B2 - 走行式パイプ切断装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプ製造ラインにおいてコイルに巻かれたストリップがロール成形され連続的に送り出されてくるパイプを一定の長さに高速で切断するための走行式パイプ切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパイプ切断装置は、米国特許第4228706号および米国特許第4337680号に開示されているように、パイプの走行速度と同調する速度の先端が三角形の板状尖端部をを有する上刃を降下させパイプ外形に打ち込み、次いで、下刃にセットされたパイプを切断するような切断装置が主流であった。しかし、このようなパイプ切断装置は打ち込み切断部にデインプルが残る上、非効率であるだけでなく、切断歩留まりが悪いという欠点に加え、切り込み刃の駆動機構が大型となり、走行式パイプ切断機構全体の重量が大きく高速切断が不可能であった。そこで、軽量で高速切断が可能な走行式パイプ切断装置に向けて多くの提案がなされた。その例として、特開昭59−201715号公報に開示されたように、本格的な切断を行う上刃がパイプに食い込む前に、予備的な切断としてパイプ上を回動するトップナイフによりパイプの上刃物の食い込み部に予備的な切り込みを入れる方法や、特開平3−213208号公報に開示されたような、パイプ切断装置と移動するパイプ速度が同調した時点で、パイプに浅い切り込みを入れる切り込み刃の回転軌跡をパイプの上面円弧と同様上面に凸の円弧軌跡で行い、次いで切断刃により完全に切断するようなダブルアクションプレスカット方式が提案されている。また、この方式に代わり、特開平3−213208号公報に開示されたような、パイプの速度と同調する速度で移動する上刃を降下させ、或いは回動させ、パイプの外端面から直径20%の範囲内でパイプ中心より偏位した位置に切り込みを入れ、次いで全径を切断するシングルアクションカット方式も提案されている。更に、最近では、特開平7−227712号公報に開示されたような、上刃と切り込み刃を一体的に固定し、上刃と切り込み刃が切断するために移動可能とした高効率のパイプ切断装置も開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したダブルアクションプレスカット方式では、予備切断を行うためにデインプルは発生しにくくなるが予備切断用に別の刃物とそのための移動・回転機構を必要とし、装置全体構造が複雑にある上、大型化に伴うコスト高という欠点があるのび加えて予備切断と本切断で刃物が異なる、またそのための移動或いは回転機構が異なるために予備切断と本切断で段差が生じるという問題点がある。一方、前記シングルアクションカット方式においては、上刃は先端を三角形またはそれに類似する曲線形状の尖った板状の刃物であり、この先端がパイプ外表面に突入する時に先端に剪断力が集中するために、この部分を窪ませて切断端面にデインプルを発生させていた。このデインプルはパイプの商品価値を落とすことから後工程でそれを修正する作業が行われ余分の工数と費用がかかるという問題を依然として有していた。
【0004】
【発明を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたもので、予備切断を行うことによりパイプ端のデインプルを発生させないと同時に同一の回転シングル刃にて予備切断と本切断の両方をシングルアクションで行うことで段差のない高品質の切断端面を有するパイプ切断装置を提供するもので、また、設備の簡素化とそれに伴い低コストパイプ切断装置を提供するものである。その要旨は、パイプの造管速度と同調し、走行しながらパイプのプリカットを行い、その後突っ切りプレス切断を行うことにより無変形切断が可能な走行式パイプ切断装置において、パイプの造管速度と同調し、走行しながらパイプのプリカットを行い、その後突っ切りプレス切断を行う走行式パイプ切断装置において、パイプ支持台に固定されたパイプから離間してパイプ切断機構を配設し、前記パイプ切断機構が予備切り込みを入れる予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃が一個の回転中心を持つ一体刃構造をなし、プリカットする前記予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃の回転中心である回転軸が直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上を摺動して移動可能なスライド機構で構成し、パイプ切断前に本切断上刃の先端が最初に突入するパイプ上部部分を予備切断刃の回転によりパイプ表面から予備的に切り込みを入れてプリカット後、前記予備切断刃の属する同一シングル刃の別の部分にある本切断上刃の回転中心を変えた回動により、下刃にセットされたパイプの突っ切り切断を行うよう構成した無変形切断用走行式パイプ切断装置である。
【0005】
また、本発明による無変形切断用走行式パイプ切断装置においては、使用される予備切断刃と本切断刃の形状により切断されるパイプの配置を変え、例えば、使用される予備切断刃と本切断刃が、その形状において中央部に回転軸が位置したS字状をなす場合には、切断されるパイプの位置を予備切断刃の外側の位置させ、また、その形状において中央部に回転軸が位置した半月状をなす場合には、切断されるパイプの位置を切断されるパイプを前記回転軸と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させ、更に、その回転中心からの半径方向の長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離にプリカットする深さを加算した長さを有する予備切断刃であり、また、その長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離に少なくともパイプ直径を加算した長さを有する本切断刃であり、これら予備切断刃と本切断刃の両者は一個の回転軸を持つ一体刃構造の一部であり、それによってプリカット時に刃先と刃の回転中心の延長上に切断されるパイプが位置する請求項1記載の無変形切断用走行式パイプ切断装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる走行式パイプ切断装置は、パイプ製造ラインから一定速度で送り出されてくるパイプと、この送出パイプの送り速度と同調して走行するよう制御されたパイプ切断装置が、シングル回転刃に一体的に取り付けられた予備切断刃の回転運動により予備切り込みを入れ、その後直ちにシングル回転刃は回転を続けながらその回転中心を、同じシングル回転刃に一体的に取り付けられた本切断用の突っ切り上刃がその回転運動により前記予備切り込み部から突っ切りプレス切断を行う位置に移動して本切断を行うものである。前記本切断終了後は、直ちに前記シングル回転刃は元の位置にその回転中心を移動し、パイプ切断装置本体が元の位置に戻り再度パイプの送り速度と同期した動きを行いながら再度切断のための予備切断、本切断というサイクルを繰り返す。前記予備切断および本切断のシングル回転刃の回転は、DCモーターをコンピューター制御により回転させ、回転中心の移動はレール上を走行する動き、或いはピンとアームによる円弧運動により回転中心が所定の動きをするようサーボモーター等により制御される。
【0007】
以下に本発明の詳細内容を図面を以て具体的に説明する。
本発明にかかる走行式パイプ切断装置は、図1の側面図に示すように、予備切断刃Aと本切断上刃の形状がS字状を有している場合の例で、切断されるパイプPを固定する水平パイプ切断下刃1と、このパイプ切断下刃1から後述する間隔を維持して離間し、かつパイプPの横断面内で任意の角度に配置された直線状のスライド機構2が配設されている。このスライド機構2には、サーボモーター(図示せず)により回転駆動される回転軸3を備えたパイプ切断機構4が取り付けられている。前記スライド機構2およびパイプ切断機構4の両者は、パイプの造管速度と同調して走行しながらパイプ切断が行えるよう構成されている。このパイプ切断機構4は、前記スライド機構2に支承された回転軸3には、パイプPの外表面に切り込み(ノッチ)を入れプリカットする比較的短い先端部に鋸刃を有する半月状の予備切断刃A(プリカット刃)と、パイプPの全断面を突っ切り切断する、前記予備切断刃Aより長い半月状の本切断上刃Bを備えた2枚一体構造刃で構成されている。
【0008】
従って、パイプPの切断前に、本切断上刃Bの先端が最初に突入するパイプ外周面の特定の上部部分を、サーボモーターの回転駆動力にて回転軸3を支点にして予備切断刃Aにて切り込むプリカットを行い、次いで、前記サーボモーターを更に回転駆動させて前記予備切断刃Aの属する同一シングル刃の反対側にある突っ切り切断する本切断上刃Bにより前記予備切断刃Aが切り込んだ切り込み部(ノッチ)から突っ切り切断するよう構成させている。ここで、予備切断刃Aのプリカットと本切断上刃Bのの突っ切り切断する際の回転軸3の位置関係を説明すると、図1に示すように、予備切断刃Aがプリカットする場合には回転軸3の位置はパイプPのほぼ真上の点Xの位置にあるが、本切断上刃Bのが突っ切り切断する場合には回転軸3が前記スライド機構上を下降し、本切断上刃Bの先端が丁度プリカットされた位置になるように点Yに位置に固定され、パイプPをほぼ真ん中から突っ切り切断するように構成された無変形切断可能な走行式パイプ切断装置である。
【0009】
また、本発明による無変形切断可能な走行式パイプ切断装置においては、使用される予備切断刃と本切断刃の形状により切断されるパイプの配置を変え、例えば、使用される予備切断刃と本切断刃が、その形状において中央部に回転軸が位置したS字状をなす場合には、切断されるパイプの位置を予備切断刃の外側の位置させ、また、その形状において中央部に回転軸が位置した半月状をなす場合には、図2aおよび図2bに示すように、切断されるパイプの位置を切断されるパイプを前記スライド機構の回転軸と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させ、更に、使用される予備切断刃と本切断刃の形状は、その回転中心からの半径方向の長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離にプリカットする深さを加算した長さを有する予備切断刃Aと、またその長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記回転軸との間の距離に少なくともパイプ直径を加算した長さを有する本切断上刃Bであることが必要である。
【0010】
更に、図2aおよび図2bで示したように、使用される予備切断刃Aと本切断上刃Bの形状が半月状をなす場合には、前記2つの刃は2枚一体構造刃であるため、前記2つの刃の位置をスライド機構の回転軸と同心円上で、かつ同一円周内で切断可能なように配置する。しかも、切断されるパイプPの位置を切断されるパイプを前記スライド機構の回転軸3と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させる必要がある。このような構成において、パイプPをプリカットする場合には、前記スライド機構の回転軸3を点Xに位置させ、予備切断刃Aを本切断上刃Bと一緒に外部サーボモーターMの回転駆動により伝達ベルト5を介して回動させ、そして予備切断刃Aの内側に位置するパイプPの外表面を切り込むプリカットを行い、次いで、更に回動させて前記スライド機構の回転軸3を点Yに位置させて本切断上刃BによりパイプPをほぼ真ん中から切断しうるものである。
【0011】
このように構成された走行式パイプ切断装置においては、同一の回転軸を有するシングル刃、すなわち、予備切断刃Aと本切断上刃B、によってパイプのプリカットと、その後の突っ切り切断を行う際に、プリカットの回転中心をプリカットの終了直後から突っ切り切断開始前までに、突っ切り切断の回転中心である回転軸3の位置は、予備切断刃Aと本切断上刃Bの長さに依存して直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上に移動させることが可能となる。このようにすると、パイプのプリカットとその後の突っ切り切断を、前記回転シングル刃の回転を、回転軸3中心を中心とし、スライド機構2上を直線的或いは前記シングル刃の外側に位置する円または円弧に沿って回転運動させることができる。
【0012】
図3は、本発明の別の実施形態として偏心歯車を使用してパイプ切断を行う走行式パイプ切断装置の例を示した。図3でも、パイプの造管速度と同調・走行しながらパイプのプリカットと突っ切りプレス切断を行う走行式パイプ切断装置で、パイプ切断刃に固定されたパイプから離間して歯車式パイプ切断機構7を配設し、この歯車式パイプ切断機構7が予備切り込みを入れる予備切断刃Aと突っ切りプレス切断する本切断刃Bが一個の回転中心を持ち、しかも前記回転中心と同心円状で馬蹄形の一体刃構造をなしている。この予備切断刃Aおよび本切断刃Bを有する前記歯車式パイプ切断機構7は、サーボモーターMにより回転駆動される主動回転歯車8に噛み合うパイプ切断歯車8が回転駆動され、前記予備切断刃Aと突っ切りプレス切断する本切断刃Bがパイプ切断歯車8と一体化した構造となっているために、パイプ切断歯車8の回転によりこれら切断刃A、切断刃Bも回転することになる。
【0013】
一方、前記パイプ切断歯車8の外周には偏心軸9を備えた外周歯車10と、同様に偏心軸11を備えた外周歯車12の2つの外周歯車が係合しているために、前記パイプ切断歯車8は、前記2つの外周歯車11、12の偏心度合いによりプリカットする予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃の回転中心である回転軸が直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上を摺動して任意の位置に移動可能になる。すなわち、パイプPをプリカットする場合には予備切断刃Aをパイプ外周位置に接触させてプリカットするために、外周歯車10の偏心を最小にし、更に、もう一方の外周歯車10の偏心を最大にして回転駆動させて予備切断刃Aでプリカットを行うことができる。同様に、パイプPを本切断する場合には本切断刃Bをパイプ中心位置に移動させて本切断するために、外周歯車10の偏心を最大にし、更に、もう一方の外周歯車10の偏心を最小にして回転駆動させて本切断刃Bで本切断を行うことができる。
【0014】
【発明の効果】
上述したように、本発明にかかる走行式パイプ切断装置は、従来のようにパイプの予備切断を突っ切り切断を行う機構が別々に配備されることなく、同一の回転切断機構により一挙に予備切断と突っ切り切断を行うことが可能であり、しかも切断面は従来設備による切断に比較して同等もしくはそれ以上に平滑で、かつデインプルのない切断面を有するパイプ断面が得られるものであり、設備費用も大幅に縮減され、極めて切断効率も高く、かつ経済的な走行式パイプ切断装置が提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走行式パイプ切断装置の概略側面図を示す図である。
【図2】本発明による走行式パイプ切断装置の別の例を示すもので、aはプリカットの状態を、bは本切断の状態をそれぞれ示す図である。
【図3】本発明による走行式パイプ切断装置の更に別の形態の概略側面図を示す図である。
【符号の説明】
1…パイプ下刃
2…スライド機構
3…回転軸
4…パイプ切断機構
5…伝達ベルト
7…歯車式パイプ切断機構
8…パイプ切断歯車
9、11…偏心軸
10、12…外周歯車
A…予備切断刃
B…本切断上刃
P…パイプ
M…サーボモーター
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプ製造ラインにおいてコイルに巻かれたストリップがロール成形され連続的に送り出されてくるパイプを一定の長さに高速で切断するための走行式パイプ切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパイプ切断装置は、米国特許第4228706号および米国特許第4337680号に開示されているように、パイプの走行速度と同調する速度の先端が三角形の板状尖端部をを有する上刃を降下させパイプ外形に打ち込み、次いで、下刃にセットされたパイプを切断するような切断装置が主流であった。しかし、このようなパイプ切断装置は打ち込み切断部にデインプルが残る上、非効率であるだけでなく、切断歩留まりが悪いという欠点に加え、切り込み刃の駆動機構が大型となり、走行式パイプ切断機構全体の重量が大きく高速切断が不可能であった。そこで、軽量で高速切断が可能な走行式パイプ切断装置に向けて多くの提案がなされた。その例として、特開昭59−201715号公報に開示されたように、本格的な切断を行う上刃がパイプに食い込む前に、予備的な切断としてパイプ上を回動するトップナイフによりパイプの上刃物の食い込み部に予備的な切り込みを入れる方法や、特開平3−213208号公報に開示されたような、パイプ切断装置と移動するパイプ速度が同調した時点で、パイプに浅い切り込みを入れる切り込み刃の回転軌跡をパイプの上面円弧と同様上面に凸の円弧軌跡で行い、次いで切断刃により完全に切断するようなダブルアクションプレスカット方式が提案されている。また、この方式に代わり、特開平3−213208号公報に開示されたような、パイプの速度と同調する速度で移動する上刃を降下させ、或いは回動させ、パイプの外端面から直径20%の範囲内でパイプ中心より偏位した位置に切り込みを入れ、次いで全径を切断するシングルアクションカット方式も提案されている。更に、最近では、特開平7−227712号公報に開示されたような、上刃と切り込み刃を一体的に固定し、上刃と切り込み刃が切断するために移動可能とした高効率のパイプ切断装置も開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したダブルアクションプレスカット方式では、予備切断を行うためにデインプルは発生しにくくなるが予備切断用に別の刃物とそのための移動・回転機構を必要とし、装置全体構造が複雑にある上、大型化に伴うコスト高という欠点があるのび加えて予備切断と本切断で刃物が異なる、またそのための移動或いは回転機構が異なるために予備切断と本切断で段差が生じるという問題点がある。一方、前記シングルアクションカット方式においては、上刃は先端を三角形またはそれに類似する曲線形状の尖った板状の刃物であり、この先端がパイプ外表面に突入する時に先端に剪断力が集中するために、この部分を窪ませて切断端面にデインプルを発生させていた。このデインプルはパイプの商品価値を落とすことから後工程でそれを修正する作業が行われ余分の工数と費用がかかるという問題を依然として有していた。
【0004】
【発明を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたもので、予備切断を行うことによりパイプ端のデインプルを発生させないと同時に同一の回転シングル刃にて予備切断と本切断の両方をシングルアクションで行うことで段差のない高品質の切断端面を有するパイプ切断装置を提供するもので、また、設備の簡素化とそれに伴い低コストパイプ切断装置を提供するものである。その要旨は、パイプの造管速度と同調し、走行しながらパイプのプリカットを行い、その後突っ切りプレス切断を行うことにより無変形切断が可能な走行式パイプ切断装置において、パイプの造管速度と同調し、走行しながらパイプのプリカットを行い、その後突っ切りプレス切断を行う走行式パイプ切断装置において、パイプ支持台に固定されたパイプから離間してパイプ切断機構を配設し、前記パイプ切断機構が予備切り込みを入れる予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃が一個の回転中心を持つ一体刃構造をなし、プリカットする前記予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃の回転中心である回転軸が直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上を摺動して移動可能なスライド機構で構成し、パイプ切断前に本切断上刃の先端が最初に突入するパイプ上部部分を予備切断刃の回転によりパイプ表面から予備的に切り込みを入れてプリカット後、前記予備切断刃の属する同一シングル刃の別の部分にある本切断上刃の回転中心を変えた回動により、下刃にセットされたパイプの突っ切り切断を行うよう構成した無変形切断用走行式パイプ切断装置である。
【0005】
また、本発明による無変形切断用走行式パイプ切断装置においては、使用される予備切断刃と本切断刃の形状により切断されるパイプの配置を変え、例えば、使用される予備切断刃と本切断刃が、その形状において中央部に回転軸が位置したS字状をなす場合には、切断されるパイプの位置を予備切断刃の外側の位置させ、また、その形状において中央部に回転軸が位置した半月状をなす場合には、切断されるパイプの位置を切断されるパイプを前記回転軸と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させ、更に、その回転中心からの半径方向の長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離にプリカットする深さを加算した長さを有する予備切断刃であり、また、その長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離に少なくともパイプ直径を加算した長さを有する本切断刃であり、これら予備切断刃と本切断刃の両者は一個の回転軸を持つ一体刃構造の一部であり、それによってプリカット時に刃先と刃の回転中心の延長上に切断されるパイプが位置する請求項1記載の無変形切断用走行式パイプ切断装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる走行式パイプ切断装置は、パイプ製造ラインから一定速度で送り出されてくるパイプと、この送出パイプの送り速度と同調して走行するよう制御されたパイプ切断装置が、シングル回転刃に一体的に取り付けられた予備切断刃の回転運動により予備切り込みを入れ、その後直ちにシングル回転刃は回転を続けながらその回転中心を、同じシングル回転刃に一体的に取り付けられた本切断用の突っ切り上刃がその回転運動により前記予備切り込み部から突っ切りプレス切断を行う位置に移動して本切断を行うものである。前記本切断終了後は、直ちに前記シングル回転刃は元の位置にその回転中心を移動し、パイプ切断装置本体が元の位置に戻り再度パイプの送り速度と同期した動きを行いながら再度切断のための予備切断、本切断というサイクルを繰り返す。前記予備切断および本切断のシングル回転刃の回転は、DCモーターをコンピューター制御により回転させ、回転中心の移動はレール上を走行する動き、或いはピンとアームによる円弧運動により回転中心が所定の動きをするようサーボモーター等により制御される。
【0007】
以下に本発明の詳細内容を図面を以て具体的に説明する。
本発明にかかる走行式パイプ切断装置は、図1の側面図に示すように、予備切断刃Aと本切断上刃の形状がS字状を有している場合の例で、切断されるパイプPを固定する水平パイプ切断下刃1と、このパイプ切断下刃1から後述する間隔を維持して離間し、かつパイプPの横断面内で任意の角度に配置された直線状のスライド機構2が配設されている。このスライド機構2には、サーボモーター(図示せず)により回転駆動される回転軸3を備えたパイプ切断機構4が取り付けられている。前記スライド機構2およびパイプ切断機構4の両者は、パイプの造管速度と同調して走行しながらパイプ切断が行えるよう構成されている。このパイプ切断機構4は、前記スライド機構2に支承された回転軸3には、パイプPの外表面に切り込み(ノッチ)を入れプリカットする比較的短い先端部に鋸刃を有する半月状の予備切断刃A(プリカット刃)と、パイプPの全断面を突っ切り切断する、前記予備切断刃Aより長い半月状の本切断上刃Bを備えた2枚一体構造刃で構成されている。
【0008】
従って、パイプPの切断前に、本切断上刃Bの先端が最初に突入するパイプ外周面の特定の上部部分を、サーボモーターの回転駆動力にて回転軸3を支点にして予備切断刃Aにて切り込むプリカットを行い、次いで、前記サーボモーターを更に回転駆動させて前記予備切断刃Aの属する同一シングル刃の反対側にある突っ切り切断する本切断上刃Bにより前記予備切断刃Aが切り込んだ切り込み部(ノッチ)から突っ切り切断するよう構成させている。ここで、予備切断刃Aのプリカットと本切断上刃Bのの突っ切り切断する際の回転軸3の位置関係を説明すると、図1に示すように、予備切断刃Aがプリカットする場合には回転軸3の位置はパイプPのほぼ真上の点Xの位置にあるが、本切断上刃Bのが突っ切り切断する場合には回転軸3が前記スライド機構上を下降し、本切断上刃Bの先端が丁度プリカットされた位置になるように点Yに位置に固定され、パイプPをほぼ真ん中から突っ切り切断するように構成された無変形切断可能な走行式パイプ切断装置である。
【0009】
また、本発明による無変形切断可能な走行式パイプ切断装置においては、使用される予備切断刃と本切断刃の形状により切断されるパイプの配置を変え、例えば、使用される予備切断刃と本切断刃が、その形状において中央部に回転軸が位置したS字状をなす場合には、切断されるパイプの位置を予備切断刃の外側の位置させ、また、その形状において中央部に回転軸が位置した半月状をなす場合には、図2aおよび図2bに示すように、切断されるパイプの位置を切断されるパイプを前記スライド機構の回転軸と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させ、更に、使用される予備切断刃と本切断刃の形状は、その回転中心からの半径方向の長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離にプリカットする深さを加算した長さを有する予備切断刃Aと、またその長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記回転軸との間の距離に少なくともパイプ直径を加算した長さを有する本切断上刃Bであることが必要である。
【0010】
更に、図2aおよび図2bで示したように、使用される予備切断刃Aと本切断上刃Bの形状が半月状をなす場合には、前記2つの刃は2枚一体構造刃であるため、前記2つの刃の位置をスライド機構の回転軸と同心円上で、かつ同一円周内で切断可能なように配置する。しかも、切断されるパイプPの位置を切断されるパイプを前記スライド機構の回転軸3と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させる必要がある。このような構成において、パイプPをプリカットする場合には、前記スライド機構の回転軸3を点Xに位置させ、予備切断刃Aを本切断上刃Bと一緒に外部サーボモーターMの回転駆動により伝達ベルト5を介して回動させ、そして予備切断刃Aの内側に位置するパイプPの外表面を切り込むプリカットを行い、次いで、更に回動させて前記スライド機構の回転軸3を点Yに位置させて本切断上刃BによりパイプPをほぼ真ん中から切断しうるものである。
【0011】
このように構成された走行式パイプ切断装置においては、同一の回転軸を有するシングル刃、すなわち、予備切断刃Aと本切断上刃B、によってパイプのプリカットと、その後の突っ切り切断を行う際に、プリカットの回転中心をプリカットの終了直後から突っ切り切断開始前までに、突っ切り切断の回転中心である回転軸3の位置は、予備切断刃Aと本切断上刃Bの長さに依存して直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上に移動させることが可能となる。このようにすると、パイプのプリカットとその後の突っ切り切断を、前記回転シングル刃の回転を、回転軸3中心を中心とし、スライド機構2上を直線的或いは前記シングル刃の外側に位置する円または円弧に沿って回転運動させることができる。
【0012】
図3は、本発明の別の実施形態として偏心歯車を使用してパイプ切断を行う走行式パイプ切断装置の例を示した。図3でも、パイプの造管速度と同調・走行しながらパイプのプリカットと突っ切りプレス切断を行う走行式パイプ切断装置で、パイプ切断刃に固定されたパイプから離間して歯車式パイプ切断機構7を配設し、この歯車式パイプ切断機構7が予備切り込みを入れる予備切断刃Aと突っ切りプレス切断する本切断刃Bが一個の回転中心を持ち、しかも前記回転中心と同心円状で馬蹄形の一体刃構造をなしている。この予備切断刃Aおよび本切断刃Bを有する前記歯車式パイプ切断機構7は、サーボモーターMにより回転駆動される主動回転歯車8に噛み合うパイプ切断歯車8が回転駆動され、前記予備切断刃Aと突っ切りプレス切断する本切断刃Bがパイプ切断歯車8と一体化した構造となっているために、パイプ切断歯車8の回転によりこれら切断刃A、切断刃Bも回転することになる。
【0013】
一方、前記パイプ切断歯車8の外周には偏心軸9を備えた外周歯車10と、同様に偏心軸11を備えた外周歯車12の2つの外周歯車が係合しているために、前記パイプ切断歯車8は、前記2つの外周歯車11、12の偏心度合いによりプリカットする予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃の回転中心である回転軸が直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上を摺動して任意の位置に移動可能になる。すなわち、パイプPをプリカットする場合には予備切断刃Aをパイプ外周位置に接触させてプリカットするために、外周歯車10の偏心を最小にし、更に、もう一方の外周歯車10の偏心を最大にして回転駆動させて予備切断刃Aでプリカットを行うことができる。同様に、パイプPを本切断する場合には本切断刃Bをパイプ中心位置に移動させて本切断するために、外周歯車10の偏心を最大にし、更に、もう一方の外周歯車10の偏心を最小にして回転駆動させて本切断刃Bで本切断を行うことができる。
【0014】
【発明の効果】
上述したように、本発明にかかる走行式パイプ切断装置は、従来のようにパイプの予備切断を突っ切り切断を行う機構が別々に配備されることなく、同一の回転切断機構により一挙に予備切断と突っ切り切断を行うことが可能であり、しかも切断面は従来設備による切断に比較して同等もしくはそれ以上に平滑で、かつデインプルのない切断面を有するパイプ断面が得られるものであり、設備費用も大幅に縮減され、極めて切断効率も高く、かつ経済的な走行式パイプ切断装置が提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走行式パイプ切断装置の概略側面図を示す図である。
【図2】本発明による走行式パイプ切断装置の別の例を示すもので、aはプリカットの状態を、bは本切断の状態をそれぞれ示す図である。
【図3】本発明による走行式パイプ切断装置の更に別の形態の概略側面図を示す図である。
【符号の説明】
1…パイプ下刃
2…スライド機構
3…回転軸
4…パイプ切断機構
5…伝達ベルト
7…歯車式パイプ切断機構
8…パイプ切断歯車
9、11…偏心軸
10、12…外周歯車
A…予備切断刃
B…本切断上刃
P…パイプ
M…サーボモーター
Claims (3)
- パイプの造管速度と同調し、走行しながらパイプのプリカットを行い、その後突っ切りプレス切断を行う走行式パイプ切断装置において、パイプ切断下刃に固定されたパイプから離間してパイプ切断機構を配設し、前記パイプ切断機構が予備切り込みを入れる予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃が一個の回転中心を持つ一体刃構造をなし、プリカットする前記予備切断刃と突っ切りプレス切断する本切断上刃の回転中心である回転軸が直線状、円弧状またはそれらを組み合わせた軌跡上を摺動して移動可能なスライド機構で構成し、パイプ切断前に本切断上刃の先端が最初に突入するパイプ上部部分を予備切断刃の回転によりパイプ表面から予備的に切り込みを入れてプリカット後、前記予備切断刃の属する同一シングル刃の別の部分にある本切断上刃の回転中心を変えた回動により、下刃にセットされたパイプの突っ切り切断を行うよう構成したことを特徴とする無変形切断用走行式パイプ切断装置。
- 前記切断されるパイプを前記予備切断刃の外側に位置させ、かつ前記予備切断刃と本切断上刃は、その形状において中央部に回転軸が位置したS字状をなし、更に、その回転中心からの半径方向の長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構上の回転軸との間の距離にプリカットする深さを加算した長さを有する予備切断刃であり、また、その長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離に少なくともパイプ直径を加算した長さを有する本切断上刃であり、プリカット時に刃先と刃の回転中心の延長上に切断されるパイプが位置することを特徴とする請求項1記載の無変形切断用走行式パイプ切断装置。
- 前記切断されるパイプを前記回転軸と前記予備切断刃と本切断上刃の間に位置させ、かつ前記予備切断刃と本切断上刃は、その形状において中央部に回転軸が位置した半月状をなし、更に、その回転中心からの半径方向の長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離にプリカットする深さを加算した長さを有する予備切断刃であり、また、その長さにおいて切断されるパイプの外表面と前記スライド機構の回転軸との間の距離に少なくともパイプ直径を加算した長さを有する本切断上刃であり、プリカット時に刃先と刃の回転中心の延長上に切断されるパイプが位置することを特徴とする請求項1記載の無変形切断用走行式パイプ切断装置。
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-
1997
- 1997-09-11 JP JP24720497A patent/JP3838755B2/ja not_active Expired - Fee Related
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