JP3838190B2 - 交流出力電力の計算方法及び交流出力電力の負荷率の表示方法 - Google Patents

交流出力電力の計算方法及び交流出力電力の負荷率の表示方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、無停電電源装置などに使用される電力検出装置に係わり、より詳細には、交流出力電力の計算方法及び交流出力電力の負荷率の表示方法に関するものである。
【従来の技術】
図2は、従来から使用されている無停電電源装置10及び電力検出装置20のブロック図である。すなわち、無停電電源装置10は、主として充電器1、バッテリ2、インバータ3及びUPSスイッチ4より構成される。通常運転時には、商用電源5からの交流電力をUPSスイッチ4を介して負荷6に供給するとともに、充電器1でバッテリ2を充電する。そして、停電直後にはバッテリ2からの直流電力をインバータ3で交流電力に変換し、UPSスイッチ4を介して負荷6に供給する。
ここで、インバータ3の内部を構成する図示されていないスイッチング素子などの容量は、無停電電源装置が供給可能な最大電力量を考慮して選定されている。したがって、この最大電力量を越えるような使用をされているような場合には、電力検出装置20がそれを検知して、コンピュータディスプレイ9に表示したり警報を出して使用者に通知する必要がある。
以下、図2において、一例として100Vで、定格出力(P)が1050W(後述するように、負荷の力率を考慮して、一般的には1500VAとも記載されている。)の無停電電源装置10に使用されている電力検出装置20の動作について説明する。無停電電源装置10からの負荷電流は、電流検出CT7から全波整流器8によって全波整流されて、電圧に変換された後に電力検出装置20に入力され、AD変換機14bでデジタル化した電流値(Ij)に変換される。実効値演算装置17で、デジタル化した電流値(Ij)から負荷電流の実効値(Irms)が演算される。次に、負荷率演算装置18aで、前記電流の実効値(Irms)から負荷率を演算してその値をコンピュータディスプレイ9に表示するとともに、負荷率が100%を超えている場合には警報装置11を作動させて警報を発生させる。
ここで、図3に示されるように、無停電電源装置10などの負荷6としては、主に3種類の負荷((a)抵抗負荷、(b)力率負荷、(c)整流負荷)が接続される。(a)抵抗負荷とは、交流電圧と交流電流との位相が等しい波形で表される。したがって、無停電電源装置10は、負荷6が(a)抵抗負荷である場合には、負荷電流の実効値(Irms)が10.5Aの場合に出力が1050Wとなる。すなわち、定格出力(P)が1050Wの無停電電源装置10で、負荷6が(a)抵抗負荷の場合には、負荷電流の実効値(Irms)が10.5Aで負荷率が100%となる。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無停電電源装置10の負荷が、図3に示される(b)力率負荷の場合には、負荷電流の実効値(Irms)が10.5Aを超えていても定格出力が1050Wを超えない場合がある。一例として、力率が0.7の力率負荷の場合には、定格出力(P)は(1)式で表されることが知られている。
P(W)=Vrms×Irms×0.7(力率) ・・・・・・(1)式
したがって、P=1050W、Vrms=100Vの場合に、Irmsとしては約15Aまで許容することができる(すなわち、無停電電源装置10の負荷としては、一般的には力率負荷を基準として、上述したように定格出力が1500VAと記載されている。)。そして、力率負荷の場合には、図4に示されるように、一周期の間には、電圧と電流との積が正の領域に限らず負の領域もあるために、抵抗負荷の場合に比べて負荷電流の実効値(Irms)を大きくとっても定格出力に達しない。
すなわち、無停電電源装置10等の負荷6が、過負荷状態にあるか否かの判定を抵抗負荷に合わせて10.5Aとしたのでは、力率負荷などの場合には定格以下の負荷電流であるにもかかわらず過負荷の警報が出る。一方、過負荷状態にあるか否かの判定を力率負荷に合わせて15Aとしたのでは、抵抗負荷の場合には負荷率が143%となり、過負荷の状態になる。
本発明の目的は、無停電電源装置10等の負荷6が、(a)抵抗負荷、(b)力率負荷、(c)整流負荷などのいずれであっても適正な負荷率を計算できるとともに、無停電電源装置10等を構成する各素子の許容値を超えるような負荷電流が流れた場合には、警報装置11を作動させて過負荷の警報を発することができるような交流出力電力の計算方法及び交流出力電力の負荷率の表示方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明では負荷電圧と負荷電流とをデジタル化し、デジタル化した電圧値と、デジタル化した電流値とから交流出力電力を計算するとともに、回路素子の許容電流値も考慮して交流出力電力の負荷率を表示するものである。
請求項の発明では、交流出力電力の計算方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性と前記デジタル化した電流値の変化状況から、前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを演算することを特徴としている。
請求項の発明では、交流出力電力の計算方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを演算することを特徴としている。
請求項の発明では、交流出力電力の計算方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを、前記交流出力電力の交流波形の一周期について演算することを特徴としている。
請求項の発明では、請求項記載の交流出力電力の計算方法であって、前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点から、再び前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点までの期間を前記一周期と判定することを特徴としている。
請求項の発明では、交流出力電力の負荷率の表示方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性と前記デジタル化した電流値の変化状況から、前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを演算して第1の交流出力電力の計算をし、前記第1の交流出力電力と許容電力から第1の負荷率を計算し、前記デジタル化した電流値の実効値と回路素子の許容電流値とから第2の負荷率を計算し、前記第1の負荷率と前記第2の負荷率を比較して、大きい方の値を表示することを特徴としている。
請求項の発明では、交流出力電力の負荷率の表示方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値を演算して第1の交流出力電力の計算をし、前記第1の交流出力電力と許容電力から第1の負荷率を計算し、前記デジタル化した電流値の実効値と回路素子の許容電流値とから第2の負荷率を計算し、前記第1の負荷率と前記第2の負荷率を比較して、大きい方を表示することを特徴としている。
請求項の発明では、交流出力電力の負荷率の表示方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値の極性と前記デジタル化した電流値を、前記交流出力電力の交流波形の一周期について演算して第1の交流出力電力の計算をし、前記第1の交流出力電力と許容電力から第1の負荷率を計算し、前記デジタル化した電流値の実効値と回路素子の許容電流値とから第2の負荷率を計算し、前記第1の負荷率と前記第2の負荷率を比較して、大きい方の値を表示することを特徴としている。
請求項の発明では、請求項記載の交流出力電力の負荷率の表示方法であって、の計算方法であって、前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点から、再び前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点までの期間を前記一周期と判定することを特徴としている。
【実施例】
1.無停電電源装置及び電力検出装置の概要
図1は、本発明に係わる無停電電源装置10及び電力検出装置20のブロック図であり、上述した図2と同じ部品等にかかわる場合には、同じ番号で記載されている。すなわち、無停電電源装置10は、主として充電器1、バッテリ2、インバータ3及びUPSスイッチ4より構成される。通常運転時には、商用電源5からの交流電力をUPSスイッチ4を介して負荷6に供給するとともに、充電器1でバッテリ2を充電する。そして、停電直後にはバッテリ2からの直流電力をインバータ3で交流電力に変換し、UPSスイッチ4を介して負荷6に供給する。
ここで、インバータ3の内部を構成する図示されていないスイッチング素子などは、無停電電源装置が供給可能な最大電力量を考慮して選定されている。したがって、この最大電力量を越えるような使用がされた場合には、電力検出装置20がそれを検知して、コンピュータディスプレイ9に表示するとともに、警報を出して使用者に通知する必要がある。
以下、図1において、一例として100Vで、定格出力(P)が1050W(上述したように、力率も考慮して、一般的には1500VAとも記載されている。)の無停電電源装置10に使用されている電力検出装置20の動作について説明する。無停電電源装置10からの負荷電流は、電流検出CT7から全波整流器8によって全波整流されて、電圧に変換された後に電力検出装置20に入力され、デジタル的に負荷電流の実効値(Irms)が演算される。次に、前記実効値(Irms)から負荷率を演算してその値をコンピュータディスプレイ9に表示するとともに、負荷率が100%を超えている場合には警報装置11よって警報を発生させている。
ここで、無停電電源装置10からの負荷電圧である交流出力電圧の波形は、電圧検出トランス12で降圧し、オペアンプ13でかさ上げして、0〜5Vの範囲に納まる波形に調整する。そして、AD変換器14aを通してデジタル化するとともに、0〜5Vの中央の2.5Vで折り返した変換処理をする。すなわち、図3(a)−(c)の点線で示される「変換後」の波形に整形する。なお、以下において、折り返す際に2.5Vよりも高い場合を電圧極性が正とし、2.5Vよりも低い場合を電圧極性が負と呼んでいる。上記したように、電圧波形については、折り返す前の波形を参照することによって、折り返した「変換後」の電圧波形(V)が、正の電圧極性であるのか又は負の電圧極性であるのかを常に認識することができる。
しかしながら、以下の理由により、電流波形については正の極性であるのか又は負の極性であるのかを容易には認識することができない。すなわち、無停電電源装置10からの負荷電流は、電流検出CT7から全波整流器8によって全波整流されて電圧変換された後に、電力検出装置20に入力されるためである。この場合にも必要に応じて、図示されていないオペアンプなどで電圧増幅した後に、AD変換器14bを通してデジタル化することができる。
デジタル化された電流値と電圧値の波形は、マイコンによってサンプリング、一例として7200Hzでサンプリングするようにした(ここで、50Hz周期の交流で、7200Hzでサンプリングすると一周期で144個のそれぞれのデータが得られる。)。デジタル化された電圧値(Vj)と電流値(Ij)は、(2)式にしたがって積算後、加算等をして有効電力(P)が演算される。
P=(V1×I1+V2×I2+…+V144×I144)/144 ・・・・・・(2)式
ここで、上述したように、電圧極性を判定するのは容易である。すなわち、オペアンプ13からの出力電圧の中央が+2.5Vになっており、電圧極性を判定するには+2.5V相当の数値を減算してやればよい。そして、2.5Vを減算した結果が正の値であれば無停電電源装置10からの出力電圧の極性も正の値であり、+2.5Vを減算した結果が負の値であれば無停電電源装置10からの出力電圧の極性も負の値である判断できる。
しかしながら、無停電電源装置10からの負荷電流の極性は、電流検出CT7から全波整流器8によって全波整流されて電圧変換された後に、AD変換器13bを通してデジタル化されているために、この状態ではデジタル化された電流波形がプラスの値であるか、又はマイナスの値であるかを判断することは容易ではない。そして、デジタル化された電流波形がプラスの値であるか、又はマイナスの値であるか、すなわち電流極性の判断ができないと、上記した(2)式によって有効電力(P)を算出することができない。そこで、本発明に係わる電力検出装置20では、以下の手法によって電流極性の判断をして有効電力(P)を計算するようにした。
2.本発明にかかわる電力検出装置20の構造
本発明にかかわる有効電力(P)の計算について、図1を用いて詳細に説明する。ここで、図1の電力検出装置20には、アナログ値である電流波形及び電圧波形をデジタル化するAD変換器14a,b、電流極性決定装置15、有効電力演算装置16、実効値演算装置17b、負荷率演算装置18a,b、負荷率選択装置19、データ変換装置21で構成されている。
無停電電源装置10からの有効電力(P)は、AD変換器14aからの出力値と、AD変換器14b及び電流極性決定装置15からの出力値により有効電力演算装置16で演算される。なお、電流極性決定装置15の詳細は図6のフローチャートで、有効電力演算装置16の詳細は図5のフローチャートで後述する。負荷率演算装置18bは、有効電力演算装置16で計算された有効電力(P)を、1050Wで除算し、100%を乗算する回路である。すなわち、負荷率演算装置18bによって、有効電力(P)から負荷率(%)が演算される。本実施例では、負荷率演算装置18bで計算される負荷率(%)を、第1の負荷率と呼ぶことにする。
ここで、実効値演算装置17は、図3に示されるどのような種類の負荷においても、図示されている通常の手法で、AD変換器14bでデジタル化した電流(Ij)の実効値(Irms)が計算される。負荷率演算装置18aは、前記した実効値(Irms)を、1500VAの無停電電源装置10を構成する回路素子の許容電流値、一例として15Aで除算し、100%を乗算したものである。すなわち、負荷率演算装置18aによって、回路素子の許容電流値から負荷率(%)が演算される。本実施例では、負荷率演算装置18aで計算される負荷率(%)を第2の負荷率と呼ぶことにする。
負荷率選択装置19は、前記した第1の負荷率と第2の負荷率とを比較して、大きい方の値を選択して警報装置11及びデータ変換装置21を介してコンピュータディスプレイ9に出力するようにした。
したがって、有効電力(P)から演算される第1の負荷率(%)が100%を超えている場合には、回路素子の許容電流から演算される第2の負荷率(%)が100%未満でも警報装置11から警報が発せられる。一方、力率が低い場合のように、有効電力(P)から演算される第1の負荷率(%)が100%未満の場合でも、回路素子の許容電流から演算される第2の負荷率(%)が100%を超えている場合には警報装置11から警報が発せられるようにした。
3.本発明にかかわる有効電力(P)を計算方法
本発明に係わる有効電力演算装置16おける有効電力(P)を計算方法について、図4及び図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、以下において、本発明に係わる有効電力(P)の計算方法について、図4に示すような(b)力率負荷の場合を例として説明するが、(a)抵抗負荷や(b)整流負荷の場合にも同様の手法を用いることができることは言うまでもない。
ここで、図4に示すように、力率負荷として実際の使用上では最も起こりやすい、電圧波形にくらべて電流波形が約45°位相が遅れている場合の例で説明する。なお、図4に示される本発明の実施例では、交流電圧が負の値から正の値となった後に、再び負の値から正の値となるまでの期間を有効電力(P)を計算するための一周期とする場合が例示されている。この手法を用いると、容易に交流電圧波形の一周期が経過したか否かを判断することができる。
そして、図6において後述するように、電流値の絶対値が増加する傾向にあり、かつ電圧が正の領域にある領域で電流の極性を「決定」しておき、有効電力(P)の計算をするようにした。電流値の絶対値が増加する傾向にあり、かつ電圧が正の領域にあれば、図4に示すように一義的に電圧・電流波形変化の領域を「決定」の範囲にあると判断できるからである。ただし、後述する実施例から明らかなように、本発明にかかわる有効電力(P)を計算するための計算手法としては、この「決定」範囲に限られることはなく、請求項に記載された範囲で適用できることを追記する。
図5のフローチャートにおいて、プログラムがスタートするとステップ10で、有効電力(P)とループ回数(N:最大で144)がクリアされる。ここで、Nを最大で144としたのは、50Hz周期の交流で、7200Hzでサンプリングすると、一周期でデジタル化された144個の電流及び電圧のデータが得られるためである。
ステップ100で、電流極性を決定するためのルーチンにジャンプする。電流極性を決定するルーチンの詳細については、図6のフローチャートにおいて詳細に説明する。
ステップ110で、上述した一定のタイミングごとに電流(Ij)、電圧(Vj)を読み込む。
ステップ120で、電流(Ij)の極性が正か負かを判断する。
ステップ130及びステップ150で、電圧(Vj)の極性が正か負かを判断する。
ステップ140では、電流(Ij)及び電圧(Vj)の極性が、ともに正又はともに負の場合にはそのまま乗算をして、ステップ180で有効電力(P)に加算するとともに、ループ回数に1を加える。すなわち、図4において、Vj×Ijの符号は(II)と(IV)の区間では正になるためである。
ステップ160では、電流(Ij)及び電圧(Vj)の極性が、それぞれ異なる場合には乗算をした後に、ステップ170でその符号をマイナスに変換して、ステップ180で有効電力(P)から減算するとともに、ループ回数に1を加える。すなわち、図4において、Vj×Ijの符号は(I)と(III)の区間では負になるためである。
ステップ190で、ループ回数が144か否か、すなわちN=144かどうかを判断する。Nが144に達していない場合には、ステップ110に戻って、上記したステップを繰り返す。
ステップ200では、1周期を経過した状態で、計算された有効電力(P)の値が正の値か負の値かを判断する。有効電力(P)の値が正の場合には、ステップ100で正しく電流極性が決定されており、ステップ210で上述した負荷率(%)を表示し、ステップ230で終了する。なお、負荷率等の表示は、一定期間ごと、例えば1分ごとに図5のプログラム作動させて行うことができる。
一方、ステップ200で判断をしているが、1周期を経過した状態で有効電力(P)の値が負の値の場合ということは本来ありえないことである。すなわち、正しく電流極性が決定されていないためである。この場合には、ステップ220で電流極性未決定フラグを立て、新しい有効電力(P)の値を表示しないでそのままステップ230で終了する。
ここで、図4に示すように、電力計算において一周期が経過しているか否かの判定は、上述したようにNの値でループを繰り返すのではなく、電圧の極性が負から正に反転したタイミングで判断することもできる。この場合には、電圧の極性が負から正に反転するまでのサンプリング数も任意にとることができる。
4.本発明にかかわる電流極性の決定方法
本発明に係わる電流極性決定装置15における電流極性の決定方法について、図4及び図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。すなわち、図1に示されるAD変換機14bからデジタル化した電流値(Ij)が正の状態であるか負の状態であるかを決定する手段について説明する。ここで、上述したように無停電電源装置10からの負荷電流は、電流検出CT7、全波整流器8をを通した後にAD変換機14bに入力されるため、AD変換機14bには常に正の値として入力されているためである。
ステップ300では、電流極性未決定フラグをチェックして、電流極性が決定済か否かを判断する。なお、電流極性未決定フラグは、無停電電源装置10の電源がONされてマイコンのイニシャル・ルーチンが行われた時点と、上述した図5のステップ220の状態で立てられる。そして、電流極性未決定フラグが立てられておらず、既に電流極性が正か負に決定している場合には、図5へリターンしてステップ110に進む。
電流極性未決定フラグが立てられており、電流値(Ij)の極性が正か負に決定していない場合には、ステップ310でAD変換器14bからのデジタル化した電流値(Ij)を読み込む。
ステップ320では、Ijの値がしきい値(Io)以上か否かをチェックする。A/D変換器14bからの出力には、変換誤差や配線等からのノイズが乗る場合があるためである。なお、しきい値(Io)が小さすぎると誤差が大きくなるため、本実施例では実験結果からIoの値を0.9A(0.9A=15A×0.06(最大電流値の6%相当))に設定した。すなわち、測定された電流値(Ij)が0.9A以下の場合には、電流値(Ij)=0Aとなるようにした。そして、電流値(Ij)がしきい値(Io)を超えるまで、ステップ310へループするようにした。
ステップ320で電流値(Ij)がしきい値(Io)を超えると、ステップ330で電流値(Ij)を、電流値(Ij+1)に置き換えた後に、新たに電流値(Ij)を読み込む。
ステップ340では、電流値(Ij+1) < 電流値(Ij)かどうかを判断する。この場合には、ステップ340の右側の図に示したように、電流値(Ij)が増加する方向にあり、ステップ350へ進む。一方、ステップ340で電流値(Ij)が増加する方向にない場合には、ステップ310へ戻る。
ステップ350では、負荷電圧(Vj)を読み込む。
ステップ360では、負荷電圧(Vj)が正か否かを判断する。負荷電圧(Vj)が正の場合には、図4の矢印で記載された領域(決定)にあり、電流極性が正と決定される。このタイミングを確認した状態で、図5のステップ110にリターンする。すなわち、この状態が確認されると、電圧及び電流は図4に示した「決定」の範囲内にある。したがって、それ以降は50サイクルで変化するために電流極性を連続的に決定していくことができるため、ステップ200のような特別の場合を除いて、あらためて図6のプログラムを実行する必要はない。一方、ステップ360で負荷電圧(Vj)が負の場合には、ステップ310へ戻り、今までのステップを繰り返す。
5.本発明に係わる負荷率の表示方法
上述したように、負荷率選択装置19では、負荷率演算装置18a又は負荷率演算装置18bで算出された負荷率(%)のうちで、大きい方を選択して警報装置11及びデータ変換装置21を介してコンピュータディスプレイ9に出力するようにした。
本発明に係わる電力検出装置20を用いた無停電電源装置10が抵抗負荷に接続されている場合には、負荷率演算装置18bからの出力値がコンピュータディスプレイ9に出力されて、一定の場合には警報装置11から警報が出される。例えば、100Vで、実効値(Irms)が11Aの交流電流が流れた場合には、負荷率演算装置18bでの負荷率は104%となるが、負荷率演算装置18aでの負荷率は73%となる。したがって、負荷率選択装置9は、負荷率演算装置18bからの負荷率を選択し、コンピュータディスプレイ9に負荷率が104%と出力されて、警報装置11から警報が出される。
一方、例えば、無停電電源装置10が力率負荷に接続されており、力率が0.5で、実効値が18Aの交流電流が流れた場合には、負荷率演算装置18aでの負荷率は120%となるが、負荷率演算装置18aからの負荷率は86%となる。したがって、負荷率選択装置9は、負荷率演算装置18aからの負荷率を選択し、コンピュータディスプレイ9に負荷率が120%と表示し、警報装置11から警報が出される。したがって、本発明に係わる負荷率の表示方法を用いると、力率が非常に下がったような場合でも、確実に警報を発することが可能であり、無停電電源装置10の回路素子を破壊することがない。
【発明の効果】
上述したように本発明に係わる交流出力電力及び負荷率の計算方法を用いると、無停電電源装置等の負荷が、(a)抵抗負荷、(b)力率負荷、(c)整流負荷のいずれであっても適正な交流出力電力や負荷率を計算して表示できる。加えて、無停電電源装置を構成する回路素子の許容電流値を超えるような負荷電流が流れた場合にも、警報装置を作動させて警報を発することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる無停電電源装置及び電力検出装置のブロック図である。
【図2】 従来の無停電電源装置及び電力検出装置のブロック図である。
【図3】 無停電電源装置の負荷の種類による電圧波形と電流波形の関係図である。
【図4】 力率負荷の場合の電圧波形と電流波形の関係図である。
【図5】 有効電力計算方法のフローチャートである。
【図6】 電流極性決定方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1:充電器、2:バッテリ、3:インバータ、4:UPSスイッチ、5:商用電源、
6:負荷、7:電流検出CT、8:全波整流器、9:コンピュータディスプレイ、
10:無停電電源装置、11:警報装置、12:電圧検出トランス、13:オペアンプ、
14a,b:AD変換器、15:電流極性決定装置、16:有効電力演算装置、
17:実効値演算装置、18a,b:負荷率演算装置、19:負荷率選択装置、
21:データ変換装置

Claims (8)

  1. 交流出力電力の計算方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性と前記デジタル化した電流値の変化状況から、前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを演算することを特徴とする交流出力電力の計算方法。
  2. 交流出力電力の計算方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを演算することを特徴とする交流出力電力の計算方法。
  3. 交流出力電力の計算方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを、前記交流出力電力の交流波形の一周期について演算することを特徴とする交流出力電力の計算方法。
  4. 前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点から、再び前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点までの期間を前記一周期と判定することを特徴とする請求項記載の交流出力電力の計算方法。
  5. 交流出力電力の負荷率の表示方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性と前記デジタル化した電流値の変化状況から、前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値とを演算して第1の交流出力電力の計算をし、前記第1の交流出力電力と許容電力から第1の負荷率を計算し、前記デジタル化した電流値の実効値と回路素子の許容電流値とから第2の負荷率を計算し、前記第1の負荷率と前記第2の負荷率を比較して、大きい方の値を表示することを特徴とする交流出力電力の負荷率の表示方法。
  6. 交流出力電力の負荷率の表示方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は、電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値と前記デジタル化した電流値を演算して第1の交流出力電力の計算をし、前記第1の交流出力電力と許容電力から第1の負荷率を計算し、前記デジタル化した電流値の実効値と回路素子の許容電流値とから第2の負荷率を計算し、前記第1の負荷率と前記第2の負荷率を比較して、大きい方の値を表示することを特徴とする交流出力電力の負荷率の表示方法。
  7. 交流出力電力の負荷率の表示方法であって、負荷電圧は、電圧検出トランスとオペアンプとAD変換器を介してデジタル化した電圧値に変換し、負荷電流は電流検出CTと全波整流回路とAD変換器を介してデジタル化した電流値に変換し、前記デジタル化した電圧値の極性が正の値であり、且つ、前記デジタル化した電流値が増加していることを確認することによって前記デジタル化した電流値の極性を判断した後に、前記デジタル化した電圧値の極性と前記デジタル化した電流値を、前記交流出力電力の交流波形の一周期について演算して第1の交流出力電力の計算をし、前記第1の交流出力電力と許容電力から第1の負荷率を計算し、前記デジタル化した電流値の実効値と回路素子の許容電流値とから第2の負荷率を計算し、前記第1の負荷率と前記第2の負荷率を比較して、大きい方の値を表示することを特徴とする交流出力電力の負荷率の表示方法。
  8. 前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点から、再び前記デジタル化した電圧の極性が負から正に変化した時点までの期間を前記一周期と判定することを特徴とする請求項記載の交流出力電力の負荷率の表示方法。
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