JP3838106B2 - 硫化銅精鉱の溶錬方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は銅の乾式製錬法に関し、特に、硫化銅精鉱から得られたマットを酸化溶錬して粗銅を得る溶錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、銅の溶融製錬法は、1)硫化銅精鉱を酸化溶融し、鉱石中のFeの一部を酸化しスラグとして除去するとともに、Sの一部をSO2として除去し、一方でCuをFeSとCu2Sの混合物であるマットとして濃縮するマット溶錬工程、2)次いで得られたマットをさらに酸化してFeをスラグとして除去し、Feをほとんど含まない白カワ(Cu2S)を得る白カワ製造工程、3)白カワをさらに酸化して粗銅を得る造銅工程、からなっている。マット溶錬炉としては一般的に自溶炉が用いられ、白カワ製造工程と造銅工程は通常、転炉で行われる。
【0003】
転炉工程では、通常、溶剤として珪酸鉱を添加して鉄シリケートスラグを形成するようになっているが、マットをさらに酸化して白カワや粗銅とする際、上記鉄シリケートスラグが酸化されて固体マグネタイトが析出し、スラグの流動性が低下するという問題がある。そこで、工程をバッチ式とし、白カワとスラグの共存状態下で吹錬を一旦中断して炉を傾転させてスラグを排出し、白カワのみを転炉内に残した後、粗銅になるまで酸化を行うようになっている。但し、この方法では、バッチ式に伴う生産効率の低下や操業の煩雑化を招くという問題がある。
【0004】
このようなことから、三菱連続製銅法やフラッシュコンバータ法では、転炉工程でカルシウムフェライト系スラグを形成させることで上記マグネタイトの析出を回避してスラグの流動性を確保し、銅品位65〜70重量%のマットから粗銅の連続製造を可能としている。これらの方法では、スラグの流動性を確保できる操業条件を経験的に求め、その条件を維持するような操業を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したカルシウムフェライト系スラグはCuを含んでいるが、転炉工程で処理するマットの量やマット中銅品位の変化、酸化の過不足によってスラグ中のCu濃度は変動し、酸化による発熱量の変化からスラグ温度も変動することがある。そして、それらに伴ってスラグの組成が変化したりスラグの温度が低下すると、スラグ中にマグネタイト、CaFe2O4、あるいはCa2Fe2O5が混在し、以下の問題が生じる。
(1)スラグの粘性、あるいは見かけ上の粘性が増大し、転炉の排出口からのスラグ流出が妨げられたり、フォーミング(泡立)を起こして操業が阻害される。
(2)増大したスラグの粘性を低下させるため、通常の条件より高温で操業する必要が生じ、エネルギーコストが増大したり炉体レンガの損耗が促進される。
(3)スラグ中に固体マグネタイトが混在すると、マグネタイトが炉体へ付着して炉の有効容積を減少させる。
(4)スラグ中にCaFe2O4、あるいはCa2Fe2O5が混在すると、溶剤であるCaO源(CaCO3等)が溶解せず、スラグ流出口から排出されて無駄になる。
【0006】
そして、このようなトラブルが生じた場合、その原因が判明するまで操業を中断する必要が生じるので、生産効率の低下等を招く。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、カルシウムフェライト系スラグを用いて銅を溶錬する際に、スラグの粘性増大やスラグ中の固体析出に伴うトラブルがなく、安定した連続製錬が可能な硫化銅精鉱の溶錬方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の硫化銅精鉱の溶錬方法は、硫化銅精鉱を溶錬して得られる銅マットに対し、CaOを含む溶剤を用いた酸化溶錬を行うことにより、カルシウムフェライト系スラグを生じさせるとともに粗銅を得る硫化銅精鉱の溶錬方法であって、前記カルシウムフェライト系スラグ中のCaOとCu 2 Oの成分量が、前記酸化溶錬温度における溶銅共存下でのCaO−FeOX−Cu2O三元系状態図(但し、1≦x≦1.5)からCaO−Cu 2 Oの二成分のみで表した二成分状態図における均一溶融範囲内になるよう、かつ、前記カルシウムフェライト系スラグの組成が、
式:%CaO=−0.23×(%Cu2O)+23±1.5の関係を満たすよう、前記銅マットに添加する前記溶剤の量、又は前記酸化溶錬における酸素分圧を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法においては、前記式に代え、次式:(%CaO)/(%Fe)=0.40〜0.43を用いることを特徴とする。
【0010】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1150℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、17≦(%Cu2O)≦66の場合に、式1:%CaO=−2.80×10-1×(%Cu2O)+23.1かつ、式2:%CaO=−5.33×10-5×(%Cu2O)3+8.29×10-3×(%Cu2O)2−4.09×10-1×(%Cu2O)+23.2で囲まれる領域で規定されることが好ましい。
【0011】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1200℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、11≦(%Cu2O)≦50の場合に、式3:%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0かつ、式4:%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4で囲まれる領域と、2.5≦(%Cu2O)≦5.2の場合に、式5:%CaO=9.40×10-1×(%Cu2O)+15.9かつ、式6:%CaO=−2.28×ln(%Cu2O)+24.7で囲まれる領域とで規定されることが好ましい。
【0012】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1250℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、2.5≦(%Cu2O)≦35の場合に、式7:%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1かつ、式8:%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6で囲まれる領域で規定されることが好ましい。
【0013】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1300℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、3≦(%Cu2O)≦23の場合に、式9:%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04かつ、式10:%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8で囲まれる領域で規定されることが好ましい。
【0014】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1350℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に式11:%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19かつ、式12:%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5で囲まれる領域で規定されることが好ましい。
【0015】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1400℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、5.4≦(%Cu2O)≦30の場合に、式13:%CaO=1.27×10-3×(%Cu2O)3−9.00×10-2×(%Cu2O)2+2.02×(%Cu2O)−4.35かつ、式14:%CaO=6.28×10-4×(%Cu2O)3−4.08×10-2×(%Cu2O)2+4.97×10-1×(%Cu2O)+35.9で囲まれる領域で規定されることが好ましい。
【0016】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1150℃を超え1200℃未満において、17≦(%Cu2O)≦50の場合に、前記酸化溶錬温度1150℃で適用される式1:%CaO=−2.80×10-1×(%Cu2O)+23.1と、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式3:%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0とを用い、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、前記酸化溶錬温度1150℃で適用される式2:%CaO=−5.33×10-5×(%Cu2O)3+8.29×10-3×(%Cu2O)2−4.09×10-1×(%Cu2O)+23.2と、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式4:%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4とを用い、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、さらに、11<(%Cu2O)<17の場合に、前記式1と前記式3とを用い、各式において%Cu2O=17としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式1と、前記式3とを用い、前記式1において%Cu2O=17とし前記式3において%Cu2O=11としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式2と、前記式4とを用い、各式において%Cu2O=17としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式2と、前記式4とを用い、前記式2において%Cu2O=17とし前記式4において%Cu2O=11としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、さらに、50<(%Cu2O)<66の場合に、前記式1と前記式3とを用い、各式において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式1と前記式3とを用い、前記式1において%Cu2O=66とし前記式3において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式2と前記式4とを用い、各式において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式2と前記式4とを用い、前記式2において%Cu2O=66とし前記式4において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることが好ましい。
【0017】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1200℃を超え1250℃未満において、2.5≦(%Cu2O)≦5.2の場合に、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式5:%CaO=9.40×10-1×(%Cu2O)+15.9と、前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式7:%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式6:%CaO=−2.28×ln(%Cu2O)+24.7と、前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式8:%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、さらに、11≦(%Cu2O)≦35の場合に、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式3:%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0と、前記式7とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式4:%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4と、前記式8とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、さらに、5.2<(%Cu2O)<11の場合に、前記式5と前記式7とを用い、各式において%Cu2O=5.2としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式3と、前記式7とを用い、各式1において%Cu2O=11としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の直線を得るとともに、前記式6と前記式8とを用い、各式において%Cu2O=5.2としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式4と、前記式8とを用い、各式1において%Cu2O=11としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の直線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各直線で囲まれる領域で規定され、さらに、35<(%Cu2O)<50の場合に、前記式3と前記式7とを用い、各式において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式3と前記式7とを用い、前記式3において%Cu2O=50とし前記式7において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式4と前記式8とを用い、各式において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式4と前記式8とを用い、前記式4において%Cu2O=50とし前記式8において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることが好ましい。
【0018】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1250℃を超え1300℃未満において、3≦(%Cu2O)≦23の場合に、前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式7:%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1と、前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式9:%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04とを用い、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式8:%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6と、前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式10:%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8とを用い、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、さらに、2.5<(%Cu2O)<3の場合に、前記式7と前記式9とを用い、各式において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式7と前記式9とを用い、前記式7において%Cu2O=2.5とし前記式9において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式8と前記式10とを用い、各式において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式8と前記式10とを用い、前記式8において%Cu2O=2.5とし前記式10において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、さらに、23<(%Cu2O)<35の場合に、前記式7と前記式9とを用い、各式において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式7と前記式9とを用い、前記式7において%Cu2O=35とし前記式9において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式8と前記式10とを用い、各式において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式8と前記式10とを用い、前記式8において%Cu2O=35とし前記式10において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることが好ましい。
【0019】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1300℃を超え1350℃未満において、4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に、前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式9:%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04と、前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式11:%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19とを用い、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式10:%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8と、前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式12:%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5とを用い、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、さらに、3<(%Cu2O)<4の場合に、前記式9と前記式11とを用い、各式において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式9と前記式11とを用い、前記式9において%Cu2O=3とし前記式11において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式10と前記式12とを用い、各式において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式10と前記式12とを用い、前記式10において%Cu2O=3とし前記式12において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、さらに、18.7<(%Cu2O)<23の場合に、前記式9と前記式11とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式9と前記式11とを用い、前記式9において%Cu2O=23とし前記式11において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式10と前記式12とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式10と前記式12とを用い、前記式10において%Cu2O=23とし前記式12において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることが好ましい。
【0020】
前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1350℃を超え1400℃未満において、5.4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に、前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式11:%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19と、前記酸化溶錬温度1400℃で適用される式13:%CaO=1.27×10-3×(%Cu2O)3−9.00×10-2×(%Cu2O)2+2.02×(%Cu2O)−4.35とを用い、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式12:%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5と、前記酸化溶錬温度1400℃で適用される式14:%CaO=6.28×10-4×(%Cu2O)3−4.08×10-2×(%Cu2O)2+4.97×10-1×(%Cu2O)+35.9とを用い、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、さらに、4<(%Cu2O)<5.4の場合に、前記式11と前記式13とを用い、各式において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式11と前記式13とを用い、前記式11において%Cu2O=4とし前記式13において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式12と前記式14とを用い、各式において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式12と前記式14とを用い、前記式12において%Cu2O=4とし前記式14において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、さらに、18.7<(%Cu2O)<30の場合に、前記式11と前記式13とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式11と前記式13とを用い、前記式11において%Cu2O=18.7とし前記式13において%Cu2O=30としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記式12と前記式14とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、前記式12と前記式14とを用い、前記式12において%Cu2O=18.7とし前記式14において%Cu2O=30としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、カルシウムフェライト系スラグの粘性増大や固体析出が生じない操業条件を広範囲にわたって求めることで、上記したカルシウムフェライト系スラグの流動性低下に伴うトラブルを回避し、又トラブルが生じた場合であっても直ちにトラブルの生じない操業条件に移行させることを可能としたものである。
【0022】
そして、上記操業条件を求めるため、スラグ中のCu2O濃度に着目して、溶銅共存下でのCaO−FeOX−Cu2O三元系状態図を初めて作成し、この三元系状態図を二成分状態図で示すことにより、カルシウムフェライト系スラグの組成がこの二成分状態図の均一溶融範囲内になる領域を操業条件に定めたものである。
【0023】
さらに本発明者らは、上述の均一溶融範囲内において、スラグの融点が最も低くなる条件を求めることにより、上記トラブルをより確実に回避できる操業条件を見出した。
【0024】
以下、本発明の硫化銅精鉱の溶錬方法を図面を参照して説明する。図1は、本発明の溶錬方法に用いる精錬装置を示し、図2は1250℃における均一溶融範囲を表した溶銅共存下でのCaO−FeOX−Cu2Oの三元系状態図を示す。なお、本発明において、%表示はすべて重量%とする。
【0025】
図1において、原料となる硫化銅精鉱とSiO2系フラックス(溶剤)を、酸素富化空気とともにランス5を用いて溶錬炉1に吹き込む。硫化銅精鉱は、主成分がCu、Fe、Sからなり、銅の含有割合が30%程度である。そして、溶錬炉1では溶錬が行われ銅マットMとスラグSが生じるが、両者は樋7を経て分離炉2にて比重差により分離される。銅マットMは主にCu2SとFeSからなり、スラグSは主に2FeO・SiO2からなる。分離炉2ではスラグSが除去され、銅マットMが樋7’を経て製銅炉3に送られる。
【0026】
製銅炉3での溶錬工程が本発明にかかる部分である。つまり、銅マットMにCaO源(溶剤)を酸素富化空気とともにランス5’を用いて吹き込む酸化溶錬を行い、カルシウムフェライト系スラグS’を生じさせるとともに粗銅Cを得る。得られた粗銅Cは約99%の銅を含み、後工程へ送られる。又、カルシウムフェライト系スラグS’は銅を15%程度含んでいるので、水砕して溶錬炉1に戻され、銅回収が行われる。このようにして、銅の連続製錬が行われる。
【0027】
製銅炉3で生じるカルシウムフェライト系スラグS’の主成分はCaO−FeOx−Cu2Oであり、図2の三元系状態図を用いてその特性を知ることができる。この図において、ハッチ領域が1250℃におけるCaO−FeOx−Cu2O系の均一溶融範囲となるので、1250℃においてこの範囲内で操業を行えば、スラグS’の粘性増大やスラグ中の固体析出に伴う流動性低下といったトラブルがなく、銅の連続製錬を安定して行うことができる。なお、1≦x≦1.5である。
【0028】
次に、上記均一溶融範囲において、スラグの融点が最も低くなる条件を考える。例えば、上記図2のY−Y’線断面でのスラグ組成とスラグ融点との関係を図示すると、図3に示すようになる。この図において、横軸にCaO―FeOxの組成割合、縦軸にスラグ融点をとると、FeOxの割合が多い図の左側領域ではスラグ中に固体マグネタイトが析出し、CaOの割合が多い右側領域ではCaFe2O4あるいはCa2Fe2O5が析出する。そして、図の中央領域(組成割合P0)では、スラグ融点が最も低くなっている(温度T0)。
【0029】
従って、例えば酸化溶錬温度をT2として操業した場合、スラグ組成がP0であれば、操業条件が変動して温度がT1に低下しても、スラグは溶融した状態が保持されるので上記トラブルを回避できる(図3のE点からE’点)。一方、スラグ組成をP1(P0よりFeOxの割合が多い)とした場合、操業温度がT1に低下すると、スラグ中に固体マグネタイトが析出してトラブルが生じる(図3のF点からF’点)。つまり、スラグ組成をP0に制御すると、操業安定性や操業の余裕度が大となり、上記トラブルを有効に回避できる。又、スラグ組成がP0の場合にスラグ融点が最も低くなるので、その分酸化溶錬温度を低くして(例えばT1)操業することができ、エネルギ低減を図ることもできる。
【0030】
以上のことから、スラグ組成がP0となる条件を広範囲にわたって求めることで、上記効果を得るための操業条件を定めることができる。すなわち、図2においてY−Y’線を矢印方向に走査してゆき、均一溶融範囲内でスラグ組成P0となる点を多数求めればよいことになる。また、上記Y−Y’線の走査は、実際には均一溶融範囲内で%Cu2Oが最も低い値を通る位置(図のY−Y’線より左側)から開始し、%Cu2Oが最も高い値を通る位置(図のY−Y’線より右側)まで行う。
【0031】
図4は、CaO−FeOx−Cu2O三元系状態図において%Cu2O2.5〜66の範囲でスラグ組成P0となる点を求め、次に三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図上にこれらの点をプロットした場合の、各点の近似式を実線で表したものである。%Cu2O2.5〜66において、上記近似式として、
%CaO=−0.23×(%Cu2O)+23±1.5
が得られる。ここで、式中の±1.5は、式の算出における誤差、及び実際の操業で生じる誤差を合わせたものである。
【0032】
又、上記近似式において誤差分±1.5を無視すると、
%CaO=−0.23×(100−%CaO−%FeOx)+23
が得られ、さらに、
(%CaO)/(%FeOx)=23/77
が得られる。ここで、FeとOの原子量をそれぞれ55.85、16とすると、
(%CaO)/(%Fe)=(23/77)×(55.85+16X)/55.85
が得られる。又、本発明者らは、FeOxのXと%Cu2Oとの間には以下の関係があることを見出している。
X=5.82×10-2×ln(%Cu2O)+1.26
ここで、上記近似式の適用範囲を、2.5≦(%Cu2O)≦66と定めると、上記関係式におけるXの範囲は、
1.3≦X≦1.5
となるので、この値を代入すると、
(%CaO)/(%Fe)=0.40〜0.43
となる。上記近似式の代わりにこの式を用いてもよい。
【0033】
そして、上記三元系状態図や近似式は、操業によって変動するCu2Oを成分の1つとしているので、実際の操業条件やスラグの状態を反映したものとなる。従って、上記三元系状態図の均一溶融範囲において、上記近似式の関係を維持するようにして操業すれば、スラグに起因するトラブルを有効に回避できる。従来、このような三元系状態図は存在せず、そのため上記均一溶融範囲から安定操業条件を導くことも不可能となっていた。
【0034】
一方、操業の途中で上記均一溶融範囲及び近似式の条件を外れた場合には、直ちに条件範囲内になるよう、操業条件を制御する。制御方法としては、銅マットMに添加する溶剤(CaO源)の量、又は酸化溶錬における酸素分圧を制御すればよい。なお、酸素分圧を制御するとそれに伴ってスラグ中のCu2Oの濃度も変化するので、本発明においては、酸素分圧を制御することとCu2Oの濃度を制御することは同一である。
【0035】
ところで、実際の操業においては、三元系状態図を見ながら操業を行うのは煩雑である。そこで、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を作成し、その二成分状態図を参照しながら操業を行う方が容易である。図5〜図10はそれぞれ所定温度における二成分状態図を示す。
【0036】
図5において、式1と式2で囲まれるクロスハッチ領域が上記スラグS’の均一溶融範囲である。ここで、式1は、%CaO=−2.80×10-1×(%Cu2O)+23.1、式2は、%CaO=−5.33×10-5×(%Cu2O)3+8.29×10-3×(%Cu2O)2−4.09×10-1×(%Cu2O)+23.2である。又、各式は、酸化溶錬温度1150℃、17≦(%Cu2O)≦66の場合に適用される。
なお、本発明において、所定の2つの式や曲線で「囲まれる領域」という場合、各式(曲線)、及びこれらの式(曲線)が適用される範囲を表す直線で囲まれる閉空間を示すものとする。例えば、上記図5の場合、式1と、式2と、式1及び式2の横軸(%Cu2O)の適用範囲を示す、%Cu2O=17、66なる2つの直線(図の縦の線)とからなる4つの線分により、閉空間(クロスハッチ)が構成される。
【0037】
図6において、式3と式4、並びに式5と式6で囲まれる領域が上記スラグS’の均一溶融範囲である。ここで、式3は、%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0、式4は、%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4であり、各式は、11≦(%Cu2O)≦50の場合に適用される。又、式5は、%CaO=9.40×10-1×(%Cu2O)+15.9、式6は、%CaO=−2.28×ln(%Cu2O)+24.7であり、各式は、2.5≦(%Cu2O)≦5.2の場合に適用される。さらに、式3〜6は酸化溶錬温度1200℃で適用される。
【0038】
図7において、式7と式8で囲まれる領域が上記スラグS’の均一溶融範囲である。ここで、式7は、%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1、式8は、%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6である。又、各式は、酸化溶錬温度1250℃、2.5≦(%Cu2O)≦35の場合に適用される。
【0039】
図8において、式9と式10で囲まれる領域が上記スラグS’の均一溶融範囲である。ここで、式9は、%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04、式10は、%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8である。又、各式は、酸化溶錬温度1300℃、3≦(%Cu2O)≦23の場合に適用される。
【0040】
図9において、式11と式12で囲まれる領域が上記スラグS’の均一溶融範囲である。ここで、式11は、%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19、式12は、%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5である。又、各式は、酸化溶錬温度1350℃、4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に適用される。
【0041】
図10において、式13と式14で囲まれる領域が上記スラグS’の均一溶融範囲である。ここで、式13は、%CaO=1.27×10-3×(%Cu2O)3−9.00×10-2×(%Cu2O)2+2.02×(%Cu2O)−4.35、式14は、%CaO=6.28×10-4×(%Cu2O)3−4.08×10-2×(%Cu2O)2+4.97×10-1×(%Cu2O)+35.9である。又、各式は、酸化溶錬温度1400℃、5.4≦(%Cu2O)≦30の場合に適用される。
【0042】
次に、上記二成分状態図を用いて操業を行う方法について、図11を参照して説明する。なお、図11は図7と同様、1250℃における二成分状態図である。
図11において、通常は均一溶融範囲内で操業していたのが、操業条件の変動によってA点での操業を余儀なくされたとする。現在の操業条件がA点にあることは、スラグ分析による%Cu2O(酸素分圧Po2に相当)、及び%CaOによってわかる。
【0043】
この操業条件Aではマグネタイトが析出してスラグの流動性が低下してトラブルの発生の恐れがあるので、均一溶融範囲内にあるよう操業を操作するわけであるが、図11を参照することにより、スラグの%Cu2O(Po2)を維持したまま操業条件を上方A’に持ってゆく、つまりCaOを多く添加すればよいことがわかる。一方、現在の操業条件がB点になった場合は、図11を参照することにより、スラグの%Cu2O(Po2)を維持したまま操業条件を下方B’に持ってゆく、つまりCaOの添加を減らすもしくは停止すればよいことがわかる。このように、スラグの%Cu2O(Po2)を維持してCaOの添加を制御することは、実操業上も簡易であるので、%Cu2O(Po2)をグラフの一軸とするCaO−Cu2O二成分状態図が有効である。
【0044】
この二成分状態図を用いると、CaOの添加量を変動させずに、スラグの%Cu2O(Po2)を変動させて操業条件を均一溶融範囲内に持ってゆくことも可能である(操業条件A”)。この場合には、スラグの%Cu2O(Po2)を変動させることができるので、操業の自由度が向上するという利点がある。
【0045】
又、操業条件Cで操業していて、操業条件の変動によってB点での操業を余儀なくされた場合、従来は変動原因を特定してC点に直接戻るルートを取っていたが、このようにすると、変動原因が特定されるまで、操業を停止する等の問題がある。一方、二成分状態図を用いれば、まず、B点から均一溶融範囲内のB’点に操業条件を持ってゆき、スラグ流動に伴うトラブルを回避した後、均一溶融範囲内でB’点からC点へ移行することにより、操業を停止させずに操業条件を元に戻すことができ、生産効率の低下等を招くことがない。
【0046】
ところで、上記二成分状態図は、所定の温度で三元系状態図を求め、それに基づいて得られるものである。従って、任意の温度での二成分状態図が得られないという問題がある。そこで、このような場合は、希望する温度の前後の温度での二成分状態図から内挿法によって所望の二成分状態図を得ることができる。以下、図12〜図14を参照して、二成分状態図を得るための内挿法について説明する。なお、1200、1250℃の二成分状態図が用意され、その間の1240℃での二成分状態図を得る場合を例として考える。
【0047】
図12において、1200℃と1250℃の二成分状態図を横軸の%Cu2Oを同一として併記する。ここで1200℃においては、均一溶融範囲を規定する式3,4及び式5,6が切り離れており、5.2<(%Cu2O)<11の区間では均一溶融範囲を規定する式が存在しない。そのため、この区間の内外では内挿法も異なっている。
【0048】
まず、均一溶融範囲を規定する式が、%Cu2Oの所定区間(2.5≦(%Cu2O)≦5.2)において、いずれの温度でも存在する場合の内挿法について、図13に示す。この図において、各温度での均一溶融範囲の下限を示す式5、7に対して内挿法を適用する。つまり、%Cu2O、%CaO、及び(酸化溶錬)温度からなる3次元座標系において、所定の%Cu2O値に対する式5、7上の%CaO値をそれぞれ求める。得られた%CaOと%Cu2Oの値の組はそれぞれ座標51、71で表される。
【0049】
そして、各座標51、71を結ぶ直線が温度1240℃の平面に投影される座標(つまり内挿法で温度1240℃に対して求められる座標)は57aとなる。以下同様にして、区間内のすべての%Cu2Oに対して%CaOを求め(座標52、72)、それらの座標を結ぶ直線が上記平面に投影される座標(57b)を得、各投影座標を結ぶと、温度1240℃における式57(曲線)が得られる。さらに、図12において、各温度での均一溶融範囲の上限を示す式6、8に対しても同様に内挿法を適用し、温度1240℃における式(曲線)を得る。そして、二成分状態図において各曲線で囲まれる領域を、1240℃での均一溶融範囲とする。
【0050】
図15は、1240℃で内挿法により得られた二成分状態図を示し、上記区間内で各曲線で囲まれる領域がTで表記されている。
【0051】
次に、均一溶融範囲を規定する式が、%Cu2Oの所定区間(5.2<(%Cu2O)<11)において、いずれかの温度で存在しない場合の内挿法について図14に示す。この図において、1250℃での均一溶融範囲の下限を示す式7と、1200℃で上記区間の境界(%Cu2O=5.2、11)において存在する下限式5、3とを用いて内挿法を適用する。つまり、%Cu2O、%CaO、及び(酸化溶錬)温度からなる3次元座標系において、上記境界の%Cu2O値に対する各式上の%CaO値をそれぞれ求める。得られた%CaOと%Cu2Oの値の組は、%Cu2O=5.2の場合、1200℃で座標53(式5)、1250℃で座標73で表される。同様に、%Cu2O=11の場合、1200℃で座標31(式3)、1250℃で座標74で表される。
【0052】
そして、対応する各座標53、73を結ぶ直線が温度1240℃の平面に投影される座標は357aとなる。同様に、対応する各座標31、74を結ぶ直線が温度1240℃の平面に投影される座標は357bとなる。さらに、各投影座標357a、357bを結ぶと、温度1240℃における式357(直線)が得られる。
【0053】
さらに、図12において、1250℃での均一溶融範囲の上限を示す式8と、1200℃で上記区間の境界(%Cu2O=5.2、11)において存在する上限式6、4とを用いて、同様に内挿法を適用し、温度1240℃における式(直線)を得る。そして、二成分状態図において各直線で囲まれる領域を、1240℃での均一溶融範囲とする。
【0054】
図15において、上記区間内で各曲線で囲まれる領域がT’で表記されている。他の区間についても、いずれかの内挿法を適用して1240℃での均一溶融範囲を求めることにより、1240℃での二成分状態図が完成する。以上のようにして、任意の温度での二成分状態図を内挿法で得ることが可能となる。
【0055】
【実施例】
1.CaO−FeOx−Cu2O三元系状態図の作成
Cu2Oを含有するカルシウムフェライト系スラグを試薬より調製し、温度1050〜1400℃の間の所定温度でマグネシアルツボ内で銅と共に保持した。これにより、Cu2O重量0〜100%、CaO重量0〜50%、残部実質上酸化鉄(FeOx、1≦x≦1.5)からなる組成範囲のカルシウムフェライト系スラグを得た。このカルシウムフェライト系スラグの各組成を化学分析で求めるとともに溶融状態にあるかを固相分離法で判定し、CaO−FeOx−Cu2O三元系状態図の均一溶融範囲及び均一溶融範囲内でスラグ融点が最小となる組成を求めた。スラグ融点が最小となる組成を表1に示し、均一溶融範囲について得られた結果を表2〜7に示す。
なお、固相分離法は以下のようにして行われる。まず、融体中に少量の固相が共存する場合、充分に鎮静しておくと融体と固相の密度差に応じて、固相が上又は下に濃縮する。従って、この凝固試料を上下に2分割して化学分析すれば上下に組成差を生じ、融体中に固相が共存するときの融体組成が化学分析だけにより比較的簡単に決定できる。この方法は、カルシウムフェライト系スラグのように粘性や界面張力の低い場合に効果的である。
【0056】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0057】
なお、上記近似式は表1に示すデータをプロットして得られ、上記した式1〜式14は、表2〜7に示す各データをプロットして得られたものである。
【0058】
2.実操業実験
三菱連続製銅法における商業用の転炉(C炉)において、カルシウムフェライト系スラグの目標管理温度を1250℃として操業を行いながら、30分間隔で消耗型熱電対によるスラグの温度測定、及び蛍光X線分析装置によるスラグのCu2O、CaO分析を実施した。ここで、酸化溶錬温度は粗銅の酸化程度の変化やC炉に流入する銅マット量の増減によって変動することがある。例えば1250℃においてスラグの%Cu2O(酸素分圧に相当)が17で%CaOが19では、スラグは十分に均一溶融範囲内かつ上記近似式の範囲内にあり、操業条件の変動によってスラグの温度が仮に1200℃に低下してもスラグ中に固体マグネタイトが析出することはない。一方、1250℃においてスラグの%Cu2Oが17で%CaOが17では、スラグは均一溶融範囲内にあるものの上記近似式の範囲からは外れており、この場合にスラグの温度が1200℃に低下するとスラグ中に固体マグネタイトが析出する。又、1250℃においてスラグの%Cu2Oが17で%CaOが21では、スラグは均一溶融範囲内にあるものの上記近似式の範囲からは外れており、この場合にスラグの温度が1200℃に低下するとスラグ中にCaFe2O4、あるいはCa2Fe2O5が析出する。
【0059】
このように、操業中にスラグの%Cu2Oと%CaOとが均一溶融範囲内で、かつ上記近似式の範囲内になるように溶剤(CaO源)の添加を増減させる制御を行った結果、スラグの温度が一時的に低下してもマグネタイト、CaFe2O4、あるいはCa2Fe2O5が析出することがなく、スラグの粘性は低くて良好な流動性を示した。さらに、炉のスラグ排出口や樋にスラグの固着、マグネタイトの堆積などは見られなかった。
【0060】
なお、スラグの温度は消耗型熱電対で、酸素分圧はCaOで安定化したZrO2固体電解質を用いた酸素センサで、%Cu2O、%CaOは上記蛍光X線分析装置でそれぞれ短時間で測定可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化溶錬で生じるカルシウムフェライト系スラグの主成分であるCaO−FeOX−Cu2Oの溶銅共存下での三元系状態図からCaO−Cu 2 O二成分のみを表した二成分状態図を用い、その均一溶融範囲内で操業を行うよう、溶剤の量又は酸素分圧を制御して、カルシウムフェライト系スラグ中のCaOとCu 2 Oの成分量を制御するようにしたので、前記スラグの粘性増大やスラグ中の固体析出に伴う流動性低下といったトラブルがなく、連続製錬を安定して行うことができる。又トラブルが生じた場合であっても直ちにトラブルの生じない操業条件に移行させることができる。そして、上記三元系状態図は、操業によって変動するCu2Oを成分の1つとしているので、実際の操業条件やスラグの状態を反映したものとなり、前記スラグに伴うトラブルを有効に回避できる。
【0062】
さらには、上記関係式の範囲内であればスラグの融点が最低となるので、操業安定性や操業の余裕度が大となり、上記トラブルを有効に回避できるとともに、スラグ融点が最も低くなるので、その分酸化溶錬温度を低くして操業することができ、エネルギ低減を図ることもできる。
【0063】
請求項3乃至8記載の本発明によれば、前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を用いるので、現在の操業条件と均一溶融範囲との関係を把握し易く、前記スラグに伴うトラブルを回避するための制御が容易となる。例えば、二成分状態図では%Cu2Oを一方の軸にとっているので、%Cu2Oに対応して求まるPo2を維持してCaOの添加を制御する場合に、CaOの添加の度合を二成分状態図上で把握し易いという利点がある。
【0064】
請求項9乃至13記載の本発明によれば、前記請求項3乃至8記載の本発明における酸化溶錬温度とは異なる温度での二成分状態図を内挿法により得ることができ、任意の温度での操業に二成分状態図を役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硫化銅精鉱の溶錬方法に用いる製錬装置を示す構成図である。
【図2】 1250℃における均一溶融範囲を表したCaO−FeOx−Cu2O三元系状態図を示す図である。
【図3】 図2のY−Y’線断面でのスラグ組成とスラグ融点との関係を示す図である。
【図4】 三元系状態図からスラグ融点が最小となる点を求め、CaO−Cu2O二成分状態図上にプロットした場合の近似式を示す図である。
【図5】 1150℃における三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を示す図である。
【図6】 1200℃における三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を示す図である。
【図7】 1250℃における三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を示す図である。
【図8】 1300℃における三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を示す図である。
【図9】 1350℃における三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を示す図である。
【図10】 1400℃における三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図を示す図である。
【図11】 二成分状態図を用いて操業を行う方法を示す図である。
【図12】 二成分状態図を得るための内挿法を示す図である。
【図13】 二成分状態図を得るための内挿法を示す別の図である。
【図14】 二成分状態図を得るための内挿法を示すさらに別の図である。
【図15】 内挿法で得られた二成分状態図を示す図である。
【符号の説明】
M 銅マット
S’ カルシウムフェライト系スラグS’
Claims (13)
- 硫化銅精鉱を溶錬して得られる銅マットに対し、CaOを含む溶剤を用いた酸化溶錬を行うことにより、カルシウムフェライト系スラグを生じさせるとともに粗銅を得る硫化銅精鉱の溶錬方法であって、
前記カルシウムフェライト系スラグ中のCaOとCu 2 Oの成分量が、前記酸化溶錬温度における溶銅共存下でのCaO−FeOX−Cu2O三元系状態図(但し、1≦x≦1.5)からCaO−Cu 2 Oの二成分のみで表した二成分状態図における均一溶融範囲内になるよう、かつ、前記カルシウムフェライト系スラグの組成が、
式:%CaO=−0.23×(%Cu2O)+23±1.5の関係を満たすよう、前記銅マットに添加する前記溶剤の量、又は前記酸化溶錬における酸素分圧を制御することを特徴とする硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記式に代え、
次式:
(%CaO)/(%Fe)=0.40〜0.43
を用いることを特徴とする請求項1記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1150℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、
17≦(%Cu2O)≦66の場合に、
式1:
%CaO=−2.80×10-1×(%Cu2O)+23.1
かつ、式2:
%CaO=−5.33×10-5×(%Cu2O)3+8.29×10-3×(%Cu2O)2−4.09×10-1×(%Cu2O)+23.2
で囲まれる領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1200℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、
11≦(%Cu2O)≦50の場合に、
式3:
%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0
かつ、式4:
%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4
で囲まれる領域と、
2.5≦(%Cu2O)≦5.2の場合に、
式5:
%CaO=9.40×10-1×(%Cu2O)+15.9
かつ、式6:
%CaO=−2.28×ln(%Cu2O)+24.7
で囲まれる領域と
で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1250℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、
2.5≦(%Cu2O)≦35の場合に、
式7:
%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1
かつ、式8:
%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6
で囲まれる領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1300℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、
3≦(%Cu2O)≦23の場合に、
式9:
%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04
かつ、式10:
%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8
で囲まれる領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1350℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、
4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に
式11:
%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19
かつ、式12:
%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5
で囲まれる領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度1400℃のときの前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において、
5.4≦(%Cu2O)≦30の場合に、
式13:
%CaO=1.27×10-3×(%Cu2O)3−9.00×10-2×(%Cu2O)2+2.02×(%Cu2O)−4.35
かつ、式14:
%CaO=6.28×10-4×(%Cu2O)3−4.08×10-2×(%Cu2O)2+4.97×10-1×(%Cu2O)+35.9
で囲まれる領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1150℃を超え1200℃未満において、
17≦(%Cu2O)≦50の場合に、
前記酸化溶錬温度1150℃で適用される式1:
%CaO=−2.80×10-1×(%Cu2O)+23.1
と、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式3:
%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0
とを用い、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、
前記酸化溶錬温度1150℃で適用される式2:
%CaO=−5.33×10-5×(%Cu2O)3+8.29×10-3×(%Cu2O)2−4.09×10-1×(%Cu2O)+23.2
と、前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式4:
%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4
とを用い、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、
さらに、11<(%Cu2O)<17の場合に、
前記式1と前記式3とを用い、各式において%Cu2O=17としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式1と、前記式3とを用い、前記式1において%Cu2O=17とし前記式3において%Cu2O=11としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式2と、前記式4とを用い、各式において%Cu2O=17としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式2と、前記式4とを用い、前記式2において%Cu2O=17とし前記式4において%Cu2O=11としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、
さらに、50<(%Cu2O)<66の場合に、
前記式1と前記式3とを用い、各式において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式1と前記式3とを用い、前記式1において%Cu2O=66とし前記式3において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式2と前記式4とを用い、各式において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式2と前記式4とを用い、前記式2において%Cu2O=66とし前記式4において%Cu2O=50としたとき、1150℃を超え1200℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1200℃を超え1250℃未満において、
2.5≦(%Cu2O)≦5.2の場合に、
前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式5:
%CaO=9.40×10-1×(%Cu2O)+15.9
と、前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式7:
%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1
とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、
前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式6:
%CaO=−2.28×ln(%Cu2O)+24.7
と、前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式8:
%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6
とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、
さらに、11≦(%Cu2O)≦35の場合に、
前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式3:
%CaO=−2.71×10-1×(%Cu2O)+22.0
と、前記式7とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、
前記酸化溶錬温度1200℃で適用される式4:
%CaO=6.66×10-2×(%Cu2O)+18.4
と、前記式8とを用い、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、
さらに、5.2<(%Cu2O)<11の場合に、
前記式5と前記式7とを用い、各式において%Cu2O=5.2としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式3と、前記式7とを用い、各式において%Cu2O=11としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の直線を得るとともに、
前記式6と前記式8とを用い、各式において%Cu2O=5.2としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式4と、前記式8とを用い、各式において%Cu2O=11としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、前記各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の直線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各直線で囲まれる領域で規定され、
さらに、35<(%Cu2O)<50の場合に、
前記式3と前記式7とを用い、各式において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式3と前記式7とを用い、前記式3において%Cu2O=50とし前記式7において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式4と前記式8とを用い、各式において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式4と前記式8とを用い、前記式4において%Cu2O=50とし前記式8において%Cu2O=35としたとき、1200℃を超え1250℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1250℃を超え1300℃未満において、
3≦(%Cu2O)≦23の場合に、
前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式7:
%CaO=−6.11×10-5×(%Cu2O)4+5.31×10-3×(%Cu2O)3−1.64×10-1×(%Cu2O)2+1.86×(%Cu2O)+11.1
と、前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式9:
%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04
とを用い、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、
前記酸化溶錬温度1250℃で適用される式8:
%CaO=3.74×10-5×(%Cu2O)4−3.53×10-3×(%Cu2O)3+1.21×10-1×(%Cu2O)2−1.53×(%Cu2O)+29.6
と、前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式10:
%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8
とを用い、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、
さらに、2.5<(%Cu2O)<3の場合に、
前記式7と前記式9とを用い、各式において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式7と前記式9とを用い、前記式7において%Cu2O=2.5とし前記式9において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式8と前記式10とを用い、各式において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式8と前記式10とを用い、前記式8において%Cu2O=2.5とし前記式10において%Cu2O=3としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、
さらに、23<(%Cu2O)<35の場合に、
前記式7と前記式9とを用い、各式において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式7と前記式9とを用い、前記式7において%Cu2O=35とし前記式9において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式8と前記式10とを用い、各式において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式8と前記式10とを用い、前記式8において%Cu2O=35とし前記式10において%Cu2O=23としたとき、1250℃を超え1300℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1300℃を超え1350℃未満において、
4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に、
前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式9:
%CaO=2.07×10-3×(%Cu2O)3−1.08×10-1×(%Cu2O)2+1.69×(%Cu2O)+7.04
と、前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式11:
%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19
とを用い、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、
前記酸化溶錬温度1300℃で適用される式10:
%CaO=−1.18×10-3×(%Cu2O)3+6.03×10-2×(%Cu2O)2−7.54×10-1×(%Cu2O)+30.8
と、前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式12:
%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5
とを用い、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、
さらに、3<(%Cu2O)<4の場合に、
前記式9と前記式11とを用い、各式において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式9と前記式11とを用い、前記式9において%Cu2O=3とし前記式11において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式10と前記式12とを用い、各式において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式10と前記式12とを用い、前記式10において%Cu2O=3とし前記式12において%Cu2O=4としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、
さらに、18.7<(%Cu2O)<23の場合に、
前記式9と前記式11とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式9と前記式11とを用い、前記式9において%Cu2O=23とし前記式11において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式10と前記式12とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式10と前記式12とを用い、前記式10において%Cu2O=23とし前記式12において%Cu2O=18.7としたとき、1300℃を超え1350℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。 - 前記均一溶融範囲は、前記酸化溶錬温度が1350℃を超え1400℃未満において、
5.4≦(%Cu2O)≦18.7の場合に、
前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式11:
%CaO=3.91×10-3×(%Cu2O)3−1.74×10-1×(%Cu2O)2+2.51×(%Cu2O)+1.19
と、前記酸化溶錬温度1400℃で適用される式13:
%CaO=1.27×10-3×(%Cu2O)3−9.00×10-2×(%Cu2O)2+2.02×(%Cu2O)−4.35
とを用い、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得るとともに、
前記酸化溶錬温度1350℃で適用される式12:
%CaO=−2.57×10-3×(%Cu2O)3+1.38×10-1×(%Cu2O)2−2.15×(%Cu2O)+43.5
と、前記酸化溶錬温度1400℃で適用される式14:
%CaO=6.28×10-4×(%Cu2O)3−4.08×10-2×(%Cu2O)2+4.97×10-1×(%Cu2O)+35.9
とを用い、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を複数求め、各値の組をCaO−Cu2O座標上で結んだ一本の曲線を得、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各曲線で囲まれる領域で規定され、
さらに、4<(%Cu2O)<5.4の場合に、
前記式11と前記式13とを用い、各式において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式11と前記式13とを用い、前記式11において%Cu2O=4とし前記式13において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式12と前記式14とを用い、各式において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式12と前記式14とを用い、前記式12において%Cu2O=4とし前記式14において%Cu2O=5.4としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定され、
さらに、18.7<(%Cu2O)<30の場合に、
前記式11と前記式13とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式11と前記式13とを用い、前記式11において%Cu2O=18.7とし前記式13において%Cu2O=30としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記式12と前記式14とを用い、各式において%Cu2O=18.7としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対する内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求めるとともに、
前記式12と前記式14とを用い、前記式12において%Cu2O=18.7とし前記式14において%Cu2O=30としたとき、1350℃を超え1400℃未満の所定の温度に対し内挿法により%CaOと%Cu2Oの値の組を1つ求め、
前記三元系状態図からCaO−Cu2O二成分のみを表した二成分状態図において前記各点を頂点とする四角形の領域で規定されることを特徴とする請求項1又は2記載の硫化銅精鉱の溶錬方法。
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